JP3265813B2 - 磁歪式トルクセンサ及び測定装置ならびにそれらを用いた切削工具用状態監視装置 - Google Patents

磁歪式トルクセンサ及び測定装置ならびにそれらを用いた切削工具用状態監視装置

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JP3265813B2
JP3265813B2 JP06463494A JP6463494A JP3265813B2 JP 3265813 B2 JP3265813 B2 JP 3265813B2 JP 06463494 A JP06463494 A JP 06463494A JP 6463494 A JP6463494 A JP 6463494A JP 3265813 B2 JP3265813 B2 JP 3265813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁歪式トルクセンサ及
び測定装置ならびにそれらを用いた切削工具用状態監視
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪式の応力(トルク)センサは、磁気
歪現象のひとつである強磁性体に機械的な歪を与えた時
に透磁率が変化する現象を利用したもので、トルク検出
用の回転軸を鉄などの強磁性体で形成し、その軸体の側
面に対向するようにブリッジを構成する2つのU字形コ
イル(U字状のコアの開放側両端脚部にコイルを巻回し
て構成される)を交差状に配置した構成としている。
【0003】そして、一方のコアを回転軸の軸方向と平
行に配置し、他方のコアを軸方向と直交する方向に配置
する。換言すれば、上記2つのコアの各脚部は正方形の
各頂点に位置するが、その正方形の各辺は、回転軸の軸
方向に対して45度傾斜方向に位置することになる。
【0004】この状態で、その回転軸にトルクが加わる
と、捻られて軸の中心線に対して±45度の方向に引張
応力と圧縮応力とが生じ、これにより回転軸の透磁率が
変化する。この透磁率の変化を、上記2つのU字形コイ
ルの一方に交流電流を流して励磁するとともに、他方の
コイルから信号を取り出すことにより透磁率の変化分を
検出し、その検出結果に基づいてトルクを求めるように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のセンサでは、以下に示す問題を有している。す
なわち、磁極部分は、励磁用コアの開放端,被測定軸
内,検出用コアの開放端,検出用コア内部,検出用コア
の他開放端,被測定軸内,励磁用コアの他開放端といっ
た磁路を持つ。励磁用コアと検出用コアは、交差状に配
置されているため、上記磁路は2系統存在し、被測定軸
に加わるトルクの方向に対して、それぞれの磁路の透磁
率が差動的に変化することで、トルクを検出する。
【0006】しかし、励磁用コア開放端と検出用コア開
放端間の被測定軸内を通る磁路は、異なる4箇所に存在
する。よって、必然的に、互いに隣接するが異なる場所
の透磁率を測ることになり、被測定軸における透磁率の
不均一性のため、軸回転に伴う大きなゼロ点変動が発生
する。
【0007】しかも、この方式では、ある方向へのトル
クは感度良く検出することができるものの、反対方向に
捻られたトルクに対する検出感度は低い。よって、両方
向に係るトルクの検出感度を共に高くするためには、上
記構成のセンサを2個設け、それを軸方向で異なる位置
に配置することになり、上記問題(軸回転に伴う大きな
ゼロ点変動等)がより顕著になるばかりでなく、装置の
大型化を招く。
【0008】また、各コイルにより形成される磁極は、
各コアの開放端面となり、磁極面積が小さく感度が低く
なるという問題も有する。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、検出感度が高く、同
一箇所における直交する2方向に向けて発生するトルク
を検出することができ、さらにたとえ各コイルの装着や
センサの被測定物に対する取付け精度出しのむらがあっ
ても所定の補正処理を行い精度のよいトルク測定をする
ことのできる磁歪式トルクセンサ及び測定装置を提供す
ることにある。また、上記目的を達成するトルクセンサ
等を用い、小型かつ簡易な構成でもって切削工具にかか
っているトルクを正確に検出でき、切削工具の折損の有
無並びにその折損の予測や、磨耗等の切削工具の状態を
検出することができる切削工具用状態監視装置を提供す
ることにある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した目的を達成す
るために、本発明に係る磁歪式トルクセンサでは、互い
に逆方向に巻回された第1,第2の巻線により略8の字
状に形成される励磁コイルと、その励磁コイルと略同一
形状の検出コイルと、それら両コイルを装着するための
4本の柱状の磁心を有するコアとを備え、前記励磁コイ
ルを構成する第1,第2の巻線の配置方向と、前記検出
コイルの第1,第2の巻線の配置方向とを直交状態で重
ね合わせて配置するとともに、前記各コイルの各巻線を
前記4つの磁心のうち所定の隣接する2つの磁心の周囲
に巻回し、かつ、前記隣接する2つの磁心の配置方向
を、測定対象の回転体の軸方向と平行または直交するよ
うにした。
【0011】そして、好ましくは、前記両コイルを前記
磁心に装着するに際し、前記励磁コイルを前記磁心の開
放側に配置することであり、その時前記励磁コイルと前
記検出コイルとを、前記磁心の軸方向にそって所定距離
だけ離反配置するとなおよい。さらに前記コアが、所定
形状のブロック体の一面に十字状溝を形成することによ
り一体に形成されたものを用いると、簡単に製造するこ
とができるので好ましい。
【0012】上記した目的を達成するための別の解決手
段としては、仮想四角形の各頂点に、励磁コイルを構成
する第1〜第4の励磁巻線を配置するとともに、隣接す
る2本の励磁巻線に同一方向に電流が流れ、残りの2本
の励磁巻線にそれと逆向きの電流が流れるように結線し
た。そして前記第1〜第4の励磁巻線に重合するように
して検出コイルを構成する第1〜第4の検出巻線を配置
した。さらに、前記同一方向に電流が流れる一対の励磁
巻線の配置方向を、測定対象の回転軸の軸方向と平行ま
たは直交するようにしてもよい。
【0013】そして、係る場合に4本の柱状の磁心を有
するコアをさらに備え、前記各励磁巻線及び検出巻線
を、前記各磁心に装着すると、より好ましい。
【0014】さらに好ましくは、上記各種構成の磁歪式
トルクセンサを前提とし、前記励磁コイルにより発生す
る磁束の総量を測定するようにさぐりコイルをさらに設
け、そのさぐりコイルの出力を用いて前記検出コイルの
出力の補正を行えるようにすることである。
【0015】また、本発明に係る磁歪式トルク測定装置
では、上記構成のさぐりコイル付きの磁歪式トルクセン
サと、トルク検出対象の回転体にトルクを加えない状態
で回転させた時に得られる前記さぐりコイルと前記検出
コイルの出力に基づいて生成されたゼロ点補正値データ
を記憶する記憶手段と、前記回転体にトルクを加えた時
の前記さぐりコイルの出力から前記記憶手段に格納され
たゼロ点補正値を読み出すとともに、その読出したゼロ
点補正値に基づいて前記検出コイルの出力を補正する補
正手段とから構成した。
【0016】さらに本発明に係る切削工具用状態監視装
置では、工作機械本体に着脱される切削工具のシャンク
部分または前記切削工具とともに回転する主軸の外側
に、その軸方向と所定の相対位置関係で配置された上記
したいずれかの構成からなる磁歪式トルクセンサまたは
磁歪式トルク測定装置と、その磁歪式トルクセンサまた
は測定装置の出力を受け、工作機械本体に着脱される切
削工具の折損の有無,折損の予測,または磨耗等の前記
切削工具の所望の状態を判定する判定手段と、その判定
手段の判定結果を受けて、前記切削工具が装着される駆
動装置に対して減速命令等の所定の制御信号を出力する
制御信号発生手段とから構成した。
【0017】
【作用】請求項1〜4の発明では、励磁コイルに所定の
交流電流を流すと、それにともない、励磁コイルの一方
の巻線から他方の巻線に向けて磁束が発生する。そし
て、磁気抵抗の小さなコアの各磁心に磁束が集中する。
上記磁束は磁気抵抗の小さな経路を通るため、回転軸に
トルクがかかっていないとすると、一方の磁心から他方
の磁心に対して真っ直ぐ、すなわち、軸心の平行或いは
直交方向に進むことになる。すると、励磁コイルと検出
コイルを直交配置したため、上記磁束は、検出コイルの
各巻線を横切ることがなく、検出コイル側には、誘導起
電力は発生しない。
【0018】一方、回転軸に所定のトルクTがかかると
すると、軸方向に対して±45度の方向に沿って応力が
加わる。すると、逆磁歪効果によって、この部分の透磁
率が変化する。従って、磁束は、軸方向に対して45度
の方向に通りやすくなるため、上記発生した磁束は斜め
に進み、検出コイルの各巻線と鎖交するため、誘導起電
力が発生する。そして、起電力はトルクが大きいほど大
きくなる。
【0019】さらに、励磁,検出コイルを透磁率の高い
物質からなるコア(磁心)に装着したことにより、各巻
線のターン数並びに励磁電流が小さくても、発生する磁
束が大きくなり、トルク印加時の各コイルを横切る鎖交
磁束が大きくなる。よって、高感度なセンサとなる。
【0020】また、請求項5,6の発明では、基本的に
は上記と同様であり、トルクがかかっていない場合に励
磁コイルに所定の交流電流を流すと、一方の励磁巻線対
から出た磁束は、それに隣接する他方の励磁巻線対に対
して真っ直ぐ、すなわち、軸心の平行或いは直交方向に
進むことになる。そして、各励磁巻線により発生する磁
束は等しく、よって、検出コイルを構成する各検出巻線
で発生する誘導起電力も等しくなる。
【0021】一方、回転軸に所定のトルクTがかかると
すると、上述の如く軸方向に対して±45度の方向に沿
って応力が加わり、磁束は、軸方向に対して45度の方
向に通りやすくなる。よって、上記発生した磁束は斜め
に進み、その斜め方向に位置する検出巻線の誘導起電力
が増加する。そして、その増加分はトルクが大きいほど
大きくなる。したがって、各検出巻線の誘導起電力の状
態を監視することにより、トルクの有無並びに方向など
を知ることができる。
【0022】さらに、請求項7,8の磁歪式トルクセン
サおよび測定装置では、さぐりコイルの出力は、トルク
の大きさに起因せず一定となる。したがって、励磁コイ
ルに所定の交流信号を加えるとともにトルクを加えない
状態で被測定物(回転体)を回転させる。そしてその時
の検出コイルの出力は、各コイルを構成する巻線間の特
性のばらつきや、ギャップなどにより起因するもので、
オフセット値、すなわちゼロ点補正値となる。さらにこ
の時の検出コイルの出力は、さぐりコイルの出力と基本
的に(原則として)1対1に対応する。そこで、両出力
を対にしたテーブルを作成し、記憶手段に格納する。そ
して、回転体にトルクがかかった実際の測定に際して
は、同時に検出コイルとさぐりコイルの出力を抽出し、
さぐりコイルの出力に基づいて上記記憶手段にアクセス
して対応するゼロ点補正値を読出す。ついで、読出した
ゼロ点補正値を検出コイルの出力からひくことにより、
トルクの大きさに対応した真の検出コイルの出力を求め
ることができる。そして、通常の方法により、その出力
(補正後)からトルクを算出する。
【0023】また、本発明の切削工具用状態監視装置で
は、切削工具に係っているトルクを検出することによ
り、その切削工具の状態を検出する。すなわち、仮に切
削工具がおれた場合には、負荷がなくなりトルクが急激
に低下する。また、そのおれる直前には、トルクは増大
する。また、工具の先端加工面が磨耗などすると、切削
対象物との間の接触抵抗が大きくなるので、やはりトル
クは増加する。そこでトルクセンサの出力に基づいて、
現在の切削工具の状態を判断し、必要に応じて制御信号
発生手段がドリルの駆動装置に対して所定の制御信号を
出力し、回転数や下降速度を減速したり、さらには、停
止並びに逆転駆動をかけ、安定した運転を確保する。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係る磁歪式トルクセンサの好
適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図1に示
すように、正方形の頂点上に配置された4本の四角柱状
の磁心たる脚部11a〜11dを有するフェライトなど
の透磁率の高いコア10に同一形状からなる励磁コイル
20と検出コイル30を、その相対位置関係を90度ず
らした状態で重ね合わせて配置している。
【0025】励磁コイル20は、逆方向に所定の同一タ
ーン数だけそれぞれ巻回された第1,第2の巻線21,
22を備え、第1の巻線21は脚部11a,11bの周
囲を巻回し、第2の巻線22は脚部11c,11dの周
囲を巻回するようにしている。これにより、両巻線1
1,12は、その平面形状が略長方形になり、さらにそ
の配置方向は平行になる。これにより、励磁コイル20
に第1の巻線21側から電流を流すと、同図(B)に示
すような方向で各巻線内を電流が流れることになる。
【0026】同様に、検出コイル30は、コア10の脚
部11a,11dの周囲を所定ターン数だけ巻回するよ
うにして構成される第1の巻線31と、その第1の巻線
の巻回方向と逆方向に脚部11b,11cの周囲を所定
ターン数だけ巻回するようにして構成される第2の巻線
32とから構成される。そして、この両巻線31,32
も、平面形状が略長方形で、配置方向が平行となる。
【0027】これにより、励磁コイル20の配置方向
と、検出コイル30の配置方向とが、直交するようにな
る。また、両コイル20,30は、それぞれ1本の線を
所定方向に巻回することにより形成される。なお、各巻
線の成形方法としては、一方の巻線(例えば第1の巻線
21,31)を所定回数だけ巻回した後、他方の巻線
(例えば第2の巻線22,32)を同一回数だけ逆方向
に巻回するようにしてもよく、また、両方の巻線を交互
に巻回するようにしてもよく、その巻線方法は任意であ
る。
【0028】さらに本例では、励磁コイル20の方を脚
部11a〜11dの開放側に配置し、しかも、励磁コイ
ル20は開放側先端部に位置させる。一方、検出コイル
30は脚部11a〜11dの根元側に位置させている。
これにより、両コイル20,30の脚部の軸方向での離
反距離が長くなる。なお、本発明は必ずしも係る順に配
置する必要はなく、逆(検出コイル30を脚部11a〜
11dの開放側に配置する)でもよく、また、いずれの
配置であっても、両コイル20,30を接近させた状態
で配置してもよい。
【0029】また、上記所定形状からなるコア10を製
造するには、直方体状のブロック体を製造し、次いで、
一つの表面を切削加工して十字状に溝を切ることにより
簡単に形成できる。
【0030】さらに、係る構成のセンサを実装するに
は、図2に示すように、磁性材で形成される回転軸50
の側面に近接して対向配置させるが、この時、励磁コイ
ル20の両巻線21,22の長辺の配置方向が回転軸5
0の軸方向と直交し、検出コイル30の両巻線31,3
2の長辺の配置方向が回転軸50の軸方向と平行になる
ように配置する。なお、この配置の位置関係は逆(励磁
コイル20の両巻線21,22の長辺の配置方向が回転
軸50の軸方向と平行)にしてもよい。
【0031】そして、図3に示すように、励磁コイル2
0は、交流電源51に接続して交流信号(励磁電流)を
供給できるようにしている。また、検出コイル30は、
両端子間に同期整流器52を接続し、出力電圧を検出可
能としている。
【0032】ここで、トルクセンサの検出(動作)原理
について説明する。まず、交流電源51を用いて励磁コ
イル20に所定の交流電流を流すと、それにともない、
励磁コイル20の一方の巻線(例えば第1の巻線21)
から他方の巻線(例えば第2の巻線22)に向けて磁束
が発生する。そして、磁気抵抗の小さなコア10の各脚
部11a〜11dに磁束が集中する。
【0033】この時、励磁コイル20内を流れる電流に
より発生した磁界は、磁気抵抗が低い経路を通って磁束
が流れるため、回転軸50にトルクがかかっていないと
すると、ある時刻では図4(A)に示すように、脚部1
1aから出た磁束は、磁気抵抗の小さな回転軸50内を
通り、しかも、距離の短かな脚部11dに入るべく回転
軸50の軸方向に沿って移動する。同様に、脚部11b
から出た磁束は、回転軸50内を軸方向に沿って移動し
て脚部11cに入る。なお、図示省略するが、励磁コイ
ル20へ供給される励磁電流は交流信号であるので、そ
の電流の流れる向きが逆転すると、磁束の方向も逆にな
る。
【0034】そして、これら両磁束は、それぞれ検出コ
イル30の各巻線31,32を横切ることがないので、
検出コイル30側には、誘導起電力は発生しない。よっ
て、同期整流器52の出力も零となる。
【0035】一方、同図(B)に示すように、回転軸5
0に所定のトルクTがかかるとすると、軸方向に対して
±45度の方向に沿って応力(±σ図中両方向矢印で示
す)が加わる。すると、逆磁歪効果によって、この部分
の透磁率が変化する。そして、この透磁率の変化は、ト
ルクが大きいほど大きくなり、軸の磁歪定数を正とする
と張力方向(+σ方向)の透磁率が大きくなる。従っ
て、磁束は、図中矢印で示すように、左下方向に通りや
すくなるため、上記発生した磁束は、検出コイル30の
各巻線31,32と鎖交し、誘導起電力が発生する。そ
して、起電力はトルクが大きいほど大きくなる。よっ
て、検出コイル30の両端に発生する起電力を測定する
ことにより、トルクの大きさを検出することができる。
【0036】しかも、図示と逆方向のトルクが回転軸5
0にかかった場合には、図示とは逆に右上方向に磁束が
流れ易くなる。よって、鎖交磁束の位相が反転するが、
同期整流器52によりその位相を検出することにより、
回転軸50にかかっているトルクの方向も検出すること
ができる。
【0037】そして、本例では、励磁,検出コイル2
0,30を透磁率の高い物質からなるコア10(脚部1
1a〜11d)に装着したことにより、各巻線のターン
数並びに励磁電流が小さくても、発生する磁束を大きく
することができ、トルク印加時の各コイル20,30を
横切る鎖交磁束が大きくなる。よって、高感度なセンサ
となる。
【0038】さらに、本例では、励磁コイル20を各脚
部11a〜11dの開放側先端に配置したため、回転軸
50の外周面との距離を短くすることができ、その結
果、漏れ磁束を小さくすることができ、励磁電流により
発生する磁束を、トルク検出のために有効(効率よく)
使用することができ、より感度が向上する。
【0039】さらに、励磁コイル20と検出コイル30
との関係は、図5に示す等価回路で表わすことができ、
両コイル20,30間には、容量結合による線間容量が
発生している。そしてこの線間容量が大きくなると、励
磁コイル20側から検出コイル30側へリーク電流が流
れ、無駄な電力消費をしてしまい、励磁電流の磁束への
変換効率が低下してしまう。しかし、本例では、上記し
たごとく励磁コイル20と検出コイル30とを各脚部1
1a〜11dの軸方向に沿って所定距離だけ離反配置し
たため、上記線間容量を減少させることができ、励磁電
流の磁束への変換効率を向上させ、検出コイル30を横
切る磁束を増大させると共に、それを効率よく電圧に変
換することができ、検出感度のさらなる向上および損失
の低減を図ることができる。
【0040】さらにまた、4本の脚部11a〜11dに
連続する溝切り加工されていない基板部分12(図1等
参照)は、ヨークの役割をなすため、これによっても漏
れ磁束の発生を抑制し、検出感度が向上する。
【0041】なお、上記した実施例では、フェライト等
の透磁率の高い物質からなる直方体状のブロック体を十
字状の溝を切削加工することによりコア10を形成した
が、本発明はこれに限ること無く、図6に示すように、
4本の脚部11a〜11dが円柱状にしてなるコア10
でも良く、その形状は任意である。なお、係る場合に
は、具体的な図示は省略するが、各巻線の平面形状は脚
部11a〜11dの外周面に対応し、略長円状となる。
また、その製造工程も、切削して所定形状の脚部を作る
のではなく、予め所定の金型を形成しておき、係る金型
を用いても良く、その製造工程は任意である。
【0042】さらには、図7に示すように、脚部11a
〜11dと、それを取り付けるための基板13とを別途
形成し、それを接着一体化するようにしても良い。そし
て、係る場合に少なくとも脚部11a〜11dは高透磁
率の材料から構成するが、基板13も高透磁率の材料
(脚部と同一或いは異なる材質のいずれでも良い)から
構成すると、上記したごとくヨークの機能を発揮する。
【0043】さらにまた、図8に示すように、コア10
の各脚部11の開放側端面11′を回転軸50の外周面
に沿うように、Rをつけるようにしてもよい。係る構成
にすることにより、開放側端面11′から出る漏れ磁束
を可及的に抑制でき、センサの感度のさらなる向上が図
れる。
【0044】さらにまた、上記した実施例および変形例
では、磁心としての脚部11が比較的長く、両コイル2
0,30を軸方向に所定距離離した構成とし、各巻線の
平面形状は長方形,長円としたが、図9(A)に示すよ
うに、コア10が、平面形状が中心角90度の扇形から
なる4個の脚部11a〜11dを備え、その突出長さも
短くした偏平形状のものでもよい。
【0045】そして同図(B)に示すように、励磁コイ
ル20は、半円形状の第1,第2の巻線21,22を備
え、それら第1,第2の巻線21,22の直線部21
a,22aを同一線上で一致するように配置させて(近
接状態で平行に配置させるようにしても良い)、両巻線
21,22で1つの円形を構成するように配置する。そ
して、両巻線21,22は1本の線を半円形状に適宜所
定のターン数だけ巻回することにより形成され、最終的
な配置状態では両巻線21,22は逆方向に同一ターン
数だけ巻回することになる。そして、第1の巻線21
は、脚部11a,11bの周囲を巻回し、第2の巻線2
2は、脚部11c,11dの周囲を巻回するようにして
いる。
【0046】同様に、検出コイル30は、コア11a,
11dの周囲を所定ターン数だけ巻回するようにして構
成される第1の巻線31と、脚部11b,11cの周囲
を所定ターン数だけ巻回するようにして構成される第2
の巻線32とを備え、それら第1,第2の巻線31,3
2の直線部31a,32aを同一線上で一致するように
配置させる(近接状態で平行に配置させるようにしても
良い)。
【0047】これにより、励磁コイル20の直線部21
a,22aと、検出コイル30の直線部31a,33a
は、直交配置し、両コイル20,30が90度ずれた位
置に配置されることになる。
【0048】係る構成にすると、両コイル20,30が
近接配置されるため、上記した漏れ磁束の影響は出るも
のの、高さが抑えられ小形化される。また、外周形状
(長さ)に対する磁極面積が増大する。なお、漏れ磁束
の影響が大きい場合には、適宜脚部11a〜11dの長
さを延ばせば良い。なお、その他の構成並びに作用効果
は、上記した実施例と同様であるため、その説明を省略
する。
【0049】図10は本発明に係る磁歪式トルクセンサ
の第2実施例を示している。同図にに示すように、正方
形の頂点上に配置された4本の円柱状の磁心たる脚部1
1a〜11dを有するフェライトなどの透磁率の高いコ
ア10に励磁コイル20と検出コイル30を、所定の位
置関係で重ね合わせて配置している。
【0050】そして、本実施例では、各脚部11a〜1
1dに各コイル20,30を巻き付ける方式が上記第1
実施例と相違している。すなわち、励磁コイル20は、
各脚部11a〜11dに同一ターン数からなる第1〜第
4の励磁巻線23a〜23dをそれぞれ巻き付けるとと
もに、各巻線23a〜23dを所定の順で接続すること
により1本の連続した電線としている。具体的には、図
11に示すように、その1本の電線に電流を流した時
に、隣接する2本の脚部11a,11bに装着する第
1,第2の励磁巻線23a,23bは同一方向(本例で
は時計方向)に電流が流れ、他の隣接する2本の脚部1
1c,11dに装着する第3,第4の励磁巻線23c,
23dは上記と逆方向(本例では反時計方向)に電流が
流れるように各励磁巻線23a〜23dを適宜結線す
る。
【0051】これにより、図示するように1本の連続し
た線の両端を交流電源40に接続することにより、ある
瞬間では、上記したように電流が流れ、それにともない
各脚部11a〜11dでは所定方向に磁束が発生する。
なお、交流電流であるため、別の瞬間では、図11に示
すのと逆向きの電流が流れ、発生する磁束も逆向きとな
る。
【0052】なお、各巻線同士の結線の仕方は、上記し
た実施例に限られることなく、要は、隣接する2本の励
磁巻線に同一方向に電流が流れ、残りの2本の励磁巻線
にそれと逆向きの電流が流れるようにすればよい。ま
た、各コイル(巻線)を実際に脚部11a〜11dに装
着するには、1本の長い線を用い、各脚部の周囲に順に
所定方向に巻き付けることにより励磁コイル20,検出
コイル30をそれぞれ形成してもよく、各巻線を各脚部
に対しそれぞれ別個に巻き付け、各巻線の端部同士を適
宜接続することにより励磁コイル20,検出コイル30
をそれぞれ形成してもよい。特に後者の方式によれば、
巻き付け処理が非常に簡単になる。
【0053】一方検出コイル30も、上記励磁コイル2
0を構成する各巻線と同様に、各脚部11a〜11dに
それぞれ同一ターン数からなる第1〜第4の検出巻線3
3a〜33dを巻き付け形成している。これにより、各
検出巻線33a〜33dでは、それぞれ対応する励磁巻
線23a〜23dに流れる電流にともない生じる磁束に
より、誘導起電力が発生する(図12参照)。そして、
その各検出巻線33a〜33dをトルク検出装置45に
接続する。
【0054】このトルク検出装置45は、図13に示す
ように、第1の検出巻線33aと第4の検出巻線33d
の誘導起電力を第1加算器45aに接続し、第2の検出
巻線33bと第3の検出巻線33cの誘導起電力を第2
加算器45bに接続し、さらに両加算器45a,45b
を減算器45cに接続することにより構成されている。
【0055】さらに本例では、励磁コイル20の方を脚
部11a〜11dの開放側に配置し、しかも、励磁コイ
ル20は開放側先端部に位置させ、検出コイル30は脚
部11a〜11dの根元側に位置させている。これによ
り、両コイル20,30の脚部の軸方向での離反距離を
長くしている。
【0056】そして、係る構成のセンサを実装するに
は、図14に示すように、磁性材で形成される回転軸5
0の側面に近接して対向配置させるが、この時、励磁コ
イル20から発生する磁束がその回転軸50の軸方向と
平行または直交するように配置する。すなわち、コア1
0の各脚部11a〜11dを結ぶことにより形成される
仮想正方形の各辺(隣接する脚部を結ぶ線)が、上記軸
方向と平行か直交するように配置する。なお、本例で
は、発生する磁束が平行に通るように配置した。
【0057】ここで、トルクセンサの検出(動作)原理
について説明する。まず、交流電源40を用いて励磁コ
イル20に所定の交流電流を流すと、それにともない、
励磁コイル20の通電方向と同じな一対の励磁巻線(例
えば第1,第2の励磁巻線23a,23b)から他方の
励磁巻線(例えば第3,第4の励磁巻線23c,23
d)に向けて磁束が発生する。そして、磁気抵抗の小さ
なコア10の各脚部11a〜11dに磁束が集中する。
【0058】この時、励磁コイル20内を流れる電流に
より発生した磁界は、磁気抵抗が低い経路を通って磁束
が流れるため、回転軸50にトルクがかかっていないと
すると、ある時刻では図15(A)に示すように、脚部
11aから出た磁束は、磁気抵抗の小さな回転軸50内
を通り、しかも、距離の短かな脚部11cに入るべく回
転軸50の軸方向に沿って移動する。同様に、脚部11
bから出た磁束は、回転軸50内を軸方向に沿って移動
して脚部11dに入る。なお、図示省略するが、励磁コ
イル20へ供給される励磁電流は交流信号であるので、
その電流の流れる向きが逆転すると、磁束の方向も逆に
なる。
【0059】すると、各検出巻線33a〜33dに発生
する誘導起電圧V1〜V4は、V1=V2=V3=V4
の関係にある(同一ターン数のため)ので、第1加算器
45aの出力はV1+V4で、第2加算器45bの出力
はV2+V3となり、共に同一値となる。よって、減算
器45cの出力は零となる。
【0060】一方、同図(B)に示すように、回転軸5
0に所定のトルクTがかかるとすると、軸方向に対して
±45度の方向に沿って応力(±σ図中両方向矢印で示
す)が加わる。すると、逆磁歪効果によって、この部分
の透磁率が変化する。そして、この透磁率の変化は、ト
ルクが大きいほど大きくなり、軸の磁歪定数を正とする
と張力方向(+σ方向)の透磁率が大きくなる。
【0061】従って、磁束は、図中矢印で示すように、
右下方向に通りやすくなるため、第1,第4の検出巻線
33a,33dを横切る磁束が増大し、V1とV4が大
きくなる。よって、減算器45cの出力((V1+V
4)−(V2+V3))は正となる。また、その大きさ
はトルクが大きいほど大きくなる。従って、減算器45
cの出力電圧の有無を検出することにより、トルクの有
無を検出することができ、さらにその電圧値から、トル
クの大きさを検出することができる。
【0062】しかも、図示と逆方向のトルクが回転軸5
0にかかった場合には、図示とは逆に左上方向に磁束が
流れやすくなる。よって、上記の例ではV2とV3の電
圧値が大きくなるので、減算器45cの出力は負とな
る。よって、回転軸50にかかっているトルクの方向も
検出することができる。
【0063】なお、この検出コイルのトルクにともない
出力電圧の検出は、上記した実施例に限ることはなく、
例えば図16に示すように、各検出巻線33a〜33d
を所定の順で結線して1本の連続した配線にすることに
より、その両端の電圧Vout(上記減算器の出力と同等
の意味を持つ)を検出するようにしても良い(その時の
等価回路は図17に示すようになっている)。係る場
合、単に結線するだけで良いため、構成が簡略化する。
【0064】なおまた、上記した実施例のトルク検出装
置45並びに図16に示す結線方式では、いずれも Vout =(V1+V4)−(V2+V3) となるように設置したが、本発明はこれに限ることな
く、例えば、 Vout =(V1−V2)+(V4−V3) としたり、 Vout =(V1−V3)+(V4−V2) となるように設置しても良い。なお、コアの形状は、上
記した実施例に限ることなく、脚部(磁心)の形状を四
角柱状にしたり、或いは、脚部部分と、それを連結する
基板を別部材で形成し、接続一体化(例えば図7に示す
構造)しても良く、さらに図8に示すように脚部の先端
を回転体の円周に合わせてR加工したり、図9に示すよ
うに偏平状のコアとしてもよく、その形状は任意であ
る。
【0065】また、上記した実施例では、励磁巻線なら
びに検出巻線をそれぞれ各巻線毎に同一ターン数とした
が、本発明はこれに限ることはなく、要はトルク零の時
に検出コイル側の出力が零になるように調整されていれ
ば良い。
【0066】なおまた、具体的な図示は省略するが、本
発明では、上記した実施例のようにコア(磁心)を必ず
しも設けなくてもよい。すなわち、空芯コイルとしても
良い。これにより、厚さがほとんどなくなるため、超小
型のトルクセンサとなる。そして実際には各コイルの巻
線相互の位置関係を保つために、例えば1枚のフィルム
シートの両面、或いは複数のフィルムシートの上に、巻
線を形成し、必要に応じてフィルム同士を所定の位置関
係で積層することにより構成することになる。そして、
そのフィルムシートを可撓性の部材から形成すれば、そ
のフィルムを任意の極率半径に湾曲することができ、検
出対象の回転軸に対して近接配置することができる。な
お、その他の構成並びに作用効果は、上記した第1実施
例並びにそれに対する変形例と同様であるので、その説
明を省略する。
【0067】図18は本発明に係る磁歪式トルクセンサ
の第3実施例を示している。本実施例では、上記した第
1実施例を基本とし、検出精度のさらなる改良・向上を
図っている。すなわち、上記した各実施例および変形例
では、理想的にはいずれもトルクゼロの時には検出コイ
ルの出力はゼロになるが、実際には巻線の装着・巻き付
け時の誤差から各巻線間でのバランスが取られなかった
り、磁歪式トルクセンサを回転軸に対して対向配置する
際の取付精度上の問題からコアの各脚部の先端と回転軸
表面とのギャップが一定でないなどの理由から、トルク
が加わらない状態でも、検出コイルを横切る磁束が存在
し、検出コイルに出力電圧が発生するおそれがある。
【0068】そこで本実施例では、励磁コイル20,検
出コイル30に加え、コア10の脚部11a〜11dの
所定周囲にさぐりコイル60を装着し、励磁コイル20
により発生する磁束総量を測定し、それに基づいて所定
の補正処理をするようにしている。
【0069】このさぐりコイル60は、2本のさぐり巻
線61,62から構成され、各さぐり巻線61,62を
図18,19に示すように励磁コイル20を構成する第
1,第2の巻線21,22と同様に対応する2所定の2
本の脚部の周囲に巻き付けて、全体として略8の字状に
形成している。
【0070】また、このさぐりコイル60の別の巻方と
しては、例えば図20に示すように上記第2実施例の各
巻線の考え方と同様にコア10の各脚部11a〜11d
の周囲にそれぞれ巻線23a〜23dを巻き付けるとと
もに、それらを適宜直列に接続するようにしてもよい。
そして、この直列に接続する順番は、さぐりコイル60
を横切る磁束の量が、軸に加わるトルク量に影響され
ず、脚部11a〜11dの先端と回転軸50との間のギ
ャップのみに影響されるようにする。つまり、励磁コイ
ル20により発生する磁束の総量を検出するように巻け
ばよい。なお、回転軸50に対するセンサ(コア10)
の相対位置などの各種の基本構成や、トルク検出の原理
等は、上記した第1実施例のものと同様であるため、そ
の説明を省略する。
【0071】図21は、本発明に係る磁歪式トルク測定
装置の一実施例を示している。すなわち、図18〜図2
0に示したさぐりコイル60付きの磁歪式トルクセンサ
における各コイル20,30,60は、図21に示すよ
うな等価回路となっている。そして、正弦波発生回路7
0の出力を励磁コイル20に印加して交流信号を加える
と、さぐりコイル60の両端には回転軸に加わったトル
クの大きさに関係なく励磁コイル20により発生した磁
束の総量に相当する誘導起電力が発生する。一方、検出
コイル30の両端には、回転軸に加わったトルクの大き
さに対応した誘導起電力が発生する。そして、上記した
理由からトルクが加わっていないときでも検出コイル3
0には所定の誘導起電力が発生している。
【0072】そこで本例では、さぐりコイル60,検出
コイル30の出力をそれぞれ乗算器71a,71bに入
力し、そこにおいて上記正弦波発生回路70の出力と掛
け合わせた後、ローパスフィルタ72a,72bを通過
させることにより、同期検波を行い直流出力を得るよう
にしている。そして、その直流出力をA/D変換器73
a,73bにそれぞれ入力することによりデジタル値に
変換後CPU74に入力し、そのCPU74にて与えら
れた両データ(検出コイル30とさぐりコイル60の出
力)とRAM75に格納した補正用データに基づいて正
規の(ギャップの変動等による影響のない)トルクの大
きさに対応した真の出力を得るようになっている。
【0073】このCPU74の具体的な処理機能は、図
22に示すRAM75に格納する補正テーブル(図23
参照)を生成する機能と、図24に示す実際のトルク測
定時の補正機能を有している。
【0074】まず、補正テーブル生成機能について説明
すると、励磁コイル20に所定の交流電流を印加し、回
転軸50にトルクを加えない状態で回転軸50を回転さ
せる(ST1)。この状態でさぐりコイル60の同期検
波した出力と、検出コイル30の同期検波した出力とを
それぞれ読み込む(ST2,ST3)。この同一タイミ
ングで読み込んださぐりコイル60の出力と検出コイル
30の出力を対にしたテーブルを作成し、RAM75に
格納する(ST4,ST5)。トルクゼロの時の検出コ
イルの出力は、ギャップその他のバランスのずれに起因
するもので、トルクの値にかかわらず一定とみなせるの
で、その値がオフセット値とみることができる。したが
って、図23にも示すように、検出コイル30の出力
は、ゼロ点補正値として記憶される。そして、回転軸の
回転を停止するまで上記処理を行う(ST6)。
【0075】また、実際のトルク測定時には、励磁コイ
ル20に所定の交流電流を印加し、回転軸にトルクが加
わった状態におけるさぐりコイル60と検出コイル30
の出力を読み込む(ST11,ST12)。そして、読
み込んださぐりコイル60の出力に基づいてRAM75
に格納されたテーブルを参照し、対応するゼロ点補正値
を取得する(ST13)。
【0076】そして、検出コイル30の出力から上記ゼ
ロ点補正値を減算する(ST14)。これにより、トル
ク以外の要因による検出コイル出力の変動が除去され、
回転軸50に加わったトルクに応じた真の出力が得られ
る。そして、その算出結果を出力し補正検出処理を終了
する(ST15)。
【0077】なお、図21ではCPU74で求めたトル
ク値(補正後)の出力装置を記載していないが、実際に
は、ディスプレイなどの表示装置,プリンタさらには音
声出力装置等、種々の出力装置を用いることができる。
【0078】なお、さぐりコイル出力と検出コイル出力
は1対1に対応するはずであるが、測定誤差やA/D変
換する時の誤差等により同一のさぐりコイルの出力に対
応する検出コイルの出力が複数生じる可能性がある。し
かし、仮に複数生じたとしても、かかる値は近似するた
め、その中の任意の値(例えば中央のもの)や、平均値
などの所定の数値計算処理をして得られた値をゼロ点補
正値とすることにより対応できる。
【0079】なおまた、上記した実施例では、第1実施
例の構成を基本とし、それの所定位置にさぐりコイルを
装着した例について説明したが、本発明はこれに限るこ
となく、第1実施例の変形例や第2実施例に示す各種の
構成の磁歪式トルクセンサに適用することができる。
【0080】図25は本発明に係る切削工具用状態監視
装置の一実施例を示している。同図に示すように、本例
では工作機械に着脱自在に取付けられる切削工具として
穴開け用のドリルを用いた例を示している。すなわち、
ドリル80は工作機械本体81のチャック81aにて把
持され、工作機械本体81に内蔵された駆動モータの回
転力を受けて回転し、下端に配置されたワーク(被加工
物)82に対して切削処理して所定の穴を開けるように
なっている。
【0081】そして、そのドリル80の所定位置に上記
各実施例等で説明した構成からなる磁歪式トルクセンサ
84を内蔵した取付け治具85をセットする。この取付
け治具85により、トルクセンサ84はドリル80の外
周面に対して非接触で対向配置されるようになる。ま
た、この取付けに際し、ドリル80の回転並びに昇降移
動の妨げにならないようにする。なお、ドリル80の昇
降に追従してトルクセンサ84も昇降移動するようにし
てもよいが、信号の送受の関係から、トルクセンサ84
は回転方向には固定しておくのが望ましい。
【0082】そして、具体的なセンサ84の取り付け位
置は、図26に示すようにする。図示するように、ドリ
ル80は、刃部80aと、溝が形成されていないシャン
ク(柄の部分)80bとから構成される。なお、ドリル
以外の各種の切削工具も刃部のかわりに砥石その他の加
工部材が配置され、基端側に上記シャンクが配置され流
転で共通する。
【0083】そして、そのドリル80のシャンク80b
部分の外側にトルクセンサ84を対向配置する。この
時、コア10の脚部11の開放側がシャンク80bの外
周面に近接し、しかも、脚部11に装着した励磁コイル
20,検出コイル30の配置方向が、ドリル80の軸方
向に対し平行または直交するように配置する。なお、こ
の具体的な配置は、上記したセンサの各実施例,変形例
と等しく、図示の回転軸50がシャンク80bに置き換
えられたとすればよい。
【0084】そして、図27に示すように、励磁コイル
20は交流電源90に接続させ、検出コイル30は同期
整流器91に接続させる。すると上記したトルクセンサ
の動作原理にしたがって、トルクがかかった状態で交流
電源90にて励磁コイル20に交流信号を流すと、電磁
誘導により検出コイル30側にそれぞれ誘導電圧が誘起
されて所定の交流信号が出力される。なお、無負荷(ト
ルクが加わらない)状態の時には検出コイル30,同期
整流器91の出力はゼロになる。そして、図25では図
示省略したが、取付け治具85内のトルクセンサ84に
は、その外部から励磁コイル20に対して交流信号を与
えられるようになっている。
【0085】また、図25に示すように、上記トルクセ
ンサ84の出力(上記同期整流器91の出力)を判定手
段たるコンパレータ86を介して制御信号発生手段たる
制御回路87に送る。そして、この制御回路87は、コ
ンパレータ86の出力(L/H)に基づいて工作機械本
体81にフィードバック制御などをしたり、所定の表示
等を行うようになっている。
【0086】すなわち、ワーク82に穴を開ける切削処
理の場合、時間tの変化に対するトルクの変化は、正常
であれば図28(A)に示すようになり、異常(折損)
であれば同図(B)に示すようになる。そこで、正常で
あれば取り得ないトルク(センサ出力)をしきい値とし
てコンパレータ86の基準電圧にセットする。すると、
正常であれば常に基準電圧の方が高いため出力はLとな
るが、折損するような場合にはその途中でセンサ出力が
しきい値をこえるため、コンパレータ86の出力はHに
変わる。
【0087】そして、制御回路87では、異常であるこ
とをディスプレイなどの表示装置88に出力したり、或
いはランプ(警告等)を点灯させたり、さらには音声出
力部89を介して音声で知らせたりするとともに、工作
機械本体81に対して異常信号を発する。そして、工作
機械本体81はその異常信号に基づいて駆動モータの出
力を低くしたり、或いは停止または逆転駆動し、ドリル
を引き上げるなどの所定の処理を行う。
【0088】図29,図30は切削工具用状態監視装置
の他の実施例を示している。上記図25に示す実施例で
は、ON/OFFの2値制御であったが、本実施例では
トルクの大きさに対して連続的な制御を可能としてい
る。すなわち図29に示すように、工作機械本体には、
ドリル80を正逆回転させるための主軸モータ92と、
ドリル80を上下移動させるための送りモータ93とを
有し、両モータ92,93は切削制御装置94からの速
度指令を受けたドライバ95,96によりその回転が制
御されるようになっている。これにより、主軸モータ9
2にてドリル80を所定速度で正回転させながら、送り
モータ93を作動させてドリル80を下降移動させてワ
ーク82に所定の圧力で当接させることにより切削(穴
開け)加工をすることになる。
【0089】この時、送りモータ93の回転出力をあげ
ると加工時間が短くなるがドリル80がワーク82から
受ける反力が強く、大きなトルクがかかるために折損す
るおそれが生じ、逆に送りモータ93の出力をさげると
ドリル80の折損のおそれは可及的に減少するが加工時
間も長くなる。すなわち、ドリル80の回転数を一定と
すると、ドリルにかかるトルクは送り量(下降速度)に
依存する。
【0090】そこで本例では、ドリル80のシャンク部
分の外側に本発明に係るトルクセンサ84を設け(図2
5〜27参照)、そのトルクセンサ84の出力を切削制
御装置94に送り、フィードバック制御によりドリル8
0に一定以上のトルクがかからない状態で切削加工をす
るようにしている。
【0091】すなわち、図30に示すように、切削制御
装置94は判定手段たるPIDコントローラ94aと、
制御信号発生手段たる送り速度算出部94bと、主軸回
転制御部94cとから構成され、PIDコントローラ9
4aにトルクセンサ84で検出したドリル80にかかっ
ているトルクに基づく信号と、設定負荷に基づく信号の
差分を入力するようにする。ここで、設定負荷とはその
ドリル80が折損してしまうトルクに対して所定のマー
ジンを取った値である。なお、主軸回転制御部94cで
は、主軸モータドライバ95に対して主軸モータ92を
一定速度で回転するように制御信号を発するようになっ
ている。
【0092】この状態で、PIDコントローラ94aで
は、入力信号の正負及びその絶対値から、ドリル80の
下降速度すなわち送り量を決定する。つまり、入力信号
が負の場合にはドリル80にかかっているトルクが設定
負荷を越えていて折損のおそれが高いため、送り量を低
下させたり或いは逆戻りさせたりする(ドリルを上昇さ
せる)必要があり、一方、入力信号が正の場合には、ド
リル80にかかっているトルクは設定負荷よりも小さい
ため、ドリル80にかかるトルクをもう少し増やしても
ドリルが折損するおそれが低いので、送り量を増加させ
て加工効率の向上を図る。そして、上記増減量は、PI
Dコントローラ94aへの入力信号の絶対値により決定
する。そして、この決定した送り量を次段の送り速度算
出部94bに送り、その送り量を得るに必要な送りモー
タ93の速度を求め、その決定した速度をモータドライ
バ96に制御信号として出力する。
【0093】係る構成にすることにより、切削時にドリ
ル80にかかるトルク(負荷)を折損レベル以下に保つ
ことができる。そして、ドリルに無理な負荷がかからな
いので、ドリルの長寿命化が図れる。また、トルク値を
検出することにより、ドリルの磨耗の程度を知ることも
でき、交換の目安をつけやすくなる。
【0094】また、上記した各実施例では、いずれも切
削工具としてドリルを用いた例について説明したが、本
発明はこれに限ることなく、ドリル以外の砥石その多種
樹のものを用いることができる。換言すれば、かかる切
削工具を用いる工作機械としては、例えばドリル,フラ
イス盤,ボール盤,ホーニング盤等の回転する切削工具
により種々の加工を行うものがある。
【0095】なおまた、上記した各実施例では、いずれ
も切削工具のシャンクの外側にトルクセンサを対向配置
して直接切削工具にかかっているトルクを計測するよう
にしたが、例えば、図25に示すように、チャック81
aの上端には、駆動モータの回転力を伝達するための主
軸96が設けられている。この主軸96とチャック81
aさらにはドリル80(切削工具)は一体になって回転
移動する。したがって、ドリル80に加わるトルクは、
そのまま主軸96にも加わることになる。そこで、本発
明の磁歪式トルクセンサを主軸96の外側所定位置に所
定の相対位置関係を保たせた状態で配置するようにして
もよい。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る磁歪式トル
クセンサ(請求項1〜4)では、回転軸に対してトルク
がかかっていないときには、検出コイル側に出力がな
く、トルクがかかるとそのトルクの大きさに応じた出力
が検出コイル側に発生する。しかも、励磁コイル側に印
加した交流信号に対し、検出コイル側に発生する出力信
号の位相は、トルクの方向により異なる。よって、出力
の大きさ(有無を含む)並びにその位相を測定すること
により同一箇所における直交する2方向に向けて発生す
るトルクを検出することができる。しかも、各磁極面積
がセンサ(コイル)の全体のほぼ半分となり、さらに各
コイルを磁心の周囲に巻回したため、検出感度が向上す
る。
【0097】また、請求項5,6に記載の磁歪式トルク
センサは、上記と同様に回転軸に対してトルクがかかっ
ていないときには、検出巻線に発生する誘導起電力がほ
ぼ等しくなり、トルクがかかると、トルクの大きさに応
じて一方の対角線上に位置する検出巻線の誘導起電力が
増大する。よって、出力の大きさ(有無を含む)並びに
その位相を測定することにより同一箇所における直交す
る2方向に向けて発生するトルクを検出することができ
る。しかも、各磁極面積がセンサ(コイル)のほぼ全面
となるため、検出感度が向上する。そして、各巻線を磁
心の周囲に巻回した場合には、より高感度なトルクセン
サとなる。
【0098】さらに請求項7,8に記載の磁歪式トルク
センサ並びにトルク測定装置では、さぐりコイルの出力
を利用してゼロ点補正を行い、測定対象物に加わった真
のトルクに対応する出力を得ることができる。その結
果、たとえ各コイルの装着やセンサの被測定物に対する
取付け精度出しのむらがあっても上記所定の補正処理を
行うことにより精度のよいトルク測定をすることができ
る。
【0099】さらにまた本発明に係る切削工具用状態監
視装置(請求項9)では、非接触でしかも簡易な構成で
もって切削工具にかかったトルクを検出することができ
るので、トルクの大きさや変化の度合いから、折損の有
無はもちろんのこと、折損のおそれが高いか否かの判断
や、刃部の欠けや磨耗等の切削工具の状態を検出するこ
とが可能となる。そして、磁気的に検出するので切削時
の環境に影響されにくいとともに切削工具の径に関係な
く検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁歪式トルクセンサの一実施例を
示す図である。
【図2】図1に示す実施例の使用状態を示す図である。
【図3】測定系を示す図である。
【図4】動作原理を説明する図である。
【図5】図1に示す実施例の等価回路を示す図である。
【図6】変形例を示す図である。
【図7】他の変形例を示す図である。
【図8】さらに他の変形例を示す図である。
【図9】さらに他の変形例を示す図である。
【図10】本発明に係る磁歪式トルクセンサの他の実施
例を示す図である。
【図11】励磁コイルの結線方法の一例を示す図であ
る。
【図12】検出コイルの一例を示す図である。
【図13】トルク検出手段の一例を示す図である。
【図14】使用態様の一例を示す図である。
【図15】作用を説明する図である。
【図16】他のトルク検出の手段の一例を示す図であ
る。
【図17】図16に示す各巻線の結線に対する等価回路
図である。
【図18】本発明に係る磁歪式トルクセンサのさらに他
の実施例を示す図である。
【図19】図18に示すトルクセンサの各コイルの巻線
状態を示す図である。
【図20】図18とは別のさぐりコイルの巻線方法の例
を示す図である。
【図21】本発明に係る磁歪式トルク測定装置の一実施
例を示す図である。
【図22】補正手段たるCPUの機能の一部を示すフロ
ーチャート図である。
【図23】RAMに記憶されるテーブルの一例を示す図
である。
【図24】補正手段たるCPUの機能の一部を示すフロ
ーチャート図である。
【図25】本発明に係る切削工具状態監視装置の一実施
例を示す図である。
【図26】磁歪式取付けセンサの切削工具に対する取付
け位置を示す図である。
【図27】磁歪式取付けセンサの切削工具に対する取付
け位置を示す図である。
【図28】図25に示す制御装置の動作原理を説明する
図である。
【図29】本発明に係る切削工具状態監視装置の他の実
施例を示す図である。
【図30】図29に示す制御装置の要部を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 コア 11,11a〜11d 脚部(磁心) 20 励磁コイル 21 第1の巻線 22 第2の巻線 23a〜23d 第1〜第4の励磁巻線 30 検出コイル 31 第1の巻線 32 第2の巻線 33a〜33d 第1〜第4の検出巻線 50 回転軸 80 ドリル(切削工具) 80b シャンク 86 コンパレータ(判定手段) 87 制御回路(制御信号発生手段) 94 切削制御装置 94a PIDコントローラ(判定手段) 94b 送り速度算出部(制御信号発生手段) 96 主軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−221940(JP,A) 特開 平6−194239(JP,A) 特開 昭63−90731(JP,A) 特開 昭58−151533(JP,A) 特開 昭57−72033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 3/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに逆方向に巻回された第1,第2の
    巻線により略8の字状に形成される励磁コイルと、 その励磁コイルと略同一形状の検出コイルと、 それら両コイルを装着するための4本の柱状の磁心を有
    するコアとを備え、 前記励磁コイルを構成する第1,第2の巻線の配置方向
    と、前記検出コイルの第1,第2の巻線の配置方向とを
    直交状態で重ね合わせて配置するとともに、 前記各コイルの各巻線を前記4つの磁心のうち所定の隣
    接する2つの磁心の周囲に巻回し、 かつ、前記隣接する2つの磁心の配置方向を、測定対象
    の回転体の軸方向と平行または直交するようにしたこと
    を特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記両コイルを前記磁心に装着するに際
    し、前記励磁コイルを前記磁心の開放側に配置したこと
    を特徴とする請求項1に記載の磁歪式トルクセンサ。
  3. 【請求項3】 前記励磁コイルと前記検出コイルとを、
    前記磁心の軸方向にそって所定距離離反配置したことを
    特徴とする請求項2に記載の磁歪式トルクセンサ。
  4. 【請求項4】 前記コアが、所定形状のブロック体の一
    面に十字状溝を形成することにより一体に形成されてな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の磁歪式トルクセンサ。
  5. 【請求項5】 仮想四角形の各頂点に、励磁コイルを構
    成する第1〜第4の励磁巻線を配置するとともに、隣接
    する2本の励磁巻線に同一方向に電流が流れ、残りの2
    本の励磁巻線にそれと逆向きの電流が流れるように結線
    し、 前記第1〜第4の励磁巻線に重合するようにして検出コ
    イルを構成する第1〜第4の検出巻線を配置し、 かつ、前記同一方向に電流が流れる一対の励磁巻線の配
    置方向を、測定対象の回転体の軸方向と平行または直交
    するようにしたことを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  6. 【請求項6】 4本の柱状の磁心を有するコアをさらに
    備え、 前記各励磁巻線及び検出巻線を、前記各磁心に装着した
    請求項5に記載の磁歪式トルクセンサ。
  7. 【請求項7】 前記励磁コイルにより発生する磁束の総
    量を測定するようにさぐりコイルをさらに設け、 そのさぐりコイルの出力を用いて前記検出コイルの出力
    の補正を行うことを特徴とした請求項1〜6のいずれか
    1に記載の磁歪式トルクセンサ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の磁歪式トルクセンサ
    と、 トルク検出対象の回転体にトルクを加えない状態で回転
    させた時に得られる前記さぐりコイルと前記検出コイル
    の出力に基づいて生成されたゼロ点補正値データを記憶
    する記憶手段と、 前記回転体にトルクを加えた時の前記さぐりコイルの出
    力から前記記憶手段に格納されたゼロ点補正値を読み出
    すとともに、その読出したゼロ点補正値に基づいて前記
    検出コイルの出力を補正する補正手段をさらに備えた磁
    歪式トルク測定装置。
  9. 【請求項9】 工作機械本体に着脱される切削工具のシ
    ャンク部分または前記切削工具とともに回転する主軸の
    外側に、その軸方向と所定の相対位置関係で配置された
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁歪式トルクセン
    サまたは請求項8に記載の磁歪式トルク測定装置と、 その磁歪式トルクセンサまたは測定装置の出力を受け、
    工作機械本体に着脱される切削工具の折損の有無,折損
    の予測,または磨耗等の前記切削工具の所望の状態を判
    定する判定手段と、 その判定手段の判定結果を受けて、前記切削工具が装着
    される駆動装置に対して減速命令等の所定の制御信号を
    出力する制御信号発生手段とを備えた切削工具用状態検
    出装置。
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