次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図であり、図11は、図10に示す配線基板の平面図である。図11では、図10に示すはんだ17の図示を省略する。
図10及び図11を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、配線基板本体11と、スティフナー12とを有する。配線基板本体11は、平面視四角形とされたコアレス基板であり、半導体素子14が搭載される領域に対応する部分の半導体素子搭載用パッド21及び絶縁層22により構成された半導体素子搭載領域Aと、半導体素子搭載用パッド21と、絶縁層22,26と、ビア23,27と、配線パターン25と、外部接続用パッド28と、ソルダーレジスト層31とを有する。
半導体素子搭載用パッド21は、半導体素子14が搭載される搭載面21Aを有する。半導体素子搭載用パッド21は、搭載面21Aと絶縁層22の面22Aとが略面一となるように、絶縁層22に内設されている。搭載面21Aには、半導体素子14の電極パッド15に設けられた内部接続端子16を半導体素子搭載用パッド21上に固定するためのはんだ17が設けられている。
半導体素子搭載用パッド21としては、例えば、絶縁層22の面22A側からAu層(例えば、厚さ0.5μm)と、Ni層(例えば、厚さ5.0μm)とを順次積層させたAu/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層、Ni層の順に積層したAu/Pd/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層の順に積層したAu/Pd積層膜等を用いることができる。内部接続端子16としては、例えば、バンプ(例えば、はんだバンプやAuバンプ)を用いることができる。内部接続端子16の高さは、例えば、20μm〜50μmとすることができる。
絶縁層22は、半導体素子搭載用パッド21、ビア23、及び配線パターン25を形成するための絶縁層である。絶縁層22は、半導体素子搭載用パッド21の面21B(搭載面21Aの反対側に位置する半導体素子搭載用パッド21の面)を露出する開口部33を有する。絶縁層22としては、例えば、絶縁樹脂層を用いることができる。絶縁層22となる絶縁樹脂層の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。また、開口部33は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。
ビア23は、開口部33に設けられている。ビア23の一方の端部は、半導体素子搭載用パッド21と接続されており、ビア23の他方の端部は、配線パターン25と一体的に構成されている。
配線パターン25は、パッド35と、配線36とを有する。パッド35は、絶縁層22の面22Bに設けられている。パッド35は、配線36と一体的に構成されている。パッド35は、配線36を介して、ビア23と電気的に接続されている。配線36は、絶縁層22の面22B(半導体素子搭載用パッド21が設けられた側とは反対側の絶縁層22の面)に設けられている。配線36は、ビア23及びパッド35と一体的に構成されている。配線36は、ビア23とパッド35とを電気的に接続している。上記構成とされたビア23及び配線パターン25の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。また、配線36の厚さは、例えば、15μmとすることができる。
絶縁層26は、配線36を覆うように、絶縁層22の面22Bに設けられている。絶縁層26は、パッド35の面35Aを露出する開口部38を有する。絶縁層26としては、例えば、絶縁樹脂層を用いることができる。絶縁層26となる絶縁樹脂層の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。また、開口部38は、例えば、レーザ加工法により形成することができる。
ビア27は、開口部38に設けられている。ビア27の一方の端部は、パッド35と接続されており、ビア27の他方の端部は、外部接続用パッド28と一体的に構成されている。
外部接続用パッド28は、ビア27の他方の端部及び絶縁層26の面26Aに設けられている。外部接続用パッド28は、ビア27を介して、パッド35と電気的に接続されている。外部接続用パッド28は、外部接続端子20が配設される端子配設面28Aを有する。外部接続用パッド28は、外部接続端子20を介して、マザーボード等の実装基板18に設けられたパッド19と電気的に接続されるパッドである。
上記構成とされたビア27及び外部接続用パッド28の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。また、外部接続用パッド28の厚さは、例えば、15μmとすることができる。
ソルダーレジスト層31は、絶縁層26の面26Aに設けられている。ソルダーレジスト層31は、端子配設面28Aを露出する開口部31Aを有する。
スティフナー12は、平面視略額縁形状とされており、半導体素子搭載用貫通部12Aと、切り欠き部41を有する。スティフナー12は、半導体素子搭載用貫通部12Aが半導体素子搭載領域Aを露出するように、接着剤13により、絶縁層22の面22Aに接着されている。半導体素子搭載用貫通部12Aは、配線基板本体11の半導体素子搭載領域Aに搭載される半導体素子14を収容するための空間である。
切り欠き部41は、スティフナー12の外周部に複数(この場合4つ)設けられており、平面視四角形とされた配線基板本体11の各辺にそれぞれ1つの切り欠き部41が対応するように配置されている。切り欠き部41は、配線基板本体11に設けられた絶縁層22の面22Aにスティフナー12を配置した状態において、半導体素子搭載領域Aよりも外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出するように構成されている。
このように、半導体素子搭載領域Aよりも外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出する切り欠き部41をスティフナー12に設けることにより、スティフナー12と絶縁層22とを接着する接着剤13のうち、余分な接着剤13を切り欠き部41に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させて、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図10及び図11に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを従来よりも低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
切り欠き部41が形成された部分のスティフナー12の側壁12Bから配線基板本体11の外周縁までの配線基板10の面方向の距離Cは、例えば、100μm〜500μmとすることができる。
上記構成とされたスティフナー12の母材としては、金属板(例えば、Cu板、Cu合金板、Al板、ステンレス板等)やガラスエポキシ基板等の樹脂板を用いることができる。スティフナー12の母材としてCu板を用いた場合、スティフナー12の厚さは、例えば、1〜2mmとすることができる。また、接着剤13としては、例えば、絶縁層22,26に用いる樹脂と同様な組成からなる液状やシート状のエポキシ樹脂を用いることができる。
本実施の形態の配線基板によれば、半導体素子搭載領域Aよりも外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出する切り欠き部41をスティフナー12に設けることにより、スティフナー12と絶縁層22とを接着する接着剤13のうち、余分な接着剤13を切り欠き部41に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させて、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを従来よりも低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
図12〜図23は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図であり、図24は、図21に示すスティフナー母材の平面図である。図12〜図24において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
図12〜図24を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図12に示す工程では、導電性を有すると共に、配線基板本体11が形成される配線基板本体形成領域Dを複数有した支持体43の上面43Aに、開口部45Aを有しためっき用レジストパターン45を形成する。開口部45Aは、半導体素子搭載用パッド21の形成領域に対応する部分の支持体43の上面43Aを露出するように形成する。支持体43としては、例えば、金属箔や金属板等を用いることができる。支持体43となる金属箔及び金属板の材料としては、例えば、Cu、Al、ステンレスや他の金属を用いることができる。
次いで、図13に示す工程では、導電性を有した支持体43を給電層とする電解めっき法により、開口部45Aに露出された部分の支持体43の上面43Aに半導体素子搭載用パッド21を形成する。半導体素子搭載用パッド21は、支持体43をエッチングで除去する際のエッチング液に溶解しない金属膜により構成するとよい。具体的には、支持体43の材料がCuの場合、半導体素子搭載用パッド21としては、例えば、支持体43の上面43AにAu層(例えば、厚さ0.5μm)と、Ni層(例えば、厚さ5.0μm)とを順次積層させたAu/Ni積層膜、支持体43の上面43AにAu層、Pd層、Ni層の順に積層したAu/Pd/Ni積層膜、支持体43の上面43AにAu層、Pd層の順に積層したAu/Pd積層膜等を用いることができる。
次いで、図14に示す工程では、図13に示すめっき用レジストパターン45を除去する。次いで、図15に示す工程では、支持体43の上面43Aに、開口部33を有した絶縁層22を形成する。絶縁層22としては、例えば、絶縁樹脂層を用いることができる。絶縁層22は、例えば、シート状の絶縁樹脂層を半導体素子搭載用パッド21が形成された支持体43の上面43Aに貼り付け、その後、シート状の絶縁樹脂層にレーザを照射して開口部33を加工することで形成する。絶縁層22となる絶縁樹脂層の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。
次いで、図16に示す工程では、例えば、セミアディティブ法により、ビア23及び配線パターン25を同時に形成する。具体的には、開口部33に露出された部分の半導体素子搭載用パッド21の面21B、開口部33の側面に対応する部分の絶縁層22の面、及び絶縁層22の面22Bを覆うようにシード層(図示せず)を形成し、次いで、シード層上に、配線パターン25の形成領域に対応する部分のシード層を露出する開口部(図示せず)を有しためっき用レジストパターン(図示せず)を形成し、次いで、シード層を給電層とする電解めっき法により、開口部に露出された部分のシード層上にめっき膜(図示せず)を析出成長させ、その後、めっき用レジストパターンを除去し、次いで、めっき膜が形成されていない部分の不要なシード層を除去することでビア23及び配線パターン25を同時に形成する。シード層としては、例えば、スパッタ法、蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成された金属層(例えば、Cu層)を用いることができる。また、めっき膜としては、例えば、Cuめっき膜を用いることができる。配線36の厚さは、例えば、15μmとすることができる。
次いで、図17に示す工程では、図15に示す工程と同様な処理を行うことにより、図16に示す構造体の上面にパッド35を露出する開口部38を有した絶縁層26を形成し、その後、図16に示す工程と同様な処理を行うことにより、絶縁層26にビア27及び外部接続用パッド28を同時に形成する。絶縁層26としては、例えば、絶縁樹脂層を用いることができる。絶縁層26となる絶縁樹脂層の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。ビア27及び外部接続用パッド28は、例えば、Cu層(シード層)及びCuめっき膜から構成することができる。
次いで、図18に示す工程では、周知の手法により、絶縁層26の面26Aに、外部接続用パッド28の端子配設面28Aを露出する開口部31Aを有したソルダーレジスト層31を形成する。これにより、支持体43の上面43Aに、複数の配線基板本体11(図10参照)が隣接するように配置され、複数の配線基板本体11が一体的に構成された基板50が製造される。次いで、図19に示す工程では、図18に示す基板50から支持体43を除去する。支持体43としてCu板又はCu箔を用いた場合、支持体43は、例えば、エッチングにより除去することができる。なお、図12〜図19に示す工程が基板形成工程に相当する工程である。
次いで、図20に示す工程では、図19に示す基板50を上下反転させ、その後、基板50に設けられた複数の半導体素子搭載用パッド21の搭載面21Aにはんだ17を形成する。
次いで、図21に示す工程では、基板50の半導体素子搭載領域Aを露出する半導体素子搭載用貫通部12Aと、基板50に設けられた配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層の面を露出する貫通部55Aとを備え、複数のスティフナー12(図10及び図11参照)の母材となるスティフナー母材55(図24参照)を形成(スティフナー母材形成工程)し、その後、半導体素子搭載用貫通部12Aと半導体素子搭載領域Aとが対向するように、基板50の上方にスティフナー母材55を配置する。貫通部55Aは、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材55を貫通するように形成する。基板50上にスティフナー母材55を載置した際、貫通部55Aは、配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層22の面22Aから隣り合う他の配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層22の面22Aに亘る領域Fに対応する絶縁層22の面22Aを露出するように形成する。貫通部55Aは、後述する図23に示す工程においてスティフナー母材55が切断されることにより、図10及び図11に示す切り欠き部41となる部分である。
上記構成とされたスティフナー母材55は、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等の板体に半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部55Aを加工することで形成する。スティフナー12の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー12の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。また、接着剤13としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部55Aは、例えば、エッチング法やプレス加工法等の方法を用いて同時に形成する。
このように、半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部55Aを同時に形成することで、配線基板10の製造工程を増加させることなく、貫通部55Aを形成することができる。貫通部55Aの一方の幅W1−1は、例えば、100μm〜1000μmとすることができる。また、貫通部55Aの他方の幅W1−2は、例えば、10mm〜100mmとすることができる。
このように、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材55を貫通する貫通部55Aを設けることにより、後述する切断工程(図23参照)においてスティフナー母材55を切断する際、貫通部55Aを通過するようにスティフナー母材55が切断されるため、切断工程に要する時間を従来よりも短縮することが可能となるので、配線基板10の生産性を向上させることができる。また、スティフナー母材55を切断する際に使用する切断用工具(例えば、ダイサーやスライサー等)の磨耗量を少なくすることが可能となるため、配線基板10の製造コストを低減することができる。
次いで、図22に示す工程では、接着剤13により、基板50に設けられた絶縁層22の面22Aにスティフナー母材55を接着して、複数の配線基板10に相当する構造体を形成する(接着工程)。
このように、接着剤13を用いて、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材55を貫通する貫通部55Aを有したスティフナー母材55を基板50に設けられた絶縁層22の面22Aに接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部55Aに露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図22に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を従来よりも少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
次いで、図23に示す工程では、切断位置Eに対応する部分の基板50及びスティフナー母材55を切断することで、複数の配線基板本体11及び複数のスティフナー12を個片化する(切断工程)。これにより、複数の配線基板10が製造される。基板50及びスティフナー母材55の切断するときに使用する切断用工具としては、例えば、ダイサーやスライサー等を用いることができる。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、接着剤13を用いて、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材55を貫通する貫通部55Aを有したスティフナー母材55を基板50に設けられた絶縁層22の面22Aに接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部55Aに露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図22に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を従来よりも少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
また、スティフナー母材55に、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材55を貫通する貫通部55Aを設けることにより、スティフナー母材55を切断する際、貫通部55Aを通過するようにスティフナー母材55が切断されるため、切断工程に要する時間を従来よりも短縮することが可能となり、配線基板10の生産性を向上させることができる。また、スティフナー母材55を切断する際に使用する切断用工具(例えば、ダイサーやスライサー等)の磨耗量を従来よりも少なくすることが可能となるため、配線基板10のコストを低減することができる。
図25は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る配線基板の断面図であり、図26は、図25に示す配線基板の平面図である。図25及び図26において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。図26では、図25に示すはんだ17の図示を省略する。
図25及び図26を参照するに、第1の実施の形態の第1変形例の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10に設けられたスティフナー12の代わりにスティフナー61を設けた以外は配線基板10と同様に構成される。
スティフナー61は、第1の実施の形態で説明したスティフナー12(図10及び図11参照)に設けられた切り欠き部41の代わりに、切り欠き部63を設けた以外はスティフナー12と同様に構成される。
切り欠き部63は、スティフナー61の外周部に設けられている。切り欠き部63は、平面視四角形とされた配線基板本体11の各辺に複数(この場合3つ)の切り欠き部63が対応するように配置されている。切り欠き部63は、配線基板本体11上にスティフナー61を配置した状態において、半導体素子搭載領域Aよりも外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出するように構成されている。
このように、平面視四角形とされた配線基板本体11の各辺にそれぞれ複数の切り欠き部63が対応するように、スティフナー61の外周部に切り欠き部63を設けてもよい。このような構成とされたスティフナー61を備えた配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
切り欠き部63が形成された部分のスティフナー61の側壁61Aから配線基板本体11の外周縁までの配線基板60の面方向の距離Gは、例えば、100μm〜500μmとすることができる。スティフナー61の材料としては、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等を用いることができる。スティフナー61の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー61の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。
図27は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る配線基板を製造するときに使用するスティフナー母材の平面図である。
上記構成とされた配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10を製造する際に使用するスティフナー母材55の代わりに、図27に示すスティフナー母材67を用いて、先に説明した図12〜図23に示す工程と同様な処理を行うことで製造できる。
ここで、図27を参照して、第1の実施の形態の第1変形例の配線基板60を製造する際に使用するスティフナー母材67について説明する。
スティフナー母材67は、第1の実施の形態で説明したスティフナー母材55(図24参照)に設けられた貫通部55Aの代わりに、貫通部67Aを設けた以外はスティフナー母材55と同様に構成される。貫通部67Aは、基板50(図21参照)に設けられた配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層22の面22Aを露出するように形成されている。貫通部67Aは、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材67を貫通している。基板50上にスティフナー母材67を載置した際、貫通部67Aは、配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層22の面22Aから隣り合う他の配線基板本体11の外周部に対応する部分の絶縁層22の面22Aに亘る領域Fに対応する絶縁層22の面22Aを露出するように形成する。貫通部67Aは、スティフナー母材67が切断位置Eにおいて切断されることにより、図25に示す切り欠き部63となる部分である。貫通部67Aの一方の幅W2−1は、例えば、200μm〜1000μmとすることができる。また、貫通部67Aの他方の幅W2−2は、例えば、10mm〜20mmとすることができる。
このように、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材67を貫通する貫通部67Aを設けることにより、スティフナー母材67を切断する際、貫通部67Aを通過するようにスティフナー母材67が切断されるため、スティフナー母材67の切断に要する時間を従来よりも短縮することが可能となるので、配線基板60の生産性を向上させることができる。また、スティフナー母材67を切断する際に使用する切断用工具(例えば、ダイサーやスライサー等)の磨耗量を少なくすることが可能となるため、配線基板60のコストを低減することができる。
上記構成とされたスティフナー母材67の材料としては、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等を用いることができる。スティフナー67の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー母材67の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。
図28は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る配線基板の断面図であり、図29は、図28に示す配線基板の平面図である。図28及び図29において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図29では、図28に示すはんだ17の図示を省略する。
図28及び図29を参照するに、第1の実施の形態の第2変形例の配線基板70は、第1の実施の形態の配線基板10に設けられたスティフナー12(図10及び図11参照)の代わりにスティフナー71を設けた以外は配線基板10と同様に構成される。
スティフナー71は、スティフナー12に設けられた半導体素子搭載用貫通部12Aの代わりに、半導体素子搭載用貫通部72を設けた以外はスティフナー12と同様に構成される。
半導体素子搭載用貫通部72は、半導体素子14を収容するための収容部74と、収容部74の側壁73に対応する部分のスティフナー71に形成された複数の切り欠き部75(他の切り欠き部)とを有した構成とされている。切り欠き部75は、スティフナー71を貫通するように形成されている。切り欠き部75の形状は、例えば、平面視円弧形状とすることができる。
このように、半導体素子14を収容するための収容部74と、収容部74の側壁に対応する部分のスティフナー71に形成された複数の切り欠き部75とをスティフナー71に設けることで、接着剤13により、スティフナー71を配線基板11に設けられた絶縁層22の面22Aに接着させた際、切り欠き部75に露出された部分の絶縁層22の面22Aに余分な絶縁剤13をはみ出させて、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
図30は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る配線基板を製造するときに使用するスティフナー母材の平面図である。図30において、図28及び図29に示すスティフナー71と同一構成部分には同一符号を付す。
ここで、図30を参照して、第1の実施の形態の第2変形例の配線基板70を製造する際に使用するスティフナー母材80について説明する。
スティフナー母材80は、第1の実施の形態で説明したスティフナー母材55(図24参照)に設けられた半導体素子搭載用貫通部12Aの代わりに、図28及び図29で説明した半導体素子搭載用貫通部72を設けた以外はスティフナー母材55と同様に構成される。スティフナー母材80の材料としては、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等を用いることができる。スティフナー80の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー母材80の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。
本実施の形態の配線基板70は、第1の実施の形態の配線基板10を製造する際に使用するスティフナー母材55の代わりに、図30に示すスティフナー母材80を用いて、第1の実施の形態で説明した図12〜図23に示す工程と同様な処理を行うことで製造できる。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、半導体素子14を収容するための収容部74と、収容部74の側壁73に対応する部分のスティフナー71に形成された複数の切り欠き部75とを有した半導体素子搭載用貫通部72を備えたスティフナー母材80を用いて、複数の配線基板70を製造することにより、基板50とスティフナー母材80とを接着する接着剤13のうち、余分な絶縁剤13を切り欠き部75に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させて、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
また、スティフナー母材80を用いて、複数の配線基板70を製造した場合、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法と同様な効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図31は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図であり、図32は、図31に示す配線基板の平面図である。図31及び図32において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図32では、図31に示すはんだ17の図示を省略する。
図31及び図32を参照するに、第2の実施の形態の配線基板90は、第1の実施の形態の配線基板10に設けられたスティフナー12(図10及び図11参照)の代わりにスティフナー91を設けた以外は配線基板10と同様に構成される。
スティフナー91は、スティフナー12に設けられた切り欠き部41の代わりに貫通部92を設けた以外はスティフナー12と同様に構成される。貫通部92は、平面視四角形とされた半導体素子搭載領域Aの各辺と対向すると共に、半導体素子搭載用貫通部12Aとスティフナー91の外周縁との間に位置する部分のスティフナー91を貫通するように形成されている。配線基板本体11に設けられた絶縁層22の面22Aにスティフナー91を配置した際、貫通部92は、半導体素子搭載領域Aよりも外側に配置された部分の絶縁層22の面22Aを露出するように構成されている。貫通部92の一方の幅W3−1は、例えば、2mm〜5mmとすることができる。また、貫通部92の他方の幅W3−2は、例えば、10mm〜40mmとすることができる。
上記構成とされたスティフナー91は、接着剤13により、配線基板11に設けられた絶縁層22の面22Aに接着されている。スティフナー91の材料としては、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等を用いることができる。スティフナー91の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー91の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。
本実施の形態の配線基板によれば、半導体素子搭載領域Aよりも外側に配置された部分の絶縁層22の面22Aを露出する貫通部92を有したスティフナー91と配線基板11に設けられた絶縁層22の面22Aとを接着剤13を用いて接着することにより、余分な接着剤13を貫通部92に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る接着剤13(図31及び図32に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を従来よりも少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
図33〜図35は、本発明の第2の実施の形態の配線基板の製造工程を示す図であり、図36は、図33に示すスティフナーの平面図である。図33〜図36において、第2の実施の形態の配線基板90と同一構成部分には同一符号を付す。
図33〜図36を参照して、第2の実施の形態の配線基板90の製造方法について説明する。始めに、図33に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図12〜図19に示す工程と同様な処理を行うことで基板50を形成する(基板形成工程)。次いで、基板50の半導体素子搭載領域Aを露出する半導体素子搭載用貫通部12Aと、半導体素子搭載領域Aの外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出する貫通部92を有すると共に、複数のスティフナー91(図31及び図32参照)の母材となるスティフナー母材95(図36参照)を形成(スティフナー母材形成工程)する。その後、半導体素子搭載用貫通部12Aと半導体素子搭載領域Aとが対向するように、基板50の上方にスティフナー母材95を配置する。スティフナー母材95は、切断位置Eにおいて切断されることにより、複数のスティフナー91(図31及び図32参照)となる部材である。
上記構成とされたスティフナー母材95は、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等の板体に半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部92を加工することで形成する。半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部92は、例えば、エッチング法やプレス加工法等の方法を用いて同時に形成する。
このように、半導体素子搭載用貫通部12A及び貫通部92を同時に形成することで、配線基板90の製造工程を増加させることなく、貫通部92を形成することができる。貫通部92の一方の幅W3−1は、例えば、2mm〜5mmとすることができ、貫通部92の他方の幅W3−2は、例えば、20mm〜40mmとすることができる。
次いで、図34に示す工程では、接着剤13を用いて、基板50に設けられた絶縁層22の面22Aにスティフナー母材95を接着して、複数の配線基板90に相当する構造体を形成する(接着工程)。
このように、接着剤13を用いて、半導体素子搭載領域Aの外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出する貫通部92を有したスティフナー母材95と基板50に設けられた絶縁層22の面22Aとを接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部92に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図31に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を減らして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを従来よりも低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14とを精度良く電気的に接続することが可能となり、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
次いで、図35に示す工程では、図34に示す切断位置Eに対応する部分の基板50及びスティフナー母材95を切断することで、複数の配線基板本体11及び複数のスティフナー91を個片化する(切断工程)。これにより、複数の配線基板90が製造される。基板50及びスティフナー母材95の切断する際の切断用工具としては、例えば、ダイサーやスライサー等を用いることができる。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、接着剤13を用いて、半導体素子搭載領域Aの外側に位置する部分の絶縁層22の面22Aを露出する貫通部92を有したスティフナー母材95と基板50に設けられた絶縁層22の面22Aとを接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部92に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図31に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を減らして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを従来よりも低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
図37は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る配線基板の断面図であり、図38は、図37に示す配線基板の平面図である。図37及び図38において、第2の実施の形態の配線基板90と同一構成部分には同一符号を付す。また、図38では、図37に示すはんだ17の図示を省略する。
図37及び図38を参照するに、第2の実施の形態の変形例の配線基板100は、第2の実施の形態の配線基板90に設けられたスティフナー91の代わりにスティフナー101を設けた以外は配線基板90と同様に構成される。
スティフナー101は、スティフナー91(図31及び図32参照)に設けられた貫通部92の代わりに、貫通部102を設けた以外はスティフナー91と同様に構成される。
貫通部102は、平面視四角形とされた配線基板本体11の各辺に複数(この場合3つ)の貫通部102が対応するように配置されている。貫通部102の一方の幅W4−1は、例えば、2mm〜5mmとすることができ、貫通部102の他方の幅W4−2は、例えば、10mm〜40mmとすることができる。
このような貫通部102を備えた配線基板100は、第2の実施の形態の配線基板90と同様な効果を得ることができる。また、配線基板100は、第2の実施の形態の配線基板90と同様な手法により製造することが可能であり、第2の実施の形態の配線基板90の製造方法と同様な効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図39は、本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の断面図であり、図40は、図39に示す配線基板の平面図である。図39及び図40において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図40では、図39に示すはんだ17の図示を省略する。
図39及び図40を参照するに、第3の実施の形態の配線基板110は、配線基板本体111と、電子部品112と、スティフナー114とを有する。配線基板本体111は、第1の実施の形態で説明した配線基板本体11の構成に、さらに配線パターン117及び電子部品搭載用パッド118を設けた以外は配線基板本体11と同様に構成される。
配線パターン117は、その一方の面が絶縁層22の面22Aと略面一となるように、絶縁層22に内設されている。配線パターン117は、半導体素子搭載用パッド121と、電子部品搭載用パッド122と、配線123とを有する。半導体素子搭載用パッド121は、半導体素子14が搭載される搭載面121Aを有する。搭載面121Aは、絶縁層22の面22Aと略面一とされている。搭載面121Aには、半導体素子14の電極パッド15と電気的に接続された内部接続端子16を半導体素子搭載用パッド121に固定するためのはんだ17が配設されている。半導体素子搭載用パッド121は、配線123と一体的に構成されている。搭載面121Aの反対側に位置する部分の半導体素子搭載用パッド121は、ビア23と接続されている。
電子部品搭載用パッド122は、電子部品112が搭載される領域に対応する部分の絶縁層22に内設されている。電子部品搭載用パッド122は、電子部品112が搭載される搭載面122Aを有する。搭載面122Aは、絶縁層22の面22Aと略面一とされている。搭載面122Aには、電子部品112を電子部品搭載用パッド122に固定するためのはんだ17が設けられている。電子部品搭載用パッド122は、はんだ17を介して、電子部品112と電気的に接続されている。電子部品搭載用パッド122は、配線123と一体的に構成されており、配線123を介して、半導体素子搭載用パッド121と電気的に接続されている。
配線123は、その一方の面が絶縁層22の面22Aと略面一となるように、絶縁層22に内設されている。配線123は、その一方の端部が半導体素子搭載用パッド121と一体的に構成されており、他方の端部が電子部品搭載用パッド122と一体的に構成されている。これにより、配線123は、半導体素子搭載用パッド121と電子部品搭載用パッド122とを電気的に接続している。
上記構成とされた配線パターン117としては、例えば、絶縁層22の面22A側からAu層(例えば、厚さ0.5μm)と、Ni層(例えば、厚さ5.0μm)とを順次積層させたAu/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層、Ni層の順に積層したAu/Pd/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層の順に積層したAu/Pd積層膜等を用いることができる。
電子部品搭載用パッド118は、電子部品112の搭載領域に対応する部分の絶縁層22に内設されている。電子部品搭載用パッド118は、電子部品112が搭載される搭載面118Aを有する。搭載面118Aには、電子部品112を電子部品搭載用パッド118に固定するためのはんだ17が設けられている。電子部品搭載用パッド118は、はんだ17を介して、電子部品112と電気的に接続されている。はんだ17が設けられた側の反対側に位置する部分の電子部品搭載用パッド118は、ビア23と電気的に接続されている。
上記構成とされた電子部品搭載用パッド118としては、例えば、絶縁層22の面22A側からAu層(例えば、厚さ0.5μm)と、Ni層(例えば、厚さ5.0μm)とを順次積層させたAu/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層、Ni層の順に積層したAu/Pd/Ni積層膜、絶縁層22の面22A側からAu層、Pd層の順に積層したAu/Pd積層膜等を用いることができる。
電子部品112は、はんだ17を介して、電子部品搭載用パッド118,122に搭載されている。電子部品112は、電子部品搭載用パッド118を介して、外部接続用パッド28と電気的に接続されると共に、配線パターン117を介して、半導体素子14と電気的に接続されている。電子部品112は、半導体素子14の特性を調整するための部品である。電子部品112としては、例えば、チップ抵抗、チップインダクタ、チップキャパシタ等を用いることができる。
スティフナー114は、第1の実施の形態で説明した図10及び図11に示すスティフナー12に電子部品112を収容するための電子部品搭載用貫通部125を設けた以外はスティフナー12と同様に構成される。電子部品搭載用貫通部125は、配線基板本体111に搭載された電子部品112を収容するための空間である。電子部品搭載用貫通部125は、配線基板本体111の電子部品112が搭載される領域に対応する部分のスティフナー114を貫通するように形成されている。電子部品112が搭載される領域は、半導体素子搭載領域Aよりも外側に位置する部分の配線基板本体111に配置されている。電子部品搭載用貫通部125の一方の幅W5−1は、例えば、2mm〜10mmとすることができ、電子部品搭載用貫通部125の他方の幅W5−2は、例えば、2mm〜5mmとすることができる。
本実施の形態の配線基板によれば、配線基板本体111に電子部品112が搭載される配線パターン117及び電子部品搭載用パッド118を設け、電子部品112を配線パターン117及び電子部品搭載用パッド118に搭載すると共に、スティフナー114に電子部品112を収容する電子部品搭載用貫通部125を設けることにより、配線基板110のサイズを大型化させることなく、配線基板110の実装密度を向上させることができる。
また、接着剤13を用いて、切り欠き部41及び電子部品搭載用貫通部125を備えたスティフナー114を配線基板本体111の絶縁層22の面22Aに接着させた際、切り欠き部41及び電子部品搭載用貫通部125に露出された部分の絶縁層22の面22Aに余分な接着剤13をはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の量を減らして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを従来よりも低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21に搭載される半導体素子14との接触を防止することが可能となるため、配線基板本体11に設けられた半導体素子搭載用パッド21と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
図41〜図46は、本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図であり、図47は、図44に示すスティフナーの平面図である。図41〜図46において、第3の実施の形態の配線基板110と同一構成部分には同一符号を付す。
図41〜図46を参照して、第3の実施の形態の配線基板110の製造方法について説明する。始めに、図41に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図12〜図19に示す工程と同様な処理を行って、複数の配線基板本体111(図39参照)が隣接するように配置され、複数の配線基板本体111が一体的に構成された基板130を形成する(基板形成工程)。
次いで、図42に示す工程では、半導体素子搭載用パッド21,121の搭載面21A,121A及び電子部品搭載用パッド118,122の搭載面118A,122Aにはんだ17を形成する。
次いで、図43に示す工程では、はんだ17が設けられた電子部品搭載用パッド118,122に電子部品112を搭載する(電子部品搭載工程)。電子部品112としては、例えば、チップ抵抗、チップインダクタ、チップキャパシタ等を用いることができる。
次いで、図44に示す工程では、基板130の半導体素子搭載領域Aを露出する半導体素子搭載用貫通部12Aと、基板130に設けられた配線基板本体111の外周部に対応する部分の絶縁層の面を露出する貫通部55Aと、電子部品搭載用パッド118,122の形成領域に対応する部分の絶縁層22の面22Aを露出する電子部品搭載用貫通部125とを備え、複数のスティフナー114(図39参照)の母材となるスティフナー母材132(図47参照)を形成(スティフナー母材形成工程)し、その後、半導体素子搭載用貫通部12Aと半導体素子搭載領域Aとが対向するように、基板130の上方にスティフナー母材132を配置する。スティフナー母材132は、図24に示すスティフナー母材55に電子部品搭載用貫通部125が形成された構成とされている。
上記構成とされたスティフナー母材132は、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等の板体に半導体素子搭載用貫通部12A、貫通部55A、及び電子部品搭載用貫通部125を加工することで形成する。半導体素子搭載用貫通部12A、貫通部55A、及び電子部品搭載用貫通部125は、例えば、エッチング法やプレス加工法等の方法を用いて同時に形成する。
このように、半導体素子搭載用貫通部12A、貫通部55A、及び電子部品搭載用貫通部125を同時に形成することで、配線基板110の製造工程を増加させることなく、貫通部55A及び電子部品搭載用貫通部125を形成することができる。電子部品搭載用貫通部125の一方の幅W5−1は、例えば、2mm〜10mmとすることができる。また、電子部品搭載用貫通部125の他方の幅W5−2は、例えば、2mm〜5mmとすることができる。
貫通部55Aは、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材132を貫通するように形成する。
このように、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材132を貫通するように貫通部55Aを形成することにより、貫通部55Aを通過するようにスティフナー母材132が切断されるため、スティフナー母材132の切断に要する時間を従来よりも短縮することが可能となるので、配線基板110の生産性を向上させることができる。また、基板130及びスティフナー母材132を切断する際に使用する切断用工具(例えば、ダイサーやスライサー等)の磨耗量を少なくすることが可能となるため、配線基板110のコストを低減することができる。
上記構成とされたスティフナー母材132の材料としては、例えば、金属板(例えば、Cu板やCu合金板)やガラスエポキシ基板等を用いることができる。スティフナー母材132の材料としてCu板を用いた場合、スティフナー母材132の厚さは、例えば、1mm〜2mmとすることができる。
次いで、図45に示す工程では、接着剤13により、基板130に設けられた絶縁層22の面22Aにスティフナー母材132を接着して、複数の配線基板110に相当する構造体を形成する(接着工程)。
このように、接着剤13を用いて、スティフナー母材132を基板130に設けられた絶縁層22の面22Aに接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部55A及び電子部品搭載用貫通部125に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図45に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21,121に搭載される半導体素子14とが接触することがなくなるため、配線基板本体111に設けられた半導体素子搭載用パッド21,121と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
次いで、図46に示す工程では、切断位置Eに対応する部分の基板130及びスティフナー母材132を切断することで、複数の配線基板本体111及び複数のスティフナー114を個片化する(切断工程)。これにより、複数の配線基板110が製造される。基板130及びスティフナー母材132の切断に用いる切断用工具としては、例えば、ダイサーやスライサー等を用いることができる。
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、接着剤13を用いて、スティフナー母材132を基板130に設けられた絶縁層22の面22Aに接着することにより、接着剤13のうち、余分な接着剤13を貫通部55A及び電子部品搭載用貫通部125に露出された部分の絶縁層22の面22Aにはみ出させ、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13(図45に示す領域Bに対応する部分の接着剤13)の量を少なくして、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出る余分な接着剤13の高さを低くすることが可能となる。
これにより、半導体素子搭載領域Aに対応する部分の絶縁層22の面22Aにはみ出た余分な接着剤13と半導体素子搭載用パッド21,121に搭載される半導体素子14とが接触することがなくなるため、配線基板本体111に設けられた半導体素子搭載用パッド21,121と半導体素子14との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
また、切断位置Eに対応する部分のスティフナー母材132を貫通するように貫通部55Aを形成することにより、貫通部55Aを通過するようにスティフナー母材132が切断されるため、スティフナー母材132の切断に要する時間を従来よりも短縮することが可能となるので、配線基板110の生産性を向上させることができる。
さらに、基板130及びスティフナー母材132を切断する際に使用する切断用工具(例えば、ダイサーやスライサー等)の磨耗量を少なくすることが可能となるため、配線基板110のコストを低減することができる。
図48は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る配線基板の平面図である。図48において、第3の実施の形態の配線基板110と同一構成部分には同一符号を付す。
なお、配線パターン117及び電子部品搭載用パッド118の形成位置、及び電子部品搭載用貫通部125の形成位置及び形状は、本実施の形態に限定されない。例えば、図48に示す第3の実施の形態の変形例の配線基板140のように、電子部品搭載用貫通部125の代わりに、平面視四角形とされた半導体素子搭載領域Aの角部を囲むように、平面視L字型とされた電子部品搭載用貫通部141を設け、電子部品搭載用貫通部141の形成位置に対応するように、配線パターン117及び電子部品搭載用パッド118を配置してもよい。このような構成とされた配線基板140は、第3の実施の形態の配線基板110と同様な手法により形成することができる。
(第4の実施の形態)
図49は、本発明の第4の実施の形態に係る配線基板の断面図であり、図50は、図49に示す配線基板の平面図である。図49及び図50において、第3の実施の形態の配線基板110と同一構成部分には同一符号を付す。また、図50では、図49に示すはんだ17の図示を省略する。
図49及び図50を参照するに、第4の実施の形態の配線基板150は、第3の実施の形態の配線基板110に設けられたスティフナー114の代わりに、スティフナー151を設けた以外は配線基板110と同様に構成される。
スティフナー151は、第2の実施の形態で説明したスティフナー71(図28及び図29参照)に切り欠き部41と一体的に構成された電子部品搭載用貫通部152を設けた以外はスティフナー71と同様に構成される。
電子部品搭載用貫通部152は、電子部品112が搭載される領域に対応する部分の配線基板本体111(具体的には、電子部品搭載用パッド118,122及び電子部品112が搭載される領域に対応する部分の絶縁層22の面22A)を露出するように形成されている。電子部品搭載用貫通部152の一方の幅W6−1は、例えば、2mm〜10mmとすることができる。また、電子部品搭載用貫通部152の他方の幅W6−2は、例えば、2mm〜5mmとすることができる。
本実施の形態の配線基板によれば、第1の実施の形態の第2変形例の配線基板70及び第3の実施の形態の配線基板110と同様な効果を得ることができる。
図51は、本発明の第4の実施の形態に係る配線基板を製造するときに使用するスティフナー母材の平面図である。図51において、先に説明した図30に示すスティフナー母材80と同一構成部分には同一符号を付す。
ここで、図51を参照して、第4の実施の形態の配線基板150を製造する際に使用するスティフナー母材155について説明する。
スティフナー母材155は、先に説明した図30に示すスティフナー母材80に、貫通部55Aと一体的に構成された電子部品搭載用貫通部152を設けた以外はスティフナー母材80と同様に構成される。電子部品搭載用貫通部152は、貫通部55A及び半導体素子搭載用貫通部72と同時に形成される。
このように、貫通部55A、半導体素子搭載用貫通部72、及び電子部品搭載用貫通部152を同時に形成することで、配線基板150の製造工程を増加させることなく、電子部品搭載用貫通部152を形成することができる。
上記構成とされた第4の実施の形態の配線基板150は、図51に示すスティフナー母材155を用いて、第3の実施の形態で説明した図41〜図46に示す工程と同様な処理を行うことで製造できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第4の実施の形態の配線基板150に設けられた切り欠き部41の代わりに、図31及び図32に示す貫通部92をスティフナー151に設けて、貫通部92と電子部品搭載用貫通部152と一体的に構成してもよい。
また、第1〜第4の実施の形態で説明したスティフナー12,61,71,91,101,114,151を、コア基板を備えたコア付きビルドアップ基板に設けてもよい。