JP5390338B2 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
このレーザ加工装置については、加工効率を向上させるため加工対象物を多数枚ターンテーブル上に固定してレーザ加工を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このレーザ加工装置は、ターンテーブルに複数枚の加工対象物を固定して回転させ、加工対象物の大気に面した表面に光加工ヘッドから集光したレーザ光を照射するとともに、光加工ヘッドをターンテーブルと相対的にターンテーブルの半径方向に移動させて、加工対象物をレーザ加工するものである。また、このレーザ加工装置は、加工対象物またはターンテーブルからのレーザ光の反射光から作成される信号に基づいて光加工ヘッドの対物レンズをレーザ光の光軸方向に駆動することで、レーザ光の焦点が常に加工対象物の表面またはターンテーブルの表面に一致するようフォーカスサーボ制御が行われている。
この方法は、レーザ光が加工対象物の縁とターンテーブルの装着孔の縁との間を通過するときは、フォーカスエラー信号のS字検出距離を通常より大きくし、フォーカスサーボ回路のカットオフ周波数を通常より小さくした(即ち外れにくいが精度の悪い)フォーカスサーボ制御を行い、レーザ光が加工対象物を照射しているときは、フォーカスエラー信号のS字検出距離およびフォーカスサーボ回路のカットオフ周波数が通常の(即ち精度はよいが外れやすい)フォーカスサーボ制御を行う方法である。
この方法によれば、加工対象物の縁付近を除いて、レーザ加工の精度を、1枚の加工対象物をターンテーブルにセットしてレーザ加工を行う場合と同等の精度にすることができる。
また、加工対象物が小さくなると全体の面積に対する縁付近の部分の面積の割合が大きくなるため、レーザ加工の精度が悪い箇所の割合が大きくなるという問題がある。
<1> 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置において、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ手段と、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射手段と、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出手段と、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド手段と、前記ホールド手段によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除手段と、を有することを特徴とするレーザ加工装置である。
<2> 前記先行レーザ光の加工対象物及び固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する段差量検出手段を有し、前記ホールド手段は、前記段差量検出手段により検出された段差量に基づき、前記加工用レーザ光の焦点位置を変更する前記<1>に記載のレーザ加工装置である。
<3> 前記境界領域に少なくとも固定治具の反射率と異なる反射率を有するスペーサが配される前記<1>から<2>のいずれかに記載のレーザ加工装置である。
<4> 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法おいて、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ工程と、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射工程と、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出工程と、前記境界検出工程による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド工程と、前記ホールド工程によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除工程と、を有することを特徴とするレーザ加工方法である。
本発明のレーザ加工装置は、複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であり、フォーカスサーボ手段と、先行レーザ光照射手段と、境界検出手段と、ホールド手段と、ホールド解除手段とを有し、更に必要に応じて、段差量検出手段、その他の手段を有する。
また、本発明のレーザ加工方法は、複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であり、フォーカスサーボ手段と、先行レーザ光照射工程と、境界検出工程と、ホールド工程と、ホールド解除工程とを有し、更に必要に応じて、段差量検出工程、その他の工程を有する。
前記加工対象物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、LEDウェハー、半導体ウェハー、及びこれらのマスター原盤などの基板が挙げられる。
前記加工対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円形が好ましい。
前記加工対象物の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加工対象物表面の反射率が、0.1%未満であると、フォーカスサーボ制御が困難になることがあり、90%を超えると制御回路への信号強度が過剰となり制御が不安定になることがある。一方、前記加工対象物表面の反射率が前記特に好ましい範囲内であると、フォーカスサーボ制御が安定にかかる点で有利である。
前記無機物としては、ガラス、サファイア、シリコン(Si)、石英(SiO2)などが挙げられる。
前記有機物としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、低融点フッ素樹脂、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、トリアセテートセルロース(TAC)、などが挙げられる。
前記基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、100μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましい。
前記ヒートモードの形状変化が可能な層は、強い光の照射により光が熱に変換されて、この熱により材料が形状変化して凹部を形成することが可能な層である。
前記有機層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シアニン系、フタロシアニン系、キノン系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チオール錯塩系、メロシアニン系などを用いることができる。
好適な例としては、例えばメチン色素(シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、オキソノール色素、メロシアニン色素など)、大環状色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、アゾ色素(アゾ金属キレート色素を含む)、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、桂皮酸誘導体、キノフタロン系色素などが挙げられる。これらの中でも、メチン色素、アゾ色素が特に好ましい。
例えば、レーザ光源の発振波長が780nm付近であった場合、ペンタメチンシアニン色素、ヘプタメチンオキソノール色素、ペンタメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素などから選択することが有利である。
また、レーザ光源の発振波長が660nm付近であった場合は、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンオキソノール色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ピロメテン錯体色素などから選択することが有利である。
更に、レーザ光源の発振波長が405nm付近であった場合は、モノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、ゼロメチンメロシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、キノフタロン系色素などから選択することが有利である。
前記固定治具は、前記加工対象物を固定する部材としてなる。例えば、前記固定治具としては、装着孔が複数穿設された装着部を備えたターンテーブル等が挙げられる。
前記固定治具表面の反射率が、0.1%未満であると、フォーカスサーボ制御が困難になることがあり、前記固定治具表面前記被加工物表面の反射率が、90%を超えると、制御回路への信号強度が過剰となり制御が不安定になることがある。一方、前記固定治具表面の反射率が前記特に好ましい範囲内であると、フォーカスサーボ制御が安定にかかる点で有利である。
前記固定治具が有する前記加工対象物の枚数の上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000枚以下が好ましく、100枚以下がより好ましく、50枚以下が更に好ましく、20枚以下が特に好ましい。
前記固定治具が有する前記加工対象物の枚数が、2枚未満であると、前記加工対象物の効率的な加工が困難であり、1,000枚を超えると、設置時間がかかりすぎ、全体の効率が下がることがある。一方、前記加固定治具が有する加工対象物の枚数の上限、及び下限が、前記特に好ましい範囲内であると、加工効率が高まる点で有利である。
なお、前記被加工物含有体が有する複数の被加工物の大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記加工対象物を前記固定治具にセットした状態では、前記加工対象物と前記固定治具との間に、前記加工対象物の厚みと前記固定治具の装着孔の深さの差に基づく段差、及び前記加工対象物の外周と該加工対象物を固定する前記固定治具の装着孔の内周との差に基づく隙間が生ずることがある。
本発明によれば、前記段差及び隙間が存在する場合であっても、前記フォーカスサーボ手段に、前記先行レーザ光照射手段と、前記境界検出手段と、前記ホールド手段と、前記ホールド解除手段を加えることにより、フォーカスサーボが外れることなく、加工精度の高いレーザ加工が可能になる。
前記光加工ヘッドとしては、加工用レーザ光源を含み、必要に応じてコリメートレンズ、偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、対物レンズ、凸レンズ、シリンドリカルレンズ、4分割フォトディテクタ、アクチュエータなどの光学部品を含む。
前記加工用レーザ光源から出射される加工用レーザ光の波長としては、大きなレーザパワーが得られる波長であればよく、例えば、前記有機層に色素を用いる場合は、193nm、210nm、266nm、365nm、405nm、488nm、532nm、633nm、650nm、680nm、780nm、830nmなど、1,000nm以下が好ましい。
前記フォーカスサーボ手段は、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行う手段である。
前記フォーカスサーボ工程は、前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行う工程である。
このような制御としては、特に制限はないが、前記分割されたフォトディテクタが出力する前記加工用レーザ光の反射光の受光光量に基づく信号を増幅する信号増幅回路と、該増幅された信号に基づきフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成回路と、該生成されたフォーカスエラー信号に基づきフォーカスサーボ信号を生成するフォーカスサーボ回路と、該生成されたフォーカスサーボ信号に基づいて前記光加工ヘッドにおける前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させるドライブ回路などにより行うことができる。
なお、前記光加工ヘッドにおける前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させる機構としては、特に制限はなく、前記対物レンズの周囲にフォーカスアクチュエータとして設けられる公知の機構で構成することができる。
前記先行レーザ光照射手段は、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する手段である。
前記先行レーザ光照射工程は、前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する工程である。
前記先行レーザ光のレーザ光源は、前記先行レーザ光の加工対象物および固定治具における反射光のみを受光することができれば、前記加工用レーザ光のレーザ光源と同じ光源であっても、異なる光源であってもよく、前記異なる光源である場合には、加工用レーザ光と同様、半導体レーザを採用することが好ましい。また、前記先行レーザ光のレーザ光源は、前記光ヘッドの内部に設けても外部に設けてもよいが、構成を簡略化するためには内部に設けた方が好ましい。また、前記先行レーザ光を集光させる対物レンズは、前記加工用レーザ光と同一の対物レンズを用いてもよいし、別に設けた対物レンズを用いてもよいが、前記先行レーザ光の焦点位置から前記加工用レーザ光の焦点位置までの距離を小さくしたい場合は、同一の対物レンズにし、大きくしたい場合は、別の対物レンズにすればよい。なお、前記先行レーザ光の焦点位置から前記加工用レーザ光の焦点位置までの距離は、特に制限はなく、適宜設定することができる。
前記先行レーザとして用いられるレーザ光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記加工用レーザ光と同じ波長範囲で選択するのが好ましい。なお、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光とを同一の対物レンズで集光する場合は、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光の加工対象物および固定治具での反射光をそれぞれ分離する必要があるので、構成を簡略化するためには前記先行レーザ光の波長は、加工用レーザ光の波長と異なるようにすることが好ましい。
前記境界検出手段は、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する手段である。
前記境界検出工程は、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する工程である。
前記加工対象物と前記固定治具との境界近傍の領域には、前記固定治具と反射率が異なるスペーサ部材を配してもよい。
この場合、前記固定治具表面の反射率をRaとし、該固定治具に隣接する前記境界領域の表面の反射率Rbとしたとき、前記Raと前記Rbとの関係式、|Ra−Rb|/Ra (差の絶対値をRaで規格化)は、次の条件を満たすことが好ましい。
即ち、前記関係式、|Ra−Rb|/Raの上限が、4以下であることが好ましい。4を超えると、前記固定治具と該固定治具に隣接する前記境界領域との間の境界において、反射光量の変化が大きすぎるためフォーカス制御が外れることがある。
また、前記関係式、|Ra−Rb|/Raの下限が、0.2以上であることが好ましい。0.2未満だと、反射光量の変化が小さすぎるため前記固定治具と該固定治具に隣接する前記境界領域との間の境界を検出することが困難となる。
前記条件に設定する方法、即ち、反射率を変える方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記のように固定治具と反射率の異なるスペーサ部材を配することが挙げられる。これ以外にも、前記固定治具表面と該固定治具に隣接する前記境界領域表面とにおいて、コーティング材質を変えること、前記固定治具表面と該固定治具に隣接する前記境界領域表面との一方のみをコーティングすることなどが挙げられる。
即ち、前記段差Δtの条件としては、100μm以下が好ましい。100μmを超えると、フォーカスサーボが外れてしまうことがある。
前記真空成膜におけるコーティング材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属、酸化物、フッ化物、硫化物、混合物などが好ましい。
前記金属としては、Au、Ag、Cu、Co、Ta、Mo、Ni、Ti、Cr、Al、Tb、Fe、Gd、Ge、Sb、Te、In、Zn、Sn、W、Mg、Ga、Siの単体、または、これらを一部含む合金が好ましい。中でも、Au、Ag、Al、Cuが特に好ましい。
前記酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Al2O3、CeO2、HfO2、MgO、SiO2、SiO、Nb2O5、OS−10、OS−50、SnO2、TiO2、Ti2O3、TiO、Ta2O5、WO3、Y2O3、ZrO2、ZnOが好ましい。
フッ化物・硫化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、BaF2、CaF2、CeF3、MgF2、クリオライト、チオライト、ZnS、YF3が好ましい。
前記混合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ITO、OH−5、OM−4、OM−6、OA−100、OA−500、OA−600、S4F、S5F、が好ましい。
この場合、前記加工対象物の表面の反射率をRcとしたとき、前記Raと、前記Rcとの関係式、|Ra−Rc|/Rc(差の絶対値をRcで規格化)は、次の条件を満たすことが好ましい。
即ち、前記関係式、|Ra−Rc|/Rcの上限が、4以下が好ましい。4を超えると、前記固定治具と該固定治具に隣接する前記加工対象物との間の境界において、反射光量の変化が大きすぎるためフォーカス制御が外れることがある。
また、前記関係式、|Ra−Rc|/Rcの下限が、0.2以上であることが好ましい。0.2未満だと、反射光量の変化が小さすぎるため前記固定治具と該固定治具に隣接する前記加工対象物との間の境界を検出することが困難となる。
前記固定治具と、該固定治具と隣接する加工対象物との間の段差Δtは、前記加工用レーザ光の焦点が移動できる範囲、即ちフォーカスアクチュエータの駆動範囲内に入っている必要がある。
即ち、前記段差Δtは、500μm以下が好ましい。500μmを超えると、光加工ヘッドによっては、フォーカスアクチュエータの駆動範囲を超えてしまう場合がある。
このようなスペーサ部材が配されると、前記固定治具と前記スペーサ部材との境界で前記先行レーザ光の反射光の光量が大きく変化するため境界を検出することができる。
前記反射率が異なる複数の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、反射率の高い部材の反射率R1と、反射率が低い部材の反射率R2から|R1−R2|/R2の式で計算される値が0.2〜4の間であることが好ましい。
このように前記スペーサが前記反射率の異なる複数の部材を有すると、反射率の異なる部材の境界では、前記固定治具と前記スペーサとの間のように段差や隙間がなく信号が乱れないため、前記先行レーザ光の反射光の光量変化をより的確に検出することができる。
前記ホールド手段は、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更する手段である。
前記ホールド工程は、前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更する工程である。
このようなホールド手段の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エッジ検出回路からの境界検出信号を入力すると、信号レベルがhighになるマスク信号発生回路と、フォーカスエラー信号生成回路とフォーカスサーボ回路との間に設けられ、マスク信号発生回路からの信号を入力し、この信号がhighになると、前記フォーカスエラー信号生成回路が出力するエラー信号を停止する導通回路と、フォーカスサーボ回路とフォーカスアクチュエータを駆動するドライブ回路との間に設けられた加算器と、エッジ検出回路からの境界検出信号を入力すると前記加算器に前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動する信号を出力する回路とから構成することができる。
このタイミングは、前記先行レーザ光の焦点位置と前記加工用レーザ光の焦点位置との間の距離と、前記レーザ加工における回転の線速度と、前後で反射率が異なる境界箇所から前記加工対象物の縁までの距離とから、前記境界検出手段が境界を検出してから前記加工用レーザ光が前記加工対象物の縁に達するまでの時間を算出しておき、前記境界検出手段が前後で反射率が異なる境界箇所を検出したタイミングから、この時間が経過するタイミングまでのどこかになるように設定する。
好ましいタイミングとしては、前記加工用レーザ光がこれから前記加工用対象物に照射される場合は、ホールドが開始された後、前記加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ前記フォーカスアクチュエータが駆動し終わったとき、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物の縁から数百μm手前にあるようなタイミングであり、前記加工用レーザ光が前記加工用対象物を照射し終える場合は、ホールド開始が前記加工対象物の縁から数百μm手前にあるタイミングである。このタイミングであれば、前記加工用対象物の縁付近の加工精度をそれ以外の箇所と同程度によくすることができ、前記加工対象物の縁付近の曲面でフォーカスサーボが不安定になることがない。
前記タイミングの設定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エッジ検出回路からの前記境界検出信号を遅延回路を介して、マスク信号発生回路等に出力するようにし、この遅延回路の遅延時間を適切な時間に設定する方法が好ましい。
前記ホールド解除手段は、前記ホールド手段により停止された前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始する手段である。
前記ホールド解除工程は、前記ホールド工程により停止された前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始する工程である。
なお、本明細書において、加工用レーザ光の焦点が加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなるとは、加工用レーザ光の焦点が固定治具から加工対象物に移動する場合は、加工用レーザ光の焦点が加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ移動し、加工用レーザ光が加工対象物に照射されることであり、加工用レーザ光の焦点が加工対象物から固定治具に移動する場合は、加工用レーザ光の焦点が加工対象物と固定治具との間における段差量分だけ移動し、加工用レーザ光が固定治具またはスペーサに照射されることである。
前記段差量検出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光する分割されたフォトディテクタが出力する受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号の強度に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する手段が挙げられる。
前記段差量検出工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号の強度に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する工程が挙げられる。
なお、この構成は、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光が同一の対物レンズに入射し、前記先行レーザ光の焦点と前記加工用レーザ光の焦点の高さが常に一致している場合であり、前記先行レーザ光と前記加工用レーザ光が同一の対物レンズに入射しない構成の場合は、前記ホールド回路は、前記先行レーザ光が前記加工対象物以外の箇所にあるタイミングと前記加工対象物上にあるタイミングとの2つのタイミングで前記フォーカスエラー信号生成回路から入力するフォーカスエラー信号をホールドした上でそれぞれ出力し、前記移動量変換回路は、前記ホールド回路が出力する2つの信号の強度を前記段差量の距離に変換するようにする。
該図1に示すように、本例では、固定治具3に加工対象物10が固定され、固定治具3と加工対象物10との間には、境界領域5が存在する。
該図2Aに示すように、加工対象物10が固定治具3にセットされた状態で境界領域5が形成される。該境界領域5の周囲には、スペーサ7が配される。この例では、境界領域5とスペーサ7とを含む領域を境界領域とする。
スペーサ7は、先行レーザ光の進行方向Aに対して、境界領域5の手前に配されており、先行レーザ光が境界領域5に到達する前に、該スペーサ7による反射光を検出でき、該反射光の検出タイミングに基づき設定されるタイミングに基づき、フォーカスサーボ制御のホールドを行うことが可能とされる。
該図2Bに示すように、スペーサ7は、境界領域5に接する全領域において、一定の間隔を有して配されることが好ましい。即ち、該図2Bにおいて、W1及びW2を含む間隔Wがすべて等しいことが好ましい。このような態様であると、前記先行レーザ光の反射光によりスペーサ7を検出してから前記加工用レーザ光が加工対象物5の縁に達するまでの時間をすべて等しくできるので、加工対象物5の全領域において、好ましいタイミングでフォーカスサーボ制御のホールドを行うことができる。
該図2Cに示す例では、スペーサ7が、固定治具3と加工対象物10との境界領域5の近傍に配されている。この例では、境界領域5とスペーサ7とを含む領域を境界領域とし、スペーサ7の検出に基づいてフォーカスサーボ制御のホールドが行われる。
該パルス列信号は、スピンドルモータ制御回路302に供給される。スピンドルモータ制御回路302は、エンコーダからのパルス列信号の単位時間あたりのパルス数を用いてスピンドルモータ300の回転速度を計算し、コントローラ600によって指定された回転速度に等しくなるようにスピンドルモータ300の回転を制御する。なお、コントローラ600は、入力装置604に入力された情報や各回路に出力した信号又は各回路から入力した信号に基づき、必要な情報を表示装置602に表示する。
このパルス列信号は、フィードモータ制御回路402に出力される。フィードモータ制御回路402は、該エンコーダからのパルス列信号の単位時間あたりのパルス数を用いて光加工ヘッド200の移動速度を計算し、コントローラ600によって指定された移動速度に等しくなるように光加工ヘッド200の移動を制御する。また、フィードモータ400は、コントローラ600によって移動方向が指定されると、コントローラ600から停止指令が入力されるまで指定された方向へ光加工ヘッド200を移動する。フィードモータ400内のエンコーダからのパルス列信号は、コントローラ600にも入力されており、コントローラ600は、このパルス列信号のパルス数をカウントすることで移動量を検出し、半径位置を検出する。即ち、フィードモータ制御回路402は、コントローラ600の指示により、フィードモータ400を駆動制御して、加工用レーザ光及びサーボ用レーザ光の照射位置を固定治具3の指定半径位置に移動させたり、テーブル21を半径方向に指定速度で移動させる。
前記加工用レーザ光の反射光を受光した4分割フォトディテクタは、前記受光した加工用レーザ光の反射光の光量に相当する受光信号を信号増幅回路102を介してフォーカスエラー信号生成回路104に出力する。
フォーカスエラー信号生成回路104は、非点収差法による演算を行いフォーカスエラー信号を生成し、該フォーカスエラー信号を導通回路106を介してフォーカスサーボ回路108に出力する。
フォーカスサーボ回路108は、このフォーカスエラー信号が0になるようにフォーカスサーボ信号を生成し、該フォーカスサーボ信号を加算器110を介してドライブ回路112に出力する。
ドライブ回路112は、入力されるフォーカスサーボ信号に基づいて、光加工ヘッド200の対物レンズを駆動させる信号を出力する。
レーザ加工装置1は、前記フォーカスサーボを行う回路に、導通回路106と加算器110とを有する。
導通回路106は、後述するマスク信号発生回路134から入力される信号がハイレベルである間は、フォーカスエラー信号生成回路104から入力したフォーカスエラー信号を出力しない(信号レベルを0にする)こととする。そのため、マスク信号発生回路134から入力される信号がハイレベルであると、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける強度のフォーカスサーボ信号を出力し続け、この状態では、光加工ヘッド200の対物レンズは、一定位置のまま固定される。即ち、前記加工用レーザ光の焦点位置は、一定高さのまま保持される。
SUM信号生成回路122は、4つのフォトディテクタからの出力信号をすべて加算した信号をエッジ検出回路124に出力する。この信号は、先行レーザ光の反射光の強度に相当する信号である。そしてフォーカスエラー信号生成回路140では、非点収差法による演算でフォーカスエラー信号が生成され、出力される。
図3は、固定治具3に加工対象物10をセットした状態における部分断面図である。該図3に示すように、加工治具10の周囲にスペーサ7(境界領域)が配され、該スペーサ7は、円板状の加工対象物10の半径方向において、反射率が異なる低反射率部8と高反射率部9とを有している。
4つの遅延回路A〜Dは、エッジ検出回路124から信号が入力されると、即ち、境界領域が検出されると、設定された時間だけ遅らせて信号をマスク信号発生回路134に出力する。設定される時間は、回転におけるレーザ光照射位置の線速度、先行レーザ光と加工用レーザ光のスポット間隔及び低反射率箇所と高反射率箇所の境界と加工対象物OBの縁との間の距離により決定される。
この遅延回路A〜Dによる信号の出力の遅延時間の設定により、適切なタイミングでフォーカスサーボ制御のホールドとホールド解除が可能となる。
このマスク信号発生回路134から出力されるハイレベルの信号が導通回路106に入力されると、導通回路106は、前述の通りフォーカスエラー信号を出力を止め(信号レベルを0にする)、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける強度のフォーカスサーボ信号を出力し続ける。
ホールド回路142は、遅延回路A、Cから信号が入力される前は、信号強度が0の信号を出力し、遅延回路A、Cから信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140から入力されるフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を出力する。そして、次に遅延回路B、Dから信号が入力されると、再び信号強度が0の信号を出力する。
よって、加算器110は、境界領域が検出されないときは、フォーカスサーボ回路108が出力する信号をそのまま出力し、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。そして、エッジ検出回路124が境界領域の検出に基づく信号を出力すると、遅延回路A、Cにより設定された時間だけ遅れたタイミングでホールド回路142は、フォーカスエラー信号生成回路140が出力する信号の瞬時値の強度の信号を出力する。このタイミングでは、前記先行レーザ光の焦点と前記加工用レーザ光の焦点がある領域が異なる。
前記加工用レーザ光の焦点がこれから加工対象物10上に移動する場合は、前記先行レーザ光の焦点は、加工対象物10上にあり、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10の手前にあり、前記加工用レーザ光の焦点がこれから加工対象物10上から外れる場合は、前記先行レーザ光の焦点は、前記加工対象物を通過した位置にあり、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10上にある。即ち、フォーカスエラー信号生成回路140が出力する信号の瞬時値の強度は、加工対象物10と境界領域との間の段差による値であり、移動量変換回路144は、この信号を距離に相当する信号(フォーカスサーボ信号の強度で表した信号)で出力する。このとき、フォーカスサーボ回路108は、フォーカスエラー信号が0になったタイミングにおける信号強度で一定強度の信号を出力しており、この信号のみであれば、前記加工用レーザ光の焦点は、同じ高さで保持されるが、この信号に移動量変換回路144からの信号が加算されるので、前記加工用レーザ光の焦点は、加工対象物10と境界領域との間の段差分、移動して保持される。
そして、遅延回路B、Dにより設定された時間だけ遅れたタイミングでホールド回路142は、再び信号強度が0の信号を出力するので、加算器110は、再びフォーカスサーボ回路108が出力する信号をそのまま出力し、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。即ち、フォーカスサーボ制御が加工対象物10と境界領域との間の段差分の移動を伴うホールドがされ、前記加工用レーザ光が加工対象物10以外の箇所から加工対象物10上に移動した後、および加工対象物10上から加工対象物10以外の箇所に移動した後、通常のフォーカスサーボ制御が行われる。
図5はフォーカスサーボ制御の際、レーザ光が加工対象物(ワーク)10の縁を通過する際の各回路が出力する信号を時間軸を同じにして示した図である。(a)〜(f)は、以下の回路が出力する信号である。
(a)SUM信号生成回路122
(b)エッジ検出回路124
(c)左は遅延回路A126、右は遅延回路C130
(d)左は遅延回路B128、右は遅延回路D132
(e)マスク信号生成回路134
(f)ホールド回路142及び移動量変換回路144
先行レーザ光の照射位置がターンテーブル12からスペーサ7に移り、スペーサ7の高反射率箇所と低反射率箇所の境界に来ると、(a)SUM信号生成回路122が出力する信号はローレベルになる。このとき、(b)エッジ検出回路124は、遅延回路A126、遅延回路B128に対して検出を意味する信号を出力する。
(c)遅延回路A126は、信号が入力されたタイミングから先行レーザ光が加工対象物(ワーク)10に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路A126から信号が入力されると信号がハイレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108に入力されるフォーカスエラー信号生成回路104からのフォーカスエラー信号は0レベルになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路A126から信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140からのフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を移動量変換回路144に出力し、移動量変換回路144はこの信号を距離に相当する信号に変換して加算器110に出力する。これにより対物レンズは段差分の距離移動し、その位置で固定される。即ち、加工用レーザ光の焦点位置が段差分の距離を移動して固定される。
(d)遅延回路B128は、信号が入力したタイミングから加工用レーザ光が加工対象物(ワーク)10に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路B128から信号が入力されると信号がローレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108にはフォーカスエラー信号生成回路104から信号が入力されるようになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路B128から信号が入力すると、信号強度0の信号を出力する。これにより加算器110は、フォーカスエラー信号生成回路104からの信号のみを出力するので対物レンズは通常のフォーカスサーボ制御により駆動される。
先行レーザ光の照射位置が加工対象物OBからスペーサ7に移り、スペーサ7の高反射率箇所に来ると、(a)SUM信号生成回路122が出力する信号はハイレベルになる。このとき、(b)エッジ検出回路124は、遅延回路C130、遅延回路D132に対して境界領域の検出を意味する信号を出力する。
(c)遅延回路C130は、信号が入力されたタイミングから加工用レーザ光が加工対象物(ワーク)OBの縁に来るタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路C130から信号が入力されると、信号がハイレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108に入力するフォーカスエラー信号生成回路104からのフォーカスエラー信号は0レベルになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路C130から信号が入力されると、フォーカスエラー信号生成回路140からのフォーカスエラー信号の瞬時値の強度の信号を移動量変換回路144に出力し、移動量変換回路144は、この信号を距離に変換した信号を加算器110に出力する。これにより対物レンズは、段差分の距離移動し、その位置で固定される。即ち、加工用レーザ光の焦点位置が段差分の距離移動して固定される。
(d)遅延回路D132は、信号が入力したタイミングから加工用レーザ光がスペーサ7の高反射率箇所に照射されるタイミングまで待って信号を出力する。
(e)マスク信号生成回路134は、遅延回路D132から信号が入力すると信号がローレベルになる。これによりフォーカスサーボ回路108には、フォーカスエラー信号生成回路104から導通回路106を介して信号が入力されるようになる。
(f)ホールド回路142は、遅延回路D132から信号が入力されると、信号強度0の信号を出力する。これにより加算器110は、フォーカスサーボ回路108からの信号のみを出力するので、対物レンズは、通常のフォーカスサーボ制御により駆動される。
これによっても前記実施例と同じ効果を得ることができる。
この場合、先行レーザ光の反射光は、加工対象物10とターンテーブル12との境界領域で強度が変化するため、このタイミングから加工用レーザ光が加工対象物10を照射するタイミングを考慮して遅延回路A、B、C、Dの遅延時間を設定すればよい。
3 固定治具
5 境界領域
7 スペーサ
8 低反射率部
9 高反射率部
10 加工対象物
12 ターンテーブル
102、120 信号増幅回路
104 フォーカスエラー信号生成回路
106 導通回路
108 フォーカスサーボ回路
110 加算回路
112 ドライブ回路
122 SUM信号生成回路
124 エッジ検出回路
126 遅延回路A
128 遅延回路B
130 遅延回路C
132 遅延回路D
134 マスク信号発生回路
140 フォーカスエラー信号生成回路
142 ホールド回路
144 移動量変換回路
200 光加工ヘッド
250 加工用レーザ駆動回路
252 発光信号生成回路
254 先行レーザ駆動回路
300 スピンドルモータ
302 スピンドルモータ制御回路
400 フィードモータ
402 フィードモータ制御回路
600 コントローラ
602 表示装置
604 入力装置
Claims (4)
- 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置において、
前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ手段と、
前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射手段と、
前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出手段と、
前記境界検出手段による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド手段と、
前記ホールド手段によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除手段と、
を有することを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記先行レーザ光の加工対象物及び固定治具の表面での反射光の受光光量に相当する信号から作成されるフォーカスエラー信号に基づき、前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量を検出する段差量検出手段を有し、
前記ホールド手段は、前記段差量検出手段により検出された段差量に基づき、前記加工用レーザ光の焦点位置を変更する請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記境界領域に少なくとも固定治具の反射率と異なる反射率を有するスペーサが配される請求項1から2のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 複数の加工対象物を固定治具にセットし、前記固定治具を回転させながら光加工ヘッドから加工用レーザ光を照射することにより、前記複数の加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法おいて、
前記加工用レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工対象物及び前記固定治具の表面に合うようにフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ工程と、
前記固定治具が回転された際の前記加工用レーザ光の進行方向において、前記加工用レーザ光に先行する位置に先行レーザ光を照射する先行レーザ光照射工程と、
前記先行レーザ光の前記加工対象物及び前記固定治具の表面での反射光を受光し、受光光量に相当する信号から作成された信号の強度に基づいて前記加工対象物と前記固定治具との境界領域を検出する境界検出工程と、
前記境界検出工程による前記境界領域の検出に基づき、前記フォーカスサーボ制御をホールドし、前記加工用レーザ光の焦点位置を前記加工対象物と前記固定治具との間における段差量に基づいて変更するホールド工程と、
前記ホールド工程によりホールドされた前記フォーカスサーボ制御を、前記加工用レーザ光の焦点が前記加工用レーザ光の照射位置と略同一高さとなった後に開始するホールド解除工程と、
を有することを特徴とするレーザ加工方法。
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