JP5933317B2 - 平面導波路型レーザ装置 - Google Patents
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Description
このような構成では、反射防止膜を介した入力レーザ光を全反射膜により多重反射し、光路長を長くすることにより、励起光による利得を高め、増幅されたレーザ光を全反射膜から出力する(下記特許文献1参照)。
よって、全反射膜と反射防止膜との境界を高い精度で製作する必要が生じると共に、レーザ光の光路が制限される課題があった。
図1は本発明の実施の形態1による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、励起用半導体レーザ1は、励起光2を発振し、その励起光2を平面導波路3の側面から入射する励起光源である。
コア層4の材質は固体であり、一般的なレーザ媒質(レーザ遷移媒質が添加されて、励起用半導体レーザ1から出射された励起光2を吸収する材質)を使用する。
コア層4の媒質としては、例えば、Nd:YAG,Yb:YAG,Er:YAG,Tm:YAG,Ho:YAG,Nd:YLF,Yb:YLF,Er:YLF,Tm:YLF,Ho:YLF,Nd:Glass,Cr:LiSAF,Ti:Sapphireなどが用いられる。
クラッド材としてコア層4の屈折率n1よりも低い屈折率n2(n1>n2)の媒質で構成される。クラッド層2の媒質としては、例えば、SiO2,Al2O3,MgF2などを用いる。
図1の平面導波路型レーザ装置は、レーザ増幅器やレーザ発振器として動作する。
まず、励起用半導体レーザ1から出射された励起光2は、平面導波路3の側面より入射される。
即ち、励起用半導体レーザ1から出射された励起光2は、コア層4およびクラッド層5の側面から入射される。
これにより、平面導波路3内に入射された励起光2は、コア層4の内部に閉じ込められて導波される。
ただし、レーザ光6は、導波方向と垂直な方向では、平面導波路3の側面に形成された全反射膜7の間で反射を繰り返しながらジグザグに進行する。
励起光2により、コア層4内に発生したレーザ利得によって、コア層4内を導波するレーザ光6が増幅される。
レーザ光6は、平面導波路3の傾斜部10において、コア層4の屈折率をn1、平面導波路3の外部の屈折率をn0として、入射角θがθ>sin−1(n0/n1)を満たすと、傾斜部10において全反射する。
全反射されたレーザ光6は、平面導波路3に対して水平方向に角度を変え、平面導波路3の側面に形成された全反射膜7の間で反射を繰り返しながらジグザグに進行する。
傾斜部11において、全反射されたレーザ光6は、水平方向の角度を変え、平面導波路3の上面に形成された反射防止膜9を透過して平面導波路3の外部に出力される。
よって、平面導波路3の側面の成膜において、全反射膜7と反射防止膜の混在を排除できるため、成膜を容易にする。
また、レーザ光6の光路を任意に選択可能にする。
さらに、側面全体を全反射領域にすることができ、平面導波路3の面積を有効に活用可能にする。
図2は本発明の実施の形態2による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、平面導波路13は、全反射膜7が形成された対向する二面が非平行に形成される。
また、反射防止膜9は、全反射膜7が形成されていない側面のうちの幅広面近傍の平面導波路3の上面にのみ形成される。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、省略しているが、図1と同一に構成される。また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
平面導波路3の外部から反射防止膜9を透過して、平面導波路3の内部にレーザ光6が入力された場合に、レーザ光6は、平面導波路3の傾斜部11において全反射する。
全反射されたレーザ光6は、平面導波路3に対して水平方向に角度を変え、平面導波路3の側面に形成された全反射膜7の間で反射を繰り返しながらジグザグに進行する。
その後、レーザ光6は、全反射膜7に対して垂直に入射すると、反転して元の導波路を反対に進行する。
全反射されたレーザ光6は、水平方向の角度を変え、平面導波路3の上面に形成された反射防止膜9を透過して平面導波路3の外部に出力される。
よって、平面導波路3の側面の成膜において、全反射膜7と反射防止膜の混在を排除できるため、成膜を容易にする。
また、レーザ光6の光路を任意に選択可能にする。
さらに、側面全体を全反射領域にすることができ、平面導波路3の面積を有効に活用可能にする。
さらに、1組の反射防止膜9および傾斜部11によりレーザ光6の入出力を可能にするので、構成を簡単にすると共に、他方の面を自由に成形可能にする。
図3は本発明の実施の形態3による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図において、二色性膜21は、励起光2の波長を透過し、レーザ光6の波長を反射するものであり、傾斜部10,11に成膜される。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、省略しているが、図1と同一に構成される。また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
よって、傾斜部10,11が入射角θ>sin−1(n0/n1)の条件を満たさなくてもレーザ光4を全反射させる。
また、二色性膜21は、傾斜部10,11が形成された平面導波路3の側面からの励起光2の照射を遮断しない。
図4は本発明の実施の形態4による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、異なる個所から複数のレーザ光6a,6bを導波させるものである。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、省略しているが、図1と同一に構成される。また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光6aは、平面導波路3の片側の反射防止膜8から平面導波路3に入力され、平面導波路3の反対側の反射防止膜9から出力される。
レーザ光6bは、レーザ光6aとは異なる位置で、平面導波路3の片側の反射防止膜8から平面導波路3に入力され、レーザ光6aとは異なる位置で平面導波路3の反対側の反射防止膜9から出力される。
よって、レーザ光6aが一つのときでは活用できない導波路の部分の利得を、別のレーザ光6bで利用することができる。
このため、励起された平面導波路3の利得を有効に活用し、励起光2からレーザ光への変換効率を高めることができる。
レーザ光6a,6bの本数は2本以上でも構わない。
図5は本発明の実施の形態5による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、透明ブロック(反射防止部)28,29は、レーザ光6を透過する媒質であり、平面導波路3の上面の一部に光学的手段によって接合される。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、省略しているが、図1と同一に構成される。また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光6は、平面導波路3の上部に接合された透明ブロック28に入射し、透明ブロック28の一面で全反射されて、透明ブロック28と平面導波路3の接合面から平面導波路3に入力される。
また、平面導波路3から出力されたレーザ光6は、平面導波路3と透明ブロック29の接合面より透明ブロック29に入射し、透明ブロック29の一面で全反射されて、透明ブロック29より出力される。
よって、透明ブロック28,29は、プリズムによって構成され、プリズムの端面の角度を任意に設計することができる。
このため、平面導波路3の側面を全反射して、平面導波路3の内部を周回する寄生発振光の発生を、プリズム面の角度の設計によって抑制することができる。
また、導波路素子の設計は、励起媒質の利得密度やレーザ損傷閾値により制限されるが、プリズムの設計は制限されないので、例えば、入出力部分の面積を広くすることができる。
図6は本発明の実施の形態6による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図において、二色性膜(反射膜)37は、励起光2の波長を透過し、レーザ光6の波長を反射するものであり、平面導波路3の対向する側面に成膜される。
全反射部41は、レーザ光6の波長を反射するものであり、傾斜部10,11のレーザ光4が照射される個所に形成される。
また、散乱部(寄生発振光抑制部)42は、レーザ光6の波長を全反射することなく、散乱反射するものであり、傾斜部10,11のレーザ光4が照射されない個所に形成される。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、図1と異なり、平面導波路3の二色性膜37が成膜された側面から照射されるように構成される。
また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
励起光2は、二色性膜37を透過して平面導波路3に入力され、コア層4を励起する。
レーザ光6は、導波方向と垂直な方向では、平面導波路3の側面に形成されている二色性膜37の間で反射を繰り返しながらジグザグに進行する。
このとき、励起光2により、コア層4内に発生したレーザ利得によって、コア層4内を導波するレーザ光6が増幅される。
このため、平面導波路3の側面を全反射して導波路内部を周回する寄生発振光の発生を散乱部42によって抑制することができる。
よって、励起光2を、二色性膜37を成膜した平面導波路3の側面から照射しても、コア層4を励起することができる。
また、傾斜部10,11のレーザ光4が照射されない個所に散乱部42を形成した。
よって、平面導波路3の側面を全反射して導波路内部を周回する寄生発振光の発生を散乱部42によって抑制することができる。
なお、寄生発振光を抑制する散乱部42は、寄生発振光を吸収する構造としても同様の効果が得られる。
さらに、レーザ光6を入出力する反射防止膜8,9と、寄生発振光を抑制する散乱部42とが同一平面にないので、同一面内で機能を混在させることなく、面の製造を容易に行うことができる。
図7は本発明の実施の形態7による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、反射防止膜48,49は、レーザ光6の波長を透過するものであり、平面導波路3の上面のレーザ光4が照射される個所に成膜される。
また、散乱部(寄生発振光抑制部)50,51は、レーザ光6の波長を全反射することなく、散乱反射するものであり、平面導波路3の上面のレーザ光4が照射されない個所に形成される。
なお、図において、励起用半導体レーザ1および励起光2は、省略しているが、図1と同一に構成される。また、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
よって、平面導波路3の側面を全反射して導波路内部を周回する寄生発振光の発生を散乱部50,51によって抑制することができる。
なお、寄生発振光を抑制する散乱部50,51は、寄生発振光を吸収する構造としても同様の効果が得られる。
また、実施の形態6では、散乱部42の形成を平面導波路3の薄い側面に行わなければならなかったが、実施の形態7では、散乱部50,51の形成を平面導波路3の上部の広い面に行うことになるので、散乱部50,51の形成を容易に行うことができる。
図8は本発明の実施の形態8による平面導波路型レーザ装置を示す構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図において、平面導波路53のクラッド層55は、コア層4の上面に光学的手段により接合され、レーザ光6をコア層4内に閉じ込めるために、クラッド材としてコア層4の屈折率n1よりも低い屈折率n2(n1>n2)の媒質で構成される。
クラッド層55の媒質としては、例えば、無添加YAG,無添加YLF,無添加Glass,無添加LiSAF,無添加Sapphireなどを用いる。
クラッド層56の媒質としては、例えば、SiO2,Al2O3,MgF2などを用いる。
なお、図において、図1と同一符号は、同一または相当部分を示すので説明を省略する。
まず、励起用半導体レーザ1から出射された励起光2は、平面導波路53の傾斜部10側の側面より入射される。
即ち、励起用半導体レーザ1から出射された励起光2は、コア層4およびクラッド層55の側面より入射される。
また、平面導波路53内に入射された励起光2は、クラッド層55の上面であるクラッド層56との界面で全反射される。
これにより、平面導波路53内に入射された励起光2は、コア層4とクラッド層55の内部に閉じ込められて導波される。
また、レーザ光6は、コア層4の上面であるクラッド層55との界面で全反射される。
これにより、レーザ光6は、コア層4の内部に閉じ込められて導波される。
ただし、レーザ光6は、導波方向と垂直な方向では、平面導波路53の側面に形成されている全反射膜7の間で反射を繰り返しながらジグザグに進行する。
一方、平面導波路53は、通常、固定や冷却のために、コア層4の下面のクラッド層56の下に保持機構や冷却機構が接合される。
従来技術のように、レーザ光6を側面から入出力すると、レーザ光6が保持機構や冷却機構に干渉してしまう可能性がある。
これは、クラッド層56の下に保持機構や冷却機構が接合した状態で、レーザ光6を側面から入出力すると、保持機構や冷却機構の製作によるバリや接合材(接着剤、はんだ等)の盛り上がりにより、レーザ光6がバリや接合材に干渉する可能性があるからである。
これに対して、実施の形態8に示した構成では、レーザ光6の入出力が平面導波路53の上面となるので、レーザ光6がバリや接合材に干渉することがなくなり、よって、レーザ光6が保持機構や冷却機構と干渉することがなくなる。
よって、レーザ光6を側面から入出力する構成の場合に、レーザ光6が、クラッド層56の下に接合された保持機構や冷却機構に干渉してしまう可能性があるが、この干渉を防ぐことができる。
Claims (10)
- 励起光によって励起される平板状のレーザ媒質を、クラッドにより上下面から挟むように形成された平面導波路と、
上記平面導波路の対向する両側面に形成された反射膜と、
上記平面導波路の上面に設けられ、入力されるレーザ光を透過する第1の反射防止部と、
上記平面導波路の上記反射膜が形成されていない側面に該平面導波路の上面とのなす角度が鋭角になるように形成され、上記第1の反射防止部を透過したレーザ光を反射して該平面導波路の平面方向且つ前記反射膜に向かう方向に導波させる第1の傾斜部と、
上記平面導波路の上記第1の傾斜部に対向する側面に該平面導波路の上面とのなす角度が鋭角になるように形成され、該平面導波路の平面方向且つ前記反射膜に向かう方向に導波したレーザ光を反射する第2の傾斜部と、
上記平面導波路の上面に設けられ、上記第2の傾斜部により全反射したレーザ光を透過して出力する第2の反射防止部と、
上記平面導波路の側面から励起光を入射する励起光源とを備えた平面導波路型レーザ装置。 - 対向する非平行な2辺を有し、励起光によって励起される平板状のレーザ媒質を、クラッドにより上下面から挟むように形成された平面導波路と、
上記平面導波路の対向する非平行な両側面に形成された反射膜と、
上記平面導波路の上面に設けられ、入出力されるレーザ光を透過する反射防止部と、
上記平面導波路の上記反射膜が形成されていない側面に該平面導波路の上面とのなす角度が鋭角になるように形成され、上記反射防止部を透過した入力されるレーザ光を反射して該平面導波路の平面方向且つ前記反射膜に向かう方向に導波させると共に、該平面導波路の平面逆方向に導波したレーザ光を反射して該反射防止部に出力する傾斜部と、
上記平面導波路の側面から励起光を入射する励起光源とを備えた平面導波路型レーザ装置。 - 上記傾斜部は、
上記励起光の波長を透過し、上記レーザ光の波長を反射する二色性膜が成膜されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記反射防止部は、
複数のレーザ光を入出力させることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記反射防止部は、
反射防止膜であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記反射防止部は、
上記レーザ光を任意の方向に屈折させる透明ブロックであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記反射膜は、
上記励起光の波長を透過し、上記レーザ光の波長を反射する二色性膜が成膜されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記傾斜部は、
上記レーザ光が照射される個所に形成され、上記レーザ光の波長を反射する全反射部と、
上記レーザ光が照射されない個所に形成され、寄生発振光を抑制する寄生発振光抑制部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記反射防止部は、
上記レーザ光が照射される個所に形成され、上記レーザ光の波長を透過する反射防止膜と、
上記レーザ光が照射されない個所に形成され、寄生発振光を抑制する寄生発振光抑制部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。 - 上記クラッドは、
上記レーザ媒質の上面に形成された第1のクラッドと、
上記第1のクラッドの上面および上記レーザ媒質の下面から挟むように形成された第2のクラッドとを備え、
上記レーザ光を上記レーザ媒質の平面方向に導波させることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の平面導波路型レーザ装置。
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