JP5392321B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤面上に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機に関する。
複数の入球口が設けられた遊技盤面に遊技球を発射して、遊技球が何れかの入球口に入球すると、賞球として所定個数の遊技球が払い出される遊技を行う弾球遊技機が知られている。また、始動口と呼ばれる特別な入球口に遊技球が入球すると、特別図柄(特図と略称されることがある)を変動表示させて当否判定を行い、判定結果が当りの場合には、大入賞口と呼ばれる特別な可変入球口を開口させることによって、大当り遊技を行う弾球遊技機も広く知られている。大入賞口は、通常時には閉鎖状態となっているので遊技球が入球し得ないが、開口状態では高い確率で入球するようになるので、大当り遊技になると遊技者は多数の賞球を獲得することが可能となる。
また近年では、始動口と特別図柄とを2箇所に設け、一方の始動口に遊技球が入球した場合には、その始動口に対応する側の特別図柄を変動表示させて当否判定を行い、他方の始動口に入球した場合には、他方の始動口に対応する側の特別図柄を用いて当否判定を行う弾球遊技機も提案されている(特許文献1、特許文献2など)。このように複数の始動口および複数の特別図柄を備えた弾球遊技機では、何れの始動口に遊技球を入球させても特別図柄による当否判定が行われ、判定結果が当りになると大当り遊技を開始することができるので、遊技者の遊技意欲を掻き立てることが可能となる。また、一方の始動口に入球した場合よりも他方の始動口に入球した方が、遊技者にとって有利な当否判定が行われるようにしておくことで、遊技に進行に変化を与えようとする試みも提案されている。
特開2007−135926号公報 特開2007−167526号公報
しかし、上述した提案の弾球遊技機では、所詮は、始動口および特別図柄のセットの数を増やしたという遊技性を提供しているに過ぎず、弾球遊技機の構造が複雑になる一方で、それに見合う程に魅力的な遊技を遊技者に提供することは困難であるという問題があった。
この発明は、従来の弾球遊技機が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の始動口と複数の特別図柄とを搭載していることを有効に活用して、遊技者にとって斬新で魅力的な遊技を提供可能な弾球遊技機の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、請求項1に記載の弾球遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
遊技球が入球し得ない状態と遊技球が入球し得る開口状態とに切り換え可能な第2始動口と、
遊技球が入球し得ない状態と遊技球が入球し得る開口状態とに切り換え可能な大入賞口と、
遊技中に所定条件が成立すると、前記第2始動口を所定の開口時間が経過するまで開口状態とする第2始動口開口手段と、
前記第1始動口に遊技球が入球することで取得される判定乱数に基づいて第1当否判定を行う第1当否判定手段と、
前記第1当否判定の結果を示す第1図柄の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う第1図柄変動表示手段と、
前記第2始動口に遊技球が入球することで取得される判定乱数に基づいて第2当否判定を行う第2当否判定手段と、
前記第2当否判定の結果を示す第2図柄の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う第2図柄変動表示手段と、
前記第1当否判定または前記第2当否判定の結果が当りの場合に、前記大入賞口を開口させることによって特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
前記第1当否判定の結果が当りになる確率および前記第2当否判定の結果が当りになる確率が高くなる確変遊技を行う確変遊技実行手段と、
を備え、
前記第1図柄の変動表示と前記第2図柄の変動表示とは並行して実行可能であり、
前記確変遊技中は、前記第1図柄の変動表示が所定回数行われるまで、前記第1図柄の変動時間が短縮されずに前記第2図柄の変動時間が短縮されて、前記第1図柄の変動表示が1回行われる間に前記第2図柄の変動表示が複数回実行可能となる
ことを特徴とする
また、本明細書において参考的に開示する参考発明の弾球遊技機は、
複数の入球口が設けられた遊技盤面に遊技球を発射して、何れかの入球口に遊技球が入球すると、賞球として所定個数の遊技球が払い出される遊技を行う弾球遊技機において、
前記複数の入球口の中から予め定められた第1始動口と、
前記第1始動口を除いた残余の前記入球口の中から予め定められ、遊技球の入球容易な開口状態と入球困難な通常状態とに切り換え可能な第2始動口と、
遊技球が入球し得ない閉鎖状態か、入球し得る開口状態の何れかに切り換え可能に構成され、通常時は閉鎖状態となっている前記入球口である可変入球口と、
遊技中に所定条件が成立すると、前記第2始動口を所定時間だけ開口状態とする第2始動口開口手段と、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合には、該第1始動口に対応付けられた所定の第1図柄を変動表示させることによって当否判定を行う第1図柄当否判定手段と、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合には、該第2始動口に対応付けられた所定の第2図柄を変動表示させることによって当否判定を行う第2図柄当否判定手段と、
前記第1図柄あるいは前記第2図柄による前記当否判定の結果が当りであった場合には、前記可変入球口を開口させることによって大当り遊技を行う大当り遊技実行手段と、
前記大当り遊技の終了後は、前記大当り遊技が行われない通常遊技に比べて前記第2始動口の開口時間を延長状態とする補助遊技を、前記第1図柄による当否判定の実行回数が所定回数に達するまで実行する補助遊技実行手段と、
前記補助遊技中は、前記第2図柄の当否判定に要する時間を前記通常遊技に比べて短縮する一方で、前記第1図柄の当否判定に要する時間を前記通常遊技と同等に維持または前記通常遊技に比べて延長する当否判定時間変更手段と
を備えることを特徴とする。
かかる参考発明の弾球遊技機においては、第1始動口と第2始動口とを備えており、それぞれの始動口に対応して設けられた第1図柄あるいは第2図柄を変動表示させることによって当否判定を行い、当否判定結果が当りの場合には、大当り遊技を実行する。そして、大当り遊技の終了後は、第2始動口の開口時間を大当り遊技が行われていない(大当り遊技が開始される前の)通常遊技に比べて延長状態とする補助遊技を、第1図柄による当否判定の実行回数が所定回数に達するまで継続し、かかる補助遊技の期間中は、第2図柄の当否判定に要する時間を通常遊技に比べて短縮する一方で、第1図柄の当否判定に要する時間を通常遊技と同等に維持または通常遊技に比べて延長するようになっている。
このように、大当り遊技の終了後に開始される補助遊技の継続期間が、第1図柄による当否判定の実行回数で決定されるようにしておけば、補助遊技の継続期間に影響を与えることなく、第2図柄による当否判定を行うことができる。しかも、補助遊技の継続期間に影響を与えない第2図柄については、当否判定に要する時間を通常遊技に比べて短縮する一方で、補助遊技の継続期間に影響を与える第1図柄については、当否判定に要する時間を通常遊技と同等に維持または通常遊技に比べて延長することとしているので、補助遊技の期間を確保しつつ、その間に、第2図柄による当否判定を、十分な回数行うことができる。その結果、第1始動口および第2始動口の複数の始動口と、それぞれの始動口に対応する複数の図柄を搭載していることを十分に活用して、遊技者の遊技に対する興趣を大きく掻き立てることが可能となる。加えて、補助遊技が開始されたら、できるだけ第2始動口に遊技球を入球させることで、補助遊技をより長い期間、楽しむことができるので、遊技者が遊技の進行のより積極的に関与することが可能となって、更に遊技を楽しむことが可能となる。
また、かかる参考発明の弾球遊技機においては、補助遊技中には、第1図柄および第2図柄による当否判定の結果が当りになる確率を、所定の高確率状態となるようにしてもよい。
遊技者は、当否判定の結果が当りになり易い高確率状態で遊技を継続したいと思うものである。従って、補助遊技中には高確率状態となるようにしておき、補助遊技中に、第2図柄による当否判定を何度も行えるようにしておけば、第1始動口および第1図柄の他に、第2始動口および第2図柄を搭載していることを十分に活用して、遊技者の遊技に対する興趣を大きく掻き立てることが可能となる。
また、上記の参考発明の弾球遊技機においては、第1図柄による当否判定、および第2図柄による当否判定の何れも実行可能な場合には、第2図柄を用いた当否判定を優先して実行するようにしてもよい。
第1図柄による当否判定よりも、第2図柄による当否判定を優先して行うこととしておけば、補助遊技の期間中に第2始動口に遊技球を入球させ続けることで、第1図柄による当否判定の実行機会が減って、補助遊技をたいへんに長い間、継続させることも可能となり、遊技者の興趣を大きく盛り上げることができる。
また、かかる参考発明の弾球遊技機においては、次のようにしても良い。先ず、第1図柄の変動表示を開始することができない期間中に、第1始動口に遊技球が入球した場合には、その第1始動口への入球数を、第1図柄保留数として、所定の上限値に達するまで累積して記憶可能としておく。そして、補助遊技中に行われた第1図柄の当否判定回数が、第1図柄保留数の累積可能な上限値の3倍以下に設定された所定回数に達したら、補助遊技を終了するようにしても良い。
大当り遊技中に発射された遊技球が第1始動口に入球して、大当り遊技の終了時点では、第1図柄保留数が上限値まで累積して記憶されていることが考えられる。そして、このような場合に、大当り遊技が終了したからといって、遊技球の発射を中止して、第1図柄保留数を消化することによって第1図柄の当否判定を行ったのでは、それだけで補助遊技の期間がほとんど終了してしまう。こうしたことを回避するためには、大当り遊技の終了後も遊技球を発射することになるので、いわゆる止め打ちが行われることを防止することが可能となる。加えて、大当り遊技が終了したら、できるだけ速やかに多くの遊技球を第2始動口に入球させなければ、補助遊技の期間がほとんど終了してしまう。その分だけ、遊技者の技量に応じて、得られる利益も異なってくるので、その意味からも遊技者の遊技に対する意欲を大きく掻き立てることが可能となる。
また、参考発明の弾球遊技機においては、第1始動口あるいは第2始動口に遊技球が入球した順番通りに、第1図柄の当否判定あるいは第2図柄の当否判定を実行するようにしてもよい。そして、この場合には、補助遊技中は、第2図柄の当否判定に要する時間を通常遊技に比べて短縮する一方で、第1図柄の当否判定に要する時間は通常遊技に比べて延長するようにしてもよい。
こうすれば、第1図柄が変動表示している期間中に、より多くの遊技球を第2始動口に入球させることで、補助遊技の期間中に、第2図柄の当否判定をより多く行うことができる。しかも、第1図柄の当否判定に要する時間は通常遊技に比べて延長されているので、第1図柄の変動表示している時間も十分に確保することができ、その間に、多くの遊技球を第2始動口に入球させることが可能となる。その結果、複数の始動口と複数の図柄が設けられていることを有効に活用して、遊技者の興趣を大きく盛り上げることが可能となる。
上記各発明によれば、遊技者にとって斬新で魅力的な遊技を提供可能な弾球遊技機を提供することができる。
本実施例の遊技機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 第1図柄表示装置および第2図柄表示装置の構成を示す説明図である。 変動表示装置の画面構成を示す説明図である。 始動口ユニットの構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機における制御回路の構成を示したブロック図である。 普通図柄表示部の表示態様を示した説明図である。 第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 変動表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 主制御基板に搭載されたCPUが行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う特別図柄遊技開始判断処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施例の特別図柄遊技処理の前半部分の流れを示したフローチャートである。 第1実施例の特別図柄遊技処理の後半部分の流れを示したフローチャートである。 第2特別図柄関連処理の流れを示したフローチャートである。 第2特別図柄の当否判定を行う第2特別図柄用当否判定処理の流れを示すフローチャートである。 特別図柄の当否判定テーブルを例示した説明図である。 第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 第2特別図柄関連処理の中で行う特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。 当り・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 当り・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 外れ・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 外れ・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 第1特別図柄関連処理の流れを示したフローチャートである。 第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。 第1特別図柄関連処理の中で行われる第1特別図柄の変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。 特別電動役物遊技処理の一部を示すフローチャートである。 特別電動役物遊技処理の残りの部分を示すフローチャートである。 第1実施例の遊技機で大当り遊技後に時短遊技を行う様子を模式的に示した説明図である。 第2実施例の特別図柄遊技処理の前半部分の流れを示したフローチャートである。 第2実施例の遊技機で大当り遊技後に時短遊技を行う様子を模式的に示した説明図である。 第3実施例の特別図柄遊技処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施例の特別図柄遊技処理中で行われる第1特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。 第1特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。 第3実施例の特別図柄遊技処理中で行われる第2特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。 第2特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。 第3実施例の特別図柄遊技処理を行うことによって大当り遊技の終了後に第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が行われる様子を概念的に示した説明図である。 第1の変形例において、2種類の始動口が遊技盤面の離れた位置に搭載されている様子を例示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.制御の概要:
C−1.遊技制御処理:
C−2.第1実施例の特別図柄遊技処理:
C−2−1.第2特別図柄関連処理:
C−2−2.第1特別図柄関連処理:
C−3.特別電動役物遊技処理:
D.第2実施例の特別図柄遊技処理:
E.第3実施例の特別図柄遊技処理:
F.変形例:
F−1.第1の変形例:
F−2.第2の変形例:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図6参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。また、下皿部6の下面の左右には、第2スピーカ6cが設けられている。下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられ、そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口ユニット17が設けられている。後述するように始動口ユニット17は、2つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第1始動口17aは、固定式の入球口であり、下側に設けられた第2始動口17bは、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の入球口となっている。始動口ユニット17の詳細な構成については、別図を用いて後述する。
中央装置26のほぼ中央には、変動表示装置27が設けられている。変動表示装置27は、液晶画面を搭載しており、意匠図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。変動表示装置27の画面上で表示される各種図柄については後述する。
変動表示装置27の左斜め下方には第1図柄表示装置28が設けられ、変動表示装置27の右斜め下方には第2図柄表示装置32が設けられている。このうち、変動表示装置27の左下方に設けられた第1図柄表示装置28では、普通図柄や第1特別図柄を変動停止表示することが可能となっており、変動表示装置27の右下方に設けられた第2図柄表示装置32では、第2特別図柄を変動表示することが可能となっている。第1図柄表示装置28や、第2図柄表示装置32の詳細な構成については後述する。
遊技領域11の左右方には、普通図柄左作動ゲート36と普通図柄右作動ゲート37とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s,37sがそれぞれ設けられている。更に、左右の普通図柄作動ゲート36,37と中央装置26との間には、ランプ風車24,25が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
中央装置26の下方に設けられた変動入賞装置18には、ほぼ中央に大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31(特別電動役物)は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dや、大入賞口31dを開閉するために開閉部材31e、開閉部材31eを動作させる大入賞口ソレノイド31m(図6参照)などから構成されている。後述する所定の条件が成立すると、大入賞装置31が作動を開始して大入賞口ソレノイド31mにより開閉部材31eが開動作され、大入賞口31dは開口状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態が開始される。また、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32の構成を示す説明図である。図3(a)は第1図柄表示装置28を表しており、図3(b)は第2図柄表示装置32を表している。初めに第1図柄表示装置28の構成について説明する。図3(a)示されているように、本実施例の第1図柄表示装置28は、略矩形の領域内に12個の小さな発光ダイオード(LED)が組み込まれて構成されている。これら12個のLEDのうちの、3個のLEDは普通図柄表示部29を構成しており、残りの9個のLEDは第1特別図柄表示部30を構成している。更に、普通図柄表示部29は、普通図柄を表示するための1個のLED(以下、普通図柄LED29aと呼ぶ)と、普通図柄の保留数を表示するための2個のLED(以下、普図保留表示LED29bと呼ぶ)とから構成されている。また、第1特別図柄表示部30は、本発明の第1図柄としての第1特別図柄を表示するための7個のLED(以下、第1特別図柄LED30aと呼ぶ)と、第1特別図柄の保留数(以下、第1特図保留数と呼ぶ)を表示するための2個のLED(以下、第1特図保留表示LED30bと呼ぶ)とから構成されている。本実施例の第1図柄表示装置28が、これら12個のLEDを用いて、普通図柄や、第1特別図柄、更にはこれらの第1特図保留数を表示する様子については後述する。
図3(b)に示した第2図柄表示装置32は、上述した第1図柄表示装置28に対してほぼ普通図柄表示部29を取り除いた構成となっている。すなわち、第2図柄表示装置32には、9個のLEDから構成される第2特別図柄表示部33が設けられており、そのほぼ中央に設けられた7個のLEDは、本発明の第2図柄としての第2特別図柄を表示するためのLED(以下、第2特別図柄LED33aと呼ぶ)であり、残りの2個のLEDは、第2特別図柄の保留数(以下、第2特図保留数と呼ぶ)を表示するためのLED(以下、第2特図保留表示LED33bと呼ぶ)となっている。このような第2図柄表示装置32の表示内容についても後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された変動表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、変動表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つの意匠図柄27a,27b,27cと、その背景の背景図柄27dが表示されている。このうち、3つの意匠図柄27a,27b,27cは、図3に示した第1特別図柄表示部30あるいは第2特別図柄表示部33で、それぞれ第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示されることに合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。
図5は、本実施例の遊技機1に搭載された始動口ユニット17の構成を示す説明図である。前述したように始動口ユニット17には、第1始動口17aと、第2始動口17bとが設けられており、上側に設けられた第1始動口17aは固定式(ポケット式)の入球口であり、下側に設けられた第2始動口17bは、一対の翼片17wを備えた開閉式(チューリップ式)の入球口となっている。この一対の翼片17wは、ほぼ直立した通常状態(図5(a)参照)と、外側に向かって回転した開口状態(図5(b)参照)との2つの状態を取ることが可能である。図5(a)に示したように、翼片17wがほぼ直立した通常状態では、遊技球はほとんど第2始動口17bに入球することができず、専ら第1始動口17aに入球するだけであるが、一対の翼片17wが外側に開いた開口状態となると、第2始動口17bにも遊技球が入球し得る状態となる。そして、図5(b)に示されるように、開口状態では、第1始動口17aよりも第2始動口17bの方が、遊技球が入球し易くなっている。
また、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤10の裏面側に導かれる。第1始動口17aの内部の通路の途中には第1始動口スイッチ17sが設けられ、第2始動口17bの内部の通路の途中には第2始動口スイッチ17tが設けられており、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した遊技球は、それぞれ第1始動口スイッチ17sあるいは第2始動口スイッチ17tによって検出されるようになっている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1における制御回路の構成について説明する。図6は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、演出用図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で変動表示装置27の具体的な制御を行う演出制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAMなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図6中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図6では、主制御基板200に搭載されたCPU201やROM202、RAM203のみが図示されている。
図示されているように主制御基板200は、第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36s,37sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを出力する。また、主制御基板200には、始動口ユニット17の第2始動口17bに設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、更には、第1図柄表示装置28や第2図柄表示装置32などが中継端子板を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、第1図柄表示装置28、および第2図柄表示装置32に向かって信号を出力することにより、これらの動作の制御も行っている。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した変動表示装置27の表示制御を行う演出制御基板230に対して表示内容を指定するコマンドを出力したり、各種のスピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板224、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左右に設けられた普通図柄左作動ゲート36、普通図柄右作動ゲート37の何れかを通過すると、変動表示装置27の左下方に設けられた第1図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図4を用いて前述したように、図柄表示装置28には普通図柄表示部29が設けられており、普通図柄表示部29には、普通図柄LED29aおよび普図保留表示LED29bが搭載されている。このうち、普通図柄LED29aを用いて普通図柄の変動表示を行う。
図7(a)は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。本実施例の遊技機1では、普通図柄LED29aの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図では、普通図柄LED29aが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、点滅している普通図柄LED29aが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、第2始動口17b(始動口ユニット17の下側の始動口)が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開口状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第2始動口17bが開口することはない。
また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動左ゲート36または普通図柄作動右ゲート37を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普図保留表示LED29bによって表示される。
図7(b)は、第1図柄表示装置28に設けられた普図保留表示LED29bによって普通図柄の保留数が表示される様子を示した説明図である。普通図柄の保留が無い場合(すなわち、保留が0個の場合)は、2個の普図保留表示LED29bは何れも消灯している。保留が1個の場合は、向かって左側の普図保留表示LED29bは消灯したままで、右側の普図保留表示LED29bが点灯する。保留が2個になると、今度は、右側の普図保留表示LED29bに加えて左側の普図保留表示LED29bが点灯する。次いで、保留が3個になると、右側の普図保留表示LED29bが点滅し、左側の普図保留表示LED29bが点灯する。更に保留が増加して上限値である4個になると、左右の普図保留表示LED29bが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部29では、2個の普図保留表示LED29bを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、0個から4個までの保留数を表示することが可能となっている。
また、図3(a)を用いて前述したように、第1図柄表示装置28には、第1特別図柄表示部30が設けられており、第1特別図柄(第1図柄)を変動表示可能となっている。更に、図3(b)に示したように、第2図柄表示装置32に設けられた第2特別図柄表示部33では、第2特別図柄(第2図柄)を変動表示可能となっている。このうち、第1特別図柄は第1始動口17aに対応し、第2特別図柄は第2始動口17bに対応しており、第1特別図柄あるいは第2特別図柄は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると変動表示を開始するようになっている。尚、図5を用いて前述したように、第2始動口17bが開口していない状態(通常状態)では、遊技球はほとんど第2始動口17bに入球しないので、第2始動口17bが閉鎖した状態では、遊技球は主に第1始動口17aに入球して第1特別図柄が変動表示を行い、逆に、第2始動口17bが開口状態になると、遊技球は第1始動口17aよりも第2始動口17bに入球し易くなるので、主に第2特別図柄が変動表示するようになる。また、前述したように第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33は、何れも同様な構成をしており、従って、第1特別図柄も第2特別図柄も同様な態様で変動表示を行う。
図8は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の停止表示態様を概念的に示した説明図である。尚、第1特別図柄も第2特別図柄も変動態様および停止表示態様は同様であるため、ここでは両者を区別することなく、単に、特別図柄と称するものとする。図3を用いて前述したように、第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33の何れも7個のLEDによって構成されており、これらを点灯させることによって特別図柄を表示する。図8に示されているように、本実施例の遊技機1では、8通りの特別図柄の停止表示態様が設けられており、それぞれの停止表示態様に固有の点灯状態が設定されている。図示されるように、本実施例の遊技機1では、8種類の特別図柄の停止表示態様は大きく3つの図柄に分類されている。先ず、図中の上段に示した3つの特別図柄の停止表示態様は「通常大当り図柄」に相当するもので、中段に示した3つの特別図柄の停止表示態様は「確変大当り図柄」に相当するもので、下段に示した2つの特別図柄の停止表示態様は「外れ図柄」に相当する。第1特別図柄表示部30および第2特別図柄表示部33では、それぞれ7個のLED(第1特別図柄LED30aおよび第2特別図柄LED33a)を所定時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、所定時間が経過すると、いずれかの停止表示態様に従って停止表示される。そして、「通常大当り図柄」または「確変大当り図柄」の何れかの図柄(いわゆる大当り図柄)が停止表示されると、大入賞口31dが開口状態となる大当り遊技が開始される。本実施例の大当り遊技は、大入賞口31dが開放状態となるラウンド遊技が、複数回繰り返されるように構成されている。大入賞口31dが開口状態になると遊技球が入球し易くなるので、大当り遊技は遊技者にとって大変に有利な遊技状態と言うことができる。
また、変動表示していた特別図柄が、図8の中段に示した確変大当り図柄で停止表示した場合には、所定の条件が成立するまで(例えば、次の大当り遊技が発生するまで、あるいは特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで等)、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率が高確率に設定された状態(いわゆる、確率変動状態、あるいは単に確変状態)となる。
尚、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに遊技球が入球したにも拘わらず、直ちには対応する特別図柄での変動表示を開始できない場合(例えば、何れかの特別図柄が変動表示中であった場合、あるいは大当り遊技中であった場合など)には、第1始動口17aへの入球は第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)として、第2始動口17bへの入球は第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)として蓄えられる。そして、第1特図保留数については第1特図保留表示LED30bによって表示され、第2特図保留数については第2特図保留表示LED33bによって表示されるようになっている。第1特図保留表示LED30bあるいは第2特図保留表示LED33bを用いて特別図柄の保留数を表示する態様は、図6(a)に示した普図保留表示LED29bの場合と全く同様であるため、ここでは説明は省略する。
上述した第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、変動表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図9は、変動表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、変動表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つの意匠図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、変動表示装置27においても、これら3つの意匠図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、意匠図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図9(a)には、3つの意匠図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左意匠図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右意匠図柄27cが停止表示され、最後に中意匠図柄27bが停止表示される。これら変動表示装置27で停止表示される3つの意匠図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示される特別図柄(第1特別図柄あるいは第2特別図柄)の停止表示態様と連動するように構成されている。たとえば、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が大当り図柄で停止する場合は、変動表示装置27の3つの意匠図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が、前述した確変当り図柄で停止する場合は、変動表示装置27の3つの意匠図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つの意匠図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で表示される特別図柄と、変動表示装置27で表示される3つの意匠図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、変動中の第1特別図柄あるいは第2特別図柄が停止表示すると、3つの意匠図柄27a,27b,27cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、変動表示装置27は、第1図柄表示装置28や第2図柄表示装置32よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は変動表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、変動表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左意匠図柄27aと、続いて停止表示される右意匠図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中意匠図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、2つの意匠図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。
C.遊技機の制御内容 :
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例の遊技機1が行っている制御内容について詳しく説明する。
C−1.遊技制御処理 :
図10は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、普通電動役物停止処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板200から各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、大入賞口スイッチ31sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを出力する処理を行う。払出制御基板240は、主制御基板200から出力された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球に関連する処理を行うと(S50)、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する(S100)。かかる判断は、普通電動役物が作動中であるか否か、換言すると第2始動口17bが開口中であるか否かを検出することによって行う。普通電動役物が作動中でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し(S100:yes)、普通電動役物が作動中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する(S100:no)。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。一方、普通図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
普通図柄遊技処理(S150)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留数が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、保留数が存在する場合には普通図柄の当否判定を行う。ここで、普通図柄の保留数は遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過することにより設定されるものであり、本実施例では、その保留数の上限値を「4」としている。そして、普通図柄の当否判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄(図7(c)参照)で停止表示させるか、それ以外の何れかの外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次いで、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。また、普通図柄の変動表示時間は、後述する時短機能が作動している場合(いわゆる時短中)には、短めの時間に設定される。そして変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。こうして普通電動役物が作動すると、第2始動口17bに設けられた一対の翼片17wが外側に向かって回動し、第2始動口17bが開口状態となる。
尚、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合に第2始動口17bを開口させる動作は、主制御基板200のCPU201が、上述した普通図柄遊技処理を実行する中で行われている。従って、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、本発明における「第2始動口開口手段」に対応するものとなっている。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。そして、作動中である場合は(S190:yes)、普通電動役物を停止させるための処理(普通電動役物停止処理)を行う(S200)。一方、普通電動役物が作動していない場合は(S190:no)、普通電動役物停止処理を行う必要はないのでスキップする。
普通電動役物停止処理(S200)では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、普通電動役物の作動時間(第2始動口17bの開口時間)が経過したか、若しくは、第2始動口17bに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立した場合に、普通電動役物の作動を停止させる処理を行う。尚、普通電動役物の作動時間は、通常の遊技状態では約0.5秒間に設定されているが、後述する開口時間延長機能が作動すると約5秒間(開口回数が1回の場合には1回の開口時間が約5秒間、あるい開口回数が複数回の場合には複数回の開口時間の合計が約5秒間)に延長される。一方、普通電動役物の作動時間(第2始動口17bの開口時間)が経過しておらず、第2始動口17bへの入球数も規定数に達していない場合は、普通電動役物を作動させたまま(すなわち、第2始動口17bを開口させたまま)、普通電動役物停止処理(S200)を終了する。
遊技制御処理では、普通電動役物停止処理から復帰すると、特別図柄に関連する処理を開始する。かかる処理では、後述する特別図柄遊技処理を行うための所定の条件を満足しているか否かを判断した後、所定の条件を満足していた場合には、特別図柄遊技処理を開始する。
図11は、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(特別図柄遊技開始判断処理)の流れを示すフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、第1始動口17aに遊技球が入球したか否かを判断する(S252)。前述したように、第1始動口17aの内部には、遊技球の入球を検出する第1始動口スイッチ17sが設けられており、遊技球が入球したことを検出することができる。
遊技球が第1始動口17aに入球していた場合は(S252:yes)、第1特別図柄の保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断する(S254)。図3(a)を用いて前述したように第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)は、第1特別図柄表示部30で第1特図保留表示LED30bが点灯することによって表示されている。そして、第1特別図柄の保留数が上限値に達していなければ(S254:no)、第1特別図柄用の当否判定乱数、第1特別図柄用の図柄決定乱数を取得して、主制御基板200のRAM203に記憶する。ここで、第1特別図柄の当否判定乱数は、図3(a)に示した第1特別図柄表示部30に表示される第1特別図柄の当否判定を行うために用いられる乱数である。また、第1特別図柄の図柄決定乱数は、第1特別図柄表示部30に停止表示させる第1特別図柄を、第1特別図柄の当否判定結果に応じて決定するための乱数である。
このように第1特別図柄の保留数が上限値「4」に達していない場合は(S254:no)、第1特別図柄用の各種乱数を取得してRAM203に記憶した後(S256)、第1特別図柄の保留数に「1」を加算する(S258)。一方、第1特別図柄の保留数が上限値「4」に達している場合は(S254:yes)、第1特別図柄用の各種乱数の取得は行わない。尚、上述したように第1特別図柄の保留数を記憶する動作は、図11の特別図柄遊技開始判断処理の中で実行されていることから、かかる処理を実行する本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明における「第1図柄保留数記憶手段」に対応するものとなっている。
一方、第1始動口17aに遊技球が入球していなかった場合や(S252:no)、第1始動口17aに遊技球が入球していたものの第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)が上限値「4」に達していた場合(S254:yes)は、第2始動口17bに遊技球が入球したか否かを判断する(S262)。また、第1始動口17aに遊技球が入球しており、且つ、第1特別図柄の保留数が上限値「4」に達していなかった場合も(S254:no)、第1特別図柄用の各種乱数を取得してRAM203に記憶し(S256)、第1特別図柄の保留数に「1」を加算した後は(S258)、第2始動口17bに遊技球が入球したか否かを判断する(S262)。そして、第2始動口17bに遊技球が入球していた場合は(S262:yes)、第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)が上限値「4」に達しているか否かを判断し(S264)、上限値に達していなければ(S264:no)、第2特別図柄用の当否判定乱数、図柄決定乱数を取得して、主制御基板200のRAM203に記憶した後(S266)、第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)に「1」を加算する(S268)。
また、第2始動口17bに遊技球が入球していなかったと判断された場合(S262:no)、あるいは、第2始動口17bに遊技球が入球していたが第2特別図柄の保留数が上限値「4」に達していると判断された場合は(S264:yes)、第2特別図柄用の各種乱数を取得して記憶する処理や、第2特別図柄の保留数に「1」を加算する処理はスキップして、大当り遊技中か否かを判断する(S270)。後述する特別図柄遊技処理は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄を変動表示させ、何れかの特別図柄で所定の当り図柄が停止表示された場合には、遊技者にとって有利な特別遊技である大当り遊技を開始する処理である。そして、現在、大当り遊技を行っているのであれば、重ねて大当り遊技を開始する必要はない。そこで、上述した第1特別図柄あるいは第2特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、大当り遊技中であるか否かを判断し(S270)、大当り遊技中で無かった場合には(S270:no)、後述する特別図柄遊技処理を開始すると判断する(すなわち、S250:yes)。一方、現在、既に大当り遊技中であった場合は(S270:yes)、特別図柄遊技処理は開始しないと判断する(すなわち、S250:no)。
以上のようにして、特別図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S250:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を行う(S300)。一方、特別図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S250:no)、特別図柄遊技処理(S300)はスキップする。
C−2.第1実施例の特別図柄遊技処理 :
図12および図13は、第1実施例の特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。第1実施例の特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、第1特別図柄または第2特別図柄の何れかが変動中か否かを判断する(S302)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1には第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32が設けられており、第1図柄表示装置28では第1特別図柄の変動表示が可能であり、第2図柄表示装置32では第2特別図柄の変動表示が可能となっている。
第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れも変動中でない場合は(S302:no)、第1特別図柄あるいは第2特別図柄を停止図柄で表示させる時間(特別図柄の停止表示時間)中であるか否かを判断する(S304)。すなわち、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れも、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、何れの図柄で停止表示されたかを遊技者が確認するための停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止表示時間も経過していることが確認された場合は(S304:no)、第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)が「0」であるか否かを判断する(S306)。前述したように、本実施例の遊技機1では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それぞれに対応する保留数が設けられているが、先ず初めに第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)について確認するのである。そして、第2特図保留数が「0」でない場合、換言すれば、保留が残っている場合は(S306:no)、RAM203に記憶されている第2特別図柄用の当否判定乱数の中から、最も早いタイミングで記憶されていた乱数を読み出して(S308)、後述する第2特別図柄関連処理を開始する(S310)。
一方、第2特図保留数が「0」であると判断された場合は(S306:yes)、第1特図保留数が「0」であるか否かを判断し(S326)、そして、保留が残っていた場合には(S326:no)、RAM203に記憶されている第1特別図柄用の当否判定乱数の中から、最も早いタイミングで記憶されていた乱数を読み出して(S328)、後述する第1特別図柄関連処理を開始する(S330)。このように、第1特図保留数については、第2特図保留数が「0」であった場合にのみ、保留が残っているか否かを判断されるので、第2特別図柄の保留が残っている間は、第1特別図柄用の当否判定乱数が読み出されて、第1特別図柄関連処理が行われることはない。換言すれば、第2特図保留数については第1特図保留数よりも優先して当否判定が行われることになる。かかる処理は、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201が、上述した特別図柄遊技処理を実行する中で実現されている。従って、本実施例では、主制御基板200のCPU201は、本発明における「当否判定優先実行手段」に対応するものとなっている。
C−2−1.第2特別図柄関連処理 :
図14は、第2特別図柄関連処理の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、前述したように、特別図柄遊技処理の中で第2特別図柄用の当否判定乱数が読み出された後に開始される処理である。図示されているように、第2特別図柄関連処理(S310)を開始すると、先ず初めに、第2特別図柄についての当否判定を行う(S312)。
図15は、第2特別図柄の当否判定を行う処理(第2特別図柄用当否判定処理)の流れを示すフローチャートである。図示するように、第2特別図柄用当否判定処理を開始すると、先ず初めに、現在の遊技状態が確変状態か否かを判断する(S3120)。そして、確変状態であれば(S3120:yes)、確変用の当否判定テーブルを選択し(S3122)、確変状態でなければ(S3120:no)、非確変用の当否判定テーブルを選択する(S3124)。ここで当否判定テーブルとは、特別図柄の当否判定乱数に対応付けて、特別図柄の当否判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。尚、本実施例の遊技機1では、第1特別図柄および第2特別図柄が設けられており、それぞれに対して当否判定乱数が記憶されているが、当否判定テーブルは、第1特別図柄または第2特別図柄の何れの当否判定乱数に対しても、同じテーブルが用いられている。このことと対応して、本明細書中では、第1特別図柄または第2特別図柄の何れの当否判定テーブルも、単に、特別図柄の当否判定テーブルと称している。
図16は、本実施例の遊技機1に記憶されている特別図柄の当否判定テーブルを例示した説明図である。図16(a)には非確変用の当否判定テーブルが示されており、図16(b)には確変用の当否判定テーブルが示されている。図示するように、当否判定テーブルには、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の当否判定乱数に対応付けて、「当り」あるいは「外れ」の当否判定結果が設定されている。また、図16(a)と図16(b)とを比較すれば明らかなように、図16(b)に示した確変用の当否判定テーブルは、図16(a)に示した非確変用の当否判定テーブルよりも多くの乱数に、「当り」の当否判定結果が設定されている。
図15に示した第2特別図柄用当否判定処理では、現在の遊技状態が確変中か否かに応じて対応する当否判定テーブルを選択すると、先に、特別図柄遊技処理中で読み出しておいた第2特別図柄用の当否判定乱数に基づいて、選択した当否判定テーブルを参照することにより、第2特別図柄の当否判定結果が「当り」であるか否かを判断する(S3126)。上述したように、確変状態の時に参照する確変用の当否判定テーブルは、確変状態ではないときに参照する非確変用の当否判定テーブルに比べて、多くの当否判定乱数に「当り」の当否判定結果が設定されていることから、確変中は非確変中よりも高い確率で「当り」の当否判定結果が発生することになる。
そして、第2特別図柄の当否判定結果が当りと判断された場合には(S3126:yes)、第2特別図柄用の図柄決定乱数を読み出した後(S3128)、第2特別図柄の当り図柄を決定する処理を行う(S3130)。ここで、第2特別図柄用の図柄決定乱数とは、第2始動口17bに遊技球が入球すると、図11に示した特別図柄遊技開始判断処理の中で、第2特別図柄用の各種乱数とともに取得される乱数である。また、第2特別図柄の当り図柄は、第2特別図柄用の図柄決定乱数に基づいて、第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルを参照することによって決定する。
図17は、第2特別図柄の当り図柄を決定するために参照される第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。前述したように、第2図柄表示装置32の第2特別図柄表示部33に表示される第2特別図柄では、「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかの態様で当り図柄を表示することが可能であるが、図示されるように第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルには、図柄決定乱数に対応付けて、何れの態様の当り図柄を表示するかが予め設定されている。
また、詳細には後述するが、第2特別図柄あるいは第1特別図柄が当り図柄で停止表示すると、いわゆる大当り遊技が開始され、この大当り遊技は、通常時には閉鎖している大入賞口31dが開口するラウンド遊技を、所定回数繰り返すことによって行われる。そして、本実施例の遊技機1では、大当り遊技中に行われるラウンド遊技の回数は、その大当り遊技が何れの当り図柄で開始されたかによって決定されるようになっている。このことと対応して、図17に示した当り図柄決定テーブルには、当り図柄を決定するための図柄決定乱数に対応付けて、大当り遊技中に行われるラウンド遊技回数も設定されており、図柄決定乱数から当り図柄決定テーブルを参照することで、大当り遊技中に行うラウンド遊技回数も決定することが可能となっている。
尚、前述したように本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の他に第1特別図柄も設けられており、それぞれについて図柄決定乱数が取得されており、このことと対応して、第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルと、第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルとが、別個に設けられている。
図15に示した第2特別図柄用当否判定処理においては、第2特別図柄用の図柄決定乱数を読み出すと、図17に示した第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルを参照することにより、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う(S3130)。
一方、第2特別図柄の当否判定結果が「外れ」であった場合は(S3126:no)、「当り」の場合と同様に第2特別図柄用の図柄決定乱数を読み出した後(S3132)、第2特別図柄の外れ図柄を決定する処理を行う(S3134)。外れ図柄を決定する処理も、第2特別図柄決定乱数に対して外れ図柄が予め設定された外れ図柄決定テーブル(図示は省略)を参照することによって行う。外れ図柄決定テーブルには、第2特別図柄決定乱数に対して、予め定められた外れ図柄が設定されている。尚、当り図柄決定テーブルとは異なり、外れ図柄決定テーブルについては、第1特別図柄用のテーブルと第2特別図柄用のテーブルとを共用することも可能である。
以上に説明したように、図15に示した第2特別図柄用の当否判定処理では、先に読み出した第2特別図柄当否判定乱数に基づいて第2特別図柄の当否判定を行うとともに、当否判定結果に応じて、第2特別図柄の大当り図柄あるいは外れ図柄を決定する処理を行う(S3130またはS3134)。そして、大当り図柄あるいは外れ図柄を決定したら、第2特別図柄用の当否判定処理を終了して、図14に示した第2特別図柄遊技処理に復帰する。
図14に示されるように、第2特別図柄遊技処理では、第2特別図柄用の当否判定処理から復帰すると、今度は、第2特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S314)。
図18は、第2特別図柄関連処理の中で第2特別図柄の変動パターンを設定するために行う第2特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理も第2特別図柄関連処理と同様に、主制御基板200のCPU201によって実行される処理である。
主制御基板200のCPU201は、第2特別図柄変動パターン設定処理(S314)を開始すると、先ず初めに、特別図柄(ここでは第2特別図柄)の当否判定結果が当りであるか否かを判断する(S3140)。特別図柄の当否判定は、第2特別図柄変動パターン設定処理に先立って、図15を用いて前述した第2特別図柄用の当否判定処理において既に行われているので、主制御基板200のCPU201は、特別図柄の当否判定結果が当りであるか否かを直ちに判断することができる。そして、特別図柄の当否判定結果が当りであった場合には(S3140:yes)、現在の遊技状態が時短中(すなわち時短機能の作動中)であるか否かを判断し(S3142)、時短中であれば(S3142:yes)、当否判定結果が当りで且つ時短中の場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3144)。これに対して、時短状態でないと判断された場合は(S3142:no)、当否判定結果が当りで且つ時短中ではない場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・非時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3146)。これらの変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM202に予め設定されている。なお、ここで言う「時短中」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、確変中および非確変中の両方を含んでいる。
図19は、主制御基板200のROM202に設定されている当り・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように変動パターンテーブルには、変動パターン決定乱数の値に対応付けて、特別図柄の変動パターンが設定されている。ここで、変動パターン決定乱数とは、特別図柄の変動パターンを決定するために、図18の特別図柄変動パターン設定処理の中で取得される乱数である。また、それぞれの変動パターンには、特別図柄の変動時間が予め設定されている。例えば、変動パターン決定乱数が「0〜85」の範囲の値に対しては、「パターン特3」という変動パターンが設定されており、この変動パターンは、特別図柄の変動時間が3.4秒間の変動パターンである旨が設定されている。同様に、「86〜172」の範囲の乱数値に対しては、「パターン特6」という変動パターンが設定され、この変動パターンは、特別図柄の変動時間が35.2秒間である旨が設定されている。
また、図20は、当り・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図19に示した当り・時短用の変動パターンテーブルと同様に、当り・非時短用の変動パターンテーブルについても、変動パターン決定乱数に対応付けて、特別図柄の変動パターンと変動時間とが設定されている。尚、図19の変動パターンテーブルは時短用のテーブルであり、図20の変動パターンテーブルは非時短用のテーブルであることに対応して、図19に設定されている変動パターンは、図20に設定されている変動パターンよりも、変動時間が短めのパターンが設定されている。
特別図柄の当否判定結果が当りであった場合には(図18のS3140:yes)、上述したように、現在の遊技状態が時短中であるか否かに応じて対応する変動パターンテーブルを選択した後、変動パターン決定乱数を取得して(S3148)、変動パターンテーブルを参照することにより、当りの変動パターンを設定する(S3150)。
一方、当否判定結果が外れの場合には(S3140:no)、次のようにして特別図柄の変動パターンを決定する。先ず、特別図柄の当否判定結果が外れの場合にも、当りの場合と同様に、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(S3152)。そして、時短中であれば(S3152:yes)、当否判定結果が外れで且つ時短中の場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3154)。これに対して、時短状態でないと判断された場合は(S3152:no)、当否判定結果が外れで且つ時短中ではない場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・非時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3156)。これら外れ用の変動パターンテーブルも、当り用の変動パターンテーブルと同様に、主制御基板200に搭載されたROM202に予め設定されている。なお、ここで言う「時短中」も、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、確変中および非確変中の両方を含んでいる。
図21は、主制御基板200のROM202に設定されている外れ・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。また、図22は、外れ・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定結果が外れの場合の変動パターンテーブルにも、特別図柄の変動パターンおよび変動時間が、変動パターン決定乱数に対応付けて設定されている。
このように、特別図柄の当否判定結果が外れの場合にも(図18のS3140:no)、現在の遊技状態が時短中であるか否かに応じて対応する変動パターンテーブルを選択した後、変動パターン決定乱数を取得して(S3158)、変動パターンテーブルを参照することにより、外れの変動パターンを設定する(S3160)。
以上に説明したように、図18に示した本実施例の第2特別図柄変動パターン設定処理では、現在の遊技状態が時短中であるか否か、および第2特別図柄の当否判定結果が当りであるか否かに応じて、対応する変動パターンテーブルを参照することにより、第2特別図柄の変動パターンを決定する。第2特別図柄の当否判定結果が当りの場合あるいは外れの場合の何れについても、時短中に選択される変動パターンテーブルには、時短中でない場合に選択される変動パターンテーブルよりも変動時間の短い変動パターンが設定されており、従って、時短中の変動パターンは、変動時間の短いパターンに決定されることになる。本実施例の第2特別図柄変動パターン設定処理では、以上のようにして、第2特別図柄の変動パターンを決定した後、図14の第2特別図柄関連処理に復帰する。
図14に示されているように、第2特別図柄変動パターン設定処理から復帰すると、主制御基板200のCPU201は、第2特別図柄表示部33における第2特別図柄の変動表示を開始した後(S316)、第2特図保留表示LED33bを用いて表示されている第2特別図柄用の保留数から1を減算する処理を行う(S318)。次いで、先に決定しておいた第2特別図柄の変動パターンを指定するコマンド(変動パターン指定コマンド)を、サブ制御基板220に向かって出力した後(S320)、特別図柄の停止図柄(ここでは第2特別図柄の停止図柄)を指定するコマンド(特別図柄停止情報指定コマンド)を、同じくサブ制御基板220に向かって出力して(S322)、図14の第2特別図柄関連処理を終了し、図12に示した特別図柄遊技処理に復帰する。
以上、特別図柄遊技処理で、第2特別図柄の保留が残っていると判断された場合に(S306:no)、第2特別図柄の当否判定を行うとともに変動パターンを決定するために行う一連の処理(第2特別図柄遊技関連処理)について説明した。これに対して、第2特別図柄の保留が残っていないと判断された場合には(S306:yes)、第1特別図柄の保留が残っているか否かが判断される(S326)。そして、第1特別図柄の保留が残っている場合には(S326:no)、RAM203に記憶されている第1特別図柄用の当否判定乱数の中から、最も早いタイミングで記憶されていた乱数を読み出した後(S328)、以下に説明する第1特別図柄関連処理を開始する(S330)。
C−2−2.第1特別図柄関連処理 :
図23は、第1特別図柄関連処理の流れを示したフローチャートである。第1特別図柄関連処理は、図14を用いて前述した第2特別図柄関連処理とほぼ同様であるため、第2特別図柄関連処理についての説明を踏まえて簡単に説明する。第1特別図柄関連処理においても、前述した第2特別図柄関連処理と同様に、処理を開始すると、先ず初めに第1特別図柄についての当否判定を行う(S332)。第1特別図柄の当否判定は、図15を用いて前述した第2特別図柄の当否判定とほぼ同様にして、当否判定テーブルを参照することによって行うことができる。以下、図15を参照しながら簡単に説明すると、先ず初めに、確変中か否かを判断し、確変中であれば確変用の当否判定テーブルを選択し(S3122相当)、確変中でなければ非確変用の当否判定テーブルを選択する(S3124相当)。このとき参照する当否判定テーブルは、前述したように、第2特別図柄用のテーブルを用いることができる。
次いで、当否判定結果が当りであれば第1特別図柄の大当り図柄を、逆に、当否判定結果が外れであれば第1特別図柄の外れ図柄を決定する処理を開始する。すなわち、当否判定結果が当りの場合は(S3126:yes相当)、第1特別図柄用の図柄決定乱数から、第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルを参照することにより、第1特別図柄の大当り図柄を決定する(S3130相当)。一方、当否判定結果が外れの場合は(S3126:no相当)、第1特別図柄用の図柄決定乱数から、第1特別図柄用の外れ図柄決定テーブルを参照することにより、第1特別図柄の外れ図柄を決定する(S3134相当)。このとき、第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルは、図17に示した第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルとは異なるテーブルとなっている。
図24は、第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルを例示した説明図である。図17に示した第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルと比較すれば明らかなように、図柄決定乱数に対して設定されている大当り図柄については、第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルも、第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルも、同じ当り図柄が設定されている。しかし、それぞれの大当り図柄に対して設定されているラウンド遊技回数については、図24に示した第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルの方が、図17に示した第2特別図柄用の当り図柄決定テーブルよりも、遊技者に不利な設定となっている。第1特別図柄の当否判定結果が当りの場合には、このような第1特別図柄用の当り図柄決定テーブルを参照することによって、第1特別図柄の大当り図柄を決定する。
一方、第1特別図柄の当否判定結果が外れの場合には、第1特別図柄用の外れ図柄決定テーブルを参照することによって、第1特別図柄の外れ図柄を決定する。尚、外れ図柄決定テーブルについては、当り図柄決定テーブルとは異なって、第2特別図柄用のテーブルと同じテーブルを流用することが可能である。図23に示した第1特別図柄関連処理のS332では、以上のようにして、第1特別図柄の当否判定を行うとともに、第1特別図柄についての大当り図柄または外れ図柄を決定する処理を行う。
次いで、第1特別図柄関連処理においても、前述した第2特別図柄関連処理と同様に、特別図柄の変動パターン設定処理を行うが、第1特別図柄関連処理において行われる変動パターン設定処理は、図18を用いて前述した第2特別図柄関連処理において行われる変動パターン設定処理とは処理内容が若干異なっている。
図25は、第1特別図柄関連処理の中で行われる第1特別図柄の変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。図示した第1特別図柄の変動パターン設定処理は、前述した第2特別図柄の変動パターン設定処理に対して、現在の遊技状態が時短状態であるか否かに関わらず、非時短用の変動パターンテーブルを参照する点が大きく異なっている。以下では、かかる相違点を中心として、第1特別図柄の変動パターン設定処理について説明する。
第1特別図柄の変動パターン設定処理においても、処理を開始すると先ず初めに、第1特別図柄の当否判定結果が当りであるか否かを判断する(S3340)。そして、当否判定結果が当りであれば(S3340:yes)、図20に示した当り・非時短用の変動パターンテーブルを選択し(S3342)、当否判定結果が当りでなければ(S3340:no)、図22に示した外れ・非時短用の変動パターンテーブルを選択する(S3348)。すなわち、図18を用いて前述した第2特別図柄の変動パターン設定処理とは異なり、第1特別図柄の変動パターン設定処理では、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判断することなく、非時短用の変動パターンテーブルを選択するのである。
そして当り用または外れ用の何れかの変動パターンテーブルを選択したら(S3342、S3348)、変動パターン決定乱数を取得した後(S3344、S3350)、当否判定結果が当りの場合であれば、当り・非時短用の変動パターンテーブルを参照して、当りの変動パターンを決定する(S3346)。逆に、当否判定結果が外れであれば、外れ・非時短用の変動パターンテーブルを参照して、外れの変動パターンを決定した後(S3352)、図25に示した第1特別図柄の変動パターン設定処理を終了して、図23の第1特別図柄関連処理に復帰する。
以上のようにして第1特別図柄の変動パターンを決定したら、後は、第1特別図柄表示部30で第1特別図柄の変動表示を開始し(図23のS336)、第1特図保留表示LED30bを用いて表示されている第1特別図柄の保留数を1つ減算し(S338)、先に決定した第1特別図柄の変動パターンを指定するコマンド、および第1特別図柄の停止図柄を指定するコマンドを、サブ制御基板220に出力した後(S340、S342)、図23に示す第1特別図柄関連処理を終了して、図12に示した特別図柄遊技処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動パターンと停止図柄とを決定し、変動パターン指定コマンド、特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御基板220に向けて出力したら、図12に示した特別図柄遊技処理を終了して、図10に示す遊技制御処理に復帰する。
以上、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れも変動表示していない場合(すなわち、図12のS302:noの場合)に、特別図柄遊技処理で行われる詳細な処理について説明した。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の何れかが変動中に、図12の特別図柄遊技処理が開始された場合は、最初に行うS302の判断で、「yes」と判断される。この場合は、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S348)。すなわち、第1特別図柄または第2特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S348:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図10に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S348:yes)、変動中の特別図柄を停止表示させることを示すコマンド(図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力する(S350)とともに、変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄を、予め設定しておいた図柄で停止表示させる(S352)。次いで、停止表示させた特別図柄を停止状態のまま保持する時間(停止表示時間)を設定した後(S354)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S356)。そして、停止表示時間が経過していなければ(S356:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図10に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、停止表示時間が経過した場合は(S356:yes)、停止表示された図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(図13のS358)。尚、本実施例の遊技機1には、第1図柄表示装置28および第2図柄表示装置32の2つの図柄表示装置が搭載されており、第1図柄表示装置28では第1特別図柄の変動表示および停止表示が可能であり、第2図柄表示装置32では第2特別図柄の変動表示および停止表示が可能であるが、上記の大当り図柄は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れで停止表示されていても良い。
第1図柄表示装置28または第2図柄表示装置32の何れかで停止表示された図柄が、大当り図柄であった場合は(S358:yes)、ラウンド遊技回数を設定し(S360)、次いで時短遊技回数を設定する(S362)。ラウンド遊技回数は、図17または図24を用いて前述したように、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の当り図柄に対応付けて、当り図柄決定テーブルに予め設定されており、当り図柄を決定する際に、対応するラウンド遊技回数および時短遊技回数を予め求めておくことができる。また、時短遊技回数は、予め所定回数が設定されている。ここで、予め設定しておく時短遊技回数としては、例えば、10回や50回など種々の値に設定しておくことができるが、第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)の上限個数が4個であることに対応して、上限個数に対応する4回から、上限個数の2倍に対応する8回までの範囲に設定しておくことで、2種類の特別図柄が設けられていることをより有効に活用して、より一層、遊技者の興趣を高めることが可能となる。この理由については後ほど詳しく説明する。
こうしてラウンド遊技回数および時短遊技回数を設定したら、大当りフラグをONに設定する(S363)。大当りフラグとは、遊技状態が大当り遊技状態であることを表すフラグである。詳細には後述するが、大当りフラグがONに設定された状態で、特別図柄遊技処理を抜けて図10の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、いわゆる大当り遊技が開始されるようになっている。
また、本実施例の遊技機1では、大当り遊技中は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。ここで時短機能とは、第2図柄表示装置32で第2特別図柄が変動表示される時間を短縮する機能である。尚、本実施例の遊技機1では、第1図柄表示装置28で変動表示される第1特別図柄については、元々、時短機能が働かないようになっている。こうすることで、2種類の特別図柄が設けられていることを活用して、遊技者の興趣を効果的に盛り上げることが可能となっている。この理由についても、後ほど詳しく説明する。
図13のS363において大当りフラグをONに設定したら、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S364)。そして、確変中であれば(S364:yes)、確変機能および時短機能が作動しているので、これらの機能を停止させる(S365,S366)。一方、現在の遊技状態が確変中ではなかった場合は(S364:no)、続いて、時短中か否かを確認し(S367)、時短中であった場合は(S367:yes)、時短機能を停止させる(S366)。また、本実施例の遊技機1では、時短機能が作動している場合は、始動口ユニット17に設けられた第2始動口17b(普通電動役物)の開口時間を延長する機能も働いているので、時短機能を停止したら(S366)、普通電動役物開口時間の延長機能も停止させた後(S368)、図12および図13に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図10の遊技制御処理に復帰する。一方、大当りフラグがONに設定されたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S367:no)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
以上、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示された図柄(すなわち第1特別図柄あるいは第2特別図柄)が、当り図柄であった場合(S358:yes)の処理について説明したが、停止表示された図柄が当り図柄でなかった(外れ図柄であった)場合は(S358:no)、次のような処理を行う。
まず、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(S372)。そして、時短中と判断された場合は(S372:yes)、停止した特別図柄が第1特別図柄であったか否かを判断し(S374)、第1特別図柄の停止ではなかった場合には(S374:no)、そのまま図13に示す特別図柄遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。一方、停止した特別図柄が第1特別図柄であった場合は(S374:yes)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S376)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S378)。そして、変動回数が所定回数に達したら(S378:yes)、時短機能および普通電動役物開口時間の延長機能を停止する(S380、S382)。すなわち、本実施例の遊技機1では、時短遊技中には第1特別図柄の変動回数のみを計数し、第1特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで、時短遊技を継続するのである。
尚、本実施例では時短遊技の場合だけ、第1特別図柄の変動回数を計数するものとして説明したが、これに限らず、確変遊技の場合にも、第1特別図柄の変動回数を計数して、変動回数が所定回数に達したら確変遊技を終了するものとしてもよい。
図10に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、大当りフラグがONに設定されているか否かを判断する(S390)。前述したように大当りフラグは、遊技状態が大当り遊技状態であることを表すフラグである。そこで、主制御基板200のCPU201は、大当りフラグがONに設定されている場合は(S390:yes)、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、大当りフラグがONに設定されていない場合は(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップして、遊技制御処理の先頭に戻り、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
尚、第1特別図柄あるいは第2特別図柄を変動表示させて当否判定を行う処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、上述した第1特別図柄関連処理、あるいは第2特別図柄関連処理を行うことによって実行されている。従って、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、本発明における「第1図柄当否判定手段」あるいは「第2図柄当否判定手段」に、それぞれ対応するものとなっている。また、第2特別図柄による当否判定を第1特別図柄による当否判定に優先させて行う動作は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図12および図13を用いて前述した特別図柄柚木処理を実行することによって実現されている。従って、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明における「当否判定優先実行手段」に対応するものとなっている。
C−3.特別電動役物遊技処理 :
図26は、特別電動役物遊技処理の一部を示すフローチャートである。また、図27は、特別電動役物遊技処理の残りの部分を示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態(大当り遊技)が開始される。以下、図26および図27を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技(大当り遊技)と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図2を用いて前述したように、遊技盤の下方には大入賞口31dが設けられており、この大入賞口31dは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技が開始されると、大入賞口31dが開口状態となってラウンド遊技が開始される。本明細書中で言う「特別電動役物」とは、大入賞口31dを備えた役物である。ラウンド遊技は、所定のラウンド遊技時間が経過するか、あるいは所定数の遊技球が入球すると終了して、大入賞口31dが一旦閉鎖されるが、所定時間が経過すると再び大入賞口31dが開口してラウンド遊技が開始される。こうしてラウンド遊技を繰り返して、予め設定された回数のラウンド遊技を消化したら、特別遊技状態(いわゆる大当り遊技)が終了する。以下、上述した特別遊技を実行するために、主制御基板200のCPU201が行う特別電動役物遊技処理について、図26および図27を参照しながら説明する。
図26に示されるように、主制御基板200のCPU201は、特別電動役物遊技処理(S400)を開始すると先ず初めに、大入賞口31dが開口中であるか否かを判断する(S402)。通常の遊技状態では大入賞口31dは閉鎖されており、大当りフラグがONになった直後も、大入賞口31dは閉鎖されている。そこで、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が大当り図柄で停止表示した後、初めて特別電動役物遊技処理が開始された場合には、S402においては「no」と判断されて、ラウンド遊技の実施回数が設定回数に達したか否かが判断される(S404)。図12および図13を用いて説明した特別図柄遊技処理では、大当りフラグをONに設定するに先立って、ラウンド遊技回数が設定されており(図13のS360)、特別図柄遊技処理に続いて行われる図26の特別電動役物遊技処理で大入賞口31dが開口していないと判断された場合には(図26のS402:no)、設定された回数のラウンド遊技を全て実施したために大入賞装置31が作動を停止したのか否かを判断するのである(S404)。
当然ながら、大当り遊技が開始された直後はラウンド遊技の実施回数は設定された回数に達していないから(S404:no)、新たなラウンド遊技が開始されることになるが、その前に、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判断する(S406)。すなわち、ラウンド遊技とラウンド遊技との間には、所定時間のインターバル時間が設けられており、インターバル時間では大入賞口31dは閉鎖されている。大当り遊技が開始された直後は、先のラウンド遊技が終了してから既に長い時間が経過しているから、当然、インターバル時間が経過していると判断される(S406:yes)。そしてこの場合は、ラウンド遊技の実施回数は設定回数に達しておらず、しかもインターバル時間が経過していることになるから、ラウンド遊技を開始するべく大入賞口31dを開口させた後(S408)、図26に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合は(S406:no)、大入賞口31dを開口させることなく、図26の特別電動役物遊技処理をそのまま一旦終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図10に示したように、賞球関連処理(S50)以降の一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。前述したように、図10に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図26および図27に示した特別電動役物遊技処理も、約4msec毎に実行されることになる。そして、設定回数のラウンド遊技を終了していない限り、やがては大入賞口31dが開口され(図26のS408)、次回に図26および図27の特別電動役物遊技処理が開始された際には、S402にて、大入賞口31dが開口中(S402:yes)と判断されることになる。
大入賞口31dが開口中(すなわちラウンド遊技の実施中)と判断された場合は(S402:yes)、大入賞口31dの開口時間が所定時間(1ラウンド遊技時間)に達したか否かを判断する(S410)。前述したように、大入賞口31dが開口してラウンド遊技が開始されると、所定のラウンド遊技時間が経過するか、または大入賞口31dに所定数(本実施例では10個)の遊技球が入球するまで、大入賞口31dは開口状態を維持するようになっている。このことに対応して、S410では、大入賞口31dの開口時間が所定のラウンド遊技時間に達したか否かを判断する。そして、大入賞口31dの開口時間がラウンド遊技時間に達していれば(S410:yes)、大入賞口31dを閉鎖した後(S414)、図26に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図10の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口31dの開口時間が所定時間に達していない場合は(S410:no)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合にも(S412:yes)、大入賞口31dを閉鎖する(S414)。これに対して、規定数に達していない場合は(S412:no)、大入賞口31dの開口時間が未だ所定のラウンド遊技時間に達しておらず、しかも大入賞口31dに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、大入賞口31dを開口させたまま、図26に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図10の遊技制御処理に復帰する。
図10の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開口時間が所定のラウンド遊技時間に達するか(S410:yes)、もしくは大入賞口31dに規定数の遊技球が入球して(S412:yes)、大入賞口31dが閉鎖される(S414)。こうして1回のラウンドの遊技が終了する。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、S402において大入賞口31dが開口していないと判断され(S402:no)、ラウンド遊技回数が設定回数に達したか否かが判断され(S404)、設定回数に達していなければ(S404:no)、インターバル時間が経過したことを確認した後(S406:yes)、再び大入賞口31dを開口させて新たなラウンド遊技が開始される(S408)。
一方、S404において、ラウンド遊技回数が設定回数に達したと判断された場合は(S404:yes)、大当り遊技を終了させるべく、大当りフラグをOFFに設定した後(図27のS416)、大当り遊技の終了を知らせる大当り遊技終了コマンドを、サブ制御基板220に向かって出力する(S418)。次いで、大当り遊技を開始することとなった第1特別図柄あるいは第2特別図柄(大当り図柄)が「通常当り図柄」または「確変当り図柄」のいずれであったかを判断する(S420)。そして、「確変当り図柄」によるものであった場合は(S420:yes)、確変機能の作動を開始した後(S422)、時短機能の作動を開始する(S424)。前述したように確変機能が作動すると、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の当否判定に際して確変用の当否判定テーブルが選択されて(図15のS3122)、当否判定結果が当りになる確率が高くなる。また、時短機能が作動すると、第2特別図柄の変動時間が短縮される。そして、最後に普通電動役物の開口時間延長機能の作動を開始した後(S426)、図26および図27に示す特別電動役物遊技処理を終了する。普通電動役物の開口時間延長機能が作動すると、第2始動口17bの開口時間が約0.5秒から約5秒に延長される。尚、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の当否判定に際して、当否判定の結果が当りになる確率を高確率に設定する動作は、上述した特別電動役物遊技処理の中のS422で確変機能を作動させることによって実現されている。従って、本実施例の遊技機1において、かかる特別電動役物遊技処理を実行している主制御基板200のCPU201は、本発明における「確率変動手段」に対応するものとなっている。
一方、大当り遊技を開始することとなった第1特別図柄あるいは第2特別図柄が「確変当り図柄」では無いと判断された場合は(S420:no)、大当り遊技は「通常当り図柄」によって開始されたことになる。そこで、確変機能の作動を開始する処理(S422)はスキップして、時短機能の作動を開始し(S424)、普通電動役物開口時間延長機能の作動を開始した後(S426)、図26および図27に示す特別電動役物遊技処理を終了して、図10の遊技制御処理に復帰する。
尚、本実施例の大入賞口31dは、通常状態では閉鎖されており、大当り遊技が開始されると開口状態になることから、本発明における「可変入球口」に対応している。また、大入賞口31dを開口させて大当り遊技を実行する処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図26および図27の特別電動役物遊技処理を実行することによって実現されている。従って、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、本発明における「大当り遊技実行手段」に対応するものとなっている。そして、本実施例の遊技機1では、大当り遊技を終了すると、時短機能および普通電動役物の開口時間延長機能が作動するいわゆる時短遊技が開始されるが、かかる時短遊技が本発明における「補助遊技」に対応するものとなっている。また、大当り遊技後に、時短機能および普通電動役物の開口時間延長機能を作動させて、いわゆる時短遊技を開始する処理は、図26および図27に示した特別電動役物遊技処理の中で実行されている。従って、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明における「補助遊技実行手段」に対応するものとなっている。
更に、時短遊技が開始されると、第2特別図柄については、時短用の変動パターンテーブルが参照されることによって、変動時間が短い変動パターンが選択されるが、第1特別図柄については非時短用の変動パターンが参照されるため、短めの変動パターンが選択されることはない。こうした処理は、図14を用いて説明した第2特別図柄関連処理中で行われる変動パターン設定処理(S314)、あるいは図23に示した第1特別図柄関連処理中で行われる変動パターン設定処理(S334)において実行されている。従って、本実施例の遊技機1で、これらの処理を行っている主制御基板200のCPU201は、本発明における「当否判定時間変更処理」に対応するものとなっている。
尚、上述した説明では、確変当り図柄が停止表示された場合には、次の大当り遊技が開始されるまで、いわゆる確変遊技状態が継続されるものとして説明した。しかし、確変遊技状態も時短遊技状態と同様に、第1特別図柄の変動回数が所定回数に達したら終了するようにしても良い。この場合は、確変遊技状態も、本発明における「補助遊技」に対応するものとなる。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させる。その結果、第1始動口17aおよび第2始動口17bの2つの始動口と、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄とが設けられていることを活用して、遊技者の遊技に対する興趣を大きく高めることが可能となっている。以下、この点について詳しく説明する。
上述した遊技制御処理中で行われる第1実施例の特別図柄遊技処理(図12および図13参照)では、大当り遊技が終了すると時短遊技(すなわち、本発明における補助遊技)が開始されるが、この時短遊技は、以下のような点から、遊技者にとっては有利な遊技状態となっている。先ず、時短遊技では、第2始動口17bの開口時間が延長されるので遊技球が入球し易くなっており、遊技者はほとんど遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。また、第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口17bに入球すると、その入球は第2特別図柄の保留(第2特図保留)として最大4個まで蓄えられて、後で当否判定が行われる。時短遊技では、第2特別図柄の変動時間が短縮されているので、第2特図保留数に対応する第2特別図柄の当否判定が次々と行われて第2特図保留数は減少するが、第2特別図柄の変動時間短縮とともに第2始動口17bの開口時間が延長されているので、遊技球が第2始動口17bに入球し易くなり、減少した第2特図保留数は直ちに増加して上限値に到達する可能性が高い。この結果、時短遊技では、単位時間(例えば1分間)当りの特別図柄の当否判定の実行回数が通常遊技時に比べて増えることとなり、通常遊技時に比べて大当り遊技を発生させ易くなる。
そして、このように遊技者に有利な時短遊技は、第1特別図柄の変動表示が所定回数に達するまで(若しくは、大当り遊技が発生するまで)、継続可能となっている(図13のS374からS380、S368を参照)。また、図12を用いて前述したように、第1実施例の特別図柄遊技処理では、第1特図の保留よりも第2特図の保留の方が先に当否判定されて、第2特図の保留がなかった場合にだけ(図12のS306:no)、第1特別図柄関連処理が行われて(S330)、第1特別図柄の変動表示が開始されるようになっている。換言すれば、大当り遊技の終了後は、第2始動口17bに遊技球を入球させて常に第2特別図柄を変動表示させておけば、再び大当り遊技が発生するまで、何時まででも時短遊技のまま、遊技を継続することが可能となる。加えて第2始動口17bは、時短状態になると開口時間が延長されるので遊技球を入球させ易くなっており、従って、ある程度、遊技に慣れてくれば、第2始動口17bに遊技球を入球させて常に第2特別図柄を変動表示させておくことは決して困難なことではない。更に加えて、図17および図24に示したように、第1特別図柄で当るよりも第2特別図柄で当った方が、より有利な大当り遊技が開始されるようになっている。このため、遊技者の遊技の進め方によって、あるいは遊技者の技量によって、遊技をたいへんに有利に進めることが可能となるので、遊技に対する興趣を大きく盛り上げることが可能となっている。
また、第1実施例の遊技機1が有するこのような遊技性は、時短遊技の終了条件となる第1特別図柄の変動表示回数(以下、制限回数という)を次のような回数に設定しておくことで、より一層、顕著に発揮させることが可能となる。すなわち、時短遊技の終了条件となる制限回数は、第1特図保留数の蓄積可能な上限数を基準として、この上限数と同じ回数から2倍程度、多くても3倍以下の回数に設定しておくことが効果的である。この点について、図28を用いて説明する。
図28は、時短遊技(補助遊技)の制限回数が、第1特図保留数の蓄積可能な上限回数(4回)と同じ値に設定されているものとして、大当り遊技後に時短遊技を行う様子を模式的に示した説明図である。図28(a)は、時短遊技(補助遊技)中に、1球の遊技球も第2始動口17bに入球させることができなかった場合を示している。図5に示したように、第1始動口17aは常に遊技球が入球可能な固定式の入球口なので、大当り遊技中にも遊技球が入球し、大当り遊技終了後は、第1特別図柄の保留は上限値(4個)まで蓄積されていることが普通である。そして、この状態から時短遊技(補助遊技)が開始されて、1球も第2始動口17bに遊技球を入球させることができなければ、第1特図保留が消化されて第1特別図柄が連続して変動表示する(第1特別図柄の当否判定が連続して行われる)。その結果、本来は遊技者にとって有利な時短遊技(補助遊技)が、有利さを活かすことができないまま直ぐに終了してしまう。もちろん、時短遊技の制限回数が、第1特図保留数の上限数と同じであるとは限らず、回数切りの制限回数が第1特図保留数の上限数よりも多ければ、直ちに時短遊技が終了することはない。しかし、例えば、回数切りの制限回数が第1特図保留数の上限数の2倍(4×2=8)に設定されている場合には、蓄積していた第1特図保留数を全て消化した時点で時短遊技(補助遊技)の半分が終了し、回数切りの制限回数が第1特図保留数の上限数の3倍(4×3=12)に設定されている場合には、蓄積していた第1特図保留数を全て消化した時点で時短遊技(補助遊技)の3分の1が終了する。これでは、本来、遊技者にとって有利な時短遊技(補助遊技)を十分に活用することができなくなってしまう。
これに対して、大当り遊技終了後の時短遊技(補助遊技)で、第2始動口17bに遊技球を入球させることができれば、その後の遊技の進行状況は、遊技者にとって全く異なったものとなる。図28(b)は、時短遊技(補助遊技)の開始後に、第2始動口17bに遊技球を入球させて遊技を進行させた場合を模式的に表している。仮に、大当り遊技の終了時点で第1特図保留しか残っていなかった場合には、図示されるように大当り遊技開始直後は第1特別図柄の変動表示が開始されるが、この段階では既に時短遊技(補助遊技)が開始されて、この時短遊技中に開口する第2始動口17bの開口時間は延長されるので、第1特別図柄が変動表示している間に第2始動口17bに遊技球を入球させることができる。そして、図5を用いて前述したように、第2始動口17bが開口すると第1始動口17aよりも遊技球が入球し易くなるので、次々と第2始動口17bに遊技球が入球し、第1特別図柄に優先して第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄の当否判定)が行われる。
もちろん、第2特別図柄の変動時間は短縮されているので、第2特図保留は次々と消化され、全て消化されたら第1特別図柄の変動表示が行われる。しかし、第1特別図柄の変動時間は短縮されていないので、第1特別図柄の変動中に第2特別図柄の保留数が蓄積されることで、第1特別図柄の変動終了後は、再び第2特別図柄の変動表示を開始することができる。その結果、たとえ時短遊技(補助遊技)の終了条件となる制限回数が第1特図保留数の上限値と同じ回数に設定されていた場合でも、時短遊技(補助遊技)の終了条件が成立するまでの間に、遊技者に有利な時短遊技を十分に行って、第2特別図柄による当否判定を何度も行うことが可能となる。しかも、第2特別図柄の当否判定で発生した大当り遊技は、第1特別図柄で発生した大当り遊技よりも、遊技者にとって有利に設定されているので、この意味からも、より一層、遊技を有利に進めることが可能となる。
また、大当り遊技後は、暫くの間、新たな遊技球を発射することを休止した状態で遊技を進める所謂「止め打ち」と呼ばれる行為が行われることもある。これは、前述したように、大当り遊技終了時点では、第1特図保留が上限値に達していることが多いので、新たな遊技球を発射して第1始動口17aに入球しても入球が無駄になってしまう虞があり、むしろ、遊技球を発射しなくても、保留が消化されるまでは当否判定が行われるので、保留が無くなってから遊技球を発射した方が、遊技球を減らさずに有利に遊技を進めることができるとの考えによるものである。しかし、止め打ちが行われると、遊技者の発射する遊技球が減少するので、遊技ホールにとっては好ましいことではない。この点で、上述した第1実施例の遊技機1は、止め打ちが行われることを回避可能という点で、遊技ホールにとっても利点のある遊技機となっている。すなわち、仮に大当り遊技の終了後に止め打ちを行うと、図28(a)に示したように、時短遊技(補助遊技)が直ぐに終了してしまい、遊技を有利に進めることができなくなってしまう。このことから、本実施例の遊技機1では、大当り遊技の終了後も、止め打ちを行うことなく遊技球を発射し続けた方が、遊技者にとっても遊技を有利に進めることが可能であり、そのため、止め打ちが行われることを確実に回避することが可能となっている。
尚、上述した実施例では、補助遊技、すなわち、大当り遊技の終了後に開始され、第1特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで行われる補助遊技が、時短遊技であるものとして説明した。しかし、補助遊技は時短遊技に限られるものではなく、例えば確変機能が作動する確変遊技を補助遊技とすることも可能である。確変遊技中は、確変機能が作動して大当り遊技が発生し易くなるため、遊技者は遊技を有利に進めることができる。従って、大当り遊技の終了後に第2始動口17bに遊技球を入球させることで、確変遊技の時間を十分に確保することが可能となれば、遊技者の興趣を大きく盛り上げることが可能となる。
D.第2実施例の特別図柄遊技処理 :
以上に説明した第1実施例の特別図柄遊技処理では、第1特別図柄および第2特別図柄の何れも変動表示可能な場合(換言すれば、第1特図保留数も第2特図保留数も何れも「0」ではない場合)には、第2特別図柄を優先して変動表示させるものとして説明した。しかし本発明の遊技機は、このような実施例に限られるものではなく、例えば、第1特別図柄に対応する第1始動口17a、あるいは第2特別図柄に対応する第2始動口17bに遊技球が入球した順序で、それぞれの特別図柄を変動表示させることとしてもよい。以下では、このような第2実施例の特別図柄遊技処理について説明する。
図29は、第2実施例の特別図柄遊技処理の前半部分の流れを示したフローチャートである。図12を用いて前述した第1実施例の特別図柄遊技処理では、第2特図の保留を第1特図の保留に優先させて消化したのに対して、図29に示す第2実施例の特別図柄遊技処理では、第1特図の保留あるいは第2特図の保留の何れを優先させることもなく、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに遊技球が入球した順序に従って、対応する保留を消化する点が異なっており、他の処理は同様である。以下では、かかる相違点を中心として、第2実施例の特別図柄遊技処理について説明する。尚、第2実施例の特別図柄遊技処理(S800)も、前述した第1実施例の特別図柄遊技処理(S300)と同様に、図10の遊技制御処理の中で、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合(S250:yes)に実行される処理である。
図29に示されるように、第2実施例の特別図柄遊技処理においても、処理を開始すると先ず初めに、第1特別図柄または第2特別図柄の何れかが変動中か否かを判断する(S802)。第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れも変動中でない場合は(S802:no)、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判断する(S804)。そして、第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止表示時間も経過していることが確認された場合は(S804:no)、記憶されている特別図柄の保留の中で、最も古い保留が第1特図の保留か否かを判断する(S806)。すなわち、図10を用いて前述したように、特別図柄遊技処理は、第1特図保留あるいは第2特図保留の何れかが記憶されている場合に開始されるから、図29に示した第2実施例の特別図柄遊技処理が開始されるということは、第1特図保留あるいは第2特図保留の少なくとも何れかが記憶されている筈である。そこで、記憶されている特図保留の中で最も古い保留が、第1特図の保留か否かを判断するのである。
その結果、最も古い保留が第1特図の保留ではないと判断された場合は(S806:no)、最も古い保留は第2特図の保留ということになる。そこで、この場合は、最も古い特別図柄当否判定乱数(第2特別図柄の当否判定乱数に相当する)を読み出した後(S808)、かかる当否判定乱数を用いて第2特別図柄の当否判定および停止図柄を決定するべく、第2特別図柄関連処理を開始する(S310)。この第2特別図柄関連処理は、図14を用いて前述した第1実施例における第2特別図柄関連処理と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。
一方、S806において、最も古い保留が第1特図の保留であると判断された場合は(S806:yes)、最も古い特別図柄当否判定乱数(第1特別図柄の当否判定乱数に相当する)を読み出した後(S812)、第1特別図柄の当否判定および停止図柄を決定するべく、第2特別図柄関連処理を開始する(S310)。かかる第1特別図柄関連処理も、図23を用いて前述した第1実施例における第1特別図柄関連処理と全く同様であるため、説明は省略する。
このように第2実施例の特別図柄遊技処理では、特別図柄の保留が記憶された順番に従って、すなわち、第1始動口17aあるいは第2始動口17bに遊技球が入球した順番に従って、第1特別図柄関連処理(S330)あるいは第2特別図柄関連処理(S310)が行われる。これら第1特別図柄関連処理(S330)、第2特別図柄関連処理(S310)は何れも、特別図柄の当否判定処理が行われ、変動パターンが設定されて、特別図柄の変動表示を行った後、当否判定結果に応じて大当り図柄または外れ図柄で停止表示される点では、全く同じ処理である。しかし、第2特別図柄関連処理(S310)では、時短遊技中には変動時間の短い変動パターンが選択されるのに対して、第1特別図柄関連処理(S330)では、時短遊技中はむしろ逆に変動時間の長い変動パターンが選択されるようになっている。その結果、時短遊技中は、第2特別図柄の変動時間については、前述した第1実施例の特別図柄遊技処理と同様に短縮されるが、第1特別図柄については変動時間が逆に若干延長される。
尚、第2実施例において、第1始動口17aまたは第2始動口17bに遊技球が入球した順番に従って、第1特別図柄あるいは第2特別図柄による当否判定を実行する動作は、第2実施例における上述した特別図柄遊技処理によって実現されている。従って、第2実施例の特別図柄遊技処理を行う主制御基板200のCPU201は、本発明における「当否判定順序管理手段」に対応するものとなっている。
以上、第2実施例の特別図柄遊技処理で、第1特別図柄および第2特別図柄が停止中で(S802:no)、特別図柄の停止表示時間の経過後であると判断された場合(S804:no)について説明した。これに対して、第1特別図柄または第2特別図柄の何れかが変動中である場合(S802:yes)、あるいは特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断された場合は(S804:yes)、図12を用いて前述した第1実施例の特別図柄遊技処理と全く同様な処理を行う。以下、簡単に説明すると、先ず、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の何れかが変動表示中であった場合は(S802:yes)、特別図柄変動時間が経過したことを確認した後(S816:yes)、変動表示している特別図柄を停止して(S818、S820)、予め定められた特別図柄の停止表示時間が経過するまで待機する(S824)。そして、特別図柄の停止表示時間が経過したことが確認されたら(S824:yes)、前述した第1実施例の特別図柄遊技処理の後半部分、すなわち図13に示した処理と同様に、停止表示した特別図柄が大当り図柄か否かを判断して(図13のS358相当)、大当り図柄であれば(図13のS358:yes相当)、大当り遊技を開始するための処理を行う(図13のS360ないしS368相当)。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であれば(図13のS358:no相当)、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判断し(図13のS372相当)、時短中であれば、第1特別図柄の変動表示回数を計数して、時短遊技の回数切りを行うための各種処理を行う(図13のS376ないしS380、およびS368相当)。
このように、第1始動口17aまたは第2始動口17bに遊技球が入球した順番に従って、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を行う場合でも、換言すれば、第1特別図柄に優先して第2特別図柄の変動表示を行わない場合でも、第1始動口17aおよび第2始動口17bの2種類の始動口と、それぞれに対応する第1特別図柄および第2特別図柄の2種類の特別図柄とが設けられていることを活用して、遊技者の興趣を大きく高めることが可能である。以下では、この点について詳しく説明する。
図30は、大当り遊技の終了後、第1始動口17aおよび第2始動口17bに遊技球が入球した順番に従って、それぞれ第1特別図柄および第2特別図柄を変動表示させて時短遊技(補助遊技)を行う様子を模式的に示した説明図である。第1始動口17aおよび第2始動口17bに遊技球が入球した順番に従って、第1特別図柄および第2特別図柄を変動表示させるからといって、第1特別図柄と第2特別図柄とがほぼ交互に変動表示するわけではない。何故なら、図5を用いて前述したように、開口状態の第2始動口17bは、第1始動口17aよりも遙かに遊技球が入球し易いので、第1始動口17aに遊技球が1球入球する間に第2始動口17bには複数の遊技球が入球することになる。その結果、第1特別図柄が1回変動表示すると、その後は、第2特別図柄が何回か連続して変動表示することになるのである。図30には、このようにして、第1特別図柄が1回変動表示すると、その後に第2特別図柄が複数回変動表示を行いながら、第1特別図柄の変動表示回数が、予め定められた回数切りの制限回数に達するまで、時短遊技(補助遊技)が継続する様子が示されている。
以上に説明した第2実施例の特別図柄遊技処理においても、第1特別図柄の変動表示回数が所定の制限回数に達するまでの間に、第2特別図柄を多数回、変動表示させて時短遊技(補助遊技)を行うことができる。このため、前述した第1実施例の場合と同様に、第1始動口17aおよび第2始動口17bの2種類の始動口と、それぞれに対応する第1特別図柄および第2特別図柄の2種類の特別図柄が設けられていることを活用して、遊技者の興趣を大きく盛り上げることが可能となる。
また、第2実施例においても、遊技者が止め打ちを行うと、第2始動口17bに遊技球を入球させることができず、遊技を有利に進行させることができなくなる。このことから、第2実施例においても、第1実施例と同様な理由から、遊技者が止め打ちを行うことを回避することが可能となる。
尚、上述した第2実施例においても、大当り遊技の終了後に開始される補助遊技は、いわゆる時短遊技であるものとして説明した。しかし、前述した第1実施例と同様に、大当り遊技後の補助遊技として、いわゆる確変遊技を行うこととしても構わない。
E.第3実施例の特別図柄遊技処理 :
以上に説明した第2実施例の特別図柄遊技処理では、第1特別図柄に対応する第1始動口17a、あるいは第2特別図柄に対応する第2始動口17bに遊技球が入球した順序で、それぞれの特別図柄が変動表示するが、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に変動表示されることはないものとして説明した。しかし、このような場合に限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とを全く独立させて、第1始動口17aに遊技球が入球したときに第1特別図柄が停止表示されていれば、直ちに第1特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。同様に、第2始動口17bに遊技球が入球したときに第2特別図柄が停止表示されていれば、直ちに第2特別図柄の変動表示を開始しても構わない。以下では、このような第3実施例の特別図柄遊技処理について説明する。
図31は、第3実施例の特別図柄遊技処理の流れを示すフローチャートである。図示されているように、第3実施例の特別図柄遊技処理は、第1特別図柄遊技処理(S910)と第2特別図柄遊技処理(S960)との2つの特別図柄遊技処理から構成されている。
図32は、第3実施例の特別図柄遊技処理中で行われる第1特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図33は、第1特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。図12および図13を用いて前述した第1実施例の特別図柄遊技処理では、第1特別図柄および第2特別図柄の2種類の特別図柄について、変動表示および停止表示させる処理を行っていたが、図32および図33に示した第1特別図柄遊技処理では、もっぱら第1特別図柄についての変動表示および停止表示を行う点と第1特別図柄で当り図柄が停止表示されなかった場合には、第2特別図柄遊技処理を開始する点が大きく異なっている。以下では、かかる相違点を中心として、第1特別図柄遊技処理について説明する。
第1特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに第1特別図柄が変動中か否かを判断する(S904)。そして、第1特別図柄が変動中でない場合は(S904:no)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判断し(S906)、停止表示時間でない場合には(S906:no)、第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)が「0」であるか否かを判断する(S908)。そして、第1特図保留数が「0」でない場合は(S908:no)、最も早いタイミングで記憶されていた第1特別図柄用の当否判定乱数を読み出して(S910)、前述した第1特別図柄関連処理を開始する(S330)。第1特別図柄関連処理の内容は図23を用いて前述した処理と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。一方、第1特図保留数が「0」であると判断された場合は(S908:yes)、第1特別図柄遊技処理を終了して、図31に示した第3実施例の特別図柄遊技処理に復帰した後、続いて、後述する第2特別図柄遊技処理を開始する(S960)。
以上、第1特別図柄遊技処理を開始した時点で、第1特別図柄が変動中でない場合(すなわち、図32のS904:noの場合)について説明した。これに対して、第1特別図柄が変動中であった場合は(S904:yes)、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断し(S912)、未だ変動時間が経過していなければ(S912:no)、そのまま第1特別図柄遊技処理を終了して、図31に示した第3実施例の遊技制御処理に復帰した後、後述する第2特別図柄遊技処理を開始する(S960)。
一方、変動時間が経過していた場合は(S912:yes)、変動中の特別図柄を停止表示させることを示す図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力し(S914)、変動表示中の第1特別図柄を、予め設定しておいた停止図柄で停止させ(S916)、停止表示時間を設定する(S918)。そして、停止表示時間が経過したか否かを判断し(S920)、停止表示時間が経過していなければ(S920:no)、そのまま第1特別図柄遊技処理を終了して図31に示した第3実施例の遊技制御処理に復帰した後、後述する第2特別図柄遊技処理を開始する(S960)。
一方、停止表示時間が経過した場合は(S920:yes)、停止表示された図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(図33のS922)。以降の処理は、図13を用いて前述した第1実施例の特別図柄遊技処理とほとんど同様である。但し、前述した第1実施例の特別図柄遊技処理では、停止表示される図柄に拘わらず、処理を終了すると、一旦、図10に示した遊技制御処理に復帰した。これに対して、以下に説明する第1特別図柄遊技処理では、大当り図柄が停止表示された場合には、図10に示した遊技制御処理に復帰するが、外れ図柄が停止表示された場合は、図10の遊技制御処理に復帰するのではなく、図31に示した第3実施例の特別図柄遊技処理に復帰して、続いて第2特別図柄遊技処理を開始する点が異なっている。他の点ではほとんど同様であるため、以下では、図33を参照しながら、概要のみを説明する。
先ず大当り図柄が停止表示された場合(S922:yes)について説明すると、大当り遊技中で行うラウンド遊技回数、および大当り遊技後に行う時短遊技回数を設定した後(S924,S926)、大当りフラグをONに設定する(S928)。そして、確変中であれば(S930:yes)、確変機能や時短機能、普通電動役物開口時間の延長機能の各機能を停止させた後(S932、S934、S936)、図10に示した遊技制御処理のS390に戻って、大当りフラグがONに設定されているか否かを判断する(S390)。これに対して、確変中では無いが時短中であった場合は(S938:yes)、時短機能および普通電動役物開口時間の延長機能の各機能を停止させた後(S934、S936)、図10に示した遊技制御処理のS390に復帰する。また、確変中でも時短中でも無かった場合は(S938:no)、直ちに図10に示した遊技制御処理のS390に復帰する。停止表示された第1特別図柄が大当り図柄であった場合は(S922:yes)、S928で大当りフラグはONに設定されているから、S390では「yes」と判断されて、前述した特別電動役物遊技処理が開始される(S400)。
一方、停止表示された第1特別図柄が大当り図柄ではなかった場合は(S922:no)、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判断し(S940)、時短中であれば(S940:yes)、時短中に行われた変動回数(ここでは、第1特別図柄の変動回数)を計数する(S942)。そして、計数した回数が所定回数に達したら(S944)、時短機能および普通電動役物開口時間の延長機能の各機能を停止させた後(S946、S948)、図31に示した第3実施例の特別図柄遊技処理に復帰する。
図31に示されるように、第3実施例の特別図柄遊技処理では、上述した第1特別図柄遊技処理から復帰すると、以下に説明する第2特別図柄遊技処理(S960)を開始する。
図34は、第3実施例の特別図柄遊技処理中で行われる第2特別図柄遊技処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図35は、第2特別図柄遊技処理の後半部分を示すフローチャートである。図32および図33を用いて前述した第1特別図柄遊技処理では、もっぱら第1特別図柄の変動表示および停止表示を行っていたが、以下に説明する第2特別図柄遊技処理では、第2特別図柄の変動表示および停止表示を行う点と、前述した第1特別図柄遊技処理では第1特別図柄の変動回数を計数していたのに対して、第2特別図柄遊技処理では第2特別図柄の変動回数を計数していない点とが大きく異なっている。他の点は、前述した第1特別図柄遊技処理と同様であるため、以下では、かかる相違点を中心として、図34および図35を参照しながら、第2特別図柄遊技処理の概要について簡単に説明する。
第2特別図柄遊技処理においても、先ず初めに第2特別図柄が変動中で無いこと、および特別図柄の停止表示時間中でないこと、更に第2特別図柄の保留数が「0」でないことを確認して(S962:no、S964:no、S966:no)、最も早いタイミングで記憶されていた第2特別図柄用の当否判定乱数を読み出した後(S968)、前述した第2特別図柄関連処理を開始する(S310)。第2特別図柄関連処理の内容は図14を用いて前述した処理と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。一方、第2特図保留数が「0」であった場合は(S966:yes)、第2特別図柄遊技処理を終了して、図31に示した第3実施例の特別図柄遊技処理を経て、図10の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、第2特別図柄遊技処理を開始した時点で、第2特別図柄が変動中であった場合は(S962:yes)、特別図柄変動時間が経過したことを確認した後(S970:yes)、図柄停止コマンドを出力し(S972)、第2特別図柄を停止図柄で停止させ(S974)、停止表示時間を設定した後(S976)、停止表示時間が経過したか否かを判断する(S978)。そして、停止表示時間が経過していない場合は(S978:no)、第2特別図柄遊技処理を終了するが、停止表示時間が経過した場合は(S978:yes)、停止表示された図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(図35のS980)。以降の処理は、図13を用いて前述した第1実施例の特別図柄遊技処理とほとんど同様である。但し、前述した第1実施例の特別図柄遊技処理では、停止表示される図柄が外れ図柄であった場合には、時短中の特別図柄の変動回数を計数していたが、図35に示した第2当別図柄遊技処理では、こうした計数処理を行わない点のみが異なっている。以下では、図35を参照しながら、概要のみを説明する。
先ず大当り図柄が停止表示された場合(S980:yes)について説明すると、大当り遊技中で行うラウンド遊技回数、および大当り遊技後に行う時短遊技回数を設定した後(S982,S984)、大当りフラグをONに設定する(S986)。そして、確変中であれば(S988:yes)、確変機能や時短機能、普通電動役物開口時間の延長機能の各機能を停止させた後(S990、S992、S994)、一方、確変中では無いが時短中であった場合は(S996:yes)、時短機能および普通電動役物開口時間の延長機能の各機能を停止させた後(S992、S994)、図35に示した第2特別図柄遊技処理を終了する。確変中でも、時短中でもなかった場合は(S996:no)、図35の第2特別図柄遊技処理を直ちに終了して、図31の特別図柄遊技処理に復帰する。これに対して、停止表示された図柄が外れ図柄であった場合にも(S980:no)、図35の第2特別図柄遊技処理を直ちに終了して、図31の特別図柄遊技処理に復帰する。
以上に説明した第3実施例の特別図柄遊技処理においても、第1始動口17aおよび第2始動口17bの2種類の始動口と、それぞれに対応する第1特別図柄および第2特別図柄の2種類の特別図柄とが設けられていることを活用して、遊技者の興趣を大きく高めることが可能である。以下では、この点について説明する。
図36は、第3実施例の特別図柄遊技処理を行うことによって、大当り遊技の終了後に、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が行われる様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、第3実施例の特別図柄遊技処理では、第1特別図柄と第2特別図柄とは並行して変動表示および停止表示が行われる。先ずこの点について説明する。図10および図11を用いて説明したように、特別図柄遊技処理は、図11に示した特別図柄遊技開始判断処理において、現在の遊技状態が大当り遊技中でないと判断された場合に開始される。そして、図31に示したように、第3実施例の特別図柄遊技処理では、先ず初めに第1特別図柄遊技処理が開始され、この第1特別図柄遊技処理中で大当り図柄が停止表示されない限り、続いて、第2特別図柄遊技処理が開始される。そして、第1特別図柄遊技処理あるいは第2特別図柄遊技処理の何れかの処理で大当り図柄が停止表示されて、大当り遊技が開始されるまで、第1特別図柄遊技処理において第1特別図柄の変動表示および停止表示が行われ、並行して、第2特別図柄遊技処理で第2特別図柄の変動表示および停止表示が行われることになる。このように、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して変動表示させる態様でも、遊技者の興趣を大きく高めることが可能である。
上述した第3実施例の特別図柄遊技処理においても、第1特別図柄の変動表示回数が所定の制限回数に達するまでの間は、何回でも第2特別図柄を変動表示させて時短遊技(補助遊技)を行うことができる。また、大当り遊技後は、第2特別図柄の変動時間は短縮されるのに対して、第1特別図柄の変動時間は短縮されていない(若しくは延長されている)ので、第1特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの間に、第2特別図柄を複数回変動表示させることができる。特に、図5を用いて前述したように、時短遊技中は、第1始動口17aよりも、遙かに第2始動口17bの方が、遊技球が入球し易くなっている。そのため、第1特別図柄が1回変動表示している間に、何球もの遊技球が第2始動口17bに入球して、第2特別図柄が何回も変動表示することになる。
もちろん、第1始動口17aには大当り遊技中も遊技球が入球し得るので、大当り遊技の終了後は第1特別図柄の保留数が上限値に達しており、従って、第1特別図柄の変動表示が連続して行われる場合が多く発生し得る。図36には、大当り遊技の終了後に、第1特別図柄が連続して変動表示している様子が示されている。しかし、このような場合でも、第1特別図柄の変動表示回数が、予め定められた制限回数に達して時短遊技(補助遊技)が終了するまでは、何回でも第2特別図柄の変動表示を行うことが可能であり、むしろ、時短遊技(補助遊技)が継続している間に、何球の遊技球を第2始動口17bに入球させて、第2特別図柄を何回変動表示させることができるか、といった従来には無い遊技性を付与することが可能となっている。その結果、前述した第1実施例あるいは第2実施例と同様に、第1始動口17aおよび第2始動口17bの2種類の始動口と、それぞれに対応する第1特別図柄および第2特別図柄の2種類の特別図柄が設けられていることを活用して、遊技者の興趣を大きく盛り上げることが可能となる。
また、第3実施例においても、遊技者が止め打ちを行うと、第2始動口17bに遊技球を入球させることができず、遊技を有利に進行させることができなくなる。このことから、第3実施例においても、遊技者が止め打ちを行うことを回避することが可能となる。
尚、上述した第3実施例においても、大当り遊技の終了後に開始される補助遊技は、いわゆる時短遊技であるものとして説明した。しかし、前述した第1実施例および第2実施例と同様に、大当り遊技後の補助遊技として、いわゆる確変遊技を行うこととしても構わない。
F.変形例 :
上述した各種の実施例には、変形例が存在している。以下では、これら変形例について簡単に説明する。
F−1.第1の変形例 :
上述した各種の実施例では、第1始動口17aおよび第2始動口17bは、図5に示したように、始動口ユニット17として1つのユニットにまとめられた状態で、遊技盤面に搭載されているものとして説明した。しかし、第1始動口17aと第2始動口17bとは、必ずしも1つのユニットにまとめておく必要はなく、例えば、図37に示すように、遊技盤面の離れた位置に搭載しても良い。このように、第1始動口17aと第2始動口17bとを離れた位置に搭載しておけば、大当り遊技終了後の補助遊技中に、遊技者が第2始動口17bを狙って(換言すれば、第1始動口17aには遊技球を入球させないようにして)遊技を行うことが容易となる。例えば、図37に示した例では、第1始動口17aは遊技領域11の右側に搭載され、第2始動口17bは左側に搭載されているので、大当り遊技も補助遊技も開始される前の通常の遊技状態では、遊技領域11の右側を狙って遊技球を発射し、補助遊技が開始された後は、遊技領域11の左側を狙って遊技球を発射する。こうすれば、遊技に十分には熟達していない遊技者であっても、補助遊技が開始されたら第2始動口17bに遊技球を入球させて、遊技を十分に楽しむことが可能となる。
F−2.第2の変形例 :
また、上述した各種の実施例および変形例では、第2始動口17bが開口状態となるためには、遊技球が左右何れかの普通図柄作動ゲート36,37を通過して、普通図柄が当り図柄で停止表示される必要があるものとして説明した。しかし、これでは補助遊技中に普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過しても、普通図柄が外れ図柄で停止表示されると第2始動口17bが開口しないので、第2特別図柄を変動表示させることができない。そこで、少なくとも補助遊技中は、普通図柄が当り図柄で停止表示される確率を高く、若しくは確率を100%に設定したり、あるいは普通図柄作動ゲート36,37を通過しただけで、第2始動口17bが開口するようにしても良い。こうすれば、少なくとも補助遊技中は、第2始動口17bを頻繁に開口させて、次々と遊技球を入球させ、第2特別図柄を変動表示させることができる。その結果、2種類の始動口および2種類の特別図柄が搭載されていることを十分に活用して、遊技者が十分に遊技を楽しむことが可能となる。
以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、時短遊技(補助遊技)中の第1特別図柄の変動時間は、第2実施例では延長されるのに対して、第1実施例では単に短縮されないだけであるものとして説明した。しかし、これに限らず、第1実施例においても、時短遊技(補助遊技)中は第1特別図柄の変動時間を延長するようにしても良いし、あるいは逆に、第2実施例においても時短遊技(補助遊技)中は第1特別図柄の変動時間を単に短縮されないだけにしてもよい。
1…パチンコ機、 17…始動口ユニット、 17a…第1始動口、
17b…第2始動口、 31d…大入賞口(可変入球口)、 200…主制御基板、
201…CPU(第2始動口開口手段、第1特別図柄当否判定手段、第2特別図柄当否判定手段、大当り遊技実行手段、補助遊技実行手段、当否判定時間変更手段、確率変動手段、当否判定優先実行手段、第1特図保留数記憶手段、当否判定順序管理手段)

Claims (1)

  1. 遊技球が入球可能な第1始動口と、
    遊技球が入球し得ない状態と遊技球が入球し得る開口状態とに切り換え可能な第2始動口と、
    遊技球が入球し得ない状態と遊技球が入球し得る開口状態とに切り換え可能な大入賞口と、
    遊技中に所定条件が成立すると、前記第2始動口を所定の開口時間が経過するまで開口状態とする第2始動口開口手段と、
    前記第1始動口に遊技球が入球することで取得される判定乱数に基づいて第1当否判定を行う第1当否判定手段と、
    前記第1当否判定の結果を示す第1図柄の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う第1図柄変動表示手段と、
    前記第2始動口に遊技球が入球することで取得される判定乱数に基づいて第2当否判定を行う第2当否判定手段と、
    前記第2当否判定の結果を示す第2図柄の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う第2図柄変動表示手段と、
    前記第1当否判定または前記第2当否判定の結果が当りの場合に、前記大入賞口を開口させることによって特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
    前記第1当否判定の結果が当りになる確率および前記第2当否判定の結果が当りになる確率が高くなる確変遊技を行う確変遊技実行手段と、
    を備え、
    前記第1図柄の変動表示と前記第2図柄の変動表示とは並行して実行可能であり、
    前記確変遊技中は、前記第1図柄の変動表示が所定回数行われるまで、前記第1図柄の変動時間が短縮されずに前記第2図柄の変動時間が短縮されて、前記第1図柄の変動表示が1回行われる間に前記第2図柄の変動表示が複数回実行可能となる
    ことを特徴とする弾球遊技機。
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