JP5868003B2 - 平面導波路型レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

平面導波路型レーザ装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は平面導波路型レーザ装置およびその製造方法に関し、特に、プリンタやプロジェクションテレビなどの光源に好適な平面導波路構造を有する平面導波路型レーザ装置およびその製造方法に関するものである。
平面導波路型レーザはレーザ光の進行方向に伸長した薄い平板状のレーザ媒質の上下両面をレーザ媒質より屈折率の低いクラッドで挟み込んだ構造を有し、レーザ媒質を導波路としても機能させる構造を有する。
従来の平面導波路型レーザの構造を図6に示す。レーザ媒質101の上下面にレーザ媒質より屈折率の低い物質であるクラッド102a,102bを有する。レーザ媒質101とクラッド102a,102bとからなる導波路を製造する上で剛性を高め、取り扱いを容易にするために、基板103が接着剤104によってクラッド102aと接合されている。ここで従来の平面型導波路レーザの製造方法の手順の一例を説明する。まず平板状をなしたレーザ媒質101の最も面積の広い面の一方を研磨し、その研磨面にレーザ媒質101より屈折率の低い材料からなるクラッド102aを接合する。この接合には主にスパッタや蒸着法、拡散接合などが用いられる。ついで、レーザ媒質101のクラッド102aを形成した面と基板103とを接着剤104を用いて接合する。その後、レーザ媒質101が所望の厚さになるよう、レーザ媒質101の基板103で保持されていないほうの面を研磨し、その研磨面にクラッド102bを接合する(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2009/016703号パンフレット
以上のような製造方法で作られるため、従来の平面導波路型レーザの構造では、クラッド102aと基板103との間に接着剤104が存在し、レーザ光の照射や温度上昇により、その接着剤104が劣化し、平面導波路型レーザとしての信頼性を低下させるという問題点があった。
この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、接着剤を用いずに導波路を構成できる構造の平面導波路型レーザおよびその製造方法を得ることを目的する。
この発明は、表面に酸化膜を有する基板と、平板状の形状を成し、上記酸化膜よりも高い屈折率を有し、厚さ方向に対して垂直な面のうちの一方の面が上記基板の酸化膜を有する面と直接接合されたレーザ媒質とを備え、上記レーザ媒質を導波路のコアとして使用し、上記酸化膜を導波路のクラッドとして使用し、上記基板はSi基板から構成され、上記酸化膜としてSiO 酸化膜を有し、上記レーザ媒質は、前記SiO 酸化膜を構成するSiO より屈折率の高い固体レーザ材料から構成されることを特徴とする平面導波路型レーザ装置である。
この発明は、表面に酸化膜を有する基板と、平板状の形状を成し、上記酸化膜よりも高い屈折率を有し、厚さ方向に対して垂直な面のうちの一方の面が上記基板の酸化膜を有する面と直接接合されたレーザ媒質とを備え、上記レーザ媒質を導波路のコアとして使用し、上記酸化膜を導波路のクラッドとして使用し、上記基板はSi基板から構成され、上記酸化膜としてSiO 酸化膜を有し、上記レーザ媒質は、前記SiO 酸化膜を構成するSiO より屈折率の高い固体レーザ材料から構成されることを特徴とする平面導波路型レーザ装置であるので、レーザ光の照射や温度上昇により劣化してしまう接着剤を用いずに導波路を構成でき、高信頼性化が可能となる。
この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その1) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その2) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その3) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その4) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その5) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その6) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。(その7) この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置における、周回モードの一例の構成図である。 この発明の実施の形態1にかかわる平面導波路型レーザ装置におけるレーザ光の光路の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2にかかわる平面導波路型レーザ装置の構成図である。 従来の平面導波路型レーザ装置の構成図である。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係わる平面導波路型レーザ装置の構成図を示す。本実施の形態1に係わる平面導波路型レーザ装置は、平板状の外形形状をなしたレーザ媒質1の主面の一方と、SiO酸化膜2aを有するSi基板2のSiO酸化膜2aが設けられている面とが接合されている。さらに、レーザ媒質1のSi基板2と接合された主面に対向した反対側の面にはクラッド層3が形成されている。レーザ媒質1、Si基板2、SiO酸化膜2a、および、クラッド層3は、このように、レーザ発振方向を表す光軸4に垂直な断面の厚さ方向に積層されて、平面導波路構造を構成する。なお、ここで、レーザ媒質1の主面とは、レーザ媒質1の厚さ方向に対して垂直な面のことである。従って、以下の説明において、レーザ媒質1の主面と記載した場合は、レーザ媒質1の上面と下面の、互いに対向する1対の面の、両方または片方を意味する。また、Si基板2の主面と記載した場合も、同様の意味となる。
レーザ媒質1の外形形状は典型的に導波路厚さ方向に数〜数十μm(厚さ)、光軸4方向に数百μm〜数mm(長さ)、導波路厚さ方向および光軸4方向に垂直な方向に数百μm〜数mm(幅)の直方体である。従って、通常、レーザ媒質1の主面は、最も面積の大きい面となる。
レーザ媒質1としては、SiO酸化膜2aを構成するSiOより屈折率の高い固体レーザ材料を用いる。例えば、Nd:YAG、Nd:YLF、Nd:Glass、Nd:YVO、Nd:GdVO、Yb:YAG、Yb:YLF、Yb:KGW、Er:Glass、Er:YAG、Tm:YAG、Tm:YLF、Ho:YAG、Ho:YLF、Ti:Sapphireなどを用いる。
Si基板2は、レーザ媒質1と接合される面を酸化処理することにより、レーザ媒質1と接合される面の表面にSiO酸化膜2aが形成されている。SiO酸化膜2aは、レーザ媒質1より屈折率が小さく、クラッドとしての役目を果たすものであるが、酸化処理することによりSi基板2の表面に形成されるものであるため、従来のように接着剤を用いて接続されるものではないため、製造工程も容易で、かつ、劣化の問題もない。
クラッド層3は、レーザ媒質1より屈折率の小さい材料を用いる。クラッド層3は、レーザ媒質1のSi基板2によって支持されている主面に対向するもう一方の主面に設けられている。クラッド層3も、接着剤を用いて接続されるものではなく、レーザ媒質1に直接接合されるか、あるいは、レーザ媒質1上に成膜されるものであるため、製造工程も容易で、かつ、劣化の問題もない。なお、直接接合または成膜の方法については後述する。
平板状をなしたレーザ媒質1の上下の主面から、レーザ媒質1を、レーザ媒質1より低い屈折率を持つSiO酸化膜2aおよびクラッド層3で挟み込む構造をとることにより、SiO酸化膜2aおよびクラッド層3がクラッドとなり、レーザ媒質1内の光は、レーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面、および、レーザ媒質1とクラッド層3との界面で、全反射条件を満たす成分がレーザ媒質1内に閉じ込められて、導波モードとして伝搬する。なお、クラッド層3は無くてもよい。その場合は空気がクラッドの役割を担い、レーザ媒質1内に光を閉じ込める。
次に、このような構成を有する平面導波路型レーザ装置の製造方法について説明する。図2−1〜2−7は本実施の形態1に係る平面導波路型レーザ装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す図である。
まず、Si基板2のレーザ媒質1と接合する面を研磨する(図2−1)。
ついで、Si基板2の研磨した面に酸化処理を施し、Si基板2の表面にSiO酸化膜2aを形成する(図2−2)。
ついで、SiOより高い屈折率を有するレーザ媒質1を平板上となるように切断し、面積の最も広い面(主面)のうちの一方の面を研磨する(図2−3)。
ついで、レーザ媒質1の研磨した面とSi基板2のSiO酸化膜2aを有する面とを接合する(図2−4)。ここで接合の方法として、例えば拡散接合や表面活性化接合(接合する2つの物質の両方の接合面にプラズマまたはイオンビームなどを照射して接合面表面を活性化した後に、接合面同士を貼り合わせ接合する接合方法)などを用いる。
その後、レーザ媒質1のSi基板2で保持されていない方の面を、レーザ媒質1が所定の厚さとなるように、研磨する(図2−5)。
そして、研磨したレーザ媒質1の面にレーザ媒質より低い屈折率を有するクラッド層3を接合する(図2−6)。このクラッド層3は、オプティカルコンタクトや拡散接合などの方法でレーザ媒質1に直接接合しても良いし、クラッド層3の薄膜をスパッタ法や蒸着法、CVD(Chemical Vacuum Deposition)法などを用いて成膜しても良い。
その後、レーザ媒質1、Si基板2、SiO酸化膜2a、クラッド層3からなる積層体を基板面に垂直の方向から切断し、これにより、所望の大きさの平面導波路型レーザ装置が製造される(図2−7)。このように、積層体を作成した後に、所望の大きさに切断することにより、一度に、多数個の平面導波路型レーザ装置を製造することができる。しかしながら、必ずしもそのようにする必要はなく、所望の大きさに初めから切断してあるSi基板2やレーザ媒質1を用いて1つずつ平面導波路型レーザ装置を構成するようにしてもよい。
ここで、このような構成を有する平面導波路型レーザの動作について説明する。まず、図1の光軸4の方向に沿って、励起光をレーザ媒質1へ入射する。レーザ媒質1は入射してきた励起光を吸収して利得を発生する。光軸4に沿って進行する自然放出光を種として、誘導放出によってレーザ光が発生する。ここで、コアとなるレーザ媒質1の屈折率が、クラッドとなるSiO酸化膜2aおよびクラッド層3(クラッド層3がない場合は空気)の屈折率より大きいため、コア(レーザ媒質1)とクラッド(SiO酸化膜2a、クラッド層3)との界面で全反射条件を満たす成分がコア内に閉じ込められて、導波モードとして伝搬する。レーザ媒質1の光軸4に垂直な面のうちの一方に全反射鏡(励起光側)を設置し、もう一方の面に部分反射鏡を設置すると、全反射鏡と部分反射鏡の間でレーザ発振し、部分反射鏡からレーザ光の一部が出力される。また、この全反射鏡および部分反射鏡はレーザ媒質1の光軸4に垂直な面に、誘電体膜または金属膜を直接成膜することによって実現しても良い。
このとき、コア(レーザ媒質1)とクラッド(SiO酸化膜2a、クラッド層3)との界面で全反射を繰返し伝搬する光のうち、レーザ媒質1の光軸4に垂直な面に、レーザ媒質1と外部(空気など)との界面での全反射条件を満たして入射する光はレーザ媒質1内に閉じ込められて周回する。このようなレーザ媒質1内を周回する光が存在すると、当該レーザ媒質1内を周回する光がレーザ媒質1内の利得を奪い増幅されるため、所望のレーザ光の出力が低下する。
従って、本実施の形態では、このように、レーザ媒質1内を周回する光を抑制する方法について説明する。図3に、この周回モードの一例の模式図を示す。レーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面での入射角をθ1、レーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面で反射した光の、レーザ媒質1と外部(空気など)との界面への入射角をθとする。また、周回モードの光路をL0とする。周回モードL0を抑制するためにはθがレーザ媒質1と外部との界面での臨界角以下であれば全反射は起こらない。θが最大となるのはθがレーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面での臨界角となるときである。ここで、レーザ媒質1の外部の屈折率をn、レーザ媒質1の屈折率をn、SiO酸化膜2aの屈折率をnとする。ただしn>n,n>nである。レーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面での臨界角をθ1c(=sin−1(n/n))、レーザ媒質1と外部との界面での臨界角をθ2c(=sin−1(n/n))とすると、周回モードを抑制するためには、90°−θ1c<θ2cであればよい。すなわち屈折率がnsin(90°−sin−1(n/n))<nの関係を満たせばよい。ただしn<nであるため、周回モードを抑制する屈折率の関係はnsin(90°−sin−1(n/n))<n<nとなる。
クラッドとしてのSiO酸化膜2aにSiOを用い、レーザ媒質外部を空気とした場合、n=1.45、n=1となるので、コアであるレーザ媒質1の屈折率は1.45〜1.76にすれば周回モードは抑制できる。
また、上記の周回モードの抑制条件を、SiO酸化膜2aまたはクラッド層3のどちらかが満たせば周回モードは抑制できる。すなわち、クラッド層3の屈折率をnとした場合、この屈折率nがnsin(90°−sin−1(n/n))<n<nの関係を満たせば周回モードは抑制される。従って、例えば、クラッドとしてのSiO酸化膜2aにSiOを用いた場合に、コアであるレーザ媒質1に屈折率が上記1.45〜1.76以外の材料を用いても、クラッド層3に上記の周回モードを抑制する条件を満たす屈折率を持つ材料を選定すれば、周回モードを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態1によれば、レーザ媒質1、SiO酸化膜2、クラッド層3、Si基板2がすべて直接接合される構成となり、接着剤などのレーザ光によって劣化する部材を使わずに平面導波路型レーザ装置を構成できるため、信頼性を低下させることなく、レーザ装置としての高信頼性化が可能となる。また、クラッド作成のための数工程が削減されるため、低コスト化が可能となる。さらに、基板をSiから構成し、Siの酸化によりクラッド膜(SiO酸化膜2)を生成するため、損失の少ないクラッド膜を作成することができる。また、高温時や光の照射時に劣化しやすい接着剤を用いない構成にしたので、平面導波路型レーザの製造プロセスに、(接着剤が劣化するような)高温や光照射のプロセスを用いることも可能となり、製造プロセスの選択肢が広がり、製造プロセス選択の自由度が向上する。さらに、レーザ媒質1、SiO酸化膜2、クラッド層3、Si基板2を積層して積層体を構成した後に、積層方向に垂直な方向に切断して、同時に複数個の平面導波路型レーザ装置を製造するようにしたので、一度に多数個の製造も可能となり、効率よく製造でき、製造コストも低く抑えることができる。また、レーザ媒質1の外部の屈折率をn、レーザ媒質1の屈折率をn、SiO酸化膜2aの屈折率をn、クラッド層3の屈折率をnとしたときに、それらの屈折率が、nsin(90°−sin−1(n/n))<n<nまたはnsin(90°−sin−1(n/n))<n<nの関係を満たすレーザ媒質1またはクラッド層3を用いることにより、レーザ媒質1内の周回モードを抑制でき、効率よく所望のレーザ光を増幅させることができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態1の平面導波路型レーザ装置におけるレーザ光の光路の一例を示す図である。実施の形態1で、SiO酸化膜2aより屈折率の大きい材料をクラッド層3として用いる場合、レーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面での臨界角より、レーザ媒質1とクラッド膜3との界面での臨界角が大きくなる。そのためレーザ媒質1とSiO酸化膜2aとの界面で全反射した光のうち、クラッド層3へ漏れ出したレーザ光がクラッド層3外部との境界において反射し、再度レーザ媒質1に入射して増幅され、レーザ媒質内の利得を消費してしまう現象が生じる。このような場合として、クラッド層3の外部の境界で反射したレーザ光がそのまま出力端面から外部に出力されるクラッド外部伝搬光L2と、クラッド層3の外部の境界で反射したレーザ光がさらにレーザ媒質1の出力端面でも全反射し、レーザ媒質1とクラッド層3内に閉じ込められる周回モードL3がある。本実施の形態2では、上記L2、L3のように、所望のレーザ光の光路とは異なる光路をとり、レーザ媒質1内の利得を消費してしまう光を抑制するための平面導波路型レーザ装置について説明する。
図5は、本実施の形態2にかかる平面導波路型レーザ装置の構成を模式的に示す図である。レーザ媒質1、Si基板2、SiO酸化膜2a、クラッド層3は実施の形態1と同様の構成であり、平板状をなしたレーザ媒質1の厚さ方向に垂直な面とSiO酸化膜2aを有するSi基板2のSiO酸化膜2aを有する面とが接合されている。また、レーザ媒質1のSi基板と接合された反対側の面にはクラッド層3が形成されている。なお、レーザ媒質1とSiO酸化膜2aまたはクラッド層3との屈折率の関係が、実施の形態1で示したレーザ媒質内部での周回モードを抑制する条件を満たすような材料をレーザ媒質1、クラッド層3として選定する。本実施の形態2では、クラッド層3の外部と接触している面、すなわち、クラッド層3のレーザ媒質1と接触している面と反対側の面に、レーザ光を吸収する吸収層5を有する。吸収層5はレーザ光を吸収できる材料であれば良く、クロム(Cr)やチタン(Ti)などを用いることができる。
ここで、このような構成を有する平面導波路型レーザ装置の動作について説明する。吸収層5を設けない場合は、図4で示したように、導波路モードL1として発振するレーザ光のほかに、クラッド外部伝搬光L2および周回モードL3が存在する。導波モードL1以外(すなわち、L2,L3)は、クラッド層3と外部との境界において全反射する。ここで、クラッド層3の外部に吸収層5を設けることにより、界面で反射する光を吸収させることによって、クラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制する。
このような吸収層5を有する平面導波路型レーザ装置の製造方法は、実施の形態1の図2−1〜2−6と同様にしてクラッド層3まで形成した後に、スパッタ法や蒸着法などによってクロムやチタンなどからなる吸収層5を、クラッド層3のレーザ媒質1と接合している面と反対側の面に成膜することによって形成することができる。その後、図2−7と同様に、レーザ媒質1、Si基板2、SiO酸化膜2a、クラッド層3、吸収層5からなる積層体を基板面に垂直の方向から切断し、所望の大きさの平面導波路型レーザ装置が製造される。
なお、クロムやチタンの金属膜は吸収率の波長依存性が小さいため、広い波長帯域のレーザ光を吸収することができる。例えばレーザ媒質1としてNd:YVOを用いて914nmのレーザ光を増幅する場合、Nd:YVOが利得を持つ914nm、1064nm、1342nmのクラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制することができる。
また、吸収層5としてレーザ媒質1が最も大きな利得を持つ波長を選択的に吸収する材料を用いてもよい。例えばレーザ媒質1としてNd:YVOを用いて914nmのレーザ光を増幅する場合、Nd:YVOは1064nmに大きな利得を持つため、1064nm付近の光に対して高い吸収率を持つ材料を、吸収層5として用いてもよい。このような材料として例えばCr4+:YAGなどがある。このようにCr4+:YAGを吸収層5として使えば、1064nm付近の光を選択的に吸収して、1064nmのクラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制することができる。
上述した説明ではクラッド層3の外部に吸収層5を設ける方法を説明したが、上記のクラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制することができればどのようなものであっても良い。例えば吸収層5の代わりにクラッド層3の外部の面を荒らし面としても良い。この場合、クラッド層3の外部の境界で反射する光を荒らし面によって散乱させ、クラッド外部伝搬光L2および周回モードL3の成分に損失を与えることができる。またクラッド層3の荒らし面に吸収層5を付着させてもよい。この構成にすれば、荒らし面による散乱と、吸収層5による吸収によってクラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制し、効率よく所望のレーザ光を増幅させることができる。
以上のように、本実施の形態2によれば、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態2においては、クラッド層3外部に吸収層5を設けることによって、クラッド外部伝搬光L2および周回モードL3を抑制することができ、より効率よく所望のレーザ光を増幅させることができる。
1 レーザ媒質、2 Si基板、2a SiO酸化膜、3 クラッド層、4 光軸、5 吸収層、101 レーザ媒質、102a,102b クラッド、103 基板、104 接着剤。

Claims (9)

  1. 表面に酸化膜を有する基板と、
    平板状の形状を成し、上記酸化膜よりも高い屈折率を有し、厚さ方向に対して垂直な面のうちの一方の面が上記基板の酸化膜を有する面と直接接合されたレーザ媒質と
    を備え、
    上記レーザ媒質を導波路のコアとして使用し、上記酸化膜を導波路のクラッドとして使用し、
    上記基板はSi基板から構成され、上記酸化膜としてSiO酸化膜を有し、
    上記レーザ媒質は、前記SiO酸化膜を構成するSiOより屈折率の高い固体レーザ材料から構成される
    ことを特徴とする平面導波路型レーザ装置。
  2. 上記レーザ媒質は、一方の端面から励起光が入射され、当該一方の端面に対向する他方の端面からレーザ光を出力し、上記励起光が入射される上記一方の端面に全反射鏡が設けられ、上記レーザ光を出力する上記他方の端面に部分反射鏡が設けられているものであって、
    上記レーザ媒質の屈折率をn、上記酸化膜の屈折率をn、外部の屈折率 したとき、上記屈折率n、nおよびn
    sin(90°−sin−1(n/n))<n<n
    の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の平面導波路型レーザ装置。
  3. 上記レーザ媒質よりも低い屈折率を有し、上記レーザ媒質の上記一方の面に対向した他方の面に設けられたクラッド層
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の平面導波路型レーザ装置。
  4. 上記レーザ媒質は、一方の端面から励起光が入射され、当該一方の端面に対向する他方の端面からレーザ光を出力し、上記励起光が入射される上記一方の端面に全反射鏡が設けられ、上記レーザ光を出力する上記他方の端面に部分反射鏡が設けられているものであって、
    上記レーザ媒質の屈折率をn、上記クラッド層の屈折率をn、外部の屈折率としたとき、上記屈折率n、nおよびn
    sin(90°−sin−1(n/n))<n<n
    の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  5. 上記レーザ媒質よりも低い屈折率を有し、上記レーザ媒質の上記一方の面に対向した他方の面に設けられたクラッド層
    をさらに備え、
    上記レーザ媒質の屈折率をn、上記クラッド層の屈折率をn、外部の屈折率としたとき、上記屈折率n、nおよびn
    sin(90°−sin−1(n/n))<n<n
    の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  6. 上記クラッド層の上記レーザ媒質に接合されている面に対向した他方の面に設けられた、レーザ光を吸収するための吸収層
    をさらに備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  7. 上記吸収層は、クロム、チタン、Cr4+:YAGのいずれかで構成されていることを特徴とする請求項に記載の平面導波路型レーザ装置。
  8. 基板の表面のうち一方の面を研磨するステップと、
    上記基板の研磨した面に酸化処理を施して酸化膜を形成するステップと、
    上記酸化膜よりも高い屈折率を有する平板状のレーザ媒質の表面のうち一方の面を研磨するステップと、
    上記レーザ媒質の研磨した面と上記基板の酸化膜を有する面とを、拡散接合または表面活性化接合により、直接接合するステップと
    を備え、
    上記基板はSi基板から構成され、
    上記酸化膜はSiO酸化膜から構成され、
    上記レーザ媒質は、前記SiO酸化膜を構成するSiOより屈折率の高い固体レーザ材料から構成される
    ことを特徴とする平面導波路型レーザ装置の製造方法。
  9. 上記レーザ媒質、上記基板、および、上記酸化膜からなる積層体を、積層方向に垂直な方向に切断するステップをさらに備え、
    上記積層体作成後に当該切断を行うことにより、複数個の平面導波路型レーザ装置を同時に作成する
    こと特徴とする請求項に記載の平面導波路型レーザ装置の製造方法。
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