JP5383443B2 - 太陽電池およびその製造方法並びに太陽電池装置 - Google Patents

太陽電池およびその製造方法並びに太陽電池装置 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブを用いた太陽電池およびその製造方法並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置に関するものである。
太陽電池は、単結晶、多結晶、アモルファスシリコンからなるシリコン系のものが主流であり、住宅や事業所などに普及しつつあるが、エネルギーの変換効率が低いという欠点がある。エネルギーの変換効率が低い要因の一つして、通常の太陽電池は、バンドギャップが1つしかなく、バンドギャップ未満のエネルギーを有する長波長光線については光電変換できず、逆に、バンドギャップを超えるエネルギーを有する短波長光線については、バンドギャップ分のエネルギーしか光電変換できなかった。
このような欠点に対処するものとして、2つ以上の異なるバンドギャップを有する太陽電池が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−197930号公報
上述したように、エネルギーの変換効率を向上させるためには、特許文献1に示すように、2つ以上のバンドギャップを有するように、言い換えれば、バンドギャップを細かく調整することが考えられる。
しかし、シリコン等の結晶を利用した半導体では、化合物半導体も含めて、元素の選択の仕方により、バンドギャップが固定されてしまい、任意のバンドギャップを得ることが困難であり、したがってエネルギーの変換効率の向上を図ることができなかった。また、タンデムタイプおよびそれ以上の重ね合わせタイプでは、上層の太陽電池が太陽光線を吸収および散乱させることになり、下部の太陽電池に必要な光が減衰してしまう。
そこで、本発明は、エネルギーの変換効率の向上を図り得る太陽電池およびその製造方法並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る太陽電池は、金属電極と、この金属電極の表面に配置されたn型またはp型の半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
上記カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるようにしたものである。
また、請求項2に係る太陽電池は、金属電極と、この金属電極の表面に配置されたn型またはp型の半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
上記各カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子(半導体がn型の場合には5価以上の原子、p型の場合には3価以下の原子)をドーピングし、
さらに上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるとともに、上記並置されたカーボンナノチューブに磁界を付与するように構成したものである。
また、請求項3に係る太陽電池は、金属電極と、この金属電極の表面に配置された半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
上記各カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子をドーピングし、
さらに上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるとともに、上記並置されたカーボンナノチューブの直径に応じた、強さが異なる磁界を付与するように構成したものである。
また、本発明の請求項4に係る太陽電池の製造方法は、金属電極の表面に半導体層を形成し、
次にこの半導体層の表面に且つ当該表面に垂直に、複数のカーボンナノチューブを、その直径が一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化するように並列に且つ主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成し、
次にこれら各カーボンナノチューブの端面に透明電極を形成する方法である。
さらに、本発明の請求項5に係る太陽電池装置は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池を用いた装置であって、
太陽電池の透明電極の表面に、太陽光線を分光させる分光器を配置するとともに、この太陽電池における各カーボンナノチューブにて得られた電気を所定電圧に調整する電圧調整器を具備したものである。
上記太陽電池およびその製造方法並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置の構成によると、透明電極と金属電極との間にカーボンナノチューブを配置するとともに、このカーボンナノチューブの直径を、順次、段階的にまたは連続的に変化させるようにしたので、例えば太陽光線を分光させた際に、それぞれの波長に応じたバンドギャップを有するカーボンナノチューブを形成しておくことができる。したがって、太陽光線の広範囲の波長領域に亘って光電変換を行うことができるので、エネルギーの変換効率が優れた、すなわち光電変換効率が優れた太陽電池および太陽電池装置を提供することができる。
そして、カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成したので、大きいバンドギャップが得られ、より短い波長、すなわち広範囲の波長領域に対応することができる。
さらに、このカーボンナノチューブに磁界を付与するようにしたので、より一層、広範囲の波長領域に対応することができ、言い換えれば、通常の半導体としてのカーボンナノチューブに比べると、径が大きいもので対応することができる。すなわち、太陽電池の製作が容易となる。
本発明の実施例1に係る太陽電池および太陽電池装置の概略構成を示す斜視図である。 同太陽電池の製造方法を説明する斜視図である。 同太陽電池における光電変換効率を説明するグラフで、(a)は実施例1に係るものを示し、(b)は従来例に係るタンデム型のものを示す。 本発明の実施例2に係る太陽電池の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る太陽電池およびその製造方法並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置を具体的に示した実施例に基づき説明する。
以下、本実施例1の太陽電池およびその製造方法、並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置について説明するが、まず本実施例1に係る太陽電池の基本的な構成について説明する。
この太陽電池は、金属電極と、この金属電極の表面に配置された半導体基板(半導体層)と、この半導体基板の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、且つ上記カーボンナノチューブを、主として、金属的性質を有するように形成するとともに、上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的に変化させたものである。
この基本的な構成をもう少し詳しく説明すると、上記カーボンナノチューブについては、電極表面に対して垂直(所謂、垂直配向である)に且つ多数(ここでは、3つ以上であり、言い方によっては、「3つ以上の複数」ということもできる)並列に設けられたもので、例えば多数領域に且つ列状に分けられるとともにこれら各領域毎にその直径が段階的に変化されたものである。
具体的には、多数のカーボンナノチューブからなる領域(以下、チューブ列ともいう)が5つ(3つ以上、すなわち3列以上であればよい)並列に設けられる(並置される)とともに、これらのカーボンナノチューブの直径をチューブ列毎に段階的に変化させたもので、例えば太いものから細いものが順番に設けられている。そして、このカーボンナノチューブについては、主として金属的性質を有するように(金属と同様の自由電子帯を有するように)、つまり金属として形成される。
ここで、カーボンナノチューブの物理的性質について説明しておくと、カーボンナノチューブには、金属としての性質を有するものと半導体としての性質を有するものとがあり、これらの作り分けはカイラリティを制御することにより行われる。具体的には、カーボンナノチューブを形成する際に基板の表面に配置される触媒微粒子の大きさ、クリフの高さなどを制御することにより行うことができる。
例えば、カーボンナノチューブの結晶構造としては、アームチェア型、ジグザグ型などがあるが、アームチェア型については、金属と同様の電気伝導性を有している。したがって、カーボンナノチューブとしては、アームチェア型[カイラル指数の差がゼロ(n−m=0)、またはカイラル指数の差が3の倍数となる]のものが形成される(製造方法は、例えば特開2004−75422号公報に開示されている)。その他、なお、「主として金属的性質を有する」という表現を用いたのは、カーボンナノチューブ全体を金属として形成できない場合、すなわち半導体カーボンナノチューブが混入している場合でも、光は光電変換可能なカーボンナノチューブに吸収されるため、発電は可能である。例えば、40%程度の割合で半導体カーボンナノチューブが混入している場合でも、十分な(実用的な)発電が可能である。
ところで、上述したカーボンナノチューブの形成方向である「垂直」には、当然ながら許容範囲があり、カーボンナノチューブの根元と先端とを結ぶ直線が、電極表面の垂線に対して、例えば90±10°の範囲内であればよい。この意味では、「略垂直」と言い換えることもできる。
ここで、上記基本的構成に係る太陽電池の製造方法を、図1および図2に基づき説明する。
まず、図1に基づき太陽電池の具体的な構成について説明しておく。
この太陽電池1は、アルミニウム(Al)[銅(Cu)を用いることもできる]より形成されるとともに長方形の板状にされた金属電極2と、この金属電極2の上面(表面)に配置され且つシリコン(Si)より形成された長方形の基板に元素周期表の第3族元素であるホウ素(B)がドーピングされてなるp型半導体基板(半導体層)3と、このp型半導体基板3の上面(表面)に且つ当該上面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブ4と、これら各カーボンナノチューブ4の上面(端面)に配置された透明電極(FTO,ZnO,ITO,FTO/ITO,GZO,AZOなどが用いられる)5とが具備され、また上記並置されたカーボンナノチューブ4については、主として金属的性質を有するもの、つまり金属として形成されるとともに、その直径が、太いものから細いものへと、順次、変化されたものである。具体的には、カーボンナノチューブ4は3つ以上(多数)の列状でもって、ここでは、5つの列状でもって形成されているものとして説明する。勿論、カーボンナノチューブの配列は、その直径を連続的に変化させるようにしたものでもよい。
次に、上記太陽電池1を用いた太陽電池装置11について説明する。
すなわち、図1に示すように、上記太陽電池1のカーボンナノチューブ4のチューブ列(4a〜4e)に太陽光線の分光が照射されるように、分光器(分光素子である)12を配置し、分光された光線が、それぞれの波長に対応するチューブ列(4a〜4e)の透明電極5上に導かれるようにする。
そして、各透明電極5に電気配線13を介して電圧調整器14が接続されて、所定の電圧が得られるようにされている。なお、この電圧調整器14は、チューブ列(4a〜4e)に電気配線13を介して接続されたDC/DCコンバータ16と、これらDC/DCコンバータ16に電気配線17を介して接続された電力加算部18とから構成されて、所定電圧の電力が出力される。なお、DC/DCコンバータ16は、各チューブ列(4a〜4e)から取り出される電圧が同一(所定電圧)となるように調整(変換)するためのものである。
次に、図2に基づき、上記太陽電池1の要部であるカーボンナノチューブの部分を主体とした太陽電池の製造方法を概略的に説明しておく。
まず、図2(a)に示すように、p型半導体基板(n型でもよい)3の上面(表面)に、電子ビームを用いて(スパッタ法、真空蒸着法で薄膜形成したものであってもよい)鉄(Fe)の触媒微粒子10(10a〜10e)をチューブ列(4a〜4e)に対応して形成した後、加熱処理を行う。この鉄の触媒微粒子10(10a〜10e)については、各チューブ列(4a〜4e)毎の直径に応じた大きさにされている。例えば、図面の左寄りのチューブ列には直径が大きいものが、また右寄りのチューブ列には直径が小さいものが配置される。すなわち、左側の触媒微粒子10の直径が大きくされて、右側の触媒微粒子10の直径が小さくされている。
次に、図2(b)に示すように、熱CVD法により、鉄の触媒微粒子10(10a〜10e)上にカーボンナノチューブ4(4a〜4e)を形成する。このとき、触媒微粒子10の大きさに応じて、その上面に形成されるカーボンナノチューブ4の直径つまり太さが決まるとともに、カイラリティの制御により、主として、金属的性質を有するものが形成される。なお、カーボンナノチューブ4の長さについては時間と濃度とに依存する。
次に、図2(c)に示すように、電極区切り部分にマスクをして、各チューブ列(4a〜4e)の上面(端面)に透明電極5をPVD法により形成する。そして、最後に、底面の半導体の裏にAlなどの金属電極2をスパッタ法、真空蒸着法などにより付ける。
ここで、金属的性質を有するカーボンナノチューブ、すなわち金属のカーボンナノチューブの光電変換能力について説明する。
この金属のカーボンナノチューブにおいても、半導体性質を有するカーボンナノチューブと同様に、光を吸収すると、電子が内側軌道の伝導帯から外側軌道の伝導帯に遷移(M1遷移と呼ばれている)するという性質を有しており、比較的大きいバンドギャップを有している。
そして、カーボンナノチューブの直径が異なる場合、それぞれのバンドギャップの値が異なり(直径が小さいほど、バンドギャップが大きくなる)、したがって分光された太陽光線が持っているエネルギーhνと等しいバンドギャップを持った直径のカーボンナノチューブを作っておくことにより、多くの波長に対処することができる。
具体的に説明すると、バンドギャップの異なるカーボンナノチューブ(バンドギャップがEg〜Eg、但し、Egn−1<Eg)がn個ある場合、Egより小さくEg以上のエネルギーを持った光はバンドギャップEgの太陽電池で受光されて光電変換が行われる。また、Egより小さくEg以上のエネルギーを持った光については、バンドギャップEgの太陽電池で受光されて光電変換が行われる。以下、同様に、バンドギャップEgを越え、紫外線までの最大エネルギーを有する光については、Egのバンドギャップを持った太陽電池で受光して光電変換が行われる。
このような構成の太陽電池を用いることにより、光電変換し得るエネルギー量を図示すると、図3(a)のグラフのようになる。なお、比較例として、従来技術であるタンデム型の太陽電池の場合を(b)に示しておく。これらのグラフから、カーボンナノチューブの直径を順次段階的に変化させることにより得られる、つまり光電変換し得るエネルギー量が格段に優れていることが分かる。
すなわち、この太陽電池およびその製造方法、並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置の構成によると、金属電極と透明電極との間にカーボンナノチューブを配置するとともに、このカーボンナノチューブの直径を、順次、段階的に(または連続的に)変化させるようにしたので、例えば太陽光線を分光させた際に、それぞれの波長に応じたバンドギャップを有するカーボンナノチューブを形成しておくことができる。したがって、太陽光線の広範囲の波長領域に亘って光電変換を行うことができるので、エネルギーの変換効率が優れた、すなわち光電変換効率が優れた太陽電池および太陽電池装置を提供することができる。
そして、カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成したので、大きいバンドギャップが得られ、より短い波長、すなわち広範囲の波長領域に対応することができる。
以下、本発明の実施例2に係る太陽電池およびその製造方法、並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置について説明する。
上記実施例1においては、カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するもの、つまり金属として説明したが、本実施例2においては、この金属として形成されたカーボンナノチューブに磁力付与手段(磁界付与手段)にて磁力(磁界)を付与することにより、半導体的性質を有するように、つまりカーボンナノチューブを半導体にしたものとして説明する。
以下、本実施例2について説明するが、実施例1と異なる箇所は、金属電極側に磁力付与手段として磁石体を配置するようにしたもので、したがって実施例1と同じ構成部材には同一の部材番号を付すとともにその構成については簡単に説明する。
図4に示すように、この太陽電池21は、カーボンナノチューブ4を主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、金属電極2の下方(下面)に、1個の磁石体(電磁石でもよい)22を配置したものである。なお、このとき、半導体基板(半導体層)3はp型(またはn型)にされるとともに、カーボンナノチューブ4には、炭素原子の原子価と異なる原子価を有する原子がドーピングされて、n型またはp型にされる。例えば、カーボンナノチューブ4をn型にする場合には、元素周期表の第5族元素であるリン(P)がドーピングされ、またp型にする場合には、元素周期表の第3族元素であるホウ素(B)がドーピングされる。勿論、実施例1で説明したように、カーボンナノチューブ4を金属として形成する際には、カイラリティの制御が行われる。
そして、磁石体22により、カーボンナノチューブ4全体に同一強さの磁力(磁束量子半分磁界)を付与することにより、大きいバンドギャップを有する金属カーボンナノチューブを半導体とすることができ、またドープされている原子により、n型またはp型にすることもできる。半導体化に伴って、バンドギャップの小さな準位も生じるが、入射光の波長が十分短い場合は、この遷移より高い準位への遷移が主体となる。
このように、カーボンナノチューブに磁力(磁界)を付与することにより、金属としてのギャップエネルギー(M1)に変化させ得るとともに、より一層、広範囲の波長領域に対応することができ、言い換えれば、通常の半導体としてのカーボンナノチューブに比べると、径が大きいもので対応することができる。すなわち、太陽電池の製作が容易となる。また、半導体に変化させてpn接合にすることで、金属カーボンナノチューブのままでの接合に比べて、発電効率を向上させることができる。
上述したチューブ列(4a〜4e)に対する具体的な数値、すなわち太陽光線の波長と、バンドギャップと、カーボンナノチューブの直径との関係を下記の表1に示す。
Figure 0005383443
この表1から、直径を細くすることなく、つまり太くした状態で、短い波長のバンドギャップに対応させることができる。すなわち、カーボンナノチューブの製作が容易となる。
上述した太陽電池およびその製造方法、並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置の構成によると、実施例1と同様の効果に加えて、カーボンナノチューブが有するバンドギャップを大きくすることができるので、より一層、広範囲の波長の光線に対応することができる。
ここで、本実施例2に係る太陽電池の概略構成を示すと、以下のようになる。
この太陽電池は、金属電極2と、この金属電極2の表面に配置された半導体基板(半導体層)3と、この半導体基板3の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブ4と、これら各カーボンナノチューブ4の金属電極2とは反対側に配置された透明電極5とを具備し、
上記各カーボンナノチューブ4を、主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、これら各カーボンナノチューブ4に炭素原子価とは異なる原子価を有する原子、例えばリン(P)またはホウ素(B)をドーピングし、
さらに上記並置されたカーボンナノチューブ4の直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるとともに、上記並置されたカーボンナノチューブ4に磁石体22により磁力(磁界)を付与するようにしたものである。
また、太陽電池の製造方法についても、簡単に説明すると以下のようになる。
この製造方法は、金属電極2の表面に半導体基板(半導体層)3を形成する工程と、この半導体基板3の上面(表面)に且つ当該上面に垂直に、複数のカーボンナノチューブ4を、その直径が一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化するように並列に且つ主として金属的性質を有するように、つまり金属として形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子、例えばリン(P)またはホウ素(B)をドーピングする工程と、
これら各カーボンナノチューブ4の上面(端面)に透明電極5を形成するとともに、上記金属基板2側に磁石体22を配置して磁力(磁界)を付与する工程とを具備する方法である。
さらに、この太陽電池を用いた太陽電池装置についても、実施例1に記載したものと同様の構成を有するものであり、その説明については省略する。
以下、本発明の実施例3に係る太陽電池およびその製造方法、並びにこの太陽電池を用いた太陽電池装置について説明する。
上記実施例2においては、金属的性質を有するつまり金属としてのカーボンナノチューブに、1個の磁石体を配置して同一の磁力つまり均一な強さの磁力(磁界)を付与するように説明したが、本実施例3においては、カーボンナノチューブのチューブ列毎に磁力(磁界)の強さを変化させるようにしたものである。
以下、本実施例3について説明するが、実施例2と異なる箇所は、それぞれ異なる強さの磁力を有する磁石体を複数個配置したことにあるため、この部分に着目して説明するとともにそれ以外の構成についてはその説明を省略する。
この太陽電池は、カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するもの、つまり金属として形成するとともに、金属電極の下方(下面)に、磁石体(電磁石でもよい)を複数個配置するとともに、各磁石体の磁力(磁界)の強さが異なるようにしたものである。磁石体以外の構成については、実施例2で説明した通りである。
このように、カーボンナノチューブに磁力(磁界)を付与することにより、金属としてのギャップエネルギー(M1)を変化させることができるとともに、それぞれのチューブ列に付与される磁力の強さが異なるようにされているため、カーボンナノチューブにおけるギャップエネルギーの値を細かく変化させることができるため、より広範囲の波長の光線にも対応した太陽電池を得ることができる。
ここで、本実施例3に係る太陽電池の概略構成を示すと、以下のようになる。
この太陽電池は、金属電極と、この金属電極の上面(表面)に配置された半導体基板(半導体層)と、この半導体基板の上面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
上記各カーボンナノチューブを、主として、金属的性質を有するように形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子、例えばリン(P)またはホウ素(B)をドーピングし、
さらに上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的に変化させるとともに、上記直径が段階的に変化されたカーボンナノチューブにおける同一直径のカーボンナノチューブ群毎に、強さが異なる磁力を付与するように構成したものである。この場合も、カーボンナノチューブの直径を連続的に変化させるようにしてもよく、またその磁力付与については、カーボンナノチューブの直径に応じて(に基づき)区分けされた範囲毎に、その強さが異なるようにされる。
また、太陽電池の製造方法についても、簡単に説明すると以下のようになる。
この製造方法は、金属電極の上面(表面)に半導体基板(半導体層)を形成する工程と、この半導体基板の上面(表面)に且つ当該上面に垂直に、複数のカーボンナノチューブを、その直径が一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化するように並列に且つ主として金属的性質を有するように形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子、例えばリン(P)またはホウ素(B)をドーピングする工程と、
次にこれら各カーボンナノチューブの上面(端面)に透明電極を形成するとともに、上記金属基板側に磁石体により磁力(磁界)を付与する工程とを具備する方法である。
さらに、この太陽電池を用いた太陽電池装置についても、実施例1に記載したものと同様の構成を有するものであり、その説明については省略する。
1 太陽電池
2 金属電極
3 p型半導体基板
4 カーボンナノチューブ
5 透明電極
11 太陽電池装置
12 分光器
13 出力調整器
16 DC/DCコンバータ
21 太陽電池
22 磁石体

Claims (5)

  1. 金属電極と、この金属電極の表面に配置された半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
    上記カーボンナノチューブを、主として、金属的性質を有するように形成するとともに、上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させたことを特徴とする太陽電池。
  2. 金属電極と、この金属電極の表面に配置された半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
    上記各カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子をドーピングし、
    さらに上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるとともに、上記並置されたカーボンナノチューブに磁界を付与するように構成したことを特徴とする太陽電池。
  3. 金属電極と、この金属電極の表面に配置された半導体層と、この半導体層の表面に垂直に複数並置されたカーボンナノチューブと、これら各カーボンナノチューブの金属電極とは反対側に配置された透明電極とを具備し、
    上記各カーボンナノチューブを、主として金属的性質を有するように形成するとともに、これら各カーボンナノチューブに炭素原子価とは異なる原子価を有する原子をドーピングし、
    さらに上記並置されたカーボンナノチューブの直径を一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化させるとともに、上記並置されたカーボンナノチューブの直径に応じた、強さが異なる磁界を付与するように構成したことを特徴とする太陽電池。
  4. 金属電極の表面に半導体層を形成し、
    次にこの半導体層の表面に且つ当該表面に垂直に、複数のカーボンナノチューブを、その直径が一方側から他方側に向かって段階的にまたは連続的に変化するように並列に且つ主として金属的性質を有するように形成し、
    次にこれら各カーボンナノチューブの端面に透明電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池を用いた太陽電池装置であって、
    太陽電池の透明電極の表面に、太陽光線を分光させる分光器を配置するとともに、この太陽電池における各カーボンナノチューブにて得られた電気を所定電圧に調整する電圧調整器を具備したことを特徴とする太陽電池装置。
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