JP5389124B2 - 走査荷電粒子線装置 - Google Patents

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本発明は、荷電粒子線の照射によって試料の走査像を得る走査荷電粒子線装置に関する。
走査荷電粒子線装置には、試料を観察するための走査電子顕微鏡(SEM)、測長機能を有する測長用電子顕微鏡(CD-SEM)、半導体ウエハ上の欠陥の有無を検査する検査装置等がある。特開平11-51886号公報に記載された検査装置の検査対象は、パターンの形状欠陥の他、導通・非導通欠陥、異物の付着等多岐にわたる。
近年、顧客がより高分解能な像を望む傾向にある。また、半導体試料のパターンが微細化している。そこで、上述の装置では、高分解能化及び高倍率化が進む傾向にある。
高倍率化が進むと、対物レンズと試料との距離が短くなる。対物レンズの短焦点化によって、荷電粒子線の収差が少なく、高分解能な画像の取得が可能になる。
特開平11-51886号公報
走査荷電粒子線装置では、高分解能化のために短焦点化すると焦点深度が小さくなり、そのために、有効視野が小さくなる。有効視野が小さくなると、観察効率が低下する。
本発明の目的は、高分解能化しても有効視野が小さくなることがない走査荷電粒子線装置を提供することである。
本発明の走査荷電粒子線装置によると、試料の観察時に、試料の表面が焦点深度の上限の位置に又は上限の位置より僅か下方に配置されるように、焦点位置を調整する。
更に、本発明の走査荷電粒子線装置によると、試料の表面における合焦領域である有効視野の範囲を計算する。
本発明の走査荷電粒子線装置によれば、高分解能化しても有効視野が小さくなることがない。
本発明による走査荷電粒子線装置の概略構成を示す図である。 走査荷電粒子線装置において、焦点深度と焦点ずれの関係を説明する図である。 走査荷電粒子線装置における像面湾曲収差を説明する図である。 走査荷電粒子線装置における像面湾曲収差の三次元空間表示を示す図である。 本発明による走査荷電粒子線装置の焦点調整の概念を説明する図である。 走査荷電粒子線装置において焦点深度の測定方法を説明する図である。 走査荷電粒子線装置において有効視野を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法において試料の表面に走査領域を設定する方法を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法において曲線の式を求める方法を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法において試料の表面に走査領域を設定する方法の他の例を説明する図である。 本発明の走査荷電粒子線装置における表示装置に表示された画面の例を示す図である。
図1に、本発明による走査荷電粒子線装置の例を示す。本例の走査荷電粒子線装置は、荷電粒子銃1、集束レンズ7、絞り8、集束レンズ11、直交電磁界発生器12、非点収差補正器17、偏向器13a,13b、対物レンズ14、及び、試料15を保持する試料ステージ16を有し、これらは、真空容器内に収納される。
本例の走査荷電粒子線装置は、更に、集束レンズ7、集束レンズ11及び対物レンズ14に電圧又は電流を印加するレンズ制御電源21、絞り8を制御する絞り制御部22、非点収差補正器17を制御する非点収差補正器制御部23、試料15からの二次電子等の情報信号42を検出する検出器25、偏向器13a、13bに走査信号を供給する走査信号発生装置26、試料15に接続された可変減速電源27、試料ステージ16の位置を検出する位置測定装置28、試料ステージ16を少なくとも水平方向に駆動するステージ駆動装置29、これらの機器を制御する制御部30、検出器25からの検出信号を処理する画像処理部31、及び、試料15の拡大像を表示する表示装置32を有する。ここでは対物レンズ14が電磁レンズの場合を説明したが、それに限定されるものではない。尚、集束レンズや対物レンズが電磁レンズの場合は、電流制御、静電レンズの場合は、電圧制御である。
荷電粒子銃1は、荷電粒子源2、引出電極3、及び、加速電極4を有する。荷電粒子源2と引出電極3の間に引出電圧V1が印加される。これによって、荷電粒子源2からは一次荷電粒子線40が引き出される。荷電粒子源2と加速電極4の間には加速電圧V0が印加される。これによって、一次荷電粒子線40は加速される。
荷電粒子銃1からの一次荷電粒子線40は、集束レンズ7によって集束され、絞り8によって不要な領域が除去される。一次荷電粒子線40は、光軸45上にてクロスオーバ41を生成し、集束レンズ11によって集束される。
集束された一次荷電粒子線40は、直交電磁界発生器12及び非点収差補正器17、を経由し、偏向器13a,13bによって走査され、対物レンズ14によって集束され、試料ステージ16上の半導体ウエハ等の試料15に照射される。試料15から二次電子、反射電子、X線、イオン等の情報信号42が発生する。情報信号42は直交電磁界発生器12を経由し、軌道を変更し、検出器25によって検出される。検出器25からの検出信号は画像処理部31によって輝度変調信号に変換され、表示装置32に出力される。表示装置32によって試料の拡大像が表示される。
図2を参照して、走査電子顕微鏡において、焦点深度と焦点ずれの関係を説明する。図2(a)及び図2(b)に示すように、荷電粒子線40の焦点44の上側の破線46aと下側の破線46bの間の距離Dof(1)、Dof(2)が焦点深度である。即ち、2本の破線の間の領域では焦点ぼけが起きず鮮明な画像が得られる。以下に、2本の破線46a、46bの間の領域を合焦領域46、2本の破線の外側の領域を非合焦領域と称する。
図2(a)は、焦点深度Dof(1)が比較的短い場合を示し、図2(b)は、焦点深度Dof(2)が比較的長い場合を示す。即ち、Dof(1)<Dof(2)とする。一般に、高倍率では焦点深度が見かけ上小さく、低倍率では焦点深度が見かけ上大きい。
図2(a)に示すように、焦点深度Dof(1)が比較的短い場合、合焦領域46は狭い。従って、試料15の表面に凹凸があると、その一部が合焦領域46の外側に出る可能性がある。こうして、試料15の表面の凹凸のうち非合焦領域にある部分では、焦点ぼけが起きる。この場合、一枚の画像の中で焦点が合っていて鮮明な部分と、焦点が合っていない非鮮明な部分が混在する。従って、画像から得られる情報量が少ない。
図2(b)に示すように、焦点深度Dof(2)が比較的長い場合、合焦領域46は広い。従って、試料15の表面に凹凸があっても、全て合焦領域46内にある。こうして、試料15の表面に凹凸があっても、焦点ぼけが起きることはない。従って、画像から得られる情報量が多い。
図3を参照して走査荷電粒子線装置における像面湾曲収差について説明する。偏向器13a、13bによって荷電粒子線40は試料15上を走査する。このとき、焦点44は振り子のように弧を描く。焦点44の軌跡を像面湾曲曲線47と称する。光軸45をY軸、試料表面をX軸、光軸45と試料15の表面の交点を原点Oとする座標軸を設定する。荷電粒子線40が光軸45上にあるとき、焦点44は原点O上にあると仮定する。
荷電粒子線40が光軸45に対して傾斜角θだけ振れたとする。この時、焦点44から光軸45までの距離をr、焦点44から試料表面までの距離をhとする。また、荷電粒子線40の光軸に沿って測った焦点44から試料表面までの距離をSとする。像面湾曲曲線47の曲率半径をRとすると、距離r、h、Sは次の式によって求められる。
r=Rsinθ 式1
h=R(1−cosθ) 式2
S=h/cosθ=R(1−cosθ)/cosθ 式3
焦点44と試料表面との間が距離Sだけ離れているため、試料表面上において像面湾曲収差aが発生する。これらの式から判るように、荷電粒子線40の傾斜角θがゼロのときは、距離Sはゼロとなるが、荷電粒子線40の傾斜角θがゼロでないとき、距離Sはゼロとならないため、像面湾曲収差aが生じる。像面湾曲収差aは傾斜角θが大きくなると増加する。
荷電粒子線40の傾斜角θがゼロのとき、焦点44は試料表面上にあるから、試料表面の像はぼけがない鮮明な像となる。荷電粒子線40の傾斜角θがゼロでないとき、焦点44は、試料表面上にないため、試料表面の像はぼけのある非鮮明な像となる。像面湾曲収差は、このように、荷電粒子線40の傾斜角θに応じて試料表面の像が焦点ボケする現象を指す。
図4に、像面湾曲収差の三次元空間表示の1例を示す。縦軸は像面湾曲収差、横軸は荷電粒子線40の走査幅である。本例では、走査幅は縦横ともに100μmである。従って、走査領域は、縦100μm、横100μmの正方形である。図示のように、走査領域の中心から遠ざかるにつれて像面湾曲収差が大きくなる。
図5を参照して、本発明の概念を説明する。先ず、図5(a)を参照して、焦点深度と像面湾曲収差の関係を説明する。図3では、焦点深度を考慮しなかった。そのため、荷電粒子線40の傾斜角θがゼロでないとき、像面湾曲収差に起因した焦点ボケが生じる。しかしながら、焦点深度を考慮すると、焦点ボケが起きる領域は狭くなる。
荷電粒子線40の焦点44の上側の破線46aと下側の破線46bの間の距離Dofが焦点深度である。焦点44の軌跡は像面湾曲曲線47である。合焦領域46は、帯状の弧を描く。試料15の表面のうち、合焦領域46内の領域では、焦点が合った鮮明な画像が得られる。下側の破線46bと試料15の表面の交点を51a、51bとする。試料15上の2つの点51a、51bの間の領域では、焦点が合った鮮明な画像が得られる。
2つの点51a、51bの間の領域を、ここでは、有効視野Fov(1)と称する。有効視野Fov(1)は、合焦領域46と試料15の表面の交差によって形成される。従って、焦点深度Dofが大きいと、有効視野Fov(1)が大きくなる。一般に、高分解能化を目的として対物レンズを短焦点化すると、焦点深度Dofは小さくなる。そのため、有効視野Fov(1)が小さくなる。
図5(b)は、走査荷電粒子線装置において荷電粒子線40の焦点44と試料15の表面の間の位置関係を示す。本実施例によると、荷電粒子線40の焦点44は、試料15の表面上ではなく、それより下方に配置されている。光軸45を含む中心領域において、試料15の表面は上側の破線46aに接している。即ち、試料15の表面は合焦領域46内にあるが、焦点深度の上限近くにある。
下側の破線46bと試料15の表面の交点を52a、52bとする。試料15上の2つの点52a、52bの間の領域が、有効視野Fov(2)である。本例の有効視野Fov(2)は図5(a)の有効視野Fov(1)より大きい。即ち、本例では、焦点が合った鮮明な画像が得られる領域が広がる。高分解能化を目的として対物レンズを短焦点化し、焦点深度Dofが小さくなると、有効視野Fov(2)が小さくなる。
図5(b)では、光軸45を含む中心領域において、試料15の表面は上側の破線46aに接している。試料15の表面は、合焦領域46内にて、上側の破線46aより下方にあれば焦点が合っていることになるが、できるだけ上側の破線46aに近いほうが有効視野が広くとれてよい。こうして、荷電粒子線40の焦点44が、試料15の表面より下方にあったとしても、試料15の表面が上側の破線46aの下方に且つ近傍にあれば、図5(b)の有効視野Fov(2)は図5(a)の有効視野Fov(1)より大きいので、この位置関係が望ましい。
本実施例によると、試料15の表面は、焦点深度の上限より下方であって且つその近傍にあるが、好ましくは、焦点深度の上限の位置にある。このように、荷電粒子線40の焦点44の位置を配置するには、焦点44の位置を試料15の表面に対して移動させてもよいが、焦点44の位置に対して試料15の表面の位置を移動させてもよい。即ち、試料15の表面に対して焦点44の位置を相対的に移動させる。焦点44の位置を移動させるには、対物レンズ14の励磁電流を制御する。試料15の表面を移動させるには、試料ステージ16を移動させる。いずれの場合でも、光軸45を含む中心領域において、試料15の表面を焦点深度Dofの上限に配置する。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より上方に配置され、試料15の表面は非合焦状態である場合を想定する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させ、試料15の表面の中心領域にて最初に焦点が合ったとき、合焦領域46の下限が試料15の表面に到達したと判断する。焦点44の位置を更に移動させると、試料15の表面上の合焦領域46は拡がる。試料15の表面の中心領域にて焦点ボケが生じたら、合焦領域46の上限が試料15の表面に到達したと判断する。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より下方に配置され、試料15の表面の中心領域は非合焦状態である場合を想定する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させると、試料15の表面の中心より周辺領域にて焦点が合った状態になる。焦点44の位置を更に移動させ、試料15の表面の中心領域にて最初に焦点が合った状態になったとき、合焦領域46の上限が試料15の表面に到達したと判断する。焦点44の位置を更に移動させ、試料15の表面の中心領域にて焦点ボケが生じたら、合焦領域46の下限が試料15の表面に到達したと判断する。
こうして本例では、試料15の表面の中心領域にて試料15の表面の焦点深度Dofの上限に配置するように、荷電粒子線40の焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に移動させる。この操作は、表示装置32に表示された走査像を観察しながら手動で行うことができるが、本発明によると画像処理部31が自動的に行う。
次に、有効視野Fov(2)を求める。有効視野Fov(2)は、図5(b)に示すように、合焦領域46の上限が試料15の表面にあるとき、下側の破線46bと試料15の表面の交点52a、52bの間の距離である。従って、有効視野Fov(2)を求めるには、下側の破線46bの曲線の方程式を求める必要がある。
ここで、上側の破線46aの曲線及び下側の破線46bの曲線は、像面湾曲曲線47を、平行移動したものであると仮定する。従って、上側の破線46aの曲線、下側の破線46bの曲線、及び、像面湾曲曲線47は、同一の曲線を互いに上下方向に平行移動させることによって得られるものとする。
図5(b)に示すように、合焦領域46の上限が試料15の表面にあるとき、上側の破線46aの曲線の方程式g(r)を、次のように距離rの2次式によって表わす。
g(r)=ar 式4
aは定数である。合焦領域46の上限が試料15の表面にあるとき、下側の破線46bの曲線は、上側の破線46aの曲線を下方に焦点深度Dofに相当する距離だけ平行移動させることによって得られる。従って、下側の破線46bの曲線の方程式f(r)は、次の式5によって表わされる。
f(r)=ar−Dof 式5
有効視野Fov(2)は、次の式によって求められる。
Fov(2)=2√(Dof/a) 式6
従って、定数aと焦点深度Dofが得られれば、有効視野Fov(2)が求められる。
図6を参照して焦点深度Dofの測定方法を説明する。焦点深度Dofを測定するには、例えば、焦点が合ったときから再び焦点がぼけるまでの距離を測定すればよい。焦点が合った状態から焦点がぼける状態まで変化させるには、対物レンズの励磁電流を制御するか、又は、試料ステージ16を移動させればよい。ここでは、対物レンズの励磁電流を制御する場合を説明する。図6(a)は、対物レンズの励磁電流と像のボケの関係を示し、横軸は対物レンズの励磁電流、縦軸は像ボケの相対値である。相対値は、像ボケが無い状態を基準として、像ボケの大きさを数値で表わしたものである。相対値が小さいほど、像ボケがない鮮明な像を表わし、相対値が1のとき、像ボケが無い状態を表わす。例えば、像ボケの相対値の許容値を例えば1.1とする。対物レンズの励磁電流を徐々に増加させ、最初に相対値が1.1より小さくなったときの励磁電流の値Iaを記憶する。励磁電流の値Iaは、焦点が合っていない状態から焦点が合った状態に変化したことを表わす。更に、対物レンズの励磁電流を徐々に増加させ、相対値が1.1より大きくなったときの励磁電流の値Ibを記憶する。励磁電流の値Ibは、焦点が合っている状態から再び焦点ボケが生じたことを示す。尚、像ボケの相対値は、画像処理部31が演算する。
図6(b)は励磁電流と焦点位置の関係を示す。このように、励磁電流と焦点位置は既知である。この関係から、励磁電流の値がIa、Ibのときの焦点位置Dof(a)、Dof(b)が求められる。焦点深度Dof(Z)は、2つの焦点位置Dof(a)、Dof(b)の差である。
ここでは、励磁電流と焦点位置の関係を用いたが、代わりに、励磁電流と像面湾曲収差の関係を用いてもよい。
図7を参照して有効視野について説明する。図7(a)は、試料の表面の像を示し、図7(b)は、試料15の表面と合焦領域46の関係を示す。試料を観察する前に、試料上に走査領域210を設定する。走査領域210は、視野探しに都合が良いように、又は、スループットの観点から設定する。通常、焦点調整等の光学系に関する調整は、試料の走査像を見ながら手動で行う。このとき、走査領域210の中心部に焦点調整用走査領域201を設定する。焦点調整用走査領域201は、合焦領域46に入るように、寸法xを設定する。焦点調整用走査領域201にて焦点調整を行う。
走査領域210内に有効視野211を設定する。有効視野211は、焦点調整用走査領域201の画質と同程度である範囲、つまりぼけやその他の収差が無い、あるいはそれを許容できる範囲である。有効視野211の寸法xeは、下側の破線46bによって切り取られる試料の表面の領域の寸法と等しいか又はそれより小さい。
高分解能化のために対物レンズを短焦点化すると有効視野211は狭くなる。半導体ウエハ等の検査装置において、有効視野211を検査領域とする場合が多い。このような場合、検査領域が小さくなると、スループットが低下するといった問題が生じる。特に半導体ウエハ等の製造プロセスの中で検査を行う場合、スループットの低下は致命傷である。そこで本発明によると、有効視野211を大きくすることができるから、スループットの低下を防止することができる。
図8、図9、図10及び図11を参照して、本発明の走査荷電粒子線装置における焦点調整方法を説明する。ここで説明する焦点調整処理は、表示装置32に表示された走査像を観察しながら手動で行うことができるが、本発明によると画像処理部31が自動的に行う。尚、図10(a)は、試料15の表面が合焦領域の上限46aにある状態を示し、図10(b)は、試料15の表面が合焦領域の下限46bにある状態を示す。図11(a)は、試料15の表面の位置Zs(縦軸)と対物レンズ励磁電流I(横軸)の関係を示し、図11(b)は、試料15の表面の位置Zs(縦軸)と試料ステージの位置hz(横軸)の関係を示す。
ステップS101にて、焦点調整用走査領域を設定する。図9(a)及び図9(b)に示すように、試料の表面の走査領域210の中心部に焦点調整用走査領域201を設定し、更に、それより外側に、例えば、2つの焦点調整用走査領域202、203を設定する。光軸45から焦点調整用走査領域202、203の中心までの距離をそれぞれr(1)、r(2)とする。
ステップS102にて、中心部の焦点調整用走査領域201にて焦点調整を実行する。これを第1の焦点調整と称する。初期状態では、荷電粒子線の焦点44は、試料15の表面より上方又は下方にあり、焦点調整用走査領域201にて、非合焦状態である。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より上方に配置され、焦点調整用走査領域201は非合焦状態である場合を説明する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させる。先ず、焦点調整用走査領域201の中心にて最初に焦点が合った状態になる。これは合焦領域の下限が試料の表面に到達した状態を表わす。次に、焦点調整用走査領域201上の焦点が合った領域が中心から外側に拡がる。焦点調整用走査領域201の中心にて焦点ボケが生じる。これは合焦領域の上限が試料の表面に到達した状態を表わす。この時点で、焦点調整が完了する。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より下方に配置され、焦点調整用走査領域201は非合焦状態である場合を説明する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させる。先ず、焦点調整用走査領域201の中心では焦点がボケた状態になり、焦点調整用走査領域201の中心の外側では焦点が合った状態になる。次に、焦点調整用走査領域201上の焦点が合った領域が外側から中心方向に拡がる。試焦点調整用走査領域201の中心にて焦点が合った状態になる。これは合焦領域の上限が試料の表面に到達した状態を表わす。次に、焦点調整用走査領域201上の焦点が合っていない領域が外側から中心に向けて拡がる。焦点ボケの領域が広がり、焦点調整用走査領域201の中心にて焦点ボケが生じる。これは合焦領域の下限が試料の表面に到達した状態を表わす。この時点で、焦点調整が完了する。
焦点調整用走査領域201における焦点調整では、焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に移動させる。焦点44の位置の移動量は、焦点深度に応じて変化させる必要がある。高倍率のため焦点深度が見かけ上小さい場合には、焦点44の位置の移動量のピッチ又は移動速度を小さくする。低倍率のため焦点深度が見かけ上大きい場合には、焦点44の位置の移動量のピッチ又は移動速度を大きくしてよい。
ステップS103にて、ステップS102の第1の焦点調整の結果を記録する。対物レンズの励磁電流の制御によって焦点44の位置を調整する場合には、励磁電流値を記録する。焦点調整用走査領域201について、図10及び図11(a)に示すように、試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの励磁電流値をIa1、試料の表面が合焦領域の下限46bにあるときの励磁電流値をIb1とする。試料ステージの制御によって試料15の表面の位置を調整する場合には、試料ステージの位置を記録する。焦点調整用走査領域201について、図10及び図11(b)に示すように、試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をha1、試料の表面が合焦領域の下限46bにあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をhb1とする。尚、励磁電流値及び試料ステージの位置は、焦点調整値である。
ステップS104にて、周辺部の焦点調整用走査領域202にて焦点調整を実行する。これを第2の焦点調整と称する。初期状態では、荷電粒子線の焦点44は、試料15の表面より上方又は下方にあり、焦点調整用走査領域202にて、非合焦状態である。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より上方に配置され、焦点調整用走査領域202は非合焦状態である場合を説明する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させる。先ず、焦点調整用走査領域202の内端にて最初に焦点が合った状態になる。即ち、焦点調整用走査領域202のうち、光軸45からの距離rが最小である領域にて最初に焦点が合う。次に、焦点調整用走査領域202内の焦点が合った領域が、光軸45に対して外側に拡がる。次に、焦点調整用走査領域202の中心にて、即ち、光軸45からの距離がr(1)の位置にて、焦点が合った状態になる。これは焦点調整用走査領域202の中心にて合焦領域の下限が試料の表面に到達した状態を表わす。次に、焦点調整用走査領域202にて焦点が合った領域が内側から外側に拡がる。次に、焦点調整用走査領域202の内端にて焦点ボケが生じる。更に、焦点調整用走査領域202の中心にて焦点ボケが生じる。これは焦点調整用走査領域202の中心にて合焦領域の上限46aが試料の表面に到達した状態を表わす。この時点で、焦点調整が完了する。
初期状態にて、荷電粒子線40の焦点44が試料15の表面より下方に配置され、焦点調整用走査領域202は非合焦状態である場合を説明する。焦点44の位置を試料15の表面に対して相対的に近づくように移動させる。先ず、焦点調整用走査領域202の外端にて最初に焦点が合った状態になる。即ち、焦点調整用走査領域202のうち、光軸45からの距離rが最大である領域にて最初に焦点が合う。次に、焦点調整用走査領域202内の焦点が合った領域が、光軸45に対して内側に拡がる。次に、焦点調整用走査領域202の中心にて、即ち、光軸45からの距離がr(1)の位置にて、焦点が合った状態になる。これは焦点調整用走査領域202の中心にて合焦領域の上限が試料の表面に到達した状態を表わす。次に、焦点調整用走査領域202にて焦点が合った領域が外側から内側に拡がる。次に、焦点調整用走査領域202の外端にて焦点ボケが生じる。更に、焦点調整用走査領域202の中心にて焦点ボケが生じる。これは焦点調整用走査領域202の中心にて合焦領域の下限が試料の表面に到達した状態を表わす。この時点で、焦点調整が完了する。
ステップS105にて、ステップS104の第2の焦点調整の結果である焦点調整値を記録する。対物レンズの励磁電流の制御によって焦点44の位置を調整する場合には、励磁電流値を記録する。図9に示す焦点調整用走査領域202の中心について、即ち、光軸45からの距離がr(1)の位置について、図10及び図11(a)に示したように、試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの励磁電流値をIa2、試料の表面が合焦領域の下限46bにあるときの励磁電流値をIb2とする。試料ステージの制御によって試料15の表面の位置を調整する場合には、試料ステージの位置を記録する。焦点調整用走査領域202の中心について、即ち、光軸45からの距離がr(1)の位置について、図10及び図11(b)に示したように、試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をha2、試料の表面が合焦領域の下限46bにあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をhb2とする。
ステップS106にて、図9に示す周辺部の焦点調整用走査領域203にて焦点調整を実行する。これを第3の焦点調整と称する。第3の焦点調整は第2の焦点調整と同様である。ステップS107にて、ステップS106の第3の焦点調整の結果である焦点調整値を記録する。対物レンズの励磁電流の制御によって焦点44の位置を調整する場合には、励磁電流値を記録する。焦点調整用走査領域203の中心について、即ち、光軸45からの距離がr(2)の位置にて、図10及び図11(a)に示したように、試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの励磁電流値をIa3、試料の表面が合焦領域の下限46bにあるときの励磁電流値をIb3とする。試料ステージの制御によって試料15の表面の位置を調整する場合には、試料ステージの位置を記録する。焦点調整用走査領域203の中心について、即ち、光軸45からの距離がr(2)の位置について、図10及び図11(b)に示したように、試料の表面が合焦領域の上限にあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をha3、試料の表面が合焦領域の下限にあるときの荷電粒子線40の偏向中心から試料ステージまでの距離をhb3とする。
ステップS108にて、焦点深度Doを求める。焦点深度Doは、対物レンズの励磁電流の制御によって焦点44の位置を調整する場合には、励磁電流値から求められ、試料ステージの制御によって試料15の表面の位置を調整する場合には、試料ステージの位置から求められる。先ず、励磁電流値から焦点深度Doを求める方法を説明する。焦点調整用走査領域201において試料の表面の位置が合焦領域46の上限にあるときの励磁電流値Ia1が得られているから、図6(b)に示す関係を用いて、そのときの焦点位置Dof(a1)が求められる。焦点調整用走査領域201において試料の表面の位置が合焦領域46の下限にあるときの励磁電流値Ib1が得られているから、図6(b)に示す関係を用いて、そのときの焦点位置Dof(b1)が求められる。2つの焦点位置Dof(a1)、Dof(b1)の差が焦点調整用走査領域201における焦点深度である。焦点調整用走査領域202、203に対しても同様に、図6(b)に示す関係を用いて、試料の表面の位置が合焦領域46の上限にあるときの焦点位置と試料の表面の位置が合焦領域46の下限にあるときの焦点位置が得られる。従って、焦点調整用走査領域202、203における焦点深度は同様に求められる。次の式に示すように、3つの焦点調整用走査領域201、202、203における焦点深度が得られる。
Do1=Dof(a1)−Dof(b1)
Do2=Dof(a2)−Dof(b2) 式7
Do3=Dof(a3)−Dof(b3)
焦点深度は3つの焦点深度の平均値として得られる。
Do=(1/3)(Do1+Do2+Do3) 式8
次に、試料ステージの位置から焦点深度Doを求める方法を説明する。焦点調整用走査領域201において、試料の表面の位置が合焦領域46の上限にあるときの試料ステージの位置及び試料の表面の位置が合焦領域46の下限にあるときの試料ステージの位置をそれぞれ、Y(a1)、Y(b1)とする。2つの試料ステージの位置Y(a1)、Y(b1)の差が焦点調整用走査領域201における焦点深度である。焦点調整用走査領域202、203に対しても同様に、試料の表面の位置が合焦領域46の上限にあるときの試料ステージの位置Y(a2)、Y(a3)と試料の表面の位置が合焦領域46の下限にあるときの試料ステージの位置Y(b2)、Y(b3)から焦点位置が求められる。次の式に示すように、3つの焦点調整用走査領域201、202、203における焦点深度が得られる。
Do1=Y(a1)−Y(b1)
Do2=Y(a2)−Y(b2) 式9
Do3=Y(a3)−Y(b3)
焦点深度は3つの焦点深度の平均値として得られる。
Do=(1/3)(Y1+Y2+Y3) 式10
ステップS109にて、合焦領域46の上限が試料15の表面にあるとき、下側の破線46bの曲線の方程式を求める。下側の破線46bの曲線の方程式は、式4に示すように、2つの定数a、Doを有し、距離rの2次式である。焦点深度Doは上述の処理によって得られているから、定数aを求める。
先ず、図12(a)に示すように、焦点調整用走査領域201の中心にて試料の表面が合焦領域46の下限にあるように、焦点調整を行う。このとき、下側の破線46bの曲線は、次の式によって表わされる。このときの、励磁電流値をIb1、試料ステージの位置をhb1とする。
g(r)=ar 式11
次に、図12(b)に示すように、焦点調整用走査領域202の中心にて試料の表面が合焦領域46の下限にあるように、焦点調整を行う。このとき、下側の破線46bの曲線は、次の式によって表わされる。対物レンズの励磁電流の制御によって焦点調整を行った場合には、励磁電流値をIb2、試料ステージの制御によって焦点調整を行った場合には、試料ステージの位置をhb2とする。
h(r)=ar−y1 式12
焦点調整用走査領域202の中心では距離r=r1である。従って、図12(a)に示す下側の破線46bの曲線g(r)は、点(r1,y1)を通るはずである。距離y1は、式11の曲線と式12の曲線の上下方向の移動距離である。距離y1は、2つの励磁電流値Ib1、Ib2、又は、2つの試料ステージの位置hb1、hb2から求められる。
先ず、2つの励磁電流値Ib1、Ib2から距離y1を求める。図6(b)に示す関係を用いて、励磁電流値Ib1、Ib2に対応する焦点位置Dof(b1)、Dof(b2)をそれぞれ求める。2つの焦点位置Dof(b1)、Dof(b2)の差が距離y1である。次に、2つの試料ステージの位置hb1、hb2から距離y1を求める。2つの試料ステージの位置hb1、hb2の差が距離y1である。ここでは、焦点調整用走査領域201、202における焦点調整値から距離y1を求めたが、焦点調整用走査領域201、203における焦点調整値から距離y1を求めてもよい。
こうして得られたy1の値及び既知のr(1)の値を式12に代入することにより、定数aが求められる。定数aを式12に代入することにより、合焦領域46の上限が試料15の表面にあるときの下側の破線46bの曲線の方程式が得られる。
ステップS110にて、有効視野Fov(2)を求める。定数aを式6に代入することにより、有効視野Fov(2)が求められる。ステップS111にて、図5(b)にて示したように試料の表面を合焦領域の上限に配置する。焦点調整用走査領域201にて試料の表面が合焦領域の上限46aにあるときの励磁電流値Ia1、及び、試料ステージの位置ha1はステップS103にて記録されている。これを用いて、試料の表面を合焦領域の上限に配置することができる。
図13は、走査領域210に焦点調整用走査領域を設定する方法を説明する。本例によると、走査領域210の対角線に沿って焦点調整用走査領域を設定する。図12(a)に示すように、互いに間隔が空くように焦点調整用走査領域201〜203を設定してもよいが、図12(b)に示すように、互いに隣接する領域同士で重なり合うように、焦点調整用走査領域201〜205を設定してもよい。
図14は、表示装置32に表示された画面の例を示す。図8から図12に示した焦点調整処理は、表示装置32に試料の表面の像を表示させながら調整者が手動で行ってもよいが、画像処理部31によって自動的に行ってもよい。本例の画面120は、焦点調整値表示部121、像表示部122、関数式表示部123、焦点調整位置指示ボタン124を有する。焦点調整値表示部121には、焦点調整処理に得られた焦点調整値、即ち、励磁電流値、試料ステージの位置等が表示される。像表示部122には、試料の表面の拡大像が表示される。焦点調整位置指示ボタン124には、走査領域210が碁盤目状に分割された状態が示される。焦点調整用走査領域として碁盤目の1つ125を選択すると色が変わる。従って、焦点調整用走査領域として選択されたことが判る。焦点調整処理が終わった領域126には、他の色で表示する。未だ、焦点調整処理が行われていない領域は無色である。こうして本例では、走査領域210のうち、焦点調整処理が行われた領域、未処理の領域、処理中である領域の区別が明確である。
以上本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者によって容易に理解されよう。
1:荷電粒子銃、2:荷電粒子源、3:引出電極、4:加速電極、7:集束レンズ、8:絞り、11:集束レンズ、12:直交電磁界発生器、13a,13b:偏向器、14:対物レンズ、15:試料、16:試料ステージ、17:非点収差補正器、21:レンズ制御電源、22:絞り制御部、23:非点収差補正器制御部、25:検出器、26:走査信号発生装置、27:可変減速電源、28:位置測定装置、29:ステージ駆動装置、30:制御部、31:画像処理部、32:表示装置、
40:一次荷電粒子線、41:クロスオーバ、42:情報信号、44:焦点、45:光軸、46:合焦領域、47:像面湾曲曲線、201、210:走査領域

Claims (19)

  1. 荷電粒子線を発生させる荷電粒子線源と、上記荷電粒子線を、表面に凹凸がある試料上に集束させる対物レンズを含むレンズ手段と、上記荷電粒子線を試料上で走査させるための偏向手段と、上記荷電粒子線の照射によって試料から発生する情報信号を検出する検出器と、上記情報信号から得た画像信号によって試料の画像を生成する画像処理部と、試料を移動させる試料ステージと、を有し、
    上記試料を観察するとき、上記荷電粒子線の焦点を上記試料の表面に対して相対的に移動させて焦点深度の上限及び下限を判定することにより、上記上限及び下限によって定まる焦点深度によって合焦する合焦領域を求め、
    当該求められた合焦領域の上限位置が上記試料の表面に合うように、上記対物レンズのレンズ条件の調整又は上記試料ステージの調整を行うことを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記試料を観察するとき、上記試料の表面の中心部において、上記試料の表面は焦点深度の上限の位置に配置されることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  3. 請求項1記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記試料の表面の中心部において、上記荷電粒子線の焦点が上記試料の表面より上方にあるとき、上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させ、最初に焦点が合ったとき上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定し、次に焦点ぼけが生じたときに上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定し、
    上記試料の表面の中心部において、上記荷電粒子線の焦点が上記試料の表面より下方にあるとき、上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させ、最初に焦点が合ったとき上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定し、次に焦点ぼけが生じたときに上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定することを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  4. 請求項3記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させるために上記対物レンズの励磁電流を制御し、上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定したとき及び上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定したときの上記対物レンズの励磁電流を記録し、該2つの励磁電流から、焦点の位置を求め、該2つの焦点の位置の差から焦点深度を得ることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  5. 請求項3記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させるために上記試料ステージの位置を制御し、上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定したとき及び上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定したときの上記試料ステージの位置を記録し、該2つの試料ステージの位置の差から焦点深度を得ることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  6. 請求項3記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記画像処理部は、試料の像に像ぼけが無い状態を基準として、像ぼけの大きさを数値で表わした相対値を計算し、該相対値が所定の閾値を超えたとき、焦点ぼけが生じたと判定し、該相対値が所定の閾値以下の場合に、焦点が合っていると判定することを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  7. 請求項1記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記試料の中心部にて上記試料の表面が焦点深度の上限の位置に配置されているとき、上記焦点深度の下限の曲線f1が上記試料の表面と交わる2点の位置を求め、該2点の位置の間の距離を求めることによって上記合焦領域を求めることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  8. 請求項7記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記試料の表面の中心部に第1の焦点調整用走査領域を設定し、該第1の焦点調整用走査領域より所定の距離だけ外側に配置された第2の焦点調整用走査領域を設定し、上記第1の焦点調整用走査領域にて上記試料の表面に接する焦点深度の下限の曲線f2と、上記第2の焦点調整用走査領域にて上記試料の表面と交差する焦点深度の下限の曲線f3と、を求め、該2つの曲線f2、f3から、上記焦点深度の下限の曲線f1を求めることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  9. 請求項記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記第2の焦点調整用走査領域より所定の距離だけ外側に配置された第3の焦点調整用走査領域を設定し、上記第1の焦点調整用走査領域にて上記試料の表面に接する焦点深度の下限の曲線f2と、上記第3の焦点調整用走査領域にて上記試料の表面と交差する焦点深度の下限の曲線f4と、を求め、上記3つの曲線f2、f3、f4から、上記焦点深度の下限の曲線f1を求めることを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  10. 請求項1記載の走査荷電粒子線装置において、
    上記試料の画像を表示する表示手段を有し、
    上記表示手段は、上記試料の画像を表示する領域と、上記対物レンズのレンズ条件の調整又は上記試料ステージの調整による焦点調整値を表示する領域と、上記試料の走査領域を分割して得られた分割領域を表示する領域とを含む画面を表示することを特徴とする走査荷電粒子線装置。
  11. 荷電粒子線を試料上に照射する照射ステップと、
    上記荷電粒子線を試料上で走査させるための走査ステップと、
    上記荷電粒子線を試料上に集束させる集束ステップと、
    上記試料の表面に対して上記荷電粒子線の焦点の位置を相対的に移動させる焦点調整ステップと、を有し、
    上記試料を観察するとき、上記焦点調整ステップにて、上記荷電粒子線の焦点を上記試料の表面に対して相対的に移動させて焦点深度の上限及び下限を判定することにより、上記上限及び下限によって定まる焦点深度によって合焦する合焦領域を求め、
    当該求められた合焦領域の上限位置が上記試料の表面に合うように、焦点調整を行うことを特徴とする焦点調整方法。
  12. 荷電粒子線の照射によって試料から発生する情報信号から得た画像信号によって試料の画像を生成する走査荷電粒子線装置の焦点調整方法であって、
    荷電粒子線を試料上に照射する照射ステップと、
    上記荷電粒子線を試料上で走査させるための走査ステップと、
    上記荷電粒子線を試料上に集束させる集束ステップと、
    上記試料の表面に対して上記荷電粒子線の焦点の位置を相対的に移動させる焦点調整ステップと、を有し、
    上記試料を観察するとき、上記焦点調整ステップにて、上記荷電粒子線の焦点を上記試料の表面に対して相対的に移動させて焦点深度の上限及び下限を判定することにより、上記上限及び下限によって定まる焦点深度によって合焦する合焦領域を求め、
    当該求められた合焦領域の上限位置が上記試料の表面に合うように、対物レンズの励磁電流を制御するか又は上記試料を保持する試料ステージを移動させる焦点調整を行うことを特徴とする焦点調整方法。
  13. 請求項12記載の焦点調整方法において、
    上記焦点調整ステップにおける上記荷電粒子線の焦点の位置を上記試料の表面に対して相対的に移動させる処理は、上記対物レンズの励磁電流を制御するか又は上記試料を保持する試料ステージを移動させることによって行うことを特徴とする焦点調整方法。
  14. 請求項12記載の焦点調整方法において、
    上記試料を観察するとき、上記焦点調整ステップにて、上記試料の表面の中心部において、上記試料の表面が焦点深度の上限の位置に配置されるように上記荷電粒子線の焦点の位置を相対的に移動させることを特徴とする焦点調整方法。
  15. 請求項12記載の焦点調整方法において、
    上記焦点調整ステップは、
    上記試料の表面の中心部において、上記荷電粒子線の焦点が上記試料の表面より上方にあるとき、上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させ、最初に焦点が合ったとき上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定し、次に焦点ぼけが生じたときに上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定するステップと、
    上記試料の表面の中心部において、上記荷電粒子線の焦点が上記試料の表面より下方にあるとき、上記焦点を上記試料の表面に対して相対的に近づくように移動させ、最初に焦点が合ったとき上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定し、次に焦点ぼけが生じたときに上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定するステップと、
    上記焦点深度の上記上限と上記下限との間を合焦領域と判定し、当該合焦領域の上限位置を上記試料の表面に合わせるステップと、
    を含むことを特徴とする焦点調整方法。
  16. 請求項15記載の焦点調整方法において、
    上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定したとき及び上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定したときの上記対物レンズの励磁電流を記録するステップと、
    該2つの励磁電流から、焦点の位置を求め、該2つの焦点の位置の差を求めて焦点深度とするステップと、
    を含む焦点調整方法。
  17. 請求項15記載の焦点調整方法において、
    上記試料の表面が焦点深度の下限にあると判定したとき及び上記試料の表面が焦点深度の上限にあると判定したときの上記試料ステージの位置を記録するステップと、
    該2つの試料ステージの位置の差を求めて焦点深度とするステップと、
    を含む焦点調整方法。
  18. 請求項15記載の焦点調整方法において、
    上記焦点調整ステップは、
    試料の像に像ぼけが無い状態を基準として、像ぼけの大きさを数値で表わした相対値を計算し、該相対値が所定の閾値を超えたとき、焦点ぼけが生じたと判定し、該相対値が所定の閾値以下の場合に、焦点が合っていると判定するステップを含むことを特徴とする焦点調整方法。
  19. 請求項12記載の焦点調整方法において、さらに、
    上記焦点深度の下限の曲線が上記試料の表面と交わる2点の位置を求めるステップと、
    該2点の位置の間の距離を求めることによって有効視野を求めるステップと、
    を含むことを特徴とする焦点調整方法。
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