JP5391199B2 - 食品保存方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、広くは食品保存の分野に関し、より詳細には、マイクロ波エネルギーを使って食品媒介病原菌を減らし、かつ食糧のバイアビリティー、貯蔵寿命及び有用性を高める新規方法の開発に関する。
電子レンジは、多くの家庭の台所及び多くの産業用途において常設の定番となっている。例えば、大量の冷凍された肉、魚、家禽肉及び果物を適当な硬さに戻すことは、電子レンジを使って非常に強化されている。電子レンジのおかげで、加工が非常に均一になるだけでなく、電子レンジがなければ数時間かかっていた冷凍品を解凍して使用可能にするまでの待ち時間が省かれ、同時にドリップロスが最小限に抑えられ、食品衛生も向上する。
マイクロ波技術の使用の一例が、Alton et al.に交付された米国特許第6,274,858号明細書に教示されている。これは、電子レンジを付勢するための円偏波マイクロ波エネルギーを供給する給送装置(feed)について記載したものである。この給送装置は、直線偏波方形導波管を、断面が円形又は方形の偏波導波管部に整合させるための変換器を含む。一実施形態においては、非対称素子が1つの面に対してのみ対称性を付与する。この非対称素子は、対称面に対してそれぞれ並行又は垂直な偏波のマイクロ波位相差をもたらす。ベンドを有する第2の導波管部も給送装置組立部品に使われ、これは例えば円形導波管の曲がった部分であって、1つの面に対してのみ電磁的対称性を付与する。その結果、共に働く2つの導波管部は一定の大きさで、しかしながら絶えず位相回転しながら円偏波エネルギーを供給する。
Koenck et al.に交付された米国特許第7,154,103号明細書は、酸素を排除した第1の制御雰囲気下(controlled atmosphere)で肉製品に照射することと、照射された肉製品を酸素が豊富な第2の制御雰囲気下でパッケージすることとを含む方法に関する。パッケージされた照射済み肉製品は、次いで小売店に流通する。このような肉製品の肉色保持期間を延長するために、肉製品には、第1の制御雰囲気下における照射工程の前又は後に抗酸化剤を添加することができる。
Thomasに交付された米国特許第6,546,646号明細書は、マイクロ波加熱、乾燥、脱水、保存処理、消毒、低温殺菌、殺菌若しくは蒸発、又はそれらの組合せなどの手段によって、加工製品を腐らせることなく、素材から水分を除去する工程及び装置に関する。
Carl et al.に交付された米国特許第6,496,736号明細書は、動脈が部分的に閉塞するアテローム性動脈硬化症を、生命維持に必要かつデリケートな血管内皮層を保存しながら、動脈を拡張することによって治療するために提供される方法及び装置に関する。動脈壁中を3GHz〜300GHzの周波数を有するマイクロ波エネルギーを伝播させて、血管内皮層を含む周縁組織及び/又は他の健康な組織、器官、並びに血液の加熱を制限しながら、熱により結合組織を死滅させ、かつ脂肪質及びろう質のプラークを軟化させるのに十分な組織深度において、所望の温度分布を生じさせる。
Koch et al.に交付された米国特許第5,440,104号明細書は、パルス発振されて間欠的に製品に導入されるマイクロ波によって、製品を均一かつ迅速に加熱する方法であって、化学薬品若しくは医薬品又は食糧、特に調理済み食事などの処理対象である製品を、蓋のない又は蓋をしたマイクロ波対応トレーにのせて、連続して動く無端状コンベヤーベルトによって処理チャンバー内を搬送しながら、また処理チャンバーに、コンベヤーベルトに対して垂直又は傾斜した位置に配置されたマイクロ波発生装置供給チャネルを装備した状態で加熱する方法に関する。
Stenstromに交付された米国特許第4,808,783号明細書は、少なくとも1箇所のマイクロ波高速加熱部分と少なくとも1箇所のマイクロ波低速加熱部分とを有する製品を、第1の高エネルギー電界と1又は複数の連続的低エネルギー電界とを含む複数のマイクロ波電界内を移動させることにより、匂い、味、質感、色又はビタミン量といった質を損なわずに製品を殺菌するのに十分な、均一な所定温度にまで加熱する連続法であって、前記第1のマイクロ波電界が、製品のマイクロ波高速加熱部分を所定の温度に加熱するのに十分なエネルギーレベルまで減衰し、前記連続的低エネルギー電界が、高速加熱部分の温度を維持し、かつ低速加熱部分を所定の温度にまで加熱するのに十分なネルギーレベルまで減衰し、前記連続的低エネルギー電界内の製品の移動が、製品の低速加熱部分が所定の温度に達するまで続けられる連続法に関する。
Hofmannに交付された米国特許第4,524,079号明細書は、食品及び容器などの比較的電気抵抗の高い物質を電磁コイル内に置き、強度が約2から約100Teslaの間であって、周波数が約5から約500kHzの間の振動磁界の1又は複数のパルスに当てる発明に関する。単一パルス磁界によって微生物の個体数は一般に少なくとも約2桁減り、物質をさらなるパルスに当てることによって、実質的な完全無菌状態により近づく。
Kozempel et al.に交付された米国特許第5,962,054号明細書は、液体状食品の非熱的処理のために開発された方法であって、結果として、微生物の個体数を著しく減少させ、したがって腐敗を減らし、貯蔵寿命を延長するような方法に関する。この新規な方法は、マイクロ波エネルギー又は高周波エネルギーなどの電磁エネルギー(EME)を急速に印加することと、循環冷却媒体及び効率の良い熱交換器などを使うことによって、本方法によって発生し得る熱エネルギーを同時除去することを含む。
Nikdel et al.に交付された米国特許第5,667,828号明細書は、マイクロ波エネルギーを使ってカンキツ類のジュースを低温殺菌するシステム及び方法に関する。このシステム及び方法は、その中を間断なくジュースが流れる複数のマイクロ波チャンバーを提供するものであり、この連続して起こる流れによって、気づくことができるほどに風味を損なうことなく、ジュースを低温殺菌するのに十分な、ゆるやかな温度上昇が可能になっている。
Charm et al.に交付された米国特許第5,389,335号明細書は、ウイルス汚染物などの病原物質又は微生物を不活化又は減らすための、熱感受性液体状物質用高温短時間マイクロ波加熱システム10に関する。
Naumann et al.に交付された米国特許第4,624,854号明細書は、食糧を連続して殺菌する方法及びその方法を実行するのに好適な装置に関する。この発明によりマイクロ波エネルギー量を相当節約できるが、このような発明は、複数の連続した段階を設け、その各段階において逐次食糧にマイクロ波を照射し、殺菌の対象である物品の温度を各段階でモニターし、モニターした温度によってマイクロ波エネルギーの量を段階から段階へ段階的に減らすことによって達成される。
Nissim et al.によって出願された米国特許出願第20040156958号明細書は、パッケージの利点のすべてを備えており、輸送過程においても製品を良好な状態又は安全で高品質な状態に保ち、製品をねかせておく時にもまた良好な状態に保ち、また販売期間においても製品を良好な状態に保ち、さらに製品を常に細菌の無い雰囲気下に置くような食品パッケージの製造及び組立に関する。この方法で使う真空度は低い(decreased vacuum)が、すべての食品にとって最も安全な期間は徹底的に延びている。フィルタパッケージの特徴は、フィルタ効率やフィルタ能力を高めるため、並びに物質の汚染及び被毒を除くための大小の粒子の物質処理のためにフィルタをマイクロチップで構成することができることである。製造された食品のパッケージは、パッケージを使わないほとんどの時間折りたたんでおくことができ、それは主に硬質プラスチック又は別の非金属から作られる。
有史以来、カビ胞子の増殖を防ぐことは困難な仕事である。カビや細菌の増殖は絶えず存在し、その急速な増殖故に、それを避けることは事実上不可能であり、一方では、増殖を抑制することは特に手ごわい仕事であることが証明されている。このような難問は消耗品に関しては特に顕著である。
カビ増殖の全コロニーを、導電性、対流による熱移動、及び放射能を利用した方法で除去することはできるが、消耗品の本来の食糧としての特性がそのプロセスにおいて無になることが多い。例えば、1片のパンを焼くのにトースターを使うと、微生物が除去されることはないにしろ、その増殖量は必ず減る。しかしながら、本来の硬さや嗜好性はパンが加熱されている間に変化してしまっている。マイクロ波を長い時間照射しても同様の効果を生み、おそらく標準化された加熱技術に比べて多くのカビを除去することになるであろう。しかしながら、制御されていない放射線量は製品本来の独自性を破壊する。
現在、カビのコロニーの駆除には導電性と対流による熱移動が最も一般的に使われている。一般人の間に最も広く浸透しているのは、沸騰水の機能性に類似しているとの考えである。すなわち、物質に十分な熱が加えられれば、細菌の増殖及びその物理的存在の両方ともが破壊されるであろうとの考えである。この考えが優勢であるのは、おそらく、加熱することによって問題としている食糧の物理的性質がかなり変わるためであろう。例えば、カビの生えたパンをトーストすると、緑色の斑点を伴った白っぽい色は茶色又は黒色に変わる。しかしながら、カビの生えたパンをマイクロ波の中に置いても同じような変色は起きない。このように、最初に存在していたカビの胞子が根絶されていても、存在しているように見えるのである。これは、変色が無いことによってしばしば生じるありふれた誤解のせいである。
熱及び放射線のエネルギーを使ってカビ、細菌、及びその他の微生物を駆除することは比較的簡単なことであり、広く知られている。しかしながら、必要とされる最小エネルギー量の正確な値は知られていない。生物に十分な量の熱又は放射線のエネルギーを投入すれば、その生物のさらなる存在は防止されることになろう。熱力学により微生物の増殖を破壊するのに必要な熱の投入量については正確な計算値が明らかにされているが、放射線によってもたらされる同等の機能についてはなぞのままである。確かに、科学は、5分間を上回って食糧にマイクロ波を照射するとその目的が達せられるということを明らかにしてはいるが、最小限の時間によって食品の本来の独自性を維持しつつ、放射線によって細菌の増殖を阻止するという侵襲性の低い方法は、いまだ先行技術によって教示されていない。
米国特許第6,274,858号明細書 米国特許第7,154,103号明細書 米国特許第6,546,646号明細書 米国特許第6,496,736号明細書 米国特許第5,440,104号明細書 米国特許第4,808,783号明細書 米国特許第4,524,079号明細書 米国特許第5,962,054号明細書 米国特許第5,667,828号明細書 米国特許第5,389,335号明細書 米国特許第4,624,854号明細書 米国特許出願第20040156958号明細書
本発明により食品の保存状態を良くするための方法が提供される。食糧の例としては、天然産物(例えば、未加工の果物、野菜、肉、卵、乳)及び加工食品(例えば、パン、穀類を原料とした製品、ソース、チーズ、乳製品、調味料、加工肉及びジャム)が挙げられる。本発明は、1又は複数の食品にマイクロ波の1又は複数のパルスを照射することによって、食品の貯蔵寿命を延長する方法を提供する。前記1又は複数の食品には、マイクロ波の1又は複数のパルスを少なくとも7秒間照射する。前記1又は複数の食品は、容器内に配置されて密閉することができる。一実施例においては、容器が密閉されたままである限り、容器内の微生物活性は低減するか又は抑制される。本発明は、食品媒介病原菌、例えば大腸菌(E. coli)、サルモネラ属種(Salmonella sp.)、カンピロバクター属種(Campylobacter sp.)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、赤痢菌属種(Shigella sp)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、酵母、並びにカビを制御するために使うことができる。本発明を使って、果物及び野菜、穀物製品、肉及び家禽製品(卵を含む)、並びに乳製品を含めた多様な食糧を処理することができる。
本発明の別の方法は、食品にマイクロ波の1又は複数のパルスを少なくとも5、7、8、9、10、15、25、30、又は60秒間照射し、前記1又は複数の食品を容器内に置き、さらに前記容器を密閉して、容器が密閉された状態にある限り前記容器内の食品媒介病原菌が低減又は抑制されるようにすることによって食品を保存する方法を含む。このため、本発明は、加工又は未加工食品の貯蔵寿命を延長するために使うことができる。本発明はまた、食品を少なくとも7秒間マイクロ波の1又は複数のパルスで処理することによって作った食品も含む。食品は、マイクロ波の1又は複数のパルスを少なくとも7秒間照射され、容器内に配置される。この容器は密閉してもよい。食品中の微生物活性は、容器が密閉された状態にある限り低減又は抑制される。
本発明はまた、容器内で食品にマイクロ波の1又は複数のパルスを少なくとも7秒間照射することによって、その食品の貯蔵寿命を延長する方法を提供する。マイクロ波を照射する前、間又は後に容器を密閉すれば寿命は延長される。マイクロ波パルスによって容器内の微生物活性が抑制されることは判明している。
本発明はまた、1又は複数の食品表面の1又は複数のカビ集団を低減するためのキットを含む。前記キットは、マイクロ波の1又は複数のパルスに少なくとも7秒間耐え得る、密閉可能でかつマイクロ波に使える容器と、容器内に配置された食糧を開封し、照射し、密閉するための説明書とを含む。本発明において開示される他の方法では、1又は複数の食品の水分レベルが保持されるようになっている。また別の方法によれば、1又は複数の食品の水分活性及び/又は1又は複数の食品の柔らかさを保持することができる。また、1又は複数の食品の嗜好性が保持されるような方法も採用することができる。その他の方法によれば、1又は複数の食品の硬さを保持することができる。さらに1又は複数の食品が加工食品であっても、加工食品であってもよいことを理解されたい。1又は複数の食品の貯蔵寿命を延長する方法は、1又は複数の食品にマイクロ波の1又は複数のパルスを少なくとも7秒間照射する工程と、前記1又は複数の食品を容器内に置き、それによって1又は複数の食品表面又は付近の1又は複数の微生物活性を抑制する工程とを含む。
本発明の特徴及び利点をより十分に理解するために、以下の本発明の詳細な説明を添付の図面と共に参照する。
マイクロ波処理後(0日)の、カビを植菌した白パンにおけるカビ集団の変化を示すグラフである。 マイクロ波処理後(60日)の、カビを植菌した白パンにおけるカビ集団の変化を示すグラフである。 ビウレット(Biuret)定量(R2=0.99)によって測定した、マイクロ波技術によって処理された殻付き卵の卵白のタンパク質濃度を示すグラフである。 チオバルビツール酸反応性物質(TBARS−R2=0.99)によって測定した、マイクロ波技術によって処理された殻付き卵に生じる経時的酸化変化の質的評価を示すグラフである。 過酸化物価(PV)によって測定した、マイクロ波技術によって処理された殻付き卵に生じる酸化変化を示すグラフである。 スライスハムに対する本発明のシステム及び方法の使用を示すグラフである。
本発明の様々な実施形態の作成及び使用について以下に詳しく論ずるが、本発明は、様々な特定の状況において具体化し得る、応用可能な発明概念を提供するものであることを理解されたい。本明細書で検討される具体的な実施形態は、単に本発明を作成し、使用する具体的方法を説明するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の理解を容易にするために、若干数の用語を以下に定義する。ここで定義する用語は、本発明に関連する分野の当業者によって普通に理解される意味を有するものである。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記(the)」などの用語は、単数のものだけに言及することを意図するものでなく、説明のために使用し得る具体例が属する部類全体を含むものである。本明細書の専門用語は、本発明の具体的実施形態を説明するために使われるが、特許請求の範囲で述べられる場合を除き、本発明を限定するものではない。
本明細書で使用される単数形又は複数形の用語「食品(Food)」及び「食糧(Foodstuffs)」は、種々の食品、食品製剤、食品前駆体、乾燥又は脱水食品を含むものであり、また種々の甘味剤、香味剤、酸性度調節剤、着色剤、増粘剤、テクスチャー調整剤及び/又はその他添加剤を含んでいてよい。食糧の例としては、天然産物、例えば未加工の果物、野菜、肉、卵、乳並びに加工食品、例えばパン、穀類を原料とした製品、ソース、チーズ、乳製品、調味料、加工肉及びジャムなどが挙げられる。例えば、一般的な加工食糧には、パン、雑穀パン、白パン、クラッカー、クッキー、酵母、ふすま、穀物、オート麦、ペストリー、シリアル、米、キッシュ、小麦、ドーを原料とした製品、デンプンを原料とした製品、穀物粉を原料とした製品、聖餅又はクルトンなどが含まれる。
米国では毎年、約76,000,000件の食品媒介疾患が発生しており、325,000件の入院があり、5,000人が食品媒介疾患により死亡している(Mead et al.、1999年)。米国における食品媒介疾患の経費は、生産性損失と医療費で年間50億ドル〜60億ドルと推定されている(Marks and Roberts、1993年)。畜牛、豚及び家禽などの家畜がこれら病原菌の主な保菌宿主であると考えられている。食品の安全性は、人の健康問題と食品業界が直面する経済問題の両面において米国では深刻な懸念材料となっている。
動物との接触の可能性がある産物だけでなく、動物由来の食品も米国においては特別重要な問題である。多くの果物及び野菜は、有機肥料を施されている可能性があり、したがって動物由来の食品媒介病原菌に汚染されている可能性がある。食品媒介病原菌を制御するために植物の加工において実行し得るような新規かつ革新的な技術は、米国食品業界の最大の関心事である。消費者もまた、食品供給によって引き起こされる健康リスクに関心を寄せている。
病原菌を制御するために食物の加工環境において、新たな介入を実行する前に、いくつかの問題と取り組むことが重要である。まず第1に、その介入は、食品医薬品局(FDA,the Food and Drug Administration)及び/又は米国農務省(USDA,the United States Department of Agriculture)などの規制当局の認可を得なければならない。本発明者らは新規介入できる発明を開発し、イタリアのItaca New Tech S.r.l.社によって開発されたこの新規マイクロ波技術の認可手続きを始めるために両当局とコンタクトをとっている。第2に、介入は業界にとって実用的なものでなければならない。実用性には、設備のコスト、設備の安全性(人)、及び現行の操業を顕著に遅らせることのない設備の適合性を含む。業界にとってもう1つの重大な問題は、加工が最終的な製品品質に与える影響である。重要なことだが、新規技術によって製品が著しく変化するようなことがあってはならない。最後に、消費者に受容されることも重大な問題である。なぜならば、消費者がその製品を買わなければ新規技術の市場の成功はあり得ないからである。
本発明は、1又は複数の食品にマイクロ波の1又は複数のパルスを照射することによって、前記1又は複数の食品の貯蔵寿命を延長する方法を提供する。前記1又は複数の食品は、マイクロ波の1又は複数のパルスに少なくとも7秒間照射される。前記1又は複数の食品は、容器内に配され密閉される。容器が密閉されたままである限り、容器内の微生物活性は抑制される。
前記マイクロ波の1又は複数のパルスの照射時間は、カビ増殖を所望の程度まで低減させるよう、当業者が必要に応じて変えることができる。例えば、パルス時間は、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20秒又はそれより長くてもよい。また、パルス時間は、例えば0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9秒などの非常に短い時間間隔であってもよい。これには、複数のパルスの組合せと複数のパルス時間の組合せを含むことができる。
前記マイクロ波の1又は複数のパルスは、約1GHz(30cm)から300GHz(1mm)の範囲の波長のうち1又は複数の波長を含む。一実施例では、約2.0GHzから3.0GHzの間にある1つの波長、例えば2.45GHz(12.2cmの波長に相当)を含む。前記1又は複数の食品は、1又は複数のパルスの1種のパルスにおいて、マイクロ波の1又は複数のパルスを照射される。前記パルスは波長が同じであっても異なっていてもよく、持続時間が同じであっても異なっていてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明は、食糧の大規模加工に使用し得るパルスマイクロ波照射のシステム及び方法である。一実施例では、デバイスは、食糧の複数の大きなトレーを収容するように設計することができる。例えば、デバイスは、1つ1つ包装された個々の品目を照射するのに要求されるような小さいものから、多品目をのせた複数の大きなトレーの加工を可能にするデバイスまで設計することができる。中規模用としては、デバイス内のチャンバーの長さは0.5〜5メートル、幅は0.3〜3メートルとすることができる。マグネトロンの数及び位置はターゲットの大きさ、形状、数及び通過時間によって異なるが、一実施例においては、デバイスは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、20、25個又は50個ものマグネトロンを有する。それらマグネトロンは直列、並列、直角に位置決めすることができる。或いはまた、位置決めは、本発明の方法を使った処理のターゲットとなる食糧によって変更可能又は調整可能である。マグネトロンの位置は加工工程の間に変化してもよい。いくつかの実施例においては、マグネトロンは回転マグネトロンである。
マグネトロンはオンデマンドで活性化することができ、手動又は自動的に活性化することができるが、1又は複数の予めセットしたプログラムに従ってもよいし、或いは食糧ごとにリアルタイムでプログラムするようにしてもよい。いくつかの実施例においては、マグネトロンは必要な場合にのみ、また最小限の時間で活性化されて所与の効果をもたらす(例えば、ターゲットに対して10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100%のエネルギー効率)。このため、本発明は環境に調和するように設計することができる。パルスの出力及び周波数は、ターゲットによって一定であっても変動してもよい。いくつかの実施例においては、出力はマグネトロン当たり1.5KWであってもよく、使用する周波数は2.45MHzであってもよい。総出力は、「ポテンショメータ」(potentiometer)からのフィードバックに基づいて機械的に、電気的に、又はソフトウェアを介して調節されることができる。マイクロ波の周波数は、一般にマグネトロンの製造業者が決めるが、ターゲットによって、デバイスの設計者が特定の周波数、又は周波数若しくはマグネトロンの周波数の組合せを選択することができる。
いくつかの実施例においては、ターゲットとなる食糧によって、加工はバッチ処理であっても、連続処理であっても、又は両方であってもよい。加工の種類は、食糧の種類やその大きさ及び/又は形状、食糧に送達される総エネルギー及び/又は食料の効果的加工に必要とされるエネルギー量によって決まる。発明を限定しない必要エネルギー量、加工時間等の例を、以下の実施例に示す。デバイスに関しては、その大きさ、形状、加工の種類(バッチ、連続など)、使用場所、重量、可搬性、並びにエネルギー送達及びエネルギー変化性などはユーザーのニーズによって決まる。例えば、(現場での使用目的で)最小限の重量、可搬性及び耐久性を要求するいくつかの実施形態においては、制御システムは、多様な電圧及び電流のみならず電圧及び電流の広い変動に対応するために電源装置内に含まれていてよい。このような制約のない加工の場合、システムをより大きくすることができ、その電源装置の要件もそれほど厳格でなくてよい。
加工の種類(連続、バッチなど)及び加工の方法(総エネルギー、エネルギー変化性、ターゲットとマグネトロンの位置の関係など)は、食糧の大きさ、形状及びその加工に要求される処理量によって異なる。食糧の種類(パン、卵、肉など)及びそのパッケージ(プレパッケージ、個別パッケージ、バルクパッケージであるか)は、エネルギーの量及び照射線源の照射下食糧に対する待ち時間のみならず、照射線源の位置を左右する。食糧の寸法及び形状は、それらパラメータの多くを左右する。1つの重要なパラメータは、材料の種類、材料の密度及びその形状(不均整対均整)のみならず、食糧中の水、液体又は湿気の量である。別の変数は、食糧表面に存在し得る潜在的なターゲット及びそのマイクロ波に対する感度である。発明を限定しないマイクロ波のターゲットの例としては、細菌性、真菌性、ウイルス性、蠕虫又は寄生虫性ターゲットが挙げられる。本発明を使用して使われる全エネルギー量は、いくつかの実施例においては、食糧(多くの場合すでに調理されているか(例えばパン、クラッカー、肉等)又は未調理の状態である(肉、卵等)と思われるが)を調理しないことを意図したものである。ターゲットにマイクロ波を照射するデバイスのチャンバーに挿入されるベルト、トレー、パッケージ又はいかなる材料も、一般に、1回又は複数回のマイクロ波の暴露に対して使えるようになっている。いくつかのデバイスにおいては、デバイスは開放型(open ended)であってもよいし、マイクロ波遮蔽用の1又は複数のドアを含んでいてもよい。
加工環境もまた、食糧及び加工の種類によって異なると思われる。いくつかの実施形態においては、マイクロ波エネルギーに加えてチャンバーを加熱した方が好都合である。他方、他の実施形態においては、食糧は加工の前、間及び/又は後に冷えた状態にすることがあり、凍った状態にすらすることがある。いくつかの実施例において、食糧は、マイクロ波エネルギーがターゲットに照射されると同時に、或いはマイクロ波照射後に調理及び/又はパッケージされることがある。本発明と共に使うことができるその他の環境要因には、例えば、チャンバー及び/又はパッケージへの1種又は複数種のガスの添加、存在又は置換(例えば二酸化炭素、酸素、窒素、ヘリウムなど)が含まれる。イオンを含むフィルタをデバイスの前、途中及び/又は後ろに置いてもよい。
パンの処理
実施例として、カビ胞子を植菌し、パッケージ化したパンを様々な用量でマイクロ波処理し、室温で保存した。パンの対照試料はカビ胞子を植菌せず、マイクロ波処理しなかったが、パッケージ化され同じパラメータ下で保存した。試料を経時的に採取し、パン上に生存するカビの総量を測定し、官能特性における処理の効果を経時的に評価した。デュプリケートの試料を調製し、カビの増殖を経時的にパン上で見ることができるかどうかを測定した。最終結果を以下に要約する。
パンの微生物学的な分析を0日目及び60日目に行い、異なる継続時間(秒単位)でマイクロ波殺菌処理されたカビ集団の抑制を測定した。統計の安定性を確保するため、この分析のために合計4つのレプリケーションを使用した。
マイクロ波殺菌の概念
マイクロ波は、電磁場を生成する。双極性分子は磁場の方向に一列に並び、高周波で振動し始める(放射エネルギーの運動エネルギーへの変換)。双極性分子は囲まれるため、分子の摩耗及び/又は摩擦が起こり、発熱する。しかしながら、発熱だけが振動及び摩擦の結果ではない。マイクロ波はまた、食品を構成する双極性分子間の振動を増大させることができる。この現象は、食品中の双極性分子間の引力及び摩擦を増大させ、結果として細菌の生体機能を抑制する。これにより、熱のみを使用するよりも低温で細菌を破壊することができる。さらに、マイクロ波は、食品を劣化させたり、調理したりすることなく細菌を選択的に破壊することができる。なぜならば、細菌が存在する食品部位で、細菌が易熱性となる温度にまでマイクロ波の温度が上昇するからである。
一般的に、この技術は従来の(例えば、家庭の)マイクロ波技術とは以下の要因で異なる:(1)このマイクロ波装置は、水平回転運動を使用する。従来の電子レンジは回転運動のみを有する。電子レンジの場合、食品に対するマイクロ波照射は、より均一である。(2)このマイクロ波装置は、いくつかのマイクロ波源を有する(例えば、水平及び垂直)一方で、従来の電子レンジは単一源のみを有する。したがって、出力はより広範囲に多様化し、チャンバー内でのより均一的な出力分散を提供することができる。(3)運動による発熱に加えて、本発明のマイクロ波装置は、二酸化炭素を使用して急速冷却を用いる。この装置は、国際安全規約及び手順に基づき製造される。
本発明に使用されるマイクロ波周波数は、(12.2cmの波長に対応して)約2.45GHzであり、米国において認可されている。しかしながら、当業者であれば他のマイクロ波周波数を用いることができることを認識するであろう。マイクロ波は、急速にマイクロ波源より短い波長を消散し、マイクロ波の漏出に関連する問題を解消する。
図1は、カビを植菌した未処理のパン試料におけるカビの初期カウントである約103.3cfu/gから、10秒間のマイクロ波処理(出力約80%)後に検出不可能なカビ胞子レベルにまでカビ集団が減少したことを示す棒グラフである。対照となるパンにはカビを植菌せず、そのバックグラウンドカビ集団は約101.5cfu/gであった。103.3cfu/gというカウント数と検出不可能な胞子レベルとの差はカビ集団が99.9%減少したことを示している。この結果は、パンへの10秒間のマイクロ波処理がカビ胞子の除去に大いに有効であり、カビ胞子総数の統計的に有意な経時的減少を示している。
表1に、マイクロ波処理直後のパンにおいて観察されたカビの平均カウント数を示す。
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図2は、60日の保存期間後のパンに施された微生物分析を示す棒グラフである。予想通り、全ての試料で0日目より高いカビ数をカウントした。10秒間のマイクロ波処理をした試料は、0日目に得た結果と比較してカビのカウント数が約101.5に増加していた。しかしながら、10秒間のマイクロ波処理をした試料の60日目のカビカウント数は非常に少なく、60日間の保存期間後、目に見えるカビの増殖はなかった。パン1切れ中のカビの量である101.5cfu/gは、サンプリング周期0日目の対照のパンに確認されたカビの量に近い。対照のパン及び9秒以下のマイクロ波処理をした試料のカビは、約106.0cfu/gをカウントし、10秒間マイクロ波処理されたパン試料のカビのカウント数と比べて顕著に多かった。再度、10秒間の処理がパン中及びパン上のカビを減少させることに有効であることを示している。
60日間にわたる試料の目視観察
60日間にわたって、毎日パンを観察し、可視のカビの増殖があるかどうかを確認するために、パンのデュプリケートの試料を調製した。概して、9秒以下のマイクロ波処理をした4つのレプリケーション全てにおいて、処理後6日目から16日目の間にカビが増殖を始めた。対照的に、10秒間マイクロ波処理した試料は、60日間表面上のカビの増殖を示さなかった(処理後17日目の試料1つを除く)。この結果により、60日間にわたりパン上のカビを抑制するのに10秒間のマイクロ波処理で十分であることを確認できた。この結果は、微生物学的実験結果と一致した。これら2つの試料は、60日間の保存後の、未処理又は未植菌の対照のパンと10秒間のマイクロ波を照射された処理されたパンの比較を示している。60日後のパンの質において可視的差異はなかった。表2は、60日間の保存後のパン上における平均カビ数を示す。
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60日目の所見:「対照のパン」の試料(すなわち、未処理)は、平均106.0cfu/gのカビを含んだ。5、6及び7秒間マイクロ波処理された試料は、対照試料と近かった。パンを、80μmの薄さのポリエチレンフィルムのWinpak社製 VAK 3Lパッケージ中に置いた。10秒間マイクロ波処理されたパンでは、60日目のカビの増殖が、対照のパン及び5、6及び7秒間処理されたパンのカウント数より99.99%より少ない101.53 cfu/gだけであった。8及び9秒間パンをマイクロ波で処理することによっても、対照及び8秒間未満処理された試料と比較して、カビのカウント数が顕著に少なかった。
消費者の試食モニターを処理された、植菌されていないパンで行った。4日間の保存後、三点比較法を使用して、「対照パン」及びマイクロ波「処理パン」を比較した。三点比較法は、処理パンと対照パンとの間の差異を検出するのに使用され、例えば2つの試料は同じ(例えばマイクロ波処理パン)であるが、1つの試料は対照であるため、異なる。この実験により、パネリストは対照パン及び10秒間マイクロ波処理したパンの間で、味又は見た目において差異を見つけることはできず、カビの増殖を抑制するのに有効な処理が、製品において顕著な官能的変化をもたらさないことを示した。
パンの試料についてまた、水分活性(Aw)、柔らかさ及び総水分量を客観的に測定した。0、7、14、21、28、45及び60日目の測定値を分析した。未処理の対照パンにおける総水分量は、60日間の保存後顕著に減少した。マイクロ波処理のパンの水分量もこれと経時的に変わらなかった(例えば、表3参照)。水分活性についても同様の傾向が観察された(例えば、表4参照)。0日目から60日目のパンの柔らかさに顕著な変化はなかった(例えば、表5参照)。
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上記は、10秒間マイクロ波処理をパンに行うことによって、60日目まで顕著にカビのカウント数、及び対照における可視的なカビカウント数が減少することを示している。客観的及び主観的測定の両方においても、10秒間の処理を施すことによって、パンの官能特性に変化をもたらさないことを示している。本発明の処理方法を用いて、パンの保存期間を延長し、カビの増殖を妨げることができる。
0日目の所見:対照の未処理のパンは、カビを101.43cfu/g有した。マイクロ波処理前に103.3cfu/gのカビを植菌されたマイクロ波処理パンにおいて、6、7、8、9及び10秒間のマイクロ波処理後、カビの総カウント数が顕著に減少した。10秒間のマイクロ波処理の後、カビの総カウント数は、検出不可能なレベルにまで減少した。
表3、4及び5で見られるように、対照と10秒間マイクロ波処理されたパンとの水分量に差異は観察されなかった。10秒間マイクロ波処理されたパン試料及び対照のパン試料は両方とも60日間を過ぎると硬くなる傾向があった。0日目から60日目まで、対照のパン試料とマイクロ波処理パンとの柔らかさに顕著な変化はなかった。本明細書に記載されている実施形態は、本発明のいかなる方法、キット、試薬又は組成物に対しても実施することができ、その逆も可能と考えられる。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を実現するのに使用できる。

マイクロ波が、通常殻付き卵にみられる、サルモネラ腸炎菌(Salmonella Enteritidis)(SE)等の病原菌を熱破壊及び非熱破壊することを示した。この研究の目的は、マイクロ波技術を使用することによって、殻付き卵に害をもたらすか、栄養面で影響を及ぼすかを究明することであった。処理は、対照とマイクロ波処理であった。ミネラル含有量、脂肪酸プロフィール、ハウユニット(Haugh unit)、破損スコア(broken out score)、卵黄係数、乳化安定性、全卵pH、起泡力に差異はなかった(P≧0.05)。卵白熱凝固は、マイクロ波処理卵において有意に高かった(P≦0.05)。0日目には、水分活性測定値について有意差は観察されず(P≧0.05)、30日目までには、処理卵と対照卵との間の水分活性に差異はなかった。起泡安定性は、マイクロ波処理卵が対照卵より有意に高かった(P≦0.05)。対照卵はマイクロ波処理卵よりも有意に高い乳化安定性を有した(P≦0.05)。卵黄膜の強度は、0日目、15日目及び30日目においてマイクロ波処理卵が顕著に高かった。硬度、卵黄の色及び卵白の色について、0日目、15日目又は30日目に落とし卵を使用して官能検査で測定したが、顕著な差異はみられなかった。マイクロ波処理卵は、0日目及び15日目に有意に強度の高い卵黄膜を有した(P≦0.05)。0日目に、対照の卵白の色は、マイクロ波処理卵より顕著に黄色く、カラザ(chalazae)は対照と比較してより付着しているようにみえた(P≦0.05)。0日目には、TBARSは、0日目、15日目及び30日目の全ての処理で同様であったが、PV値は、0日目のマイクロ波処理卵が有意に高かった(P≦0.05)。しかしながら、15日目及び30日目ではPV値における顕著な差異はみられなかった(P≧0.05)。したがって、マイクロ波技術は、殻付き卵の質又は栄養素含有量に有害な影響を与えることなく適用することができる。
卵の等級は、質に大いに影響を与える。産みたての卵は、保存及び環境条件次第でAA又はAに等級分けされる。しかしながら、卵は一度産み落とされると、質は劣化し始める。温度及び関連する湿度等の適切な保存条件をもって、卵質の低下を最小限にすることができる。卵が古くなるとpH値の上昇がみられ、これは重炭酸塩緩衝系のためである。殻の気孔から卵の二酸化炭素及び水分が拡散する。これにより、卵白のpH値が7.9から9.3までに上がる。卵黄のpH値は約6.2であり、通常ほとんど上昇はみられない。二酸化炭素はニワトリの代謝経路の産物であり、炭酸及び重炭酸緩衝剤を形成する。水分及び二酸化炭素の減少によりpH値が上がり、重炭酸塩緩衝系が損なわれる。重炭酸塩緩衝系がないと、卵はpH値の変化に耐えられない。重炭酸塩緩衝系に起こる変化は、卵タンパク質の機能において重要な役割を担う。

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卵に対して消費者が持つ第一印象は、物理的特徴に基づいている。卵殻は、石灰化した殻及び内卵殻膜と外卵殻膜を含む卵殻膜からなる(Nakano et al.、2003年)。この卵殻膜は、細菌の卵への侵入を防止し、また卵白の質の保持を補助する機能がある。卵質は、保存条件、環境ストレス及び鶏の緊張等の多くの異なる状況が影響する。Ahmadらは、熱ストレスを受けたトリにおけるハウユニットのスコア及び卵黄係数の低下が、卵白中のタンパク質合成の減少及び水分分泌の増大に起因する可能性が高いことを発表した(1967年)。Wolfensonらは、卵黄粘度、起泡安定性、エンジェルケーキのボリューム及び卵黄の乳化能力の低下は、トリが環境温度の上昇に暴露された結果であることを示した(1989年)。Kirundaらは、熱ストレスの結果、トリの食料消費が減少し、栄養を消化する能力が低下したことは、全体として産卵及び卵の質の特性に影響を及ぼす重要な要素であると記載した(2001年)。
Scott 及び Silversidesによれば、卵殻の色は一般消費者から必要以上に注目を受けている(2000年)。Scott 及び Silversidesは、卵殻の色と栄養素含有量にはほとんど又は全く関係がないが、卵殻の色は鶏の品種を表示していると記載した(2000年)。主に、白い卵を産むレイヤー鶏(layer)は、白色レグホーン種(White Leghorn breed)の商業系統からきている。茶色の卵を産む主なレイヤー鶏は、横斑プリマスロック(Barred Plymouth Rock)、ロードアイランドレッド(Rhode Island Red)、ロードアイランドホワイト(Rhode Island White)、オーストラロープ(Australorp)、ニューハンプシャー(New Hampshire)及び他品種を含むいくつかの兼用品種を含む(Scott 及び Silversides、2000年)。
観察による差異が、卵白においてみられた。卵白の高さが通常等級付けに使用され、卵重に対するこの数値がハウユニットの基準となる。卵白は、水様卵白と濃厚卵白の2つの構成に分かれ、である。Leeson 及び Castonは、水様卵白の特徴について事実上ほとんど情報がないことを示した(1997年)。Leeson 及び Castonは、水様卵白の特徴に関する多くの苦情が2年間にわたり報告されたと記載した(1997年)。一部の卵は、割った際に、水様卵白が平面にすばやく広がるという問題を有し、前記苦情の多くが、平坦なグリル上で卵を調理するファーストフード産業から寄せられた(Leeson 及びCaston、1997年)。卵白の質に関する問題は、主に保存時間と関係している(Sills、1997年;Saveur、1976年)。なぜならば、時間が経過すると濃厚卵白におけるpH値が変化し、タンパク質の特徴の変化及びハウユニットの低下が生じるからである(Leeson及びCaston、1997年)。卵の保存期間中にpH値が上昇するため、卵白の水様化もまた、糖タンパク質であるオボムチン(ovomucin)のo‐グリコシド結合した炭水化物単位の消少の原因であると考えられる(Kato et al.、1979年)。
ハウユニットは、卵白の質を計測する方法に使用される(Stadelman及びCotterill、1995年)。ハウユニットは、卵重を濃厚卵白の高さに関連付ける単位である。Stadelman及びCotterillは、ハウユニットの数値が高ければ高いほど、卵白の質がよいことを記載した(1995年)。ハウユニットは、保存期間中の変化による濃厚卵白の流動化を評価するのに使用される標準的パラメータである(Berardinelli et al.、 2003年)。卵黄を囲む卵黄膜は、卵質において重要な役割を担う(Heath、1976年)。Romanoff及びRomanoffは、保存期間中、卵白からの浸透移動により卵黄内の水分が増加し、その結果、卵黄膜が引き伸ばされて卵黄が流れ出ることを示した(1949年)。Kidoらは、主要な構造糖タンパク質である糖タンパク質IIの卵黄膜における分解が、卵黄膜の完全性が経時的に失われる原因の一部であると結論付けた(1976年)。
低温殺菌は、病原菌なしの食品を製造するための時間及び温度に依存的な変数に基づく方法である。諸外国の全卵の低温殺菌の要件は以下の通りである:ポーランド(66〜68℃)、中国(63.3℃で2.5分間)、オーストラリア(62℃で2.5分間)及びデンマーク(65℃で90〜180秒間)(Cunningham、1995年)。しかしながら、USDAの低温殺菌の要件は、全卵が最低でも60℃に到達して3.5分間殺菌しなければならないことを示している(USDA、1980年)。2000年には、FDAが新鮮卵におけるサルモネラ菌を減少させるための電離放射線を認可した。粘度及び色の多少の変化はあったものの、化学組成に対する影響は示されなかった(Froning et al.、 2005年)。水浴、熱風及びその組合せ(水浴及び熱風)等の他の低温殺菌方法は、殻付き卵において病原菌負荷を減少させることに使用され、成功した例がある。しかしながら、低温殺菌の適用は卵の機能タンパク質に影響することがある。温度が53℃を超えると、卵白の起泡力に対するダメージが増加する。Powrie及びNakaiは、卵白を58℃で2分間加熱した時、エンジェルケーキのボリュームが減る一方で、卵白濁度及び粘度が増加することを示した(1985年)。Houらは、低温殺菌の方法として水浴加熱を使用すると、卵白粘度の減少及び濁度の増加を引き起こし、部分的なタンパク質の変性が起こったことを示していると断定した(1996年)。しかしながら、Houらはまた、ハウユニット、pH値、卵黄係数及び色は水浴加熱による大きな影響を受けなかったと結論した(1996年)。起泡力は、界面に泡と共に混ざる空気の量であり、一方の起泡安定性とは設定された時間に起こる排水量である。Houらはまた、起泡力及び起泡安定性が増進されたと結論した(1996年)。増進された起泡安定性及び起泡力は、タンパク質の展開及び卵白の表面疎水性の増加として説明された(Hou et al.、1996年)。したがって、無傷の殻付き卵に対するマイクロ波技術の使用、及びその結果として生じる卵質の影響に関する研究はほとんど行われなかった。本研究の目的は、マイクロ波技術が適用された時に、卵質は影響されるかどうかを以下のように測定することであった;マイクロ波技術が適用された時、5週間経過した卵質は影響をうけたのかどうかの測定;マイクロ波技術の適用が殻付き卵の酸化の増加を引き起こすかどうかの測定;マイクロ波技術により殻の官能特性が影響をうけるかどうかの測定。
試料調製
AA等級の卵(Lサイズ)を地元の食料品店より得た。全ての卵を到着時に明かりに透かして見て、AA等級の卵が使用されることを確認した。各処理あたり約207個の卵(茶色及び白色)を下記の処理に暴露した(表6)。ここでのマイクロ波は水平及び回転運動を使用する。従来の電子レンジは回転運動のみを有する。この方法により、食品のマイクロ波への暴露がより均一になる。このマイクロ波技術はまた、マイクロ波のいくつかの源を有する。すなわち、水平及び垂直である。この手順で、より広い数値範囲にわたって出力を変えられ、チェンバー内において、より均一な出力の分配を提供することができる。従来の電子レンジでは1つの源のみを有する。加熱に加えて、この機器はCOを使用する急速冷却を利用する。
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これらの卵をマイクロ波で20秒間照射し(2.45GHz;波長12.2cm;80%マグネトロン出力)、ピストン振動2回、及び処理の最後に30秒間冷却のためにCOを適用した。処理完了後、卵の内部の温度が45〜50℃に達するように温度を確かめた。この温度範囲は、サルモネラ腸炎菌が60℃で3.5分間で破壊されるという理由により選択された。しかしながら、より高速な加熱で短時間でもサルモネラ腸炎菌を十分に減少させることができる。処理に続いて、卵を室温まで冷まし、4℃の冷却器に移して24時間の平衡時間放置した。3個1組のセット群におけるマイクロ波殺菌によって生じ得る卵間変動を減らすために、これら207個の卵をプールした。ランダムに選択した試料から全ての質と栄養組成成分を得た。卵の外側の温度を質の測定が行われる前に測定した。
乳化力
Harrison及びCunninghamによって記載された手順(1986年)を用いて、卵黄の乳化容量を測定した。卵黄15g及び食用酢20mL(5%酢酸)をOsterizer社のブレンダーの「混合(mix)」の設定で10秒間混合した(出力167W )。その後、20mLの大豆油を添加し、混合物を20秒間ブレンドした。連続的に混合しながら、エマルジョンの「決壊」を示唆する粘着性ゲルが液体に突然変化するまで、50mLのビウレットから油を追加で滴下した。油の合計量(最初の20mLを含む)を卵黄のグラム数で割り、乳化力として測定した(Huang et al.、 1997年b)。
乳化安定性
卵黄の乳化安定性を遠心分離により測定した。パラフィンオイルを乳化前に染色した(オイル100gにスーダンIII(Sudan III)0.2g)(Arkad et al.、1985年)。エマルジョンの20mLのアリコートを均質化し、目盛管に散布し、180gで21℃にて2.5分間遠心分離した。遠心分離後の初期乳化における分離層の容積比を乳化安定性として記録した(Matringe et al.、1999年)。
起泡力(FC)及び起泡安定性(FS)
起泡力及び起泡安定性をMcWatters 及びCherry(1977年)並びにKitabatake 及びDoi(1982年)の方法に修正を加えた方法にしたがって測定した。タンパク質懸濁液(50mL)を400mLビーカーにて、ホモジナイザーを使用して10,000rpmで1分間泡立てた;その後、前記試料を100mLのメスシリンダーに注いだ。起泡力は容積の増加率(%)で示され(Poole et al.、1984年;Matringe et al.、1999年)、以下のように計算された:
FC(%)=(泡容積−初期タンパク質懸濁液容積/初期タンパク質懸濁液容積(50mL)*100
起泡安定性(FS)の実施例の排水は、(2時間後メスシリンダーの底に現れた)重力により泡から排水された液体の容積を計測した後、測定され、それは以下の計算に基づいた:
FS(%)=(排水された液体の容積/初期のタンパク質懸濁液の容積50mL))*100(Matringe et al.、 1999年)
ビウレット測定
卵白中のタンパク質の割合を測定するために、アルカリ性条件下で銅塩と容易に結合する2つ以上のペプチド結合を含む物質の観察に基づくビウレット法を使用した。その物質は、540〜560nmの波長で紫色の錯体を形成し、分光光度計(spectrophometer)(Genesys 20)にて測定された。標準曲線の測定に、ウシ血清アルブミンの標準タンパク質濃度曲線(10.0mg/ml、7.5mg/ml、5.0mg/ml、2.5mg/ml BSA)を使用した。
卵黄膜強度
万能試験機(UTM)を使用して卵黄膜を測定した。このUTMは、改良されたエクストルージョン・フードセル(extrusion food cell)及び5kgの引張/圧縮両用ロードセル(tension-compression load cell)を備えていた。エクストルージョン・フードセルはUTMの圧縮ヘッドに適合するように特に設計された。改良されたエクストルージョン・フードセルは、8.89cm×10.16cm(縦×横)のアルミ合金の上に搭載した5.4cm×4.06cm(縦×横)のシリンダーからなった。鋭利ではない0.32cm離れて切られた0.02cmのオープンスレートが、シリンダー底部の表面全体を被覆した。測定の前に、無傷の卵白を有する10個の全卵をエクストルージョン・フードセルの中心に個々に置いた。個々の卵をエクストルージョン・フードセルの中心に置き、卵黄膜を破裂させるために必要な力(g)が測定された(Kirunda及びMcKee、2000年)。全ての卵は、卵の温度の差異により引き起こされる測定における変動を防止するために、分析前に室温(22±2℃)に調整された。
色の測定
色をMinolta社の色差計CR−43を使用して測定した。白色の発泡スチレンの皿に卵を置き、10個の卵黄及び卵白の異なる3ヶ所の色を試験した。明度(L)、赤み(a)及び黄み(b)の値が測定された。色相角を式tan−1(b/a)で計算し、彩度を次の式√(a+b)で計算した。
破損スコア
10個の卵を白色の発泡スチレンの皿に割り、Stadelman及びCotterrill(1995年)にしたがい、AA、A又はBのいずれかのスコアを付けた。
殻の厚み
ランダムに選んだ10個の卵において、Ames社の マイクロメータ(S-6428)を使用して卵殻内側のランダムな3ヶ所で計測することによって卵殻の厚みを測定した。
卵重
10個の卵を実験前に1/10グラム単位の最近値まで重量計測した。計測後、卵をハウユニット(HU)、卵黄係数、卵殻の厚みの測定のために発泡スチレンに卵を割り入れた。
ハウユニット
卵重を重量計測し、白色の発泡スチレンの皿の上に割り入れ、ハウユニットを測定した。手動のハウユニット分析器(Ames社製25M−5マイクロメーター)を使用して、卵白の高さを測定し、ハウユニットを計算した。
ハウユニット=100log{H-[√G(30W0.37-100)/100]+1.9}
H - 卵白の高さ(ミリメーター)
G - 32.2
W - 卵重 (グラム)
pH値
各処理別にランダムに選択された10個の卵を使用して、24時間の平衡時間の後にpH値を測定した。卵白と卵黄とを分別した。約5gの卵白及び約5gの卵黄を400mLのビーカーに入れ、各々のビーカーに蒸留水45mLを添加し、ハンディタイプのブレンダーを使用して十分に混合した。卵白と卵黄とを30秒間混合し、10%のスラリー溶液を調製した(AOAC, 1990年)。卵黄及び卵白各々からpH値を計測した後に、これら2つのpHスラリー溶液を合わせて注入し、卵黄及び卵白を合わせたpH値を得た。スラリー溶液のpH値は、pHメーター(Accumet Basic AB-15)及びロー・メンテナンスのpH三極管を使用して測定された。
卵黄係数
卵黄係数は、卵黄の幅で卵黄の高さを割って規定する(Stadelman及びCunningham、1995年)。この係数は、デジタルキャリパー(digital calipers) (Marathon社製Digital Calipers)を使用して測定された。
卵白の熱凝固
卵白濁度を使用して、卵白の熱凝固を測定した。濁度測定は、水を基準として、Genesys 20を使用して600nmで分析した(Shimada及びMatushita、1980年)。卵白濁度の増加は、卵白吸光度の増加及び乳白光の減少と相関した。
チオバルビツール酸(thiobarituric acid)反応性物質
0日目、15日目及び30日目において、30日間にわたる処理をうけた卵黄における酸化レベルの測定にTBARSを使用した。チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)を使用して、卵黄の酸化を測定した。TBARS法における卵黄の試料重量は約5gであった。Spanier及びTraylorが記載した方法(1991年)を使用した。直接化学/抽出法を用いることで、原型である蒸留法よりもより早い分析を可能にした。この方法を使用すると、Spanier及びTraylor(1991年)によるチオバルビツール酸と他の過酸化脂質よりも、チオバルビツール酸とマロンアルデヒド間の色素の形成を最大化される。Genesys20にて、キュベットを計測し、試料の吸光度を測定した。波長532nmの吸光度0、2.5、5、7.5及び10(mg(マロンアルデヒド)/mL)で検量線を作成した。
過酸化物価
過酸化物価を使用して、30日間にわたり0日目、15日目、30日目において、各処理をうけた卵黄の酸化レベルを測定した。卵黄の試料重量は約5gであった。クロロフォルム及びメタノールを使用する米国油化学会(American Oil Chemists' Society)(AOCS)の過酸化物価法(1989年)を用いて試料を分析し、過酸化物を試料1kgで割ったミリグラム当量(mEq)として報告した。
官能パネル
6人のトレーニングを受けたパネリスト(4人の女性及び2人の男性)を使って官能分析をおこなった。落とし卵を食することに意欲を示したテキサス工科大学(Texas Tech University)の教員陣、スタッフ及び学生からトレーニングを受けたパネリストは構成された。官能研究所のAnimal and Food Sciencesビルにおいて、トレーニングを受けるパネリストのための1回約20分間の6回のトレーニングセッションが開かれ、これらセッションは一週間にわたっておこなわれた。トレーニングセッションの間、パネリストたちは評価することになる卵の部分の専門用語を教わった。パネリストたちは、各々の極端な特性を示す新鮮な卵及び古い卵を用いて、トレーニングを受けた。トレーニングを受けたパネリストは、風味及び質感のプロフィール法を使用して、記述式官能分析に参加した。卵白及び卵黄の厚みによる変動が最小限となるように、卵を落とし卵用カップに入れた。各卵試料に3桁のランダムなコードを割り振り、パネリストが処理による先入観にとらわれないように配慮した。落とし卵を、内部温度が72℃になるように調理し、又は「高」で5分間調理した。3桁のランダムなコードとともに、卵を白色の発泡スチレンの皿に出した。パネリストたちに、通常の照明下で、個人用ブースの中で同時に卵の試料1つが出された。卵の調理済及び生の特性を0日目、15日目、30日目で評価した。パネリストたちは卵を摂取しないように指示された。
トレーニングの後に、トレーニングを受けたパネリストは4つの卵を評価した。これは1‐非常に柔らかいから8‐非常に硬い(一例であり、特性によって変化する)まである固定値を有する記述式試験を用いておこなわれた。パネリストは、(卵白に切り込んで)硬さ、卵黄の色、及び卵白の色等の特徴を評価するように依頼された。
トレーニングを受けたグループは、4つの卵(調理前の‘生’)を視覚的に評価するように依頼された;これについて、明度について卵黄の色を1‐淡いから8‐濃い(一例であり、特性によって変化する)まである固定値を有する記述試験を用いておこなわれた。グループは以下の特徴を評価するように依頼された:卵黄膜の強度、カラザの付着性、卵黄の色及び卵白の色。
統計分析
完全無作為化法を用いて、SAS 2003(N.C.州Cary)を使用して分散分析(ANOVA)によってデータを分析した。卵の色型に相互作用はないため、茶色及び白色の卵をプールした。際立ったF値が得られた時は、P≦0.05を使用し、Duncanの多重範囲検定(Duncan’s multiple range test)を用いて平均値を区分した。
卵質
卵質は、複数の方法によって測定することができる。卵は、タンパク質の泡形成、乳化及びタンパク質増強等の多くの食物機能によって知られている。殻付き卵は、USDAによって定められた等級として知られる標準グループに分類される。食品の安全性を理由に卵の処理に使用された方法は質にも影響する。この研究の結果は卵重において差異がなかったことを示した(表7)。対照卵及びマイクロ波処理の卵間の殻の厚みには差異はなかった。破損スコアは平らな表面において測定された。0日目の視覚測定によって全ての卵は、AA級として測定された。
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ハウユニットも、鶏卵業界において用いられる最も一般的な方法であるため、質の情報にアクセスする方法として用いられた。マイクロ波処理卵と対照卵との間でハウユニットの測定値に顕著な差異はなかった(P≧0.05);ハウユニット値は(81.3〜81.4)となった。これらの測定値は、USDAによるAA等級の卵の境界値である73を超えていた。これは、厚みのある卵白が、卵質の低下を結果としてもたらす、薄化を始めなかったことを示す。Kato及び他は、卵の保存中にpH値が上昇するため、卵白の薄化が糖タンパク質であるオボムチンのo‐グリコシド結合している炭水化物単位の減少につながっていることを示した(1979年)。卵黄係数はまた、卵質の測定に使用された(表7);マイクロ波処理卵と対照卵との間に顕著な差異はみられなかった(P≧0.05)。測定された卵黄係数値はKeenerらが見い出した卵黄係数値(2006年)と類似していた;しかしながら、彼らの測定はA級の卵に対してであった。
卵質は多くの方法によって測定することができる。それら方法には、ハウユニット、卵黄係数及び破損スコアが含まれる。5週間保存した卵の重量に差異はみられなかった(表8)。対照卵は、マイクロ波処理卵よりも有意に厚い殻を有した(P≦0.05);差異が観察されたのは、卵殻膜の劣化が理由かもしれなかった。5週目には破損スコアにおける差異はみられなかった。ハウユニットにおける対照卵と処理卵との間にも有意差はなかった(P≧0.05)。したがって、ハウユニットに基づいた卵質に対しては、マイクロ波処理が悪影響を及ぼすことはないことを示している。卵黄係数に対しても差異はみられなかった(P≧0.05);しかしながら、これらの値は保存0日目で得た数値と類似している。
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タンパク質の分解
「熱凝固」という用語は、卵黄及び卵白におけるタンパク質の熱変性及び凝集の過程を記載するのに使用される。卵白タンパク質は、pH7で変性する卵白タンパク質の種類によって、3種類の温度で熱変性することが示される。65℃で変性するコンアルブミン、74℃で変性するリゾチーム、及び84℃で変性するオボアルブミンである(Powrie及びNakai、1985年)。タンパク質の変性は、水素結合の切断、ポリペプチド鎖の螺旋の解除、反応基への暴露を含む(Powrie及びNakai、1985年)。表9では、マイクロ波処理卵が対照と比べて有意に高い吸光度を有した(P≦0.05)ことを示すが、これは卵白タンパク質が凝固したことを示す。卵白タンパク質は、4つの個々の成分として検討することができる。オボアルブミンは卵白の主要タンパク質である。しかしながら、熱に暴露されると急速に凝固する。コンアルブミンは、熱変性に対する感受性がオボアルブミンより低い。オボムコイドは、熱凝固に対して高い耐性を有する。リゾチームの不活性化は、時間及びpHに依存する。
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卵のタンパク質の泡は卵白タンパク質を用いて構成される。泡は、コロイド系で、気泡が水相に分散される(Damodaran、1997年)。液相で気泡を安定させるには、両親媒性分子が必要である(Liang et al.、 2005年)。発泡剤を安定強化させるために、数種類のタンパク質を使用することができる。球状タンパク質である卵白タンパク質では、かかるタンパク質の部分的なアンフォールディングによって表面疎水性及び柔軟性が高まり、そのため、より有効な界面活性剤となり、起泡性が向上する(Liang et al.、2005年)。Kilara及びHarwalkarは、熱処理を適用することは値段が高くつき、起泡性に悪影響を及ぼしかねないタンパク質凝集という結果を生んでしまうと記載した(1996年)。しかしながら、pH値を変えることによって、タンパク質のアンフォールディングが生じることを示した。最近の研究では、タンパク質を僅かに変性させることによって起泡安定性を強化できることを示している(Liang et al.、2005年)。卵白は、水溶性タンパク質を含み、かかるタンパク質は、表面活性化合物として、空気−水界面に移動することができる(Powrie及びNakai、1985年)。前記タンパク質は、空気相に向かう疎水基及び水相に向かう親水基に順応する(Powrie及びNakai、1985年)。変性したタンパク質は、種々の物理的及び化学的結合を通して相互作用し、攪拌された卵白の気泡の封じ込みを強化する、凝集タンパク質の膜を生成する。Powrie及びNakaiは、泡を生成する際に、疎水性会合はタンパク質凝集において重要であると記載した(1985年)。凝集したタンパク質は、ラメラに水分を保有し、構造的な剛性及び弾性を提供することによって、起泡安定性において重要な役割を担う。凝集したオボムチンは、卵白泡の起泡安定性において非常に重要な役割を担う。表10は、パーセンテージで示される起泡性(P≧0.05)に対する有意差はなかったことを示し、マイクロ波処理によって起泡性を司るタンパク質の加熱及び変性が生じなかったことを示している。しかしながら、マイクロ波処理卵は、対照卵よりも高い割合の起泡安定性を有した(P≦0.05);これらの結果は、卵白タンパク質を加熱すると起泡安定性が増加することを確認した、Liangらによって見い出された結果(2005年)と類似している。熱は、マイクロ波の副産物であるから、卵白タンパク質が僅かに変性し、起泡安定性を間接的に増加させることができた。
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卵白は多数の異なるタンパク質から構成されている。しかしながら、これらのタンパク質は、熱により劣化しやすい。したがって、マイクロ波技術を適用した時に卵白のタンパク濃度が影響を受けるかどうか、ビウレットを用いて測定した。これらのデータは、マイクロ波処理卵が対照卵と比較して有意に低いタンパク濃度を有したことを示す(P≦0.05)。
水分活性に対する保存の影響
微生物の増殖において、水分活性は非常に重要な役割を担う。微生物の生存及び増殖は、制限された水の条件下において、pH値及び酸素を含む要素に大きく依存している(Chinachoti、2000年)。ほとんどの細菌の増殖が0.85未満の水分活性で抑制されるが、卵は0.96の水分活性を有し(表11)、微生物の増殖のための理想的な環境を提供する。0日目では(表11)、全ての処理卵と対照卵とが同様の水分活性を有した。30日目までには、全ての処理卵と対照卵とが、0日目の水分活性よりも低い、同じような水分活性を有した(表11)。保存期間中のHO及びCOの損失が原因であろう。
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pH値に対する保存の影響
表12は、マイクロ波技術が有した0日目の卵のpH値に対する効果を示す。卵黄、卵白並びに卵黄及び卵白の組み合わせを含む、複数の測定がおこなわれた。処理卵と対照卵との間に卵白のpH値における差異は観察されなかった(P≧0.05)。産みたての卵白のpH値は、各々(7.6〜8.5)である。しかしながら、37°Fでの保存3日後には、卵白のpH値は9.18まで上昇した(Stadelman及びCotterill、1995年)。このことは、得られたデータにおいて明白である。0日目では、マイクロ波処理卵は、対照卵より高い卵黄のpH値を有した。産みたての卵の卵黄のpH値は各々6.0である。しかしながら、保存中に卵黄のpH値は各々6.4〜6.9への上昇を示した(Brooks及びTaylor、1955年)。マイクロ波処理された卵黄のpH値は各々(6.53)に上昇した。(卵黄及び卵白の)組み合わせのpH値は対照卵と比べてマイクロ波処理卵において有意に高くはなかった(P≧0.05)。全卵のpH値の平均は約7.0である。このデータから各々7.37〜7.47のpH値が示された。このpH値における上昇は、重炭酸塩緩衝系中のCO及びHOの損失が原因と考えることができた。
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卵は、保存条件及び保存期間で大いに影響を受ける。卵が古くなると、水分及び二酸化炭素が卵の気孔を通して放出される。この放出が、卵のpH値を上昇させ、ひいては卵白の質及び卵白タンパク質の急速な劣化をもたらす。5週目において、マイクロ波処理された卵白のpH値又は対照のpH値において差異は観察されなかった(P≧0.05)(表13)。これらのpH値は、0日目に測定されたpH値と近かった。したがって、保存中に卵の劣化はほとんど又は全くなかった。卵黄のpH値は、マイクロ波処理卵と比べて対照卵において僅かに低かった(P≦0.05)。しかしながら、卵黄のpH値はマイクロ波処理卵において有意に高かった。僅かに劣化がおきたのかもしれなかった。(卵黄と卵白との)組み合わせのpH値は、マイクロ波処理卵より対照卵が僅かに新鮮だったことを示した(P≦0.05)。
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乳化特性への効果
卵黄自身がエマルジョンである。エマルジョンとは、水性の成分の連続相において油滴が分散しているものである。卵黄は、有効な乳化剤である。
エマルジョンの安定性は、内相と外相の容積の合計に対して内相の容積の割合に基づいて、3つのクラスに分けることができる(Deis、2002年)。低い割合(≦0.30)は、低い内相の割合を示している。例えば、乳は水中油型エマルジョンである。中内相(medium internal-phase)(0.30〜0.70)の例として、ヘビー・クリームがある。高内相(≧0.70)は、マヨネーズ及びサラダ用ドレッシング等の水中油型エマルジョンである。表14は、処理卵と対照卵が低内相エマルジョンとして考えられることを示している。乳化安定性において、処理卵と対照卵とは同程度であった(P≧0.05)。
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レシチンは、卵黄中にみられる、広く一般に用いられる天然の乳化剤である。レシチンは、多種多様に適用され、乳化剤、インスタンタイザー(instantizer)、離型剤及びコリン・サプリメントとして供給することができる。レシチンは、水中油型エマルジョンの構造を好む(Nawar、1985年)。安定したエマルジョンの形成には十分な量の乳化剤が必要である。Cunninghamは、過量な乳化剤は卵黄の乳化力を減少させるという有害作用を示した(1975年)。乳化力の差異が確認された(表14)。マイクロ波処理卵は、対照卵より有意に低い乳化力を有した(P≦0.05)。タンパク質が部分的に変性すると乳化力が増加することが示された。卵白の起泡性及び卵黄の乳化は、部分的なタンパク質の変性及びタンパク質の暴露された疎水性と密接に関係することが見い出された(Huang et al.、1997年)。
卵黄の質
Smolinska及びTrziszkaは、卵黄膜の選択特性が卵の保存期間及び条件に依存することを記載した(1982年)。卵黄膜の強度が、長期間にわたる低温保存中に減少することが確認された(Jones et al.、2002年)。卵黄膜の強度に影響する要素は、卵白の質に影響する要素と同じであることが示された(Fromm及びLipstein、1964年)。卵が古くなると、全体的な卵質が劣化する。この劣化は、保存条件に依存する。Kido et al.は、糖タンパク質IIとして知られる主要な構造糖タンパク質が卵黄膜内で分解することが、卵黄膜の完全性が経時的に損失する要因の一部であると報告した(1976年)。表15では、マイクロ波照射された殻付き卵の卵黄膜の強度を示す。0日目では、対照卵の場合、膜を破裂させるのに必要な力は有意に低かった(P≦0.05)。マイクロ波処理卵の場合、卵黄膜を破裂させるのに必要な力が顕著に高かった。これは、マイクロ波処理により卵黄に加熱調理された部位が生じることから説明できるであろう。15日目及び30日目では、マイクロ波処理卵は、対照卵と比較して卵黄膜を破裂させるのに必要な力が有意に高かった(P≦0.05)。卵黄に加熱調理された部位がいくつかあったが、加圧中は、卵黄全体の中心にプローブが置かれるように注意した。対照卵が卵黄膜の強度を損なうことは、卵黄が膨らんで卵黄膜が引き伸ばされ弾力性が失われることにより説明できる。Kirunda及びMcKeeは、新鮮な全卵は、577.10gの卵黄膜強度を有していなければならないと示した(2000年)。この数値は、本研究において得られた数値と似ている。
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官能特徴におけるマイクロ波効果
卵の外観は、消費者の購買意欲に非常に重要な役割を担う。したがって、本研究において色(L*、a*、b*)が測定された。表16は、マイクロ波処理の卵黄が対照卵より有意に淡色であったことを示す(P≦0.05)。a*値は、マイクロ波処理卵が対照卵と数値が類似していたことを示す(P≧0.05)。b*値は、マイクロ波処理卵が対照卵と数値が類似していたことを示す(P≦0.05)。処理卵と対照卵との色相又は彩度に差異はみられなかった(P≧0.05)。Huangらは、保存条件下で卵黄の色が微かに濃くなったことを観察した(1997年b)。しかしながら、卵黄L*が(56.9〜57.7)であったことをデータは示した。これらのL*値は、今回の研究で得た数値と非常に類似していた。
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表17は、マイクロ波照射された殻付き卵の卵白の色分析を示す。L*値(明度)、a*、b*、色相、又は彩度に有意差はみられなかった(P≧0.05)。
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保存5週目に、処理卵と対照卵との間にL*、a*、b*、色相、又は彩度に有意差はみられなかった(P≧0.05)(表18)。しかしながら、卵白の色の変化は明白であった(表19)。処理卵と対照卵との間に、L*、a*若しくはb*、又は色相値に差異はみられなかった(P≧0.05)。しかしながら、対照卵の彩度はマイクロ波処理卵より有意に低かった(P≦0.05)。
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高等級卵(AA)は、レストラン及び産業での用途に必要とされる。主な理由として、レストランで調理されるほとんどの卵が目玉焼きか両面焼きであることが挙げられる。これらの調理方法は、卵黄が調理過程で破裂しないように非常に強い卵黄膜を必要とする。しかしながら、目玉焼き又は両面焼きを調理するのは、官能分析をするにあたって非常に難しい方法である。なぜならば、焼き時間、焼き温度及び卵白の焦げ方によって違いが生じるからである。故に、落とし卵を官能分析に使用した。0日目において、硬さ、卵黄の色、卵白の色に差異はみられなかった(P≧0.05)(表20)。しかしながら、15日目までは(表21)、硬さ、卵黄の色又は卵白の色の特性について差異はみられなかった。30日目には、マイクロ波処理卵と対照卵との間で、硬さ、卵黄の色又は卵白の色に差異はみられなかった(P≧0.05)(表22)。0日目、15日目及び30日目において、主観測定(官能分析)は、卵黄の色における客観測定(色差計)と相関した。
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官能特徴は、生の対照及びマイクロ波処理卵においてもみられた(表22)。0日目には、マイクロ波処理卵の卵黄膜は、対照卵よりも強かった(P≦0.05)。これは、卵黄膜強度の向上をもたらす卵黄における加熱調理された部位の形成に関連しているかもしれない。マイクロ波処理卵は対照卵よりカラザの付着性が僅かに低かった(P≦0.05)。卵黄の色は、マイクロ波処理卵と対照卵との間に有意な差はなかった(P≧0.05)。対照卵の卵白は、マイクロ波処理卵に比べて微かに黄色味を帯びていた(P≦0.05)。15日目では、マイクロ波処理卵がまた、対照卵と比べてより強い卵黄膜を有した(P≦0.05)(表23)。マイクロ波処理卵と対照卵との間で、カラザの付着性、卵白の色又は卵黄の色に差異はみられなかった(P≧0.05)。30日目には、卵黄膜強度、カラザの付着性、卵黄の色又は卵白の色の官能特性に差異はみられなかった(P≧0.05)(表21)。
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官能データを、卵黄膜の強度についてUnited Testing Machineを使用して得た客観的データと比較した。0日目及び15日目に、官能データはUTMを使用して得た客観的データと相関した。しかしながら、30日目のデータは、卵黄膜強度において類似しなかった。卵の温度が、差異がみられないことの要因だったのかもしれない。
卵の酸化安定性
卵黄は、ポリ不飽和脂肪酸を大量に含んでいる。このポリ不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸より、酸化しやすい傾向にある。卵黄は、31.8〜35.5%の脂肪を含む。TBARS(チオバルビツール酸反応性物質)及びPV(過酸化物価)の2つの方法を用いて、酸化を測定した。TBARSを用いた、処理卵と対照卵との経時的な酸化測定は、0日目及び15日目に行われ、処理卵と対照卵との酸化安定性に有意差はみられなかった(P≧0.05)。30日目までには、処理卵と対照卵における酸化物質の含有量は同程度だった。しかしながら、これらの数値は、15日目に得た酸化物質の含有量よりも低かった。これは、マロンアルデヒドとよばれる化合物をTBARSが測定するという理由により説明することができる;酸化プロセスが続くと、マロンアルデヒドがエポキシド又はフランとして知られる三次酸化物に転換される。図6は、過酸化物価により測定された処理卵の酸化測定値を示している。マイクロ波処理卵は、0日目に対照卵と比較して顕著に高い過酸化物価含有量を有した。しかしながら、15日目及び30日目には、過酸化物価における有意差がみられなかった(P≧0.05)。過酸化物価の減少は、過酸化物価が過酸化物として知られる化合物を測定し、これら過酸化物は安定性がなく、容易に破壊され、二次、三次酸化物に転換される一次酸化物であるという理由により説明することができる。
多くの変数が卵の質に影響を及ぼす可能性があるが、これら変数の一部には、貯蔵期間、貯蔵条件、及び輸送の間の取扱いなどが含まれる。しかしながら、マイクロ波技術は乳化力に関しては若干の質の低下をもたらすものの、マイクロ波処理卵の起泡安定性は増大することが証明されている。5週間の貯蔵期間で、卵の質にわずかな変化が認められた。これらの処理は5週間貯蔵の時点でAAグレードの範囲内であったが、このことは貯蔵条件が厳密に調節され、かつ卵が適正に取り扱われていたことを示すものである。
卵黄膜の強度及び卵黄の色に関して、主観的測定値は、United Testing Machineで得られた客観的測定値と相関関係にあることが証明された。マイクロ波技術の使用によって、卵全体には最小限の変化しかもたらされなかったが、卵黄内の調理された部位及び調理されたカラザ等の、見て分かる違いがいくつか認められた。しかしながら、調理された箇所の大きさ及び卵黄内での位置には違いが見られた。最大の質の不良の原因はマイクロ波エネルギー分離による急速加熱であったが、マイクロ波処理卵の場合、貯蔵期間を通じてごくわずかな変化しか見られなかった。
デリミート中のリステリア
ハムについて検討した。スライスハムは薄い。ハムを10秒間処理するとリステリア菌数の対数減少率は0.84であった。20秒間処理した時、その減少率は1.04であった。図6は、本発明のシステム及び方法をスライスハムに使った場合を示すグラフである。
本明細書において説明される特定の実施形態は、実例として示すものであって本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の主な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく様々な実施形態において採用することができる。当業者ならば、本明細書で説明される特定の方法に対して多くの同等物を認識するか又は通常の実験法を使って確認できるであろう。このような同等物は本発明の範囲内にあるとみなされ、特許請求の範囲に包含される。
本明細書で言及したすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関係する当業者の技量の程度を示すものである。各刊行物又は特許出願を具体的に個々に示し、参照して組み込むのと同等にすべての刊行物及び特許出願を参照して本明細書に組み込む。
特許請求の範囲及び/又は本明細書において用語「含む(comprising)」と連結して使われる場合の単語「1つ(a)」又は「1つ(an)」は、「1(one)」を意味することがあるが、「1又は複数(one or more)」、「少なくとも1(at least one)」及び「1又は1を上回る(one or more than one)」という意味とも両立する。特許請求の範囲において用語「又は(or)」を使用する場合、二者択一のみに適用されると明記されていない限り又は二者択一の選択の対象が相互に排他的でない限り、「及び/又は(and/or)」を意味するために使用される。ただし、二者択一のみと「及び/又は」に関する定義は、発明の開示によって裏付けられる。本特許出願全体を通して、用語「約(about)」は、ある値が、デバイスやその値を決定するために採用される方法の誤差の固有の変動、又は研究課題に存在する変動を含むことを示すために使われる。
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、用語「含む(comprising)」(及び「comprise」や「comprises」などの含む(comprising)の任意の形)、「有する(having)」(及び「have」や「has」などの有する(having)の任意の形)、「含む(including)」(及び「includes」や「include」などの含む(including)の任意の形)、又は「含有する(containing)」(及び「contains」や「contain」などの含有する(containing)の任意の形)は、包含的で、非制限的であって、さらに追加される、引用されていない要素又は方法の工程を排除しない。
本明細書で使用される用語「又はそれらの組合せ(or combinations thereof)」は、この用語の前に列挙される品目の順列及び組合わせのすべてを言う。例えば、「A、B、C又はそれらの組合せ」は、A、B、C,AB,AC,BC又はABCの少なくとも1つを含むことを意図するものである。ある特定の文脈において順序が重要である場合、BA,CA,CB、CBA、BCA、ACB、BAC又はCABも含まれる。この例を続けるならば、BB、AAA、CC、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの1又は複数の品目又は語の繰り返しを含む組合せも明らかに含まれる。文脈から明らかでない限り、任意の組合せの品目又は語の数に制限がないことを、当業者なら理解するであろう。
本明細書に開示及び特許請求される組成物及び/又は方法のすべては、本開示を考慮して、過度の実験なしに作りまた実施することができる。本発明の組成物及び方法を好ましい実施形態によって説明してきたが、本発明の概念、精神及び範囲を逸脱することなく、本明細書に記載のこれら組成物及び/又は方法、並びにその方法の各工程又は一連の工程に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。このような当業者に明らかな類似の代替及び変更も、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神、範囲及び概念の範囲内にあるものとする。
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Claims (27)

  1. 1又は複数の水平マイクロ波照射源、及び1又は複数の垂直マイクロ波照射源を設ける工程、
    1又は複数の食品を、水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに、少なくとも7秒間暴露する工程、
    前記1又は複数の食品を、前記マイクロ波照射の複数のパルスのために水平運動及び回転運動させる工程、
    前記1又は複数の食品を容器内に配置する工程、及び
    前記容器を密閉し、それによって容器が密封されている限り容器内の1又は複数の微生物活性を抑制する工程
    を含む、1又は複数の食品の貯蔵寿命を延長する方法。
  2. 微生物活性がカビの増殖又は細菌の増殖を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 微生物活性が、大腸菌、サルモネラ属種、カンピロバクター属種、リステリア・モノサイトゲネス、赤痢菌属種、クロストリジウム属種又はブドウ球菌属種の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 1又は複数の食品の1又は複数の特徴が少なくとも部分的に保持され、それら特徴が水分レベル、水分活性、柔らかさ、嗜好性、噛みきりにくさ、硬さ及びそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
  5. マイクロ波照射の複数のパルスが約2.45GHzの1又は複数の波長を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 1又は複数の食品が、パン、クラッカー、酵母、ふすま、穀物、オート麦、キッシュ、小麦、ドーを原料とした製品、デンプンを原料とした製品、穀物粉を原料とした製品、聖餅、クルトン、ペストリー、シリアル、米、パスタ、ソース、チーズ、乳製品、調味料、加工肉、ジャム、及びそれらの組合せから選択される加工食品を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 1又は複数の食品が、果物、野菜、肉、卵又は乳から選択される未加工食品を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 1又は複数の水平マイクロ波照射源、及び1又は複数の垂直マイクロ波照射源を設ける工程、
    1又は複数の食品を、水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに、少なくとも7秒間暴露する工程、
    前記1又は複数の食品を容器内に配置する工程、及び
    前記容器内に食品を密閉し、食品の貯蔵寿命を延長する工程
    を含む、食品の保存方法。
  9. 食品が、果物、野菜、肉、卵、乳、パン、クラッカー、酵母、ふすま、穀物、オート麦、キッシュ、小麦、ドーを原料とした製品、デンプンを原料とした製品、穀物粉を原料とした製品、聖餅、クルトン、ペストリー、シリアル、米、パスタ、ソース、チーズ、乳製品、調味料、加工肉、ジャム、及びそれらの組合わせを含む、請求項8に記載の方法。
  10. マイクロ波照射の複数のパルスが約2.45GHzの1又は複数の波長を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 1又は複数の食品を、水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに、少なくとも7秒間暴露する工程、
    前記1又は複数の食品を容器内に配置する工程、及び
    前記容器を密閉し、それによって容器が密閉されている限り容器内の病原体を抑制する工程
    を含む、1又は複数の食品を保存する方法。
  12. 1又は複数の食品の1又は複数の特徴が少なくとも部分的に保持され、それら特性が水分レベル、水分活性、柔らかさ、嗜好性、噛みきりにくさ及び硬さの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
  13. マイクロ波照射の複数のパルスが約2.45GHzの1又は複数の波長を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 1又は複数の食品が、パン、クラッカー、酵母、ふすま、穀物、オート麦、キッシュ、小麦、ドーを原料とした製品、デンプンを原料とした製品、穀物粉を原料とした製品、聖餅、クルトン、ペストリー、シリアル、米、又はパスタを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 病原体が、酵母、カビ又は細菌である、請求項11に記載の方法。
  16. 病原体が、大腸菌、サルモネラ属種、カンピロバクター属種、リステリア・モノサイトゲネス、赤痢菌属種、クロストリジウム属種又はブドウ球菌属種の少なくとも1つである、請求項11に記載の方法。
  17. 請求項1に記載の方法に従って加工されている、貯蔵寿命が延長された食品。
  18. 水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに少なくとも7秒間耐え、密閉可能で、かつマイクロ波に使える容器と、中に食糧が配置された密閉可能で、かつマイクロ波に使える前記容器の使用、暴露、密閉の説明書とを含む、1又は複数の食品表面の1又は複数のカビの個体数を低減するためのキット。
  19. 1又は複数の水平マイクロ波照射源、及び1又は複数の垂直マイクロ波照射源からのマイクロ波であって、1又は複数の食品をマイクロ波照射の複数のパルスに少なくとも7秒間暴露することができると共にそのようにプログラム可能な、1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長で密閉容器中にそのマイクロ波エネルギーを指し向けるマイクロ波と、
    食品が保存される前記密閉容器中において前記食品を暴露するための密閉容器と
    を含む、食品保存用システム。
  20. 食品が、果物及び野菜、穀物製品、肉及び家禽製品(卵を含む)、並びに乳製品から選択される、請求項19に記載のシステム。
  21. 微生物活性が、大腸菌、サルモネラ属種、カンピロバクター属種、リステリア・モノサイトゲネス、赤痢菌属種、クロストリジウム属種又はブドウ球菌属種の少なくとも1つを含む、請求項19に記載のシステム。
  22. 1又は複数の食品を、水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに、少なくとも7秒間暴露する工程と、
    前記1又は複数の食品を容器内に配置する工程と、
    前記容器を密閉し、それによって容器が密閉されている限り容器内の1又は複数の微生物活性を低減する工程
    を含む、食品中の食品媒介病原菌を低減する方法。
  23. 1又は複数の食品を、水平マイクロ波照射源及び垂直マイクロ波照射源からの1GHzから300GHzの間の1又は複数の波長を有するマイクロ波照射の複数のパルスに、少なくとも7秒間暴露する工程と、
    前記1又は複数の食品を容器内に配置し、それによって1又は複数の食品表面又は付近の1又は複数の微生物活性を抑制する工程
    を含む、1又は複数の食品の貯蔵寿命を延長する方法。
  24. 微生物活性がカビの増殖又は細菌の増殖を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 微生物活性が、大腸菌、サルモネラ属種、カンピロバクター属種、リステリア・モノサイトゲネス、赤痢菌属種、クロストリジウム属種又は黄色ブドウ球菌の少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
  26. 1又は複数の食品が、パン、クラッカー、酵母、ふすま、穀物、オート麦、キッシュ、小麦、ドーを原料とした製品、デンプンを原料とした製品、穀物粉を原料とした製品、聖餅、クルトン、ペストリー、シリアル、米、パスタ、ソース、チーズ、乳製品、調味料、加工肉、ジャム、及びそれらの組合せから選択される加工食品を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 1又は複数の食品が、果物、野菜、肉、卵又は乳から選択される未加工食品を含む、請求項23に記載の方法。
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