JP5385723B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

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本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
近年のDRAM(Dynamic Random Access Memory)素子は、微細化による酸化膜換算膜厚の低減に伴い、誘電率の低いシリコン酸化膜が形成されるのを防止するため、MIM(Metal Insulator Metal)構造キャパシタが主流となっている。なお、酸化膜換算膜厚とは、絶縁膜の膜厚測定において、酸化膜の比誘電率を用いて決定したときの膜厚のことである。
MIM構造では、電極材材料としてTiN(チタン窒化物)を、絶縁膜としてAl(アルミニウム酸化物)、ZrO(ジルコニウム酸化物)及びHfO(ハフニウム酸化物)等の誘電体膜が広く用いられる。また、MIM構造の成膜方法としては、電極開口部のアスペクト比が大きくても高誘電率膜を被覆性良く形成できるALD(Atomoic Layer Deposition)が用いられる。
DRAM素子の微細化に伴い、電極面積がさらに小さくなると、誘電体膜の薄膜化あるいは高誘電率化が必要となる。なお、ZrO、HfO等の従来の誘電体膜では、DRAMの設計ルールがハーフピッチ40nm以下になると、酸化膜換算膜厚1.2nm程度が限度である。また、ハーフピッチ30nm以下では、酸化膜換算膜厚0.7nmが限度となる。
酸化膜換算膜厚を小さくするため、物理的な膜厚に対する薄膜化が検討されているが、この薄膜化に伴うリーク電流の増加が問題となる。そこで、リーク電流を抑制するために、電極材料として、酸化されにくく仕事関数の大きいRu(ルテニウム)等の金属が用いられる。しかし、Ru電極は、希少元素であり地下資源に乏しく、高価な金属である。また、Ruは高品質な成膜が難しく、量産に対する課題が多い。このため、下部電極としては、現在使用されているTiNが採用され続ける可能性が高い。
成膜方法の従来技術の一例として特許文献1、特許文献2がある。
特許文献1には、原子層成長法による高品質な特性を保持したまま、より迅速に金属酸化物や金属窒化物からなる膜を形成するために、原料ガスが存在していない状態で基板を加熱するようにした薄膜形成方法が開示されている。
特許文献2には、低温で表面平坦性が良く、ステップカバレッジの良好な膜を得るため、第1の原料ガス(SiH等)と、第2の原料ガス(O等)を交互に反応室に供給するシリコン酸化膜の形成方法が開示されている。
特開2005−259966号公報 特開2006−66587号公報
誘電体膜の誘電率を高めるために、チタン酸化物(TiO)を用いた二元素系誘電体が有望となる。TiOの誘電率は、結晶構造により異なり、ルチル結晶相で114、ブルカイト結晶相で78、アナターゼ結晶相で48となる。ここで、ルチル結晶相は800℃以上の高温成膜あるいは熱処理によって形成される。
しかし、キャパシタ絶縁膜の製作工程前に製作された電極や選択トランジスター等の他の素子に悪影響を与えるため、このような高温で処理することができない。そこで、他の素子に影響を与えない程度の低温成膜で、高い誘電率であるルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相のTiOを形成する必要がある。
本発明は、高い誘電率のチタン酸化物含有膜を低温で形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明によれば、基板にハフニウムアルミニウム酸化物又はジルコニウムアルミニウム酸化物を含む第1の絶縁膜を形成するステップと、前記第1の絶縁膜上に、ルチル型又はブルカイト型のチタン酸化物を含む第2の絶縁膜を形成するステップと、を有する。これにより、高い誘電率のチタン酸化物含有膜を、他の素子に影響を与えない程度の低温で形成することができる。
好適には、前記第2の絶縁膜は、チタンアルミニウム酸化物である。
好適には、前記基板には、下部電極としてのチタン窒化物が形成されている。
好適には、前記ハフニウムアルミニウム酸化物又はジルコニウムアルミニウム酸化物の結晶構造は、立方晶系又は正方晶系のいずれかである。
本発明によれば、高い誘電率のチタン酸化物含有膜を低温で形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
本発明の一実施形態で用いられる基板処理装置の概略を示す斜透視図である。 本発明の一実施形態で用いられる基板処理装置の概略を示す側面透視図である。 本発明の一実施形態で用いられる処理炉及びその周辺構造の概略であって、特に処理炉部分を縦断面で示す図面である。 ハフニウム酸化物の結晶構造の概略図である。 ハフニウム酸化物の相転移に伴う表面積の変化を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるDRAM素子の形成フローの概略を示す図である。 第1の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態のアルミニウム酸化膜の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミングを示す図である。 本発明の一実施形態のハフニウムアルミニウム酸化膜の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミングを示す図である。 本発明の一実施形態で用いられる処理炉及びその周辺構造の概略であって、特に処理炉部分を縦断面で示す図面である。 本発明の一実施形態のチタン酸化膜の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミングを示す図である。 第1の実施形態におけるチタン酸化膜のラマン測定結果を示す図である。 ハフニウム酸化物、ハフニウムアルミニウム酸化物及びチタン酸化物の、各結晶相における格子定数(a軸)を示す図である。 第1の実施形態により形成された素子のリーク電流についての電圧電流特性の結果を示す。 第2の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図である。 第2の実施形態におけるチタン酸化膜のラマン測定結果を示す図である。 図17(a)は、第3の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図であり、図17(b)は、第4の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図である。 図18(a)は、第5の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図であり、図18(b)は、第6の実施形態におけるDRAM素子の構成を示す模式図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明の一実施形態である第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔装置全体構成〕
本発明を実施するための形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。尚、以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行う縦型の装置を適用した場合について述べる。図1は、本発明の一実施形態にて好適に用いられる基板処理装置の斜透視図として示されている。また、図2は、図1に示す処理装置の側面透視図である。尚、本発明は、本実施形態にかかる基板処理装置に限らず、枚葉式、Hot Wall型、Cold Wall型の処理炉を有する基板処理装置にも好適に適用できる。
図1及び図2に示すように、基板処理装置10では、シリコン等の材料から構成される基板としてのウエハ14を収納したウエハキャリアとしてのカセット16が使用される。
基板処理装置10は筐体12を備えている。筐体12の正面壁12aの下方にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口18が開設されている。正面メンテナンス口18には開閉自在な正面メンテナンス扉20が建て付けられている。
正面メンテナンス扉20には、カセット搬入搬出口22が筐体12内外を連通するように開設されており、カセット搬入搬出口22はフロントシャッタ24によって開閉されるようになっている。
カセット搬入搬出口22の筐体12内側にはカセットステージ26が設置されている。カセット16は、工場内搬送装置(図示略)によって、カセットステージ26上に搬入されたり、カセットステージ26上から搬出されたりされるようになっている。
カセットステージ26は、工場内搬送装置によって、カセット16内でウエハ14が垂直姿勢を保持し、カセット16のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ26は、カセット16を筐体12後方に右回り縦方向90°回転し、カセット16内のウエハ14が水平姿勢となり、カセット16のウエハ出し入れ口が筐体12後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
筐体12内の前後方向の略中央下部には、カセット棚28が設置されている。カセット棚28は複数段複数列にわたり複数個のカセット16を保管するように構成されている。カセット棚28にはウエハ移載機構36の搬送対象となるカセット16が収納される移載棚30が設けられている。また、カセットステージ26の上方には予備カセット棚32が設置されており、予備のカセット16を保管するように構成されている。
カセットステージ26とカセット棚28との間にはカセット搬送装置34が設置されている。カセット搬送装置34は、カセット16を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ34aと、搬送機構としてのカセット搬送機構30bとで構成されている。カセット搬送装置34は、カセットエレベータ34aとカセット搬送機構30bとの連続動作により、カセット16をカセットステージ26とカセット棚28と予備カセット棚32との間で搬送するようになっている。
カセット棚28の後方にはウエハ移載機構36が設置されている。ウエハ移載機構36は、ウエハ14を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置36aと、ウエハ移載装置36aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ36bとで構成されている。ウエハ移載装置エレベータ36bは筐体12の右側端部に設置されている。ウエハ移載機構36は、ウエハ移載装置36aとウエハ移載装置エレベータ36bとの連続動作により、ウエハ移載装置36aのツイーザ36cでウエハ14をピックアップしてそのウエハ14をボート38に装填(チャージング)したり、ボート38から脱装(ディスチャージング)したりするように構成されている。
筐体12の後部上方には処理炉40が設けられている。処理炉40の下端部は炉口シャッタ42により開閉されるように構成されている。
処理炉40の下方にはボート38を処理炉40に昇降させるためのボートエレベータ44が設置されている。ボートエレベータ44には連結具としてのアーム46が連結されており、アーム46には蓋体としてのシールキャップ48が水平に据え付けられている。シールキャップ48はボート38を垂直に支持するもので、処理炉40の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート38は複数の保持部材を備えており、複数枚(例えば50〜150枚程度)のウエハ14をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
カセット棚28の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するクリーンユニット50が設置されている。クリーンユニット50は、供給ファン及び防塵フィルタで構成されており、クリーンエアを筐体12の内部に流通させるように構成されている。
ウエハ移載装置エレベータ36b及びボートエレベータ44側と反対側である筐体12の左側端部にも、クリーンエアを供給するクリーンユニット(図示略)が設置されている。当該クリーンユニットもクリーンユニット50と同様に供給ファン及び防塵フィルタで構成されている。当該クリーンユニットから供給されたクリーンエアはウエハ移載装置36a、ボート38等の近傍を流通し、その後に筐体12の外部に排気されるようになっている。
次に、基板処理装置10の動作について説明する。
カセット16がカセットステージ26に供給されるに先立って、カセット搬入搬出口22がフロントシャッタ24によって開放される。その後、カセット16はカセット搬入搬出口22からカセットステージ26上に搬入される。このとき、カセット16内のウエハ14は垂直姿勢に保持され、カセット16のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。
その後、カセット16は、カセットステージ26によって、カセット16内のウエハ14が水平姿勢となり、カセット16のウエハ出し入れ口が筐体12の後方を向くように、右周り縦方向90°回転させられる。
次に、カセット16は、カセット棚28ないし予備カセット棚32の指定された棚位置へカセット搬送装置34によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚28ないし予備カセット棚32からカセット搬送装置34によって移載棚30に移載されるか、もしくは直接移載棚30に搬送される。
カセット16が移載棚30に移載されると、ウエハ14はカセット16からウエハ移載装置36aのツイーザ36cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、移載室124の後方にあるボート38に装填(チャージング)される。ボート38にウエハ14を受け渡したウエハ移載装置36aはカセット16に戻り、次のウエハ14をボート38に装填する。
予め指定された枚数のウエハ14がボート38に装填されると、炉口シャッタ42によって閉じられていた処理炉40の下端部が、炉口シャッタ42によって、開放される。続いて、ウエハ14群を保持したボート38は、シールキャップ48がボートエレベータ44によって上昇されることにより、処理炉40内へ搬入(ローディング)される。
ローディング後は、処理炉40にてウエハ14に任意の処理(後述参照)が実施される。処理後は、上記と逆の手順で、カセット16及びウエハ14が筐体12の外部に搬出される。
〔処理炉構成〕
図3は、図1及び図2に示す基板処理装置10の処理炉40の概略断面図である。加熱装置(加熱手段)であるヒータ62の内側に、ウエハ14を処理する反応容器として反応管64が設けられ、この反応管64の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド66が係合される。さらに、その下端開口は蓋体であるシールキャップ48により、気密部材であるOリング68を介して気密に閉塞される。少なくとも、ヒータ62、反応管64、マニホールド66及びシールキャップ48により処理炉40を形成し、反応管64、マニホールド66及びシールキャップ48により処理室70を形成している。このマニホールド66は保持部材72に固定される。
反応管64の下端部およびマニホールド66の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間にはOリング68が配置されている。このように、両者の間は気密にシールされている。
シールキャップ48にはボート支持台74を介して基板保持部材(基板保持手段)であるボート38が立設され、ボート支持台74はボート38を保持する保持体となっている。そして、ボート38は処理室70に挿入される。ボート38にはバッチ処理される複数のウエハ14が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。ヒータ62は、処理室70に挿入されたウエハ14を所定の温度に加熱する。
処理室70へは複数種類、ここでは3種類のガスを供給する供給経路としての3本のガス供給管76a、76b、76cが設けられている。ガス供給管76a、76b、76cは、マニホールド66の下部を貫通して設けられており、ガス供給管76aとガス供給管76bとは、処理室70内で一本の多孔ノズル78aに合流、連通している。これら二本のガス供給管76a、76bと多孔ノズル78aにより、後述する合流タイプガス供給ノズル78を形成している。ガス供給管76cは単独で別の多孔ノズル80aに連通している。一本のガス供給管76cと多孔ノズル80aにより、分離タイプガス供給ノズル80を形成している。処理室70内には、合流タイプガス供給ノズル78と、分離タイプガス供給ノズル80の2本のガス供給ノズルが設けられている。
ガス供給管76bからは、反応ガスとして、例えばトリメチルアルミニウム(TMA:(CHAl)を供給する。合流タイプガス供給ノズル78は、TMAの分解温度以上の領域にその上部が延在している。しかし、ガス供給管76bが、処理室70内でガス供給管76aと合流している箇所は、TMAの分解温度未満の領域であり、ウエハ14及びウエハ14付近の温度よりも低い温度の領域である。
本例では、第1のガス供給管76aからは、流量制御手段である第1のマスフローコントローラ82a及び開閉弁である第1のバルブ84を介し、処理室70内に設置された合流タイプガス供給ノズル78を通して、処理室70に反応ガスとして、例えばOが供給される。
第2のガス供給管76bからは、流量制御手段である第2のマスフローコントローラ82b、開閉弁である第2のバルブ86、TMA容器88、及び開閉弁である第3のバルブ90を介し、合流タイプガス供給ノズル78を介して処理室70にTMAが供給される。TMA容器88からマニホールド66までのガス供給管76bには、ヒータ92が設けられ、ガス供給管76bを50〜60℃に保っている。
第3のガス供給管76cからは、処理室70に反応ガスとして、例えばTEMAHが供給される。TEMAHは、流量制御手段である第3のマスフローコントローラ82c、開閉弁である第4のバルブ94、TEMAH容器96、及び開閉弁である第5のバルブ98を介し、分離タイプガス供給ノズル80を通して処理室70に供給される。TEMAH容器96からマニホールド66までのガス供給管76cには、ヒータ98が設けられ、ガス供給管76cを130℃に保っている。
ガス供給管76bには、不活性ガスのライン76dが第1の開閉バルブ100を介して第3のバルブ90の下流側に接続されている。また、ガス供給管76aには、不活性ガスのライン76eが第2の開閉バルブ102を介して第1のバルブ84の下流側に接続されている。ガス供給管76cには、不活性ガスのライン76fが第3の開閉バルブ104を介して第5のバルブ98の下流側に接続されている。
処理室70は、ガスを排気する排気管であるガス排気管110により第6のバルブ112を介して排気装置(排気手段)である真空ポンプ114に接続され、真空排気されるようになっている。尚、この第6のバルブ112は、弁を開閉して処理室70の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整が可能な開閉弁である。
合流タイプガス供給ノズル78と分離タイプガス供給ノズル80が、処理室70の下部より上部にわたりウエハ14の積載方向に沿って配設されている。合流タイプガス供給ノズル78は、処理室70の下部にてガス供給管76aとガス供給管76bが合流して、一本の多孔ノズル78aに連通している形のノズルである。分離タイプガス供給ノズル80は、処理室70の下部にてガス供給管76cが一本の多孔ノズル80aに連通している独立した形のノズルである。
合流タイプガス供給ノズル78の多孔ノズル78aには複数のガスを供給するガス供給孔が設けられておいる。また、分離タイプガス供給ノズル80の多孔ノズル80aにも同じくガスを供給するガス供給孔が設けられている。
反応管64内の中央部には複数枚のウエハ14を多段に同一間隔で載置するボート38が設けられており、このボート38はボートエレベータ機構(図示略)により反応管64に出入りできるようになっている。また、処理の均一性を向上する為にボート38を回転するための回転装置(回転手段)であるボート回転機構116が設けられている。ボート回転機構116を回転することにより、ボート支持台74に保持されたボート38を回転する。
制御部(制御手段)であるコントローラ120は、第1〜第3のマスフローコントローラ82a、82b、82c、第1〜第6のバルブ84、86、90、94、98、112、第1〜第3の開閉バルブ100、102、104、ヒータ62、真空ポンプ114、ボート回転機構116及び、ボート昇降機構(図示略)に接続されている。コントローラ120は、第1〜第3のマスフローコントローラ82a、82b、82c、の流量調整、第1〜第5のバルブ84、86、90、94、98、、第1〜第3の開閉バルブ100、102、104の開閉動作、第6のバルブ112の開閉及び圧力調整動作、ヒータ62の温度調節、真空ポンプ114の起動・停止、ボート回転機構116の回転速度調節及び、ボート昇降機構の昇降動作制御、を行う。
〔半導体デバイスの製造方法〕
次に、半導体デバイスの製造方法について、説明する。
まず、図4及び図5を用いて、結晶構造の変化と、誘電率の関係について述べる。図4はハフニウム酸化物の結晶構造の概略図を示し、図5は、ハフニウム酸化物の相転移に伴う表面積の変化の模式図を示す。以下ではハフニウム酸化膜について主に記載するが、ハフニウム酸化膜に限らず、ジルコニウム酸化膜やその他の高誘電率膜についても同様のことがいえる。
従来、キャパシタ絶縁膜等としてハフニウム酸化膜やジルコニウム酸化膜等を形成する場合、一般に膜の結晶構造が単斜晶系(monoclinic)となり、誘電率が低い膜となる。ここで、正方晶系(tetragonal)と単斜晶系を比較すると、正方晶系は単斜晶系よりも分子体積が小さくなり、内部の分極子密度が上がる。すると、表面積が減少するので電荷密度が上がり、誘電率がより高くなる(図4及び図5参照)。このように、誘電率は結晶構造の相転移に伴い変化する。
形成した膜をアニーリング(熱処理)すると、結晶構造はアモルファスから正方晶系へと相転移する。しかし、純粋なアモルファスのハフニウム酸化膜から正方晶系への相転移を達成するためには、アニール温度を1670℃と高温にする必要がある。しかし、減圧処理を行う熱処理炉は、一般的に1000℃までの耐性しかないという問題があるため、より低温で処理を行うことが好ましい。
ところで、第1の元素(例えばHf)を含む第1の膜に、第1の元素とは異なる第2の元素(例えばAl)を添加(ドーピングもしくはラミネート)させると、第1の膜に対するその混在比に応じて相転移温度が変化する。具体的には、純粋な第1の膜と比較して、ドーピングを行なった混合膜(積層膜)の方がより低いアニール温度で相転移を実現することが可能となる。さらに、アニーリングする前の混合膜は、単斜晶系ではなくアモルファスとする必要がある。その理由は、単斜晶系は安定した構造を有するため、正方晶系へと相転移しないためである。アモルファスの状態からアニール温度を制御することによって、各系へと選択成長させることが可能となる。
従って、第1の元素を含む第1の膜に、第1の元素とは異なる第2の元素をドーピングしてアモルファス混合膜を形成し、このアモルファス混合膜をアニーリングすることにより相転移させて正方晶系混合膜を形成することによって、低温にて第2の元素が混合されていない純粋な単斜晶膜よりも高誘電率を有する膜を形成することが出来る。そして、この膜を用いて高誘電率及び高温状態で安定したキャパシタ絶縁膜等を達成することが可能となる。
図6は、本実施形態におけるDRAM素子1の形成フローの概略図を示し、図7は、本実施形態により形成されるDRM素子1の構成図を示す。
ここでは、基板上に第1〜第3の膜であるアルミニウム酸化膜、ハフニウムアルミニウム酸化膜及びチタン酸化膜を形成する工程として、ALD(Atomic Layer Depositon)法を使用した処理例により、DRAM素子2の形成方法について説明する。
本実施形態では、まず基板(ウエハ14)上に下電極155を形成する(S100)。そして、下電極155界面に第1の膜としてアルミニウム酸化膜(AlOx膜)160を形成する工程(S200)と、アルミニウム酸化膜上に第2の膜としてハフニウムアルミニウム酸化膜(HfAlOx膜)165を形成する工程(S300)と、ハフニウムアルミニウム酸化膜165が形成されたウエハ14をアニーリング(熱処理)する工程(S400)と、アニーリングされたハフニウムアルミニウム酸化膜165上に第3の膜としてチタン酸化膜(TiO膜)170を形成する工程(S500)と、チタン酸化膜170が形成された基板(ウエハ14)をアニーリングする工程(S600)と、を行なってキャパシタ絶縁膜を形成した後、キャパシタ絶縁膜の上に上電極175を形成する(S700)。このようにして、DRAM素子2を形成することが出来る。
成膜材料である原料ガスとしては、Hf含有ガスとして、例えばTEMAH(テトラキスエチルメチルアミノハフニウム、Hf(NEtMe))、Hf(O−tBu)、TDMAH(テトラキスジメチルアミノハフニウム、Hf(NMe)、TDEAH(テトラキスジエチルアミノハフニウム、Hf(NEt)、Hf(MMP)、ハフニウム四塩化物(HfCl)等を使用することができる。Zr含有ガスとしては、例えばZr(NEtMe)、Zr(O−tBu)、Zr(NMe、Zr(NEt、Zr(MMP)等を使用することができる。Al含有ガスとしては、例えばTMAを使用することができ、Ti含有ガスとしては、例えば四塩化チタン(TiCl)等を用いることができる。上記化学式中、「Et」はCを、「Me」はCHを、「O−tBu」はOC(CHを、「MMP」はOC(CHCHOCHをそれぞれ表している。
なお、酸化剤としては、例えばHOやO等を用いることができる。
CVD(Chemical Vapor Deposition)法の一つであるALD法は、所定の成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる少なくとも2種類の原料となる反応性ガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子層単位で基板上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。このとき、膜厚の制御は、反応性ガスを供給するサイクル数で行う。例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、成膜処理を20サイクル行う。
上述の基板処理装置10の処理炉40を用いて、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜を成膜する方法の例について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ120により制御される。
(1)下電極155の形成工程(S100)
ステップ100(S100)において、ウエハ14上に下電極155として例えばTiN(チタン窒化)膜を形成する。この下電極を形成する工程は、キャパシタ絶縁膜を形成する処理炉40とは異なる処理炉(図示略)にて行う。
(2)アルミニウム酸化膜の形成工程(S200)
ステップ200(S200)において、下電極155界面に第1の膜としてアルミニウム酸化膜を形成する。図8は、本実施形態のアルミニウム酸化膜160の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミング図である。横軸に各ガスを供給する時間(タイミング)、縦軸に各ガスを供給又は除去する割合を示す。
本実施形態では、アルミニウム酸化膜を形成するAl含有原料として、TMAを用いる場合について述べる。酸化剤(O含有ガス)としては、HOがより好ましいが、下電極155のTiN膜が酸化されないおおよそ200 g/N・m以下の低濃度のOを用いても良い。
下電極155が形成された複数枚のウエハ14をボート38に装填し、処理室70に搬入する。ボート38を処理室70に搬入後、後述する4つのステップ(S205〜S220)を順に実行し、所定膜厚のアルミニウム酸化膜が形成されるまで、これらのステップの処理を繰り返し実行する。
(ステップ205)
ステップ205(S205)において、TMAガスを流す。TMAは常温で液体であり、処理室70に供給するには、加熱して気化させてから供給する方法及び、キャリアガスと呼ばれるHe(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、N(窒素)などの不活性ガスをTMA容器88の中に通し、気化している分をそのキャリアガスと共に処理室70へと供給する方法などがある。本実施形態では、後者のケースを例として説明する。
まず、キャリアガス供給管76bに設けた第2のバルブ86、TMA容器88と処理室70の間に設けられた第3のバルブ90及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開ける。これにより、キャリアガス供給管76bから、第2のマスフローコントローラ82bにより流量調節されたキャリアガスが、TMA容器88の中を通り、TMAとキャリアガスの混合ガスとして、合流タイプガス供給ノズル78のガス供給孔から処理室70に供給しつつ、ガス排気管110から排気される。
TMAガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調整して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば60Paに維持する。第2のマスフローコントローラ82bで制御するキャリアガスの供給流量は1slm以下である。TMAを供給するための時間は10秒に設定する。その後さらに吸着させるため上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を0〜10秒に設定しても良い。このときのウエハ温度は、150〜250℃の範囲であって、例えば250℃である。
同時に、ガス供給管76aの途中につながっている不活性ガスのライン76e及び、ガス供給管76cの途中につながっている不活性ガスのライン76fから、第2の開閉バルブ102及び第3の開閉バルブ104を開けて不活性ガスを流すと、O側および第3のガス供給管76c側にTMAガスが回り込むことを防ぐことができる。
このとき、処理室70内に流しているガスは、TMAとN、Ar等の不活性ガスのみであり、Oは存在しない。したがって、TMAは気相反応を起こすことはなく、ウエハ14上のTiN電極等の表面部分と表面反応(化学吸着)して、原料(TMA)の吸着層またはAl層(以下、Al含有層)を形成する。TMAの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Al層とは、Alにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるAl薄膜をも含む。尚、Alにより構成される連続的な層をAl薄膜という場合もある。
(ステップ210)
ステップ210(S210)において、成膜後、第3のバルブ90を閉じ、第6のバルブ112を開けて処理室70を真空排気し、残留するTMAの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、このときN等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76a、TMA供給ラインである第2のガス供給管76b及び、第3のガス供給管76cそれぞれから、処理室70に供給してパージすると、さらに残留するTMAの成膜に寄与した後のガスを処理室70から排除する効果が高まる。
(ステップ215)
ステップ215(S215)において、Oガスを流す。まず第1のガス供給管76aに設けた第1のバルブ84及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開けて、第1のガス供給管76aから第1のマスフローコントローラ82aにより流量調整されたOガスを、合流タイプガス供給ノズル78のガス供給孔から処理室70に供給しつつガス排気管110から排気する。Oガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調節して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。第1のマスフローコントローラ82aで制御するOの供給流量は250g/mの濃度で15slmである。Oにウエハ14を晒す時間は20秒間である。このときのヒータ62温度はウエハの温度が150〜250℃の範囲であって、例えば250℃になるよう設定してある。
同時に、ガス供給管76bの途中につながっている不活性ガスのライン76d及び、ガス供給管76cの途中につながっている不活性ガスのライン76fから、第1の開閉バルブ100及び第3の開閉バルブ104を開けて不活性ガスを流すと、TMA側および第3のガス供給管76c側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
の供給により、ウエハ14上に化学吸着したAl含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ14上にアルミニウム酸化膜160が成膜される。
(ステップ220)
ステップ220(S220)において、成膜後、第1のバルブ84を閉じ、第6のバルブ112を開けて処理室70を真空排気し、残留するOの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、このときN等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76a、TMA供給ラインである第2のガス供給管76b及び、第3のガス供給管76cそれぞれから、処理室70に供給してパージすると、残留するOの成膜に寄与した後のガスを処理室70から排除する効果がさらに高まる。
上記ステップ205〜220(S205〜S220)を1サイクルとし、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、ウエハ14上に所定膜厚のアルミニウム酸化膜を成膜する。好適には、アルミニウム酸化膜を0.5〜5Åの膜厚となるよう形成する。
ステップ210(S210)及びステップ220(S220)で処理室70内を排気してOガスを除去してからTMAを流すので、両者はウエハ14に向かう途中で反応しない。供給されたOは、ウエハ14に吸着しているTMAとのみ有効に反応させることができる。
(3)α-ハフニウムアルミニウム酸化膜の形成工程(S300)
ステップ300(S300)において、アルミニウム酸化膜上に、α−ハルニウムアルミニウム酸化膜を形成する。図9は、本実施形態のα−ハフニウムアルミニウム酸化膜の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミング図を示す。図9の横軸に各ガスを供給する時間(タイミング)、縦軸に各ガスを供給する割合を示す。
まず、処理室70内にHf含有ガスを供給する工程(S305)と、処理室70内に残留するHf含有ガスを除去する工程(S310)と、処理室70内にO含有原料を供給する工程(S315)と、処理室70内に残留するO含有原料を除去する工程(S320)と、を1サイクルとして、少なくとも1回以上行うことで、ウエハ14上に所定膜厚のα−ハフニウム酸化膜を形成する。このとき、所定の厚さのα−ハフニウム酸化膜を形成する毎に、所定の厚さのアルミニウム酸化膜を形成するシーケンスを行うことで、α−ハフニウム酸化膜中にアルミニウム酸化膜を所定の濃度で混在させる。
尚、形成されるハフニウム酸化膜がα-ハフニウム酸化膜(アモルファスハフニウム酸化膜)となるよう、基板の加熱温度を単斜晶系の結晶が発生しない温度に設定する。また、α−ハフニウム酸化膜中のアルミニウム酸化膜の濃度は、α−ハフニウム酸化膜形成サイクル中に上記(2)のアルミニウム酸化膜形成サイクル(S200)を挿入する割合によって所望の値に設定するが、特に、アニール温度が600℃程度の場合は1〜10%の範囲となるよう設定することが好ましい。より好適には8%以上とするとほぼ100%正方晶系へと相転移させることが出来る。また、アニール温度が700℃程度の場合はアルミニウム酸化膜の濃度を16%以上とすると良い。
このように、α−ハフニウム酸化膜とアルミニウム酸化膜が混在しており、後述するアニーリング処理前のものを、α−ハルニウムアルミニウム酸化膜と称す。
α− ハフニウム酸化膜を形成するHf含有原料として、TEMAHを用いる場合について述べる。酸化剤(O含有ガス)としては、HOやO等を用いることができる。特に、下電極155側から5〜20Å程度の膜厚においては、下電極155の酸化を抑制するために、HOや下電極155のTiN膜への酸化の影響が出ないおおよそ200 g/N・m以下の低濃度のOを用いることが好ましい。一方、下電極155への酸化の影響が出ない膜厚以降(例えば、20Å以上)は、膜中の不純物を低減させて膜質を向上させるために、200 g/N・m以上の高濃度のOを用いることが好ましい。
α−ハフニウムアルミニウム酸化膜の形成方法のうち、まず、α−ハフニウム酸化膜を形成する手順について説明する。後述する4つのステップ(S305〜S320)を順に実行し、所定膜厚のハフニウム酸化膜が形成されるまでこれらのステップの処理を繰り返し実行する。
(ステップ305)
ステップ305(S305)において、TEMAHガスを流す。TEMAHはTMAと同じく常温で液体であるため、処理室70に供給するには加熱して気化させてから供給する方法や、キャリアガスと共に処理炉40へと供給する方法があるが、ここではTMAと同じく後者のケースで説明する。
まずキャリアガス供給管76cに設けた第4のバルブ94、TEMAH容器96と処理室70の間に設けられた第5のバルブ98及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開ける。これにより、キャリアガス供給管76cから第3のマスフローコントローラ82cにより流量調節されたキャリアガスが、TEMAH容器96の中を通り、TEMAHとキャリアガスの混合ガスとして、分離タイプガス供給ノズル80のガス供給孔から処理室70に供給しつつガス排気管110から排気される。
TEMAHガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調整して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。第3のマスフローコントローラ82cで制御するキャリアガスの供給流量は5slmである。TEMAHを供給するための時間は1〜120秒設定する。その後さらに吸着させるため上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を0〜4秒に設定しても良い。このときのウエハ14の温度は、成膜中に単斜晶系の結晶が発生せずアモルファスとなる程度の150〜250℃の範囲であって、例えば250℃である。
同時に、ガス供給管76aの途中につながっている不活性ガスのライン76eおよび、ガス供給管76bの途中につながっている不活性ガスのライン76dから、第1の開閉バルブ100及び第2の開閉バルブ102を開けて不活性ガスを流すと、O側およびTMA側にTEMAHガスが回り込むことを防ぐことができる。
このとき、処理室70内に流しているガスは、TEMAHとN、Ar等の不活性ガスのみであり、Oは存在しない。したがって、TEMAHは気相反応を起こすことはなく、ウエハ14上に形成されたアルミニウム酸化膜と表面反応(化学吸着)して、原料(TEMAH)の吸着層またはHf層(以下、Hf含有層)を形成する。TEMAHの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Hf層とは、Hfにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるHf薄膜をも含む。尚、Hfにより構成される連続的な層をHf薄膜という場合もある。
(ステップ310)
ステップ310(S310)において、成膜後、第5のバルブ98を閉じ、第6のバルブ112を開けて処理室70を真空排気し、残留するTEMAHの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、このときN等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76a、TMA供給ラインである第2のガス供給管76b及び、TEMAH供給ラインである第3のガス供給管76cそれぞれから、処理室70に供給してパージすると、残留するTEMAHの成膜に寄与した後のガスを処理室70から排除する効果がさらに高まる。
(ステップ315)
ステップ315(S315)において、Oガスを流す。まず第1のガス供給管76aに設けた第1のバルブ84及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開けて、第1のガス供給管76aから第1のマスフローコントローラ82aにより流量調整されたOガスを、合流タイプガス供給ノズル78のガス供給孔から処理室70に供給しつつガス排気管110から排気する。Oガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調節して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。第1のマスフローコントローラ82aで制御するOの供給流量は250g/mで15slmである。Oにウエハ14を晒す時間は120秒間である。このときのヒータ62温度は、ウエハ14の温度が、成膜中にハフニウム酸化膜中に単斜晶系の結晶が発生せずアモルファスとなるような150〜250℃の範囲の所定の温度は250℃になるよう設定してある。
同時に、ガス供給管76cの途中につながっている不活性ガスのライン76fおよび、ガス供給管76bの途中につながっている不活性ガスのライン76dから、第1の開閉バルブ100及び第3の開閉バルブ104を開けて不活性ガスを流すと、TEMAH側およびTMA側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
の供給により、ウエハ14上に化学吸着したHf含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ14上にハフニウム酸化膜が成膜される。
(ステップ320)
ステップ320(S320)において、第1のガス供給管76aの第1のバルブ84を閉めて、Oの供給を止める。また、ガス排気管110の第6のバルブ112は開いたままにし真空ポンプ114により、処理室70を20Pa以下に排気し、残留Oを処理室70から排除する。また、このときN等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76a、TMA供給ラインである第2のガス供給管76b及び、TEMAH供給ラインである第3のガス供給管76cそれぞれから、処理室70に供給してパージすると、残留Oを排除する効果がさらに高まる。
上記ステップ305〜320(S305〜S320)を1サイクルとし、少なくとも1回以上行うことによりウエハ14上に所定膜厚のα-ハフニウム酸化膜を成膜する。
所定膜厚までα-ハフニウム酸化膜を形成する毎に、上記(2)に示すアルミニウム酸化膜形成サイクル(S200)を行なって、α-ハフニウム酸化膜中にアルミニウム酸化膜(例えば膜厚0.7〜1.5Å)を添加(ドーピング)する。好適には、α-ハフニウム酸化膜中にアルミニウム酸化膜が1〜10%程度混在するようにアルミニウム酸化膜の濃度を制御する。好適には、所定回数α-ハフニウム酸化膜形成サイクルを行う毎に、1サイクルもしくは2サイクルのアルミニウム酸化膜形成サイクルを行う。α-ハフニウムアルミニウム酸化膜の膜厚は所望するキャパシタの膜厚によるが、例えば30〜100Åの膜厚となるまで成膜を行う。
また、α-ハフニウム酸化膜にアルミニウム酸化膜を添加してα-ハフニウムアルミニウム酸化膜を形成する際、成膜サイクルの終端として、アルミニウム酸化膜を形成することが好ましい。その理由は、後述する正方晶系のハフニウム酸化膜上に、誘電率の高いルチル型あるいはブルカイト型のチタン酸化膜を形成する際、Hfよりイオン半径の小さいAlを添加する量を制御することで、正方晶系の結晶格子サイズをルチル型あるいはブルカイト型のチタン酸化膜の結晶格子サイズに近似させることが可能となるからである。
(4)正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜の形成工程(S400)
ステップ400(S400)におて、上記(3)でウエハ14上に形成したα-ハフニウムアルミニウム酸化膜をアニーリング(熱処理)することで、α−ハフニウムアルミニウム酸化膜をアモルファスから正方晶系へと相転移させる。処理室70内には、窒素(N)、アルゴン(Ar)、水素(H)、酸素(O)等の処理ガスを供給する。各プロセスに応じてガス種を変えて用いるが、本実施形態では、Nを用いた処理例を説明する。
尚、本工程は、処理炉40とは異なる処理炉(非図示)にて実施する。その際、処理炉としては例えばランプを用いた処理炉で行う。このときのヒータ温度は、ウエハ14の温度が、成膜中にα-ハフニウムアルミニウム酸化膜がアモルファスから正方晶系へと結晶化するような温度である400〜700℃の範囲の所定の温度であって、好適には600℃になるよう設定してある。
得られた正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜の比誘電率kは、膜中のAlの濃度に応じて高くなり、ハフニウム酸化膜のk=15〜40やアルミニウム酸化膜のk=6〜13よりも高い値であって、例えばk=40などという値が得られる。
(5)α-チタン酸化膜の形成工程(S500)
ステップ500(S500)において、上記(4)でウエハ14をアニーリングすることにより正方晶系となったハフニウムアルミニウム酸化膜の上に、誘電率の高いルチル系のα(アモルファス)−チタン酸化膜を形成する。
チタン酸化膜を形成する処理炉を有する基板処理装置は、ハフニウムアルミニウム酸化膜を形成する処理炉を有する基板処理装置とは異なる別の装置を用いる。すなわち、正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜を形成した後に、基板処理装置から搬出し、新たにチタン酸化膜を形成するための基板処理装置内に搬入する(詳細な手順は省略する)。
図10は、ハフニウムアルミニウム酸化膜を形成する処理炉(以下、HfAlOx用処理炉40)とは異なる、チタン酸化膜を形成する処理炉(以下、TiOx用処理炉190)の概略図を示す。HfAlOx用処理炉40(図3参照)と異なる主な点は、HfAlOx用処理炉40ではガス供給ノズルとして合流タイプガス供給ノズル78と分離タイプガス供給ノズル80の2本のガス供給ノズルが設けられていたが、TiO用処理炉190では、分離タイプガス供給ノズル80、192が2本設けられる点である。HfAlOx用処理炉40(図3参照)とTiOx用処理炉190(図10参照)では、その他、Al含有ガスを供給するガス供給管76bに関連する箇所が無いだけで、使用する図番号は同じものである。Hf含有ガスの代わりにTi含有ガスがガス供給ノズル80から処理室70内に供給され、Al含有ガスを供給するガス供給管が接続されていないガス供給ノズル233ガス供給ノズル192からO含有ガスが供給される。
図11は、本実施形態のα−チタン酸化膜の成膜シーケンスにおけるガス供給のタイミングを示す図である。横軸に各ガスを供給する時間(タイミング)、縦軸に各ガスを供給する割合を示す。以下では、Ti含有ガスとして例えば四塩化チタン(TiCl)を用いて説明する。酸化剤としてのO含有ガスは、HOもしくは高濃度Oが好ましく、以下ではOを用いて説明する。
チタン酸化膜の成膜シーケンスでは、後述する4つのステップ(S505〜S520)を順に実行し、所定膜厚のチタン酸化膜が形成されるまでこれらのステップの処理を繰り返し実行する。
(ステップ505)
ステップ505(S505)において、四塩化チタンガスを流す。四塩化チタンはTMA、TEMAHと同じく常温で液体であるため、処理室70に供給するには加熱して気化させてから供給する方法や、キャリアガスと共に処理炉へと供給する方法があるが、ここではTMA、TEMAHと同じく後者のケースで説明する。
まず、キャリアガス供給管76cに設けた第4のバルブ94、四塩化チタン容器194と処理室70の間に設けられた第5のバルブ98及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開ける。これにより、キャリアガス供給管76cから、第3のマスフローコントローラ82cにより流量調節されたキャリアガスが、四塩化チタン容器194の中を通り、四塩化チタンとキャリアガスの混合ガスとして、ガス供給ノズル192のガス供給孔から処理室70に供給しつつガス排気管110から排気される。
四塩化チタンガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調整して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば100Paに維持する。第3のマスフローコントローラ82cで制御するキャリアガスの供給流量は3slmである。四塩化チタンを供給するための時間は40秒設定する。その後さらに吸着させるため、上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を0〜4秒に設定しても良い。このときのウエハ温度は、成膜された膜が単斜晶系とならずアモルファスとなるような温度である150〜500℃の範囲であって、例えば450℃に設定する。
このとき、処理室70内に流しているガスは、四塩化チタンとN、Ar等の不活性ガスのみであり、Oは存在しない。したがって、四塩化チタンは気相反応を起こすことはなく、ウエハ14上に形成された正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜と表面反応(化学吸着)して、原料(四塩化チタン)の吸着層またはTi層(以下、Ti含有層)を形成する。四塩化チタンの吸着層とは、原料分子の連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。Ti層とは、Tiにより構成される連続的な層の他、これらが重なってできるTi薄膜をも含む。尚、Tiにより構成される連続的な層をTi薄膜という場合もある。
同時に、ガス供給管76aの途中につながっている不活性ガスのライン76eから、第2の開閉バルブ102を開けて不活性ガスを流すと、O側に四塩化チタンガスが回り込むことを防ぐことができる。
(ステップ510)
ステップ510(S510)において、成膜後、第5のバルブ98を閉じ、第6のバルブ112を開けて処理室70を真空排気し、残留する四塩化チタンの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、この時にはN等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76aおよび四塩化チタン供給ラインである第3のガス供給管76cからそれぞれ処理室70に供給してパージすると、さらに残留する四塩化チタンの成膜に寄与した後のガスを処理室70から排除する効果が高まる。
(ステップ515)
ステップ515(S515)において、Oガスを流す。まず、第1のガス供給管76aに設けた第1のバルブ84及び、ガス排気管110に設けた第6のバルブ112を共に開けて、第1のガス供給管76aから第1のマスフローコントローラ82aにより流量調整されたOガスを、ガス供給ノズル192のガス供給孔から処理室70に供給しつつガス排気管110から排気する。
ガスを流すときは、第6のバルブ112を適正に調節して処理室70内圧力を30〜500Paの範囲であって、例えば130Paに維持する。第1のマスフローコントローラ82aで制御するOの供給流量は250g/mで15slmである。Oにウエハ14を晒す時間は60秒間である。このときのヒータ62温度は、ウエハの温度が、成膜中にチタン酸化膜中に単斜晶系の結晶が発生せずアモルファスとなるような150〜500℃の範囲の所定の温度であって450℃になるよう設定してある。α−チタン酸化膜の成膜温度は、リーク電流を小さくするため450度以下とすることが、より好ましい。ハフニウムアルミニウム酸化膜(HfAlO)やジルコニウム酸化膜(ZrO)をチタン酸化膜(TiO)の下地とする場合、450℃付近からハフニウム(Hf)又はジルコニウム(Zr)が、チタン酸化膜中に相互拡散し、リークストッパとなるハフニウムアルミニウム酸化膜やジルコニウム酸化膜が、リーク電流の大きいHfAlTiOxのような膜となってしまうためである。
同時に、ガス供給管76cの途中につながっている不活性ガスのライン76fから、第3の開閉バルブ104を開けて不活性ガスを流すと、四塩化チタン側にOガスが回り込むことを防ぐことができる。
の供給により、ウエハ14上に化学吸着したTi含有層とOが表面反応(化学吸着)して、ウエハ14上にα−チタン酸化膜が成膜される。
(ステップ520)
ステップ520(S520)において、第1のガス供給管76aの第1のバルブ84を閉めて、Oの供給を止める。また、ガス排気管110の第6のバルブ112は開いたままにし真空ポンプ114により、処理室70を20Pa以下に排気し、残留Oを処理室70から排除する。このとき、N等の不活性ガスを、O供給ラインである第1のガス供給管76aおよび四塩化チタン供給ラインである第3のガス供給管76cからそれぞれ、処理室70に供給してパージすると、残留Oを排除する効果がさらに高まる。
上記ステップ505〜520(S505〜S520)を1サイクルとし、少なくとも1回以上行うことによりウエハ14上に所定膜厚のα-チタン酸化膜を成膜する。例えば、40〜100Åの膜厚となるまで成膜を行う。
(6)正方晶系のチタン酸化膜の形成工程(S600)
ステップ600(S600)において、上記(5)でウエハ14上に形成したα-チタン酸化膜をアニーリング(熱処理)することで、チタン酸化膜をアモルファスから正方晶系へと相転移させる。処理室70内には、窒素(N)、アルゴン(Ar)、水素(H)、酸素(O)等の処理ガスを供給する。本実施形態では、Nを用いた処理例を説明する。
尚、本工程は、処理炉190とは異なる処理炉(非図示)にて実施する。その際、処理炉としては例えばランプを用いた処理炉で行う。このときのヒータ温度は、ウエハの温度が、成膜中にα-チタン酸化膜がアモルファスから正方晶系へと結晶化するような400〜700℃の範囲の所定の温度であって、好適には600℃以下になるよう設定してある。より好ましくは、450℃以下となるように設定する。
得られた正方晶系(rutile、ルチル)のチタン酸化膜の誘電率は、斜方晶系(brookite、ブルカイト)のチタン酸化膜の誘電率(約80)より高く、例えば100という値が得られる。
上記の(2)から(6)(S200〜S600)を行うことで、電極界面の酸化・ミキシングを防止し、また、正方晶系ハフニウム酸化膜低温成膜技術、ルチル型チタン酸化膜低温成膜技術を組み合わせて、キャパシタ絶縁膜が形成される。
(7)上電極の形成工程(S700)
ステップ700(S700)において、上記のキャパシタ絶縁膜の上に上電極175を形成する。
(1)から(7)(S100〜S700)を行うことにより、本実施形態におけるDRAM素子2が形成される(図7参照)。
上記のように、ウエハ14上に下電極155を形成(S100)し、その下電極155上に、アルミニウム酸化膜160を形成し(S200)、正方晶系ハウニウムアルミニウム酸化膜165を形成し(S300、S400)、さらにその上に正方晶系のチタン酸化膜170を形成することで(S500、S600)、高誘電率及び高温で安定したキャパシタ絶縁膜を形成することにより、50nm以下の高集積DRAM素子2を形成することが可能となる。
図12は、本実施形態におけるハルフニウムアルミニウム酸化膜(以下、HfAlOx膜)165上に形成されたチタン酸化膜(以下、TiO膜)170のラマン測定結果を示す。これより、TiO膜170を形成するチタン酸化物(以下、TiO)がルチル結晶相及びブルカイト結晶相として形成されていることが確認される。
このように、HfAlOx上にTiOを形成することで、より低温の成膜処理でルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相を形成することができる。
ルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相のTiOが形成される要因について説明する。図13は、HfO(ハフニウム酸化物)、HfAlOx及びTiOの、各結晶相における格子定数(a軸)を示す。なお、HfAlOxでは、Hfよりもイオン半径の小さなAlが添加されているため、格子定数はHfOよりも小さなものとなる。
図13に示すように、HfAlOxの格子定数(<5.09〜5.28Å)は、TiOのアナターゼ結晶相(3.78Å)よりも、ブルカイト結晶(5.45Å)及びルチル結晶(4.59Å)の格子定数に近い値となる。このため、HfAlOx上で形成されるTiOは、ブルカイト結晶あるいはルチル結晶いずれかの結晶としての成長が促される。
図14は、本実施形態により形成された素子のリーク電流についての電圧電流特性の結果を示す。これより、リーク電流は、±1Vで5.0×10−7以下となることが確認される。また、酸化膜換算膜厚1.37nmにおいて、誘電率は、HfAlOxを29とした場合、TiOでは90と評価された。
このように、高い誘電率のTiOを形成することができる。
なお、上記実施形態に限らず、上記(3)においてHfO膜にAlOx膜を添加せず、HfO膜上にTiO膜を形成することもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の他の実地形態として第2の実施形態について説明する。本実施形態で好適に使用する基板処理装置として、第1の実施形態で説明したものを使用することができるため、共通の箇所は省略する。第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、Hf含有ガスの代わりにZr含有ガスを用いる点である。
図15は、本実施形態により形成されるDRM素子2の構成図を示す。
第2実施形態においては、HfAlOx165膜の代わりにジルコニウムアルミニウム酸化膜(以下、ZrAlOx膜)180が形成される。純粋な(単斜晶系の)ジルコニウム酸化膜の比誘電率はk=25であって、単斜晶系のハフニウム酸化膜の比誘電率より高い場合が多く、従って、Hf含有ガスの代わりにZr含有ガスを用いることで、より高誘電率の膜を得ることが出来る。
例えば、Zr含有ガスとしてTEMAZを用い、酸化剤としてOを(HOなど他のO含有ガスも適用可能である)用いた場合、比誘電率は40という値が得られる。
図16は、本実施形態におけるZrAlOx膜180上に形成されたTiO膜170のラマン測定結果を示す。これより、TiO膜170を形成するチタン酸化物(以下、TiO)がルチル結晶相及びブルカイト結晶相として形成されていることが確認される。
このように、ZrAlOx上にTiOを形成することで、より低温の成膜処理でルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相を形成することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の他の実地形態として第3の実施形態について説明する。本実施形態で好適に使用する基板処理装置として、第1の実施形態で説明したものを使用することができるため、共通の箇所は省略する。
図14(a)は、本実施形態により形成されるDRM素子3の構成図を示す。
第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、チタン酸化膜の代わりにチタンアルミニウム酸化膜を形成する点である。
第3の実施形態では、第1の実施形態の(1)から(4)(S100〜S400)までを行い、下電極155の上に形成したアルミニウム酸化膜160及び正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜165を形成する。
次いで、第1の実施形態の(5)(S500)を行う。ここで、ステップ505〜520(S505〜S520)を1サイクルとし、少なくとも1回以上行うことによりウエハ14上に所定膜厚のα-チタン酸化膜を成膜する。
所定膜厚までα-チタン酸化膜を形成する毎に、上記(2)に示すアルミニウム酸化膜形成サイクル(S200)を行なって、α-チタン酸化膜中にアルミニウム酸化膜を添加(ドーピング)する。好適には、α-チタン酸化膜中にアルミニウム酸化膜が1〜10%程度混在するようにアルミニウム酸化膜の濃度を制御する。好適には、所定回数α-チタン酸化膜酸化膜形成サイクルを行う毎に、1サイクルもしくは2サイクルのアルミニウム酸化膜形成サイクルを行う。α-チタンアルミニウム酸化膜の膜厚は所望するキャパシタの膜厚によるが、例えば30〜100Åの膜厚となるまで成膜を行う。
その後、第1の実施形態の(6)及び(7)(S600及びS700)を行い、DRAM素子3を形成する。このように、TiO膜170の代わりにTiAlOx膜185とすることも可能である。
[第4の実施形態]
本発明の他の実地形態として第4の実施形態について説明する。第4の実施形態において、第3の実施形態と異なる点は、Hf含有ガスの代わりにZr含有ガスを用いる点である。
図14(b)は、本実施形態により形成されるDRM素子4の構成図を示す。このように、第3実施形態におけるHfAlOx膜165の代わりにZrAlOx膜180を形成することも可能である。
[第5の実施形態]
次に、本発明の他の実地形態として第5の実施形態について説明する。本実施形態で好適に使用する基板処理装置として、第1の実施形態で説明したものを使用することができるため、共通の箇所は省略する。
図15(a)は、本実施形態により形成されるDRM素子5の構成図を示す。
第5の実施形態において、第3の実施形態と異なる点は、チタンアルミニウム酸化膜185と上電極175の間にHfAlOx膜165を形成する点である。
第5の実施形態では、第3の実施形態と同様に、第1の実施形態の(1)から(4)(S100〜S400)までを行い、上記(5)(S500)において、所定膜厚までα−チタン酸化膜を形成する毎にアルミニウム酸化膜を形成する。このようにして、下電極155上にHfAlOx膜165及びTiAlOx膜185を形成する。
次いで、上記(3)及び(4)(S300及びS400)を行い、TiAlOx膜185上にHfAlOx膜165さらに形成する。
[第6の実施形態]
本発明の他の実地形態として第6の実施形態について説明する。第6の実施形態において、第5の実施形態と異なる点は、Hf含有ガスの代わりにZr含有ガスを用いる点である。
図15(b)は、本実施形態により形成されるDRM素子6の構成図を示す。このように、第5実施形態におけるHfAlOx膜165の代わりにZrAlOx膜180を形成することも可能である。
[本発明の好ましい態様]
以下に、本発明の好ましい他の態様について付記する。
本発明の一態様によれば、半導体基板に形成されたTiN下部電極上に立方晶系ZrO(又はZrAlOx)、立方晶系HfO(HfAlOx)、正方晶系ZrO(又はZrAlOx)、正方晶系HfO(HfAlOx)の少なくともいずれかの誘電体膜を形成し、450℃以下の処理温度で、ルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相のTiO(TiAlOx)誘電体膜を形成する半導体デバイスの製造方法及びこのように形成された膜を備えた半導体デバイスが提供される。
本発明の他の一態様によれば、半導体基板に形成されたTiN下部電極上に立方晶系ZrO(又はZrAlOx)、立方晶系HfO(HfAlOx)、正方晶系ZrO(又はZrAlOx)、正方晶系HfO(HfAlOx)の少なくともいずれかの誘電体膜を形成時に、立方晶系あるいは正方晶系を維持したまま、前記誘電体膜の最上層に膜厚0.75〜1.5Åのアルミニウム酸化膜を形成し、次いで、450℃以下の処理温度で、ルチル結晶相あるいはブルカイト結晶相のTiO(TiAlOx)誘電体膜を形成する半導体デバイスの製造方法及びこのように形成された膜を備えた半導体デバイスが提供される。
また、本発明には、以下のような実施形態も含まれる。
(1)450℃以下に加熱しつつ基板にルチル又はブルカイトのTiO膜を形成する半導体装置の製造方法。
(2)上記(1)に記載の製造方法であって、前記TiO膜は、基板に下部電極として形成したTiN膜の上に形成する。
(3)基板に下部電極としてTiN膜を形成する第1の工程と、前記下部電極の上に、HfAlOx膜又はZrAlOx膜を形成する第2の工程と、前記HfAlOx膜又はZrAlOx膜の上に、ルチル又はブルカイトのTiO膜を形成する第3の工程と、を有し、前記第3の工程は450℃以下に前記基板を加熱しつつ行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(4)基板に下部電極としてTiN膜を形成する第1の工程と、前記下部電極の上に、HfAlOx又はZrAlOx膜を形成する第2の工程と、前記HfAlOx膜又はZrAlOx膜の上に、ルチル又はブルカイトのTiAlOx膜を形成する第3の工程と、を有し、前記第3の工程は450℃以下に前記基板を加熱しつつ行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)記載の製造方法のいずれかであって、前記HfAlOx膜又は前記ZrAlOx膜の結晶構造は、立方晶系又は正方晶系のいずれかである。
1 DRAM素子
10 基板処理装置
14 ウエハ
38 ボート
40 処理炉
70 処理室
155 下電極
160 アルミニウム酸化膜
165 ハフニウムアルミニウム酸化膜
170 チタン酸化膜
175 上電極

Claims (6)

  1. 基板にハフニウムアルミニウム酸化物又はジルコニウムアルミニウム酸化物を含む第1の絶縁膜を形成するステップと、
    前記第1の絶縁膜上に、ルチル型又はブルカイト型のチタン酸化物を含む第2の絶縁膜を形成するステップと、
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2の絶縁膜は、チタン酸化膜もしくはチタンアルミニウム酸化膜である請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記基板には、下部電極としてのチタン窒化物が形成されている請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ハフニウムアルミニウム酸化物又はジルコニウムアルミニウム酸化物の結晶構造は、立方晶系又は正方晶系のいずれかである請求項1乃至3いずれか記載の半導体装置の製造方法。
  5. 第1の処理室に、表面に立方晶系もしくは正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜又はジルコニウムアルミニウム酸化膜である第1の絶縁膜が形成された基板を搬入する第1のステップと、
    前記第1の処理室にチタン含有ガスと酸素含有ガスを含む複数のガスを供給して、前記第1の絶縁膜の上に、アモルファスであるチタン酸化物を含む第2の絶縁膜を形成する第2のステップと、
    前記第1の処理室から前記基板を搬出する第3のステップと、
    第2の処理室に、前記アモルファスであるチタン酸化物を含む第2の絶縁膜が形成された基板を搬入する第4のステップと、
    前記第2の絶縁膜が形成された基板を加熱して前記第2の絶縁膜を正方晶系もしくは斜方晶系のチタン酸化物である第3の絶縁膜へ結晶化させる第5のステップと、
    前記処理室から前記第3の絶縁膜が形成された基板を搬出する第6のステップと、
    を順に行う半導体装置の製造方法。
  6. 下電極の上に、立方晶系もしくは正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜又はジルコニウムアルミニウム酸化膜が形成され、前記正方晶系のハフニウムアルミニウム酸化膜又はジルコニウムアルミニウム酸化膜の上に正方晶系もしくは斜方晶系のチタン酸化物含有膜が形成され、前記正方晶系もしくは斜方晶系のチタン酸化物含有膜の上に上電極が形成された半導体装置。
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