JP5393865B2 - 折畳み椅子 - Google Patents

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本発明は、折畳み椅子に関し、特に、サーバーラックに有する隙間に収納可能な折畳み椅子に関する。
従来から座板を上側に回動させることで、後方フレームが前方フレームの後側に重なり合うように回動し、折り畳むことが可能な折畳み椅子が知られている。
一方、サーバーラックは、サーバーとして機能するコンピュータ等の電子機器を収納するものである。このようなサーバーラックはラックフレームを有し、このラックフレームに、例えば、平坦状に形成された水平板を取り付けることによって領域を区分することができる。このようなサーバーラックは、室内に複数組み合わされて配置されており、このようなサーバーラックに収容されているサーバーのメンテナンス作業では、作業者は、例えば折畳み椅子に座ってコンピュータを膝の上に置くなどして作業を行う。
一般に知られている折畳み椅子は、その全体形状が湾曲して形成されており、サーバーラックに収容しにくく、通常は室内の適当な場所に保管されている。よって、折畳み椅子を用いる場合には、その折畳み椅子が保管されている場所まで取りに行く必要がある。
なお、平坦状に折畳み可能な折畳み椅子であれば、収納し易く便利であり、このような折畳み椅子は従来から存在する(例えば、特許文献1参照)。
特許第3692303号公報
一般的に知られている従来の折畳み椅子は、後方部でのみ座板を支持するため、座板が変形し易いという問題がある。
また、特許文献1に示す折畳み椅子は、構造が複雑となり製造コストが嵩むという問題と、収納部にぴったりと収まった場合に取り出しにくいという問題がある。
そこで、本発明は上記問題を課題の一例として為されたもので、その第1の目的は、簡易な構造であって平坦状に折畳み可能な折畳み椅子を提供することであり、第2の目的は、狭い場所に収納し易く、且つ取り出し易い折畳み椅子を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の折畳み椅子(30)は、左右一対の第1のフレーム(37)と、当該第1のフレームに第1の支軸(34)を介して回動可能に連結された左右一対の第2のフレーム(36)と、前記第2のフレームに前方が回動可能に連結され、前記第1のフレームに後方が第2の支軸(46)を介して回動可能に連結された座板(31)と、を具備し、前記第1のフレーム、前記座板、及び前記第2のフレームを折り畳むことによって平坦状に形成される折畳み椅子であって、前記第1のフレームには、前記第2の支軸が係合する係合部(45)が形成され、前記係合部は、前記第1フレームの軸線に沿って形成されており、前記第1のフレームに対する前記第2のフレームの開閉動作に応じて、前記第2の支軸がこの係合部を移動し、前記座板の側面には、前記支軸と前記第2の支軸の間に、前記第1のフレームに対する前記第2のフレームの折り畳み動作によって、前記係合部に係合する突起体(50)が設けられているすることを特徴とする。
また、請求項2に記載の折畳み椅子は、請求項1に記載の折畳み椅子において、前記第1及び第2のフレームの下端面には、弾性を有し略円弧状に突出する弾性体(38)が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の折畳み椅子は、請求項1、又は2に記載の折畳み椅子において、前記第1のフレームは、左右の長脚体(37)と、この左右の長脚体の上端に架け渡されるように配置される長脚用連結体(37a)と、を備え、前記座板の後方は、中央部に凹部(42)が形成されており、前記第1のフレーム、前記座板、及び前記第2のフレームを折り畳んだ際に、前記長脚用連結体と前記座板との間には、前記凹部によって取手として機能させるための隙間を有していることを特徴とする。
また、請求項4に記載の折畳み椅子は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の折畳み椅子において、サーバーラックに有する隙間に収納可能であることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造ながら平坦状に折り畳むことができる。また、取手が設けられているため狭い場所であっても取り出し易い。
折畳み椅子を閉じた状態の外観を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は右側面図である。 折畳み椅子を展開した状態の外観を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は右側面図である。
以下、本願の最良の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、便宜的に図1において、奥行、上下、及び左右方向を、折畳み椅子の前後、上下、及び左右方向として説明する。
本実施形態の折畳み椅子30は、例えば、アルミニウムやSUS等の金属材料の削り出しにより形成され、図2(b)に示すように利用者が着座するための平板状の座板31と、この座板31を支持する支持脚33と、を備えており、図1(b)に示すように、折畳み椅子を展開した状態から、側面視で平坦状に折畳むことが可能になっている。
支持脚33は、側面視で略「X」字状の左右一対のX脚で構成され、各X脚は支軸34(本願の第1の支軸)を介して相互に回動脚自在に連結した短脚体36(本願の第2のフレーム)及び長脚体37(本願の第1のフレーム)を備えている。左右の短脚体36は、図1(a)に示すように、正面視で略H字状になるように短脚用連結体36aにより連結される。一方、左右の長脚体37は、上端が架け渡されるように長脚用連結体37aにより連結される。また、図1(a)及び図2(a)に示すように、正面視において、左右の短脚体36の幅は、左右の長脚体37の幅よりも狭く形成されており、長脚体37の内側に短脚体36が配置されている。
短脚体36及び長脚体37の下端部先端には、溝が形成され、この溝には、樹脂等で形成される弾性体38が、短脚体36及び長脚体37を水平方向に貫通する支持ピン39により取り付けられている。弾性体38は、当該短脚体36及び長脚体37の先端部よりも下方に突出するように取り付けられており、この弾性体38が床面と接触することで、床面との接触による傷つきが防止される。
また、支軸34は、左右の内側に位置する短脚体36と外側に位置する長脚体37とを貫通するピン状の部材が抜け止めされることで取り付けられている。
左右の短脚体36は、上端部において支軸41を介して相互に回動自在に座板31の前方部が連結されている。この支軸41は、座板31の前方両側端部から外側に突出して設けられたピン状の部材であり、短脚体36を貫通して抜け止めされることで取り付けられている。
座板31は、短脚体36と長脚体37の下端を揃えた状態において、短脚体36と長脚体37とで囲まれる領域に収まるように略方形に形成されている。座板31の両側下端部(側面視では前方部)は、短脚体36の幅に合わせて狭まるように段差を有して形成されている。また、その上端部(側面視では後方部)の中央には、図1(a)に示すように、使用者の持ち運び易さを考慮して空間を有するように凹部42が形成されている。
左右の長脚体37には、上方部に軸線に沿って長孔45(本願の係合部)が形成されており、座板31の後方部は支軸46(本願の第2の支軸)を介して当該左右の長脚体37に形成されている長孔45と係合して左右の長脚体37に取り付けられている。そして、折畳み椅子30を展開した状態において、この支軸46は、長孔45の下端部に位置し、折畳み椅子30を閉じると、支軸46が長孔45の上方へと移動し、完全に折畳み椅子30を閉じた状態において、この支軸46は、長孔45の上端部に位置する。この支軸46は、座板31の後方両側端部から外側に突出して設けられたピン状の部材であり、例えば、その周囲には樹脂等により形成された弾性部材が取り付けられ、長孔45の内側を摺動しつつ移動する。
また、座板31の両側前後に設けられている支軸41、46間の側面部には、その両側端部から外側に水平方向に突出する突起体50が回転可能に設けられており、折畳み椅子30を閉じて後方の支軸46が長孔45の上端部に配置され、座板31と長脚体37とが完全に重なる際に、当該突起体50が長脚体37の端部を乗り越えて長孔45と係合する。この係合によって、座板31が回動することを防止し、折り畳まれた状態を維持可能となっている。これにより、折畳み椅子30を持ち運ぶ際に、折畳み椅子30が展開することを防止することが可能である。
また、座板31及び支持脚33の厚みを同一とすることで、折畳み椅子30を閉じた状態において、同幅で平坦状に折畳まれることになり、収容体10に折畳み椅子30が収容された際に、折畳み椅子を載置する載置面との接触面積を大きくとることができるのでずれにくく載置しておくことが可能である。
ここで、図1及び図2を用いて、折畳み椅子30の折り畳み動作について説明する。図6に示す展開状態では、座板31が水平状態に支持脚33によって支持され、長脚体37が座板31に対して直角からやや開いた状態にある。このとき、短脚体36及び長脚体37は「X」字状に開いた状態に保持される。そして、この状態から、座板31の後方部を上方に持ち上げると、支軸46が長孔45を上方へと移動し、座板31と短脚体36とが徐々に一直線状に近づきつつ、短脚体36と長脚体37とが閉脚しようとする。
さらに、座板31と短脚体36とが長脚体37と重なるように折り畳むと、閉脚動作が更に進み、突起体50が長脚体37の端部を乗り越えて長孔45と係合し、短脚体36、座板31、及び長脚体37が完全に重なり、折畳み動作は終了する。逆の手順で、折畳み椅子30が閉じた状態から、座板31の前方部を前方へと引き出すと、短脚体36と長脚体37とが「X」字状に開き、折畳み椅子30は展開される。
以上に説明したように、本実施形態の折畳み椅子は、折り畳まれた状態から椅子として機能するように組み立てることが簡単にできる。一方で、椅子として組み立てられた状態から、簡単に折り畳むことが可能である。
また、本実施形態の折畳み椅子30は、折り畳まれた状態において、全体が略平坦状に形成される。よって、狭い隙間にすっきりと収めることができ、見栄えがよい。また、載置面に対して座板31の面が接触するように配置することで、面接触により載置面に対してずれにくく載置しておくことが可能である。また、座板31の後端に凹部42を設けることで、長脚用連結体37aの中央部を取手として用いることができるので、取り出し易く且つ持ち運び等において作業性が良い。
なお、本願は本実施形態に限定されるものではなく、種々の形態にて実施することが可能である。例えば、本実施形態の機構を用いて、背もたれなしの折畳み椅子としても構わない。このようにすれば、折畳み椅子の小型化が図れ、座板を高めに設定することが可能となる。
また、長脚体37に形成される長孔は溝等であっても構わない。
30 折畳み椅子
36 短脚体
37 長脚体
34、46 支軸
45 長孔

Claims (4)

  1. 左右一対の第1のフレームと、当該第1のフレームに第1の支軸を介して回動可能に連結された左右一対の第2のフレームと、前記第2のフレームに前方が回動可能に連結され、前記第1のフレームに後方が第2の支軸を介して回動可能に連結された座板と、を具備し、前記第1のフレーム、前記座板、及び前記第2のフレームを折り畳むことによって平坦状に形成される折畳み椅子であって、
    前記第1のフレームには、前記第2の支軸が係合する係合部が形成され、前記係合部は、前記第1フレームの軸線に沿って形成されており、前記第1のフレームに対する前記第2のフレームの開閉動作に応じて、前記第2の支軸がこの係合部を移動し、
    前記座板の側面には、前記支軸と前記第2の支軸の間に、前記第1のフレームに対する前記第2のフレームの折り畳み動作によって、前記係合部に係合する突起体が設けられていることを特徴とする折畳み椅子。
  2. 前記第1及び第2のフレームの下端面には、弾性を有し略円弧状に突出する弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の折畳み椅子。
  3. 前記第1のフレームは、左右の長脚体と、この左右の長脚体の上端に架け渡されるように配置される長脚用連結体と、を備え、
    前記座板の後方は、中央部に凹部が形成されており、
    前記第1のフレーム、前記座板、及び前記第2のフレームを折り畳んだ際に、前記長脚用連結体と前記座板との間には、前記凹部によって取手として機能させるための隙間を有していることを特徴とする請求項1、又は2に記載の折畳み椅子。
  4. サーバーラックに有する隙間に収納可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の折畳み椅子。
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