JP5384307B2 - レーザ装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ装置に関するものである。
レーザ装置は、レーザ加工用途を含む様々な用途に用いられる。例えば、特許文献1には、小型化,高出力化および安定化の容易化を図ったレーザ装置が開示されている。このようなレーザ装置を用いて例えばガラスやシリコン等を加工することが行われている。
特開2008−021798号公報
ところで、本発明者の知見によれば、レーザ加工の対象物の材料によってパルスレーザ光のパルス幅の好適値が異なる場合がある。例えば、ガラスをレーザ加工する場合と、シリコンをレーザ加工する場合とでは、パルスレーザ光のパルス幅を異ならせることが好ましい。
このような場合、ガラス加工に好適なパルス幅のパルスレーザ光を出力するレーザ装置と、シリコン加工に好適なパルス幅のパルスレーザ光を出力するレーザ装置とを用意して、これら2つのレーザ装置を加工対象物の材料に応じて使い分ければよい。しかし、この場合には、全体の装置は大型のものとなる。各々のレーザ装置から別個に出力されるレーザ光を加工対象物まで導くための光学系の調整は容易ではない。
例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)またはMOEMS(Micro Opto Electro Mechanical Systems)の分野における素子の多くはガラスとシリコンとの接合体として構成される。異なるパルス幅のレーザ光を選択的に同軸上に出力することができる1台のレーザ装置を用いて、このような素子をダイシングすることができれば好ましい。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、異なるパルス幅のパルス光を選択的に同軸上に出力することができるレーザ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ装置は、(1) 共振光路上に設けられたレーザ媒質と、共振光路上に設けられレーザ媒質により光増幅される光を内部に入力して繰返し内部反射させた後に出力する透明媒質と、外部から光を共振光路上に取り込む光入力部と、レーザ媒質により光増幅された光を外部へ出力する光出力部と、を含む共振器と、(2) レーザ媒質に励起エネルギを供給する励起エネルギ供給部と、(3) 共振器の共振光路における光の往復時間より短いパルス幅を有するパルス種光を出力する種光源と、(4) 種光源から出力されるパルス種光の共振器内への導入および非導入の何れかを設定する種光導入部と、(5) 種光源から出力されたパルス種光の共振器内への導入が種光導入部により設定されているときにパルス種光を光入力部により共振光路上に取り込むタイミング、および、レーザ媒質により光増幅された光を光出力部により共振器の外部へ出力するタイミングを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係るレーザ装置は、(a) 種光源から出力されたパルス種光の共振器内への導入が種光導入部により設定されているときに、光入力部により共振光路上に取り込んだパルス種光をレーザ媒質により光増幅した後に当該光増幅したパルス光を光出力部により共振器の外部へ出力する再生増幅動作を行い、(b) 種光源から出力されたパルス種光の共振器内への非導入が種光導入部により設定されているときに、レーザ媒質により光増幅したパルス光を光出力部により共振器の外部へ出力するキャビティダンプ発振動作を行う、ことを特徴とする。
なお、共振器における光入力部および光出力部は、互いに別個の光学素子により構成されてもよいし、共通の光学素子により構成されてもよい。後者の場合、光入力部および光出力部を兼ねる光入出力部が設けられることになる。また、共振器へのパルス種光の入力と共振器からのパルス光の出力とは同軸上になることがあるが、その場合には入力パルス光と出力パルス光とを互いに分離するための分離部が共振器の外部に設けられる。
本発明に係るレーザ装置は、光出力部により共振器の外部へ出力されたパルス光のパルス幅を圧縮するパルス圧縮部を更に備えるのが好適である。また、本発明に係るレーザ装置では、種光源から出力されたパルス種光の共振器内への導入、非導入が種光導入部により切り替わるときに、制御部は、制御されるタイミングが切り替わり、再生増幅動作時、及びキャビティダンプ動作時において、外部へ出力されるタイミングを最適に制御するのが好適である。
本発明に係るレーザ装置は、異なるパルス幅のパルス光を選択的に同軸上に出力することができる。
本実施形態に係るレーザ装置1の概略構成を示す図である。 共振器の構成例を示す図である。 図2に示される共振器10Aを用いてキャビティダンプ発振動作を行ったときの出力パルス光の波形を示す図である。 図2に示される共振器10Aを用いて再生増幅動作を行ったときの出力パルス光の波形を示す図である。 透明媒質12の一例として透明媒質12Aの構成を示す図である。 透明媒質12Aにおける光の伝播の様子を示す斜視図である。 透明媒質12の他の一例として透明媒質12Bの構成を示す図である。 共振器10の一例としての共振器10Bの構成を示す図である。 透明媒質12Aの他の使用例を示す図である。 共振器10の他の一例としての共振器10Cの構成を示す図である。 加工システム2の構成および第1加工例を示す図である。 加工システム2の構成および第2加工例を示す図である。 加工システム2の構成および第3加工例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るレーザ装置1の概略構成を示す図である。この図に示されるレーザ装置1は、共振器10、励起エネルギ供給部20、種光源30、種光導入部40、分離部50、パルス圧縮部60および制御部70を備える。
共振器10は、レーザ媒質11、透明媒質12および光入出力部13を含む。共振器10の共振光路上に、レーザ媒質11、透明媒質12および光入出力部13が設けられており、また、複数枚のミラーが設けられている。レーザ媒質10は、励起エネルギ供給部20から供給される励起エネルギを受け取って励起されて、所定波長の光を光増幅することができる。レーザ媒質10は、例えば、チタンサファイア結晶、希土類元素(Yb,Er,Nd等)を添加された結晶、ガラスまたはセラミックからなる固体レーザ媒質、または、希土類元素をコア領域に添加された光ファイバである。
透明媒質12は、レーザ媒質11により光増幅される光を内部に入力して繰返し内部反射させた後に出力する。この透明媒質12は、レーザ媒質11により光増幅される光の波長において透明であることが好ましい。この透明媒質12の光入射面および光出射面には、反射低減膜が形成されているのが好適である。また、この透明媒質12において光を内部反射させる面は、光を全反射するのが好ましく、その為に、当該反射面への光入射角が臨界角以上であることが好ましく、或いは、当該反射面に高反射膜が形成されているのが好ましい。透明媒質12は、例えば、数cm角の小さいものであっても、10m以上の光路長を有することができる。
まお、透明媒質12としては、例えば合成石英などの固体媒質が好適に用いられる。合成石英は、紫外から赤外にかけての広い波長域で透明性が高く、さらに、熱膨張係数が小さいので熱的安定性にも優れている。その他にも、透明媒質12としては、ホウケイ酸ガラスやソーダ石灰ガラスなどの他のガラス材質や、サファイアやダイヤモンドなどの単結晶材質も好適に用いられ得る。
光入出力部13は、外部から光を共振光路上に取り込む光入力部と、レーザ媒質11により光増幅された光を外部へ出力する光出力部と、を兼ねるものである。この光入出力部13は、例えば音響光学結晶(AO結晶)や電気光学結晶(ポッケルスセル結晶)を含んで構成される。ポッケルスセル結晶が用いられる場合には、これと波長板および偏光ビームスプリッタが組み合わされて光入出力部13が構成される。
励起エネルギ供給部20は、レーザ媒質11に励起エネルギを供給する。例えば、レーザ媒質11が希土類元素を添加された結晶であれば、励起エネルギ供給部20は、この添加された希土類元素を励起し得る波長の励起光を励起エネルギとしてレーザ媒質11に供給する。励起エネルギ供給部20は好適にはレーザダイオードを含んで構成される。
種光源30は、パルス種光を出力する。このパルス種光は、レーザ媒質11において光増幅され得る波長のものであって、共振器10の共振光路における光の往復時間より短いパルス幅を有する。種光源30は好適にはレーザダイオードを含んで構成される。
種光導入部40は、種光源30から出力されるパルス種光の共振器10内への導入および非導入の何れかを設定する。種光導入部40は、例えば、メカニカルシャッタ,AO結晶またはポッケルス結晶を含んで構成される。
分離部50は、入力パルス光と出力パルス光とを互いに分離するものである。すなわち、分離部50は、種光源30から出力されたパルス種光の共振器10内への導入が種光導入部40により設定されているときに、そのパルス種光を共振器10内へ入力させる。また、分離部50は、レーザ媒質11により光増幅されたパルス光が光入出力部13により共振器10の外部へ出力されるときに、その出力パルス光を入力パルス光の入力方向とは異なる方向へ出力する。分離部50は、例えば、ファラデーローテータ、波長板および偏光ビームスプリッタを含んで構成される。
パルス圧縮部60は、光入出力部13により共振器10の外部へ出力されて分離部50を経たパルス光を入力し、このパルス光のパルス幅を圧縮して、当該圧縮後のパルス光を出力する。パルス圧縮部60は、例えば、反射型回折格子または透過型回折格子と折り返しミラーとを含んで構成される。透過型回折格子が用いられる場合、その透過型回折格子は、反射型回折格子のように表面に金などの高反射膜が形成されている必要がない。透過型回折格子は、透過率の向上のために、裏面に反射低減膜が形成されていてもよい。その他にも、パルス圧縮部60は、プリズムとグレーティングとを組み合わせた分散素子であるグリズムを含んで構成されてもよい。
制御部70は、光入出力部13および種光導入部40それぞれの動作を制御する。具体的には、制御部70は、種光源30から出力されたパルス種光の共振器10内への導入が種光導入部40により設定されているときに該パルス種光を光入出力部13により共振光路上に取り込むタイミングを制御する。また、制御部70は、レーザ媒質11により光増幅された光を光入出力部13により共振器10の外部へ出力するタイミングを制御する。
このように構成されるレーザ装置1は、種光源30から出力されたパルス種光の共振器10内への導入が種光導入部40により設定されているときに、光入出力部13により共振光路上に取り込んだパルス種光をレーザ媒質11により光増幅した後に当該光増幅したパルス光を光入出力部13により共振器10の外部へ出力する再生増幅動作を行う。
また、レーザ装置1は、種光源30から出力されたパルス種光の共振器10内への非導入が種光導入部40により設定されているときに、レーザ媒質11により光増幅したパルス光を光入出力部13により共振器10の外部へ出力するキャビティダンプ発振動作を行う。
再生増幅動作時に共振器10から出力されるパルス光のパルス幅は、種光源30から出力されるパルス種光のパルス幅と同程度である。一方、キャビティダンプ発振動作時に共振器10から出力されるパルス光のパルス幅は、共振器10の共振光路における光の往復時間と同程度である。前述したとおり、種光源30から出力されるパルス種光のパルス幅は、共振器10の共振光路における光の往復時間より短い。それ故、再生増幅動作時に共振器10から出力されるパルス光のパルス幅は、キャビティダンプ発振動作時に共振器10から出力されるパルス光のパルス幅より短い。
したがって、本実施形態に係るレーザ装置1は、異なるパルス幅のパルス光を選択的に同軸上に出力することができる。すなわち、レーザ装置1は、再生増幅動作時には比較的短いパルス幅(例えば1ns以下)のパルス光を出力することができ、キャビティダンプ発振動作時には比較的長いパルス幅(例えば100ns以上)のパルス光を出力することができる。
制御部70は、再生増幅動作時に、光入出力部13によるパルス種光の取り込みから光入出力部13によるパルス光の出力までの時間を制御することで、出力パルス光のエネルギを用途に応じて最適な値とすることが好ましい。また、制御部70は、キャビティダンプ発振動作時に、光入出力部13によるパルス光の出力の繰返し周期を制御することで、出力パルス光のエネルギを用途に応じて最適な値とすることが好ましい。
なお、超短パルスのパルス種光を再生増幅する際、このパルス種光を増幅しすぎると、非線形効果の影響が大きくなることで、増幅後のパルス光の特性が劣化したり、共振器10内の光学素子を破壊したりしてしまう恐れがある。これを避けるために、キャビティダンプ発振動作時と比べて再生増幅動作時の増幅時間を短く設定した方がよい場合がある。
図2は、共振器の構成例を示す図である。この図は、透明媒質12を含まない共振器10Aのレイアウトの一例を示している。この共振器10Aでは、一方のエンドミラーMから他方のエンドミラーM14まで共振光路に沿って順に、ミラーM〜M、レーザ媒質11、ミラーM〜M13、偏光ビームスプリッタ131、λ/4板132およびポッケルスセル133が設けられている。
レーザ媒質11は、Ybドープ濃度9.8at.%のYb:YAGセラミックである。レーザ媒質11の形状は5×5×1.0mmの直方体である。レーザ媒質11の表面に反射低減膜が形成され、レーザ媒質11の裏面に高反射膜が形成されている。励起エネルギ供給部20としてのLD(laserDiode)は、ファイバ結合型のもので、出力波長が940nmであり、最大出力パワーが25Wであり、励起光を長さ1.5mの光ファイバによりレーザ媒質11まで導く。ミラーMは、ダイクロイックミラーであって、光ファイバの出射端から出射された励起光をレーザ媒質11へ透過させ、被増幅光を反射させる。
光入出力部13は、偏光ビームスプリッタ131、λ/4板132およびポッケルスセル133により構成される。ポッケルスセル133は、BBO結晶からなり、アパーチャ径が5mmである。このポッケルスセル133の位置でパルス光のビーム径を小さくするために、ミラーM,M,M10それぞれは曲率半径1000mmの凹面鏡とされ、ミラーM11は曲率半径500mmの凸面鏡とされて、これらにより縮小光学系が共振器10A内に配置された。
共振器10Aの共振器長は7.1mである。共振器10Aの共振光路における光の往復時間は47nsである。このような構成の共振器10Aを実際に組み立てたところ、共振器10Aの設置面積は凡そ130cm×40cmとなり、共振器10A内におけるレーザ媒質11および光入出力部13を除く光学素子の個数は14枚と多くなった。
この共振器10Aを用いてキャビティダンプ発振動作を行わせて、その動作特性を評価した。繰返し周波数を20kHz,100kHz,200kHzと変化させたときのスロープ効率は、それぞれ27%,30%,30%となった。また、繰返し周波数を20kHz,100kHz,200kHzと変化させたときの最大平均強度は、励起光強度25Wのときに、それぞれ3.6W,4.2W,4.2Wとなった。レーザ出力パワーに関して、2m程度の短い共振器長のときとほぼ変わらない特性が得られた。
図3は、図2に示される共振器10Aを用いてキャビティダンプ発振動作を行ったときの出力パルス光の波形を示す図である。出力パルス光のパルス幅は、共振器10Aの共振光路における光の往復時間に相当する47nsであった。
共振器10Aでは、Q値が高い状態からQ値が低い状態へ遷移した瞬間にパルス光が共振器10A外へ出力される。したがって、キャビティダンプ発振動作時における出力パルス光のパルス幅は、共振器長により決定されるので、繰返し周波数に依存して変化することはない。
キャビティダンプ発振動作時における出力パルス光のパルス形状は、光入出力部13に含まれる変調素子(図2の構成ではポッケルスセル133)の立ち上がり特性に依存して決定される。用いたポッケルスセルの立ち上がり時間が数ns程度であるので、出力パルス光のパルス形状は矩形になった。レーザ加工において、出力パルス光のパルス形状は矩形であることが望ましいことがある。
また、この共振器10Aを用いて再生増幅動作を行わせて、その動作特性を評価した。種光源30としてYbファイバレーザ光源を用いた。この種光源30から出力されるパルス種光の波長は1,040nmであり、パルス種光の平均出力は50mWであり、パルス種光の繰返し周波数は45MHzであり、パルス種光のパルス幅は90psであった。このパルス種光は、外部圧縮で300fs以下にまで圧縮することが可能なチャープパルスである。このパルス種光の繰返し周波数は、共振器10Aに導入される前にパルスピッカーによって、再生増幅の繰返し周波数にまで下げられた。
図4は、図2に示される共振器10Aを用いて再生増幅動作を行ったときの出力パルス光の波形を示す図である。同図(a)はパルス圧縮前のパルス波形を示し、同図(b)はパルス圧縮後のパルス波形を示す。パルス圧縮前で10psのパルス幅が得られ、パルス圧縮後で1.6psのパルス幅が得られた。パルス幅に関して、2m程度の短い共振器長のときとほぼ変わらない特性が得られた。
ただし、図2に示される共振器10Aは、空間的に光が伝播する距離が長く、また、共振光路上の光学素子の個数が多いので、動作が振動等の外乱の影響を受け易く、出力が不安定となり易く、出力パルス光の揺らぎが大きくなる。そこで、光を内部に入力して繰返し内部反射させた後に出力する透明媒質12を共振光路上に設けることで、少ない光学素子数であって且つ小型な系で長い共振器長を有する共振器を構成するのが好適である。
図5は、透明媒質12の一例として透明媒質12Aの構成を示す図である。同図(a)は透明媒質12Aの平面図であり、同図(b)は透明媒質12Aの側面図であり、また、同図(c)は透明媒質12Aの斜視図である。図6は、透明媒質12Aにおける光の伝播の様子を示す斜視図である。
これらの図に示される透明媒質12Aは、各々合成石英からなる主部材121および3個の直角プリズム122〜124を含んで構成される。主部材121は、概略的には直方体形状を有し、矩形断面の2箇所のコーナー部が面取りされて光入出射面121a,121bとされていている。主部材121の光入出射面121aには直角プリズム122,124がオプティカルコンタクトや常温ボンディングなどにより貼り付けられている。また、主部材121の光入出射面121bには直角プリズム123がオプティカルコンタクトや常温ボンディングなどにより貼り付けられている。
合成石英の屈折率は約1.45であることから、空気に対する臨界角は約43.6度である。したがって、合成石英の内部を伝播する光が界面に対して45度の角度で入射すれば、その光は界面で全反射される。よって、この場合、主部材121および3個の直角プリズム122〜124それぞれの界面には高反射膜が形成される必要はない。一方、光入出射面121a,121bにおいて光が入射または出射する部分には反射低減膜が形成されているのが好ましい。
この透明媒質12Aでは、外部から主部材121の光入出射面121aへ入射された入射光Liは、主部材121の内部の複数回周回して伝播し、一旦、主部材121の光入出射面121bから外部に出射され、外部に設けられた全反射鏡(凹面鏡)125により反射されて、若干高さ方向に傾きをもって光入出射面121bから主部材121内に再び入射される。この再入射された光は、主部材121の内部の複数回周回して伝播して、直角プリズム122により高さが変えられ、主部材121の内部の複数回周回して伝播して、直角プリズム123により高さが変えられ、主部材121の内部の複数回周回して伝播して、直角プリズム124により高さが変えられ、主部材121の内部の複数回周回して伝播して、最終的に光入出射面121bから外部に出射されて出射光Loとなる。
例えば、透明媒質12Aの主部材121が底面のサイズが約70mm×63mmであって合成石英からなる場合、光が光入出射面121aから光入出射面121bに至るまでに、その光は主部材121内を5周することが可能であり、伝播距離は約0.89mとなる。合成石英の屈折率が1.45であることから、光が光入出射面121aから光入出射面121bに至るまでに、約1.29mの光路長が得られる。図で示したように、全ての主部材121内の全ての光路を含めると、光路長は約6.45mとなる。
図7は、透明媒質12の他の一例として透明媒質12Bの構成を示す図である。同図(a)は透明媒質12Bの平面図であり、同図(b)は透明媒質12Bの側面図であり、また、同図(c)は透明媒質12Bの斜視図である。図5に示された透明媒質12Aにおける直角プリズム122〜124に替えて、この図7に示された透明媒質12Bの主部材121に高反射膜126,127が形成されている。このように構成される透明媒質12Bも、透明媒質12Aと同様に、小型でありながら長い光路長を得ることができる。
図8は、共振器10の一例としての共振器10Bの構成を示す図である。この図に示される共振器10Bでは、一方のエンドミラーMから他方のエンドミラーM14まで共振光路に沿って順に、ミラーM〜M、レーザ媒質11、ミラーM、透明媒質12、偏光ビームスプリッタ131、λ/4板132およびポッケルスセル133が設けられている。透明媒質12は、透明媒質12A(図5,図6)および透明媒質12B(図7)の何れであってもよい。
図2に示された共振器10Aの構成と比較すると、この図8に示される共振器10Bは、ミラーM〜M13に替えて透明媒質12を備えている点で相違する。共振器10Bの共振器長は約9mとなる。図2に示された透明媒質12を用いていない共振器10Aの構成と比較すると、この図8に示される透明媒質12を用いた共振器10Bは、共振器長が長くなっているにも拘わらず、設置面積が60cm×30cmと小型になり、レーザ媒質11および光入出力部13を除く光学素子の個数が7枚と少なくすることができる。
図9は、透明媒質12Aの他の使用例を示す図である。また、図10は、共振器10の他の一例としての共振器10Cの構成を示す図である。この共振器10Cは、図9に示される使用例で透明媒質12Aが使用されている。ここでは、透明媒質12Aの主部材121の光入出射面121bに対向してエンドミラーMが設けられている。
この場合の透明媒質12A内での光路長は約12.9mとなる。また、共振器10Cの共振器長は約15.3mとなる。共振器10Cの設置面積は、30cm×18cmとなり、通常、ポッケルスセル結晶の応答時間で決定される約2m程度の共振器長を有する再生増幅器の共振器と変わらないサイズになる。また、レーザ媒質11および光入出力部13を除く光学素子の個数が4枚と少なくすることができる。
このとき、キャビティダンプパルス光のパルス幅は約100nsが得られる。また、パルス幅1ps以下にまで圧縮可能な波長帯域を有するパルス種光であれば、Yb:YAGをレーザ媒質11として用いた場合、増幅後、出力パルス光を外部で圧縮することによって、1ps程度のパルス幅を有するパルス光が得られる。
次に、図11〜図13を用いて、本実施形態に係るレーザ装置1を含む加工システム2の構成、および、この加工システム2を用いた加工例について説明する。
図11は、加工システム2の構成および第1加工例を示す図である。この図に示される加工システム2は、レーザ装置1に加えて加工部80を備える。また、この図では、分離部50およびパルス圧縮部60それぞれの詳細な構成が示されている。
分離部50は、入力パルス光と出力パルス光とを互いに分離するものであって、偏光ビームスプリッタ51、ファラデーローテータ52および波長板53を含む。分離部50は、ファラデーローテータ52による光の偏光面の回転角に応じて、種光源30から出力され種光導入部40を経たパルス種光を共振器10内へ導入したり、共振器10から外部へ出力されたパルス光を偏光ビームスプリッタ51で反射させてミラーM21へ出力したりすることができる。
パルス圧縮部60は、共振器10から外部へ出力され分離部50,ミラーM21およびハーフミラーM22を経たパルス光を入力し、このパルス光のパルス幅を圧縮して、当該圧縮後のパルス光を加工部80へ出力する。パルス圧縮部60は、波長板61、回転ステージ62、偏光制御部63、透過型回折格子64および折返しミラー65〜67を含む。
波長板61は、偏光制御部63により制御された回転ステージ62の回転により光学軸の方位が設定される。透過型回折格子64の一方の側に波長板61および折返しミラー67が設けられ、他方の側に折返しミラー65,66が設けられている。折返しミラー65〜67それぞれは、ルーフミラーまたは直角プリズムにより構成され得る。
このパルス圧縮部60では、パルス光は、透過型回折格子64、折返しミラー66、透過型回折格子64、折返しミラー67、透過型回折格子64、折返しミラー66および透過型回折格子64を順に経ることで、パルス幅が圧縮される。また、パルス幅の圧縮の程度は、透過型回折格子64と折返しミラー66との間の距離により設定され得る。パルス圧縮部60は、このパルス幅が圧縮されたパルス光をハーフミラーM22で反射させて加工部80に入力させる。
加工部80は、加工部80、XYZステージ81、載物台82、集光レンズ83、ダイクロイックミラー84、シャッタ85、照明光源86、ハーフミラー87、リレーレンズ88および観察光学系89を含む。XYZステージ81は、光軸に平行な方向(z方向)およびこれに垂直な2方向(x,y方向)に載物台82を移動させることができる。載物台82は、加工対象物90を載置するものであり、XYZステージ81によりx方向,y方向およびz方向の何れにも移動が可能である。
集光レンズ83は、パルス圧縮部60から出力されてシャッタ85およびダイクロイックミラー84を経て到達したパルス光を加工対象物90の加工位置に集光する。集光レンズ83は、照明光源86から出力されてハーフミラー87およびダイクロイックミラー84を経て到達した照明光を加工対象物90に照射する。また、集光レンズ83は、加工対象物90への照明光の照射に伴い加工対象物90で生じた光(以下「観察光」という。)を入力して、ダイクロイックミラー84へ出力する。
ダイクロイックミラー84は、パルス圧縮部60から出力されてシャッタ85を経て到達したパルス光を集光レンズ83へ反射させる。また、ダイクロイックミラー84は、照明光源86から出力されてハーフミラー87を経て到達した照明光を集光レンズ83へ透過させ、加工対象物90で生じた観察光をハーフミラー87へ透過させる。シャッタ85は、加工対象物90へのパルス光の照射および非照射を設定する。
照明光源86は、加工対象物90を観察するために加工対象物90に照射すべき照明光を出力する。ハーフミラー87は、照明光源86から出力された照明光をダイクロイックミラー84へ反射させ、加工対象物90で生じた観察光をリレーレンズ88へ透過させる。リレーレンズ88は、ハーフミラー87から到達した観察光を観察光学系89へ導く。観察光学系89は、リレーレンズ88から到達した観察光により、加工対象物90を観察することができる。
図11に示される第1加工例では、加工対象物90はシリコン板とガラス板との接合体であり、このような加工対象物90をパルス光照射により分断するものとする。ガラス板はパイレックス(登録商標)であるとし、シリコン板およびガラス板それぞれの厚さは300μmであるとして、シリコン板とガラス板とは互いに陽極接合されているとする。第1加工例の加工方法は、加工対象物90のうちのシリコン板を加工する第1ステップと、加工対象物90のうちのガラス板を加工する第2ステップとを含む。
この場合、第1ステップにおいてシリコン板を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJであるのが好ましい。また、第2ステップにおいてガラス板を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅10ps、繰返し周波数30kHz、パルスエネルギ20μJであるのが好ましい。
シリコン板を加工する第1ステップでは、種光源30から出力されるパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入されない設定(すなわち、キャビティダンプ発振動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が水平偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60内の回折格子64によって回折されない設定とされる。この状態で、共振器10におけるキャビティダンプ発振動作で発生したパルス光(波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJ)L1は、加工対象物90のうちのシリコン板の内部に集光照射される。このとき、加工部80では、シリコン板における集光位置は、XYZステージ81によりz方向に6箇所の位置それぞれに設定され、また、z方向の各位置について、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度300mm/sでスキャンされる。このようにして、シリコン板の内部に亀裂を進展させる。
ガラス板を加工する第2ステップでは、種光源30から出力されたパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入される設定(すなわち、再生増幅動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が垂直偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60によりパルス圧縮される設定とされる。この状態で、共振器10における再生増幅動作で発生しパルス圧縮部60によりパルス圧縮されたパルス光(波長1030nm、パルス幅10ps、繰返し周波数30kHz、パルスエネルギ20μJ)L2は、加工対象物90のうちのガラス板の内部に集光照射される。このとき、加工部80では、ガラス板における集光位置は、XYZステージ81によりz方向に6箇所の位置それぞれに設定され、また、z方向の各位置について、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度300mm/sでスキャンされる。このようにして、ガラス板の内部に亀裂を進展させる。
そして、以上のような第1ステップおよび第2ステップが終了した後、シリコン板とガラス板との接合体である加工対象物90は分割される。
図12は、加工システム2の構成および第2加工例を示す図である。この図に示される第2加工例では、加工対象物90はLow-k膜(比誘電率が低い膜)が主面に形成されたシリコン板であり、このような加工対象物90をパルス光照射により分断するものとする。シリコン板の厚さは625μmであるとし、Low-k膜の厚さは10μmとする。第2加工例の加工方法は、加工対象物90のうちのLow-k膜を加工する第1ステップと、加工対象物90のうちのシリコン板を加工する第2ステップとを含む。
この場合、第1ステップにおいてLow-k膜を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅90ps、繰返し周波数50kHz、パルスエネルギ50μJであるのが好ましい。また、第2ステップにおいてシリコン板を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJであるのが好ましい。
Low-k膜を加工する第1ステップでは、種光源30から出力されたパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入される設定(すなわち、再生増幅動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が水平偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60によりパルス圧縮されない設定とされる。この状態で、共振器10における再生増幅動作で発生したパルス光(波長1030nm、パルス幅90ps、繰返し周波数50kHz、パルスエネルギ50μJ)L1は、パルス圧縮されることなく、加工対象物90のうちのLow-k膜の表面に集光照射される。このとき、加工部80では、Low-k膜の表面における集光位置は、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度50mm/sでスキャンされる。このようにして、Low-k膜の光照射部分がアブレーションにより除去されて、当該除去領域においてシリコン板が露出される。
シリコン板を加工する第2ステップでは、種光源30から出力されるパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入されない設定(すなわち、キャビティダンプ発振動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が水平偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60内の回折格子64によって回折されない設定とされる。この状態で、共振器10におけるキャビティダンプ発振動作で発生したパルス光(波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJ)L2は、加工対象物90のうちのシリコン板の内部(シリコン板露出領域)に集光照射される。このとき、加工部80では、シリコン板における集光位置は、XYZステージ81によりz方向に6箇所の位置それぞれに設定され、また、z方向の各位置について、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度300mm/sでスキャンされる。このようにして、シリコン板の内部に亀裂を進展させる。
そして、以上のような第1ステップおよび第2ステップが終了した後、Low-k膜が主面に形成されたシリコン板である加工対象物90は分割される。
図13は、加工システム2の構成および第3加工例を示す図である。この図に示される第3加工例では、シリコン板とガラス板とが樹脂接着剤により接合されたものであり。このような加工対象物90をパルス光照射により分断するものとする。ガラス板はパイレックス(登録商標)であるとし、シリコン板およびガラス板それぞれの厚さは300μmであるとし、樹脂接着剤の厚さは10μmであるとする。第3加工例の加工方法は、加工対象物90のうちのシリコン板を加工する第1ステップと、加工対象物90のうちの樹脂接着剤を加工する第2ステップと、加工対象物90のうちのガラス板を加工する第3ステップとを含む。
この場合、第1ステップにおいてシリコン板を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJであるのが好ましい。第2ステップにおいて樹脂接着剤を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅1ps、繰返し周波数50kHz、パルスエネルギ10μJであるのが好ましい。また、第3ステップにおいてガラス板を加工するときのパルス光は、一例として、波長1030nm、パルス幅10ps、繰返し周波数30kHz、パルスエネルギ20μJであるのが好ましい。
シリコン板を加工する第1ステップでは、種光源30から出力されるパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入されない設定(すなわち、キャビティダンプ発振動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が水平偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60内の回折格子64によって回折されない設定とされる。この状態で、共振器10におけるキャビティダンプ発振動作で発生したパルス光(波長1030nm、パルス幅150ns、繰返し周波数80kHz、パルスエネルギ6μJ)L1は、加工対象物90のうちのシリコン板の内部に集光照射される。このとき、加工部80では、シリコン板における集光位置は、XYZステージ81によりz方向に6箇所の位置それぞれに設定され、また、z方向の各位置について、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度300mm/sでスキャンされる。このようにして、シリコン板の内部に亀裂を進展させる。
樹脂接着剤を加工する第2ステップでは、種光源30から出力されたパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入される設定(すなわち、再生増幅動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が垂直偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60によりパルス圧縮される設定とされる。この状態で、共振器10における再生増幅動作で発生しパルス圧縮部60によりパルス圧縮されたパルス光(波長1030nm、パルス幅1ps、繰返し周波数50kHz、パルスエネルギ10μJ)L2は、加工対象物90のうちの樹脂接着剤に集光照射される。このとき、加工部80では、樹脂接着層における集光位置は、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度50mm/sでスキャンされる。このようにして、接着樹脂層の光照射部分が除去される。
ガラス板を加工する第3ステップでは、種光源30から出力されたパルス種光が種光導入部40により共振器10へ導入される設定(すなわち、再生増幅動作の設定)とされる。また、偏光制御部63により波長板61の光学軸の方位が垂直偏光状態に設定されて、共振器10から出力されたパルス光がパルス圧縮部60によりパルス圧縮される設定とされる。この状態で、共振器10における再生増幅動作で発生しパルス圧縮部60によりパルス圧縮されたパルス光(波長1030nm、パルス幅10ps、繰返し周波数30kHz、パルスエネルギ20μJ)L3は、加工対象物90のうちのガラス板の内部に集光照射される。このとき、加工部80では、ガラス板における集光位置は、XYZステージ81によりz方向に6箇所の位置それぞれに設定され、また、z方向の各位置について、XYZステージ81によりx方向またはy方向に速度300mm/sでスキャンされる。このようにして、ガラス板の内部に亀裂を進展させる。
なお、第2ステップおよび第3ステップでは、再生増幅動作の設定とされる点では同じであるが、ポッケルスセル133の動作タイミングが制御されることで、パルス光出力の繰返し周波数およびパルスエネルギが異なるものとされる。また、第2ステップおよび第3ステップでは、共振器10からの出力パルス光がパルス圧縮部60によりパルス圧縮される点では同じであるが、透過型回折格子64と折返しミラー66との間の距離が制御されることで、パルス光のパルス幅が異なるものとされる。
そして、以上のような第1〜第3のステップが終了した後、シリコン板とガラス板とが樹脂接着剤により接合されてなる加工対象物90は分割される。
以上のように、本実施形態に係るレーザ装置1は、異なるパルス幅のパルス光を選択的に同軸上に出力することができる。そして、加工システム2は、このようなレーザ装置1を1台のみ備えることで、例えば、異種の複数の材料から構成される加工対象物に対して、材料に応じて好適なパルス幅のレーザ光を同軸上に出力して照射し、該加工対象物をダイシング等することができる。
1…レーザ装置、2…加工システム、10…共振器、11…レーザ媒質、12…透明媒質、13…光入出力部、20…励起エネルギ供給部、30…種光源、40…種光導入部、50…分離部、60…パルス圧縮部、70…制御部、80…加工部。

Claims (3)

  1. 共振光路上に設けられたレーザ媒質と、前記共振光路上に設けられ前記レーザ媒質により光増幅される光を内部に入力して繰返し内部反射させた後に出力する透明媒質と、外部から光を前記共振光路上に取り込む光入力部と、前記レーザ媒質により光増幅された光を外部へ出力する光出力部と、を含む共振器と、
    前記レーザ媒質に励起エネルギを供給する励起エネルギ供給部と、
    前記共振器の共振光路における光の往復時間より短いパルス幅を有するパルス種光を出力する種光源と、
    前記種光源から出力されるパルス種光の前記共振器内への導入および非導入の何れかを設定する種光導入部と、
    前記種光源から出力されたパルス種光の前記共振器内への導入が前記種光導入部により設定されているときに前記パルス種光を前記光入力部により前記共振光路上に取り込むタイミング、および、前記レーザ媒質により光増幅された光を前記光出力部により前記共振器の外部へ出力するタイミングを制御する制御部と、
    を備え、
    前記種光源から出力されたパルス種光の前記共振器内への導入が前記種光導入部により設定されているときに、前記光入力部により前記共振光路上に取り込んだ前記パルス種光を前記レーザ媒質により光増幅した後に当該光増幅したパルス光を前記光出力部により前記共振器の外部へ出力する再生増幅動作を行い、
    前記種光源から出力されたパルス種光の前記共振器内への非導入が前記種光導入部により設定されているときに、前記レーザ媒質により光増幅したパルス光を前記光出力部により前記共振器の外部へ出力するキャビティダンプ発振動作を行う、
    ことを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記光出力部により前記共振器の外部へ出力されたパルス光のパルス幅を圧縮するパルス圧縮部を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記種光源から出力されたパルス種光の前記共振器内への導入、非導入が前記種光導入部により切り替わるときに、前記制御部で制御される外部へ出力されるタイミングが切り替わり、再生増幅動作時、及びキャビティダンプ動作時において、最適なタイミングに制御される、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
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