以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1に示すように、廃トナーの廃トナー回収ボックスが取り付けられたタンデム型のカラーレーザビームプリンタ1(画像形成装置の一例)は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色毎にトナー像を形成する4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kを備えている。また、これらの作像エンジンからトナー像が転写(一次転写)される中間転写ベルト20を備えており、中間転写ベルト20に多重転写されたトナー像がさらに記録シートPに転写(二次転写)されてフルカラー画像が形成されるように構成されている。
中間転写ベルト20は無端状に形成されるとともに一対のベルト搬送ローラ21,22にかけ回されており、矢印で示す方向に回転しながら各色作像エンジン10Y、10M、10C、10Kで形成されたトナー像の一次転写を受けるように構成されている。
中間転写ベルト20を挟んで一方のベルト搬送ローラ21と対向する位置には二次転写ローラ30が設けられており、記録シートPは互いに押し合うようにして接する二次転写ローラ30と中間転写ベルト20との間を通されて、中間転写ベルト20からトナー像の二次転写を受けるようになっている。一方、反対側に位置するベルト搬送ローラ22と対向する位置には中間転写ベルト20のベルトクリーナ23が配置され、二次転写後に中間転写ベルト20に残留付着したトナーを中間転写ベルト20上から除去する。なお、ベルトクリーナ23によって除去された残留トナーは、廃トナーとして螺旋状の羽根を有する搬送シャフト23aによりフロント側(図1の紙面手前側)へ搬送され、後述する廃トナー回収ボックスに回収されるようになっている。
中間転写ベルト20の下側には前述した4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kが並列的に配置されており、各色の画像情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト20に一次転写するようになっている。これら4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kは中間転写ベルト20の回転方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の順に配置されており、一般に最も頻繁に使用されるブラックの作像エンジン10Kが最も二次転写位置の近傍に配置されている。
これら作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの下方には、各作像エンジンに具備された感光体ドラム11を画像情報に応じて露光するラスタ走査ユニット40が設けられている。このラスタ走査ユニット40は全ての作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに共用されており、各色の画像情報に応じて変調されたレーザ光Lを発する4基の半導体レーザ(図示せず)と、高速回転してこれら4本のレーザ光Lを感光体ドラム11の軸方向に沿って走査する1基のポリゴンミラー41とを備えている。そして、ポリゴンミラー41によって走査された各レーザ光Lはミラー(図示せず)で反射されながら予め定められた経路を進んだ後、ラスタ走査ユニット40の上部に設けられた走査窓42を通して各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11を露光する。
各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム11と、感光体ドラム11の表面を規定の電位に帯電させる帯電ローラ12と、レーザ光Lの露光によって感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器13と、トナー像を中間転写ベルト20に転写した後の感光体ドラム11の表面から残留トナーや紙粉を除去するドラムクリーナ14を備えており、感光体ドラム11上に各色の画像情報に応じたトナー像が形成されるように構成されている。
本実施の形態のプリンタ1では、現像器13はトナーとキャリアとが混合された二成分現像剤が用いられるタイプのものであり、経時劣化に伴う現像剤の入れ換えのメインテナンスを省略するため、補給カートリッジ(図示せず)からトナーとキャリアとが混合された現像剤が補給され、劣化した現像剤を自動的に排出されるトリクル現像方式が用いられている。
各現像器13では、前述した搬送シャフト23aと同様の螺旋状の羽根を有する搬送シャフト13aのリア側(図1の紙面奥側)から新たな現像剤が補給される。また、各ドラムクリーナ14によって除去された残留トナーは、廃トナーとして図示しない搬送シャフトによりフロント側へ排出されるようになっている。そして、ドラムクリーナ14から排出された廃トナーは後述する廃トナー回収ボックスに回収されるようになっている。
なお、本例では回収する現像材の一例として、ドラムクリーナ14から排出された使用済みのトナーと、ベルトクリーナ23から排出された使用済みのトナーとを含む廃トナーを回収しているが、例えば、現像器13から排出されたキャリアおよびトナーを回収する回収ボックスや、ドラムクリーナ14から排出された使用済みのトナーのみを回収する回収ボックスへの適用も可能である。
作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11と対向する位置には、中間転写ベルト20を挟むようにして一次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kが設けられている。そして、これら転写ローラ15Y、15M、15C、15Kに転写バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム11と転写ローラ15Y、15M、15C、15Kとの間に電界が形成され、感光体ドラム11上で電荷を帯びているトナー像がクーロン力で中間転写ベルト20に転写されるようになっている。
一方、記録シートPはプリンタ1の下部に収納される給紙カセット2から筐体内部、具体的には中間転写ベルト20と二次転写ローラ30とが接する二次転写位置へ搬送される。給紙カセット2はプリンタ1のフロント側から押し込んでセットするように構成されている。セットされた給紙カセット2の上部には、給紙カセット2内に収容された記録シートPを引き出すためのピックアップローラ24および給紙ローラ25が設けられている。また、給紙ローラ25と対向する位置には、記録シートPの重送を防止するリタードローラ26が設けられている。
プリンタ1の内部における記録シートPの搬送経路27はプリンタ1の左側面に沿って上下方向に設けられており、プリンタ1の底部に位置する給紙カセット2から引き出された記録シートPはこの搬送経路27を上昇し、レジストレーションローラ29によって突入タイミングが制御されて二次転写位置に導入され、当該二次転写位置においてトナー像の転写を受けた後、上部に設けられた定着器3へと送られる。そして、定着器3によってトナー像が定着された記録シートPは、排出ローラ28によってプリンタ1の上面に設けられた排紙トレイ1aに、画像形成面を下にした状態で排出される。
このような構成のカラーレーザビームプリンタ1によるフルカラー画像の形成に当たっては、先ず、各色の画像情報に応じてラスタ走査ユニット40が各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11を予め定められたタイミングで露光する。これによって、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11上には画像情報に応じた静電潜像が形成されるので、これら静電潜像にトナーを供給することによりトナー像が形成される。
各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は回転する中間転写ベルト20に対して順次転写され、これにより中間転写ベルト20上には各色トナー像が重なり合った多重トナー像が形成される。一方、記録シートPが給紙カセット2から送り出され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像が二次転写位置に達するタイミングを見計らって、二次転写ローラ30と中間転写ベルト20との間に通される。これにより、中間転写ベルト20上の多重トナー像は記録シートPに二次転写される。そして、二次転写された記録シートPは定着器3によってトナー像の定着がなされ、これによって記録シートP上にフルカラー画像が完成する。
このように構成された本実施の形態のプリンタ1においては、ベルトクリーナ23および各ドラムクリーナ14から排出される廃トナーは、全て同一の廃トナー回収ボックス50(現像剤回収容器の一例)に回収されるように構成されている。
図2および図3に示すように、廃トナー回収ボックス50は並列的に配列されたイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのフロント側のやや下方に設けられており、各ドラムクリーナ14からフロント側へ向けて排出された廃トナーが廃トナー回収ボックス50に回収されるようになっている。また、ベルトクリーナ23により中間転写ベルト20から除去された廃トナーも廃トナー回収ボックス50に回収されるようになっている。
図4〜図7に示すように、廃トナー回収ボックス50は、プラスチック製のフロントカバー51とリアカバー52とが合わさって一体となり、内部に空間が形成されている。この廃トナー回収ボックス50は、幅方向に長く、上下方向の長さに比べると厚みの薄い形状を呈している。廃トナー回収ボックス50の幅方向の長さは前述したブラックの作像エンジン10Kのドラムクリーナ14からベルトクリーナ23迄の距離よりも長くなっており、プリンタ1に装着したならば、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kおよびベルトクリーナ23のフロント側に位置して、廃トナーが直接内部空間(貯留室61)に落とし込まれるようになっている。
図4、図5および図6に示すように、フロントカバー51の上部の2箇所には、自由端が前方を向き、上面53aに突起部54が形成されて当該上面53aが上下に動くように弾性変形するロック片53が形成されている。また、ロック片53の直下には、前方に開口して複数本の指が入り込む程度の広さを持った穴部55が形成されている。さらに、フロントカバー51の下部の2箇所には、下方に突出する板状片56(図8)が取り付けられる板状片取付部57が形成されている。
したがって、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に取り付ける際には、プリンタ1側に形成された溝部(図示せず)に板状片56を差し込み、この差し込んだ部位を支点に廃トナー回収ボックス50を起こし、ロック片53を弾性変形させながら突起部54をプリンタ1側に形成された固定穴(図示せず)に嵌め込むようにする。また、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1から取り外す際には、親指をロック片53の自由端に掛け、それ以外の指を穴部55に入れて親指でロック片53を押し下げながら前方に倒して突起部54と固定穴との嵌め込みを解除し、そのまま斜め上方に引き上げるようにする。
なお、廃トナー回収ボックス50がプリンタ1から取り外されるのは、例えば、廃トナー回収ボックス50が満杯になって交換する場合、中間転写ベルトユニットに交換の必要が生じた場合、および廃トナー回収ボックス50の奥に位置する作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに交換の必要が生じた場合である。
図5および図7に示すように、リアカバー52の上部には5つの回収口58が形成されている。これらは各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのドラムクリーナ14から排出される廃トナーの回収口であり、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に装着すると、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのドラムクリーナ14およびベルトクリーナ23からフロント側へ突出した連結パイプ(図示せず)がこれら回収口58に挿入され、トリクル方式のドラムクリーナ14から排出された廃トナーが廃トナー回収ボックス50内に落とし込まれるようになっている。なお、5つの回収口58は、図5の紙面右側から、ブラックのドラムクリーナ14、シアンのドラムクリーナ14、マゼンタのドラムクリーナ14、イエローのドラムクリーナ14、ベルトクリーナ23に対応している。
このように、廃トナー回収ボックス50は並列的に配列された作像エンジン10Y、10M、10C、10Kおよびベルトクリーナ23の一側でこれらに架け渡されるようにして設けられているので、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kやベルトクリーナ23から排出される廃トナーが廃トナー回収ボックス50に直接落とし込まれる。
図8に示すように、回収口58にはシャッタ59が設置されている。シャッタ59は、中央から左右に2分されるような形で開閉する観音開き構造となっており、リアカバー52の内側に開閉自在に取り付けられている。シャッタ59には、このシャッタ59をリアカバー52の壁面に押し当てて回収口58を閉塞するトーションバネ60が取り付けられている(図9)。したがって、通常ではシャッタ59はトーションバネ60のバネ力により回収口58を閉鎖しており、前述の連結パイプが回収口58に挿入されると、当該連結パイプによりバネ力に抗して内側に押されて開放状態となる。
図8および図9に示すように、フロントカバー51とリアカバー52とで構成される廃トナー回収ボックス50の内部には、回収された廃トナーが貯留される貯留室61(第1の部屋の一例)が形成されている。貯留室61は回収口58の下方に位置しており、回収口58に挿入された連結パイプから廃トナーが落とし込まれる。そして、貯留室61内の廃トナーが一杯に収容された(収容上限域に達した)時点で、廃トナー回収ボックス50は交換する必要が生じる。
貯留室61内には、長手方向に沿って搬送手段64が設けられている。この搬送手段64は貯留室61の側壁(つまり、リアカバー52の左右の側壁52a)を跨ぐようにして設けられており、貯留室61に落とし込まれた廃トナーがそれぞれの回収口58の直下で山となり、その頂上が廃トナー回収ボックス50の収容上限を超えた場合に、その収容上限を超えた部分を崩して搬送するように構成されている。
搬送手段64の一方側は、側壁52aに設けられた軸受け65に支持されるとともに先端が外部に突出している。当該先端は、搬送手段64に駆動力(回転力)が供給される端部つまり供給側端部となっており、プリンタ1内に設けられた駆動源(図示せず)からの駆動力を搬送手段64に伝達するための伝達ギア列(図示せず)が設けられた伝達ユニット66が取り付けられている。したがって、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に取り付けると、伝達ユニット66がプリンタ1内の駆動源と機械的に結合し、これによって当該駆動源により搬送手段64が駆動(回転)される。
搬送手段64は、例えば合成樹脂の射出成形によって製作され、回転軸63の周囲に廃トナーを搬送するための螺旋羽根62(羽根の一例)が形成されている。螺旋羽根62は、相互に巻き方向が異なる第1の羽根62aと第2の羽根62bとで構成されており、それぞれの羽根62a,62bの巻き方向は、回転軸63を回転させた際に、廃トナーが回転軸63の双方向から中央に向けて搬送される方向になっている。
これらの羽根62a,62bはイエローYの廃トナーに対応した回収口58の直下とマゼンタMの廃トナーに対応した回収口58の直下との間の位置で途切れて搬送終端となっている。したがって、搬送手段64を回転させると、貯留室61内で山になった廃トナーが当該位置に向けて崩されていく。
なお、廃トナーを搬送するための羽根の形状は、本実施の形態に示すような螺旋状の羽根に限定されるものではなく、例えば間隔を空けて設けられた複数の平板状の羽根などであってもよい。つまり、廃トナーを搬送するという機能を有している限り、様々な形状の羽根が適用される。
図10に示すように、貯留室61の収容上限を超えた廃トナーが導入される検知室67(第2の部屋の一例)が設けられており、貯留室61内の予め規定されたレベルにまで(つまり、貯留室61内に収容上限まで)廃トナーが堆積すると、当該レベルを超えた(つまり、収容上限を超えた)廃トナーが入り込むように構成されている。
図11に示すように、検知室67は、リアカバー52に取り付けられるとともに外側に突出した透明部材で形成されたセンシング室67c(導入室の一例)を有しており、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に対して装着した際に、プリンタ1側に設けられた光透過型センサ69(検知手段の一例)の発光部と受光部との間に入り込むようになっている。
図10に示すように、検知室67の入口67aに面した廃トナー通過路67b(経路の一例)には、搬送手段64の下方に位置するようにして傾斜面67b−1が形成されており、その先にセンシング室67cが位置している。つまり、センシング室67cは入口67aの真下には配置されていない。したがって、貯留室61から落とし込まれる廃トナーは、廃トナー通過路67bの傾斜面67b−1に当たることによって重力でセンシング室67cへと向かう力が付与され、これによってセンシング室67cに徐々に導入されるようになる。そして、前述した光透過型センサ69の発光部と受光部との間がセンシング室67c内の廃トナーによって遮られると、光透過型センサ69の信号が変化することになる。これにより、廃トナーが貯留室61内の規定レベルにまで堆積したか否かが把握される。
なお、図10および図11に示すように、検知室67に導入された廃トナーを、貯留室61からの落下直下位置(傾斜面67b−1の形成されたあたりの位置)ではなく、落下直下位置から離れた位置(つまり、センシング室67cの位置)としたのは、次のような理由による。
すなわち、廃トナーの検知位置を廃トナーの落下直下位置とした場合には、貯留室61に収容上限まで廃トナーが蓄積されていないにもかかわらず何らかの原因(例えば、廃トナー回収容器50に加わった振動など)で廃トナーが検知室67に導入されたとき、当該トナーにより満杯(つまり、廃トナーが貯留室61内の規定レベルにまで堆積した)と検知されてしまうからである。
但し、本実施の形態のように傾斜面67b−1を設けることなく、ただ単に落下直下位置から離れた場所にセンシング室67cを設けたのでは、落下直下位置に廃トナーが十分に堆積した後にようやくセンシング室67cに導入されるようになったり、あるいは堆積した廃トナーが固まって廃トナー通過路67bを塞いでしまうことになる。そこで、落下直下位置に前述のような傾斜面67b−1を形成し、廃トナーが当該傾斜面67b−1に当たることによって重力でセンシング室67cへと向かう力を付与することにより、落下直下位置に廃トナーが堆積しないようにしている。
ここで、図12に示すように、検知室67は、透明部材で形成された検知室カバー70がリアカバー52に嵌め込まれることにより形成された空間となっている。検知室カバー70には、外方に突出した突出部70aが形成されており、当該突出部70aの内側が前述のセンシング室67cとなっている。
センシング室67cを形成する突出部70aの側方には、検知室67内に導入された廃トナーを抜き取るための抜取孔70bが形成されている。この抜取孔70bにはキャップ71(封鎖部材の一例)が嵌め込まれて当該抜取孔70bを開封可能に封鎖している。キャップ71は、通常では抜取孔70bを封鎖しているが、満杯になって回収された廃トナー回収ボックス50のクリーニング時に取り外され、抜取孔70bを開封することで検知室67内から廃トナーが取り出される。
図示するように、キャップ71は、抜取孔70bに嵌め込まれる嵌込部71aと、嵌込部71aが抜取孔70bに嵌め込まれた際に抜取孔70bの周縁に当たってキャップ71が検知室67内に落ち込んでしまわないようにするための環状のフランジ71bと、嵌込部71aから外方に突出するように形成された把持部71cとを備えている。そして、嵌込部71aは、抜取孔70bに嵌め込まれた際に検知室67内に大きく突出する程度の厚みを有した形状となっている。なお、把持部71cはキャップ71を外す際の便宜のもので、作業者が把持部71cを持って外側に向けて引くと、キャップ71は容易に抜取孔70bから取り外される。
このような形状のキャップ71が抜取孔70bに嵌め込また検知室カバーがリアカバー52に取り付けられると、図10および図11に示すように、嵌込部71aは検知室67内に突出する。そして、検知室67のキャップ71との対向面67fとキャップ71とにより空間Sが形成される。
図10、図11および図12に示すように、検知室67におけるキャップ71との対向面67fには凹部67dが形成されている。図12に詳しく示すように、凹部67dは半円と半円の両端から横方向に延びる2本の直線との組み合わせ形状からなる段差部67d−1により形成されて周囲の面よりも僅かに引っ込んでおり、廃トナー通過路67bに向けて開放されている。そして、この凹部67dに、キャップ71の検知室67内に突出した部位が位置している。これにより、廃トナーが前述した空間S内に入り込む際に通過する段差部67d−1の箇所が狭くなって当該空間Sへの廃トナーの入り込みを抑制する抑制構造を形成している。
さて、図11から明らかなように、キャップ71と検知室67の凹部67dとにより形成される空間Sは、廃トナーがセンシング室67cに向かう廃トナー通過路67bの側方に位置している。
すなわち、廃トナー通過路67bを形成する一方の側壁67b−2は、その延長がキャップ71の嵌込部71aの検知室側先端面と干渉しない位置に形成されている。これにより、廃トナー通過路67bがキャップ71と検知室67の凹部67dとで形成される空間Sにまで広がってしまうことなく、空間Sが廃トナー通過路67bの側方となっている。したがって、廃トナー通過路67bを通過する廃トナーが側壁67b−2に規制されて空間S内に入り込みにくくなった構造、つまり空間Sへの廃トナーの入り込みを抑制する抑制構造を形成している。
図11および図12に示すように、廃トナー通過路67bに形成された傾斜面67b−1においては、廃トナーがセンシング室67cに向かう方向に対する終端位置が空間Sの形成された位置よりも前方になっている。これは、傾斜面67b−1の終端位置が空間Sの形成された位置より後方になっていると、空間Sの近くに位置する廃トナーにまで重力で移動する力が付与されるので、空間Sに入り込みやすくなってしまうからである。そのため、傾斜面67b−1の終端位置を空間Sの形成された位置よりも前方にすることにより、廃トナーの空間Sへの入り込みをより一層抑制している。
さて、検知室67の入口67aは、前述した搬送手段64の第1の羽根62aと第2の羽根62bとの途切れた位置、つまり搬送終端に面した位置に形成されている。このため、貯留室61内で収容上限を超えた廃トナーは、搬送手段64により検知室67の入口67aに向けて搬送されていく。
ここで、図13および図14に示すように、検知室67の入口67aには、搬送手段64の貫通したパイプ68が配置されている。このパイプ68には、本体部となる周壁68bに開口部68aが形成されており、当該開口部68aは検知室67の入口67aに面している。したがって、搬送手段64は、羽根62a,62bの途切れた部位である廃トナーの搬送終端がパイプ68の開口部68aに位置しており、廃トナーは、パイプ68を通らない限り、検知室67に入り込まないようになっている。パイプ68の開口部68a以外から廃トナーが検知室67に入り込まないように、周壁68bから下方に向けて、検知室67の入口67aと貯留室61とを区画する区画壁68cが形成されている。
このような構成によれば、貯留室61で廃トナーが局所的に収容上限を超えるようになると、その分の廃トナーは搬送手段64で貯留室61の中央に向けて崩される。このとき、廃トナーは搬送手段64の螺旋羽根62の切れ目に向けて崩されていくので、最終的には、貯留室61内では螺旋羽根62の切れ目の下側にだけ空間が残る。そして、搬送手段64による廃トナーの搬送によってこの空間が消失すると、貯留室61は廃トナーで満杯になったことに、つまり収容上限に達したことになる。
すると、収容上限を超えた廃トナーは、搬送手段64に搬送されてパイプ68の中に入り込むことになる。そして、パイプ68内に入り込んだ廃トナーはパイプ68の開口部68aから検知室67に入り込み、前述のようにセンシング室67cにおいて光透過型センサ69で検知される。これにより、光透過型センサ69の出力信号が変化し、貯留室61が満杯になったことが、つまり廃トナー回収ボックス50が満杯になったことが把握される。
そして、廃トナー回収ボックス50が満杯になったならば、作業者は、当該廃トナー回収ボックス50をプリンタ1から取り外して、これを予めメーカが指定した場所へ送り返す回収手続を行う。回収された廃トナー回収ボックス50は、クリーニングを行うために内部の廃トナーが取り出される。そして、検知室67内に蓄積された廃トナーは、キャップ71を取り外して抜取孔70bを開封することにより取り出される。
このとき、検知室67のキャップ71との対向面67fとキャップ71とで形成される空間Sに多量の廃トナーが入り込んでいると、キャップを取り外したときに、抜取孔70bから廃トナーが一気に噴出して周囲を汚染してしまう。
ここで、本実施の形態の廃トナー回収ボックス50では、前述のように、検知室67のキャップ71と対向面67fとキャップ71とで形成される空間Sへの廃トナーの入り込みを抑制する抑制構造を有している。したがって、抑制構造を採用していない場合と比較して、当該空間Sに入り込む廃トナーの量が少なくなることから、キャップ71を取り外して抜取孔70bを開封した場合に、抜取孔70bから廃トナーが噴出することがなくなる。
次に、廃トナーの入り込みを抑制する抑制構造について、図10、図11および図12を用いて詳細に説明する。
抑制構造は、先ず、検知室67に形成された凹部67d内に、キャップ71の当該凹部67dに対向した部位が位置している構造である。すなわち、検知室67の対向面67fにおけるキャップ71との対向位置に凹部67dがされており、この凹部67d内に、キャップ71における当該凹部67dに対向した部位(つまり嵌込部71a)が位置している構造である。そして、この構造により、キャップ71と検知室67のキャップ71との対向面67fとで形成される空間S(つまり、凹部67dで囲まれた空間)に廃トナーが入り込む際に通過する段差部67d−1の箇所が狭くなるので、空間Sへ廃トナーが入り込みにくくなる。これにより、キャップ71を取り外して抜取孔70bを開封した場合に、抜取孔70bから廃トナーが噴出することがなくなる。
なお、本実施の形態では、凹部67dは横方向に開放されているが、廃トナーが蓄積されていく下部には段差部67d−1が存在しているので、空間Sへ廃トナーの入り込みが抑制されることになる。このように、検知室67の凹部67dを形成している段差部67d−1はキャップ71の全周を包囲している必要はない。
ここで、本実施の形態では、図15に示すように、検知室67のキャップ71との対向位置に凹部67dが形成された構造となっているが、図16に示すように、キャップ71における検知室67との対向位置である嵌込部71aの先端に段差部71a−11を介して凹部71a−1を形成するとともに検知室67の対向面における凹部71a−1に対向した部位を突出させて凹部71a−1内に位置させるようにした構造でもよい。
また、図17に示すように、検知室67の対向面67fにおけるキャップ71との対向位置に、突起67eを介して凹部67dを形成し、キャップ71の当該凹部67dに対応した部位が凹部67dに位置するようにしてもよい。つまり、凹部とは、図15や図16に示すように、段差部67d−1,71a−11を介して形成されたもののみならず、図17に示すように、突起67eを介して形成されたものであってもよい。
そして、図15〜図17に示すように、凹部はキャップ71側あるいは検知室67側の何れに形成されていてもよい。すなわち、凹部は、キャップと検知室67の対向面67fとの何れか一方における他方との対向位置に形成され、他方(凹部の形成されていない側)の凹部に対向した部位が凹部内に位置する構造であればよい。
なお、キャップ71と検知室67とで形成される空間Sの広狭は問わない。但し、空間S内には全く廃トナーが入り込まないとまでは言えないので、狭くなっているのがよい。
次に、抑制構造は、キャップ71と検知室67のキャップ71との対向面とにより形成される空間Sが廃トナー通過路67bの側方に位置した構造である。つまり、廃トナー通過路67bを形成する一方の側壁67b−2の延長がキャップ71の嵌込部71aの検知室側先端面と干渉しないようにすることで、空間Sを廃トナー通過路67bの側方としている。
このように、廃トナーがセンシング室67cに向かう経路である廃トナー通過路67bから外れた位置に空間Sが形成されていることから、トナー通過路67bを通過する廃トナーが側壁67b−2に規制されて空間S内に入り込みにくくなる。これにより、キャップ71を取り外して抜取孔70bを開封した場合に、抜取孔70bから廃トナーが噴出することがなくなる。
なお、前述のように、本実施の形態では、廃トナー通過路67bに形成された傾斜面67b−1の終端位置が空間Sの形成された位置よりも前方にすることで、傾斜面67b−1に当たった廃トナーの進行方向を側壁67b−2によりセンシング室67cに向かう方向に規制するようにして、廃トナーの空間Sへの入り込みをより一層抑制している。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。