JP5389601B2 - 溶融固化体ドラム缶詰装置 - Google Patents
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Description
また、重量物取扱い作業の危険と放射性物質の取扱いによる放射線被曝の危険が重畳する危険度の高い作業であるので、従業者は対象物が配置される室に立ち入らないで遠隔で操作できるようにすることが必要な場合が多い。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置は、くさび部材とスリーブ部材が係合していないときには、くさび部材は径方向に揺動ができる。したがって、溶融固化体を収容したキャニスタを把持するためにくさび部材とスリーブ部材を下ろしたときに、くさび部材がキャニスタの上に降りるとくさび部材はキャニスタの肩に当たって逃げるので、くさび部材とスリーブ部材はキャニスタの外壁(胴部)に沿って所定の高さまで簡単に下ろすことができる。
なお、キャニスタの肩部に適宜な案内プレートを設けた場合は、より簡単かつスムーズに、くさび部材とスリーブ部材をキャニスタの外壁(胴部)に沿って下ろすことができる。
スリーブ部材は、スリーブ支持部材に支持されてくさび部材に対する相対位置を保持しているが、スリーブ支持部材の支持がなくなると、自重で降下してくさび面に乗り上げることができる。
また、くさび支持部材とスリーブ支持部材の間に流体シリンダやモータなどのアクチュエータを設けて、くさび部材とスリーブ部材の相対位置を調整するようにしても良い。
また、スリーブ部材の外径が溶融固化体(キャニスタ)ドラム缶詰装置の外径になるが、スリーブ部材の外径はキャニスタを吊り下げたときでも変化しない。溶融固化体ドラム缶詰装置の外径は収納容器(ドラム缶)の内壁の径より小さいので、遠隔操作によっても、吊り下ろし位置を適宜調整して収納容器(ドラム缶)中に吊り下ろすことができる。
なお、スリーブ支持部材がクレーン用の取っ手を備えて、くさび支持部材を吊り下げるくさび部材昇降装置とは別のクレーンを常時係合させておいて、スリーブ部材をくさび部材と適宜の高さ差をもって吊り下げられるようにしても良い。
また、くさび部材に対してスリーブ部材を相対的に上下移動させることによりくさびの係合を制御することができるので、クレーンなどによる簡単な操作のみで作動させることも可能で、厳密な高さ制御なども不要で、また、外部からの供給エネルギを要するモータや流体装置なども必須でない。
さらに、狭い間隙内で操作するにもかかわらずキャニスタの底部近傍で支持することができ、また、ドラム缶内でスムーズに着地させることが可能で、溶融固化体を破損させる恐れがない。
図1は本実施形態における溶融固化体ドラム缶詰装置の一部切り欠き斜視図である。
本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置1は、複数のくさび部材11とくさび支持部材13と取っ手15とスリーブ部材21とスリーブ支持部材23を備える。
スリーブ支持部材23は、スリーブ部材21を先端に配置して、スリーブ部材21を、くさび部材11を抑える高さとくさび部材11を緩める高さの間で昇降させることができる。スリーブ支持部材23は、上面の中心付近に取っ手25を備えて、スリーブ部材昇降用のクレーンフック33を取っ手25に掛けて昇降させることができる。
図2(b)に示した状態では、くさび部材11のくさび面に沿って下降したスリーブ部材21のくさび効果により、くさび部材11の内側表面とキャニスタ3の表面の間に極めて強力な摩擦力が発生するので、キャニスタ3がかなりの重量物であっても滑落する心配はない。
クレーンは遠隔操作することができる。また、このとき、溶融固化体ドラム缶詰装置1は、スリーブ部材21をくさび部材11に対して持ち上げて、くさび部材11が自由に揺動できる状態にしておく。
なお、スリーブ支持部材23は、くさび支持部材13に被さるところまで降下すれば十分である。
また、キャニスタ3の底部はテーパ状になっているので、ドラム缶5への位置決めは容易であり、遠隔操作上も全く問題がない。
こうして、キャニスタ3が所定の位置にあるドラム缶5にクレーン搬送されて収納される。
また、上記の操作手順では、ステップS02においてクレーンで支持する部材をスリーブ部材21からくさび部材11に持ち替えるときに、くさび部材昇降用のクレーンフック31とスリーブ部材昇降用のクレーンフック33の2つのクレーンフックを同時に使用している。そこで、支持する部材を持ち替える間だけスリーブ部材21を適宜の高さで仮に支持する仮置き機構を設けることにより、一方のクレーンを省略することも可能である。
図5に示したくさび支持部材13は、たとえば1mm厚の金属の薄板で形成されるが、仕切りのスリット17の端部位置で外側に折れ目19が入れられていて、スリーブ部材21やドラム缶5の内壁などで抑えられていないときにはくさび部材11を外側に持ち上げるようになっている。この溶融固化体ドラム缶詰装置1では、くさび部材11が内側に出っ張ることがないので、装置をキャニスタ3の周囲に下ろす場合に、くさび部材11がキャニスタ3の肩などに絡んで降ろし難くなる心配がない。
図6に示した溶融固化体ドラム缶詰装置1は、くさび部材11を円盤状のくさび部材吊下用円板12からワイヤ14で吊っているところが、図1に記載した溶融固化体ドラム缶詰装置1と異なる。
なお、くさび部材11として、1本のワイヤに吊された円錐形状の形態を有するものを利用することもできる。
図7は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるスリーブ支持部材の別例を示す断面図である。図7に示したスリーブ支持部材は、くさび部材11とスリーブ部材21の配置高さの調整を電磁アクチュエータや流体アクチュエータで行うことを特徴とする。なお、この例においては、スリーブ部材21は断面が下側に狭いくさび形状を有し、円筒薄膜状金属で形成されたスリーブ支持部材23により支持されているが本質上の差異はない。
本例における溶融固化体ドラム缶詰装置1では、くさび部材11を吊り下げるくさび部材吊下用円板12とスリーブ部材21を吊り下げるスリーブ部材吊下用円板24の間にいくつかの流体アクチュエータ26を設けている。流体アクチュエータを同時に駆動して、スリーブ部材21をくさび部材11に対して相対的に上下方向に移動させて、スリーブ部材21とくさび部材11の係合を断接することができる。
スリーブ部材の配置高さを変更するタイミングにおいて、くさび部材がキャニスタの外壁(胴部)に固定されておらず、くさび部材を所望の高さに維持しておく必要がある場合もあるので、スリーブ部材の高さを変更するクレーンは、くさび部材を吊り下げるクレーンと、別のクレーンを使用することが好ましい。
3 溶融固化体(キャニスタ)
5 収納容器(ドラム缶)
11 くさび部材
12 くさび部材吊下用円板
13 くさび支持部材
14 ワイヤ
15 くさび支持部材用取っ手
17 スリット
19 折れ目
21 スリーブ部材
23 スリーブ支持部材
24 スリーブ部材吊下用円板
25 スリーブ支持部材用取っ手
26 流体アクチュエータ
31 クレーンフック(くさび部材昇降用)
33 クレーンフック(スリーブ部材昇降用)
Claims (7)
- くさび昇降装置を用いて、溶融固化体を収容した円柱形状のキャニスタを円筒形状の収納容器に搬入出する溶融固化体ドラム缶詰装置であって、
前記キャニスタの表面に当接する面を有し半径方向の断面が上に向かって狭くなるくさび形状を呈する複数のくさび部材と、
該複数のくさび部材を先端に吊り下げ該くさび部材を前記キャニスタの外周に沿って配置するくさび支持部材と、
該くさび支持部材を前記くさび昇降装置に係合させる吊り具と、
外径が前記収納容器の内法より小さく、前記くさび部材を外側から抑えることにより該くさび部材と前記キャニスタの間の摩擦を増大させるスリーブ部材と、
該スリーブ部材を先端に配置して前記くさび部材を抑える高さと該くさび部材を緩める高さの間を昇降させるスリーブ支持部材と、
を具備する溶融固化体ドラム缶詰装置。 - 前記くさび支持部材は、下縁にスリットで分けられた複数の垂下部を設けた円筒体であって、該複数の垂下部がそれぞれ前記くさび部材を支持することを特徴とする請求項1に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
- 前記くさび支持部材は、前記垂下部が外側に反るように予め応力を与えられていることを特徴とする請求項2に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
- 前記くさび支持部材は、前記くさび部材の各々を吊下して支持するワイヤを含むことを特徴とする請求項1に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
- 前記くさび部材は、下端部の内側がテーパ面をなすことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
- 前記スリーブ支持部材は、該スリーブ支持部材をスリーブ昇降装置に係合させる吊り具を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
- 前記スリーブ支持部材は、前記くさび支持部材に固設され該スリーブ支持部材を前記くさび支持部材に対して上下方向に駆動するアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
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