JP5390338B2 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固定治具上に配された複数の加工対象物を加工するレーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
従来より、光加工ヘッドから加工用レーザ光を対物レンズにて集光して平板状の加工対象物に照射するとともに、該加工対象物をセットしたターンテーブル(固定治具)を回転させることで、加工対象物の表面にピット、溝、反応跡等の構造物を作製するレーザ加工装置が知られている。
このレーザ加工装置については、加工効率を向上させるため加工対象物を多数枚ターンテーブル上に固定してレーザ加工を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このレーザ加工装置は、ターンテーブルに複数枚の加工対象物を固定して回転させ、加工対象物の大気に面した表面に光加工ヘッドから集光したレーザ光を照射するとともに、光加工ヘッドをターンテーブルと相対的にターンテーブルの半径方向に移動させて、加工対象物をレーザ加工するものである。また、このレーザ加工装置は、加工対象物またはターンテーブルからのレーザ光の反射光から作成される信号に基づいて光加工ヘッドの対物レンズをレーザ光の光軸方向に駆動することで、レーザ光の焦点が常に加工対象物の表面またはターンテーブルの表面に一致するようフォーカスサーボ制御が行われている。
また、このフォーカスサーボ制御において、加工対象物の縁とターンテーブルの装着孔の縁との間に生じる隙間と段差によりフォーカスサーボ制御が外れないようにし、かつ加工対象物をレーザ光が照射しているときのフォーカスサーボ制御の精度が悪くならないようにするための方法として、加工対象物の縁の近傍においてフォーカスサーボの切り替えを行う方法が示されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、レーザ光が加工対象物の縁とターンテーブルの装着孔の縁との間を通過するときは、フォーカスエラー信号のS字検出距離を通常より大きくし、フォーカスサーボ回路のカットオフ周波数を通常より小さくした(即ち外れにくいが精度の悪い)フォーカスサーボ制御を行い、レーザ光が加工対象物を照射しているときは、フォーカスエラー信号のS字検出距離およびフォーカスサーボ回路のカットオフ周波数が通常の(即ち精度はよいが外れやすい)フォーカスサーボ制御を行う方法である。
この方法によれば、加工対象物の縁付近を除いて、レーザ加工の精度を、1枚の加工対象物をターンテーブルにセットしてレーザ加工を行う場合と同等の精度にすることができる。
しかしながら、この方法は加工対象物の縁付近では外れにくいものの、精度の悪いフォーカスサーボ制御を行っており、しかも、ターンテーブルから加工対象物へレーザ光が移動するときは段差分の距離を対物レンズが急激に移動するためフォーカスエラー信号が乱れて、フォーカスサーボ制御が不安定になる。このため加工対象物の縁付近では加工対象物のそれ以外の部分に比べてレーザ加工の精度は悪くなる。
また、加工対象物が小さくなると全体の面積に対する縁付近の部分の面積の割合が大きくなるため、レーザ加工の精度が悪い箇所の割合が大きくなるという問題がある。
特開2008− 93723号公報 特開2008−200745号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、隣接する加工対象物の縁と固定治具の装着穴の縁との間に段差及び隙間を有する場合でも安定したフォーカスサーボ制御が可能であるとともに、加工精度に優れたレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置において、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ手段と、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射手段と、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出手段と、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド手段と、前記ホールド手段によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除手段と、を有することを特徴とするレーザ加工装置である。
<2> 前記先行レーザ光の加工対象物及び固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する段差量検出手段を有し、前記ホールド手段は、前記段差量検出手段により検出された段差量に基づき、前記加工用レーザ光の焦点位置を変更する前記<1>に記載のレーザ加工装置である。
<3> 前記境界領域に少なくとも固定治具の反射率と異なる反射率を有するスペーサが配される前記<1>から<2>のいずれかに記載のレーザ加工装置である。
<4> 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法おいて、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ工程と、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射工程と、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出工程と、前記境界検出工程による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド工程と、前記ホールド工程によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除工程と、を有することを特徴とするレーザ加工方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決でき、前記目的を達成することができ、隣接する加工対象物の縁と固定治具の装着穴の縁との間に段差及び隙間を有する場合でも安定したフォーカスサーボ制御が可能であるとともに、加工精度に優れたレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することができる。
図1は、固定治具に加工対象物をセットした状態の一例を示す部分平面図である。 図2Aは、固定治具と加工対象物との境界領域の一例を示す平面図である。 図2Bは、図2Aの境界領域を拡大して示す部分拡大平面図である。 図2Cは、固定治具と加工対象物との境界領域の他の例を示す平面図である。 図3は、固定治具に加工対象物をセットした状態における部分断面図である。 図4は、本発明のレーザ加工装置1の一実施例の構成を示す全体構成図である。 図5は、レーザが境界領域を通過するとき、レーザ加工装置1の回路が出力する信号を時間軸を同じにして示した図である。
(レーザ加工装置及びレーザ加工方法)
本発明のレーザ加工装置は、複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であり、フォーカスサーボ手段と、先行レーザ光照射手段と、境界検出手段と、ホールド手段と、ホールド解除手段とを有し、更に必要に応じて、段差量検出手段、その他の手段を有する。
また、本発明のレーザ加工方法は、複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であり、フォーカスサーボ手段と、先行レーザ光照射工程と、境界検出工程と、ホールド工程と、ホールド解除工程とを有し、更に必要に応じて、段差量検出工程、その他の工程を有する。
<加工対象物>
前記加工対象物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、LEDウェハー、半導体ウェハー、及びこれらのマスター原盤などの基板が挙げられる。
前記加工対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円形が好ましい。
前記加工対象物の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加工対象物表面の反射率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1%〜90%が好ましく、1%〜60%がより好ましく、5%〜40%が特に好ましい。
前記加工対象物表面の反射率が、0.1%未満であると、フォーカスサーボ制御が困難になることがあり、90%を超えると制御回路への信号強度が過剰となり制御が不安定になることがある。一方、前記加工対象物表面の反射率が前記特に好ましい範囲内であると、フォーカスサーボ制御が安定にかかる点で有利である。
前記基板としては、その材質、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記材質としては、無機物、有機物などが挙げられ、前記形状としては平板状などが挙げられ、前記構造としては単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては用途等に応じて適宜選択することができる。
前記無機物としては、ガラス、サファイア、シリコン(Si)、石英(SiO)などが挙げられる。
前記有機物としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、低融点フッ素樹脂、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、トリアセテートセルロース(TAC)、などが挙げられる。
前記基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましい。
前記基板が複層構造の一例としては、前記基板の表面にヒートモードの形状変化が可能な層を積層した形態が挙げられる。
前記ヒートモードの形状変化が可能な層は、強い光の照射により光が熱に変換されて、この熱により材料が形状変化して凹部を形成することが可能な層である。
前記ヒートモードの形状変化が可能な層としては、例えば、有機層が挙げられる。
前記有機層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シアニン系、フタロシアニン系、キノン系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チオール錯塩系、メロシアニン系などを用いることができる。
好適な例としては、例えばメチン色素(シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、オキソノール色素、メロシアニン色素など)、大環状色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、アゾ色素(アゾ金属キレート色素を含む)、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、桂皮酸誘導体、キノフタロン系色素などが挙げられる。これらの中でも、メチン色素、アゾ色素が特に好ましい。
なお、有機層は、レーザ光源の波長に応じて適宜色素を選択したり、構造を改変することができる。
例えば、レーザ光源の発振波長が780nm付近であった場合、ペンタメチンシアニン色素、ヘプタメチンオキソノール色素、ペンタメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素などから選択することが有利である。
また、レーザ光源の発振波長が660nm付近であった場合は、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンオキソノール色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ピロメテン錯体色素などから選択することが有利である。
更に、レーザ光源の発振波長が405nm付近であった場合は、モノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、ゼロメチンメロシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、キノフタロン系色素などから選択することが有利である。
<固定治具>
前記固定治具は、前記加工対象物を固定する部材としてなる。例えば、前記固定治具としては、装着孔が複数穿設された装着部を備えたターンテーブル等が挙げられる。
前記固定治具表面の反射率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1%〜90%が好ましく、1%〜60%がより好ましく、5%〜40%が特に好ましい。
前記固定治具表面の反射率が、0.1%未満であると、フォーカスサーボ制御が困難になることがあり、前記固定治具表面前記被加工物表面の反射率が、90%を超えると、制御回路への信号強度が過剰となり制御が不安定になることがある。一方、前記固定治具表面の反射率が前記特に好ましい範囲内であると、フォーカスサーボ制御が安定にかかる点で有利である。
前記固定治具が有する加工対象物の枚数の下限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2枚以上が好ましく、3枚以上がより好ましく、4枚以上が特に好ましい。
前記固定治具が有する前記加工対象物の枚数の上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000枚以下が好ましく、100枚以下がより好ましく、50枚以下が更に好ましく、20枚以下が特に好ましい。
前記固定治具が有する前記加工対象物の枚数が、2枚未満であると、前記加工対象物の効率的な加工が困難であり、1,000枚を超えると、設置時間がかかりすぎ、全体の効率が下がることがある。一方、前記加固定治具が有する加工対象物の枚数の上限、及び下限が、前記特に好ましい範囲内であると、加工効率が高まる点で有利である。
なお、前記被加工物含有体が有する複数の被加工物の大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記加工対象物を前記固定治具にセットした状態では、前記加工対象物と前記固定治具との間に、前記加工対象物の厚みと前記固定治具の装着孔の深さの差に基づく段差、及び前記加工対象物の外周と該加工対象物を固定する前記固定治具の装着孔の内周との差に基づく隙間が生ずることがある。
本発明によれば、前記段差及び隙間が存在する場合であっても、前記フォーカスサーボ手段に、前記先行レーザ光照射手段と、前記境界検出手段と、前記ホールド手段と、前記ホールド解除手段を加えることにより、フォーカスサーボが外れることなく、加工精度の高いレーザ加工が可能になる。
<光加工ヘッド>
前記光加工ヘッドとしては、加工用レーザ光源を含み、必要に応じてコリメートレンズ、偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、対物レンズ、凸レンズ、シリンドリカルレンズ、4分割フォトディテクタ、アクチュエータなどの光学部品を含む。
−加工用レーザ光−
前記加工用レーザ光源から出射される加工用レーザ光の波長としては、大きなレーザパワーが得られる波長であればよく、例えば、前記有機層に色素を用いる場合は、193nm、210nm、266nm、365nm、405nm、488nm、532nm、633nm、650nm、680nm、780nm、830nmなど、1,000nm以下が好ましい。
また、前記加工用レーザの種類としては、ガスレーザ、固体レーザ、半導体レーザなど、どのようなレーザであってもよい。ただし、光学系を簡単にするために、固体レーザや半導体レーザを採用するのが好ましい。前記加工用レーザ光は、連続光およびパルス光の照射が可能であり、前記パルス光の場合は、自在に発光間隔が変更可能なレーザ光を採用するのが好ましい。安価なものとして、半導体レーザを採用するのが好ましい。前記パルス光の照射は、前記レーザ光源に供給する駆動信号をパルス信号にすればよいが、これ以外に外部変調素子により変調するようにしてもよい。
また、レーザパワーは、加工速度を高めるためには高い方が好ましい。ただし、レーザパワーを高めるにつれ、スキャン速度(レーザ光で有機層を走査する速度)を上げなければならない。そのため、前記レーザパワーの上限値は、前記スキャン速度の上限値を考慮して、100W以下が好ましく、10W以下がより好ましく、5W以下が更に好ましく、1W以下が特に好ましい。また、レーザパワーの下限値は、0.1mW以上が好ましく、0.5mW以上がより好ましく、1mW以上が更に好ましい。
<フォーカスサーボ手段及びフォーカスサーボ工程>
前記フォーカスサーボ手段は、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行う手段である。
前記フォーカスサーボ工程は、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行う工程である。
前記フォーカスサーボ手段としては、特に制限はなく、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うよう制御する手段であれば、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分割されたフォトディテクタが出力する前記加工用レーザ光の反射光の受光光量に基づく信号から作成される信号に基づいて、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うように制御することが挙げられる。
このような制御としては、特に制限はないが、前記分割されたフォトディテクタが出力する前記加工用レーザ光の反射光の受光光量に基づく信号を増幅する信号増幅回路と、該増幅された信号に基づきフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路と、該生成されたフォーカスエラー信号に基づきフォーカスサーボ信号を生成するフォーカスサーボ回路と、該生成されたフォーカスサーボ信号に基づいて前記光加工ヘッドにおける前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させるドライブ回路などにより行うことができる。
なお、前記光加工ヘッドにおける前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させる機構としては、特に制限はなく、前記対物レンズの周囲にフォーカスアクチュエータとして設けられる公知の機構で構成することができる。
<先行レーザ光照射手段及び先行レーザ光照射工程>
前記先行レーザ光照射手段は、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する手段である。
前記先行レーザ光照射工程は、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する工程である。
前記先行レーザ光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記先行レーザ光のレーザ光源は、前記先行レーザ光の加工対象物および固定治具における反射光のみを受光することができれば、前記加工用レーザ光のレーザ光源と同じ光源であっても、異なる光源であってもよく、前記異なる光源である場合には、加工用レーザ光と同様、半導体レーザを採用することが好ましい。また、前記先行レーザ光のレーザ光源は、前記光ヘッドの内部に設けても外部に設けてもよいが、構成を簡略化するためには内部に設けた方が好ましい。また、前記先行レーザ光を集光させる対物レンズは、前記加工用レーザ光と同一の対物レンズを用いてもよいし、別に設けた対物レンズを用いてもよいが、前記先行レーザ光の焦点位置から前記加工用レーザ光の焦点位置までの距離を小さくしたい場合は、同一の対物レンズにし、大きくしたい場合は、別の対物レンズにすればよい。なお、前記先行レーザ光の焦点位置から前記加工用レーザ光の焦点位置までの距離は、特に制限はなく、適宜設定することができる。
前記先行レーザとして用いられるレーザ光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記加工用レーザ光と同じ波長範囲で選択するのが好ましい。なお、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光とを同一の対物レンズで集光する場合は、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光の加工対象物および固定治具での反射光をそれぞれ分離する必要があるので、構成を簡略化するためには前記先行レーザ光の波長は、加工用レーザ光の波長と異なるようにすることが好ましい。
<境界検出手段及び境界検出工程>
前記境界検出手段は、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する手段である。
前記境界検出工程は、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する工程である。
前記境界検出手段としては、前記境界領域を検出することができる構成であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記先行レーザ光の反射光を受光するフォトディテクタから出力される信号を増幅する信号増幅回路と、該増幅された信号の強度が設定された強度をクロスすることで前記境界領域を検出するエッジ検出回路等で構成することができる。
前記境界領域としては、特に制限はなく、前記加工対象物と前記固定治具との境界であってもよく、前記加工対象物と前記固定治具との境界近傍の領域であってもよい。
前記加工対象物と前記固定治具との境界近傍の領域には、前記固定治具と反射率が異なるスペーサ部材を配してもよい。
前記加工対象物と前記固定治具との境界近傍の領域を前記境界領域とする態様において、前記境界領域は、前記固定治具に隣接して配される。
この場合、前記固定治具表面の反射率をRaとし、該固定治具に隣接する前記境界領域の表面の反射率Rbとしたとき、前記Raと前記Rbとの関係式、|Ra−Rb|/Ra (差の絶対値をRaで規格化)は、次の条件を満たすことが好ましい。
即ち、前記関係式、|Ra−Rb|/Raの上限が、4以下であることが好ましい。4を超えると、前記固定治具と該固定治具に隣接する前記境界領域との間の境界において、反射光量の変化が大きすぎるためフォーカス制御が外れることがある。
また、前記関係式、|Ra−Rb|/Raの下限が、0.2以上であることが好ましい。0.2未満だと、反射光量の変化が小さすぎるため前記固定治具と該固定治具に隣接する前記境界領域との間の境界を検出することが困難となる。
前記条件に設定する方法、即ち、反射率を変える方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記のように固定治具と反射率の異なるスペーサ部材を配することが挙げられる。これ以外にも、前記固定治具表面と該固定治具に隣接する前記境界領域表面とにおいて、コーティング材質を変えること、前記固定治具表面と該固定治具に隣接する前記境界領域表面との一方のみをコーティングすることなどが挙げられる。
前記固定治具表面と該固定治具に隣接する前記境界領域表面との境界における段差Δtとしては、小さいことが好ましい。
即ち、前記段差Δtの条件としては、100μm以下が好ましい。100μmを超えると、フォーカスサーボが外れてしまうことがある。
前記反射率を変える方法として、前記固定治具と該固定治具に隣接する前記境界領域表面との一方をコーティングする場合、前記段差Δtの条件を満たすコーティングの方法としては、特に制限はないが、緻密な膜が形成可能な観点から真空成膜法が好ましく、中でも、蒸着法、スパッタリング法が好ましい。
前記真空成膜におけるコーティング材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属、酸化物、フッ化物、硫化物、混合物などが好ましい。
前記金属としては、Au、Ag、Cu、Co、Ta、Mo、Ni、Ti、Cr、Al、Tb、Fe、Gd、Ge、Sb、Te、In、Zn、Sn、W、Mg、Ga、Siの単体、または、これらを一部含む合金が好ましい。中でも、Au、Ag、Al、Cuが特に好ましい。
前記酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Al、CeO、HfO、MgO、SiO、SiO、Nb、OS−10、OS−50、SnO、TiO、Ti、TiO、Ta、WO、Y、ZrO、ZnOが好ましい。
フッ化物・硫化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、BaF、CaF、CeF、MgF、クリオライト、チオライト、ZnS、YFが好ましい。
前記混合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ITO、OH−5、OM−4、OM−6、OA−100、OA−500、OA−600、SF、SF、が好ましい。
また、前記固定治具と、該固定治具と隣接する加工対象物との間を境界の境界領域としてもよい。
この場合、前記加工対象物の表面の反射率をRcとしたとき、前記Raと、前記Rcとの関係式、|Ra−Rc|/Rc(差の絶対値をRcで規格化)は、次の条件を満たすことが好ましい。
即ち、前記関係式、|Ra−Rc|/Rcの上限が、4以下が好ましい。4を超えると、前記固定治具と該固定治具に隣接する前記加工対象物との間の境界において、反射光量の変化が大きすぎるためフォーカス制御が外れることがある。
また、前記関係式、|Ra−Rc|/Rcの下限が、0.2以上であることが好ましい。0.2未満だと、反射光量の変化が小さすぎるため前記固定治具と該固定治具に隣接する前記加工対象物との間の境界を検出することが困難となる。
前記固定治具と、該固定治具と隣接する加工対象物との間の段差Δtは、前記加工用レーザ光の焦点が移動できる範囲、即ちフォーカスアクチュエータの駆動範囲内に入っている必要がある。
即ち、前記段差Δtは、500μm以下が好ましい。500μmを超えると、光加工ヘッドによっては、フォーカスアクチュエータの駆動範囲を超えてしまう場合がある。
前記反射率を変える方法として、前記固定治具と反射率の異なるスペーサ部材を配する場合、前記スペーサ部材としては、前記固定治具の反射率と異なる反射率であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
このようなスペーサ部材が配されると、前記固定治具と前記スペーサ部材との境界で前記先行レーザ光の反射光の光量が大きく変化するため境界を検出することができる。
また、前記スペーサ部材としては、前記加工対象物の周囲に配され、該加工対象物の先行レーザ光が移動する方向において、反射率が異なる複数の部材により構成されることが好ましい。
前記反射率が異なる複数の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、反射率の高い部材の反射率R1と、反射率が低い部材の反射率R2から|R1−R2|/R2の式で計算される値が0.2〜4の間であることが好ましい。
このように前記スペーサが前記反射率の異なる複数の部材を有すると、反射率の異なる部材の境界では、前記固定治具と前記スペーサとの間のように段差や隙間がなく信号が乱れないため、前記先行レーザ光の反射光の光量変化をより的確に検出することができる。
<ホールド手段及びホールド工程>
前記ホールド手段は、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更する手段である。
前記ホールド工程は、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更する工程である。
前記ホールド手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記境界検出手段におけるエッジ検出回路からの境界検出信号に基づき、前記フォーカス手段におけるフォーカスエラー信号生成回路から該フォーカスサーボ回路へ出力されているエラー信号を停止させ(強度0の信号にし)、フォーカスアクチュエータを駆動するドライブ回路に加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動する信号を供給することが挙げられる。
このようなホールド手段の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エッジ検出回路からの境界検出信号を入力すると、信号レベルがhighになるマスク信号発生回路と、フォーカスエラー信号生成回路とフォーカスサーボ回路との間に設けられ、マスク信号発生回路からの信号を入力し、この信号がhighになると、前記フォーカスエラー信号生成回路が出力するエラー信号を停止する導通回路と、フォーカスサーボ回路とフォーカスアクチュエータを駆動するドライブ回路との間に設けられた加算器と、エッジ検出回路からの境界検出信号を入力すると前記加算器に前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動する信号を出力する回路とから構成することができる。
前記フォーカスサーボ手段によるフォーカスサーボ制御のホールドのタイミングとしては、前記加工用レーザ光の焦点が加工対象物の縁に達する手前であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
このタイミングは、前記先行レーザ光の焦点位置と前記加工用レーザ光の焦点位置との間の距離と、前記レーザ加工における回転の線速度と、前後で反射率が異なる境界箇所から前記加工対象物の縁までの距離とから、前記境界検出手段が境界を検出してから前記加工用レーザ光が前記加工対象物の縁に達するまでの時間を算出しておき、前記境界検出手段が前後で反射率が異なる境界箇所を検出したタイミングから、この時間が経過するタイミングまでのどこかになるように設定する。
好ましいタイミングとしては、前記加工用レーザ光がこれから前記加工用対象物に照射される場合は、ホールドが開始された後、前記加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動し終わったとき、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物の縁から数百μm手前にあるようなタイミングであり、前記加工用レーザ光が前記加工用対象物を照射し終える場合は、ホールド開始が前記加工対象物の縁から数百μm手前にあるタイミングである。このタイミングであれば、前記加工用対象物の縁付近の加工精度をそれ以外の箇所と同程度によくすることができ、前記加工対象物の縁付近の曲面でフォーカスサーボが不安定になることがない。
前記タイミングの設定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エッジ検出回路からの前記境界検出信号を遅延回路を介して、マスク信号発生回路等に出力するようにし、この遅延回路の遅延時間を適切な時間に設定する方法が好ましい。
<ホールド解除手段及びホールド解除工程>
前記ホールド解除手段は、前記ホールド手段により停止された前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始する手段である。
前記ホールド解除工程は、前記ホールド工程により停止された前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始する工程である。
なお、本明細書において、加工用レーザ光の焦点が加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなるとは、加工用レーザ光の焦点が固定治具から加工対象物に移動する場合は、加工用レーザ光の焦点が加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ移動し、加工用レーザ光が加工対象物に照射されることであり、加工用レーザ光の焦点が加工対象物から固定治具に移動する場合は、加工用レーザ光の焦点が加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ移動し、加工用レーザ光が固定治具またはスペーサに照射されることである。
前記ホールド解除手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ホールド手段における前記マスク信号発生回路からの信号により前記導通回路で前記フォーカスエラー信号生成回路からフォーカスサーボ回路へ出力されているエラー信号が停止した状態から、前記マスク信号生成回路における信号レベルを切替えて前記フォーカスサーボ回路へのエラー信号出力を開始させることが挙げられる。
このようなホールド解除手段の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ホールド手段に用いられた回路を用いることが好ましい。例えば、前記エッジ検出回路からの境界検出信号を入力すると設定した時間だけ遅らせて信号を出力する遅延回路を設け、前記マスク信号発生回路は、前記遅延回路からの信号が入力すると信号レベルがlowになり、前記導通回路は、前記マスク信号発生回路からの信号がlowになると、前記フォーカスエラー信号生成回路が出力するエラー信号をそのまま出力し、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動する信号を出力する回路は、前記遅延回路からの信号が入力すると、信号の出力を停止する、といった構成が挙げられる。
前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に前記ホールドを解除し、前記フォーカスサーボ制御を開始する際のタイミングとしては、前記加工用レーザ光の焦点が加工対象物の縁を通過した後であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記先行レーザ光の焦点位置と前記加工用レーザ光の焦点位置との間の距離と、前記レーザ加工における回転の線速度と、前後で反射率が異なる境界箇所から前記加工対象物の縁までの距離とに基づき、前記境界検出手段が境界を検出してから前記加工用レーザ光が前記加工対象物の縁に達するまでの時間を算出しておき、前記境界検出手段が前後で反射率が異なる境界箇所を検出したタイミングから、この時間が経過した後のタイミングになるように設定する。
<段差量検出手段及び段差量検出工程>
前記段差量検出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光する分割されたフォトディテクタが出力する受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号の強度に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する手段が挙げられる。
前記段差量検出工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号の強度に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する工程が挙げられる。
前記段差量検出手段としては、特に制限はなく、前記先行レーザ光の反射光を受光する分割されたフォトディテクタから出力される信号を増幅する信号増幅回路と、該増幅された信号に基づきフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路と、前記エッジ検出回路から遅延回路を介して境界検出信号を入力したとき、フォーカスエラー信号生成回路から入力するフォーカスエラー信号をホールドして出力するホールド回路と、該ホールド回路が出力する信号の強度を前記段差量の距離に変換する移動量変換回路を含み構成することができる。
なお、この構成は、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光が同一の対物レンズに入射し、前記先行レーザ光の焦点と前記加工用レーザ光の焦点の高さが常に一致している場合であり、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光が同一の対物レンズに入射しない構成の場合は、前記ホールド回路は、前記先行レーザ光が前記加工対象物以外の箇所にあるタイミングと前記加工対象物上にあるタイミングとの2つのタイミングで前記フォーカスエラー信号生成回路から入力するフォーカスエラー信号をホールドした上でそれぞれ出力し、前記移動量変換回路は、前記ホールド回路が出力する2つの信号の強度を前記段差量の距離に変換するようにする。
前記その他の手段としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2007-216263号公報、特開2008−93723号公報、特開2008−93724号公報、特開2008−200745号公報、特開2009−82932号公報、特開2009−87434号公報に記載のレーザ加工手段を適宜用いることができる。
前記加工対象物の前記固定治具を図1を用いて説明する。図1は、固定治具に加工対象物をセットした状態の一例を示す部分平面図である。
該図1に示すように、本例では、固定治具3に加工対象物10が固定され、固定治具3と加工対象物10との間には、境界領域5が存在する。
境界領域5は、目的に応じて適宜選択することができ、図1で示す態様以外に、例えば、図2Aに示すように形成されていてもよい。図2Aは、固定治具と加工対象物との境界領域の一例を示す平面図である。
該図2Aに示すように、加工対象物10が固定治具3にセットされた状態で境界領域5が形成される。該境界領域5の周囲には、スペーサ7が配される。この例では、境界領域5とスペーサ7とを含む領域を境界領域とする。
スペーサ7は、先行レーザ光の進行方向Aに対して、境界領域5の手前に配されており、先行レーザ光が境界領域5に到達する前に、該スペーサ7による反射光を検出でき、該反射光の検出タイミングに基づき設定されるタイミングに基づき、フォーカスサーボ制御のホールドを行うことが可能とされる。
この態様の詳細としては、図2Bに示す態様であることが好ましい。図2Bは、図2Aの境界領域を拡大して示す部分拡大平面図である。
該図2Bに示すように、スペーサ7は、境界領域5に接する全領域において、一定の間隔を有して配されることが好ましい。即ち、該図2Bにおいて、W及びWを含む間隔Wがすべて等しいことが好ましい。このような態様であると、前記先行レーザ光の反射光によりスペーサ7を検出してから前記加工用レーザ光が加工対象物5の縁に達するまでの時間をすべて等しくできるので、加工対象物5の全領域において、好ましいタイミングでフォーカスサーボ制御のホールドを行うことができる。
ただし、本発明における境界領域は、この他の態様を適宜選択することができ、例えば、図2Cに示す態様としてもよい。図2Cは、固定治具と加工対象物との境界領域の他の例を示す平面図である。
該図2Cに示す例では、スペーサ7が、固定治具3と加工対象物10との境界領域5の近傍に配されている。この例では、境界領域5とスペーサ7とを含む領域を境界領域とし、スペーサ7の検出に基づいてフォーカスサーボ制御のホールドが行われる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の思想は、下記実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例に係るレーザ加工装置1を図4を用いて説明する。図4は、本発明のレーザ加工装置1の一実施例の構成を示す全体構成図である。このレーザ加工装置は、加工対象物10及び固定治具3を支持するターンテーブル12と、加工対象物10に向けて加工用レーザ光及び先行レーザ光を照射してフォーカスサーボ制御を行いながら加工対象物を加工する光加工ヘッド200を有する。テーブル21は、スピンドルモータ300及びフィードモータ400により駆動される。
スピンドルモータ300は、その回転により、テーブル21を回転駆動する。スピンドルモータ300内には、テーブル21の回転を検出して、パルス列信号を出力するエンコーダが組み込まれている。
該パルス列信号は、スピンドルモータ制御回路302に供給される。スピンドルモータ制御回路302は、エンコーダからのパルス列信号の単位時間あたりのパルス数を用いてスピンドルモータ300の回転速度を計算し、コントローラ600によって指定された回転速度に等しくなるようにスピンドルモータ300の回転を制御する。なお、コントローラ600は、入力装置604に入力された情報や各回路に出力した信号又は各回路から入力した信号に基づき、必要な情報を表示装置602に表示する。
フィードモータ400は、スクリューロッドを回転させて、光加工ヘッド200を半径方向に移動させる。フィードモータ400内にもフィードモータ400の回転を検出してパルス列信号を出力するエンコーダが組み込まれている。
このパルス列信号は、フィードモータ制御回路402に出力される。フィードモータ制御回路402は、該エンコーダからのパルス列信号の単位時間あたりのパルス数を用いて光加工ヘッド200の移動速度を計算し、コントローラ600によって指定された移動速度に等しくなるように光加工ヘッド200の移動を制御する。また、フィードモータ400は、コントローラ600によって移動方向が指定されると、コントローラ600から停止指令が入力されるまで指定された方向へ光加工ヘッド200を移動する。フィードモータ400内のエンコーダからのパルス列信号は、コントローラ600にも入力されており、コントローラ600は、このパルス列信号のパルス数をカウントすることで移動量を検出し、半径位置を検出する。即ち、フィードモータ制御回路402は、コントローラ600の指示により、フィードモータ400を駆動制御して、加工用レーザ光及びサーボ用レーザ光の照射位置を固定治具3の指定半径位置に移動させたり、テーブル21を半径方向に指定速度で移動させる。
光加工ヘッド200は、加工用レーザ光源、先行レーザ光源、コリメートレンズ、偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、対物レンズ、凸レンズ、シリンドリカルレンズ、4分割フォトディテクタ、フォーカスアクチュエータ、トラッキングアクチュエータなどを有する。対物レンズは、レーザ光源からのレーザ光を加工対象物10又は固定治具3に集光させるとともに加工対象物10又は固定治具3からの反射光を受光する。加工用レーザ光源は、コントローラ600によって作動制御される発光信号生成回路252、加工用レーザ駆動回路250などによって駆動制御される。発光信号生成回路252は、コントローラ600からの加工模様を表すデータを入力して、同データに対応したパルス列信号を加工用レーザ駆動回路250に供給する。加工用レーザ駆動回路250は、コントローラ600によって制御され、発光信号生成回路252からの信号に基づいてレーザ光源がパルス発光する駆動信号を出力する、又はレーザ光源が一定強度のレーザ光を出射する駆動信号を出力する。
光加工ヘッド200は、加工用レーザ光に加えて一定強度のレーザ光である先行レーザ光を照射する。2つのレーザ光は、ダイクロイックミラーで合成され、対物レンズで集光して加工対象物10に照射される。このとき2つのレーザ光の光軸は微量にずらされており、先行レーザ光はレーザ光の進行方向に見て加工用レーザ光より先の位置に照射される。
加工対象物10又は固定治具3からの反射光は、ダイクロイックミラーで加工用レーザ光の反射光と先行レーザ光の反射光に分離され、それぞれの反射光は4分割フォトディテクタに導かれて受光される。
前記加工用レーザ光の反射光を受光した4分割フォトディテクタは、前記受光した加工用レーザ光の反射光の光量に相当する受光信号を信号増幅回路102を介してフォーカスエラー信号生成回路104に出力する。
フォーカスエラー信号生成回路104は、非点収差法による演算を行いフォーカスエラー信号を生成し、該フォーカスエラー信号を導通回路106を介してフォーカスサーボ回路108に出力する。
フォーカスサーボ回路108は、このフォーカスエラー信号が0になるようにフォーカスサーボ信号を生成し、該フォーカスサーボ信号を加算器110を介してドライブ回路112に出力する。
ドライブ回路112は、入力されるフォーカスサーボ信号に基づいて、光加工ヘッド200の対物レンズを駆動させる信号を出力する。
レーザ加工装置1は、前記フォーカスサーボを行う回路に、導通回路106と加算器110とを有する。
導通回路106は、後述するマスク信号発生回路134から入力される信号がハイレベルである間は、フォーカスエラー信号生成回路104から入力したフォーカスエラー信号を出力しない(信号レベルを0にする)こととする。そのため、マスク信号発生回路134から入力される信号がハイレベルであると、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける強度のフォーカスサーボ信号を出力し続け、この状態では、光加工ヘッド200の対物レンズは、一定位置のまま固定される。即ち、前記加工用レーザ光の焦点位置は、一定高さのまま保持される。
前記先行レーザ光の反射光を受光した4分割フォトディテクタは、受光した先行レーザ光の反射光の光量に相当する受光信号を信号増幅回路120を介してSUM信号生成回路122に出力する。
SUM信号生成回路122は、4つのフォトディテクタからの出力信号をすべて加算した信号をエッジ検出回路124に出力する。この信号は、先行レーザ光の反射光の強度に相当する信号である。そしてフォーカスエラー信号生成回路140では、非点収差法による演算でフォーカスエラー信号が生成され、出力される。
本実施例では、境界領域として低反射率箇所と高反射率箇所とからなるスペーサ7が用いられる(図3参照)。
図3は、固定治具3に加工対象物10をセットした状態における部分断面図である。該図3に示すように、加工治具10の周囲にスペーサ7(境界領域)が配され、該スペーサ7は、円板状の加工対象物10の半径方向において、反射率が異なる低反射率部8と高反射率部9とを有している。
エッジ検出回路124は、SUM信号生成回路122が出力する信号(先行レーザ光の反射光強度に相当する信号)が設定されたレベル(閾値)をクロスすると、即ち、先行レーザ光が低反射率箇所と高反射率箇所との境界領域を通過すると、検出を意味する信号を出力する。このとき、前記境界領域の反射率に対応してSUM信号生成回路122から入力する信号が「高」から「低」に変化すると、遅延回路A126、遅延回路B128へ信号を出力し、「低」から「高」に変化すると遅延回路C130、遅延回路D132へ信号を出力する。
4つの遅延回路A〜Dは、エッジ検出回路124から信号が入力されると、即ち、境界領域が検出されると、設定された時間だけ遅らせて信号をマスク信号発生回路134に出力する。設定される時間は、回転におけるレーザ光照射位置の線速度、先行レーザ光と加工用レーザ光のスポット間隔及び低反射率箇所と高反射率箇所の境界と加工対象物OBの縁との間の距離により決定される。
この遅延回路A〜Dによる信号の出力の遅延時間の設定により、適切なタイミングでフォーカスサーボ制御のホールドとホールド解除が可能となる。
マスク信号発生回路134は、遅延回路A、Cから境界領域の検出に基づく信号が入力される前は、ローレベルの信号を出力し、遅延回路A、Cから信号が入力されると、ハイレベルの信号を出力する。そして、次に遅延回路B、Dから信号が入力されると再びローレベルにする。
このマスク信号発生回路134から出力されるハイレベルの信号が導通回路106に入力されると、導通回路106は、前述の通りフォーカスエラー信号を出力を止め(信号レベルを0にする)、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける強度のフォーカスサーボ信号を出力し続ける。
ホールド回路142は、遅延回路A、Cから信号が入力される前は、信号強度が0の信号を出力し、遅延回路A、Cから信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140から入力されるフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を出力する。そして、次に遅延回路B、Dから信号が入力されると、再び信号強度が0の信号を出力する。
移動量変換回路144は、フォーカスエラー信号の信号強度と先行レーザ光の焦点ずれ距離、即ち、反射位置から焦点位置までの距離に相当する値(フォーカスサーボ信号の強度で表した値)との関係が設定されており、ホールド回路142から入力されるフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を距離に相当する信号に変換して出力する。
加算器110は、フォーカスサーボ回路108が出力する信号と移動量変換回路144が出力する信号を加算して出力し、ドライブ回路112は、加算器110からの信号に基づいて光加工ヘッド200の対物レンズ(フォーカスアクチュエータ)を駆動する。ホールド回路142は、遅延回路A、Cから信号が入力しないときは信号強度が0の信号を出力している。
よって、加算器110は、境界領域が検出されないときは、フォーカスサーボ回路108が出力する信号をそのまま出力し、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。そして、エッジ検出回路124が境界領域の検出に基づく信号を出力すると、遅延回路A、Cにより設定された時間だけ遅れたタイミングでホールド回路142は、フォーカスエラー信号生成回路140が出力する信号の瞬時値の強度の信号を出力する。このタイミングでは、前記先行レーザ光の焦点と前記加工用レーザ光の焦点がある領域が異なる。
前記加工用レーザ光の焦点がこれから加工対象物10上に移動する場合は、前記先行レーザ光の焦点は、加工対象物10上にあり、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10の手前にあり、前記加工用レーザ光の焦点がこれから加工対象物10上から外れる場合は、前記先行レーザ光の焦点は、前記加工対象物を通過した位置にあり、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10上にある。即ち、フォーカスエラー信号生成回路140が出力する信号の瞬時値の強度は、加工対象物10と境界領域との間の段差による値であり、移動量変換回路144は、この信号を距離に相当する信号(フォーカスサーボ信号の強度で表した信号)で出力する。このとき、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける信号強度で一定強度の信号を出力しており、この信号のみであれば、前記加工用レーザ光の焦点は、同じ高さで保持されるが、この信号に移動量変換回路144からの信号が加算されるので、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10と境界領域との間の段差分、移動して保持される。
そして、遅延回路B、Dにより設定された時間だけ遅れたタイミングでホールド回路142は、再び信号強度が0の信号を出力するので、加算器110は、再びフォーカスサーボ回路108が出力する信号をそのまま出力し、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。即ち、フォーカスサーボ制御が加工対象物10と境界領域との間の段差分の移動を伴うホールドがされ、前記加工用レーザ光が加工対象物10以外の箇所から加工対象物10上に移動した後、および加工対象物10上から加工対象物10以外の箇所に移動した後、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。
このようなレーザ加工装置1においては、加工対象物(ワーク)10をセットした後、レーザ加工を行うと、加工対象物(ワーク)10の縁付近でも精度のよいフォーカスサーボ制御を行うことができる。
図5はフォーカスサーボ制御の際、レーザ光が加工対象物(ワーク)10の縁を通過する際の各回路が出力する信号を時間軸を同じにして示した図である。(a)〜(f)は、以下の回路が出力する信号である。
(a)SUM信号生成回路122
(b)エッジ検出回路124
(c)左は遅延回路A126、右は遅延回路C130
(d)左は遅延回路B128、右は遅延回路D132
(e)マスク信号生成回路134
(f)ホールド回路142及び移動量変換回路144
以下、レーザ光の移動に沿って説明する。
先行レーザ光の照射位置がターンテーブル12からスペーサ7に移り、スペーサ7の高反射率箇所と低反射率箇所の境界に来ると、(a)SUM信号生成回路122が出力する信号はローレベルになる。このとき、(b)エッジ検出回路124は、遅延回路A126、遅延回路B128に対して検出を意味する信号を出力する。
(c)遅延回路A126は、信号が入力されたタイミングから先行レーザ光が加工対象物(ワーク)10に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路A126から信号が入力されると信号がハイレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108に入力されるフォーカスエラー信号生成回路104からのフォーカスエラー信号は0レベルになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路A126から信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140からのフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を移動量変換回路144に出力し、移動量変換回路144はこの信号を距離に相当する信号に変換して加算器110に出力する。これにより対物レンズは段差分の距離移動し、その位置で固定される。即ち、加工用レーザ光の焦点位置が段差分の距離を移動して固定される。
(d)遅延回路B128は、信号が入力したタイミングから加工用レーザ光が加工対象物(ワーク)10に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路B128から信号が入力されると信号がローレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108にはフォーカスエラー信号生成回路104から信号が入力されるようになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路B128から信号が入力すると、信号強度0の信号を出力する。これにより加算器110は、フォーカスエラー信号生成回路104からの信号のみを出力するので対物レンズは通常のフォーカスサーボ制御により駆動される。
先行レーザ光の照射位置が加工対象物OBからスペーサ7に移り、スペーサ7の高反射率箇所に来ると、(a)SUM信号生成回路122が出力する信号はハイレベルになる。このとき、(b)エッジ検出回路124は、遅延回路C130、遅延回路D132に対して境界領域の検出を意味する信号を出力する。
(c)遅延回路C130は、信号が入力されたタイミングから加工用レーザ光が加工対象物(ワーク)OBの縁に来るタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路C130から信号が入力されると、信号がハイレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108に入力するフォーカスエラー信号生成回路104からのフォーカスエラー信号は0レベルになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路C130から信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140からのフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を移動量変換回路144に出力し、移動量変換回路144は、この信号を距離に変換した信号を加算器110に出力する。これにより対物レンズは、段差分の距離移動し、その位置で固定される。即ち、加工用レーザ光の焦点位置が段差分の距離移動して固定される。
(d)遅延回路D132は、信号が入力したタイミングから加工用レーザ光がスペーサ7の高反射率箇所に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路D132から信号が入力すると信号がローレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108には、フォーカスエラー信号生成回路104から導通回路106を介して信号が入力されるようになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路D132から信号が入力されると、信号強度0の信号を出力する。これにより加算器110は、フォーカスサーボ回路108からの信号のみを出力するので、対物レンズは、通常のフォーカスサーボ制御により駆動される。
前記実施例は、様々な変更が可能である。前記実施例の光加工ヘッド200は、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光とを同一の対物レンズで集光し、それぞれのレーザ光の焦点高さを同一にしたが、別々の対物レンズで集光し、焦点高さが異なるようにしてもよい。この場合、エッジ検出回路124からの信号もホールド回路142に入力させ、ホールド回路142はエッジ検出回路124から信号が入力したときのフォーカスエラー信号生成回路140からの信号の瞬時値の強度の信号と、遅延回路Aまたは遅延回路Cからの信号が入力したときのフォーカスエラー信号生成回路140からの信号の瞬時値の強度の信号との2つの信号を出力するようにし、移動量変換回路144は、入力する2つの信号をそれぞれ距離に変換した信号の差の信号を出力するようにすればよい。これによっても前記実施例と同じ効果を得ることができる。
また、前記実施例では、先行レーザ光の反射光から作成したフォーカスエラー信号に基づいて加工対象物10と境界領域との間の段差の大きさを検出したが、加工対象物10によって段差の大きさが殆ど変わらない場合は、フォーカスエラー信号生成回路140、ホールド回路142、移動量変換回路144をなくし、遅延回路A〜Dから信号が入力されると、加算器110に段差の大きさに相当する一定強度の信号が出力する回路を設けるようにしてもよい。
これによっても前記実施例と同じ効果を得ることができる。
また、前記実施例では、高反射率箇所と低反射率箇所のあるスペーサ7を加工対象物10の周囲に設けたが、加工対象物10がそのままターンテーブル12の装着穴に殆ど隙間がないようセットできるようにしてもよい。
この場合、先行レーザ光の反射光は、加工対象物10とターンテーブル12との境界領域で強度が変化するため、このタイミングから加工用レーザ光が加工対象物10を照射するタイミングを考慮して遅延回路A、B、C、Dの遅延時間を設定すればよい。
また、前記実施例では、SUM信号生成回路122が出力する信号により、高反射率箇所と低反射率箇所との間における境界を検出したが、SUM信号生成回路122をトラッキングエラー信号生成回路に替えてこの回路が出力する信号により検出するようにしてもよい。
本発明のレーザ加工装置は、LEDウェハ、半導体ウェハ、又は光ディスク等のマスター原盤の製造に関するレーザ加工分野に広く用いることができる。
1 レーザ加工装置
3 固定治具
5 境界領域
7 スペーサ
8 低反射率部
9 高反射率部
10 加工対象物
12 ターンテーブル
102、120 信号増幅回路
104 フォーカスエラー信号生成回路
106 導通回路
108 フォーカスサーボ回路
110 加算回路
112 ドライブ回路
122 SUM信号生成回路
124 エッジ検出回路
126 遅延回路A
128 遅延回路B
130 遅延回路C
132 遅延回路D
134 マスク信号発生回路
140 フォーカスエラー信号生成回路
142 ホールド回路
144 移動量変換回路
200 光加工ヘッド
250 加工用レーザ駆動回路
252 発光信号生成回路
254 先行レーザ駆動回路
300 スピンドルモータ
302 スピンドルモータ制御回路
400 フィードモータ
402 フィードモータ制御回路
600 コントローラ
602 表示装置
604 入力装置

Claims (4)

  1. 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置において、
    前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ手段と、
    前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射手段と、
    前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出手段と、
    前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド手段と、
    前記ホールド手段によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除手段と、
    を有することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記先行レーザ光の加工対象物及び固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する段差量検出手段を有し、
    前記ホールド手段は、前記段差量検出手段により検出された段差量に基づき、前記加工用レーザ光の焦点位置を変更する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記境界領域に少なくとも固定治具の反射率と異なる反射率を有するスペーサが配される請求項1から2のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  4. 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法おいて、
    前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ工程と、
    前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射工程と、
    前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出工程と、
    前記境界検出工程による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド工程と、
    前記ホールド工程によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除工程と、
    を有することを特徴とするレーザ加工方法。
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