JP5383540B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、反応ガスを前記金属セパレータの面方向に流す反応ガス流路と、前記反応ガスを積層方向に流通させる反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される発電セルを備え、複数の前記発電セルが電極面を水平方向に沿って重力方向に積層される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)を、セパレータによって挟持した発電セル(単位セル)を備えている。
この種の燃料電池は、通常、車載用として使用される際、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)の発電セルを積層した燃料電池スタックとして使用されている。その際、燃料電池スタックは、一般的に、セパレータの面内に発電面に沿って反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し、発電セルの積層方向に貫通する反応ガス連通孔とを設ける、所謂、内部マニホールドを採用している。
この種の内部マニホールド型燃料電池スタックでは、特に出口側マニホールド(反応ガス排出連通孔)近傍に、発電反応により生成された生成水が滞留するおそれがある。そこで、フラッディングによる不安定動作を回避するために、例えば、特許文献1に開示されている固体高分子電解質型燃料電池が知られている。
上記の特許文献1は、ガス導入マニホールド孔、ガス排出マニホールド孔及びガス流路溝部を有し、前記ガス導入マニホールド孔と前記ガス流路溝部を連結するガス導入口、及び前記ガス排出マニホールド孔と前記ガス流路溝部を連結するガス排出口を備えたガスマニホールド一体型セパレータを有する固体高分子電解質型燃料電池に関するものである。
この燃料電池は、ガス導入口、ガス排出口の少なくとも一方のガス流路溝部の少なくともガスマニホールド孔側の幅が広がっているガスマニホールド一体型セパレータで、固体高分子電解質と電極の接合体を挟んで積層したことを特徴としている。
これにより、ガス流路溝部とガスマニホールド孔の接続部のガスの流体抵抗を下げることができるので、ガスの流体抵抗が低くなる一方、前記ガス流路溝部でガス中の水分の一部が凝縮しても、ガス排出口から前記ガスマニホールド孔への凝縮水の排出が容易にできる、としている。
特許第4062797号公報
上記の特許文献1では、ガス排出口のガスマニホールド孔側の幅が広がっているため、前記ガス排出口から前記ガスマニホールド孔に凝縮水が連なって排出されてしまう。従って、積層されている発電セル間で液絡が惹起し、特にセパレータとして金属セパレータが使用される場合、電位差により前記金属セパレータ表面に腐食電流が発生し易い。
このため、金属セパレータの腐食により溶出される金属イオンを介して電解質膜の機能が低下するとともに、前記腐食による前記金属セパレータの薄肉化(穴あき)が生じるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、発電セル間の液絡の発生を可及的に阻止することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、反応ガスを前記金属セパレータの面方向に流す反応ガス流路と、前記反応ガスを積層方向に流通させる反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される発電セルを備え、複数の前記発電セルが電極面を水平方向に沿って重力方向に積層される燃料電池スタックに関するものである。
この燃料電池スタックは、少なくとも反応ガス排出連通孔と反応ガス流路とを繋ぐ複数の連結流路を形成するブリッジ部が設けられるとともに、積層方向に隣接し且つ同一の反応ガスを流通させる少なくとも2つの前記反応ガス流路では、一方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とが、前記積層方向に沿って互いに位置をずらして配置されている。
また、この燃料電池スタックは、一方の反応ガス流路に繋がる連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とは、積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置されることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックは、一方の反応ガス流路に繋がる連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置されることが好ましい。
さらにまた、ブリッジ部は、ゴム材又は樹脂材で形成されることが好ましい。
また、この燃料電池スタックは、金属セパレータにシール部材が一体成形されるとともに、ブリッジ部は、前記シール部材で一体成形されることが好ましい。
本発明によれば、一方の反応ガス流路に繋がる連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置されている。このため、連結流路に沿って流通する結露水は、反応ガス排出連通孔に排出される際、積層方向に互いに連続することがない。従って、反応ガス排出連通孔における結露水の連続性(繋がり)が遮断され、簡単な構成で、単位セル間の液絡の発生を可及的に阻止することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する燃料電池ユニットの分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの、図2中、III−III線断面図である。 前記燃料電池スタックの、図2中、IV−IV線断面図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第2金属セパレータの正面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第3金属セパレータの正面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する燃料電池ユニットの要部断面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する燃料電池ユニットの分解斜視説明図である。 前記燃料電池ユニットの要部断面説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の燃料電池ユニット(発電セル)12が、電極面を水平方向に沿って重力方向(矢印A方向)に積層された積層体14を設ける。積層体14の積層方向(矢印A方向)の一端(上端)には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18a及びエンドプレート20aが上方に向かって配設される。積層体14の積層方向の他端(下端)には、ターミナルプレート16b、絶縁プレート18b及びエンドプレート20bが下方に向かって配設される。
エンドプレート20a、20bには、複数の連結バー21の両端が固定されており、前記エンドプレート20a、20b間には、積層方向に締め付け荷重が付与される。なお、エンドプレート20a、20b間に、図示しないタイロッドを介して積層方向に締め付け荷重を付与してもよく、また、ボックス状のケーシングを介して積層方向に締め付け荷重を付与してもよい。
図2及び図3に示すように、各燃料電池ユニット12は、第1金属セパレータ22、第1電解質膜・電極構造体24a、第2金属セパレータ26、第2電解質膜・電極構造体24b及び第3金属セパレータ28を設ける。
なお、本発明では、2つの単位セルを含んでいるが、3つ以上の単位セルを含む燃料電池ユニットを積層した燃料電池を採用することもできる。その際、後述する冷却媒体流路44は、3つ以上の単位セル毎に形成される。
第1金属セパレータ22、第2金属セパレータ26及び第3金属セパレータ28は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成される。第1金属セパレータ22、第2金属セパレータ26及び第3金属セパレータ28は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。
燃料電池ユニット12の長辺方向(矢印C方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔32aが設けられる。
燃料電池ユニット12の長辺方向(矢印C方向)の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが設けられる。
燃料電池ユニット12の短辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔34aが設けられるとともに、前記燃料電池ユニット12の短辺方向の他端縁部には、前記冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔34bが設けられる。
第1金属セパレータ22の第1電解質膜・電極構造体24aに向かう面22aには、燃料ガス入口連通孔32aと燃料ガス出口連通孔32bとを連通する第1燃料ガス流路36が形成される。第1燃料ガス流路36は、矢印C方向に延在する複数の波状流路溝を有するとともに、前記第1燃料ガス流路36の入口及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部38及び出口バッファ部40が設けられる。
図4及び図5に示すように、入口バッファ部38と燃料ガス入口連通孔32aとの間には、入口ブリッジ部42が設けられるとともに、出口バッファ部40と燃料ガス出口連通孔32bとの間には、出口ブリッジ部43が設けられる。入口ブリッジ部42は、複数の凸部42aを備え、前記凸部42a間には、複数の連結流路42bが形成される。凸部42aは、燃料ガス入口連通孔32aの端部まで延在しており、連結流路42bは、前記燃料ガス入口連通孔32aに隙間なく連通する。
出口ブリッジ部43は、複数の凸部43aを備え、前記凸部43a間には、複数の連結流路43bが形成される。凸部43aは、燃料ガス出口連通孔32bの端部まで延在しており、連結流路43bは、前記燃料ガス出口連通孔32bに隙間なく連通する。
第1金属セパレータ22の面22bには、冷却媒体入口連通孔34aと冷却媒体出口連通孔34bとを連通する冷却媒体流路44の一部(第1燃料ガス流路36の裏面形状)が形成される。
第2金属セパレータ26の第1電解質膜・電極構造体24aに向かう面26aには、図6に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとを連通する第1酸化剤ガス流路50が形成される。第1酸化剤ガス流路50は、矢印C方向に延在する複数の波状流路溝を有する。第1酸化剤ガス流路50の入口及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部52及び出口バッファ部54が設けられる。
入口バッファ部52と酸化剤ガス入口連通孔30aとの間には、入口ブリッジ部56が設けられるとともに、出口バッファ部54と酸化剤ガス出口連通孔30bとの間には、出口ブリッジ部57が設けられる。入口ブリッジ部56は、複数の凸部56aを備え、前記凸部56a間には、複数の連結流路56bが形成される。出口ブリッジ部57は、複数の凸部57aを備え、前記凸部57a間には、複数の連結流路57bが形成される。
図2に示すように、第2金属セパレータ26の第2電解質膜・電極構造体24bに向かう面26bには、燃料ガス入口連通孔32aと燃料ガス出口連通孔32bとを連通する第2燃料ガス流路58が形成される。第2燃料ガス流路58は、矢印C方向に延在する複数の波状流路溝を有するとともに、前記第2燃料ガス流路58の入口及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部60及び出口バッファ部62が設けられる。
入口バッファ部60と燃料ガス入口連通孔32aとの間には、入口ブリッジ部64が設けられるとともに、出口バッファ部62と燃料ガス出口連通孔32bとの間には、出口ブリッジ部65が設けられる。入口ブリッジ部64は、複数の凸部64aを備え、前記凸部64a間には、複数の連結流路64bが形成される。凸部64aは、燃料ガス入口連通孔32aの端部まで延在しており、連結流路64bは、前記燃料ガス入口連通孔32aに隙間なく連通する。
図2及び図4に示すように、出口ブリッジ部65は、複数の凸部65aを備え、前記凸部65a間には、複数の連結流路65bが形成される。凸部65aは、燃料ガス出口連通孔32bの端部まで延在しており、連結流路65bは、前記燃料ガス出口連通孔32bに隙間なく連通する。
図4に示すように、積層方向に隣接し且つ同一の反応ガスである燃料ガスを流通させる第1燃料ガス流路36及び第2燃料ガス流路58では、前記第1燃料ガス流路36に繋がる連結流路43b間の凸部43aと、前記第2燃料ガス流路58に繋がる連結流路65b間の凸部65aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置される。具体的には、凸部43aと凸部65aとは、積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置される。
第1燃料ガス流路36及び第2燃料ガス流路58では、同様に前記第1燃料ガス流路36に繋がる連結流路42b間の凸部42aと、前記第2燃料ガス流路58に繋がる連結流路64b間の凸部64aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、例えば、オフセットして配置される(図4及び図5参照)。
図7に示すように、第3金属セパレータ28の第2電解質膜・電極構造体24bに向かう面28aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとを連通する第2酸化剤ガス流路66が形成される。
第2酸化剤ガス流路66は、矢印C方向に延在する複数の波状流路溝を有する。第2酸化剤ガス流路66の入口及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部68及び出口バッファ部70が設けられる。
入口バッファ部68と酸化剤ガス入口連通孔30aとの間には、入口ブリッジ部72が設けられるとともに、出口バッファ部70と酸化剤ガス出口連通孔30bとの間には、出口ブリッジ部73が設けられる。入口ブリッジ部72は、複数の凸部72aを備え、前記凸部72a間には、複数の連結流路72bが形成される。出口ブリッジ部73は、複数の凸部73aを備え、前記凸部73a間には、複数の連結流路73bが形成される。
図6及び図7に示すように、積層方向に隣接し且つ同一の反応ガスである酸化剤ガスを流通させる第1酸化剤ガス流路50及び第2酸化剤ガス流路66では、前記第1酸化剤ガス流路50の出口側に繋がる連結流路57b間の凸部57aと、前記第2酸化剤ガス流路66の出口側に繋がる連結流路73b間の凸部73aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置される。具体的には、凸部57aと凸部73aとは、積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置される。
第1酸化剤ガス流路50及び第2酸化剤ガス流路66では、同様に第1酸化剤ガス流路50の入口側に繋がる連結流路56b間の凸部56aと、前記第1酸化剤ガス流路50の入口側に繋がる連結流路72b間の凸部72aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、例えば、オフセットして配置される。
第3金属セパレータ28の面28bには、図2に示すように、冷却媒体入口連通孔34aと冷却媒体出口連通孔34bとを連通する冷却媒体流路44が形成される。冷却媒体流路44は、第1燃料ガス流路36及び第2酸化剤ガス流路66の裏面形状(波形状)の重ね合わせにより形成される。
第1金属セパレータ22の面22a、22bには、この第1金属セパレータ22の外周端縁部を周回して第1シール部材74が一体成形される。第2金属セパレータ26の面26a、26bには、この第2金属セパレータ26の外周端縁部を周回して第2シール部材76が一体成形されるとともに、第3金属セパレータ28の面28a、28bには、この第3金属セパレータ28の外周端縁部を周回して第3シール部材78が一体成形される。
第1〜第3シール部材74、76、78としては、例えば、絶縁性を有するEPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
入口ブリッジ部42及び出口ブリッジ部43は、第1金属セパレータ22に対して第1シール部材74で一体成形される。入口ブリッジ部56、64及び出口ブリッジ部57、65は、第2金属セパレータ26に対して第2シール部材76で一体成形される。入口ブリッジ部72及び出口ブリッジ部73は、第3金属セパレータ28に対して第3シール部材78で一体成形される。
なお、入口ブリッジ部42、56、64及び72と出口ブリッジ部43、57、65及び73とは、第1シール部材74、第2シール部材76及び第3シール部材78とは別体に、絶縁性を有する樹脂材又はゴム材で形成してもよい。
第1及び第2電解質膜・電極構造体24a、24bは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜80と、前記固体高分子電解質膜80を挟持するアノード側電極82及びカソード側電極84とを備える。アノード側電極82は、固体高分子電解質膜80よりも小さな表面積を有する。
アノード側電極82及びカソード側電極84は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜80の両面に形成される。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図2に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔32aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔34aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2金属セパレータ26の第1酸化剤ガス流路50及び第3金属セパレータ28の第2酸化剤ガス流路66に導入される(図6及び図7参照)。この酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路50に沿って矢印C方向に移動し、第1電解質膜・電極構造体24aのカソード側電極84に供給されるとともに、第2酸化剤ガス流路66に沿って矢印C方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体24bのカソード側電極84に供給される(図2参照)。
一方、燃料ガスは、図2に示すように、燃料ガス入口連通孔32aから第1金属セパレータ22の第1燃料ガス流路36及び第2金属セパレータ26の第2燃料ガス流路58に導入される。この燃料ガスは、第1燃料ガス流路36に沿って矢印C方向に移動し、第1電解質膜・電極構造体24aのアノード側電極82に供給されるとともに、第2燃料ガス流路58に沿って矢印C方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体24bのアノード側電極82に供給される。
従って、第1及び第2電解質膜・電極構造体24a、24bでは、カソード側電極84に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極82に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード側電極84に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード側電極82に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔32bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔34aに供給された冷却媒体は、図2に示すように、第1金属セパレータ22と第3金属セパレータ28との間に形成された冷却媒体流路44に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、第1及び第2電解質膜・電極構造体24a、24bを冷却した後、冷却媒体出口連通孔34bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、図4及び図5に示すように、積層方向に隣接し且つ同一の反応ガスである燃料ガスを流通させる第1燃料ガス流路36及び第2燃料ガス流路58において、前記第1燃料ガス流路36の出口側に繋がる連結流路43b間の凸部43aと、前記第2燃料ガス流路58の出口側に繋がる連結流路65b間の凸部65aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、具体的には、前記凸部43aと前記凸部65aとが、積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置されている。
このため、図4に示すように、積層方向に互いに隣接する連結流路43b、65bに沿って流通する結露水は、燃料ガス出口連通孔32bに排出される際、積層方向に互いに連続することがない。従って、燃料ガス出口連通孔32bにおける結露水の連続性(繋がり)が遮断され、簡単な構成で、単位セル間の液絡の発生を可及的に阻止することが可能になるという効果が得られる。
図6及び図7に示すように、第1酸化剤ガス流路50及び第2酸化剤ガス流路66においても同様に、前記第1酸化剤ガス流路50の出口側に繋がる連結流路57b間の凸部57aと、前記第2酸化剤ガス流路66の出口側に繋がる連結流路73b間の凸部73aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、具体的には、前記凸部57aと前記凸部73aとは、積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置されている。
これにより、積層方向に互いに隣接する連結流路57b、73bに沿って流通する結露水は、酸化剤ガス出口連通孔30bに排出される際、積層方向に互いに連続することがない。従って、酸化剤ガス出口連通孔30bにおける結露水の連続性(繋がり)が遮断され、簡単な構成で、単位セル間の液絡の発生を可及的に阻止することが可能になるという効果が得られる。
また、第1燃料ガス流路36の入口側に繋がる連結流路42b間の凸部42aと、第2燃料ガス流路58の入口側に繋がる連結流路64b間の凸部64aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、例えば、オフセットして配置されている。一方、第1酸化剤ガス流路50の入口側に繋がる連結流路56b間の凸部56aと、第1酸化剤ガス流路50の入口側に繋がる連結流路72b間の凸部72aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして、例えば、オフセットして配置されている。
このため、燃料ガス入口連通孔32a及び酸化剤ガス入口連通孔30aにおける結露水の連続性(繋がり)が遮断されるという利点が得られる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック90を構成する燃料電池ユニット(発電セル)92の要部断面説明図である。
なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック90と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池ユニット92は、基本的に、第1金属セパレータ22、第2金属セパレータ26及び第3金属セパレータ28を備える。第1金属セパレータ22は、入口ブリッジ部42に代えて入口ブリッジ部94を備えるとともに、出口ブリッジ部43に代えて出口ブリッジ部95を備える。入口ブリッジ部94は、複数の凸部94aを備え、前記凸部94a間には、複数の連結流路94bが形成される。出口ブリッジ部95は、複数の凸部95aを備え、前記凸部95a間には、複数の連結流路95bが形成される。
第2金属セパレータ26は、入口ブリッジ部64に代えて入口ブリッジ部96を備えるとともに、出口ブリッジ部65に代えて出口ブリッジ部97を備える。入口ブリッジ部96は、複数の凸部96aを備え、前記凸部96a間には、複数の連結流路96bが形成される。出口ブリッジ部97は、複数の凸部97aを備え、前記凸部97a間には、複数の連結流路97bが形成される。
第1燃料ガス流路36の出口側に繋がる連結流路95b間の凸部95aと、前記第2燃料ガス流路58の出口側に繋がる連結流路97b間の凸部97aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置される。具体的には、凸部95aと凸部97aとは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置される。
同様に、第1燃料ガス流路36の入口側に繋がる連結流路94b間の凸部94aと、前記第2燃料ガス流路58の入口側に繋がる連結流路96b間の凸部96aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置される。具体的には、凸部94aと凸部96aとは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置される。
なお、第1酸化剤ガス流路50及び第2酸化剤ガス流路66では、図示しないが、上記の第1燃料ガス流路36及び第2燃料ガス流路58と同様に、入口ブリッジ部72及び出口ブリッジ部73に代えて各凸部同士が積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置される入口ブリッジ部及び出口ブリッジ部が設けられる。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その説明は省略する。
このように構成される第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。しかも、特に凸部95aと凸部97aとは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置されている。このため、結露水が積層方向に連続することを、一層確実に阻止することができるという利点がある。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック100を構成する燃料電池ユニット(発電セル)102の分解斜視説明図である。
燃料電池ユニット102は、第1金属セパレータ104、電解質膜・電極構造体106及び第2金属セパレータ108を備える。第1金属セパレータ104は、入口ブリッジ部42に代えて入口ブリッジ部110を備えるとともに、出口ブリッジ部43に代えて出口ブリッジ部112を備える。入口ブリッジ部110は、複数の凸部110aを備え、前記凸部110a間には、複数の連結流路110bが形成される。出口ブリッジ部112は、複数の凸部112aを備え、前記凸部112a間には、複数の連結流路112bが形成される。
図10に示すように、各燃料電池ユニット102では、積層方向に隣接する2つの燃料ガス流路58において、一方の前記燃料ガス流路58に繋がる連結流路110b、112b間の凸部110a、112aと、他方の前記燃料ガス流路58に繋がる連結流路110b、112b間の凸部110a、112aとが、積層方向に沿って互いに位置をずらして配置される。
具体的には、積層方向に隣接する凸部110aと凸部110aとは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置されるとともに、前記積層方向に隣接する凸部112aと凸部112aとは、積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置される。
これにより、第3の実施形態では、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様の構成(交互配置)を採用しているが、第1の実施形態と同様の構成(オフセット配置)を採用してもよい。
10、90、100…燃料電池スタック
12、92、102…燃料電池ユニット
14…積層体
22、26、28、104、108…金属セパレータ
24a、24b、106…電解質膜・電極構造体
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…燃料ガス入口連通孔 32b…燃料ガス出口連通孔
34a…冷却媒体入口連通孔 34b…冷却媒体出口連通孔
36、58…燃料ガス流路
42、56、64、72、94、96、110…入口ブリッジ部
42a、43a、56a、57a、64a、65a、72a、73a、94a、95a、96a、97a、110a、112a…凸部
42b、43b、56b、57b、64b、65b、72b、73b、94b、95b、96b、97b、110b、112b…連結流路
43、57、65、73、95、97、112…出口ブリッジ部
44…冷却媒体流路 50、66…酸化剤ガス流路
74,76、78…シール部材 80…固体高分子電解質膜
82…アノード側電極 84…カソード側電極

Claims (5)

  1. 電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、反応ガスを前記金属セパレータの面方向に流す反応ガス流路と、前記反応ガスを積層方向に流通させる反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される発電セルを備え、複数の前記発電セルが電極面を水平方向に沿って重力方向に積層される燃料電池スタックであって、
    少なくとも前記反応ガス排出連通孔と前記反応ガス流路とを繋ぐ複数の連結流路を形成するブリッジ部が設けられるとともに、
    積層方向に隣接し且つ同一の前記反応ガスを流通させる少なくとも2つの前記反応ガス流路では、一方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とが、前記積層方向に沿って互いに位置をずらして配置されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、一方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とは、前記積層方向に沿って互いに一部を重なり合わせてオフセットして配置されることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、一方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部と、他方の前記反応ガス流路に繋がる前記連結流路間の凸部とは、前記積層方向に沿って互いに重なり合うことなく交互に配置されることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記ブリッジ部は、ゴム材又は樹脂材で形成されることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記金属セパレータにシール部材が一体成形されるとともに、
    前記ブリッジ部は、前記シール部材で一体成形されることを特徴とする燃料電池スタック。
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