JP5392546B2 - 相間絶縁シート - Google Patents
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Description
なお、本願では、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」の各方向は、略円筒状のコアを基準として定めるものとする。このとき、コイルについての各方向は、コイルがスロットに巻装された状態での方向として規定するものとする。また、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び、必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、側面絶縁部が、対象相コイルエンド部における、異なる相のコイルエンド部と周方向に対面する部分の少なくとも一部を覆うので、対象相コイルエンド部が側面絶縁部によって周方向から挟まれる。それにより、対象相コイルエンド部に対する絶縁部(即ち、平面絶縁部及び側面絶縁部)の周方向への相対移動が阻止される。ここで、一つの対象相コイルエンド部に装着される絶縁部のみについて考えた場合、その絶縁部は対象相コイルエンド部に対して径方向へ相対移動する可能性がある。つまり、複数の絶縁部が互いに連結されていなければ、各絶縁部は径方向に移動する可能性がある。ところが、本特徴構成によれば、各絶縁部は連結部により互いに連結されて一体として同じ方向に移動することしか許容されないため、各絶縁部が径方向に移動することはできない。よって、対象相コイルエンド部に対する相間絶縁シートの径方向への相対移動も阻止される。
更に本特徴構成によれば、予め、絶縁部の形状が、対象相コイルエンド部の軸方向の1面と周方向の2面とを覆う形状に成形されている。よって、相間絶縁シートを屈曲コイルエンド部に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。
したがって、複数相のコイル間の相間絶縁を確実に行え、且つ、屈曲コイルエンド部への安定した装着を容易に行える相間絶縁シートを提供できる。
前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の軸方向外方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分の軸方向内方側を通るように配置される構成とすると好適である。
図1は、回転電機の全体構成を示す断面図であり、図2は、ステータの全体構成を示す斜視図である。図3(a)はステータコアの一部分の平面図であり、図3(b)はステータコアにコイルが巻装された状態を説明する一部断面図である。
図1に示すように、回転電機1は、ステータ2、ロータ3及びケース5を備えている。ステータ2はコイル21を備えており、当該コイル21に電流を流すことで磁界を発生させることができる。本実施形態においては、ステータ2が本発明における「回転電機用電機子」に相当する。ステータ2は、ケース5の内周面に固定されている。ステータ2の構成については後に詳細に説明する。また、ステータ2の径方向内方側には、永久磁石(図示せず)を備えた界磁としてのロータ3が、ロータ軸4を回転軸としてステータ2に対して相対回転可能に配置されている。すなわち、本実施形態における回転電機1は、電機子としてのステータ2を備えたインナーロータ型の回転電機とされている。ケース5は、軸方向の一方の端部に端壁5aが設けられた円筒形状に形成されている。ケース5は軸方向他端側に開口しており、当該開口を塞ぐようにケース5にカバー6が取り付けられている。そして、ケース5の端壁5a及びカバー6の径方向中央部に軸受7が設けられており、ロータ3及びロータ軸4は軸受7を介してケース5及びカバー6に対して回転可能に支持されている。
図2及び図3に示すように、ステータ2は、ステータコア11及びコイル21を備えている。ステータコア11は、複数枚の中空円板状の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒形状に形成されている。ステータコア11の内周面には、その軸方向Lに延びる複数のスロット12が周方向Cに分散配置される。加えて、各スロット12は径方向内方側:R1側に開口する内周開口部13を有する。本実施形態においては、このステータコア11が本発明における「コア」に相当する。各スロット12は互いに同じ断面形状であって、所定の周方向幅及び径方向深さを有している。本実施形態においては、ステータコア11には、その全周で計48個のスロット12が設けられている。本実施形態においては、コイル21は、その断面が略矩形状の単一の角型導線を用いた線状導体31により構成されている。
次に、各相のコイル21(21u、21v、21w)について説明する。
図4はステータコアに巻装されるU相のコイルを示す斜視図であり、図5はステータコアに巻装されるV相のコイルを示す斜視図であり、図6はステータコアに巻装されるW相のコイルを示す斜視図である。図7はステータコアに3相のコイルを巻装して得られるステータを屈曲コイルエンド部側から見た平面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面(ステータの周方向断面)を模式的に示す図であり、図9は、図7のIX−IX断面図(ステータの径方向断面図)である。なお、上述したように、ここではコイル21の構成を説明することが目的であるので、相間絶縁シートは図示していない。
図4はU相コイル21uであり、図5はV相コイル21vであり、図6はW相コイル21wである。本実施形態において、各相のコイル21(21u、21v、21w)は、図4〜図6に示すように、全体として略円筒状の波型形状に形成されている。各相のコイル21は、スロット12内に配置されるコイル辺部22と、異なるスロット12内に配置される一対のコイル辺部22間をステータコア11の軸方向Lの両端部において接続するコイルエンド部23と、を備えている。コイル辺部22は、それぞれスロット内部14の形状に対応して軸方向Lに沿って延びるように直線状に形成されている。コイルエンド部23は、それぞれ異なるスロット12に配置される一対のコイル辺部22の間を接続して周方向Cに沿って延びるように形成されている。各コイルエンド部23は、図2に示すように、ステータコア11の軸方向Lの両端部からステータコア11の軸方向L1、L2にそれぞれ突出して配置されている。そして、図4〜図6に示すように、コイル21は、軸方向Lに延びて複数のスロット12内に順次配置される各コイル辺部22を、軸方向一端側:L2側のコイルエンド部23と軸方向他端側:L1側のコイルエンド部23(屈曲コイルエンド部24)とで交互に接続して、ステータコア11の周方向Cを巡回する波形に形成されている。このように、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置された状態で、ステータコア11に波巻で巻装される形状となるように予め形成されている。
次に、図7〜図9を参照して、屈曲コイルエンド部の構成について説明する。
各相のコイル21のうち、ステータコア11から軸方向Lに突出する少なくとも軸方向他端側:L1側のコイルエンド部23は、径方向内方側:R1側へ屈曲形成されているとともに異なる相のコイルエンド部が軸方向及び周方向に整列配置されてなる屈曲コイルエンド部24とされている。屈曲コイルエンド部24は、図9に示すように、屈曲部34においてコイル辺部22に対して略直角に径方向内方側:R1側へ屈曲している。屈曲コイルエンド部24を構成する各相のコイルエンド部23は、図3(b)、図7及び図9などに示すように、各スロット12内に配置されているコイル辺部22から屈曲されて径方向Rに延びる径方向導体部25と、内周開口部13よりも径方向内方側:R1側で一対の径方向導体部25間を接続するように周方向Cに延びる周方向導体部26とを備える。
また、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、径方向内方側:R1側に配置されている2本の線状導体31が、屈曲コイルエンド部24の周方向導体部26として径方向Rに2列に整列して配置されている。また、周方向に隣接する同じ相の2つのスロット12に着目すると、そのそれぞれにおいて径方向内方側:R1側に配置されている2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が、周方向導体部26として径方向Rに4列に整列して配置されている。この径方向内方側:R1側に配置されている計4本の線状導体31により構成されるのが、図8の上から5層目及び6層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって構成される一組の屈曲コイルエンド部24である。
更に、スロット12内において径方向Rに一列に整列配置されている6本の線状導体31のうち、残余の2本の線状導体31が、屈曲コイルエンド部24の周方向導体部26として径方向Rに2列に整列して配置されている。また、周方向に隣接する同じ相の2つのスロット12に着目すると、そのそれぞれにおける残余の2本の線状導体31を併せて計4本の線状導体31が、周方向導体部26として径方向Rに4列に整列して配置されている。この計4本の線状導体31により構成されるのが、図8の上から3層目及び4層目のU相、V相及びW相のコイルエンド部23によって構成される一組の屈曲コイルエンド部24である。
図5及び図8に示すように、一組の屈曲コイルエンド部24に着目すると、V相コイル21vの屈曲コイルエンド部24は、線状導体31が軸方向外方側:L1側で周方向及び径方向に隣接して整列している外方側部分26aと、線状導体31が軸方向内方側:L2側で周方向及び径方向に隣接して整列している内方側部分26bと、外方側部分26a及び内方側部分26bの間の段差部26cとを有する。
具体的には、V相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26は、周方向Cにおける中間部分において軸方向Lに屈曲した段差部26cを有する。また、周方向導体部26は、段差部26cよりも周方向一方側:C1側であって軸方向内方側:L2側に位置する内方側部分26bと、段差部26cよりも周方向他方側:C2側であって軸方向外方側:L1側に位置する外方側部分26aとを有する。つまり、図5及び図8に示したように、V相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26の外方側部分26aでは、4本の線状導体31が軸方向外方側:L1側で整列し、内方側部分26bでは、4本の線状導体31が軸方向内方側:L2側で整列する。
図4及び図8に示すように、U相の屈曲コイルエンド部24における周方向導体部26では、4本の線状導体31が軸方向外方側:L1側で整列する。具体的には、U相の屈曲コイルエンド部24は、V相の屈曲コイルエンド部24の内方側部分26bに対して軸方向外方側:L1側に隣接し、且つ、V相の屈曲コイルエンド部24の外方側部分26aに対して周方向Cに隣接して配置されている。
具体的には、スロット12の径方向外方側:R2側にあったU相コイル21uの2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向外方側:L1側に位置し、スロット12の径方向内方側:R1側にあったU相コイル21uの別の2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向内方側:L2側に位置する。そして、屈曲コイルエンド部24では、軸方向内方側:L2側に位置する2本の線状導体31が、軸方向外方側:L1側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向外方側:L1側へ屈曲される。
図6及び図8に示すように、W相のコイルエンド部23における周方向導体部26では、4本の線状導体31が軸方向内方側:L2側で整列する。具体的には、W相の屈曲コイルエンド部24は、V相の屈曲コイルエンド部24の外方側部分26aに対して軸方向内方側:L2側に隣接し、且つ、V相の屈曲コイルエンド部24の内方側部分26bに対して周方向に隣接して配置されている。
具体的には、スロット12の径方向外方側:R2側にあったW相コイル21wの2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向外方側:L1側に位置し、スロット12の径方向内方側:R1側にあったW相コイル21wの別の2本の線状導体31は屈曲部34において屈曲されたときには軸方向内方側:L2側に位置する。そして、屈曲コイルエンド部24では、軸方向外方側:L1側に位置する2本の線状導体31が、軸方向内方側:L2側の2本の線状導体31に対して周方向C及び径方向Rに隣接して整列するように、外周側軸方向段差部27を形成しながら軸方向外方側:L1側へ屈曲される。
次に、各コイル21における屈曲コイルエンド部24の径方向導体部25の構成について説明する。図3(b)及び図4に示すように、径方向導体部25は、その周方向幅W7がスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも狭い幅狭凹部32を備えている。幅狭凹部32は、径方向導体部25におけるスロット12の内周開口部13に対応する径方向Rの特定部位に設けられている。なお、径方向導体部25における幅狭凹部32以外の部分の周方向幅は、コイル21を構成する線状導体31の周方向幅W5に等しく、したがってスロット12の内周開口部13の周方向幅W1よりも広く形成されている。つまり、径方向導体部25には、スロット12の内周開口部13に対応する径方向Rの特定部位に、径方向導体部25の当該位置以外の部分に対して窪んだ形状の幅狭凹部32が形成されている。
図10は、ステータコアに各相のコイルを挿入する工程を説明する斜視図である。図示するように、径方向導体部25における幅狭凹部32としての伸展突起部33と、ステータコア11が有するスロット12の内周開口部13とを対応させた状態で、コイル21を屈曲コイルエンド部24の側からスロット12内に軸方向Lに挿入する。
具体的には、各相のコイル21は、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12内に配置可能な波巻形状となるように予め形成されている。このように、各相のコイル21を所定形状に予め形成しておくことで、コイル21をスロット12に軸方向Lに容易に挿入することができる。このとき、本実施形態においては、図10に示すように、U相、V相、及びW相の各コイル21を組み合わせて一つのユニットを形成し、各コイル辺部22がそれぞれ対応するスロット12に配置されるように位置合わせした状態で、当該ユニットを一体的にスロット12内に挿入する。
図11は相間絶縁シートの斜視図である。具体的には、図11(a)は相間絶縁シート40Aの斜視図であり、図11(b)は相間絶縁シート50の斜視図である。図12は相間絶縁シート40Aの屈曲状態を説明する平面図である。図13は、各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を模式的に示すステータの周方向断面図であり、図14は、各相のコイル間に相間絶縁シートが設けられた状態を示すステータの径方向断面図である。
側面絶縁部41bは、U相のコイルエンド部23における、V相のコイルエンド部23のコイルエンド部23と周方向に対向する部分の少なくとも一部を覆う形状であればよい。つまり、側面絶縁部41bが、U相のコイルエンド部23における、V相のコイルエンド部23と周方向Cに対面する部分の少なくとも一部を覆うので、U相のコイルエンド部23が側面絶縁部41bによって周方向Cから挟まれる。それにより、U相のコイルエンド部23に対する絶縁部41(即ち、平面絶縁部41a及び側面絶縁部41b)の周方向Cへの相対移動が阻止される。但し、本実施形態において、側面絶縁部41bは、U相のコイルエンド部(対象コイルエンド部)の周方向Cの側部の全体を覆うことのできる大きさである。それにより、U相のコイルエンド部23の周方向Cの側部での相間絶縁を確実に行える。
更に、予め、絶縁部41の形状が、W相のコイルエンド部23の軸方向Lの1面と周方向Cの2面とを覆う形状に成形されているので、相間絶縁シート40Aを屈曲コイルエンド部24に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。
更に本発明によれば、予め、絶縁部41の形状が、対象相コイルエンド部23の軸方向Lの1面と周方向Cの2面とを覆う形状に成形されている。よって、相間絶縁シート40Aを屈曲コイルエンド部24に装着するときの位置合わせが容易になり且つ安定した状態で装着できる。加えて、相間絶縁シート40Aは屈曲コイルエンド部24を径方向Rから覆わないので、屈曲コイルエンド部24を冷却するための冷媒が径方向Rから通り易くなる。
(1)上記の実施形態においては、相間絶縁シート40Aの形状を例示したが、その形状を適宜改変してもよい。図19〜図24は、別実施形態の相間絶縁シートの斜視図である。
図19に示すように、相間絶縁シート40Bの外周縁には、部分的に径方向外方側:R2側に突出する突部43が設けられている。この突部43の周方向Cの長さは、スロット12の径方向内方側:R1側に開口する内周開口部13(図3を参照)の周方向幅W1と同程度とされている。よって、各相のコイル21が屈曲コイルエンド部24を先頭にしてスロット12に対して軸方向Lに挿入されて巻装されるとき、突部43はスロット12の内部を通過可能である。したがって、相間絶縁シート40Bは、突部43以外の部分の外周縁の径がステータコア11の内周面の径よりも小径であればよい。
相間絶縁シート40Cを複数の円弧帯状部材46で形成することで、一部の部材に形状不良などの不具合が生じてもその不具合のある部材のみが使用不能な部材となり、他の部材は別の部材と組み合わせて使用できる。よって、相間絶縁シート40C全体としての歩留まりを向上させることができる。なお、図20では、相間絶縁シート40Cが連結部42の部分で分割された形態の円弧帯状部材46を示しているが、相間絶縁シート40Cが平面絶縁部41aの部分で分割された形態に変更してもよい。
また、上記伸縮部Tの例としては上述した折曲部45に限定されず、他の形態のものもある。例えば、図20に示した相間絶縁シート40Cにおいて、一つの接続部44の部分で円弧帯状部材46どうしが接続されないようにすれば、そこが伸縮部Tとなる。つまり、円弧帯状部材46どうしが接続されていない部分において周方向Cにおける円弧帯状部材46どうしの重なりを大きくすれば、相間絶縁シートの見かけの外周縁の径を小径化できる。
また、図22では、連結部42が絶縁部41の径方向外方側:R2側の端部に接続されているが、図23の相間絶縁シート40Fのように、連結部42を絶縁部41の径方向中間部分に接続してもよい。或いは、連結部42を絶縁部41の径方向内方側:R1側の端部などの他の部分に接続してもよい。
2 ステータ(回転電機用電機子)
11 ステータコア(コア)
12 スロット
13 内周開口部
21 コイル
21u U相コイル(第一相のコイル)
21v V相コイル(第二相のコイル)
21w W相コイル(第三相のコイル)
22 コイル辺部
23 コイルエンド部
24 屈曲コイルエンド部
25 径方向導体部
26 周方向導体部
33 伸展突起部
40A〜40F 相間絶縁シート
41 絶縁部
41a 平面絶縁部
41b 側面絶縁部
42 連結部
43 突部
45 折曲部(伸縮部T)
46 円弧帯状部材
L 軸方向
R 径方向
C 周方向
S 円環状シート部材
Claims (9)
- コイルエンド部が予め予備成型された複数相のコイルを軸方向に沿ってコアに挿入して構成される回転電機用電機子が備える複数相のコイル間の相間絶縁を確保するための相間絶縁シートであって、
略円筒状の前記コアに巻装される前記コイルにおける前記コアから軸方向に突出する少なくとも一方の端部が、径方向内方側へ屈曲形成されているとともに異なる相の前記コイルエンド部が軸方向及び周方向に整列配置されてなる屈曲コイルエンド部とされている回転電機用電機子の前記屈曲コイルエンド部に装着され、
前記複数相の内の一つの相の前記コイルエンド部を対象相コイルエンド部として、周方向に沿って所定間隔で配置された前記対象相コイルエンド部と隣接する異なる相の前記コイルエンド部との間の相間絶縁を確保すべく、周方向に沿って所定間隔で配置された複数の絶縁部と周方向に隣接する2つの絶縁部間を連結する連結部とを備え、
前記絶縁部は、前記対象相コイルエンド部に軸方向から対面するように配置された平面絶縁部と、当該平面絶縁部の周方向両端縁を軸方向に屈曲して形成された側面絶縁部と、を有し、
前記平面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と軸方向に対向する部分を覆い、
前記側面絶縁部は、前記対象相コイルエンド部における異なる相の前記コイルエンド部と周方向に対向する部分の少なくとも一部を覆う、相間絶縁シート。 - 前記回転電機用電機子は、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成された前記コアと、前記複数のスロットに分布巻きの形態で巻装される第一相と第二相と第三相とで構成される3相のコイルとを備え、
前記屈曲コイルエンド部を構成する各相のコイルエンド部は、前記各スロット内に配置されているコイル辺部から屈曲されて径方向に延びる径方向導体部と、前記内周開口部よりも径方向内方側で一対の前記径方向導体部間を接続するように周方向に延びる周方向導体部とを備え、
前記第二相の前記コイルエンド部の前記周方向導体部は、周方向における中間部分において軸方向に段差部を有するとともに、前記段差部よりも周方向一方側であって軸方向内方側に位置する内方側部分と前記段差部よりも周方向他方側であって軸方向外方側に位置する外方側部分とを有し、
前記第一相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して軸方向外方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、
前記第三相の前記コイルエンド部は、前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分に対して軸方向内方側に隣接し、且つ、前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分に対して周方向に隣接して配置してあり、
前記第一相のコイルエンド部又は前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする請求項1に記載の相間絶縁シート。 - 前記第一相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の軸方向内方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第一相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記外方側部分の軸方向外方側を通るように配置され、
前記第三相のコイルエンド部を前記対象相コイルエンド部とする場合には、前記平面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の軸方向外方側を覆い、前記側面絶縁部が前記第三相のコイルエンド部の周方向側部の少なくとも一部分を覆い、及び、前記連結部が前記第二相のコイルエンド部の前記内方側部分の軸方向内方側を通るように配置される請求項2に記載の相間絶縁シート。 - 前記側面絶縁部は、前記コイルエンド部の周方向側部の全体を覆うことのできる大きさである請求項1から3の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
- 円環状シート部材を複数箇所で屈曲成形してなる請求項1から4の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
- 互いに同一形状又は異なる形状の複数の円弧帯状部材を周方向に接続して円環状にするとともに複数箇所で屈曲成形してなる請求項1から4の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
- 外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも小径とされている請求項1から6の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
- 前記コアは、軸方向に延びる複数のスロットが周方向に分散配置されるとともに各スロットが径方向内方側に開口する内周開口部を有して構成されており、
外周縁における、前記各スロットの内周開口部に対応する位置に突部が設けられている請求項1から7の何れか一項に記載の相間絶縁シート。 - 外周縁の径が前記コアの内周面の径よりも大径とされるとともに、前記外周縁の径を小径化可能な伸縮部を有する請求項1から6の何れか一項に記載の相間絶縁シート。
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