JP5393811B2 - シリンダヘッドガスケットとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オープンデッキタイプのエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に狭持してシールを行うシリンダヘッドガスケットとその製造方法に関する。
近年のエンジン(内燃機関)では、シリンダボア(燃焼室)の周囲が冷却水用に刳り抜かれたオープンデッキタイプのエンジンが増えており、材質も軽量なアルミニウム製が多い。そのようなエンジンでは、当然その剛性は低く、爆発による熱変形や振動による変形が生じ易い上に、シリンダヘッドとシリンダブロックとの締結軸力も高く設定できない。
そのため、シリンダヘッドガスケットのシールでは、低い発生面圧で動きの多い各部のシールを確実に行うことが求められる。そのため、設計上のニーズとして、水油シールの面圧を必要最小限に留め、シリンダボアのシール面圧を高めるなどの設計自由度や、エンジンの変形抑制や、ガスケットの追従性能が強く求められている。
そこで、シリンダボアに対応するシリンダ孔を囲繞するボアビードと冷却液通路の外周縁部を囲繞する外周ビードとを設けた弾性金属版からなる基板よりなる金属ガスケットにおいて、前記基板には前記冷却液通路の開口部における前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの非接合面領域に中間ビードが設けて、耐久性を向上して安定したシール性を確保した装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、金属板とその表面に形成された同金属板より軟質の材料からなるコーティング層とを有するガスケットがシリンダブロックおよびシリンダヘッドの間に配設されてなる内燃機関のシール構造において、前記ガスケットの前記シリンダヘッド側の面のコーティング層が、同ガスケットの前記シリンダブロック側の面のコーティング層と比較して、横弾性係数の大きい材料により形成され、シール性能を維持しつつシリンダブロックの変形を好適に抑えることのできる装置もある(例えば、特許文献2参照)。
しかし、金属板を積層しただけのシリンダヘッドガスケットでは、シリンダボアで発生した熱や振動が、その周囲にある水油シール部に構成材を伝達して作用し、変形やシール性能の低下を招いていた。また、その構造ゆえに、ガスケットにおいて部分的に大きく面圧を変化させたい場合に、部分的に積層枚数を変化させることは困難であり、ラバーリングを溶接する等の構成製造コストの方法をとらなければならなかった。
特開2006−342749号公報 特開2008−163921号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼室で発生する熱と振動を、外周部へ伝達することを防止することができ、良好なシール性能を維持することができるシリンダヘッドガスケットとその製造方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明のシリンダヘッドガスケットは、オープンデッキタ
イプのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に狭持される金属製のシリンダヘッドガスケットにおいて、シリンダボア孔を有すると共に、前記シリンダブロックのウォータージャケットより内側をシールするボアシール部と、前記ウォータージャケットより外側をシールする水油シール部とを連結する連結部をウォータージャケットの全周に亘って設け、該連結部の少なくとも一部を、前記ボアシール部が受ける熱、及び振動を遮断するゴム状弾性材で形成して構成される。
この構成によれば、ボアシール部と水油シール部の間に設けたゴム状弾性材で、燃焼室で発生し、ボアシール部に伝達される熱と振動が、外周部へ伝達することを防止することができる。これにより、所謂口開きを防止できるので、良好なシール性能を維持することができる。
また、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ボアシール部と前記水油シール部とを別々に形成すると共に、前記連結部の全周を前記ゴム状弾性材で形成すると、シリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔側の内周部と外周部を、ゴム状弾性材を介して分離することができるので、より外周部へ伝達する熱や振動を防ぐことができる。加えて、内周部と外周部を異なる材質や構成にすることができ、内周部と外周部とに異なる性能を持たせ、また、内周部と外周部とで面圧を容易に変化させることができる。
加えて、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ボアシール部と前記水油シール部を構成する金属板の積層枚数を異なる枚数にすると、ボアシール部と水油シール部を別部材でも構成することができ、各部の構成を大きく変えることができるので、設計における自由度を高くすることができ、ボアシール部と水油シール部を必要な機能に応じて個別に設定することができる。例えば、ボアシール部の積層枚数を水油シール部の積層枚数よりも多くすると、水油シール部の面圧を必要最小限に留めながら、ボアシール部のシール面圧を高めることができる。
その上、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ボアシール部を第1金属板で構成し、前記水油シール部を前記第1金属板と異なる第2金属板で構成すると、例えば、燃焼室で発生した熱や振動が作用し、燃焼室で発生するガスをシールするボアシール部には、高耐熱、且つシール性が高い部材を使用し、水油シール部にはローコスト材を使用すると、高価な材料の使用量を低減することができるので、製造コストを低減することができる。
一方で、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ボアシール部と前記水油シール部とを一体に形成すると共に、前記連結部の少なくとも一箇所を除いて開口して、前記ゴム状弾性材で埋めて連結すると、一体で形成したボアシール部と水油シール部との間に、熱と振動を遮断するゴム状弾性材を設けるので、上記に記載の作用効果を得ると共に、容易に製造することができる。
さらに、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ゴム状弾性材を前記ウォータージャケットの冷却水が流れる通路の幅の範囲内に形成すると、シリンダブロックとシリンダヘッドにゴム状弾性材で形成した連結部を接触させることを必要としないので、ボアシール部と水油シール部とを連結するゴム状弾性材の加工、又は連結作業において、高度な正確性を必要としない。本発明のゴム状弾性体で形成した連結部は、必ずしもシール機能を有さなくてもよい。
また、上記の目的を解決するための本発明のシリンダヘッドガスケットの製造方法は、シリンダブロックに設けたウォータージャケットの内側をシールするボアシール部と、前記ウォータージャケットの外側をシールする水油シール部とを別々に形成し、前記ボアシ
ール部と前記水油シール部とを少なくとも一部をゴム状弾性材で構成した連結部で連結することを特徴とする方法である。この方法によれば、ボアシール部と水油シール部とを別々に製造することができるので、設計自由度を向上することができる。
また一方で、上記の目的を解決するための本発明のシリンダヘッドガスケットの製造方法は、上記に記載のシリンダヘッドガスケットの製造方法であって、シリンダブロックに設けたウォータージャケットの内側シールするボアシール部と、前記ウォータージャケットの外側をシールする水油シール部と、該ボアシール部と該水油シール部とを連結する連結部とを一体に形成し、前記連結部の少なくとも一箇所を除いて刳り抜き、刳り抜いた部分をゴム状弾性材で埋めることを特徴とする方法である。この方法によれば、少なくとも1枚の金属板を刳り抜いて、刳り抜いた部分をゴム状弾性材で埋めるだけよく、容易に製造することができる。
本発明によれば、燃焼室で発生する熱と振動を、外周部へ伝達することを防止することができ、良好なシール性能を維持することができる。また、内周部と外周部とをそれぞれ別々に形成することもできるので、内周部と外周部とに必要な機能を持たせて、且つ、必要な面圧に設定することができ、オープンデッキタイプのエンジンを確実にシールすることができる。
本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す平面図である。 図1のII−IIの断面を示す断面図である。 図1に示すボアシール部と連結部と水油シール部との連結方法を示す図であり、(a)と(b)にそれぞれ異なる連結方法を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドに挟持した断面を示す断面図である。 本発明に係る第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す断面図である。 本発明に係る第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す断面図である。 本発明に係る第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す断面図である。 本発明に係る第5の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す平面図である。 本発明に係る第6の実施の形態のシリンダヘッドガスケットを示す平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態のシリンダヘッドガスケットとその製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図9は、構成が分かり易いように寸法を変化させており、シリンダボア用孔の大きさ、シリンダライナ、水穴、ビードの大きさ、形などの寸法を必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。
図1〜図9に示す本発明のシリンダヘッドガスケット10、20、30、40、50、及び60は、多気筒エンジン(内燃機関)用のオープンデッキタイプのシリンダブロック1とシリンダヘッド2の間に挟持されるメタルガスケットであって、シリンダボアの高温、且つ高圧の燃焼ガス、及び冷却水通路や冷却オイル通路などの冷却水やオイルなどの流体をシールする。また、本発明の実施の形態として、直列4気筒のエンジンに用いるシリ
ンダヘッドガスケットを例に説明するが、本発明を適用することができるエンジンは、気筒数やその配列を限定しない。
これらのシリンダヘッドガスケット10、20、30、40、50、及び60によってシールされるシリンダブロック1を、図2に示すように、シリンダボア3が形成されているブロックライナー4と、外壁部5とから形成している。また、ブロックライナー4と外壁部5との間には、ウォータージャケット(冷却水通路)6を形成し、さらに、外壁部5には、水穴、オイル穴、及び締結ボルト用のボルト穴などを設けている。
また、ブロックライナー4と外壁部5とを、軽量性に優れているアルミ合金で形成する。加えて、ブロックライナー4のシリンダボア3側に嵌合しているシリンダライナ7を、耐摩耗性、耐焼き付き性、耐熱性、強度に優れている特殊鋳鉄で形成している。
このオープンデッキタイプのエンジンのシリンダブロック1では、シリンダヘッド2との接合面において、ウォータージャケット6が開口しているので、剛性の維持が難しくシリンダボア3が変形し易いが、冷却性能面で有利であり、また、鋳造し易いという特徴もある。
本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて、図1〜図4を参照しながら説明する。図1に示すように、シリンダヘッドガスケット10を、ボアシール部11と水油シール部12と連結部13とから構成する。また、ボアシール部11にシリンダボア用孔14と水穴15を設け、水油シール部12に水穴15、オイル穴16、及びボルト穴17を設ける。
図2に示すように、ボアシール部11を第1金属板11aで、水油シール部12を第2金属板12aでそれぞれ構成する。この第1金属板11aと第2金属板12aを、軟鋼板、ステンレス焼鈍材(アニール材)、ステンレス調質材(バネ鋼板;オーステナイト系ステンレスのSUS301、SUS304など)でそれぞれ別々に形成する。
第1金属板11aと第2金属板12aとを同じ材質の金属板で形成してもよいが、それぞれが要求される機能に応じた異なる材質の金属板で形成すると、それぞれの材料の特性を活かした組み合わせでシリンダヘッドガスケット10を構成することができるので、シール性、耐熱性、耐腐食性、耐久性などの各種性能に優れたガスケットを提供することができる。
特に、シリンダボア3をシールするボアシール部11の第1金属板11aに、オーステナイト系ステンレスを用いると、高耐熱性と高弾力性によりシール性を向上することができる。また、第2金属板12aに、軟鋼板などのローコスト材を使用するとガスケットの製造コストを低減することができる。加えて、この第1金属板11aと第2金属板12aの耐熱性や耐腐食性を向上させるために、表面を特殊加工してもよい。
ボアシール部11は、シリンダボア用孔14の周縁部にハーフビードを有するシール部11bを形成し、水油シール部12は、外周部にハーフビードを有するシール部12bを形成する。また、それぞれ水穴15とオイル穴16の周縁部にも同様にシール部を設けている。この実施の形態では、シール部として、ハーフビードを用いたが、各所をシールすることができれば、ビードの形状などは限定せず、周知の技術を用いることができる。
上記のボアシール部11と水油シール部12とを連結する連結部13を、シリンダボア3で燃料が燃焼したときに発生する熱と振動を遮断するように、遮熱性と弾力性が前述した金属板よりも高いゴム状弾性材で形成する。また、そのゴム状弾性材を、ウォータージ
ャケット6の全周に亘る環状で、且つ、ウォータージャケット6の冷却水が流れる通路の幅Lの範囲内に収まるように形成する。
このゴム状弾性材で形成した連結部13は、必ずしもシール機能を有する必要がないため、高度な加工精度を必要としない。例えば、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とに接触するように加工しようとすると、ボアシール部11のシール部11bと、水油シール部12のシール部12bの加工も連結部13に合せて行う必要があり、シリンダヘッドガスケット10の製造が複雑化する。
このゴム状弾性材は、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンターポリマー(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素ゴム、又はシリコンゴムなどであり、周知の技術のゴム状弾性材を用いることができる。
上記の様にゴム状弾性材で形成した連結部13とボアシール部11、及び水油シール部12との連結には、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系、NBR系、又はCR系などの周知の技術の接着剤を用いる。
ボアシール部11と水油シール部12とを連結部13を用いて連結する方法について、図3を参照しながら説明する。図3の(a)に示すように、連結部13に形成した各嵌合部13aと13bに、上記の接着剤を塗布して、それぞれボアシール部11と水油シール部12を嵌合して連結する方法を用いる。この連結方法によれば、連結部13の加工が必要になるが、強固に連結することができる。
また、別の方法として、図3の(b)に示すように、連結部13を二つに分割した連結部13cと13dとの分割面に上記の接着剤を塗布して、ボアシール部11と水油シール部12とを挟持して連結する方法もある。この連結方法によれば、連結の際の作業を容易にすることができる。ゴム状弾性材で形成した連結部13でボアシール部11と水油シール部12とを連結方法は、連結することができれば、上記の方法に限定しない。
図4に示すように、シリンダヘッドガスケット10をシリンダブロック1とシリンダヘッド2で挟持したときに、連結部13は、シリンダヘッド2と接触せず、また、シリンダブロクック1のブロックライナー4と外壁部5とも接触していない。ゴム状弾性材で形成しているため、この連結部13を、シリンダブロック1とシリンダヘッド2に接触させるように形成すると、連結部13にシール機能を持たせることができるが、その場合に高い加工精度が要求されるため、本発明では、連結部13にシール機能を積極的に持たせない構成とする。
第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケット10は、ボアシール部11と水油シール部12とを別々に形成して、ゴム状弾性材で形成した連結部13で連結することにより、シリンダボア3で発生する熱や振動を、その連結部13で遮断することができるので、ボアシール部11が受ける熱や振動が、水油シール部12へ伝達することを防ぐことができる。そのため、シリンダヘッドガスケット10の熱と振動による変形を防ぐことができるので、シール性能が低下せず、良好なシール性能を保つことができる。
また、ボアシール部11と水油シール部12とを異なる材質で別々に形成し、それぞれに異なる特性を与えることで、シール性、耐熱性、耐腐食性、及び耐久性などの各種性能に優れたシリンダヘッドガスケット10を提供することができる。
次に、本発明に係る第2及び第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて、
図5及び図6を参照しながら説明する。この第2及び第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット20及び30は、第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのボアシール部と水油シール部とを複数枚の金属板を積層して構成し、そのボアシール部と水油シール部とを構成する金属板の少なくとも1枚を連結部13又は33で連結してなる。
図5に示すように、第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケット20は、シリンダボア用孔14の周縁部に折り返し部22aを有する第1金属板22と、ハーフビードに形成したシール部23aとを有するビード板23とを積層してボアシール部21を構成する。
また、図6に示すように、第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット30は、シリンダボア用孔14の周縁部にそれぞれフルビードに形成したシール部34a、35a、又は36aを有するビード板34〜36を積層してボアシール部31を構成し、外周部の周縁部にそれぞれフルビードに形成したシール部37a又は38aを有するビード板37と38を積層して水油シール部32を構成する。
各金属板とビード板は、前述したように異なる材質の金属板から形成し、また、シリンダボア用孔14の周縁部をそれぞれ異なる性質を持つように加工する。そして、積層後に、プレス加工やスポットクリンチ加工やスポット溶接によって結合する。
図5及び図6にしめすような積層構造は、周知の技術を用いることができる。そのため、シリンダボア用孔14の周縁部の形状や金属板の材質を限定したり、また、その積層枚数を限定する必要はないが、好ましくは、シリンダボア用孔14の周縁部の面圧が大きくなるように構成する。また、この実施の形態のように、複数の金属板やビード板を積層したボアシール部や水油シール部を連結するときには、図5に示すように、その積層した金属板のうち少なくとも一枚を連結すればよく、図6に示すように、複数枚を連結してもよい。
図5及び図6に示す実施の形態では、ボアシール部21及び31と、水油シール部12及び32との積層枚数が、ボアシール部21及び31の方が多くなる構成である。このように、シリンダヘッドガスケット20又は30の内周部の積層枚数を外周部よりも多くすると、外周部に比べて内周部の面圧を大きくすることができるので、オープンデッキタイプのエンジンのシリンダブロック1とシリンダヘッド2の締結軸力が低い場合でも、水油シール部12及び32の面圧を必要最小限に留め、シールボア3の周縁部の面圧を高くすることができる。
これにより、本発明のシリンダヘッドガスケット20又は30はボアシール部21及び31と、水油シール部12及び32とを別々に形成することにより、シリンダヘッドガスケット20又は30の内周部と外周部との設計の自由度が増し、従来のガスケットでは困難であった、各シール部の面圧分布の自由度を向上することができる。
次に、本発明に係る第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて、図7を参照しながら説明する。この第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット40は、第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットの連結部13に、連結部13の強度を補強する補強部材41a及び41bを設けた構成である。
この補強部材41a及び41bは、ゴム状弾性材で形成した連結部13の強度を補強することができればよく、その構成は限定しないが、ボアシール部11と水油シール部12とに用いることができる金属板の他にも、炭素繊維などを用いることができる。この構成によれば、連結部13を高柔軟性に優れたゴム状弾性材で形成しても、補強部材41aと42bで強度を補強することができので、高い振動抑制効果を期待することができる。
また、オープンデッキタイプのエンジンでは、ウォータージャケットの開口部分でシリンダヘッドガスケットの金属板に変形が生じたり、圧縮力と引張力が交互に作用することでさらに変形を大きくし、さらにエンジンの振動の影響を受け金属板に亀裂の発生を生じさせることがある。しかし、上記の構成であれば、振動をゴム状弾性材で遮断すると共に、そのゴム状弾性材の連結部13を補強することで変形を抑制することができる。
次に、本発明に係る第5の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて、図8を参照しながら説明する。この第5の実施の形態のシリンダヘッドガスケット50は、第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットの連結部に換えて、連結部51を設け、この連結部51に、ボアシール部11と水油シール部12に設けていた水穴52a及び52bを設ける。
この実施の形態では、水穴52a及び52bを連結部51に設ける構成としたが、水穴に限定せずに、例えば、オイル孔16を設けることもできる。これによれば、ボアシール部11と水油シール部12とを別々に形成し、ゴム状弾性材の連結部51で連結しても、シリンダヘッドガスケット50の設計が限定されることがない。
次に、本発明に係る第6の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて、図9を参照しながら説明する。このシリンダヘッドガスケット60は、ボアシール部60aと水油シール部60bと連結部61とを同じ金属板で一体に形成し、ウォータージャケット6の冷却水が流れる通路の範囲の大部分を開口し、開口した部分にゴム状弾性材を埋めた構成である。
よって、連結部61は、ゴム状弾性材で形成した61a、61b、及び61cと、ボアシール部60aと水油シール部60bと同様の金属板で形成した61d、61e、及び61fとから構成され、ウォータージャケット6の全周に環状に延在する。
このシリンダヘッドガスケット60の製造方法は、一体に形成したボアシール部60aと連結部61と水油シール部60bとからなる金属板を、レーザー加工又はスポットクリンチ加工などにより切り抜いて、その切り抜いた部分に前述した方法で、ゴム状弾性材で形成した連結部61a、61b、及び61cで、ボアシール部60aと水油シール部60bとを連結する方法である。
この構成によれば、ボアシール部60aと水油シール部60bとの間の大部分に設けたゴム状弾性材で形成した連結部61a、61b、及び61cによって、シリンダボア3で発生する熱と振動を遮断することができるので、良好なシール性を保つことができる。加えて、ボアシール部60aと水油シール部60bと一体に形成した連結部61を切り抜き、その部分をゴム状弾性材で形成した連結部61a、61b、及び61cで埋めるだけでよく、容易に製造することができる。
上記のシリンダヘッドガスケット10、20、30、40、50、及び60は、それぞれの特徴を組み合わせて用いることもできる。また、実施の形態では、オープンデッキタイプのシリンダブロックとシリンダヘッドに挟持されるシリンダヘッドガスケットを例に説明したが、内周部分と外周部分とで、材質の応じた性能を持たせたガスケットや、部分的に面圧を変化させたガスケットに応用することもできる。
本発明のシリンダヘッドガスケットは、ボアシール部と水油シール部との間のゴム状弾性材で形成した連結部が、シリンダボアで発生する熱と振動を遮断して、シリンダヘッド
ガスケットの外周部への伝達を防ぐことができるので、良好なシール性を保つことができる。また、ボアシール部と水油シール部とを別々に形成することができるので、必要な部分の面圧を高くすることができ、シリンダヘッドとシリンダブロックの締結軸力を高くすることができないオープンデッキタイプのエンジンのシールに利用することができる。
10、20、30、40、50、60 シリンダヘッドガスケット
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 シリンダボア
4 シリンダライナ
5 外壁部
6 ウォータージャケット
11 ボアシール部
12 水油シール部
13 連結部
14 シリンダボア用孔
15 水穴
16 オイル穴
17 ボルト穴

Claims (8)

  1. オープンデッキタイプのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に狭持される金属製のシリンダヘッドガスケットにおいて、
    シリンダボア孔を有すると共に、前記シリンダブロックのウォータージャケットより内側をシールするボアシール部と、前記ウォータージャケットより外側をシールする水油シール部とを連結する連結部をウォータージャケットの全周に亘って設け、
    該連結部の少なくとも一部を、前記ボアシール部が受ける熱、及び振動を遮断するゴム状弾性材で形成することを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
  2. 前記ボアシール部と前記水油シール部とを別々に形成すると共に、
    前記連結部の全周を前記ゴム状弾性材で形成することを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘットガスケット。
  3. 前記ボアシール部と前記水油シール部を構成する金属板の積層枚数を異なる枚数にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダヘッドガスケット。
  4. 前記ボアシール部を第1金属板で構成し、前記水油シール部を前記第1金属板と異なる第2金属板で構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
  5. 前記ボアシール部、前記連結部、及び前記水油シール部を一体に形成すると共に、
    前記連結部の少なくとも一箇所を除いて開口させた開口部を前記ゴム状弾性材で連結することを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
  6. 前記ゴム状弾性材を前記ウォータージャケットの冷却水が流れる通路の幅の範囲内に形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケット。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダヘッドガスケットの製造方法であって、シリンダブロックに設けたウォータージャケットの内側をシールするボアシール部と、ウォータージャケットの外側をシールする水油シール部とを別々に形成し、前記ボアシール部と前記水油シール部とを少なくとも一部をゴム状弾性材で構成した連結部で連結することを特徴とするシリンダヘッドガスケットの製造方法。
  8. 請求項1又は請求項5に記載のシリンダヘッドガスケットの製造方法であって、シリンダブロックに設けたウォータージャケットの内側シールするボアシール部と、ウォータージャケットの外側をシールする水油シール部と、該ボアシール部と該水油シール部とを連結する連結部とを一体に形成し、
    前記連結部の少なくとも一箇所を除いて刳り抜き、刳り抜いた部分をゴム状弾性材で埋めることを特徴とするシリンダヘッドガスケットの製造方法。
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