JP2010169462A - 電磁結合度の変化を検出して入力体情報を検出する入力体情報検出装置 - Google Patents

電磁結合度の変化を検出して入力体情報を検出する入力体情報検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入力体の入力に応じて電磁結合度が変化する位置以外での電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償することにより検出感度を高めた入力体情報検出装置を提供する。
【解決手段】入力体情報検出装置は、センサ部10と駆動部20と検出部30と記憶部40と演算部50とからなる。検出部30は、電磁結合部の電磁結合度を、センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出する。記憶部40は、駆動部により基準となる駆動信号でセンサ部を駆動したときに、検出部により検出されるベクトルを、基準ベクトルとして記憶する。演算部50は、駆動部により所定の駆動信号でセンサ部を駆動したときに、検出部により検出されるベクトルと記憶部に記憶される基準ベクトルとをベクトル演算することにより電磁結合度の変化を算出し、センサ部に入力される入力体の入力体情報を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁結合度の変化を検出して入力体の圧力、圧力分布又は指示位置等の入力体情報を検出する入力体情報検出装置に関し、特に、電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償することにより検出感度を高めた入力体情報検出装置に関する。
本願発明者は、これまでも電磁結合を用いた種々の検出装置を開発している。例えば、特許文献1に開示の圧力検出装置は、ループ配線による電磁結合を用いて圧力分布を測定できる装置である。これは、発振器が接続された駆動ループ配線と検出回路が接続された検出ループ配線との間にクッション材を設け、直交するように配置された駆動ループ配線と検出ループ配線間の距離の変化による電磁結合度の変化を測定するものである。このような電磁結合型の検出装置は、シート状に構成することができ、大型化が可能なものであった。
特開2005−156474号公報
上述のような従来技術の電磁結合型検出装置は、そのセンサ部を大型化することが可能であるので、このセンサ部を床面全体に配置したり、プロジェクタスクリーン等のスクリーン面に配置したりする使用例も考えられる。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、センサ部の大きさが大きくなるに連れて、入力体の入力に応じて電磁結合度が変化する位置以外での電磁結合の漏れが大きくなってしまっていた。このような電磁結合の漏れの問題は、駆動ループ配線と検出ループ配線間が直交する構造で入力体により間接的に結合する検出装置であっても、駆動ループ配線と検出ループ配線間が電磁結合するように形成される直接的に結合する検出装置であっても、同様に存在するものであった。従来の電磁結合型の検出装置では、検出される誘導電流又は誘導電圧の振幅を電磁結合度として測定している。したがって、センサ部に何も入力体が無い状態の初期状態での電磁結合度が大きいと、検出される振幅も初期状態から大きくなるため、入力体が入力されたときの振幅の変化が相対的に小さくなってしまい、従来技術では十分な検出感度で測定することが困難であった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、入力体の入力に応じて電磁結合度が変化する位置以外での電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償することにより検出感度を高めた入力体情報検出装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による入力体情報検出装置は、電磁結合部を有するように構成される直交する複数の駆動ループ配線及び複数の検出ループ配線からなるセンサ部と、センサ部の複数の駆動ループ配線を所定の駆動信号で駆動する駆動部と、センサ部に入力される入力体に応じて変化する電磁結合部の電磁結合度を、センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出する検出部と、駆動部により基準となる駆動信号でセンサ部を駆動したときに、検出部により検出されるベクトルを、基準ベクトルとして記憶する記憶部と、駆動部により所定の駆動信号でセンサ部を駆動したときに、検出部により検出されるベクトルと記憶部に記憶される基準ベクトルとをベクトル演算することにより電磁結合度の変化を算出し、センサ部に入力される入力体の入力体情報を検出する演算部と、を具備するものである。
ここで、記憶部は、センサ部に入力体が入力されない状態のときに検出部により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶するものであっても良い。
また、記憶部は、装置出荷前に、装置電源投入時に、定期的に、又は使用者の任意の何れかのときに、検出部により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶するものであっても良い。
また、入力体がセンサ部の複数のループ配線のループ幅と略同一又は狭い直径の磁性体又は導電体からなる先端部材を有し、演算部は、さらに、駆動信号の振幅と位相を含むベクトルの向きと検出部により検出されるベクトルの向きに基づき、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別しても良い。
また、入力体が共振回路を有し、検出部は、入力体の共振回路に応じて変化する電磁結合部の電磁結合度を、センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出するものであっても良い。
また、記憶部は、センサ部の複数のループ配線の交点毎に、センサ部の所定の領域毎に、又はセンサ部の複数のループ配線毎に、基準ベクトルを記憶するものであっても良い。
さらに、駆動部は、センサ部の複数の駆動ループ配線を正弦波の駆動信号で駆動し、演算部は、検出部により検出されるベクトルと駆動信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算すると共に、検出部により検出されるベクトルと駆動信号と90度位相が異なる信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算することにより、電磁結合度の変化を算出するものであっても良い。
本発明の入力体情報検出装置には、入力体の入力に応じて電磁結合度が変化する位置以外での電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償することにより検出感度を高めることが可能であるという利点がある。
図1は、電磁結合度の変化を検出して入力体の圧力や圧力分布、指示位置を検出する入力体情報検出装置を説明するための概略ブロック図である。 図2は、本発明の測定装置のセルの実部と虚部を算出する直交検出プロセスの流れを説明するためのフローチャートである。 図3は、基準ベクトルをループ配線の交点毎、即ちセル毎に検出する初期化プロセスを説明するためのフローチャートである。 図4は、入力体を検出して基準ベクトルとベクトル演算してベクトルをセル毎に検出する測定プロセスを説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、電磁結合度の変化を検出して入力体情報を検出する入力体情報検出装置を説明するための概略ブロック図である。図示の通り、本発明の入力体情報検出装置は、センサ部10と、駆動部20と、検出部30と、記憶部40と、演算部50とから主に構成されている。なお、入力体情報とは、入力体の圧力や圧力分布、指示位置等の情報をいう。
センサ部10は、電磁結合部18を有するように構成される、直交する複数の駆動ループ配線11及び複数の検出ループ配線12からなる。図示例では、直線状の複数の駆動ループ配線11が並行に配置され、これに直交する方向で、直線状の複数の検出ループ配線12が並行に配置されている。このように配置されたセンサ部10は、例えば入力体として導電体や磁性体を用いた場合には、センサ部10の駆動ループ配線11及び検出ループ配線12が間接的に電磁結合する。後に詳説するが、電磁結合方式の検出装置は、入力体が入力されることによりこの電磁結合度が変化する現象を利用し、この電磁結合度の変化を検出することで、入力体の圧力や圧力分布、指示位置等の入力体情報を検出する。
なお、本発明の入力体情報検出装置のセンサ部は、図示例の構成には限定されず、例えば電磁結合部に導体片が配置されたものであっても良い。配置された導体片とループ配線との間にクッション材が配置されれば、導体片とループ配線間の距離が入力体の押圧力により変化するように構成可能である。導体片とループ配線間の距離が変化すると電磁結合度も変化することから、この現象を利用して入力体の圧力や圧力分布、指示位置等の入力体情報が検出可能である。また、電磁結合部がコイル状に形成された駆動ループ配線及び検出ループ配線が直交するように配置されても良い。さらに、駆動ループ配線と検出ループ配線間にクッション材を配置し、駆動ループ配線と検出ループ配線間の距離が入力体の押圧力により変化するように構成されても良い。このように、本発明の入力体情報検出装置のセンサ部は、電磁結合部を有するように構成され、入力体の入力に応じて電磁結合度が変化するように構成されるものであれば良い。
駆動部20は、センサ部10の複数の駆動ループ配線11を所定の駆動信号で駆動するものである。駆動部20は、発振器と駆動アンプと駆動切替器とからなる。図示例では、DA変換器21と駆動アンプ22と駆動切替器23とからなるものを示している。後述のDSP100からのクロック信号等を基に、DA変換器21によりアナログ波形となった駆動信号を生成し、これを駆動アンプ22により増幅し、駆動切替器23を用いて駆動ループ配線11に順次接続して、駆動ループ配線11を順次高周波駆動する。
一方、検出部30は、センサ部10に入力される入力体に応じて変化する電磁結合部18の電磁結合度を、センサ部10の複数の検出ループ配線12から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出するものである。図示例では、検出部30は、検出切替器31と検出アンプ32とAD変換器33とからなるものを示している。検出切替器31を用いて検出アンプ32を検出ループ配線12に順次接続し、AD変換器33を介して検出ループ配線12から誘導電流又は誘導電圧を順次検出する。
ここで、検出される誘導電流又は誘導電圧の振幅と位相について説明する。入力体がセンサ部10に入力されると、検出信号である誘導電流又は誘導電圧の振幅が変化する。このとき、振幅のみならず位相についても変化することが分かった。即ち、入力体がセンサ部10に入力された場合の検出信号の変化のベクトルと、電磁結合の漏れに応じた検出信号のベクトルとは、方向が異なることが分かった。さらに、ベクトルの変化は、各電磁結合部(セル)の位置に依存したり、切替器のばらつきやループ配線のばらつき等にも依存することが分かった。
そこで、本発明の入力体情報検出装置では、この位相の変化を利用することで電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償することとした。即ち、電磁結合度を、センサ部10の複数の検出ループ配線12から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出するよう構成した。そして、以下に説明するように、入力体が入力されていない基準状態における基準ベクトルを記憶部40に記憶すると共に、演算部50において、検出されたベクトルと基準ベクトルとをベクトル演算することにより、基準時と入力体検出時における差分を取り、入力体によって変化した電磁結合度の変化を検出できる構成とした。これにより、電磁結合の漏れやセンサ部等のばらつきを補償し、検出感度を高めることが可能となった。
ここで、記憶部40は、駆動部20により基準となる駆動信号でセンサ部10を駆動したときに、検出部30により検出されるベクトルを、基準ベクトルとして記憶するものである。なお、振幅と位相を含むベクトルは、例えば、実部と虚部の値としてセル毎に記憶部40に記憶されれば良い。具体的には、後述のように、演算部50により検出信号と駆動信号との積和演算により実部を求め、駆動波形の位相を90度遅らせたものとの積和演算により虚部を求める。記憶部40では、センサ部10に入力体が入力されていない状態のときに、検出部30により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶すれば良い。入力体が入力されていない状態とは、例えば、装置出荷時や装置電源投入時等であれば良い。また、定期的に、又は使用者の任意の何れかのときに、検出部30により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶部40に記憶するように構成しても良い。定期的に基準ベクトルを記憶し、直前の平均値を基準ベクトルとして更新するようにしても良い。また、検出部で検出される検出信号が安定したときに基準ベクトルを更新するようにしても良い。
なお、入力体の入力とは、センサ部に入力体が接触している状態を意味するのは勿論のこと、電磁結合度の変化として検出される程度に入力体がセンサ部に接近した状態も含むものである。
そして、演算部50は、検出信号からベクトル、即ち、実部と虚部の値を求めて電磁結合度の変化を算出する。これは、例えば複数の駆動ループ配線11を正弦波の駆動信号で駆動し、検出部30により検出されるベクトルと駆動信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算することで実部を求め、検出部30により検出されるベクトルと駆動信号と90度位相が異なる信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算することにより虚部を求め、電磁結合度の変化を算出すれば良い。そして、駆動部20により所定の駆動信号でセンサ部10を駆動したときに、検出部30により検出されるベクトルと記憶部40に記憶される基準ベクトルとをベクトル演算する。これにより、基準時の影響を排除した上で、電磁結合度の変化を算出することができる。そして、最終的には実効値(RMS)を取ってセンサ部10に入力される入力体の圧力、圧力分布又は指示位置等の入力体情報を検出する。なお、基準時と入力体検出時の駆動信号は、同一であっても異なっていても良い。
図示例では、これら記憶部40及び演算部50は、DSP(Digital Signal Processor)100で構成されている例を示した。DSP100は、上述のようにクロック信号を駆動部20に供給し、検出部からの検出信号を用いてベクトルを求めると共に、基準ベクトルを記憶部40に記憶し、検出されたベクトルと基準ベクトルを演算部50で演算するよう構成されている。
ここで、駆動部及び検出部については、図示例ではそれらの一部がDSPを用いて実現されているが、図示例のようにDSPからのクロック信号を用いたりDSPでベクトル演算を行うものには限定されず、駆動部において高周波発振器を用いてセンサ部を駆動すると共に、検出部において検出された検出信号と、駆動部の高周波発振器からの出力信号とを同期検波器に入力して電磁結合度の変化を検出するように構成しても良い。
さて、図示例のように構成された本発明の入力体情報検出装置の動作を、以下に詳細に説明する。まずDSP100からクロック信号を駆動部20に供給し、駆動部20のDA変換器21により駆動波形(サイン波)を生成する。これを駆動アンプ22を介して、駆動切替器23により各駆動ループ配線11に順次接続していく。検出部30は、検出切替器31により各検出ループ配線12から順次検出信号を取り出し、検出アンプ32を介してAD変換器33で検出信号をデジタル化した後、DSP100に入力する。なお、駆動切替器23及び検出切替器31の動作としては、例えば、まず1つ目の駆動ループ配線11に駆動部20を接続し、検出部30を複数の検出ループ配線12に順次接続して、そのときの出力信号を記憶する。そして2つ目の駆動ループ配線11に駆動部20を接続し、検出部30を複数の検出ループ配線12に順次接続してそのときの出力信号を測定する。これを繰り返すことで、センサ部10における駆動ループ配線11と検出ループ配線12の交点をXY座標とするすべての位置における出力信号を測定することができる。
図2を用いて、駆動ループ配線11と検出ループ配線12のセルの実部と虚部の値の測定手法について説明する。図2は、本発明の測定装置のセルの実部と虚部を算出する直交検出プロセスの流れを説明するためのフローチャートである。なお、一例として、駆動周波数が1MHzで8波処理を行う例を示した。最初に、各パラメータi,SI,SQをリセットする(ステップ201)。なお、SIは実部を、SQは虚部を意味する。次に、1/8μs間隔で以降の処理を64回繰り返す(ステップ202)。まず、駆動部のDA変換器によりsin(i・2π/8)波形を生成する(ステップ203)。そして、検出部のAD変換器から検出された値aを得る(ステップ204)。演算部では、この値を用いて、実部SIを演算する。具体的には、検出信号と駆動信号との積和演算により求める。即ち、SI=SI+a・sin(i・2π/8)の演算を行う(ステップ205)。また、虚部SQについては、駆動信号の位相を90度遅らせたものとの積和演算により求める。即ち、SQ=SQ+a・sin(i・2π/8−π/2)の演算を行う(ステップ206)。そして、iのカウントを1つ上げて、ステップ202に戻る(ステップ207)。これらを繰り返すことで、実部と虚部の値を求めることが可能となる。
次に、図3及び図4を用いて、基準ベクトルをループ配線の交点毎に算出する手法について説明する。図3は、基準ベクトルをループ配線の交点毎、即ち、セル毎に検出する初期化プロセスを説明するためのフローチャートである。また、図4は、入力体を検出して基準ベクトルとベクトル演算してベクトルをセル毎に検出する測定プロセスを説明するためのフローチャートである。なお、図1に示されるように、駆動ループ配線11が8本(j=0〜7)、検出ループ配線12が8本(i=0〜7)でセンサ部10が構成されている例について、各プロセスを説明する。図3に示されるように、基準ベクトルを検出する初期化プロセスは、まず駆動切替器23(図1参照)をj=0に切り替える(ステップ301)。そして、検出切替器31をi=0に切り替える(ステップ302)。次に、図2に示される直交検出プロセスを行い(ステップ303)、検出された実部SIと虚部SQの値を、それぞれIREF[i,j],QREF[i,j]とする(ステップ304)。その後iのカウントを1つ上げて(ステップ305)、ステップ302に戻り、i=7になるまでこれらを繰り返す。そして、i>7になると、jのカウントを1つ上げて(ステップ306)、ステップ301に戻り、j=7になるまで上述のステップを繰り返す。これにより、すべてのセルに対してIREF[i,j],QREF[i,j]が求まる。このように測定された値を、参照テーブルとして図1の記憶部40に記憶する。
図4に示される測定プロセスでは、図3に示される初期化プロセスと同様に、ステップ401〜ステップ403が行われ、記憶部40に記憶された参照テーブルを参照し、測定された値とベクトル演算を行う。即ち、ステップ403において図2に示される直交検出プロセスにより得られた実部SIと虚部SQの値から、それぞれ記憶部40に記憶された参照テーブルの参照値IREF[i,j],QREF[i,j]を減算して、検出ベクトルとして実部DI[i,j]と虚部DQ[i,j]とする。これらを図3と同様に繰り返すことで(ステップ405、ステップ406)、すべてのセルに対して検出ベクトルが求まる。そして、すべてのセルに対して以下の演算を行うことで、それぞれの振幅と位相を演算する(ステップ407)。
このように、初期化プロセス及び測定プロセスを用いることで、検出部により検出されるベクトルと記憶部に記憶される基準ベクトルとをベクトル演算し、入力体が入力されたときの電磁結合度の変化を算出することが可能となる。そして、算出された電磁結合度の変化を基に、振幅や位相を用いてセンサ部に入力される入力体の圧力、圧力分布又は指示位置等の入力体情報を検出することが可能となる。
なお、上述の例ではループ配線の交点毎に基準ベクトルを記憶し、ループ配線の交点毎にベクトル演算を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、センサ部の所定の領域毎、又はセンサ部の複数のループ配線毎に、基準ベクトルを参照テーブルとして記憶するものであっても良い。
センサ部の所定の領域毎、即ち、エリア毎に基準ベクトルを記憶する場合には、以下のようにすれば良い。例えば図1に示されるセンサ部を4つのエリアに分けた場合、I=0〜3、J=0〜3(I=0はi=1,2、I=1はi=3,4・・・、J=0はj=1,2、J=1はj=3,4・・・の意味)について、以下のような基準ベクトルCIREF,CQREFを記憶しておけば良い。
そして、参照値として以下のIREF,QREFを用いて、測定プロセスで各ループ配線i,jからの検出信号を演算すれば良い。
但し、ROUNDDOWN関数は切り捨てを意味する。
このように、セル毎ではなく、エリア毎に基準ベクトルを参照テーブルとして記憶することで、センサ部が大きくなりセル数が膨大となった場合であっても、記憶量や演算数を減らすことが可能となる。
また、センサ部の複数のループ配線毎に基準ベクトルを参照テーブルとして記憶する場合には、以下のようにすれば良い。例えば、検出ループ配線i=0〜7について、以下のような基準ベクトルを記憶しておけば良い。
そして、駆動ループ配線j=0〜7について、以下のような基準ベクトルを記憶しておく。
そして、参照値として以下のIREF,QREFを用いて、測定プロセスで各ループ配線i,jからの検出信号を演算すれば良い。
このように、セル毎ではなく、ループ配線毎、即ち、X,Yの行と列でそれぞれ平均値を求め、これを参照テーブルとして記憶することで、さらに記憶量や演算数を減らすことが可能となる。
さて、このように構成された本発明の入力体情報検出装置において、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別する場合について説明する。本願発明者は、特願2008−219826において、駆動信号と検出信号が同位相か逆位相かに基づき、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別可能であることを既に開示している。本発明の入力体情報検出装置では、これを応用し、ベクトルの向きに基づき、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別可能とした。以下、詳説する。
例えば、入力体として、駆動ループ配線又は検出ループ配線のループ幅と略同一又は狭い直径の磁性体又は導電体からなる先端部材を有するものを用いる。具体的には、例えば、入力体として、その先端部に磁性体からなる先端部材を有しているものと、導電体からなる先端部材を有しているものの2つを用いる。このような先端部は、ループ幅よりも狭い直径を有するように構成されている。即ち、入力体は、先端部材の大部分が直交するループ配線の内側に入るような大きさを有している。なお、先端部材として用いられる磁性体の材料としては、例えば、フェライトやアルニコ、パーマロイ等が挙げられる。また、導電体の材料としては、例えば、銅やアルミニウム等が挙げられる。
本発明の入力体情報検出装置では、入力体の先端部材が、ループ配線のループ幅と略同一又は狭い直径を有するように構成されることで、検出信号の振幅が大きくなり、また、先端部材が磁性体か導電体かにより検出される検出信号の位相の向き、即ち、ベクトルの向きが反転することになる。なお、駆動ループ配線と検出ループ配線は必ずしも同一のループ幅を有するものには限定されず、また、先端部材の直径も、ループ幅が狭いほうのループ配線のループ幅と略同一又は狭い直径となるように構成されていれば良い。
さて、このような構成の入力体を用いた入力体情報検出装置において、複数の入力体を識別する場合について説明する。演算部50は、駆動信号の振幅と位相を含むベクトルの向きと検出部により検出されるベクトルの向きに基づき、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別する。即ち、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかに応じて、ベクトルの向きが反転するため、これを利用して入力体の先端部材を識別可能となる。
例えば、入力体として、磁性体の先端部材を有するものが入力された場合、駆動ループ配線11の電流が増加するのに従い、センサ部10に垂直な方向の磁界が増加する。このとき、検出ループ配線12では、この磁界の変化を妨げるような方向に誘導電流が発生する。したがって、駆動信号と逆位相の検出信号が検出されることになる。
一方、入力体として、導電体の先端部材を有するものが入力された場合、駆動ループ配線11の電流が増加するのに従い、センサ部10に垂直な方向の磁界が増加する。このとき、先端部材の導電体では、この磁界の変化を妨げるような方向に渦電流が発生する。次に、この先端部材に発生した渦電流により、駆動ループ配線11の電流の増加による磁界の方向とは反対方向に、センサ部10に垂直な方向の磁界が増加する。そして、検出ループ配線12では、この磁界の変化を妨げるような方向に誘導電流が発生する。したがって、駆動信号と同相の検出信号が検出されることになる。
このように、入力体の先端部材が磁性体か導電体かにより、検出される信号の位相が反転することが分かる。したがって、駆動信号と検出信号のベクトルを用いることで、入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別することが可能となる。
また、入力体が共振回路を有する場合に、入力体の共振回路に応じて変化する電磁結合部の電磁結合度を、センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出するように構成しても良い。この場合は、まず、センサ部の直交する複数の駆動ループ配線により所定の周波数の電波を送信し、入力体に設けられる共振回路で受信する。その際、電波を受信した共振回路から発信される電波を検出ループ配線で受信して、検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出する。これを、ループ配線を順次切り替えて検出することで、指示位置を検出できるように構成する。このような構成であっても、上述と同様に、演算部では、検出部で検出されたベクトルと記憶部に記憶された基準ベクトルとをベクトル演算することで、電磁結合度の変化を算出してセンサ部に入力される入力体の圧力、圧力分布又は指示位置等の入力体情報を検出することが可能となる。
なお、本発明の入力体情報検出装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10 センサ部
11 駆動ループ配線
12 検出ループ配線
18 電磁結合部
20 駆動部
21 DA変換器
22 駆動アンプ
23 駆動切替器
30 検出部
31 検出切替器
32 検出アンプ
33 AD変換器
40 記憶部
50 演算部
100 DSP

Claims (7)

  1. 電磁結合度の変化を検出して入力体情報を検出する入力体情報検出装置であって、該入力体情報検出装置は、
    電磁結合部を有するように構成される直交する複数の駆動ループ配線及び複数の検出ループ配線からなるセンサ部と、
    前記センサ部の複数の駆動ループ配線を所定の駆動信号で駆動する駆動部と、
    前記センサ部に入力される入力体に応じて変化する電磁結合部の電磁結合度を、前記センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出する検出部と、
    前記駆動部により基準となる駆動信号で前記センサ部を駆動したときに、前記検出部により検出されるベクトルを、基準ベクトルとして記憶する記憶部と、
    前記駆動部により所定の駆動信号で前記センサ部を駆動したときに、前記検出部により検出されるベクトルと前記記憶部に記憶される基準ベクトルとをベクトル演算することにより電磁結合度の変化を算出し、前記センサ部に入力される入力体の入力体情報を検出する演算部と、
    を具備することを特徴とする入力体情報検出装置。
  2. 請求項1に記載の入力体情報検出装置において、前記記憶部は、前記センサ部に入力体が入力されない状態のときに前記検出部により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶することを特徴とする入力体情報検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の入力体情報検出装置において、前記記憶部は、装置出荷前に、装置電源投入時に、定期的に、又は使用者の任意の何れかのときに、前記検出部により検出されるベクトルを基準ベクトルとして記憶することを特徴とする入力体情報検出装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の入力体情報検出装置において、入力体が前記センサ部の複数のループ配線のループ幅と略同一又は狭い直径の磁性体又は導電体からなる先端部材を有し、
    前記演算部は、さらに、前記駆動信号の振幅と位相を含むベクトルの向きと前記検出部により検出されるベクトルの向きに基づき、前記入力体の先端部材が磁性体なのか導電体なのかを識別する、
    ことを特徴とする入力体情報検出装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の入力体情報検出装置において、入力体が共振回路を有し、
    前記検出部は、入力体の共振回路に応じて変化する電磁結合部の電磁結合度を、前記センサ部の複数の検出ループ配線から出力される検出信号の振幅と位相を含むベクトルとして検出する、
    ことを特徴とする入力体情報検出装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の入力体情報検出装置において、前記記憶部は、前記センサ部の複数のループ配線の交点毎に、前記センサ部の所定の領域毎に、又は前記センサ部の複数のループ配線毎に、基準ベクトルを記憶することを特徴とする入力体情報検出装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の入力体情報検出装置において、
    前記駆動部は、前記センサ部の複数の駆動ループ配線を正弦波の駆動信号で駆動し、
    前記演算部は、前記検出部により検出されるベクトルと駆動信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算すると共に、前記検出部により検出されるベクトルと駆動信号と90度位相が異なる信号の振幅と位相を含むベクトルとを積和演算することにより、電磁結合度の変化を算出する、
    ことを特徴とする入力体情報検出装置。
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