JP5392377B2 - 肌装着用シートおよびその装着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、肌装着用シートに関し、より詳しくは、例えば美容シート、肌パック用シート、フェイスマスク、絆創膏、湿布材、プラスター材等に用いることができる肌装着用シートおよびその装着方法に関する。
従来より親水性繊維としては、セルロース系繊維等多くの繊維が知られている。そしてそれらは、その親水性ゆえに、吸収性物品、清掃用品、化粧用シート等に使用されてきた。特に、人肌に接して使用される用途においては、肌触り感やフィット感などが重要な要求性能となるのであるが、従来から使用されているセルロース系不織布は、やや粗硬感があり、肌触り感やフィット感に欠けていた。
肌へ装着するシートの例として、親水性繊維層に、実質的に、非エラストマーからなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維層を水流交絡により一体化し、当該極細繊維層を皮膚との接触面とすることで、皮膚への刺激性が少なく皮膚への装着性が改良されたフェイスマスクが提案されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2006/016601号パンフレット
本発明は、肌装着用シートおよびその装着方法であって、肌への装着感、装着安定性が良好な、肌装着用シートを提供することを目的とする。さらには、シートに含浸されている液体成分である薬液や化粧料によって肌にもたらされる効能や効果を効率よく高めることが可能な肌装着用シートおよびその装着方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、親水性繊維層と極細繊維層とを含み、薬液又は化粧料を含ませたシートを、特定のモジュラス強度と特定の伸長回復率を有するよう構成したものが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)親水性短繊維層と極細繊維層を含む伸縮性の積層シートに、該積層シート100質量部に対して100〜1500質量部の薬液又は化粧料が含浸されてなる湿潤シートであって、該湿潤シートの少なくとも一方向における10%伸長モジュラス強度が0.1〜4.0N/25mmの範囲であり、同方向における30%伸長時の伸長回復率が30〜100%の範囲である肌装着用シートを、肌に装着後に、該肌装着用シートの伸縮性によって縮もうとする力が作用するように、肌に装着することを特徴とする、肌装着用シートの装着方法。
(2)肌に装着後に、肌装着用シートの縮もうとする力によって肌が引っ張られることに起因する引き締め感を生じる、前記(1)記載の肌装着用シートの装着方法。
(3)肌装着用シートを、顔に装着することを特徴とする、前記(1)または前記(2)記載の肌装着用シートの装着方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の装着方法を含む、肌装着用シートの使用方法。
(5)肌装着用シートを、美容シート、肌パック用シート、または、フェイスマスクに用いる、前記(4)記載の肌装着用シートの使用方法。
(6)前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の装着方法に用いられる、肌装着用シート。
(7)前記(4)または前記(5)記載の使用方法に用いられる、肌装着用シート。
本発明の肌装着用シートは、肌への優れた装着感と装着安定性をもたらす。
また、本発明の肌装着用シートの構成によれば、親水性繊維層と極細繊維層とが、例えば、部分的に熱圧着されて一体化していることで、耐層間剥離性等の積層シートに求められる強度を充分に担保でき、よって、特に、この積層シートに薬液や化粧料が含浸された肌装着用シートとしての優れた伸縮性の発現を可能とする。また、液体成分が肌等の対象物にもたらす効能や効果を効率よく高めることを可能とする。
本発明の肌装着用シートは、例えば美容シート、肌パック用シート、フェイスマスク、絆創膏、湿布材、プラスター材などとして好適に用いることができる。
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
本発明の肌装着用シートは、親水性繊維層と極細繊維層を含む積層シートである。
本発明で用いる親水性繊維層としては、少なくとも1方向に伸長性を有する親水性短繊維層または親水性長繊維層が好適に用いられる。さらに好ましく用いられる繊維層としては、短繊維が一方向に配列してなるカードウェブ、短繊維がランダムに集積しているエアレイウェブや湿式抄紙ウェブ、及び、これらの繊維をニードルパンチやスパンレース(水流交絡)等によって三次元交絡させて得られる不織布などを挙げることができる。肌装着用シートの装着感や装着安定性の点で好ましいのは、湿式抄紙ウェブまたはスパンレース不織布である。特に、短繊維が一方向に配列してなるカードウェブに水流交絡処理を行って当該繊維を三次元交絡させて得られたスパンレース不織布は、特に、エラストマー繊維を含む極細繊維層と積層して薬液や化粧料を含浸して得られる肌装着用シートへ好適な伸縮性を担保し、肌への優れた装着感と装着安定性をもたらす。
親水性短繊維層を構成する繊維の長さは特に限定されないが、2〜100mmであるのが好ましい。親水性短繊維層を構成する繊維として、繊維層を調製する際の具体的な手法、例えば、カードウェブ、エアレイウェブ及び湿式抄紙ウェブ等の態様に応じて、通常使用される長さの短繊維を使用できる。
本発明において、親水性繊維層が、長繊維や連続繊維で構成されていると、繊維間相互の干渉や絡まり等により繊維個々の自由度が阻害されやすく、一体化される極細繊維層中に特にエラストマー繊維が含まれる場合において、その伸縮性に追随可能な程度の伸長性を呈し難くなる場合がある。親水性繊維層が短繊維で構成されていることにより、繊維相互の干渉は軽減され、繊維個々の自由度は高まりやすい。その結果、親水性繊維層が、極細繊維層の伸縮性を積層シートに充分反映させることができる程度の追随性(伸長性)を奏することが容易となるのである。
親水性繊維層を構成する繊維としては、コットン、麻等のセルロース繊維、ウール、シルク、レーヨン、キュプラ、パルプ及びセルロース等を用いて得られる半合成繊維、ならびに、合成繊維に親水化処理を施したものなどを用いることができ、これらの2種以上を用いてもよい。親水性の点で好ましいのは、コットン、レーヨン、キュプラ、パルプである。親水性繊維層には、薬液又は化粧料の充分量を保持するため、または、それらの適度な浸透速度を確保するために、これら親水性繊維が、質量基準で、30%以上の範囲で含まれているのが好ましい。親水性繊維層には、特に、コットン、レーヨン、キュプラ、もしくは、パルプ、またはこれらの2種以上の混合繊維が、親水性繊維層の質量基準で、30%以上の範囲で含まれているのが好ましい。
積層シートへの薬液又は化粧料の保持能や浸透速度を高める目的においては、親水性繊維層が、これら親水性繊維、特に、これら親水性短繊維のみで構成されていることが好ましい。積層シートにおける薬液又は化粧料の保持能と積層シートへの浸透速度を適宜効率的に調整する目的等において、親水性繊維層に、その質量基準で、70%を超えない範囲で前記親水性繊維以外の繊維を混合してもよい。そのように混合する繊維としては、ポリエステル、ポリオレフィン、もしくは、ポリアミドなどを用いて得られた繊維、または、これらを2種類以上組み合わせた複合繊維などの、撥水性の合成繊維を例示することができる。
親水性繊維層に含まれる繊維の断面形状は、特に限定されるものではないが、丸断面、扁平断面、異型断面、中空断面等を挙げることができる。親水性繊維層に含まれる繊維の断面形状が丸断面の場合、その繊維径は、15μmより大きく50μm以下の範囲であることが好ましい。
親水性繊維層の目付けは、肌装着用シートの強度、液体成分の含浸量(保持量)、及び、液体成分含浸時の伸縮性の点から、5〜95g/m2であることが好ましく、更に好ましいのは、10〜70g/m2の範囲である。親水性繊維層の厚みは、薬液又は化粧料を含浸させる前の積層シートの厚み基準で、20%以上であることが好ましく、積層シートに、充分な液体含浸量と、液体含浸時の充分な伸縮性を担保するうえでは、30〜95%であるのが更に好ましい。
また、親水性繊維層の乾燥状態での伸度は、肌装着用シートの好適な伸縮性を担保するうえで、20〜250%であることが好ましく、更に好ましくは20〜200%の範囲である。
本発明の肌装着用シートにおける極細繊維層としては、少なくとも一方向に伸縮性を有するものが好ましい。この繊維層に、織物や編み物を採用して、その織り方や編み方を工夫することによって、伸縮性を発現させることも可能である。
本発明で使用する極細繊維層は、特にエラストマー繊維を含むのが好ましい。特に、繊維径が15μm以下のエラストマー繊維が好ましく、10μm以下のエラストマー長繊維を含むのがより好ましい。エラストマー長繊維の繊維径が10μm以下であると、その極細繊維層を含む肌装着用シートはより柔軟性を帯びたものとなり、肌等への装着感がより優れたものとなる。
エラストマー繊維としては、スチレン系エラストマー繊維、オレフィン系エラストマー繊維、エステル系エラストマー繊維、及び、ウレタン系エラストマー繊維から選ばれた少なくとも1種のエラストマー繊維であることが好ましい。特に、肌装着用シートの柔軟性や伸縮性に伴う装着感、伸縮性等に伴う装着安定性などの点で、スチレン系エラストマー繊維、オレフィン系エラストマー繊維、及び、ウレタン系エラストマー繊維から選ばれた少なくとも2種のエラストマー繊維であることが好ましい。
2種以上のエラストマー繊維の混合物としては、例えば、1〜99質量%のスチレン系エラストマー繊維と、99〜1質量%のオレフィン系エラストマー繊維との混合、1〜99質量%のウレタン系エラストマー繊維と、99〜1質量%のオレフィン系エラストマー繊維との混合物などを挙げることができる。これら混合するエラストマー繊維の種類や量比によって、肌装着用シートの柔軟性や伸縮性に伴う装着感、及び、伸縮性等に伴う装着安定性を、比較的高い水準において、所望の範囲に調整することが可能となる。
特に、極細繊維層を構成する繊維として、互いに、その繊維径が15μm以下、好ましくは10μm以下である、スチレン系エラストマー長繊維とオレフィン系エラストマー長繊維とを選択し、それらを混合することによって、肌装着用シートにおける柔軟性や伸縮性に伴う装着感及び伸縮性等に伴う装着安定性を高い水準で調整・制御することが可能となる。好ましくは、スチレン系エラストマー長繊維とオレフィン系エラストマー長繊維とを均一にランダムに混合することが挙げられる。さらに具体的には、スチレン系エラストマー長繊維を30〜70質量%の範囲で、かつ、オレフィン系エラストマー長繊維を70〜30質量%の範囲で混合比率を適宜所望に設定した極細繊維層を用いることによって、肌装着用シートにおける柔軟性や伸縮性に伴う装着感及び伸縮性等に伴う装着安定性をいっそう高い水準で調整・制御することが可能となる。
本発明の肌装着用シートは、従来のものに比べて、柔軟性、特に伸縮性能において優れた性能を発揮する。このような性能から、薬液や化粧料を含浸させて肌に装着するフェイスマスク等の用途に好適に使用される。フェイスマスク等が装着された肌の当該部位は、薬液や化粧料によって、湿り、または、潤される。それによって当該肌表面は、さらに、より敏感・繊細さを帯びることになる。
スチレン系エラストマー繊維は、一般に、柔軟性に優れるが、やや粘着性が高いことから、含浸させる液体成分や、装着される肌等の部位によっては、肌等への密着性が強すぎると感じる場合がある。また、スチレン系エラストマー繊維は、伸縮性が十分に高いことから、肌へ装着後のシートの縮みに追随して肌等が引っ張られることによるツッパリ感を生じさせ、含浸させる液体量や装着する肌の部位によっては、心地よい装着感が得られにくくなる場合もある。そこへオレフィン系エラストマー繊維を上記範囲内の特定の比率で混合することによって、敏感・繊細な肌の装着部位に、優しい、極めて心地良い装着感を付与することが可能となる。
本発明に用いる極細繊維中には本発明の効果を妨げない範囲において、安定剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤、滑剤、耐光剤、親水剤、帯電防止剤、帯電剤などが添加されていても良い。
本発明の肌装着用シートにおける極細繊維層は、「繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維」以外の繊維を含んでいても良い。肌装着用シートとしての、柔軟性、伸縮性に伴う心地よい装着感、伸縮性等に伴う装着安定性を得るためには、繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維を、極細繊維層の質量基準で、50%以上の範囲で含むのが好ましく、さらに好ましいのは70%以上である。装着感、装着安定性の高い肌装着用シートを得るためには、かかるエラストマー長繊維のみで極細繊維層を構成するのが特に好ましい。
「繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維」以外の繊維としては、繊維径が15μmを超えて50μm以下であるエラストマー繊維や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの非エラストマー繊維を挙げることができる。「繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維」に、繊維径が1〜15μmの非エラストマー繊維を1〜50質量%の割合で併用することは、前記のように異種のエラストマー繊維を特定割合で混合する場合ほどには繊細ではないものの、得られる肌装着用シートの柔軟性や伸縮性に伴う装着感や装着安定性を適宜効率的に調整するうえで有効である。併用する繊維径が1〜15μmの非エラストマー繊維としては、ポリエステルテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン66などの各繊維を例示することができる。
極細繊維層の親水性が、親水性繊維層の親水性より高くはならないという条件のもと、極細繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が親水性を有する繊維であることを排除しない。使用できる親水性を有する繊維としては、コットン、麻等のセルロース繊維、ウール、シルク、レーヨン、キュプラ、及び、セルロースなどを用いて得られる半合成繊維、ならびに、合成繊維に親水化処理を施したものなどを例示できる。
極細繊維層に含まれるのが好ましい「繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維」は、繊維径が15μm以下である限り、その製造法は限定されない。より具体的には、該エラストマー長繊維自体の有する伸縮性が、それを一体化して得られる積層シートにおいて、一方向に偏らず、満遍なく寄与・反映されるために、エラストマー長繊維が極細繊維層中でランダムに集積しているのが好ましい。エラストマー長繊維が一方向に配列した繊維層では、その繊維の長さ方向と同じ方向に対しては繊維自体の有する伸縮性が滞りなく反映されるが、これと直角する方向には、繊維自体の有する伸縮性は寄与しにくい。
エラストマー長繊維は、メルトブロー法で製造された長繊維であることが好ましく、極細繊維層は、メルトブロー法で製造されてランダムに集積してなる繊維径15μm以下のエラストマー長繊維を含んでいるのが好ましい。繊維層の製造工程で発生する繊維の帯電による不具合を防止するために繊維表面に界面活性剤を付着させて行う一般の製造法に比べ、メルトブロー法は、その製造法ゆえに、界面活性剤の付着を必要としない。このため、メルトブロー法を採用することによって、極細繊維層に好適に用いられる撥水性の繊維を効率良く製造することが可能となる。
極細繊維層に使用される「繊維径が15μm以下のエラストマー長繊維」と、これと混合しても良い「その他の繊維」との混合方法は、特に限定されない。それぞれを個別に製造したのち、混合しても良い。あるいは、異種の繊維を吐出するための紡糸孔が1つのノズル中に交互に配列した所謂混繊用ノズルを用いて、これら異種の繊維を同時にメルトブロー法で紡糸する方法を採用するのが好ましい。この方法によれば、異種の繊維が極めて均一にランダムに集積した極細繊維層を得ることが可能である。
極細繊維層が、0〜10質量%の非エラストマー長繊維と、100〜90質量%のエラストマー長繊維を含む場合、特に、エラストマー長繊維のみで構成されて当該エラストマー長繊維が2種以上のエラストマー長繊維の混合繊維である場合、また特に、30〜70質量%のスチレン系エラストマー長繊維と、70〜30質量%のオレフィン系エラストマー長繊維との混合繊維である場合には、それら2種以上の繊維を、上記混繊用ノズルを用いてメルトブロー法で紡糸するのが好ましい。
特に、高度な柔軟性や伸縮性に伴う極めて心地よい装着感や、極めて好適な伸縮性等に伴う優れた装着安定感など高水準な繊細さを要求される場合には、使用するエラストマー長繊維や、2種以上のエラストマー長繊維が、極細繊維層中で均一にランダムに集積・混合されていることが必要である。
混繊ノズルは、異種の繊維を同時に紡糸し、それらを均一にランダムに集積させることができるようなものである限り、その構造に限定されない。混繊ノズルとして、例えば、異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が、一つのノズル内に、交互に一列に配列したノズルや千鳥状に配列したノズルなどを好適に用いることができる。また別の態様として、一つの樹脂が流れだす紡糸孔のみを一つのノズル内に有する複数のノズルが、集積コンベアーの移動方向に複数配列した装置を用い、個々のノズルから互いに異なる樹脂を紡糸し、得られるウェブの積層物をニードルパンチ等で交絡処理をすることで、繊維同士の混繊を行う方法も例示することができる。後処理を伴わないという点において、前者の、異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が一つのノズル内で交互に一列に配列したノズルが好適に用いられる。
極細繊維層の目付けは、5〜100g/m2であることが、肌装着用シートの伸長回復率が優れる点で好ましい。更に好ましいのは、10〜70g/m2の範囲である。極細繊維層の厚みは、薬液や化粧料を含浸させる前の積層シートの厚み基準で、80%以下であることが好ましく、5〜70%であることが、肌装着用シートに好適な柔軟性と装着感を担保できる点で好ましい。
親水性繊維層に使用する親水性繊維は、一般に、それ自体が吸水性を有する。このため、親水性繊維のみからなる不織布シートに、薬液又は化粧料を含浸させようとすると、当該繊維自体が斯かる液体を吸収するため、肌に実際に補給せしめる量を大きく上回る量の薬液又は化粧料を、予め当該シートに充填しなければならない。このため、使用する薬液又は化粧料の利用効率が悪く、コスト的に無駄の多いものであった。
これに対し、本発明の肌装着用シートは、後述の通り、特に、親水性繊維層と極細繊維層とが、部分的熱圧着によって一体化されているため、耐層間剥離性等の積層シートに求められる強度を充分に担保しうるものとなる。このため、製品に求められる強度に応じて、一般に、薄層化が可能である。これによって、積層シートに充填された薬液又は化粧料のうち、親水性繊維自体に吸収される絶対量を低減し、その有効量を肌等へ効率的に補給することができるようになる。
また、親水性繊維層に、70質量%を超えない範囲で、親水性繊維以外の繊維を混合することによっても、使用する薬液や化粧料の効率化を図ることが可能である。一方、極細繊維層が積層されることが相俟って、肌装着用シートそのものへの薬液又は化粧料の保持量や浸透速度が低下する傾向にはあるものの、これらは、極細繊維層の親水性が、親水性繊維層の親水性を下回るという条件のもとで、極細繊維層へ、親水性繊維を50質量%を超えない範囲で混合することによっても調整することができる。この親水性繊維としては、前記例示のものを使用できる。
これらの方法によれば、薬液又は化粧料の保持量や浸透速度を所望の範囲に維持しつつ、肌装着用シートに含まれる親水性繊維の総量を低減することが可能であり、よって、薬液や化粧料の有効活用、コスト低減に資することができる。
親水性繊維層と極細繊維層の積層手段として、加熱ロールを用いる方法のほか、加熱オーブン方式、ニードルパンチ方式、スパンレース方式(水流交絡方式)、超音波による方法や、接着剤を用いる方法などを例示できる。
本発明の肌装着用シートにおいて、特に、部分的熱圧着法を採用するのが好ましい。部分的熱圧着は、ロール表面が凹凸形状に彫刻された加熱ロール(以降、「加熱エンボスロール」という場合がある。)を用いて好適に行うことができる。本発明の肌装着用シートの製造において、エンボスロールを用いた部分的熱圧着を行うとき、加熱エンボスロールを、積層シートの一方の面に露出する親水性繊維層側の表面に圧着することによって行うことが好ましい。このとき、積層シートの他方の面、すなわち、積層シートのもう一方の面に露出する極細繊維層側の表面は、加熱されていても良い平滑形状または凹凸形状に彫刻された表面を有するロール等に接して行われる。本発明の積層シートの一方の面に露出する親水性繊維層の表面には、この部分的熱圧着に起因する不連続で規則的な凹凸形状が形成されるのが好ましい。一方、積層シートの他方の面に露出する極細繊維層の表面は、平滑ロールに接すること等に起因する平滑表面を形成していることが好ましい。
積層シートの一方の面に露出する親水性繊維層の表面及び/又はもう一方の面に露出する極細繊維層の表面において、この部分的熱圧着に起因して形成される不連続で規則的な凹凸形状は、それぞれの繊維層表面に占める凹部の面積(以降、「圧着面積」という場合がある。)が、3〜40%であることが積層時の層間強度と風合いの点で好ましく、さらに好ましいのは、5〜30%の範囲である。
また、積層シート表面における凹部の深さは、積層時の層間強度と風合いの点で、0.1〜1mm、個々の凹部の面積は0.15〜15mm2、凹部間距離が0.5〜20mmであるのが好ましい。
上記凹部が存する部位のシート厚み方向においては、少なくとも一部の繊維同士が熱接合している。極細繊維層にエラストマー繊維を含む場合、該エラストマー繊維がその軟化によって親水性繊維層を構成する繊維と接合し、これによって、親水性繊維層と極細繊維層とが一体化される。部分的熱圧着時の圧力及び温度は、親水性繊維層と極細繊維層とが、少なくとも一部の繊維の軟化によって一体化するような条件において適宜選択できるが、部分的熱圧着時の圧力が5〜100kg/cm2の範囲、熱圧着時の温度が50〜150℃の範囲であるのが好ましく、極細繊維層と親水性繊維層の間に上記接合態様が形成されて、層間強度が得られる範囲であれば、特に限定はない。
前述の通り、本発明では、親水性繊維層は、極細繊維層の伸縮性に追随可能であるために、短繊維層であるのが好ましい。
本発明の肌装着用シートを構成する積層シートは、乾燥状態である場合に比べて、湿潤状態である場合において、特に、親水性短繊維層が伸長性を有する方向への格段に優れた伸縮性を発現しうるという特徴を持つ。この特徴は、湿潤することによって、親水性短繊維による、或いは、親水性短繊維同士による干渉・絡まり合いが緩和されることがその一因になっているものと推測される。一方、この親水性短繊維間の干渉・絡まり合いが緩和されることに伴って、同時に、親水性短繊維層自体の強度が弱まることとなり、繊維層が容易に破断されやすくなる場合がある。
極細繊維層の持つ伸縮性への親水性繊維層の追随性と、親水性繊維層の強度とをバランス良く維持させるため、本発明においては、両層間の一体化手法として、“部分的熱圧着法”を採用することが好適である。部分的熱圧着法によれば、その“熱圧着部”においては、繊維間が繊維の熱軟化によって強固に接合されるため、極細繊維層と親水性繊維層間の耐剥離性が強化される。一方、この部分的熱圧着法を採用することにより、当該“熱圧着部”と共に形成される“非熱圧着部”では、個々の繊維が互いに制約されずに存在するため、主にこの部分の繊維の伸びによって、得られる積層シートの伸縮性が付与されることとなる。極細繊維層が有する伸縮性に対し、これに一体化された親水性繊維層が有する伸張性による追随性、そして、結果として得られる積層シートの優れた伸縮性は、前記“熱圧着部”による両層間の耐剥離性の強化によって担保されるのである。すなわち、両層の一体化が弱いと、親水性繊維層は、極細繊維層の伸縮性に充分に追随する以前に、容易に剥離を起こしてしまう。本発明の積層シートが、特に湿潤時において優れた伸縮性を発現しうるのは、湿潤によって、“非熱圧着部”に存在する親水性繊維相互の干渉や絡まり等の制約がさらに緩和されることとなり、極細繊維層が持つ伸縮性への親水性繊維層による追随性が更に高まるためであろうと考えられる。
極細繊維層中のエラストマー長繊維は、その熱圧着によって軟化して親水性繊維層の構成繊維等に接合することで両層の一体化に寄与しているが、この軟化による接合力に加えて、エラストマー長繊維自身が本来的に有する粘着力または接着力によって、親水性繊維層を構成する繊維等との接合力が増し、両層間の耐剥離性が一層強化されている。
このような強固な接合を介した一体化によって、高度に伸縮させても破断しにくい積層シートの提供が可能となる。このように、本発明においては、少なくとも、親水性繊維層が短繊維で構成され、極細繊維層がエラストマー繊維を含んでおり、そして、両層が部分的熱圧着によって一体化されることが好ましい。
スパンレース法(水流交絡法)やニードルパンチ法によって繊維が単純に三次元交絡されていることで一体化されている積層シートにおいては、湿潤によって、短繊維間の干渉・絡まり合いが緩和されるであろうと推測される現象は、当該三次元交絡点においても発現するものと思われる。この一体化を支えている交絡点における繊維間の交絡が緩まる結果、このような一体化手法では、一般に、極細繊維層が有する伸縮性への、親水性繊維層の充分な追随性が得られる以前に、層間剥離が起き易いものとなる。
また、スパンレース法(水流交絡法)やニードルパンチ法を用いて一体化を行った場合、使用する高圧水や針が積層体を貫通もしくは通過することによって、その周囲に繊維が押し寄せられて繊維が再配列することとなり、一般に、当該貫通または通過部における繊維間距離の広がりに伴って、一体化される前に比べて一体化後の積層体の通気度が高くなる。
これに対し、部分的熱圧着法で一体化を行うと、当該圧着部では、繊維の軟化によって繊維間が接合される、すなわち、繊維間空隙が塞がることになるため、一体化される前に比べて、一体化後の積層体の通気度は低下することとなる。
本発明の肌装着用シートは、部分的熱圧着法で一体化されていることが好ましい。この方法で一体化されることによって、その通気度が効果的に低下する結果、肌に装着した場合に、高いマスキング効果やラップ効果を奏することとなり、含浸された薬液や化粧料が肌にもたらす効能や効果を効率良く高めることが可能となるのである。本発明の積層シートの通気度は、10〜100cm3/cm2・secであるのが好ましく、20〜80cm3/cm2・secであるのが更に好ましい。また、通気度がこのような範囲を満たす場合には、肌装着用シートに含浸されている液体成分の蒸散等が低減されて乾燥が抑制される結果、含浸させた薬液や化粧料による効果の持続性も改善されうる。
本発明において、肌装着用シートの一方の面に露出する親水性繊維層の表面が凹凸形状を有している場合には、このシート表面のべたつき感を軽減できるとともに、これらシート同士を重ね合わせた際の剥離性に優れたものとなる。
また、肌装着用シートのもう一方の面に露出する極細繊維層の表面は、平滑形状を有しているほうが、肌への装着感、密着性に優れたものとなるので好ましい。
本発明の肌装着用シートは、積層シート100質量部に対し、100〜1500質量部の薬液又は化粧料を含浸している。本発明の肌装着用シートの少なくとも一方向への30%伸長時の伸長回復率は30〜100%である。特に好ましくは、50〜100%である。
本発明の肌装着用シートは、薬液や化粧料を含浸する前の積層シートに比べて、格段に優れた伸度、伸縮性を発現しうる。このように、薬液や化粧料を含浸する前においては、優れた伸度、伸縮性能が発現しないという特性は、液体成分を含浸させる工程以前の製造工程で加わる予期せぬ応力等に対する耐変形性に優れるという点で工業的には優れた効果を有している。より詳しくは、特に、体や顔の部位毎に装着する目的で、積層シートを適宜適切な形状・大きさに型抜きをしたり、せん断する工程等において、得られるシートの形状が型崩れせず、所望の形状が忠実に製品に再現されやすいという効果をもたらしている。
本発明の肌装着用シートの製造において、積層シートに液体成分である薬液又は化粧料を含浸させる手段としては、薬液又は化粧料に浸漬させる方法、薬液又は化粧料に浸漬させた後、ニップローラーなどを用いて浸透させる方法、薬液又は化粧品が付着したタッチロールと接触させることによって付着させる方法、グラビアローラー等を用いて薬液又は化粧料を転写によって付着させる方法、スプレー等を用いて薬液又は化粧料を噴霧によって付着する方法などが挙げられる。浸漬によって含浸させる場合には、少なくとも10分間以上浸漬することが適当である。
本発明の肌装着用シートが含浸することのできる薬液や化粧料は特に限定されない。薬液として例えば、清涼剤、消臭剤、抗菌剤、角質柔軟化剤、皮脂排出抑制剤、角質溶解剤、殺菌剤、鎮痛剤、消炎剤、消毒剤、害虫忌避剤、光沢剤、除光剤、治癒剤、たんぱく質除去剤などが挙げられる。また、化粧料として例えば、保湿成分、クレンジング成分、制汗成分、香り成分、美白成分、血行促進成分、紫外線防止成分、痩身成分などを含んだ化粧水、乳液及び美容液などの液状の化粧料を例示することができる。
本発明の肌装着用シートに含浸される薬液や化粧料の成分として、ポリペプチド、例えばコラーゲン様ポリペプチドなども挙げられる。ポリペプチドの例として、特開2003−321500号公報及び特開2005−60314号公報などに開示されているものが挙げられる。ポリペプチドの別の具体例として、式:R1-(X-Hyp-Gly)n-R2又は式:R1(Pro-Y-Gly)n-R2(式中、XとYはアミノ酸残基であり、R1はH又はその他の官能基であり、R2はOR3又はその他の官能基であり、R3はH又は一価の金属であり、nは整数である。)で表されるポリペプチドが挙げられる。
本発明の肌装着用シートの伸度は、薬液や化粧料を含浸させる前の積層シートの伸度に対し、積層された親水性繊維層が伸長性を有する方向とは直角する方向において、1.1〜2.0倍の範囲であるのが好ましく、1.2〜2.0倍の範囲であるのが更に好ましい。
本発明の肌装着用シートは、その優れた伸縮性ゆえに、肌に装着するときに多少なりとも伸長し、装着後の縮もうとする力によって肌に程よくフィットする。この縮もうとする力によって肌が適度に引っ張られることに起因する引き締め感が、心地よい装着感と、装着安定性とをもたらしている。
本発明において、薬液や化粧料を含浸させる前の積層シートは、少なくとも一方向における10%伸長モジュラス強度が、0.2〜5.0N/25mmの範囲であるのが好ましい。特に、一体化された親水性繊維層が伸長性を有する方向とは直角する方向、好ましくは、一体化された親水性繊維層に含まれるスパンレース不織布を構成する一方向に配列した繊維の長さ方向、における10%伸長モジュラス強度が、0.2〜5.0N/25mmの範囲であるのが好ましい。さらに、この10%伸長モジュラス強度が、、0.5〜3.0N/25mmの範囲であるのが好ましい。
一方、本発明の肌装着用シートは、少なくとも一方向における10%伸長モジュラス強度が0.1〜4.0N/25mmの範囲である。本発明の肌装着用シートは、一体化された親水性繊維層が伸長性を有する方向とは直角する方向、好ましくは、一体化された親水性繊維層に含まれるスパンレース不織布を構成する一方向に配列した繊維の長さ方向、における10%伸長モジュラス強度が、0.1〜4.0N/25mmの範囲であるのが好ましい。10%伸長モジュラス強度は、0.2〜2.5N/25mmの範囲であるのがさらに好ましい。また、薬液や化粧料を含浸させる前の積層シートの10%伸長モジュラス強度に対する肌装着用シートの10%伸長モジュラス強度の比が、0.1〜0.9倍の範囲であるのが好ましく、0.2〜0.8倍の範囲であるのが更に好ましい
本発明の肌装着用シートは、極細繊維層側を肌に接するようにして用いることができる。この場合、親水性繊維層が薬液や化粧料を保持し、極細繊維層がそれを肌へ必要量だけ滲み出させる機能を有する。このときの滲み出し量や滲み出し速度等を調整することも可能であり、例えば、極細繊維層の厚みを薄くしたり、極細繊維層へ親水性繊維を適量混繊したり、極細繊維層を構成する樹脂へ親水剤添加および親水処理を施すことなどによって、滲み出し量を増やしたり、滲み出し速度を速めたりすることができる。
本発明においては、極細繊維層が、細い繊維で構成されていることに加えて、特に弾性を有するエラストマー繊維を含むことによってもたらされる柔軟性が、心地良い装着感を付与する一因となりうる。また、エラストマー繊維の粘着性に起因する適度なグリップ効果によって、さらに、フィット感、引き締め感や、装着安定性が好ましいものとなりうる。また、極細繊維層が、細い繊維によって、比較的高い目付けに構成されることに加え、肌等に接するその繊維層表面が平滑であることによって、肌等への密着性が高まり、マスキング効果やラップ効果が生じ、薬液や化粧料による効果を向上させることができる。
一方、含浸させる薬液や化粧料が多量である場合には、余剰に滲み出た薬液や化粧料が、平滑な極細繊維層表面と肌等の対象物表面の間に膜を形成し、肌表面において肌装着用シートが滑りやすくなる現象を生じる結果、フィット性が損なわれることがある。このような場合には、親水性繊維層側を肌に接するようにして用いることができる。親水性繊維層は、それ自体その内部に薬液や化粧料を吸収保持しているために、肌への薬液や化粧料の補給能を有しており、また、その繊維層表面が凹凸形状を形成している場合には、それによって肌等との滑り性が改善されて、フィット感が担保されうる。
また、含浸させる薬液や化粧料の粘度が比較的高い場合にも、親水性繊維層側を肌に接するように用いるほうが有利な場合がある。このような薬液や化粧料は、極細繊維層内を浸透しにくく、従って、極細繊維層側を肌に接するように用いたのでは、薬液や化粧料が肌に充分に行き渡らない場合がある。一方、親水性繊維層側を肌に接するように用いると、それら高粘度の薬液や化粧料自身の粘性によって肌装着用シートが肌に適度にフィットする効果が生じるし、一方の極細繊維層側は、これら高粘度の薬液や化粧料が浸透していないためにそれらに起因するベトツキが生じず、ハンドリング性が良好となる。
本発明の肌装着用シートの厚みは特に限定されないが、薬液や化粧料の含浸性および浸透性の点から、荷重2kg/cm2(0.196MPa)を負荷したときの積層シートの厚みが0.2〜0.7mmの範囲であるのが好ましい。肌装着用シートに求められる柔軟性や、薬液や化粧料の保持量や粘度、装着する部位などに応じて適宜選択することができる。
本発明の肌装着用シートは、積層シート100質量部に対し、薬液又は化粧料を100〜1500質量部含浸している。
本発明の肌装着用シートは、人体のあらゆる部分、顔全体、鼻、目元、口元、首、腕、手、指、腰、腹部、太股、脹脛、膝、足首等に装着するのに適しており、具体的には、美容シート、肌パック用シート、フェイスマスク、絆創膏、湿布材の基布、プラスター材の基布等に好適に用いることができる。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例及び比較例で製造した伸縮性積層シートについて調べた、各種物性の定義及び測定方法を以下に記す。
尚、以下の説明において、「MD」とあるのは、使用した親水性繊維層のスパンレース不織布を構成する一方向に配列している繊維の長さ方向と一致する方向を意味し、「CD」とあるのは、それと直角する方向を意味する。
(1)平均繊維径
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布表面の拡大写真を撮影し、100本の繊維の直径を測定し、その算術平均値を平均繊維径とした。
(2)圧着面積率
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布表面の拡大写真を撮影し、圧着点が単位圧着点ピッチあたりの面積を占める割合を圧着面積率とした。
圧着面積率(%)=(単位ピッチを占める圧着点面積/単位ピッチの面積)×100
(3)伸長回復率
JIS L1096「一般織物試験方法」に準拠して測定した。シートから、幅25mm、長さ200mmの試験片を、その長さ方向が、親水性繊維層のスパンレース不織布を構成する繊維が一方向に配列している長さ方向とは直角する方向(CD方向)に一致するように裁断して作成した。
この試験片と、試験片が充分浸漬する量の保湿化粧水(商品名:モイスタージュ エッセンスローション、クラシエホームプロダクツ製)をポリエチレン製の袋に入れて、そのまま10分間放置し、袋を通して試験片の両面を3回手で押さえたのち取り出すことによって、試験片が少なくとも自重の2倍以上になるように化粧水を含浸させた。この試験片を、引張試験機オートグラフAG-G(商品名、(株)島津製作所製)を用い、チャック間を100mmに設定して固定した。引張速度300mm/分で30mmまで伸長させた後、同じ速度で戻し、試験片に掛かる負荷を0とした。その直後、再び同じ速度で30%まで伸長させ、負荷が再び始まる時の伸びた長さをLmmとした。伸長回復率は下記式に従って求めた。
30%伸長時の伸長回復率(%)={(30※1−L)/30※1}×100
※1:試験片を伸長させた長さ(mm)
(4)積層シートの破断強伸度(薬液や化粧料を含浸させる前の乾燥状態)
JIS L1906「一般長繊維不織布 試験方法」に準拠して測定した。幅25mm、長さ200mmの試験片を作成した。試験片は、シートから、その試験片の長さ方向を、親水性繊維層のスパンレース不織布を構成する繊維が一方向に配列している長さ方向(MD方向)と一致するように裁断して作成したもの、および、試験片の長さ方向を、MD方向とは直角する方向(CD方向)と一致するように裁断して作成したものとからなる2種の試験片を準備した。引張試験機オートグラフAG-G(商品名、(株)島津製作所製)を用いて、チャック間を100mmに設定し試験片を固定した。引張速度300mm/分で伸長させ破断するまでの最大強度および最大伸度をそれぞれ破断強度および破断伸度とした。また、10%伸長時の強度を10%伸長モジュラス強度とした。
(5)肌装着用シートの破断強伸度(薬液や化粧料を含浸後の湿潤状態)
JIS L1906「一般長繊維不織布 試験方法」に準拠して測定した。シートから、幅25mm、長さ200mmの試験片を、上記(4)の要領で、その長さ方向が、MD方向と一致するように裁断したもの、および、CD方向と一致するように裁断したものとからなる2種の試験片を準備した。この試験片と、試験片が充分浸漬する量の保湿化粧水(商品名:モイスタージュ エッセンスローション、クラシエホームプロダクツ製)をポリエチレン製の袋に入れて、そのまま10分間放置し、袋を通して試験片の両面を3回手で押さえたのち取り出すことによって、試験片が少なくとも自重の2倍以上になるように化粧水を含浸させた。この試験片を、引張試験機オートグラフAG-G(商品名、(株)島津製作所製)を用い、チャック間を100mmに設定して固定した。引張速度300mm/分で伸長させ破断するまでの最大強度および最大伸度をそれぞれ破断強度および破断伸度とした。また、10%伸長時の強度を10%伸長モジュラス強度とした。
(6)目付け
JIS L1906「一般長繊維不織布 試験方法」に準拠して測定した。不織布の任意5箇所から20cm×20cmのサイズの試験片を切り出した後、各試験片の重量を電子天秤にて測定し、その平均値を1m2当たりの質量に換算して目付とした。
(7)積層シートの厚み、各構成層の厚み比率(%)
JIS L1906「一般長繊維不織布 試験方法」に準拠して測定した。
(i) 積層シート、もしくは、乾燥させた肌装着用シートの厚みL1(mm)を測定する。
(ii) 親水性繊維層と極細繊維層を剥離させて、極細繊維層の厚みL2(mm)を測定する。
(iii) 下記式により親水性繊維層の厚みL3(mm)を算出する。
L3(mm)=L1−L2
(iv) 下記式により積層シート基準の極細繊維層の厚み比率R1、親水性繊維層の厚み比率R2を算出する。
R1(%)=L2/L1×100
R2(%)=L3/L1×100
(8)装着安定性
積層シートをフェイスマスク型に切り出し、この切り出したシートと、このシートが充分浸漬する量の保湿化粧水(商品名:モイスタージュ エッセンスローション、クラシエホームプロダクツ製)をポリエチレン製の袋に入れて、そのまま10分間放置し、袋を通して試験片の両面を3回手で押さえたのち取り出すことによって、試験片が少なくとも自重の2倍以上になるように化粧水を含浸させて、フェイスマスクを作成した。また、これとは別に、同じ要領で、同じフェイスマスク型に切り出したシートに、上記保湿化粧水に代えて、保湿乳液(商品名:モイスタージュ エッセンスミルク、クラシエホームプロダクツ製)を含浸させて、フェイスマスクを作成した。この2種類のフェイスマスクを、パネラーに対し、顔に10分間装着してもらい、その2種類の結果を総合して、それぞれ、密着性、乾燥性、肌の引き締め感を、○、△、×の3段階で評価した。
○:良い
△:やや劣る
×:劣る
(9)通気度
積層シート、もしくは、乾燥させた肌装着用シートについて、JIS L1906「一般長繊維不織布 試験方法」のフラジール形法に準拠して測定した。200mm×200mmの試験片を採取し、通気性試験機(東洋精機製)を用いて測定した。
本発明において使用した原料樹脂の下記表中における略号と内容は以下の通りである。
A:スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、クレイトンMD6705NS((商品名)、クレイトンポリマー製)
B:プロピレン・エチレン共重合体、VM2125((商品名)、エクソンモービル製)C:熱可塑性ポリウレタン、パンデックスT−1180((商品名)、DIC-Bayer製)
D:ポリプロピレン三井ポリプロS119((商品名)、プライムポリマー製)
[実施例1]
極細繊維層に原料樹脂としてAを用いたメルトブローン不織布を使用した。メルトブローン装置としてスクリュー(30mm径)、加熱体およびギアポンプを有する押出機、紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置、空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、巻取機からなる装置を用いた。押出機にAを投入し、加熱体により230℃で加熱溶融させて、紡糸口金から単孔当たり0.45g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって、走行速度22m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けることによって、繊維がランダムに集積したメルトブローン不織布を得た。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。
前記方法のメルトブローン不織布を製造する過程において、親水性繊維層として、繊維長が51mmのレーヨン、繊維長が7mmのパルプで、繊維が一方向に配列して当該方向に伸長性を有する、目付41g/m2のレーヨン/パルプ/レーヨン(重量比25/50/25の積層繊維層)からなる、スパンレース不織布を挿入し、その上に20g/m2のメルトブローン不織布を積層させた。さらにこの不織布の積層物に、表面に凹凸模様が彫刻された彫刻ロールと平滑ロールを持つポイントボンド加工機で、温度80℃、圧力20N/cmで、彫刻ロールがスパンレース不織布に接するようにして、部分的熱圧着を行い、凹部の面積率が25%、個々の凹部の面積が0.46mm2、深さが0.55mm、凹部間距離が縦1.36mm、横2.72mmの積層シートを得た。積層シートの厚みは0.465mmで、その厚み基準で、極細繊維層が25%、親水性繊維層が75%を占めていた。この積層シートの物性等を表1に示す。
得られた積層シートに薬液又は化粧料を含浸したもの(肌装着用シート)は、特に優れた伸度と伸縮性を有していた。また、得られた肌装着用シートを美容用のフェイスマスクとして用いたところ、親水性繊維層、極細繊維層のいずれを肌側にしても顔への装着安定性は良好であった。
[実施例2]
極細繊維層に原料樹脂としてAとBを用いたメルトブローン不織布を使用した。メルトブローン装置としてスクリュー(30mm径)、加熱体およびギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、異なる成分の繊維を吐出するための紡糸孔が、一列毎に交互に並んだ紡糸孔、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置、空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、巻取機からなる装置を用いた。それぞれの押出機にAとBを別々に投入し、加熱体によりそれぞれ230℃で加熱溶融させて、A/Bの比率(重量%)が50/50になるようにギアポンプを設定して、紡糸口金から単孔当たりA、B共に0.45g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって、走行速度22m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けることによって、Aからなる繊維とBからなる繊維が均一にランダムに集積したメルトブローン不織布を得た。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。
前記方法のメルトブローン不織布を製造する過程に、親水性繊維層として、実施例1で用いたスパンレース不織布を挿入し、その上に20g/m2のメルトブローン不織布を積層させた以外は、実施例1に準拠して積層シートを得た。得られた積層シートは、凹部の面積率が25%、個々の凹部の面積が0.46mm、深さが0.55mm、凹部間距離が縦1.36mm、横2.72mmであり、積層シートの厚みは0.484mmで、その厚み基準で、極細繊維層が26%、親水性繊維層が74%を占めていた。この積層シートの物性等を表1に示す。
得られた積層シートに薬液又は化粧料を含浸したもの(肌装着用シート)は、特に優れた伸度と伸縮性を有していた。また、得られた肌装着用シートを美容用のフェイスマスクとして用いたところ、親水性繊維層、極細繊維層のいずれを肌側にしても顔への装着安定性は良好であった。
[実施例3]
極細繊維層にBとCを原料樹脂として用いたメルトブローン不織布を用いた以外は、実施例2に準拠して、積層シートを得た。得られた積層シートは、凹部の面積率が25%、個々の凹部の面積が0.46mm、深さが0.55mm、凹部間距離が縦1.36mm、横2.72mmであり、積層シートの厚みは0.411mmで、その厚み基準で、極細繊維層が30%、親水性繊維層が70%を占めていた。この積層シートの物性等を表1に示す。得られた積層シートに薬液又は化粧料を含浸したもの(肌装着用シート)は、特に優れた伸度と伸縮性を有していた。また、得られた肌装着用シートを美容用のフェイスマスクとして用いたところ、親水性繊維層、極細繊維層のいずれを肌側にしても顔への装着安定性は良好であった。
[比較例1]
実施例1で親水性繊維層として使用したスパンレース不織布のみを単層で用いた。その結果を表2に示す。このものは、湿潤時においては伸縮性に劣るものであった。得られた積層シート美容用のフェイスマスクとして用いたところ、不織布に伸縮性がないため、装着安定性は劣るものであった。
[比較例2]
極細繊維層にDを原料樹脂として用いたメルトブローン不織布を用いた以外は実施例1に準拠して、積層シートを得た。その結果を表2に示す。このものは、湿潤時において伸度、伸縮性に劣るものであった。得られた積層シートを美容用のフェイスマスクとして用いたところ、不織布に伸縮性がないため、装着安定性は劣るものであった。
[比較例3]
極細繊維層にポリエチレン/ポリエステルテレフタレート系分割繊維(商品名:セパ、ダイワボウポリテック製)を用い、実施例1で親水性繊維層として使用したスパンレース不織布を用いた、積層シートを得た。その結果を表2に示す。このものは、湿潤時において伸度、伸縮性に劣るものであった。得られた積層シーを美容用のフェイスマスクとして用いたところ、不織布に伸縮性がないため、装着安定性は劣るものであった。
Figure 0005392377
*1: 肌:親水・・・肌側を親水性繊維層とした。
肌:極細・・・肌側を極細繊維層とした。
Figure 0005392377
*1:肌:親水・・・肌側を親水性繊維層とした。
肌:極細・・・肌側を極細繊維層とした。
本発明の肌装着用シートは、液体を含浸させたときに生じる伸長回復率により、人体のあらゆる部分、顔全体、鼻、目元、口元、首、腕、手、指、腰、腹部、太股、脹脛、膝、足首等に装着するのに適しており、具体的には、美容シート、肌パック用シート、フェイスマスク、絆創膏、湿布材、プラスター材などに好適に用いることができるが、これらに限定されない。

Claims (7)

  1. 親水性短繊維層と極細繊維層を含む伸縮性の積層シートに、該積層シート100質量部に対して100〜1500質量部の薬液又は化粧料が含浸されてなる湿潤シートであって、該湿潤シートの少なくとも一方向における10%伸長モジュラス強度が0.1〜4.0N/25mmの範囲であり、同方向における30%伸長時の伸長回復率が30〜100%の範囲である肌装着用シートを、肌に装着後に、該肌装着用シートの伸縮性によって縮もうとする力が作用するように、肌に装着することを特徴とする、肌装着用シートの装着方法。
  2. 肌に装着後に、肌装着用シートの縮もうとする力によって肌が引っ張られることに起因する引き締め感を生じる、請求項1記載の肌装着用シートの装着方法。
  3. 肌装着用シートを、顔に装着することを特徴とする、請求項1または請求項2記載の肌装着用シートの装着方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の装着方法を含む、肌装着用シートの使用方法。
  5. 肌装着用シートを、美容シート、肌パック用シート、または、フェイスマスクに用いる、請求項4記載の肌装着用シートの使用方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の装着方法に用いられる、肌装着用シート。
  7. 請求項4または請求項5記載の使用方法に用いられる、肌装着用シート。
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