JP5390482B2 - グラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法、並びにグラフェン及びグラファイト薄膜基板の作製方法 - Google Patents
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Description
触媒金属を、複数の島状の凝集体とすることで、グラフェンが形成される土台となる触媒金属表面の範囲を、別々に分離、限定し、多数のグラフェン及びグラファイト薄膜を同時に作ることができる。
また、土台となる触媒金属が結晶化して、原子配列が揃うことにより、その上に形成されるグラフェンの原子配列も揃いやすくなり、欠陥が少なく、質の揃った良質なグラフェン及びグラファイト薄膜を形成できる。
また、膜状の触媒金属を加熱、凝集することで形成される多数の前記結晶島は、触媒金属の膜厚、加熱条件、触媒金属と基板材料との親和性、及び基板表面のテラスとステップの構造を、制御及び選択することにより、それぞれ同じ大きさに形成され、かつ互いに等間隔で、又は配列して前記基板上に配置させる。これにより、規則正しく配置され、かつ大きさの揃ったグラフェン及びグラファイト薄膜を量産することができる。
さらに、前記結晶島は、前記基板とほぼ平行な結晶面を有し、前記グラフェン及びグラファイト薄膜は、少なくとも前記結晶面上に形成するので、利用の際の転写や加工を容易にできる。
図面を使って、本発明の実施の形態を説明する。
平滑な基板10を用い、あらかじめ加熱処理を行って表面の原子配列を整えておく。基板材料は酸化マグネシウム(MgO)やサファイア(Al2O3)などの単結晶基板、または、研磨した単結晶のシリコンを熱酸化して表面に二酸化ケイ素(SiO2)を形成した平滑基板などを使用する。
図1(a)に示すように、上記基板10上に、グラフェン及びグラファイト薄膜の合成触媒として作用する触媒金属20を塗布し、触媒金属基板100を作製する。触媒金属20はニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)など、グラフェンの合成場として作用しうる金属種が使用可能で、使用する基板材料との非反応性を考慮して適宜選択する。触媒金属20の塗布法は、触媒金属を融解、蒸発させて塗布する方法(蒸着)や、高速粒子によって触媒金属から成るターゲットから触媒金属原子を弾き飛ばして塗布する方法(スパッタリング)など、基板10上に触媒金属20の薄膜を形成できる塗布法であれば良い。触媒金属20の塗布膜厚は、後の工程の加熱昇温により凝集して、金属の凝集体が基板上に多数点在する状態を実現できる膜厚とするため、加熱の到達温度、保持時間、触媒金属種、触媒金属と基板との親和性、付着性を考慮して任意に選択する。
以上の工程の概略を示したフロー図を図2に示す。
この高分子材料50を、図5(c)に示すように、所定の基板40に展開し、有機溶剤(PMMAの場合はアセトンなど)で高分子材料50を溶かすことで、図5(d)に示すように、もとの配置を維持して他の所定の基板40上にグラフェン及びグラファイト薄膜30を回収することができる。
または、この高分子材料50を、図6(c)に示すように、有機溶剤60中に溶かして、グラフェン及びグラファイト薄膜30の分散溶液を作る。分散しやすくするため、界面活性剤の添加や、超音波照射を行って、互いに付着しにくくしても良い。この分散溶液を他の所定の基板40上に展開し、溶媒を乾燥除去することで、図6(d)に示すように、他の所定の基板40上にグラフェン及びグラファイト薄膜30を回収することができる。展開する分散溶液の濃度を変えることで、所望の密度で、グラフェン及びグラファイト薄膜30を得ることもできる。
次に、本発明におけるグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法の実施例について、具体的に説明する。
水素ガスは、触媒金属表面の酸化物を還元するため導入した。
密閉容器内の圧力は、実施上、安全かつ簡便で、高真空・耐圧など高性能な容器を使用する必要のない圧力で実施した。
触媒金属基板を900℃まで60℃/分程度の速度で昇温した。
昇温到達温度は触媒金属であるニッケル(Ni)の沸点または融点より低く、かつ表面の金属原子が再配置可能になる温度であれば良い。
Claims (6)
- 基板の上に触媒金属の膜を形成する工程と、
前記基板を加熱する工程と、
前記基板を加熱した状態で炭素供給源ガスを供給する工程と
を備え、
前記基板を加熱することにより前記触媒金属の膜が凝集して形成された多数の島状の凝集体の各々が、結晶化して結晶島を形成し、
前記結晶島は、前記基板の面と平行な結晶面を上面に有し、
グラフェン及びグラファイト薄膜は、前記結晶島にのみ形成され、少なくとも前記基板の面と平行な結晶面上に形成される
ことを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法。 - 請求項1に記載のグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法において、
複数の前記島状の凝集体は、前記基板の原子配列の影響を受けて結晶化したことを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法。 - 請求項1または2記載のグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法において、
多数の前記結晶島は、触媒金属の膜厚、加熱条件、触媒金属と基板材料との親和性、及び基板表面のテラスとステップの構造を、制御及び選択することにより、それぞれ同じ大きさに形成され、かつ互いに等間隔で、又は配列して前記基板上に配置される
ことを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法により第1の基板の上に多数のグラフェン及びグラファイト薄膜を作製する工程と、
このグラフェン及びグラファイト薄膜を第2の基板に転写する工程と
を備えるグラフェン及びグラファイト薄膜基板の作製方法であって、
前記グラフェン及びグラファイト薄膜を第2の基板に転写する工程は、前記第1の基板を前記第2の基板に当接して圧力を加え、前記第1の基板上に形成された前記複数の結晶島の、前記第1の基板の面と平行な前記結晶面上に形成されたグラフェン及びグラファイト薄膜と、前記第2の基板とを当接させることにより実現する
ことを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜基板の作製方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法により第1の基板の上に多数のグラフェン及びグラファイト薄膜を作製する工程と、
このグラフェン及びグラファイト薄膜を高分子材料に回収する工程と、
前記グラフェン及びグラファイト薄膜を回収した前記高分子材料から、残存する触媒金属を除去し、第2の基板に当接させてこのグラフェン及びグラファイト薄膜を前記第2の基板に転写する工程と、
前記高分子材料を除去する工程と
を備えることを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜基板の作製方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン及びグラファイト薄膜の作製方法により第1の基板の上に多数のグラフェン及びグラファイト薄膜を作製する工程と、
このグラフェン及びグラファイト薄膜を高分子材料に回収する工程と、
前記高分子材料を溶媒に溶かして除去することにより、多数の前記グラフェン及びグラファイト薄膜を溶液中に分散して回収し、所望の分散濃度の溶液を調製する工程と、
多数の前記グラフェン及びグラファイト薄膜が回収された溶液を、第2の基板の上に展開して、多数のグラフェン及びグラファイト薄膜を前記第2の基板に配置する工程と
を備えることを特徴とするグラフェン及びグラファイト薄膜基板の作製方法。
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