JP5389601B2 - 溶融固化体ドラム缶詰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体廃棄物、特に原子力施設等で発生する放射性の雑固体廃棄物などを収納して溶融減容した円柱状の溶融固化体をドラム缶に搬入出するために使用する溶融固化体ドラム缶詰装置に関する。
原子力発電所で発生する雑固体廃棄物などの低レベル放射性廃棄物は、円形断面を有するキャニスタに廃棄物を詰め込んで高周波溶融炉で内容物を溶融することにより減容される。廃棄物を減容した溶融固化体を納めたキャニスタは、ドラム缶などの収納容器に収納してキャニスタ周囲の隙間にモルタルなどの固型化材料を充填して固定化し、廃棄体として所定の埋設場に埋設処分される。埋設場には限りがあるので、廃棄物を減容して埋設するドラム缶の数を少なくすることが好ましく、またひとつのドラム缶に収容する雑固体廃棄物の量を増大させることが好ましい。
断面円形のドラム缶に効率よく充填するため、キャニスタの外径はドラム缶の内径にできるだけ近くなるように、両者の間にできる隙間はたとえば10mm以下にすることが望ましい。しかし、たとえば、キャニスタをドラム缶に吊り降ろすためにワイヤロープを使用する場合では、ワイヤロープとその結び目が入る数10mm程度の余裕が必要となり、キャニスタの容量を制約することになる。
なお、ワイヤロープで吊り下げる場合は、ワイヤロープが窄まってキャニスタの上端縁に当たり、高熱で脆弱化しているキャニスタの縁が崩れたりして損傷することがある。さらに、キャニスタの上縁付近で把持すると、キャニスタは自重で崩落する恐れがある。
また、重量物取扱い作業の危険と放射性物質の取扱いによる放射線被曝の危険が重畳する危険度の高い作業であるので、従業者は対象物が配置される室に立ち入らないで遠隔で操作できるようにすることが必要な場合が多い。
これに対して、たとえば特許文献1には、たとえばドラム缶にキャニスタを搬入出する場合などに使用するため、キャニスタの外周に沿って下方に延びる第1の支持体の下端部に内側に揺動する爪を設け、また第2の支持体の下端部に第2の支持体を吊り上げたときに第1の支持体の爪を内側に揺動させる爪揺動部材を設けて、キャニスタの下縁部を爪で抱えて、キャニスタを収納容器に搬入出するようにした容器搬入出装置が開示されている。
第1の支持体と第2の支持体は、キャニスタと収納容器の間の隙間を昇降することができ、爪が内側に揺動してキャニスタの底部を抱えたところで支持体を上昇させれば、キャニスタを持ち上げることができる。爪揺動部材は、爪に対して傾斜面を介して爪の揺動を行うようにすることができる。
また、特許文献2には、周方向に2分された割りバンドをキャニスタの胴部に回し、割りバンドの端部と吊り下げアームの縦ビームとの間をリンク機構で連結し、リンク機構を使って割りバンドの巻き付け径を縮小せしめて、割りバンドの締め付けによりキャニスタを縦ビームで吊り下げられるようにした溶融固化体(キャニスタ)吊下装置が開示されている。
割りバンドとリンク機構は十分薄く形成することができるので、キャニスタとドラム缶との隙間が小さい場合でも、遠隔操作によって容易に溶融固化体の吊り上げ吊り下ろしを行うことができる。
特許第2750276号明細書 特許第4155867号明細書
しかし、特許文献1記載の容器搬入出装置では、爪の部分に回転軸その他の機構が使われているため、第1と第2の支持体を挿入する隙間として半径で17.5mm程度必要とされ、10mm以下にしたいという要求に応えることができない。
また、特許文献2記載の溶融固化体吊下装置では、平行リンク機構を用いて半周分の割りバンドを引き込み、より内側のキャニスタを締め込むので、駆動機構のストロークはかなり大きくなければならない。また、割りバンドに発生させる張力のうち、2枚の割りバンドがキャニスタを挟み付ける押圧力に変換する割合は必ずしも大きくないので、重量のあるキャニスタを確実に把持して吊り下げるためには強力な駆動機構を準備する必要がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、より簡単な機構を用い、キャニスタとドラム缶の間の狭い間隙を利用して、確実にキャニスタを把持して吊下し、キャニスタをドラム缶に収めることができる溶融固化体ドラム缶詰装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置は、キャニスタの表面に当接する面を有し半径方向の断面が上に向かって狭くなるくさび形状を呈する複数のくさび部材と、くさび部材を先端に吊り下げてくさび部材をキャニスタの外周に沿って配置するくさび支持部材と、くさび支持部材をクレーンなどのキャニスタを昇降させる装置に係合させる取っ手と、外径がドラム缶の内法より小さくてくさび部材を外側から抑えることによりくさび部材とキャニスタの摩擦力を増大させるスリーブ部材と、スリーブ部材を先端に配置してくさび部材を抑える高さとくさび部材を緩める高さの間を昇降させるスリーブ支持部材と、を具備する。
くさび部材の下端部内側に外側に向かって低くなる斜面を備えて、この斜面をくさび部材がキャニスタ上に降りるときの案内面とすることができる。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置は、くさび部材とスリーブ部材が係合していないときには、くさび部材は径方向に揺動ができる。したがって、溶融固化体を収容したキャニスタを把持するためにくさび部材とスリーブ部材を下ろしたときに、くさび部材がキャニスタの上に降りるとくさび部材はキャニスタの肩に当たって逃げるので、くさび部材とスリーブ部材はキャニスタの外壁(胴部)に沿って所定の高さまで簡単に下ろすことができる。
さらに、くさび部材を支持するくさび支持部材の垂下部が予め外側に反っている場合も、くさび部材はキャニスタに当たらずに外壁に沿って下ろされる。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置では、溶融固化体を収容したキャニスタを所定の場所に据えて、くさび部材がスリーブ部材より下にあって係合していない状態で溶融固化体ドラム缶詰装置をキャニスタにかぶせるように下ろす。さらに、くさび部材とスリーブ部材をキャニスタの外壁(胴部)に沿って降下させ、所望の高さで停止させる。
なお、キャニスタの肩部に適宜な案内プレートを設けた場合は、より簡単かつスムーズに、くさび部材とスリーブ部材をキャニスタの外壁(胴部)に沿って下ろすことができる。
所望の高さで停止させた後、くさび部材をその位置に保持し、スリーブ部材のみを降下させると、スリーブ部材の先端部分がくさび部材のくさび面に乗り上げて進み、たがのように作用するので、キャニスタ表面に当接するくさび部材の面がキャニスタに押し付けられ、くさび効果により強力な摩擦力が発生する。キャニスタの周囲に沿って存在する複数のくさび部材がそれぞれ同等の摩擦力を発生させるので、くさび部材はキャニスタを確実に把持することができる。
スリーブ部材は、スリーブ支持部材に支持されてくさび部材に対する相対位置を保持しているが、スリーブ支持部材の支持がなくなると、自重で降下してくさび面に乗り上げることができる。
なお、くさび部材を所定の位置に保持するため、スリーブ支持部材を昇降させるクレーンとは別のクレーンをくさび部材昇降装置として専用化し、2つの昇降装置を協働させるようにしてもよい。なお、スリーブ部材を昇降させるクレーンをくさび部材の昇降に使えるように切り換える間、暫定的にくさび部材の高さを保持する装置や治具を備えても良い。
また、くさび支持部材とスリーブ支持部材の間に流体シリンダやモータなどのアクチュエータを設けて、くさび部材とスリーブ部材の相対位置を調整するようにしても良い。
スリーブ部材で締めてくさび部材でキャニスタを把持すると、くさび支持部材の上面に設けられた取っ手に掛けたクレーンのフックを引き上げることによりキャニスタを吊り上げ、収納容器(ドラム缶)が置かれた位置まで搬送して、キャニスタを収納容器(ドラム缶)のなかに吊り下ろす。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるくさび部材の厚みは小さく、またスリーブ部材の厚みも小さい。さらに、くさび部材でキャニスタの外壁(胴部)を把持する機構は極めて簡単なので、キャニスタ外壁(胴部)と収納容器(ドラム缶)の内壁の間に挿入される部品は十分に薄く形成することができる。
また、スリーブ部材の外径が溶融固化体(キャニスタ)ドラム缶詰装置の外径になるが、スリーブ部材の外径はキャニスタを吊り下げたときでも変化しない。溶融固化体ドラム缶詰装置の外径は収納容器(ドラム缶)の内壁の径より小さいので、遠隔操作によっても、吊り下ろし位置を適宜調整して収納容器(ドラム缶)中に吊り下ろすことができる。
さらに、キャニスタを収納容器(ドラム缶)内に据えた後に、くさび部材による把持を解除して溶融固化体ドラム缶詰装置を取り出すことができる。くさび部材の把持を解除するときは、スリーブ部材昇降装置によりスリーブ部材をくさび部材に対して持ち上げると、くさび部材の押圧が解除され、くさび部材をキャニスタの外壁から引き離すことができる。そこで、くさび部材昇降装置によりくさび部材を引き上げると、くさび部材と一緒にスリーブ部材も引き上げられて溶融固化体ドラム缶詰装置全体が持ち上がるので、所定の位置に搬送して、次の操作に応ずるべく待機する。あるいは、次のキャニスタに対して、運搬を始めるべく準備を開始することができる。
なお、スリーブ支持部材がクレーン用の取っ手を備えて、くさび支持部材を吊り下げるくさび部材昇降装置とは別のクレーンを常時係合させておいて、スリーブ部材をくさび部材と適宜の高さ差をもって吊り下げられるようにしても良い。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置は、円筒形の薄いスリーブ部材とくさび効果を有する薄いくさび部材で構成されるので、溶融固化体が収納されたキャニスタとドラム缶などの収納容器との狭い隙間に挿入して操作することが可能である。
また、くさび部材に対してスリーブ部材を相対的に上下移動させることによりくさびの係合を制御することができるので、クレーンなどによる簡単な操作のみで作動させることも可能で、厳密な高さ制御なども不要で、また、外部からの供給エネルギを要するモータや流体装置なども必須でない。
したがって、気密構造を有する放射性物質取扱場所内における遠隔取扱い作業が可能である。
さらに、狭い間隙内で操作するにもかかわらずキャニスタの底部近傍で支持することができ、また、ドラム缶内でスムーズに着地させることが可能で、溶融固化体を破損させる恐れがない。
本発明の1実施形態に係る溶融固化体ドラム缶詰装置の一部切り欠き斜視図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置のキャニスタ把持原理を説明する要部断面図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるキャニスタを収納容器(ドラム缶)に収納する場合の操作手順を説明する手順図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるキャニスタを収納容器(ドラム缶)に収納する場合の操作手順を説明するフロー図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置のくさび支持部材の別例を示す斜視図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置の別例を示す一部切り欠き斜視図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置のスリーブ支持部材の別例を示す断面図である。 本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置のスリーブ支持部材のさらに別の例を示す断面図である。
以下、図面を用い実施形態に基づいて本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置を詳細に説明する。
図1は本実施形態における溶融固化体ドラム缶詰装置の一部切り欠き斜視図である。
本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置1は、複数のくさび部材11とくさび支持部材13と取っ手15とスリーブ部材21とスリーブ支持部材23を備える。
くさび部材11は、溶融固化体を収納するキャニスタの表面に対応する曲面を有し、半径方向の断面が上に向かって狭くなるくさび形状を呈する。くさび支持部材13は、複数のくさび部材11を先端に吊り下げ、くさび部材11をキャニスタの外周に沿って配置する。取っ手15は、くさび支持部材13の天板の中心付近に固定され、クレーンなど、図示されていないくさび部材昇降装置のフックに係合させて、くさび部材11などを運搬したり昇降させたりする。
なお、くさび支持部材13の下端部には、等間隔にスリット17を備えて、くさび部材11ごとにスリット17で区切られるようになっている。スリット17を備えるため、くさび部材11は径方向に自由に揺動し、スリーブ部材21によりくさび部材11がキャニスタの壁に押し付けられてくさび部材11のキャニスタを囲む径が小さくなっても、互いに重ならず、くさび部材11がキャニスタの表面に当接して摩擦力を発生する。
スリーブ部材21は薄板で形成される円筒体で、外径はドラム缶などの収納容器5の内法より小さい。スリーブ部材21が下方に移動して、スリーブ部材21の内面でくさび部材11を外側から抑えるようになると、押圧によりくさび部材11とキャニスタの間の摩擦力を増大させることができる。
スリーブ支持部材23は、スリーブ部材21を先端に配置して、スリーブ部材21を、くさび部材11を抑える高さとくさび部材11を緩める高さの間で昇降させることができる。スリーブ支持部材23は、上面の中心付近に取っ手25を備えて、スリーブ部材昇降用のクレーンフック33を取っ手25に掛けて昇降させることができる。
なお、くさび支持部材13に固定された取っ手15は、スリーブ支持部材23の天板に開けられた開口を貫通して設けられた台上に固定されている。また、スリーブ支持部材23の上面に設けられた取っ手25は、くさび支持部材13に固定された取っ手15をまたいで直立させ、クレーンフック33に掛けることができるようにしたり、リンク機構で回転して横臥させて、くさび部材昇降用のクレーンフック31がくさび支持部材の取っ手15に繋がるのを邪魔しないようにしたりすることができるようになっている。
図2は、溶融固化体ドラム缶詰装置の作動原理を説明する要部断面図である。図2(a)は、くさび部材11とスリーブ部材21をキャニスタ3と収納容器(ドラム缶)5の間の間隙に挿入した状態を示す。くさび部材11とスリーブ部材21およびくさび支持部材13の内側と外側には空間が形成されているので、溶融固化体ドラム缶詰装置は容易にキャニスタ3と収納容器(ドラム缶)5の間の間隙に搬入出することができる。
また、図2(b)は、図2(a)の状態からスリーブ部材21をくさび部材11のくさび面に沿ってさらに下降させ、くさび部材11を内側に押し込んで、くさび部材11をキャニスタ3の表面に押し付けるようにした状態を示す。
図2(b)に示した状態では、くさび部材11のくさび面に沿って下降したスリーブ部材21のくさび効果により、くさび部材11の内側表面とキャニスタ3の表面の間に極めて強力な摩擦力が発生するので、キャニスタ3がかなりの重量物であっても滑落する心配はない。
たとえば、直径約300mmの100kgキャニスタを内径316mmの小型ドラム缶に詰める場合は、キャニスタ表面とドラム缶内径の隙間は10mm以下であることが好ましい。したがって、図2に示すくさび部材11とスリーブ部材21は、幅10mm以下の間隙に挿入することができる幅であることが求められる。
本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置では、スリーブ部材21の厚さを2mmとし、くさび部材11のくさび部分の厚さを3mm、くさび支持部材13の厚さを1mmとすることができる。したがって、たとえば、キャニスタ3の外径とドラム缶内径の隙間を5mm程度としても、くさび部材11とスリーブ部材21は間隙内に挿入でき、キャニスタ3の胴部表面を底部に近い位置で把持して支持し、また間隙内で支持を解除することができる。
図3は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるキャニスタを収納容器(ドラム缶)に収納する場合の操作手順を説明する手順図、図4はそのフロー図である。
キャニスタを、所定位置に配置されたドラム缶に収納するときは、まず、図3(a)に示すように、スリーブ部材昇降用のクレーンフック33をスリーブ支持部材23の取っ手25に掛けて溶融固化体ドラム缶詰装置1を吊り上げ、キャニスタ3の上方に、搬送してくる。
クレーンは遠隔操作することができる。また、このとき、溶融固化体ドラム缶詰装置1は、スリーブ部材21をくさび部材11に対して持ち上げて、くさび部材11が自由に揺動できる状態にしておく。
キャニスタ3の中心軸上にスリーブ部材昇降用のクレーンフック33を据えて吊り降ろすと、スリーブ部材21とくさび部材11がキャニスタ3の胴部表面に沿って低下する(図4のステップS01)。このとき、くさび部材11がキャニスタ3の肩に当たっても、くさび部材11の底部に形成された斜面に案内されて自律的に位置調整がされ、スリーブ部材21とくさび部材11は、図3(b)に示すように、キャニスタ3の胴部表面に沿って適宜の高さまで低下させることができる。図3(b)では、スリーブ部材21がくさび部材11より上にあり、くさび部材11はキャニスタ3の胴部に係合していない。
次に、図3(c)に示すように、くさび部材11を適宜の高さに支持しながらくさび部材昇降用のクレーンフック31をくさび支持部材13の取っ手15に掛け直した後に、スリーブ部材21をくさび部材11の上面のくさび面に沿って下降させると、くさび部材11はスリーブ部材21の内壁面とキャニスタ3の表面の間に押し込められるので、くさび部材11の裏側表面がキャニスタ3の表面に押し付けられて、強力な摩擦力を発生する(ステップS02)。
キャニスタ3を囲うように配置された複数のくさび部材11がキャニスタ3の表面とスリーブ部材21に挟まれてキャニスタ3の表面に固定された状態で、取っ手15を介してくさび支持部材13を引き上げると、くさび部材11を介して把持されたキャニスタ3が持ち上がる(ステップS03)。
なお、スリーブ支持部材23は、くさび支持部材13に被さるところまで降下すれば十分である。
こうしてキャニスタ3をクレーンに吊り下げてドラム缶5の上に運搬し、位置決めしてドラム缶5内に吊り降ろす(ステップS04)。溶融固化体ドラム缶詰装置1の最外側はスリーブ部材21あるいはスリーブ支持部材23になり、その外径はドラム缶5の内径より小さいから、溶融固化体ドラム缶詰装置1はドラム缶5に収まることになる。
また、キャニスタ3の底部はテーパ状になっているので、ドラム缶5への位置決めは容易であり、遠隔操作上も全く問題がない。
図3(e)に図示したように、キャニスタ3がドラム缶5の底に着いて安定したところで、スリーブ部材昇降用のクレーンフック33をスリーブ支持部材23の取っ手25に掛け直して、スリーブ部材21をくさび部材11に対して上方に移動させると、くさび部材11とキャニスタ3の表面との間の係合が解ける(ステップ05)。
また、たとえば、スリーブ支持部材23に固定した図示しない取っ手に、別途用意したクレーンのフックを係合させて、スリーブ部材21をくさび部材11の拘束が解けるだけのストローク分引き上げた上で、くさび部材11に対する位置が変化しないようにスリーブ支持部材23とくさび支持部材13を固定するという手順によっても、くさび部材11を緩めることができる。
このようにして、キャニスタ3をくさび部材11による把持から開放した後、図3(f)に示すように、クレーンでスリーブ支持部材23を持ち上げることにより溶融固化体ドラム缶詰装置1を引き上げて、定位置まで搬送退避する(ステップS06)。
こうして、キャニスタ3が所定の位置にあるドラム缶5にクレーン搬送されて収納される。
また、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置においてキャニスタを収納容器から取り出す場合も同様の操作手順により実施することができる。
なお、上記の操作手順については、モータや流体機器を使わないため外部からのエネルギ供給が不要で、厳密な高さ制御もいらないので、気密構造を有する放射性物質取扱場所、いわゆるセルの内に配置された対象物に対して遠隔操作するようにすることが容易である。
また、上記の操作手順では、ステップS02においてクレーンで支持する部材をスリーブ部材21からくさび部材11に持ち替えるときに、くさび部材昇降用のクレーンフック31とスリーブ部材昇降用のクレーンフック33の2つのクレーンフックを同時に使用している。そこで、支持する部材を持ち替える間だけスリーブ部材21を適宜の高さで仮に支持する仮置き機構を設けることにより、一方のクレーンを省略することも可能である。
図5は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置1のくさび支持部材13の別例を示す斜視図である。
図5に示したくさび支持部材13は、たとえば1mm厚の金属の薄板で形成されるが、仕切りのスリット17の端部位置で外側に折れ目19が入れられていて、スリーブ部材21やドラム缶5の内壁などで抑えられていないときにはくさび部材11を外側に持ち上げるようになっている。この溶融固化体ドラム缶詰装置1では、くさび部材11が内側に出っ張ることがないので、装置をキャニスタ3の周囲に下ろす場合に、くさび部材11がキャニスタ3の肩などに絡んで降ろし難くなる心配がない。
図6は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置の別例を示す一部切り欠き斜視図である。
図6に示した溶融固化体ドラム缶詰装置1は、くさび部材11を円盤状のくさび部材吊下用円板12からワイヤ14で吊っているところが、図1に記載した溶融固化体ドラム缶詰装置1と異なる。
本例の溶融固化体ドラム缶詰装置1では、キャニスタ3の周囲を巡って、図1に示したものと同じ形状をした、たとえば16個のくさび部材11が設けられている。くさび部材11は、それぞれ2本のワイヤ14でくさび部材吊下用円板12から吊されている。さらに、くさび部材11の上部のくさび部分を覆っている、たとえば厚さ2mmの筒状のスリーブ部材21と、スリーブ部材吊下用円板24から垂下してスリーブ部材21を支えるスリーブ支持部材23が設けられている。
本例の溶融固化体ドラム缶詰装置1は、円筒状の薄板で形成されるくさび支持部材13と比べて、くさび部材11が径方向に運動する場合の制約が小さく、また製作費用の節減ができる。
なお、くさび部材11として、1本のワイヤに吊された円錐形状の形態を有するものを利用することもできる。
また、スリーブ支持部材23とくさび支持部材13の間に、流体アクチュエータやモータを設置して、スリーブ部材21とくさび部材11を相対的に垂直方向に移動させるようにしてもよい。
図7は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置におけるスリーブ支持部材の別例を示す断面図である。図7に示したスリーブ支持部材は、くさび部材11とスリーブ部材21の配置高さの調整を電磁アクチュエータや流体アクチュエータで行うことを特徴とする。なお、この例においては、スリーブ部材21は断面が下側に狭いくさび形状を有し、円筒薄膜状金属で形成されたスリーブ支持部材23により支持されているが本質上の差異はない。
既に説明した通り、スリーブ部材21はくさび部材11のくさび面を押してくさび部材11をキャニスタ3に押し付けることにより摩擦力を増大させて、キャニスタを把持する。このため、スリーブ部材21はくさび部材11に対して上下方向に変位させる必要がある。
本例における溶融固化体ドラム缶詰装置1では、くさび部材11を吊り下げるくさび部材吊下用円板12とスリーブ部材21を吊り下げるスリーブ部材吊下用円板24の間にいくつかの流体アクチュエータ26を設けている。流体アクチュエータを同時に駆動して、スリーブ部材21をくさび部材11に対して相対的に上下方向に移動させて、スリーブ部材21とくさび部材11の係合を断接することができる。
図8は、本実施形態の溶融固化体ドラム缶詰装置のスリーブ支持部材のさらに別の例を示す断面図である。図8に示したスリーブ支持部材は、くさび部材とスリーブ部材の相対的な配置高さの変更を、2つのクレーンを用いて行うことを特徴とする。
スリーブ部材の配置高さを変更するタイミングにおいて、くさび部材がキャニスタの外壁(胴部)に固定されておらず、くさび部材を所望の高さに維持しておく必要がある場合もあるので、スリーブ部材の高さを変更するクレーンは、くさび部材を吊り下げるクレーンと、別のクレーンを使用することが好ましい。
図8に示す溶融固化体ドラム缶詰装置においては、くさび部材が外周部に吊り下げられるくさび部材吊下用円板12の中心位置に取っ手15が設けられる一方、スリーブ部材が吊り下げられるスリーブ部材吊下用円板24にも、くさび支持部材用取っ手15の位置を避けた偏芯位置にスリーブ支持部材用取っ手25が設けられていて、スリーブの昇降に使用されるクレーンフック33が係合する。なお、スリーブ部材吊下用円板24の中心位置には、くさび支持部材用取っ手15が露出するための開口が設けられている。また、スリーブが水平を保つため、スリーブ支持部材用取っ手25が重心線上に来るように、開口や重りで調整することが好ましい。
本発明の溶融固化体ドラム缶詰装置によれば、原子力発電所などで発生する放射性廃棄物を埋設処分するために、ドラム缶に吊り降ろして収容する溶融固化体を収納したキャニスタの外径をより大きくすることができるので、ドラム缶に収納する雑固体廃棄物の量を増大することができ、また埋設処分するドラム缶の数を少なくすることができる。
1 溶融固化体ドラム缶詰装置
3 溶融固化体(キャニスタ)
5 収納容器(ドラム缶)
11 くさび部材
12 くさび部材吊下用円板
13 くさび支持部材
14 ワイヤ
15 くさび支持部材用取っ手
17 スリット
19 折れ目
21 スリーブ部材
23 スリーブ支持部材
24 スリーブ部材吊下用円板
25 スリーブ支持部材用取っ手
26 流体アクチュエータ
31 クレーンフック(くさび部材昇降用)
33 クレーンフック(スリーブ部材昇降用)

Claims (7)

  1. くさび昇降装置を用いて、溶融固化体を収容した円柱形状のキャニスタを円筒形状の収納容器に搬入出する溶融固化体ドラム缶詰装置であって、
    前記キャニスタの表面に当接する面を有し半径方向の断面が上に向かって狭くなるくさび形状を呈する複数のくさび部材と、
    該複数のくさび部材を先端に吊り下げ該くさび部材を前記キャニスタの外周に沿って配置するくさび支持部材と、
    該くさび支持部材を前記くさび昇降装置に係合させる吊り具と、
    外径が前記収納容器の内法より小さく、前記くさび部材を外側から抑えることにより該くさび部材と前記キャニスタの間の摩擦を増大させるスリーブ部材と、
    該スリーブ部材を先端に配置して前記くさび部材を抑える高さと該くさび部材を緩める高さの間を昇降させるスリーブ支持部材と、
    を具備する溶融固化体ドラム缶詰装置。
  2. 前記くさび支持部材は、下縁にスリットで分けられた複数の垂下部を設けた円筒体であって、該複数の垂下部がそれぞれ前記くさび部材を支持することを特徴とする請求項1に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
  3. 前記くさび支持部材は、前記垂下部が外側に反るように予め応力を与えられていることを特徴とする請求項2に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
  4. 前記くさび支持部材は、前記くさび部材の各々を吊下して支持するワイヤを含むことを特徴とする請求項1に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
  5. 前記くさび部材は、下端部の内側がテーパ面をなすことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
  6. 前記スリーブ支持部材は、該スリーブ支持部材をスリーブ昇降装置に係合させる吊り具を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
  7. 前記スリーブ支持部材は、前記くさび支持部材に固設され該スリーブ支持部材を前記くさび支持部材に対して上下方向に駆動するアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の溶融固化体ドラム缶詰装置。
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