JP5388247B1 - 新規構造を備えた自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】航続距離を大幅に伸ばすとともに、その製造コストを大幅に低減すること。
【解決手段】車体のリア部ReD及びルーフ部RfDのみが乗降のために開閉可能であり、前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前方に突出して配置されたフレームと、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前記キャビンの前方の左右に配置された一対のAピラーP1と、前記車体の両サイド部に設置されたBピラーP2と、前記車体の後方の左右に配置された一対のCピラーP3とによって支持され、前記車体の最前部に設けられた第1吸気口から前記キャビンの床下中央を経て前記リア部に設けられた第1排気口まで配設された第1通気路、及び/又は前記車体の最前部に設けられた第2吸気口から前記キャビンの床下の左右両側を経て前記リア部にそれぞれ設けられた第2及び第3排気口まで配設された第2及び第3通気路を備えてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は新規構造を備えた自動車に関するものである。
地球環境、エネルギー問題より、自動車のCO2削減が緊急の課題になっている。そして、ハイブリッド、電気、燃料電池などの新動力源の開発、従来のガソリン車、ディーゼル車の改良、車両の小型化・軽量化開発などが積極的に推進されている。
中でも電気自動車(以下、単に「EV」ともいう)への期待が大きく、様々なEVが発表され、少量だが既に販売されている。しかしながら、電気自動車の根本的課題として、航続距離の不足、高価格があり、これらの根本的課題が電気自動車の普及を妨げている。
現状の自動車用バッテリの能力(蓄電量、充電時間、重量)及びコストについては様々な開発が進んでいる。特に、リチウムイオンバッテリの改良が進んでいるが、まだ一般の乗用車へ展開するには、不十分である。
そこで、コミューター的な小型自動車への展開が考えられ、各種コンセプトカーが発表されている。しかしながら、この小型あるいは超小型自動車においても、市街地走行1日50km程度以下に限定されており、更なる航続距離の延長が望まれている。
航続距離は、通常、電池の充電量と自動車の走行に必要なエネルギー量(走行抵抗やエアコンなど)の関係できまり、電池容量は重量とコストの点から、現状では電池容量を大きくするには限界がある。
従って、できるだけ少量のエネルギーで走行できれば、航続距離が伸びることになる。このため、走行抵抗(空気抵抗、転がり抵抗、加速抵抗、登坂抵抗)の低減と、エアコンのエネルギーを低減する必要があり、走行抵抗をできるだけ下げ、エアコンのエネルギーも低減できるような自動車が必要とされている。
なぜなら、通常の自動車においては、夏期の暑熱対策としてクーラーが不可欠であり、このクーラーのためのエネルギー消費は、電気自動車(EV)の場合30%もの悪化をもたらし、航続距離を大幅に低下させるからである。
1930−1960年代のアメリカにおいて、いわゆるスワンプクーラーというものが市販され、これらの方式は車外にクーラー本体を設置し湿らせた木屑層に通過して冷却された空気を直接車内に送るものであり、密閉された車内ではすぐに水蒸気飽和状態となり冷却ができなくなる問題や、外付けのため空気抵抗が悪化するという問題があった。またミスト状の水を吹く方式は現在でも産業用フォークリフト車に用いられている。
例えば、特許文献1には、トラクター、コンバインなどの移動車両のキャビンのルーフに、ミスト吹き出し口を備えたミストクーラーを配置し、当該ミストクーラーに吸い込まれた外気によってミストクーラー内の水が霧化されて約10μmの径をもつ水滴となり、吹き出し口からキャビン内に吹き出され、ミストが蒸発する際の蒸発潜熱が外気から奪われることで、キャビンを冷却する空調システムが開示されている。この特許文献1の空調システムは、トラクターやコンバインといった、作業用の車両へ適用することを目的としており、そのため、キャビンは開放されていることを前提とし、ミストクーラーから放出されるミストはキャビンを冷却するために充分ではない。
一方、特許文献2には、ペットを車内に置いた状態で停車している時に、車内の温度が許容範囲を超え、かつエネルギー残量が基準値未満であると判定されたとき、パワーウィンドウ駆動装置とミスト噴射装置が作動して、窓が開放され、かつミストが噴射されて、ペットの健康状態を車内環境の悪影響から守ることが開示されている。
特開2003−267043号公報 特開2007−90915号公報
EVの航続距離を伸ばすために、本発明者は鋭意検討した結果、自動車の軽量化、空気抵抗の低減を徹底して実現すると共に、電気消費量が画期的に少ないクーラーを実現するという技術的課題を認識するに至った。
特に自動車の軽量化は、転がり抵抗、加速抵抗、登坂抵抗のいずれにも大きく寄与する重要なポイントである。軽量化のためには、たとえば、高張力鋼板の採用、軽量アルミニウム材料、軽量プラスチック材料(たとえばCFRP)があるが、高張力鋼板は、軽量化に限界があり、アルミニウムは鋼板に比べ高価(2倍程度)になり、またCFRPは、数10倍もの高価なもので、そのリサイクル性においても問題がある。
具体的には、従来の自動車の構造は、乗降用のドアとして運転者側1−2枚、助手席側1−2枚があり、これが自動車の車体構造の制限となっていた。すなわち、サイドのドア構造を成立させるため、ドアの複雑な開閉構造、精密な建て付け調整の難しさ、乗降のためのピラー位置制限、側面衝突対策のためにピラーの高強度化、ドア内補強材(サイドインパクトビーム)、などが必要となり重量増加や空気抵抗増加(段差など)も大きくなっている。
もしサイドドアがなければ、当然のことながらサイドのボディ構造は、非常にシンプルな軽量構造となり、またその安全性や、内部のキャビンスペースの点でも有利となる。従来において、リアドアのみという乗用車は存在しなかった。なぜなら、RR車、MR車の場合、配置上不可能である。FF車やFR車ならば、不可能ではないが、通常リアには、トランクルームやリアベンチシートがあり成立しないし、FR車ではデフやドライブシャフトの存在が邪魔となりリアドアは成立しにくい。逆にフロントドアのみという構成はRR車で可能であり、実際にイタリアのイセッタが超小型自動車として製作されたことがあるが、前面衝突時の危険性や、ステアリングなどの構造の難しさがあり、余りメリットがなく普及しなかった。
本発明は、自動車の車体構造を根本的に革新することにより、大幅な軽量化を図ること、自動車における空気抵抗を根本的に革新することにより、空気抵抗の低減化を図ること、電気使用量が画期的に少ないクーラーを自動車内に合理的に配置することにおいて、改革して、サイドドアを無くし、リアに乗降ドアを設置することを可能にし、かかる構造を生かして様々な機能と利点を持たせることによって、航続距離を大幅に伸ばすとともに、その製造コストを大幅に低減することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、叙上の目的を達成するために、
車体のリア部及び/またはルーフ部のみが乗降のために開閉可能であり、
前記ルーフ部に切欠きが設けられ、
前記切欠きが設けられたルーフ部が、前記車体に配置されたキャビン前面に、空気抵抗低減を可能にし、かつ実現し、前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるように配設されたフレームと、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前記キャビンの前方の左右に配置された一対のAピラー(P1)と、前記車体の両サイド部に設置されたBピラー(P2)と、前記車体の後方の左右に配置された一対のCピラー(P3)とによって支持され、
前記車体の最前部に設けられた第1吸気口から前記キャビンの床下中央を経て前記リア部に設けられた第1排気口まで配設された第1通気路、及び/又は
前記車体の最前部に設けられた第2吸気口から前記キャビンの左右両側を経て前記リア部にそれぞれ設けられた第2及び第3排気口まで配設された第2及び第3通気路を
備えてなる
ことを特徴とする新規構造を備えた自動車に関する。
請求項2に係る発明は、前記フレームが、前記キャビン前面の窓の中央部のフロント前方に突出して配設され、前記Aピラー(P1)がキャビンの前方からサイド部に後退して備えられてなる請求項1記載の新規構造を備えた自動車に関する。
請求項3に係る発明は、前記第1通気路、第2通気路及び第3通気路がアルミニウム製のフレキシブルチューブからなる請求項1又は2記載の新規構造を備えた自動車に関する。
請求項4に係る発明は、前記第1、第2及び第3通気路それぞれの前記第1、第2及び第3吸気口の近傍にミスト発生手段が設けられてなる請求項1乃至3記載の新規構造を備えた自動車に関する。
請求項5に係る発明は、前記ミスト発生手段によって発生したミストを前記第1通気路、第2通気路及び第3通気路内に吹き出すためのファンが設けられてなる請求項4記載の新規構造を備えた自動車に関する。
請求項6に係る発明は、前記第1、第2及び第3通気路からミストを開閉可能にキャビン内に導入するためのミスト導入手段が設けられてなる請求項4又は5記載の新規構造を備えた自動車に関する。
請求項7に係る発明は、前記キャビンの左右両サイド部に、走行中に空気抵抗を受けない姿勢で設置されたカメラモニターと、当該カメラモニターに対して平行位置と水平位置の間で切り替え可能に設置されたミラーとを備えてなる請求項1乃至6に記載の新規構造を備えた自動車に関する。
本発明の請求項1乃至3に係る発明は、車体のリア部及びルーフ部のみが乗降のために開閉可能であり、前記ルーフ部に切欠きが設けられ、前記切欠きが設けられたルーフ部が、前記車体に配置されたキャビン前面に、空気抵抗低減を可能にし、かつ前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに得るように配設されたフレームと、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前記キャビンの前方からサイド部に後退して左右に配置された一対のAピラーと、前記車体の両サイド部に設置されたBピラーと、前記車体の後方の左右に配置された一対のCピラーによって支持され、前記車体の最前部に設けられた第1吸気口から前記キャビンの床下中央を経て前記リア部に設けられた第1排気口まで配設された第1通気路、及び/又は前記車体の最前部に設けられた第2吸気口から前記キャビンの床下の左右両側を経て前記リア部にそれぞれ設けられた第2及び第3排気口まで配設された第2及び第3通気路を備えているので、サイドドアが不要となるため、サイドの車体構造が非常にシンプルとなり、乗降のためのピラー位置の制限がなくなり、自動車の運転者の視野や、側面衝突を考慮して最適化できるという利点がある。
また、請求項2に係る発明によれば、前記フレームが、前記キャビン前面の窓の中央部のフロント前方に突出して配設されているので、フロントウインドウが上面視で三角形に突出して、空気流れが左右にスムーズに分かれ、空気抵抗が低減できるという優れた効果を奏し、さらに前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに得るように配設し得る。
このように、本発明の請求項1〜3によれば、サイドドア無し、リア部乗降方式という新規構造が達成され、ボディ構造の簡素化、軽量化、空気抵抗低減、低コスト化、設計の自由度の高さにおいて著しく大きな利点が得られる。そして、前記第1、第2及び第3通気路(車内トンネル構造)の採用により、更なる空気抵抗の低減が可能となり、また水ミストによる気化熱吸収により、エネルギー消費量が画期的に少ないクーラーが容易に実現され得る。
また、請求項1乃至3の発明によれば、サイドドアがないため、自動車内部のボディ補強フレームは一体構造とすることができ、軽量で薄いにも拘わらず、非常に高強度にできるという利点がある。リア部乗降方式では、その必要なドア枚数、強度、精度において有利であり、サイドドア方式に比べて、軽量かつ安価にすることが可能である。
さらに、請求項1乃至3の発明によれば、結果として、サイドドア式の自動車に比べ車内幅が広く使える。
また、請求項1乃至3の発明によれば、左右のドアの開閉スペースが不要となり、駐車スペースが有効に使え、同一面積の駐車スペースに従来よりも多くの自動車の駐車が可能となる利点もある。
(a)は本発明の新規構造を備えた自動車の前方から視た斜視図であり、(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図であり、ルーフドア及びリアドアが開放された状態を図示している。 (a)は本発明の新規構造を備えた自動車のフレームを示す前方から視た斜視図であり、(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図である。 (a)は本発明の新規構造を備えた自動車の空気流を示す前方から視た斜視図であり、(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図である。 (a)は本発明の新規構造を備えた自動車に配設された通気路を示す前方から視た斜視図であり、(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図である。 本発明の新規構造を備えた自動車の冷房システムを示す側面説明図である。 図5の新規構造を備えた自動車の平面説明図である。 (a)は本発明の新規構造を備えた自動車に適用されるミラー及びカメラモニターを取り付けた状態を示す前方から視た斜視図であり、(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図である。
本発明の実施形態に係る新規構造を備えた自動車について、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
図1の(a)は本発明の新規構造を備えた自動車の前方から視た斜視図であり、図1の(b)は(a)の自動車を後方から視た斜視図であり、ルーフドア及びリアドアが開放され状態を図示している。図2の(a)は本発明の新規構造を備えた自動車のフレームを示す前方から視た斜視図であり、図2の(b)は図2の(a)の自動車を後方から視た斜視図である。図3の(a)は本発明の新規構造を備えた自動車の空気流を示す前方から視た斜視図であり、図3の(b)は図3の(a)の自動車を後方から視た斜視図である。図4の(a)は本発明の新規構造を備えた自動車に配設された通気路を示す前方から視た斜視図であり、図4の(b)は図4の(a)の自動車を後方から視た斜視図である。図5の本発明の新規構造を備えた自動車の冷房システムを示す側面説明図である。図6は図5の新規構造を備えた自動車の平面説明図である。図7の(a)は本発明の新規構造を備えた自動車に適用されるミラー及びカメラモニターを取り付けた状態を示す前方から視た斜視図であり、図7の(b)は図7の(a)の自動車を後方から視た斜視図である。
図1〜7を参照すると、本実施形態の新規構造を備えた自動車は、車体(1)のリア部(Re)及びルーフ部(Rf)のみが乗降のために開閉可能であり、車体(1)のサイド部(S1)、(S2)は開閉できない。また、前記ルーフ部(Rf)には切欠き(OP)が設けられている。本実施形態では、ルーフ部(Rf)のドア(RfD)とリア部(Re)のドア(ReD)が開閉するため(図1の(b)参照)、乗降の邪魔にならない様にルーフ部(Rf)に切り欠き(OP)が必要となる。このため、車体(1)の補強が必要となるが、サイドドア式に比べれば、容易である。たとえば前面の窓(フロントウインドウ)(W)中央部にフレーム(f1)を配置することは有効である。この場合、前面の窓(W)の中央上部には通常ルームミラーが設置されており、前面の窓(W)中央部のフレーム(f1)(センターピラー)はそれほど視野に悪影響を及ぼさない。逆にAピラー(P1)の位置を後方に下げたりすることにより、かえって広い視界が得られる。また、前面中央部のフレーム(f1)の位置を前方に突出して設置し、フロントウインドウにあたる空気流を左右にスムーズに流すことにより空気抵抗を減少させることが可能となり、さらに前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに得るように配設し得る。添付図面には、車体(1)のリア部(Re)及びルーフ部(Rf)それぞれにドアが設けられた例が図示されているが、本発明は、かかる構造に限定されるものではなく、リア部(Re)とルーフ(Rf)部を、一体的に開閉し得るドアを採用することができる。また、車高が比較的高い自動車においては、リア部(Re)のみを開閉し得るドアを採用することも可能である。
そこで、本実施形態の新規構造を備えた自動車は、切欠き(OP)が設けられたルーフ部(Rf)は、車体(1)に配置されたキャビン(Ca)前面の窓(W)の中央に前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに得るように配設したフレーム(f1)と、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を、キャビン(Ca)に与えるためにキャビン(Ca)の前方からサイド部(S1)、(S2)に後退して左右に配置された一対のAピラー(P1)と、車体(1)の両サイド部(S1)、(S2)に設置されたBピラー(P2)と、車体(1)の後方の左右に配置された一対のCピラー(P3)によって支持される。
本実施形態の新規構造を備えた自動車は、車体(1)の最前部に設けられた第1吸気口(2S1)からキャビン(Ca)の床下中央を経てリア部(Re)に設けられた第1排気口(2D1)まで配設された第1通気路(2A)、及び/又は車体(1)の最前部(1f)に設けられた第2吸気口(2S2)からキャビン(Ca)の床下の左右両側を経てリア部(Re)にそれぞれ設けられた第2排気口(2D2)及び第3排気口(2D3)まで配設された第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)を備えている。すなわち、本実施形態の新規構造を備えた自動車では、車体(1)の最前部(1f)から床下中央を経てリア部(Re)を貫いて配設された1本の第1通気路(2A)だけを備えたもの、車体(1)の最前部(1f)から床下の両サイド部(S1)、(S2)を経てリア部(Re)を貫いて配設された第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)を備えたもの、当該第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)を備えたものを採用することができる。
車体(1)の最前部(1f)の空気抵抗については、通常、最前部(1f)の開口部に流入した空気は、車体(1)の最前部(1f)のエンジン用ラジエータ冷却のために必要であるが、そのラジエータ通過後は、逃げ場を失い空気抵抗が増加するのである。しかしながら、本実施形態の新規構造を、たとえばリアインホイールモータ駆動方式の電気自動車に適用すると、ラジエータが不要なため、この開口部は不要であるが、あえてその開口部をつくり、そこに流入した高圧の空気を第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(パイプ状のトンネル配管)を用いて、キャビン(Ca)内を通過させ空気圧の低いリア部(Re)に排出する。これにより空気抵抗が大幅に低減できる。当該第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(トンネル配管)は、前述のとおり、車体(1)のサイド部(S1)、(S2)や中央下部への配設が望ましい。当該第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)は、リアインホイールモータ駆動方式において特に適用が容易である。そして、本実施形態の新規構造は、サイドドアがないため、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(サイドトンネル配管)の配設は容易である。またこの第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)用の配管としては、建築物等で使用されるフレキシブルなアルミニウム製のダクトチューブが、その可撓性と軽量性から好適に採用され得る。
前述のとおり、通常の自動車においては、夏期の暑熱対策としてクーラーが不可欠であり、このクーラーのためのエネルギー消費は、電気自動車(EV)の場合30%もの悪化をもたらし、航続距離を大幅に低下させるのであるが、本実施形態においては、前述の第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(パイプ状のトンネル配管)を利用し、その配管内部にミスト状の水を吹くことにより、その気化による熱吸収効果を利用し、クーラーとして作用させることができる。
また、前述のとおり、1930−1960年代のアメリカにおいて、いわゆるスワンプクーラーというものが市販され、これらの方式は車外にクーラー本体を設置し湿らせた木屑層に通過して冷却された空気を直接車内に送るものであり、密閉された車内ではすぐに水蒸気飽和状態となり冷却ができなくなる問題や、外付けのため空気抵抗が悪化するという問題があった。またミスト状の水を吹く方式は現在でも産業用フォークリフト車に用いられている。従来のかかる問題点に鑑み、本実施形態では、前記第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)それぞれの第1吸気口(2S1)、第2吸気口(2S2)及び第3吸気口(2S3)の近傍にミスト発生手段(3)が設けられ、このミスト発生手段(3)によって発生したミストを第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)内に吹き出すための小容量のファン(3f)を設けてもよい。また、第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)からミストを開閉可能にキャビン(Ca)内に導入するためのミスト導入手段(2i)が設けられ得る。このように、本実施形態の冷房システムは、ミスト冷却を車内の第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(パイプ状のトンネル配管)内でおこなうものであり、前述のアルミニウム製のダクトチューブの高熱伝導性を生かして、キャビン(Ca)内の冷房化が可能となる。もちろん、駐車後高温となったキャビン(Ca)を早急に冷却したい場合などは、ミストを含む冷風を直接キャビン(Ca)に導入する機構としての前述のミスト導入手段(2i)により達成可能である。本実施形態においては、走行時にダクト内(すなわち、第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(パイプ状のトンネル配管)内)に流れ込む空気を利用してミスト冷却を行うため、走行中の空気抵抗を減らせるだけでなく、その空気流れを利用して、連続的にミスト冷却が可能となるメリットがある。また停車時などにおいては、前述の小容量のファン(3f)を第1通気路(2A)、第2通気路(2B)及び第3通気路(2C)(パイプ状のトンネル配管)内に設置すればミスト冷却を促進することができるので好ましい。本実施形態では、ミスト発生装置としてたとえば超音波発振方式、小容量のファンに電気が必要となるが、従来方式の車載クーラーに比べて消費電力は画期的に低減できる。
通常の自動車においては、サイドミラーが具備されているが、これが、空気抵抗および、騒音の原因になる。カメラモニターを用いることにより、この空気抵抗等を低減できるが、モニターは故障しやすく、もし故障した場合は、安全運転に支障が出る。
従って、本実施形態においては、サイドミラー(4)とカメラモニター(5)の両方を備えている。通常、サイドミラー(4)は水平状態で保持する。このため、その機能は果たさないが、空気抵抗を少なくする。サイドミラーは、代替的に、適切な形状によりダウンフォースを発生させ走行安定化を図ることも可能である。本実施形態においては、サイドの視野はカメラモニター(5)で確保する。カメラモニター(5)等が故障した場合は、サイドミラー(4)を立てることにより、視野が確保できるので安全である。
本実施形態によれば、たとえば2人乗りの電気自動車(EV)において、重量については、例えば従来750kgであったのが、500kgにまで軽量化が実現し、空気抵抗係数(Cd値)については、従来0.28であったのが、0.22にまで低減することができる。さらに、暑熱時に全体の30%ものエネルギーを消費するクーラーの必要電気量の画期的な低減が可能となり、同容量の電池でも、たとえば航続距離50kmから100kmへの延長が可能である。
本発明の請求項1乃至3に係る発明は、車体のリア部及びルーフ部のみが乗降のために開閉可能であり、前記ルーフ部に切欠きが設けられ、前記切欠きが設けられたルーフ部が、前記車体に配置されたキャビン前面に、空気抵抗低減を実現し前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに得るように前方に突出して配置されたフレームと、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前記キャビンの前方からサイド部に後退して左右に配置された一対のAピラーと、前記車体の両サイド部に設置されたBピラーと、前記車体の後方の左右に配置された一対のCピラーによって支持され、前記車体の最前部に設けられた第1吸気口から前記キャビンの床下中央を経て前記リア部に設けられた第1排気口まで配設された第1通気路、及び/又は前記車体の最前部に設けられた第2吸気口から前記キャビンの床下の左右両側を経て前記リア部にそれぞれ設けられた第2及び第3排気口まで配設された第2及び第3通気路を備えているので、サイドドアが不要となるため、サイドの車体構造が非常にシンプルとなり、乗降のためのピラー位置の制限がなくなり、自動車の運転者の視野や、側面衝突を考慮して最適化できるという利点がある。
また、請求項2に係る発明によれば、前記フレームが、前記キャビン前面の窓の中央部のフロント前方に突出して配設されているので、フロントウインドウが上面視で三角形に突出して、空気流れが左右にスムーズに分かれ、空気抵抗が低減できるという優れた効果を奏し得るし、さらに前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに奏し得るように配設得る。
このように、本発明の請求項1〜3によれば、サイドドア無し、リア部乗降方式という新規構造が達成され、ボディ構造の簡素化、軽量化、空気抵抗低減、低コスト化、設計の自由度の高さにおいて著しく大きな利点が得られる。そして、前記第1、第2及び第3通気路(車内トンネル構造)の採用により、更なる空気抵抗の低減が可能となり、また水ミストによる気化熱吸収により、必要電気量の画期的に少ないクーラーが容易に実現され得る。
本発明の新規構造を備えた自動車は、電気自動車(EV)のみならず、内燃機関によって駆動される自動車にも適用可能である。
また、請求項1乃至3の発明によれば、サイドドアがないため、自動車内部のボディ補強フレームは一体構造とすることができ、軽量で薄いにも拘わらず、非常に高強度にできるという利点がある。
さらに、請求項1乃至3の発明によれば、結果として、サイドドア式の自動車に比べ車内幅が広く使える。
たとえば2人乗りの電気自動車(EV)において、重量については、例えば従来750kgであったのが、500kgにまで軽量化が実現し、空気抵抗係数(Cd値)については、従来0.28であったのが、0.22にまで低減することができる。さらに、暑熱時に全体の30%ものエネルギーを消費するクーラーの必要電気量の画期的な低減が可能となり、同容量の電池でもたとえば航続距離50kmから100kmへの延長が可能である。
1 車体
1f 車体の最前部
2A 第1の通気路
2B 第2の通気路
2C 第3の通気路
2S1 第1の吸気口
2S2 第2の吸気口
2S3 第3の吸気口
2D1 第1の排気口
2D2 第2の排気口
2D3 第3の排気口
2i ミスト導入手段
3 ミスト発生手段
3F 小容量のファン
4 サイドミラー
5 カメラモニター
Ca キャビン
f1 フレーム
OP 切り欠き部
Rf ルーフ部
Re リア部
S1、S2 サイド部
P1 Aピラー
P2 Bピラー
P3 Cピラー

Claims (7)

  1. 車体のリア部及びルーフ部のみが乗降のために開閉可能であり、
    前記ルーフ部に切欠きが設けられ、
    前記切欠きが設けられたルーフ部が、前記車体に配置されたキャビン前面に、キャビン前面の空気抵抗低減を可能にし、かつ前方衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前方に突出して配置されたフレームと、前方および側方からの衝突時の耐衝撃性を前記キャビンに与えるために前記キャビンの前方の左右に配置された一対のAピラーと、前記車体の両サイド部に設置されたBピラーと、前記車体の後方の左右に配置された一対のCピラーとによって支持され、
    前記車体の最前部に設けられた第1吸気口から前記キャビンの床下中央を経て前記リア部に設けられた第1排気口まで配設された第1通気路、及び/又は
    前記車体の最前部に設けられた第2吸気口から前記キャビンの左右両側を経て前記リア部にそれぞれ設けられた第2及び第3排気口まで配設された第2及び第3通気路を
    備えてなる
    ことを特徴とする新規構造を備えた自動車。
  2. 前記フレームが、前記キャビン前面の窓の中央部のフロント前方に突出して配設され、前記Aピラーがキャビンの前方からサイド部に後退して備えられてなる請求項1記載の新規構造を備えた自動車。
  3. 前記第1通気路、第2通気路及び第3通気路がアルミニウム製のフレキシブルチューブからなる請求項1又は2記載の新規構造を備えた自動車。
  4. 前記第1、第2及び第3通気路それぞれの前記第1、第2及び第3吸気口の近傍にミスト発生手段が設けられてなる請求項1乃至3記載の新規構造を備えた自動車。
  5. 前記ミスト発生手段によって発生したミストを前記第1通気路、第2通気路及び第3通気路内に吹き出すためのファンが設けられてなる請求項4記載の新規構造を備えた自動車。
  6. 前記第1、第2及び第3通気路からミストを開閉可能にキャビン内に導入するためのミスト導入手段が設けられてなる請求項4又は5記載の新規構造を備えた自動車。
  7. 前記キャビンの左右両サイド部に、走行中に空気抵抗を受けない姿勢で設置されたカメラモニターと、当該カメラモニターに対して平行位置と水平位置の間で切り替え可能に設置されたミラーとを備えてなる請求項1乃至6に記載の新規構造を備えた自動車。
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