JP5388187B2 - 一軸偏心ねじポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータ及びステータを用いた一軸偏心ねじポンプに関する。
従来より、下記特許文献1に開示されているような一軸偏心ねじポンプが提供されている。この種のポンプでは、ゴムや樹脂などで構成されるステータの内周面に金属などの硬質な素材で作成されたロータが接触しながら回転することにより、ステータとロータとの間に形成された流体搬送路内に吸い込まれた流体を圧送し、吐出させることが可能とされている。また、このような一軸偏心ねじポンプを用いて流体を圧送しようとする場合は、ローターやステータの段数を多段とすることにより高圧の吐出圧を得ることが可能である。
特開2008−175199号公報
ここで、上述した一軸偏心ねじポンプを用いて高粘性流体を圧送する場合は、この流体が持つ粘性の影響により、ロータとステータとの間に形成される流体搬送路内に流体が必ずしも満杯に入る訳ではない。さらに詳細には、流体搬送路の空間容積をQthとし、実際に流体搬送路に流入する流体の容積をQとすると、高粘性流体を圧送する場合における両者の比率η(以下、「容積効率」ηとも称す)すなわちQ/Qthは、1未満となる場合がある。
上述したように、容積効率ηが1を下回りかつ吐出圧が高い場合は、流体搬送路内に混入した空気などの気体が、高粘性流体よりも優先的に、吐出口側の位置に形成された段から吸込口側に形成された段に向けてリークされていた。この結果、高粘性流体を用いた場合は、吐出口側に位置する段において大きな圧力を受け持つことになっていた。
上記したような状態になると、図4(a)に矢印Aで示すようにステータsの吐出口側の端面に大きな作用することになり、ステータが径方向内側に向けて変形していた。これにより、吐出口近辺においてステータsの内径が小さくなり、いわゆるシメシロが増え、ロータがステータ100によってきつく締め付けられた状態になっていた。この状態で一軸偏心ねじポンプの使用を継続すると、例えば図4(b)に符号s1や符号s2で示す部分などに局所的に応力が作用し、ステータsの内壁面に亀裂が生じたり、ステータsが割れて破損したりするため、ステータの交換が余儀なくされるという問題があった。
そこで、かかる問題を解消すべく、本発明は、高粘性流体を圧送する場合のように、容積効率ηが1未満になるような状況下で使用しても、ステータに亀裂が生じたり、ステータが破損するのを防止可能なロータや、ステータを用いた、一軸偏心ねじポンプの提供を目的とした。
上記した課題を解決すべく提供される本発明は、筒状で内周面が雌ねじ形状に形成されたステータと、前記ステータの内周面によって囲まれた貫通孔と、雄ねじ形状に形成され、前記貫通孔内において前記内周面に対して内接しながら回転可能なロータと、前記貫通孔内に前記ロータを挿通することにより前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に形成された流体搬送路とを備え、前記ロータを回転させることにより前記ステータの一端側に設けられた吸込口から流体搬送路内に流体を吸い込み、前記ステータの他端側に設けられた吐出口から前記流体を吐出可能な一軸偏心ねじポンプである。本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、雄ねじ形状に形成された部分のうち、貫通孔に挿通した状態で吐出口側となる部分の外径が、吸込口側となる部分の外径よりも小さく、前記吐出口側におけるシメシロが、前記吸込口側におけるシメシロよりも小さいことを特徴としている。また、本発明の一軸偏心ねじポンプのロータは、貫通孔に挿通した状態で吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に外径が縮小したものであってもよい。
本発明の一軸偏心ねじポンプは、筒状で内周面に雌ねじ形状に形成されたステータと、前記ステータの内周面によって囲まれた貫通孔と、雄ねじ形状に形成され、前記貫通孔内において前記内周面に対して内接しながら回転可能なロータと、前記貫通孔内に前記ロータを挿通することにより前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に形成された流体搬送路とを備え、前記ロータを回転させることにより前記ステータの一端側に設けられた吸込口から流体搬送路内に流体を吸い込み、前記ステータの他端側に設けられた吐出口から前記流体を吐出可能な一軸偏心ねじポンプであり、前記ステータの雌ねじ形状に形成された部分のうち、貫通孔に挿通した状態で吐出口側となる部分の内径が、吸込口側となる部分の内径よりも大きく、前記吐出口側におけるシメシロが、前記吸込口側におけるシメシロよりも小さいことを特徴としている。本発明の一軸偏心ポンプのステータは、雌ねじ形状に形成された部分の内径が、吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に拡大したものであってもよい。
本発明の一軸偏心ねじポンプは、上述した本発明のロータ及びステータのいずれか一方又は双方を備えているものであってもよい。また、本発明の一軸偏心ねじポンプは、ステータの内周面形成された雌ねじ形状部分及びロータを構成する雄ねじ形状部分のリードの長さLが同一であり、前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分の条数が相違しており、前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分が、前記長さLの複数倍の長さを有するものであってもよい。
上述したように、本発明の一軸偏心ねじポンプは、雄ねじ形状に形成された部分のうち、貫通孔に挿通した状態で吐出口側となる部分の外径が、吸込口側となる部分の外径よりも小さい。そのため、本発明の一軸偏心ねじポンプは、ステータに対して吐出圧が作用していない状態において、吐出口側におけるシメシロが、吸込口側におけるシメシロよりも小さくなる。よって、本発明の一軸偏心ねじポンプ、仮に高粘性流体を圧送するなどして流体搬送路の容積効率ηが1を下回るような条件下で使用され、ロータの吐出口側に大きな圧力が作用することになっても、ロータの吐出口側の部分におけるシメシロが過度に大きくならず、ステータの内壁面に亀裂が生じるなどして破損するのを防止できる。
また、本発明の一軸偏心ねじポンプは、ロータを貫通孔に挿通した状態で吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に外径が縮小したものとすることにより、吐出口側となる部分の外径を、吸込口側となる部分の外径よりも小さくすることが可能となる。従って、かかる構成のロータを採用することにより、流体搬送路の容積効率ηが1を下回る状況下で使用を継続してもステータの破損を抑制することが可能となる。
上述したように、本発明の一軸偏心ねじポンプは、雌ねじ形状に形成された部分のうち、吐出口側となる部分の内径が、吸込口側となる部分の内径よりも大きい。そのため、本発明の一軸偏心ねじポンプは、吐出圧が作用していない状態において、吐出口側におけるシメシロがさほど大きくなく、吸込口側におけるシメシロよりも小さくなる。従って、本発明の一軸偏心ねじポンプは、流体搬送路の容積効率ηが1を下回るような使用条件下において使用されても、過度にシメシロが大きくならず、破損しにくい。
また、本発明の一軸偏心ねじポンプは、雌ねじ形状に形成された部分の内径が、吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に拡大している。従って、本発明の一軸偏心ねじポンプ、高粘性流体を圧送する場合のように流体搬送路の容積効率ηが1を下回る状況下で使用されても亀裂を生じたり、破損するのを抑制することが可能となる。
本発明の一軸偏心ねじポンプのように、上述したステータやロータのいずれか一方又は双方を備えたものとすると、仮に高粘性流体を圧送するなどして流体搬送路の容積効率ηが1を下回る状況下で使用が継続されても、ステータに亀裂が生じたり、ステータが破損するなどの不具合が発生しにくい。
また、多段形式の一軸偏心ネジポンプ、具体的にはステータの内周面形成された雌ねじ形状部分及びロータを構成する雄ねじ形状部分のリードの長さLが同一であり、前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分の条数が相違しており、前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分が、前記長さLの複数倍の長さを有することを特徴とする一軸偏心ねじポンプでは、上述したようにシメシロが過大になることによってステータが破損等する可能性がある。そのため、本発明の一軸偏心ねじポンプのように、多段形式のものにおいて上述した本発明のステータやロータのいずれか一方又は双方を採用すれば、ステータに亀裂が生じたり、ステータが破損するなどの不具合が発生する可能性を低減できる。
本発明の一実施形態に係る一軸偏心ねじポンプを示す断面図である。 (a)はステータの断面図、(b)はロータの断面図、(c)は(a)のP部拡大図、(d)は(b)のQ部拡大図である。 ステータにロータを挿通した状態を示す断面図である。 (a)はステータの吐出側の端部における圧力の作用状態を説明する説明図であり、(b)はステータにおいて応力が集中する部分を説明するためのステータの断面図である。
続いて、本発明の一実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ10(以下、単に「ポンプ」10とも称す)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ポンプ10は、いわゆる回転容積型のポンプであり、図1に示すように、ケーシング12の内部にステータ20や、ロータ30、動力伝達機構50などが収容された構成とされている。ケーシング12は、金属製で筒状の部材あり、長手方向一端側に取り付けられた円板形のエンドスタッド12aに第1開口14aが設けられている。また、ケーシング12の外周部分には、第2開口14bが設けられている。第2開口14bは、ケーシング12の長手方向中間部分に位置する中間部12dにおいてケーシング12の内部空間に連通している。
第1,2開口14a,14bは、それぞれポンプ10の吸込口および吐出口として機能する部分である。さらに詳細に説明すると、本実施形態のポンプ10は、ロータ30を正方向に回転させることにより、第1開口14aが吐出口として機能し、第2開口14bが吸込口として機能するように流体を圧送することが可能である。またこれとは逆に、ポンプ10は、ロータ30を逆方向に回転させることにより、第1開口14aが吸込口として機能し、第2開口14bが吐出口として機能するように流体を圧送させることが可能である。本実施形態のポンプ10では、第1開口14aが吐出口として機能し、第2開口14bが吸込口として機能するようにロータ30が作動する。
ステータ20は、ゴムに代表される弾性体や樹脂などで作成され、略円筒形の外観形状を有する部材である。ステータ20の材質は、ポンプ10を用いて輸送する被搬送物である流体の種類や性状などにあわせて適宜選択される。ステータ20は、ケーシング12において第1開口14aに隣接する位置にあるステータ取付部12b内に収容されている。ステータ20の外径は、ステータ取付部12bの内径と略同一である。そのため、ステータ20は、その外周面がステータ取付部12bの内周面に略密着するような状態で取り付けられている。また、ステータ20は、一端側にあるフランジ部20aが、ケーシング12の端部においてエンドスタッド12aによって挟み込まれている。そのため、ステータ20は、ケーシング12のステータ取付部12b内において位置ずれ等を起こさない。
図1や図2に示すように、ステータ20の内周面24は、360度を1ピッチとする2条で多段の雌ねじ形状とされている。さらに具体的には、ステータ20の内部には、ステータ20の長手方向に沿って伸び、前述したピッチでねじれた貫通孔22が設けられている。ステータ20は、内部に形成された雌ねじ形状部分のリードの長さL(ピッチの長さに条数を乗じた長さ)を基準長Sとした場合に、この基準長Sのd倍(d=自然数)の長さを有する多段(d段)の雌ねじ形状とされている。また、貫通孔22は、ステータ20の長手方向のいずれの位置において断面視しても、その断面形状(開口形状)が略長円形となるように形成されている。
ステータ20の内周面24によって形成された雌ねじ形状の部分の内径Diは、吸込口となる第2開口14b側(図2中右側)から吐出口となる第1開口14a側(図2中左側)に向けて長さLだけ長手方向に進む毎に拡径するよう、段状に形成されている。さらに詳細には、ステータ20の各部を図2(a)の右端から左側に向けてリードの長さL(基準長S)進む毎にA部、B部、C部とし、C部よりも吐出口(第1開口14a)側の部位をD部とした場合、各部におけるステータ20の内径Diが相違しており、A部の内径Diが最も小さく、D部に近づくに連れて内径Diが段階的に大きくなっている。具体的には、ステータ20において最も吐出口(第1開口14a)側に位置するD部の内径Diを100とした場合、C部の内径Diは99.5、B部の内径Diは99、A部の内径Diは98.5となっている。また、A部とB部との境目X1や、B部とC部の境目X2、C部とD部との境目X3は、それぞれ図2(c)に示すように段状になっており、これらを境として内径Diの大きさが変化している。
ロータ30は、金属製の軸体であり、1条で多段の偏心した雄ねじ形状とされている。さらに詳細には、ロータ30のリードの長さLは、上述したステータ20と同一である。また、ロータ30は、リードの長さLに相当する基準長Sのd倍(d=自然数)の長さを有する多段(d段)の雄ねじ形状となるように形成されている。ロータ30は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状が略真円形となるように形成されている。ロータ30は、上述したステータ20に形成された貫通孔22に挿通され、貫通孔22の内部において自由に偏心回転可能とされている。
ロータ30の雄ねじ形状に形成された部分の外径Doは、吸込口となる第2開口14b側(図中右側)から吐出口側第1開口14a側(図中左側)に向けて長さLだけ長手方向に進む毎に縮径するよう、段状に形成されている。さらに詳細には、ロータ30の各部を図2(b)の右端から左側に向けてリードの長さL(基準長S)進む毎にa部、b部、c部とし、c部よりも先端の部位をえd部とした場合、各部におけるロータ30の外径Doが相違しており、d部に近づくに連れて外径Doが段階的に小さくなっている。具体的には、ロータ30において最も吸込口(第2開口14b)側に位置するa部の外径Doを100とした場合、b部の外径Doは99.5、c部の内径Diは99、d部の外径Doは98.5となっている。また、a部とb部との境目Y1や、b部とc部の境目Y2、c部とd部との境目Y3は、それぞれ図2(d)に示すように段状になっており、これらを境として外径Doの大きさが変化している。
ロータ30をステータ20に対して挿通すると、ロータ30の外周面32とステータ20の内周面24とが両者の接線でぴったりと接した状態になり、ステータ20の内周面24とロータ30の外周面との間に流体搬送路40が形成される。流体搬送路40は、上述したステータ20やロータ30のリードの長さLを基準長Sとした場合に、ステータ20やロータ30の軸方向にリードの基準長Sのd倍の長さを有する多段(d段)の流路となっている。また、流体搬送路40は、ステータ20やロータ30の長手方向に向けて螺旋状に伸びている。
また、流体搬送路40は、ロータ30をステータ20の貫通孔22内において回転させると、ステータ20内を回転しながらステータ20の長手方向に進む。そのため、ロータ30を回転させると、ステータ20の一端側から流体搬送路40内に流体を吸い込むと共に、この流体を流体搬送路40内に閉じこめた状態でステータ20の他端側に向けて移送し、ステータ20の他端側において吐出させることが可能である。本実施形態のポンプ10は、ロータ30を正方向に回転させることにより、第2開口14bから吸い込んだ流体を圧送し、第1開口14aから吐出することが可能とされている。
ロータ30をステータ20に対して挿通し、流体搬送路40が形成された状態において、ステータ20およびロータ30の長手方向の各所における両者の密着度、言い換えればシメシロが相違している。さらに詳細に説明すると、図3に示すようにステータ20にロータ30を挿通した状態で断面視した場合に、ステータ20に設けられた略小判形の貫通孔22の内接円Ciの直径をDi、略真円形のロータ30の直径をDoとし、両者の比率Do/Diを直径比Drと規定した場合に、本実施形態で採用されているステータ20は、貫通孔22に挿通した状態で吐出口側となる部分における直径比Drが、吸込口側になる部分における直径比Drよりも小さくなるように形成されている。また、ロータ30は、貫通孔22に挿通した状態で吐出口側となる部分における直径比Drが、吸込口側になる部分における直径比Drよりも小さくなっている。そのため、ロータ30をステータ20の貫通孔22に挿通した状態(ステータ20に吐出圧が作用していない状態)において、ステータ20とロータ30との密着度が吐出側において吸込側よりも小さく、吐出側の方が吸込側よりもシメシロに余裕がある状態になっている。
また、高粘度流体を移送する場合のように、流体搬送路40の空間容積をQthに対して実際に流体搬送路40に流入する流体の容積をQの比率η(容積効率η;η=Q/Qth)が1未満となる条件下で作動させると、空間容積に混入する気体が流体(移送液)よりも優先的にリークする。そのため、このような条件下では、1段で吐出圧の大半を受けてしまうことになり、図4に矢印で示すようにステータ20の吐出側の端部に大きな吐出圧が作用する。このようにして吐出圧が作用すると、この影響により、ステータ20の吐出口側の端部が径方向内側に向けて圧縮変形される。しかし、上述したように、ステータ20に吐出圧が作用していない状態において吐出側の方が吸込側よりもシメシロに余裕があるため、前述したようにしてステータ20の吐出口側の部分が圧縮変形してもシメシロは過度に高くならない。
動力伝達機構50は、ケーシング12の外部に設けられたモータなどの動力源(図示せず)から上述したロータ30に対して動力を伝達するために設けられている。動力伝達機構50は、動力接続部52と偏心回転部54とを有する。動力接続部52は、ケーシング12の長手方向の一端側、さらに詳細には上述したエンドスタッド12aやステータ取付部12bが設けられたのとは反対側(以下、単に「基端側」とも称す)に設けられた軸収容部12c内に設けられている。また、偏心回転部54は、軸収容部12cとステータ取付部12bとの間に形成された中間部12dに設けられている。
動力接続部52は、ドライブシャフト56を有し、これが2つの軸受58a,58bによって自由に回転可能なように支持されている。ドライブシャフト56は、ケーシング12の基端側の閉塞部分から外部に取り出されており、動力源に接続されている。そのため、動力源を作動させることにより、ドライブシャフト56を回転させることが可能である。動力接続部52が設けられた軸収容部12cと中間部12dとの間には、例えばメカニカルシールやグランドパッキンなどからなる軸封装置60が設けられており、これにより中間部12d側から軸収容部12c側に被搬送物たる流体が漏れ出さない構造とされている。
偏心回転部54は、上述したドライブシャフト56とロータ30とを動力伝達可能なように接続する部分である。偏心回転部54は、連結軸62と、2つの連結体64,66とを有する。連結軸63は、従来公知のカップリングロッドや、スクリューロッドなどによって構成されいる。連結体64は連結軸62とロータ30とを連結するものであり、連結体66は連結軸62とドライブシャフト56とを連結するものである。連結体64,66は、いずれも従来公知のユニバーサルジョイントなどによって構成されており、ドライブシャフト56を介して伝達されてきた回転動力をロータ30に伝達し、ロータ30を偏心回転させることが可能である。
上述したように、本実施形態のポンプ10で採用されているロータ30は、雄ねじ形状に形成された部分が、ステータ20の貫通孔22に挿通した状態において吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて連続的に外径が縮小したものとされている。さらに、本実施形態のポンプ10では、ステータ20において雌ねじ形状に形成された部分のうち、吐出口側となる部分の内径が、吸込口側となる部分の内径よりも大きくなっている。そのため、ステータ20に対して吐出圧が作用していない状態において、吐出口側におけるシメシロに余裕がある。これにより、ポンプ10は、仮に高粘性流体を圧送するなどして流体搬送路40の容積効率ηが1を下回り、ロータ30の吐出口側に大きな圧力が作用するような条件下で使用されたとしても、ロータ30の吐出口側の部分におけるシメシロが過度に大きくならず、ステータ20の内壁面に亀裂が生じるなどして破損するのを防止できる。
上記実施形態では、ロータ30において雄ねじ形状に形成された部分の外径の大きさや、ステータ20において雌ねじ形状に形成された部分の内径の大きさが、境界X1〜X3や境界Y1〜Y3に設けられた段差を境として、それぞれの軸方向に段階的に変化するように形成された例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ロータ30において雄ねじ形状に形成された部分の外径の大きさや、ステータ20において雌ねじ形状に形成された部分の内径の大きさが、それぞれの軸方向に連続的に変化するように形成されたものであってもよい。また、ロータ30の外径あるいはステータ20の内径いずれか一方が連続的に変化し、他方が段階的に変化するように形成されていてもよい。
上記実施形態では、ロータ30として雄ねじ形状に形成された部分の外径Doが吸込口側から吐出口側となる部分に向けて連続的に外径が縮小したものを採用しつつ、ステータ20として雌ねじ形状に形成された部分の内径が吐出口側から吸込口側に向けて拡大したものを採用した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ロータ30として上述したように雄ねじ形状に形成された部分の外径Doが吐出口側に向けて先細りであり吸込口側の部位と吐出口側の部位とで異なるものを採用しつつ、ステータ20として雌ねじ形状に形成された部分の内径Diが吐出口側から吸込口側に向けて変化せず一定のものを採用してもよい。
また同様に、ロータ30として雄ねじ形状に形成された部分の外径Doが吸込口側と吐出口側とで同一のものを採用し、ステータ20として雌ねじ形状に形成された部分の内径Diが吐出口側から吸込口側に向けて拡大したものを採用してもよい。このような構成とした場合についても、ステータ20に対して吐出圧が作用していない状態において、吐出口側におけるシメシロに余裕を持たせることが可能となり、ロータ30の吐出口側に大きな圧力が作用するような条件下で使用されたとしても、ロータ30の吐出口側の部分におけるシメシロが過度に大きくなり、ステータ20の内壁面に亀裂が生じるなどの不具合の発生を防止できる。
すなわち、本発明は、吸込口側におけるシメシロよりも吐出口側のシメシロの方が相対的に余裕があるように構成されればいかなる構成であってもよく、このようなシメシロの相対関係を確保できるよう、ロータ30の雄ねじ形状に形成された部分の外径Do及び、ステータ20の雌ねじ形状に形成された部分の内径Diを適宜調整することにより上述したポンプシステム10と同様の作用効果を得ることが可能である。
10 一軸偏心ねじポンプシステム(ポンプシステム)
20 ステータ
22 貫通孔
24 内周面
30 ロータ
40 流体搬送路
42 内圧検知手段
82 劣化判定部(劣化判定手段)
100 ステータ劣化状態判定装置
P 一軸偏心ねじポンプ
C 制御装置
Ps 基準圧力
L ピッチ
S 基準長

Claims (5)

  1. 筒状で内周面に雌ねじ形状に形成されたステータと、
    前記ステータの内周面によって囲まれた貫通孔と、
    雄ねじ形状に形成され、前記貫通孔内において前記内周面に対して内接しながら回転可能なロータと、
    前記貫通孔内に前記ロータを挿通することにより前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に形成された流体搬送路とを備え、前記ロータを回転させることにより前記ステータの一端側に設けられた吸込口から流体搬送路内に流体を吸い込み、前記ステータの他端側に設けられた吐出口から前記流体を吐出可能な一軸偏心ねじポンプであり、
    前記ロータの雄ねじ形状に形成された部分のうち、貫通孔に挿通した状態で吐出口側となる部分の外径が、吸込口側となる部分の外径よりも小さく、
    前記吐出口側におけるシメシロが、前記吸込口側におけるシメシロよりも小さいことを特徴とする一軸偏心ねじポンプ
  2. 前記ロータの雄ねじ形状に形成された部分の外径が、貫通孔に挿通した状態で吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に縮小していることを特徴とする請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ
  3. 筒状で内周面に雌ねじ形状に形成されたステータと、
    前記ステータの内周面によって囲まれた貫通孔と、
    雄ねじ形状に形成され、前記貫通孔内において前記内周面に対して内接しながら回転可能なロータと、
    前記貫通孔内に前記ロータを挿通することにより前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に形成された流体搬送路とを備え、前記ロータを回転させることにより前記ステータの一端側に設けられた吸込口から流体搬送路内に流体を吸い込み、前記ステータの他端側に設けられた吐出口から前記流体を吐出可能な一軸偏心ねじポンプであり、
    前記ステータの雌ねじ形状に形成された部分のうち、貫通孔に挿通した状態で吐出口側となる部分の内径が、吸込口側となる部分の内径よりも大きく、
    前記吐出口側におけるシメシロが、前記吸込口側におけるシメシロよりも小さいことを特徴とする一軸偏心ねじポンプ
  4. 前記ステータの雌ねじ形状に形成された部分の内径が、吸込口側となる部分から、吐出口側となる部分に向けて段階的あるいは連続的に拡大していることを特徴とする請求項3に記載の一軸偏心ねじポンプ
  5. ステータの内周面に形成された雌ねじ形状部分及びロータを構成する雄ねじ形状部分のリードの長さLが同一であり、
    前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分の条数が相違しており、
    前記雌ねじ形状部分及び雄ねじ形状部分が、前記長さLの複数倍の長さを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の一軸偏心ねじポンプ。
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