JP5389169B2 - 平面導波路型レーザ装置およびそれを用いたディスプレイ装置 - Google Patents

平面導波路型レーザ装置およびそれを用いたディスプレイ装置 Download PDF

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Description

この発明は、プリンタやレーザテレビまたはレーザ加工機用光源に使用した場合に好適な高出力レーザ装置および波長変換レーザ装置を実現するための平面導波路型レーザ装置に関するものである。
一般に、プリンタやディスプレイにおいては、光源としてR(赤)、G(緑)およびB(青)の3つの色の光源が要求されており、この光源として、従来から波長変換レーザが開発されている。
波長変換レーザは、900nm帯、1μm帯および1.3μm帯のレーザ光を基本波レーザ光として、非線形材料を用いて第2次高調波(SHG:Second Harmonic Generation)や第3次高調波(THG:Third Harmonic Generation)などの高調波に波長変換するものである。
ただし、この場合、高調波において、基本波レーザ光から高調波レーザ光への高い変換効率を実現するためには、非線形材料上の基本波レーザ光のパワー密度を高くすること、および、波面収差の少ない高輝度のレーザ光を得ることが要求される。
2次元導波路型レーザは、基本波レーザ光のパワー密度を高くすることができるので、高調波レーザ光への高い変換効率を実現可能であるが、高いパワー密度による破壊限界があることから、高出力化には制限がある。また、2次元導波路に結合可能な2次元方向にビーム品質がよいLD(レーザダイオード)光にも制限があるので、高出力化には制限がある。
そこで、高出力の波長変換レーザ装置を実現する方法として、導波路を1次元とした平面導波路型レーザ装置を用いることが提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
平面導波路型レーザ装置においては、平板面内でレーザ光軸に対して垂直方向に空間モードでレーザ発振させ、この方向にレーザ光のビーム径を広げることや、レーザ光をマルチ化することにより、高出力化を図っている。
このような平面導波路型レーザ装置よれば、励起源であるLD出力光は、平面導波路に1次元方向に結合されればよいので、光源として高出力のブロードエリアLDを用いることができ、高出力のレーザ光を得ることができる。
また、LD出力光の発光点として、1次元方向に並べたマルチエミッタLDを用いることができるので、さらに大きいレーザ出力を得ることが可能となる。
なお、基本波レーザ光は、平面導波路型のレーザ媒質を用い、利得を発生させてレーザ共振を行うことにより発生させることができる。また、高調波は、平面導波路型の波長変換素子(非線形材料)を用いて基本波レーザ光を波長変換することにより得られる。
LD出力光により励起されたレーザ媒質は、自然放出光を全方位に放出するが、レーザ光軸方向に共振してレーザ発振を行う。これにより、レーザ光軸以外の方向への意図しない寄生発振や、自然放出光の増幅によるエネルギーの抽出が存在すれば、レーザ光軸方向への利得が減少して、レーザ出力パワーは低下することになる。
ここで、平面導波路の平板面内で、レーザ光軸と直交する成分を含む角度の自然放出光は、その角度で導波路内を伝搬して増幅することがある。
このとき、平板面内でレーザ光軸に対して垂直方向に幅の広いブロードエリア型の半導体レーザを励起源に使用している場合、または、発光点を複数配置したマルチエミッタ型の半導体レーザを励起源に使用している場合には、平板面内でレーザ光軸に対して垂直方向の成分を含む角度に伝搬する自然放出光が受ける利得が大きくなるので、意図しない寄生発振や寄生増幅が生じることがある。この結果、意図しないエネルギーの抽出により、レーザ光軸方向への利得が減少し、高出力のレーザ出力が得られないなどの問題がある。
また、平面導波路型のレーザ媒質は、薄い平板形状であることから、機械的強度を確保する目的で、レーザ媒質の上部に基板を張り合わせることがある。さらに、平面導波路型のレーザ媒質においては、導波路として光を伝搬させるために、平板面の上下面に低屈折率のクラッド層が配置されている。
したがって、レーザ媒質に張り合わせられる基板は、クラッドと張り合わせられる。このとき、基板とクラッドとを張り合わせる手法としては、接着剤などの接合剤で張り合わせてもよいし、拡散接合やオプティカルコンタクトなどで張り合わせることもある。
また、基板としては、線膨張係数や機械的特性をレーザ媒質と合わせるために、レーザ媒質中の活性媒質を添加していない毋材が用いられることがある。たとえば、レーザ媒質としてNd(ネオジム):YVO4(イットリウム・バナデート)が用いられた場合、基板にはYVO4が用いられる。なお、Ndなどの活性媒質の添加による屈折率変化は微小なので、レーザ媒質と基板との各屈折率はほぼ等しい値となる。
このように、クラッドの屈折率がレーザ媒質よりも低いことから、レーザ媒質を導波路として伝搬することができる。ここで、伝搬可能な光の方向は、導波路レーザ光軸に対してほぼ平行(浅い角度成分)であり、導波路の厚さ方向に対して大きい角度を有する成分は、クラッドを通過して基板側に漏れる。
励起が行われたレーザ媒質においては、全方位に自然放出光が放射されるので、クラッドを通過して基板側に漏れる光が存在し、さらに、空気と接する基板上面で一部が透過し、一部が全反射される。
ここで、クラッド上部の基板は、レーザ媒質と同等の高い屈折率を有するので、クラッドと基板との間の屈折率差により、フレネル反射が生じる。
また、基板上部の空気との接触面においても、基板を通過する角度成分の光の一部がフレネル反射によりレーザ媒質側に戻り、戻った光は、レーザ媒質で増幅される。これにより、エネルギーが抽出されて、レーザ光軸方向への利得を減少させるので、高出力のレーザ光が得られないなどの問題がある。
IEEE Journal of Quqntum Electronics、Vol.39(2003)、p.495
従来の平面導波路型レーザ装置は、平板面内でレーザ光軸に対して垂直方向にレーザ光のビーム径を広げることや、レーザ光をマルチ化することにより、高出力化を図った場合に、ビーム径の拡散方向またはマルチ化方向への利得が増加するので、寄生発振が発生して、高出力のレーザ光が得られないという課題があった。
また、寄生発振に至らない場合であっても、自然放出光の増幅によるエネルギーの抽出によってレーザ光軸方向への利得が減少し、高出力のレーザ光が得られないという課題があった。
さらに、平面導波路型レーザ装置を補強する基板の境界面で生じたフレネル反射光がレーザ媒質内に戻ることによって、自然放出光の増幅によるエネルギーの抽出が発止し、レーザ光軸方向への利得が減少するので、高出力のレーザ光が得られないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、寄生発振や、レーザ光軸以外への自然放出光の増幅によるエネルギー抽出を抑制し、高出力の基本波レーザ光が得られるとともに、高効率の第2高調波変換が可能な波長変換レーザ装置およびそれを用いたディスプレイ装置を得ることを目的とする。
水平方向に延長された平板状のレーザ媒質と、レーザ媒質の入射端面に近接配置されてレーザ媒質に励起光を入射する半導体レーザと、レーザ媒質の上面に接合されてレーザ媒質の垂直方向に第1のマルチモード導波路を形成する第1クラッドと、レーザ媒質の下面に接合されてレーザ媒質の垂直方向に第2のマルチモード導波路を形成する第2クラッドと、第1クラッドの上面に接合された基板とを備えた平面導波路型レーザ装置において、基板の屈折率n4は、第1クラッドの屈折率n2と比較して、0〜+0.1の範囲内となるように、以下の条件式、n2≦n4<n2+0.1を満たす値に設定されたものである。
この発明によれば、寄生発振や、レーザ光軸以外への自然放出光の増幅によるエネルギー抽出を抑制し、高出力の基本波レーザ光が得られるとともに、高効率の第2高調波変換を可能にすることができる。
この発明の実施例1に係る平面導波路型レーザ装置の構成を示す側面図である。(実施例1) この発明の実施例1に係る平面導波路型レーザ装置の要部を示す平面図である。(実施例1) この発明の実施例1における自然放出光の放射および散乱状態を示す説明図である。(実施例1) この発明の実施例2における自然放出光の放射および散乱状態を示す説明図である。(実施例2) 一般的なレーザ出力の励起LDエミッタ依存性を示す説明図である。(実施例2) この発明の実施例2におけるレーザ出力のエミッタ位置依存性を示す説明図である。(実施例2) この発明の実施例3における自然放出光の放射および散乱状態を示す説明図である。(実施例3) この発明の実施例4における自然放出光の放射および反射状態を示す説明図である。(実施例4) この発明の実施例5に係る平面導波路型レーザ装置を用いたレーザTVを示すブロック図である。(実施例5)
(実施例1)
以下、図面を参照しながら、この発明の実施例1について説明する。
図1、図2はこの発明の実施例1に係る平面導波路型レーザ装置の構成を示す側面図および要部平面図である。
図1、図2において、平面導波路型レーザ装置は、励起光(LD出力光)Lを出射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1に対向配置されたレーザ媒質5と、レーザ媒質5に対向配置された非線形材料7と、レーザ媒質5の上下面に設けられた第1クラッド4aおよび第2クラッド4bと、レーザ媒質5の下面に設けられた接合剤3およびヒートシンク2と、レーザ媒質5の上面に設けられた接合剤21および基板22と、により構成されている。
レーザ媒質5は、第1クラッド4a、第2クラッド4b、接合剤3、ヒートシンク2、接合剤21および基板22とともに一体化され、平面導波路型レーザ装置の固体レーザ素子を構成している。
ヒートシンク2は、熱伝導度が比較的大きい材料からなり、接合剤3を介してレーザ媒質5の第2クラッド4bに接合されている。
接合剤3は、金属半田や光学接着剤または熱伝導接着剤などからなり、レーザ媒質5から発生して第2クラッド4bを介した放出熱を、ヒートシンク2に排熱する。
基板22は、レーザ媒質5の強度を補強するために、レーザ媒質5の第1クラッド4aに接合されている。なお、基板22と第1クラッド4aとの接合方法としては、接合剤21を用いてもよく、拡散接合またはオプティカルコンタクトなどの手法により直接接合してもよい。
レーザ媒質5は、レーザ光軸6(レーザ発振方向:z軸方向)に延長されており、ヒートシンク2、第1クラッド4a、第2クラッド4bおよび基板22は、レーザ媒質5と一体化されている。
半導体レーザ1の発光点(活性層)は、図2に示すように、レーザ光軸6に対して垂直方向(x軸方向)に沿って配列されている。
レーザ媒質5は、レーザ光軸6に対して垂直方向の入射端面5aおよび出射端面5bを有する。
入射端面5aおよび出射端面5bの各形状は長方形であり、典型的には、y軸方向の厚さが数μm〜数10μm、x軸方向の幅が数100μm〜数mmの大きさを有する。ここでは、入射端面5aおよび出射端面5bの長方形の長辺方向をx軸、短辺方向をy軸、レーザ光軸6の方向をz軸とした座標系を用いている。
第1クラッド4aおよび第2クラッド4bは、レーザ媒質5と比較して小さい屈折率を有し、レーザ媒質5の各1面(x−z平面と平行な上下面)に個別に接合される。
第1クラッド4aおよび第2クラッド4bは、たとえば、光学材料を原料とした膜を蒸着やスパッタなどの製法により形成するか、オプティカルコンタクトまたは拡散接合などにより、レーザ媒質5に光学材料を光学的に接合することにより構成される。
第2クラッド4bは、一方の面がレーザ媒質5に接合され、他方の面が接合剤3に接合されており、他方の面においては、接合剤3との接合の強度を上げるために、メタライズ(金属膜を付着)してもよい。
また、ヒートシンク2を光学材料で構成した場合には、たとえばオプティカルコンタクトまたは拡散接合などにより、第2クラッド4bとヒートシンク2とを直接接合してもよい。
レーザ媒質5の入射端面5aに近接配置された半導体レーザ1には、必要に応じて、冷却用のヒートシンク(図示せず)が接合される。
半導体レーザ1のx軸方向の大きさは、図2に示したように、レーザ媒質5のx軸方向の大きさとほぼ等しく、x軸方向にほぼ一様に励起光Lを出射する。
なお、半導体レーザ1は、励起光Lを出射する活性層をx軸方向に複数配置したマルチエミッタ半導体レーザであってもよい。マルチエミッタ半導体レーザの場合、複数の活性層から複数の励起光Lが出射されるので、x軸方向に複数並んだ励起光Lが得られる。
半導体レーザ1からx−z平面方向に出射された励起光Lは、入射端面5aからレーザ媒質5に入射されて、レーザ媒質5に吸収される。
非線形材料7は、レーザ媒質5のレーザ光軸上に近接して配置され、垂直方向に導波路構造を有する。
具体的には、非線形材料7は、レーザ光軸6に対して垂直方向の断面がレーザ媒質5とほぼ同じ形状を有し、レーザ光軸6に対して垂直方向の入射端面7aと、入射端面7aに対向した出射端面7bとを有する。非線形材料7の入射端面7aは、レーザ媒質5の出射端面5bに近接して配置される。
レーザ媒質5の入射端面5aには、励起光Lを透過し、基本波レーザ光L1を反射する全反射膜が施されており、レーザ媒質5の出射端面5bには、基本波レーザ光L1を透過する反射防止膜が施されている。
非線形材料7の入射端面7aには、基本波レーザ光L1を透過し、第2高調波レーザ光L2を反射する光学膜が施され、出射端面7bには、基本波レーザ光L1を反射し、第2高調波レーザ光L2を透過する光学膜が施されている。
レーザ媒質5および非線形材料7の全反射膜、部分反射膜および光学膜は、たとえば、誘電体薄膜を積層して構成されている。
なお、半導体レーザ1から出射される励起光Lを、レーザ媒質5の入射端面5aから入射する場合には、入射端面5aの全反射膜は、励起光Lを透過し、基本波レーザ光L1を反射する光学膜となる。
レーザ媒質5としては、一般的な固体レーザ材料を使用することができ、たとえば、Nd:YAG、Nd:Glass、Nd:YVO4、Nd:GdVO4、Yb:YAG、Yb:KGW、Yb:KYW、Er:Glass、Er:YAG、Tm:YAG、Ho:YAG、Tm、Ho:YAG、Ti:Sapphire、Cr:LiSAFなどが用いられる。なお、固体レーザ材料は、結晶であってもよいし、セラミック材であってもよい。
また、非線形材料7としては、一般的な波長変換用材料を用いることができ、たとえば、KTP、KN、BBO、LBO、CLBO、LiNbO3、LiTaO3などが用いられる。
また、非線形材料7として、光損傷に強いMgO添加LiNbO3、MgO添加LiTaO3、定比LiNbO3、定比LiTaO3を用いれば、レーザ媒質5から入射される基本波レーザ光L1のパワー密度を上げることができるので、高効率の波長変換が可能である。
さらに、非線形材料7として、周期反転分極構造を有するMgO添加LiNbO3、MgO添加LiTaO3、定比LiNbO3、定比LiTaO3、KTPを用いれば、非線形定数が大きいので、さらに高効率の波長変換が可能である。
基板22としては、レーザ媒質5と比較して屈折率が低く、第1クラッド4aの屈折率に近い材料が用いられる。
ここで、空気の屈折率をn0、レーザ媒質5の屈折率をn1、第1クラッド4aの屈折率をn2、第2クラッド4bの屈折率をn3、基板22の屈折率をn4とする。
このとき、基板22の屈折率n4と、第1クラッド4aの屈折率n2との関係は、以下の条件式(1)で表される。
n2−0.1<n4<n2+0.1 ・・・(1)
次に、図1および図2に示したこの発明の実施例1に係る平面導波路型レーザ装置の動作について説明する。
まず、レーザ媒質5の入射端面5aから入射した励起光Lは、レーザ媒質5で吸収されて、レーザ媒質5の内部で基本波レーザ光L1に対する利得を発生する。
レーザ媒質5の内部において、基本波レーザ光L1に対して発生した利得により、基本波レーザ光L1は、レーザ媒質5のレーザ光軸6に垂直な入射端面5aと、非線形材料7の出射端面7bとの間でレーザ発振する。
非線形材料7においては、基本波レーザ光L1が入射されると、非線形効果によって第2高調波レーザ光L2に変換されるように、結晶軸角度、温度、または、周期反転分極の周期が最適化されている。
これにより、レーザ媒質5の入射端面5aと非線形材料の出射端面7bとの間で発振した基本波レーザ光L1が、非線形材料7に入射すると、基本波レーザ光L1の一部が第2高調波レーザ光L2に変換されて、非線形材料7の出射端面7bから外部に出射される。
また、非線形材料7の出射端面7bへの到達時に、第2高調波レーザ光L2に変換されずに残留した基本波レーザ光L1は、非線形材料7の出射端面7bで全反射されて、再度、非線形材料7内をレーザ光軸6方向とは逆方向に通過して、第2高調波レーザ光L2に変換される。
これにより、残留した基本波レーザ光L1の一部が再度変換されて発生した第2高調波レーザ光L2は、非線形材料7の入射端面7aで全反射して、非線形材料7の出射端面7bから外部に出射されることになる。
このとき、レーザ媒質5は、y軸方向の厚さが波長の数倍〜数10倍程度に設定され、また、レーザ媒質5の屈折率n1よりも小さい屈折率n2、n3の第1クラッド4aおよび第2クラッド4b(および、屈折率n0の空気)により挟まれているので、基本波レーザ光L1の導波路として動作する。
したがって、基本波レーザ光L1は、高い屈折率n1のレーザ媒質5に閉じ込められて、導波路モードで選択的に発振する。
導波路モードは、第1クラッド4aおよび第2クラッド4bの屈折率n2、n3と、レーザ媒質5のy軸方向の厚さと、を調整することにより任意に設定可能であり、低次モードまたは単一モードのみを導波させて、高輝度発振が実現可能である。
なお、ヒートシンク2を介した排熱によって発生する熱分布により、y軸方向にも屈折率分布が発生するが、第1クラッド4aおよび第2クラッド4bの屈折率n2、n3と、レーザ媒質5の屈折率n1との差「n1−n2(n3)」(および、空気の屈折率n0と、レーザ媒質5の屈折率n1との差「n1−n0」)が、熱分布による屈折率変化と比較して十分に大きければ、導波路モードが優勢となるので、熱による影響を無視することができる。
非線形材料7は、y軸に対して垂直方向の上下面を空気で挟まれているか、または、非線形材料7と比較して小さい屈折率を有するクラッド(図示せず)で挟まれており、厚さが波長の数倍〜数10倍程度に設定されているので、レーザ媒質5と同様に、y軸方向に関しては導波路として動作する。
なお、非線形材料7が基本波レーザ光L1を吸収して発熱する場合には、非線形材料7の下面(または、非線形材料7に接合したクラッド)にヒートシンク(図示せず)を接合して排熱してもよい。
また、非線形材料7に直接的にヒートシンクを接合する場合には、ヒートシンクの材料として、非線形材料7よりも小さい屈折率を有する光学材料を使用するか、または、非線形材料7よりも小さい屈折率を有する接合剤(たとえば、光学接着剤など)を用いて、非線形材料7のy軸方向を導波路として使用できるようにすることが望ましい。
レーザ共振器内のy軸方向におけるレーザ発振は、レーザ媒質5または非線形材料7の導波路モードで選択的に行われる。
レーザ媒質5の導波路モードおよび非線形材料7の導波路モードは、それぞれ、材料の厚さや、上下面に接合されたクラッドとの屈折率差などにより、任意に設定可能であり、低次モードまたは単一モードのみ導波させて、高輝度発振を実現することが可能である。
また、レーザ媒質5の導波モードと非線形材料7の導波路モードとは、同じ導波モードとなるように構成してもよいが、必ずしも一致させる必要はない。
たとえば、いずれか一方の導波モードをマルチモードとし、他方の導波モードを単一モードとすれば、レーザ発振のモードが最も低次のモードで制限されるので、単一モードで選択的に発振することが可能である。
また、レーザ共振器内のx軸方向におけるレーザ発振は、レーザ媒質5および非線形材料7の幅が、基本波レーザ光L1および第2高調波レーザ光L2の波長と比較して十分に大きいので、導波路によるモードの選択は行われず、空間型の共振器として動作することになる。
また、図1、図2では、非線形材料7を用いたが、非線形材料7の代わりに、レーザ発振の基本波レーザ光L1を部分反射する出力鏡(図示せず)を、レーザ光軸6上に配置してもよく、これにより、基本波レーザ光L1を出射することができる。
また、レーザ媒質5の出射端面5bとして、基本波レーザ光L1の一部を反射する部分反射膜を用いてもよく、これにより、基本波レーザ光L1を出射することができる。
以上のように、この発明の実施例1(図1、図2)によれば、垂直方向に関しては、レーザ媒質5または非線形材料7の導波路モードでレーザ発振し、水平方向に関しては、空間型の共振器モードでレーザ発振する。
ここで、半導体レーザ1として、水平方向に励起光Lの幅を広げたブロードエリア型LDを用いるか、または、発光点を複数配置したマルチエミッタLDを用いて、水平方向に複数のレーザ共振器を配置して複数のレーザ光を得ることにより、高出力化を実現することができる。
また、複数の空間モードを形成するために、ヒートシンク2の接合面の形状を、レーザ光軸6の方向に沿って櫛型として、熱レンズを形成してもよい。
ところで、励起されたレーザ媒質5においては、図3のように、全方位に自然放出光Lnが放射される。
図3はこの発明の実施例1における自然放出光Lnの放射および散乱状態を示す説明図であり、図2内のA−A’線による断面図を拡大して示している。
図3においては、励起された1点での自然放出光Lnの放射状態を示しているが、実際には、励起されたレーザ媒質5内のすべての場所で、同様の自然放出光Lnの放射が生じる。
図3において、レーザ媒質5内で放射された自然放出光Lnのうち、レーザ光軸6方向(z軸方向)の成分は、レーザ発振の種光となり、レーザ共振器で増幅されてレーザ発振光が得られる。
一方、自然放出光Lnのうち、y軸方向に角度を有する成分(2点鎖線矢印)の一部(点線矢印)は、第1クラッド4aで全反射するが、第2クラッド4bを通過する。
また、y軸方向に角度を有する成分(2点鎖線矢印)は、第1クラッド4aを通過し、さらに基板22を通り、平面導波路型レーザ装置の固体レーザ素子の外部に漏れる。
ここで、基板22が、レーザ媒質5に含まれる活性媒質を添加していない材料で構成されている場合には、第1クラッド4aの屈折率n2よりも基板22の屈折率n4の方が高いので、フレネル反射により透過光の一部(点線矢印)が反射する。
たとえば、レーザ媒質5がNd:YVO4の場合には、基板22は、活性媒質Ndを除去したYVO4となり、その屈折率n4は、c軸方向に関して2.17である。
また、第1クラッド4aにSiO2を用いた場合には、屈折率n2が1.45となるので、第1クラッド4aと基板22との間において、垂直入射の場合、7%のフレネル反射が生じる。また、このとき、基板22の上面と空気との間の界面でのフレネル反射は、13.4%も生じる。
一方、入射角度が垂直でない場合には、反射面との偏光方向に応じて、反射率が大きくなる偏光方向と小さくなる偏光方向とがあるが、いずれにせよ、第1クラッド4aと基板22との間の屈折率差「n4−n2=0.72」が大きいことから、反射率は高くなる。
このように、第1クラッド4aと基板22との境界で反射した光(点線矢印)は、第2クラッド4bを通過し、接合剤3またはヒートシンク2で散乱または吸収される。
同様に、基板22と空気層との間においても、フレネル反射により一部(点線矢印)が反射し、反射した光は、第1クラッド4a、レーザ媒質5および第2クラッド4bを通過して、接合剤3またはヒートシンク2で散乱または吸収される。
このとき、レーザ媒質5を通過する光や、接合剤3またはヒートシンク2で散乱した光は、レーザ媒質5を再度通過することによって増幅され、蓄えられたエネルギーを抽出するので、レーザ光軸6方向のレーザ利得が減少し、低効率で低出力のレーザ出力となる可能性がある。
しかし、この発明の実施例1によれば、第1クラッド4aおよび基板22の屈折率n2、n4が、前述の条件式(1)のように設定されているので、第1クラッド4aと基板22との境界面、および、基板22の上面と空気との境界面でのフレネル反射を抑制することができる。
たとえば、レーザ媒質5がNd:YVO4であって、第1クラッド4aがSiO2である場合には、基板22として、条件式(1)を満たすガラス材などを用いることができる。
これにより、第1クラッド4aと基板22との境界面で垂直入射した場合に、フレネル反射を1%程度に低減させることができる。また、基板22と空気との境界面でのフレネル反射成分の4%程度に低減される。
このように、第1クラッド4aと基板22との屈折率差「n4−n2」が小さくなるように構成したので、フレネル反射を小さくすることができ、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnを低減させることができる。
この結果、意図しない寄生増幅が抑制され、レーザ光軸6方向の利得が向上するので、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの顕著な効果を奏することができる。
なお、第1クラッド4aの屈折率n2と基板22の屈折率n4との関係を、以下の条件式(2)のように設定してもよい。
n2≦n4<n2+0.1 ・・・(2)
これにより、レーザ媒質5を通過して第1クラッド4aに伝搬する光は、すべて基板22側に伝搬することになり、第1クラッド4aと基板22との間の全反射が生じることがなく、レーザ媒質5に戻る光をさらに低減することができる。
したがって、前述と同様に、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnを低減させることができ、意図しない寄生増幅が抑制されて、レーザ光軸6方向の利得が向上するので、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの効果を奏することができる。
なお、第2クラッド4bの屈折率n3は、第1クラッド4aの屈折率n2よりも低い値に設定することが望ましい。
たとえば、第1クラッド4aをSiO2とし、第2クラッドをTa2O5で構成すれば、Ta2O5の屈折率は2.08程度であり、Nd:YVO4の異常屈折率2.16よりも低く、かつNd:YVO4の常屈折率1.96よりも高いので、異常屈折率が得られる方向の直線偏光が得られる。
したがって、直線偏光が必要な波長変換で高効率が得られることから、高出力の波長変換出力が得られるなどの効果がある。
また、レーザ媒質5と第2クラッド4bとの屈折率差「n1−n3」が小さいことから、高次モード光は伝搬ができなくなり、低次モードの高輝度レーザが得られるなどの効果がある。
また、第1クラッド4aと基板22との屈折率差「n4−n2」が小さいことから、上述したようにフレネル反射が小さくなり、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの効果がある。
また、この発明の実施例1によれば、レーザ媒質5で利得が生じる様々な波長でレーザ発振が可能である。
たとえば、活性媒質としてNdを用いたレーザ媒質5においては、1μm帯、0.9μm帯および1.3μm帯のレーザ発振が可能となる。
ただし、この場合、1μm帯の利得が最も大きいことから、0.9μm帯および1.3μm帯のレーザ発振を行う場合に、さらに利得の高い波長の増幅を抑制する必要があるので、レーザ光軸6方向には、端面の誘電体多層膜の設計により所望の波長を反射または透過する構成とする。
一方、フレネル反射や散乱においては、波長依存性が小さいので、寄生発振や寄生増幅が生じ易いことから、たとえば、0.9μm帯のレーザ発振を行う場合に、さらに利得の高い1.0μm帯や1.3μm帯の寄生増幅を抑制する必要がある。
この発明の実施例1に係る平面導波路型レーザ装置においては、上述したように、導波路に結合する自然放出光Lnの割合を低減させることができるので、高出力の0.9μm帯の基本波レーザ光L1が得られる。
また、非線形材料7において、基本波レーザ光L1を第2高調波レーザ光L2に波長変換することにより、0.4μm帯の青色レーザが得られる。
(実施例2)
なお、上記実施例1(図1〜図3)では、特に言及しなかったが、図4に示すように、x軸に対して垂直方向(レーザ光軸6(z軸方向)にほぼ平行)となる側端面に荒し面16が形成された固体レーザ素子において、上記条件式(1)、(2)の構成を適用してもよい。
図4はこの発明の実施例2における自然放出光Lnの放射および散乱状態を示す説明図であり、荒し面16が形成された固体レーザ素子に条件式(1)、(2)を適用した場合を示している。
図4において、前述(図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。なお、この発明の実施例2に係る平面導波路型レーザ装置の全体構成は、図1および図2に示した通りである。
一般に、平面導波路型レーザ装置においては、平板面内でレーザ光軸6(z軸方向)に対して垂直方向(x軸方向)にレーザ光のビーム径を広げることにより、または、半導体レーザ1の発光点を複数配置したマルチエミッタLDを用いることにより、高出力化を実現できることが知られている。
このとき、x軸方向への利得が増加することから、寄生発振や寄生増幅が起こり易くなるので、図4のように、平面導波路型レーザ装置のレーザ光軸6(z軸方向)に対してほぼ平行となる固体レーザ素子の側端面に、荒し面16を形成することが望ましい。
図4において、レーザ媒質5内で発生した自然放出光Lnのx軸方向に進む成分(破線矢印)は、荒し面16に照射されることによって散乱光(1点鎖線矢印)となるので、レーザ光軸6に対してほぼ平行の対向2面間で光学的に閉じ込められることがなく、寄生発振が抑制されるなどの効果がある。
ただし、荒し面16で散乱された自然放出光Ln(1点鎖線矢印)は、様々な角度成分を有し、y軸方向に角度を有する一部の成分(点線矢印)は、第1クラッド4aで全反射するが、第2クラッド4bを通過する。
また、y軸方向に角度を有する成分(2点鎖線矢印)は、第1クラッド4aを通過して、さらに基板22を通り、平面導波路型レーザ装置の固体レーザ素子の外部に漏れる。
ここで、基板22が、レーザ媒質5に含まれる活性媒質を添加していない材料で構成されている場合には、第1クラッド4aの屈折率n2よりも基板22の屈折率n4の方が高いので、フレネル反射により透過光の一部(点線矢印)が反射する。同様に、基板22と空気層の間でもフレネル反射により一部(点線矢印)が反射する。
これにより、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnに起因した寄生増幅により、蓄えられたエネルギーが抽出されるので、レーザ光軸6方向のレーザ利得が減少し、低効率で低出力のレーザ出力となる可能性がある。
したがって、特に対策を施さなければ、荒し面16での散乱光(1点鎖線)に起因した寄生増幅により、荒し面16の近傍のレーザ媒質5の利得を減少させる可能性がある。
図5は一般的なレーザ出力の励起LDエミッタ依存性を示す説明図であり、たとえば、半導体レーザ1(励起LD)において、x軸方向に15個のエミッタをアレイ化して配置した場合の励起LDエミッタ依存性を示している。
図5から明らかなように、荒らし面16の近傍のレーザ媒質5の利得が減少するので、荒らし面16に近いエミッタではレーザ出力が低くなることが分かる。
しかし、この発明の実施例2によれば、第1クラッド4aおよび基板22の屈折率n2、n4が、前述の条件式(1)、(2)のように設定されているので、第1クラッド4aと基板22との境界面、および、基板22の上面と空気との境界面でのフレネル反射を抑制することができる。
図6はこの発明の実施例2におけるレーザ出力のエミッタ位置依存性を示す説明図であり、15個のエミッタLD励起が行われた場合のエミッタ位置依存性を示している。
図6から明らかなように、荒し面16による散乱光が再度導波路を通過することが抑制されることから、利得が減少してレーザ出力が低下することなく、均一な分布で高効率に高出力のレーザ光が得られることが分かる。
以上のように、この発明の実施例2によれば、側端面に荒し面16を有する固体レーザ素子に適用した場合も、前述と同様に、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnは低減し、意図しない寄生増幅が抑制されるので、レーザ光軸6方向の利得が向上して、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの効果がある。
(実施例3)
なお、上記実施例2(図4)では、側端面に垂直の荒し面16を有する固体レーザ素子に適用した場合を示したが、図7に示すように、傾斜した荒し面(荒し傾斜面)16Aを有する固体レーザ素子に、上記条件式(1)、(2)の構成を適用してもよい。
図7はこの発明の実施例3における自然放出光Lnの放射および散乱状態を示す説明図であり、荒し傾斜面16Aが形成された固体レーザ素子に条件式(1)、(2)を適用した場合を示している。
図7において、前述(図4参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。なお、この発明の実施例3に係る平面導波路型レーザ装置の全体構成は、図1および図2に示した通りである。
前述のように、高出力化を実現するために、x軸方向にレーザ光のビーム径を広げた場合、または、半導体レーザ1としてマルチエミッタLDを用いた場合には、x軸方向への利得が増加して寄生発振や寄生増幅が起こり易くなる。
そこで、レーザ光軸6に対してほぼ平行となる固体レーザ素子の側端面に、図7に示すように、ほぼ45°の角度を有する荒し傾斜面16Aを形成することが望ましい。
図7のように荒し傾斜面16Aを形成することにより、荒し傾斜面16Aにおける自然放射光Ln(破線矢印)の散乱光(1点鎖線矢印)の主軸(実線矢印)を、基板22に対して垂直方向(y軸方向)に向けることができる。
これにより、第1クラッド4aまたは第2クラッド4bで反射可能な導波成分の反射光を低減し、基板22側に散乱光の主成分(1点鎖線矢印)を逃がすことができるので、側端面の荒し傾斜面16Aで散乱した光を種光源とした寄生増幅を抑制することができる。
ただし、第1クラッド4aと基板22との間、または、基板22の上面と空気との間でのフレネル反射(点線矢印)は生じるうえ、基板22側に散乱光の主軸を向けたことから、基板22の上面でのフレネル反射光の強度も大きくなる。
したがって、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光(点線矢印)による寄生増幅が発生し、レーザ効率を低下させる可能性がある。
しかし、この発明の実施例3によれば、第1クラッド4aおよび基板22の屈折率n2、n4が、前述の条件式(1)、(2)のように設定されているので、第1クラッド4aと基板22との境界面、および、基板22の上面と空気との境界面でのフレネル反射を抑制することができる。
以上のように、この発明の実施例3によれば、側端面に荒し傾斜面16Aを有する固体レーザ素子に適用した場合も、前述と同様に、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnは低減し、意図しない寄生増幅が抑制されるので、レーザ光軸6方向の利得が向上して、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの効果がある。
(実施例4)
なお、上記実施例3(図7)では、側端面に荒し傾斜面16Aを有する固体レーザ素子に適用した場合を示したが、図8に示すように、傾斜した鏡面(傾斜鏡面)16Bを有する固体レーザ素子に、上記条件式(1)、(2)の構成を適用してもよい。
図8はこの発明の実施例4における自然放出光Lnの放射および反射状態を示す説明図であり、傾斜鏡面16Bが形成された固体レーザ素子に条件式(1)、(2)を適用した場合を示している。
図8において、前述(図7参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。なお、この発明の実施例4に係る平面導波路型レーザ装置の全体構成は、図1および図2に示した通りである。
図8において、レーザ光軸6に対してほぼ平行となる固体レーザ素子の側端面には、傾斜鏡面16Bが形成されている。
図8のように、側端面に傾斜鏡面16Bを形成することにより、傾斜鏡面16Bにおいては、散乱光が発生しなくなり、基板22側に反射するレーザ光軸成分(実線矢印)のみの反射光が発生することになる。
このとき、第1クラッド4aと基板22との屈折率差「n4−n2」が大きい場合には、フレネル反射による戻り光(点線矢印)のすべてが導波路に再結合するので、前述(図7)の荒し傾斜部16Aよりも結合効率が高くなり、大きな寄生増幅が発生し、レーザ出力も大きく低下する。
しかし、この発明の実施例4によれば、第1クラッド4aおよび基板22の屈折率n2、n4が、前述の条件式(1)、(2)のように設定されているので、第1クラッド4aと基板22との境界面、および、基板22の上面と空気との境界面でのフレネル反射を抑制することができる。
以上のように、この発明の実施例4によれば、側端面に傾斜鏡面16Bを有する固体レーザ素子に適用した場合も、前述と同様に、レーザ媒質5を再度通過する自然放出光Lnは低減し、意図しない寄生増幅が抑制されるので、レーザ光軸6方向の利得が向上して、高効率で高出力のレーザ光が得られるなどの効果がある。
また、フレネル反射による寄生増幅を低減させることができるとともに、傾斜鏡面16Bでの反射による散乱が生じないことから、反射の主軸からずれた散乱成分による直接導波路に再結合する成分を除去することができるので、導波路に再結合する自然放出光の割合を大きく低減することができ、意図しない寄生増幅がさらに抑制され、さらに高効率で高出力のレーザ光が得られる。
(実施例5)
なお、上記実施例1〜4(図1〜図8)では、平面導波路型レーザ装置の具体的な用途について言及しなかったが、たとえば、図9に示すように、ディスプレイ装置として機能するレーザTV(テレビ)25に適用してもよい。
図9はこの発明の実施例5に係る平面導波路型レーザ装置を用いたレーザTV25を示すブロック図であり、代表例として、波長変換レーザを光源として用いたレーザTVの構成を示している。
図9において、レーザTV25は、リアプロジェクションTV、フロントプロジェクションTV、液晶TVのバックライト、または、他のTVに利用可能であり、赤色光源26と、緑色光源27と、青色光源28と、光伝搬手段29と、光学系30と、スクリーン31とにより構成されている。
赤色光源26、緑色光源27および青色光源28は、それぞれ、前述の実施例1〜4に係る平面導波路型レーザ装置によって構成されている。
赤色光源26、緑色光源27および青色光源28から出射された各レーザ光は、光伝搬手段29を介して結合された後、光学系30に出射され、光学系30からスクリーン31に投影される。
このように、平面導波路型レーザ装置をレーザTV25の各光源26〜28として用いることにより、色再現性に優れ、高輝度、高精細、高色域、かつ低消費電力のディスプレイ装置を実現することができる。
1 半導体レーザ、2 ヒートシンク、3 接合剤、4a 第1クラッド、4b 第2クラッド、5 レーザ媒質、5a 入射端面(基本波レーザ光を反射する全反射膜)、5b 出射端面(基本波レーザ光を透過する反射防止膜、基本波レーザ光の一部を反射する部分反射膜)、6 レーザ光軸、7 非線形材料、7a 入射端面、7b 出射端面、16 荒し面、16A 荒し傾斜面、16B 傾斜鏡面、21 接合剤、22 基板、25 レーザTV(ディスプレイ装置)、26 赤色光源、27 緑色光源、28 青色光源、29 光伝搬手段、30 光学系、31 スクリーン、L 励起光、L1 基本波、L2 第2高調波レーザ光、Ln 自然放出光。

Claims (7)

  1. 水平方向に延長された平板状のレーザ媒質と、
    前記レーザ媒質の入射端面に近接配置されて前記レーザ媒質に励起光を入射する半導体レーザと、
    前記レーザ媒質の上面に接合されて前記レーザ媒質の垂直方向に第1のマルチモード導波路を形成する第1クラッドと、
    前記レーザ媒質の下面に接合されて前記レーザ媒質の垂直方向に第2のマルチモード導波路を形成する第2クラッドと、
    前記第1クラッドの上面に接合された基板と
    を備えた平面導波路型レーザ装置において、
    前記基板の屈折率n4は、前記第1クラッドの屈折率n2と比較して、0〜+0.1の範囲内となるように、以下の条件式、
    n2≦n4<n2+0.1
    を満たす値に設定されたことを特徴とする平面導波路型レーザ装置。
  2. 前記レーザ媒質の出射端面のレーザ光軸上に近接配置された非線形材料を備え、
    前記非線形材料は、垂直方向に導波路構造を有し、
    垂直方向に関しては、前記レーザ媒質または前記非線形材料の導波路モードでレーザ発振し、
    水平方向に関しては、複数の共振器モードでレーザ発振し、
    前記レーザ媒質から前記非線形材料に入射された基本波レーザ光は、前記非線形材料により、異なる波長のレーザ光に変換されて出射されることを特徴とする請求項1に記載の平面導波路型レーザ装置。
  3. 垂直方向に関しては、前記レーザ媒質の導波路モードでレーザ発振し、
    水平方向に関しては、複数の共振器モードでレーザ発振することを特徴とする請求項1または2に記載の平面導波路型レーザ装置。
  4. 前記レーザ媒質の側端面に設けられた荒し面を備え、
    前記荒し傾斜面は、前記レーザ媒質が放射する自然放出光のうち、前記レーザ媒質の平板状の主面に対して平行であって、前記レーザ発振光のレーザ光軸と直交する方向に進む自然放出光を散乱させることを特徴とする前記請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  5. 前記レーザ媒質の側端面に設けられた荒し傾斜面を備え、
    前記荒し傾斜面は、前記レーザ媒質が放射する自然放出光のうち、前記レーザ媒質の平板状の主面に対して平行であって、前記レーザ発振光のレーザ光軸と直交する方向に進む自然放出光を、前記平板状の主面側に反射するように、所定角度だけ傾斜されたことを特徴とする前記請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  6. 前記レーザ媒質の側端面に設けられた傾斜鏡面を備え、
    前記傾斜鏡面は、前記レーザ媒質が放射する自然放出光のうち、前記レーザ媒質の平板状の主面に対して平行であって、前記レーザ発振光のレーザ光軸と直交する方向に進む自然放出光を、前記平板状の主面側に反射するように、所定角度だけ傾斜されたことを特徴とする前記請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  7. 請求項に記載の平面導波路型レーザ装置を光源として用いたことを特徴とするディスプレイ装置。
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