以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、光学素子ユニットとして撮影ユニットの手振れを防止するための構成を例示する。また、以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、光軸L(レンズ光軸)に沿う方向をZ軸とする。従って、以下の説明では、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。また、X軸の一方側には+Xを付し、他方側には−Xを付し、Y軸の一方側には+Yを付し、他方側には−Yを付し、Z軸の一方側(被写体側とは反対側)には+Zを付し、他方側(被写体側)には−Zを付して説明する。
(撮影用光学装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した撮影用の光学ユニットの説明図であり、図1(a)、(b)、(c)は各々、光学ユニットが携帯電話機などの光学機器に搭載された状態を模式的に示す説明図、光学ユニットを被写体側からみた斜視図、および光学ユニットを被写体側とは反対側からみた斜視図である。図2は、本発明を適用した撮影用の光学ユニットを光学機器に搭載した様子を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は各々、可動モジュールが基準位置にある状態の説明図、可動モジュールが被写体側に変位した様子を示す説明図、および可動モジュールが被写体側とは反対側に変位した様子を示す説明図である。図3は、本発明を適用した光学ユニットの断面構成を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、光学ユニットの中央部分をYZ平面に沿って切断したときの断面図、および光学ユニットの中央部分をXZ平面に沿って切断したときの断面図である。
図1に示す光学ユニット100(振れ補正機構付き光学ユニット/撮影用光学装置)は、カメラ付き携帯電話機などの光学機器1000に用いられる薄型カメラであって、全体として略直方体形状を有している。光学ユニット100は、後述するように、コイル保持体260と、このコイル保持体260において被写体側(−Z軸方向)とは反対側(+Z軸方向)に固定されたフレーム270と、コイル保持体260およびフレーム270を内側に保持する箱状の固定カバー230とを備えており、コイル保持体260、フレーム270および固定カバー230によって固定体210が構成されている。固定カバー230の内側には、レンズ10を備えた撮影ユニット1が配置されている。固定カバー230において被写体側の端部に位置する上板部231には、矩形窓状の開口部231aが形成されている。本形態では、後述するモジュールカバー390に対して光軸方向で重なる全域が開口部231aになっている。
かかる光学ユニット100は、例えば、図2(a)に示すように、光学機器1000の機器本体1100に用いられたシャーシ1110、1120の間に配置される。このため、光学ユニット100に対しては被写体側(―Z軸方向の側)でシャーシ1110が対向し、被写体とは反対側(+Z軸方向の側)でシャーシ1120が対向する。本形態では、シャーシ1120には有底のユニット収納凹部1121が形成されており、光学ユニット100は、ユニット収納凹部1121の内部にスペーサ1130、1140を介して位置決めされた状態で搭載されている。シャーシ1110には窓1111が形成されており、被写体からの光が窓1111を介して光学ユニット100に入射するようになっている。
図3(a)、(b)に示すように、光学ユニット100において、固定カバー230の内側には、レンズ10を備えた撮影ユニット1を変位させて振れ補正を行なうための振れ補正機構(手振れ補正機構)が構成されている。かかる振れ補正機構を構成するにあたって、光学ユニット100は、まず、固定体210と、撮影ユニット1を内側に保持する可動モジュール300と、固定体210および可動モジュール300に接続する板状バネ部材600と、可動モジュール300と固定体210との間で可動モジュール300を固定体210に対して相対変位させる磁気駆動力を発生させる可動モジュール駆動機構500とを有している。また、光学ユニット100において、被写体側とは反対側には、センサ用フレキシブル基板410と、駆動用フレキシブル基板420とが配置されている。以下、撮影ユニット1、固定体210、可動モジュール300、可動モジュール駆動機構500などの詳細な構成を説明する。
(撮像ユニット1の構成)
図4は、本発明を適用した光学ユニット100の可動モジュール300に内蔵されている撮影ユニット1(光学素子ユニット)の説明図である。なお、図4の左半分は、移動体が無限遠の位置(通常撮影位置)にあるときの図を示しており、図4の右半分は、移動体がマクロ位置(接写撮影位置)にあるときの図を示している。
図4に示すように、撮影ユニット1は、例えば、光学素子としての複数枚のレンズ10(図1(b)参照)を光軸Lの方向に沿って被写体(物体側)に近づくA方向(前側)、および被写体とは反対側(撮像素子側/像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させる光学素子ユニットであり、略直方体形状を有している。撮影ユニット1は、概ね、複数枚のレンズ10(図1(b)参照)および固定絞りなどの光学素子を内側に保持した移動体3と、この移動体3を光軸L方向に沿って移動させるレンズ駆動機構5と、レンズ駆動機構5および移動体3等が搭載された支持体2とを有している。移動体3は、レンズおよび固定絞りを保持する円筒状のレンズホルダ12と、レンズホルダ12を内側に保持するコイルホルダ13とを備えており、コイルホルダ13の外周側面には、レンズ駆動機構5を構成するレンズ駆動用コイル30s、30tが保持されている。
支持体2は、被写体側と反対側で撮像素子155を位置決めする矩形板状の撮像素子ホルダ19と、撮像素子ホルダ19に対して被写体側で被さる箱状のケース18と、ケース18の内側に配置される矩形板状のスペーサ11とを備えており、ケース18およびスペーサ11の中央には、被写体からの光をレンズに取り込むための円形の入射窓110、18aが各々形成されている。また、撮像素子ホルダ19の中央には、入射光を撮像素子155に導く窓19aが形成されている。撮影ユニット1において、支持体2は、撮像素子155が実装された基板151を備えており、基板151は撮像素子ホルダ19の下面に固定されている。
ケース18は、鋼板等の強磁性板からなり、ヨークとしても機能する。このため、ケース18は、後述するレンズ駆動用マグネット17とともに、レンズ駆動用コイル30s、30tに鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体を構成しており、かかる鎖交磁界発生体は、コイルホルダ13の外周面に巻回されたレンズ駆動用コイル30s、30tとともにレンズ駆動機構5を構成している。
支持体2と移動体3とは、光軸L方向で離間する位置に設けられた金属製のバネ部材14s、14tを介して接続されている。バネ部材14s、14tは基本的な構成が同様であり、支持体2側に保持される外周側連結部と、移動体3の側に保持される円環状の内周側連結部と、外周側連結部と内周側連結部とを接続するアーム状の板バネ部とを備えている。バネ部材14s、14tのうち、撮像素子155側のバネ部材14sは、撮像素子ホルダ19に外周側連結部が保持され、内周側連結部が移動体3のコイルホルダ13の撮像素子側端面に連結されている。被写体側のバネ部材14tは、スペーサ11に外周側連結部が保持され、内周側連結部が移動体3のコイルホルダ13の被写体側端面に連結されている。このようにして、移動体3は、バネ部材14s、14tを介して支持体2に光軸Lの方向に移動可能に支持されている。かかるバネ部材14s、14tはいずれも、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。バネ部材14s、14tのうち、バネ部材14sは、2つのバネ片に2分割されており、レンズ駆動用コイル30s、30tの各端末は各々、バネ片に接続される。また、バネ部材14sにおいて、2つのバネ片には各々、端子が形成されており、バネ部材14sはレンズ駆動用コイル30s、30tに対する給電部材としても機能する。
コイルホルダ13の被写体側端面にはリング状の磁性片61が保持されており、かかる磁性片61の位置は、レンズ駆動用マグネット17に対して被写体側よりの位置である。このため、磁性片61は、レンズ駆動用マグネット17との間に作用する吸引力により移動体3に対して光軸Lの方向の付勢力を印加する。このため、非通電時(原点位置)においてはレンズ駆動用マグネット17と磁性片61との吸引力によってレンズホルダ12を撮像素子155側に静置することができる。また、磁性片61は、一種のヨークとして作用し、レンズ駆動用マグネット17とレンズ駆動用コイル30s、30tとの間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができる。磁性片61としては、棒状あるいは球状の磁性体が用いられることもある。磁性片61をリング形状にすれば、レンズホルダ12が光軸L方向に移動する際にレンズ駆動用マグネット17と引き合う磁気吸引力が等方的になるという効果がある。さらに、レンズ駆動用コイル30s、30tに対する通電時、磁性片61はレンズ駆動用マグネット17から離間する方向に移動するので、撮像素子155側にレンズホルダ12を押し付けるような余計な力は働かない。そのため、少ない電力でレンズホルダ12を光軸L方向に移動させることができる。
本形態の撮影ユニット1において、光軸Lの方向からみたとき、レンズ10(図1(b)参照)は円形であるが、支持体2に用いたケース18は矩形箱状である。従って、ケース18は、角筒状胴部18cを備えており、角筒状胴部18cの上面側には、入射窓18aが形成された上板部18bを備えている。角筒状胴部18cの四角形の辺に相当する側面部にはレンズ駆動用マグネット17が固着されており、かかるレンズ駆動用マグネット17は各々、矩形の平板状永久磁石からなる。4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸Lの方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。
本形態において、コイルホルダ13を光軸Lの方向からみたとき、コイルホルダ13の内周形状は円形であるが、コイルホルダ13の外周形状を規定する外周側面は四角形であり、かかるコイルホルダ13の周りにレンズ駆動用コイル30s、30tが巻回されている。ここで、4つのレンズ駆動用マグネット17はいずれも光軸L方向において2分割されており、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されているため、2つのレンズ駆動用コイル30s、30tにおける巻回方向は反対である。このように構成した移動体3は、ケース18の内側に配置される。その結果、レンズ駆動用コイル30s、30tは各々、ケース18の角筒状胴部18cの内面に固着されたレンズ駆動用マグネット17に対向することになる。
このように構成した撮影ユニット1において、移動体3は、通常は撮像素子側(Z軸方向の一方側)に位置しており、このような状態において、レンズ駆動用コイル30s、30tに所定方向の電流を流すと、レンズ駆動用コイル30s、30tは、それぞれ被写体側(Z軸方向の他方側)に向かう電磁力を受けることになる。これにより、レンズ駆動用コイル30s、30tが固着された移動体3は、被写体側(前側)に移動し始めることになる。このとき、バネ部材14tと移動体3の前端との間、およびバネ部材14sと移動体3の後端との間には、移動体3の移動を規制する弾性力が発生する。このため、移動体3を前側に移動させようとする電磁力と、移動体3の移動を規制する弾性力とが釣り合ったとき、移動体3は停止する。その際、バネ部材14s、14tによって移動体3に働く弾性力に応じて、レンズ駆動用コイル30s、30tに流す電流量を調整することで、移動体3を所望の位置に停止させることができる。
(固定体210側の構成)
図5は、本発明を適用した光学ユニット100を固定体210と可動モジュール300とに分解したときの斜視図である。図6は、本発明を適用した光学ユニット100に用いた固定体210側の分解斜視図であり、図6(a)、(b)は、固定体210側から固定カバー230を外した状態の分解斜視図、および固定体210をさらに細かく分解したときの分解斜視図である。
図5および図6に示すように、光学ユニット100の固定体210では、固定カバー230の内側に矩形枠状のコイル保持体260および矩形枠状のフレーム270が配置され、コイル保持体260およびフレーム270の内側に、撮影ユニット1を備えた可動モジュール300が配置される。
固定カバー230は、可動モジュール300の周りを囲む角筒状胴部238と、上板部231とを備えており、角筒状胴部238において−Y軸方向に位置する側板部には切り欠き239が形成されている。上板部231は、Y軸方向に長辺を向け、X軸方向に短辺を向けた矩形の平面形状を備えており、開口部231aも、上板部231と同様、Y軸方向の長辺を向け、X軸方向に短辺を向けた矩形の平面形状を備えている。本形態では、固定体210の被写体側の端部(固定カバー230の上板部231)において、可動モジュール300の外形を規定するモジュールカバー390に対して光軸方向で重なる全域が開口部231aになっている。
また、角筒状胴部238において+Z軸方向に位置する部分は開放端になっている。このため、固定カバー230は、被写体側とは反対側の端部に大きな開口部238bを備えており、固定カバー230では、被写体側とは反対側の端部において可動モジュール300の外形を規定するモジュールカバー390に対して光軸方向で重なる全域が開口部238bになっている。
コイル保持体260は、4つの角部分に支柱部分261を備えており、支柱部分261は上端部同士が桟部262で連結されている。コイル保持体260の4つの側面には、可動モジュール300をX軸方向の両側で挟む2つX側コイル571と、可動モジュール300をY軸方向の両側で挟む2つのY側コイル572とが固着されている。X側コイル571およびY側コイル572は矩形枠状に巻回された空芯コイルであり、Z軸方向で対向する2つの有効辺部分を備えている。なお、コイル保持体260の4つの支柱部分261のいずれにおいても、被写体側とは反対側の端面ではネジ279を止める穴(図示せず)が開口している。
コイル保持体260において被写体側とは反対側には矩形枠状のフレーム270が重ねて配置されている。フレーム270は、矩形の枠状部271と、枠状部271の4つの角部分でコイル保持体260に向けて突出する円筒部272とを備えており、円筒部272には、光軸方向で貫通してネジ279を通す穴が形成されている。ここで、コイル保持体260の角部分は、フレーム270の円筒部272と重なる。従って、コイル保持体260とフレーム270とは4つの角部分でワッシャ278およびネジ279によって固定され、かかる固定を行なった状態で、フレーム270の枠状部271とコイル保持体260との間には隙間が空いている。
(駆動用フレキシブル基板420の構成)
本形態の光学ユニット100において、固定体210に対して被写体側とは反対側には駆動用フレキシブル基板420が配置されており、駆動用フレキシブル基板420は、メイン基板430と、メイン基板430に接続されたサブ基板440とからなる。メイン基板430は、2つの矩形部分を繋げた形状の基板本体部431と、基板本体部431の幅方向(X軸方向)の両端部分から+Y軸方向に向けて延在する2本の帯状の引き回し部432、433とを備えている。サブ基板440は、矩形の基板本体部441と、基板本体部431において幅方向(X軸方向)の両端部分よりやや内側に位置する部分から+Y軸方向に向けて延在した後、X軸方向の両側に向けて屈曲する帯状接続部442、443とを備えている。
本形態では、メイン基板430の引き回し部432、433の先端部と、サブ基板440の帯状接続部442、443の先端部とを接合し、メイン基板430とサブ基板440とが一体となった駆動用フレキシブル基板420を構成するとともに、メイン基板430とサブ基板440とを電気的に接続している。その際、サブ基板440は、メイン基板430の引き回し部432、433の間に位置する。また、引き回し部432、433の先端部とサブ基板440の帯状接続部442、443の先端部とを重ねた状態で接合すると、駆動用フレキシブル基板420には、面外方向への折り曲げ部分421、422(屈曲部分)が形成される。
なお、X側コイル571およびY側コイル572への給電には補助基板450が用いられており、かかる補助基板450は、ネジ279によってフレーム270とコイル保持体260とを連結する際、ネジ279によって端部451がフレーム270の下面(被写体側とは反対側の面)に固定される。また、メイン基板430の基板本体部431は、固定板480によって、フレーム270の枠状部271の下面(被写体側とは反対側の面)にネジ491により固定される。
(可動モジュール300側の全体構成)
図7は、本発明を適用した光学ユニット100に用いた可動モジュール300の説明図であり、図7(a)、(b)、(c)は、可動モジュール300を被写体側からみた斜視図、可動モジュール300を被写体側とは反対側からみた斜視図、および可動モジュール300の側面図である。図8は、本発明を適用した光学ユニット100に用いた可動モジュール300の分解斜視図であり、図8(a)、(b)は各々、可動モジュール300を被写体側からみた分解斜視図、および可動モジュール300を被写体側とは反対側からみた分解斜視図である。
図5(b)、図7および図8に示すように、本形態の光学ユニット100において、可動モジュール300は、図4を参照して説明した撮影ユニット1と、撮影ユニット1を内側に収納する角筒状のモジュールカバー390と、モジュールカバー390に対してZ軸方向の一方側に重ねて配置される矩形枠状のセンサ保持プレート370と、センサ保持プレート370に対してZ軸方向の一方側に重ねて配置される下側カバー380とを備えている。
ここで、モジュールカバー390と下側カバー380は、撮影ユニット1を収納する可動モジュール側カバー体360を構成している。また、モジュールカバー390および下側カバー380のうちの一方のカバーは、撮影ユニット1を光軸方向の一方側で支持する第1カバー部材として利用され、他方のカバーは、第1カバー部材との間に撮影ユニット1を挟んで挟持する第2カバー部材として利用されている。本形態では、モジュールカバー390が第1カバー部材に相当し、下側カバー380が第2カバー部材に相当する。
モジュールカバー390は、角筒状胴部398を備えており、かかる角筒状胴部398の外側の面には、可動モジュール300をX軸方向の両側で挟むX側マグネット581と、可動モジュール300をY軸方向の両側で挟むY側マグネット582とが固着されている。X側マグネット581およびY側マグネット582はいずれも、Z軸方向に配列された2つの平板状のマグネット片により構成されており、2つのマグネット片は、内面と外面とが異なる極に着磁され、光軸方向で異なる極となるように配置されている。なお、モジュールカバー390は磁性板からなり、バックヨークとして機能する。
角筒状胴部398の内側は、後述するジャイロスコープ180(振れ検出センサ)を覆うセンサ収容部396と、撮影ユニット1が収容される撮影ユニット収容部397とからなり、センサ収容部396は、上板部394を備えている。センサ収容部396において上板部394の下側にはブロック305が配置されており、かかるブロック305の下方位置にジャイロスコープ180が配置される。
モジュールカバー390において、撮影ユニット収容部397に相当する部分の角筒状胴部398の被写体側端部は、センサ収容部396の上板部394よりさらに被写体側に位置しており、かかる撮影ユニット収容部397の4つの角部分には三角形の端板部395が形成されている。
また、モジュールカバー390の角筒状胴部398の4つの角部分において、被写体側とは反対側の端部には外周側に向けて張り出した連結部393が形成されており、かかる4つの連結部393の各々には、ネジ108を通すための穴が形成されている。
撮影ユニット1において被写体側の端部10eには、モジュールカバー390の端板部395と重なる部分で光軸方向に凹む三角形の4つの凹部102が形成されており、撮影ユニット1をモジュールカバー390の内側に収納した際、モジュールカバー390の端板部395は、撮影ユニット1の凹部102に嵌る。
本形態では、凹部102の深さは、モジュールカバー390の端板部395よりもわずかに浅い。このため、可動モジュール300の被写体側端部において、光軸方向で最も端に位置する最端部300aは、モジュールカバー390の端板部395の外面であり、開口部231aは、可動モジュール300の最端部300aに対して光軸方向で重なる領域全体を含む領域で開口していることになる。
また、撮影ユニット1の4つの外側面のうち、−Y軸側に位置する端面には、2つの突起103が形成されているとともに、+Y軸側に位置する端面の両側端部には突起104が形成されている。本形態では、撮影ユニット1の外側は、図4に示すケース18になっていることから、端部10e、凹部102、突起103および突起104はいずれもケース18に形成されている。なお、撮影ユニット1の被写体側とは反対側の端面には、図6を参照して説明した駆動用フレキシブル基板420のサブ基板440の基板本体部441が接続されている。
センサ保持プレート370は、矩形枠部371と、矩形枠部371の各対角位置でモジュールカバー390に向けて突出した円筒部372とを備えている。円筒部372には、ネジ108を止めるための貫通穴が形成されており、矩形枠部371において相対向する一対の辺部、および他の1つの辺部には、ネジ109を止めるための穴371aが形成されている。また、矩形枠部371において穴371aが1つ形成されている辺部の内縁には、後述する弾性部材106を内側に保持する2つの切り欠き371cが形成されている。
下側カバー380は、矩形の平板部381と、平板部381において相対向する一対の辺部でセンサ保持プレート370に向けて突出する2つの座板部386と、平板部381において他の1つの辺部でセンサ保持プレート370に向けて突出する1つの座板部385とを有しており、座板部385、386には、ネジ109を通す穴が形成されている。本形態では、座板部385は、座板部386に比してX方向における寸法が長い。
このような構成の可動モジュール300の被写体側とは反対側の端部において、光軸方向で最も端に位置する最端部300bは、下側カバー380の平板部381であり、開口部238bは、可動モジュール300の最端部300bに対して光軸方向で重なる領域全体を含む領域で開口していることになる。
(センサ用フレキシブル基板410の構成)
光学ユニット100において、撮影ユニット1に対して被写体側とは反対側には、センサ用フレキシブル基板410が配置されている。センサ用フレキシブル基板410は、矩形の基板本体部411と、基板本体部411において幅方向(X方向)の両端部分から+Y軸方向に向けて延在した帯状の引き回し部412、413と、引き回し部412、413の先端部同士を結ぶ幅広のセンサ実装部414とを備えている。また、センサ用フレキシブル基板410は、センサ実装部414から引き回し部412、413で挟まれた部分で延在する折り曲げ部分416を備えており、かかる折り曲げ部分416は、センサ実装部414との連接部付近で被写体側に向けて面外方向に直角に折れ曲がった後、Y軸方向の一方側に向けて折れ曲がっている。
かかるセンサ用フレキシブル基板410においては、センサ実装部414に、手振れセンサとしてのジャイロスコープ180(角速度センサ)が実装されており、折り曲げ部分416の内側にブロック305が実装されている。かかるブロック305は、ジャイロスコープ180を押し付け固定する機能を担っている。
(板状バネ部材600の構成)
このように構成した可動モジュール300は、板状バネ部材600によって、図5(a)および図6を参照して説明した固定体210に対して変位可能な状態で支持される。板状バネ部材600は、可動モジュール300に連結される内側の可動モジュール側連結部610と、固定体210に連結された外側の固定体側連結部620と、可動モジュール側連結部610と固定体側連結部620との間で延在するアーム部630を備えており、可動モジュール側連結部610および固定体側連結部620には、ネジ108およびネジ279を通す穴が形成されている。かかる板状バネ部材600は、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。
本形態において、板状バネ部材600は全体として矩形枠状に形成されており、可動モジュール側連結部610および固定体側連結部620はいずれも、板状バネ部材600の4つの角部分に配置されている。4本のアーム部630はいずれも、可動モジュール側連結部610から周方向の同一方向に直角に屈曲しながら延在して固定体側連結部620まで延在している。なお、板状バネ部材600については、可動モジュール側連結部610および固定体側連結部620が各々周方向に繋がっている構成を採用してもよい。
(固定体210への可動モジュール300の搭載構造)
図9は、本発明を適用した光学ユニット100から固定カバーなどを外して被写体側からみた平面図である。図10は、本発明を適用した光学ユニット100における固定体210への可動モジュール30の搭載構造を示す底面図であり、図10(a)、(b)、(c)は、光学ユニット100の被写体側とは反対側の端部の構成を示す底面図、下側カバー380を外した状態の底面図、およびさらに駆動用フレキシブル基板420を外した状態の底面図である。
本形態の光学ユニット100において、板状バネ部材600を介して固定体210に可動モジュール300が支持された構造とするにあたって、まず、図8に示すセンサ保持プレート370とモジュールカバー390とをネジ108で連結する。その際、センサ保持プレート370の円筒部372とモジュールカバー390の連結部393との間に、板状バネ部材600の可動モジュール側連結部610を配置しておく。従って、センサ保持プレート370とモジュールカバー390とをネジ108で連結すると、板状バネ部材600の可動モジュール側連結部610は、センサ保持プレート370とモジュールカバー390との間に挟持された状態となる。また、センサ用フレキシブル基板410においてジャイロスコープ180が実装されているセンサ実装部414、およびブロック305が実装された折り曲げ部分416をセンサ保持プレート370とモジュールカバー390との間に配置しておく。その結果、ジャイロスコープ180は、ブロック305とともに、モジュールカバー390とセンサ保持プレート370との間に挟持された状態となる。この状態で、図9に示すように、ジャイロスコープ180の中心Sは、モジュールカバー390と下側カバー380との連結位置(ネジ108の位置)で囲まれた領域内にある。本形態において、ジャイロスコープ180は平面矩形形状であるため、ジャイロスコープ180の中心Sは、ジャイロスコープ180の対角同士を結ぶ直線の交点として求められる。
次に、図6(b)に示すフレーム270とコイル保持部材260とをネジ279で連結して固定体210を形成する際、フレーム270の円筒部272とコイル保持部材260の支柱部261との間に、図8に示す板状バネ部材600の固定体側連結部620を配置しておく。従って、フレーム270とコイル保持部材260とをネジ279で連結すると、板状バネ部材600の固定体側連結部620は、フレーム270とコイル保持部材260との間に挟持された状態となる。この状態で、モジュールカバー390およびセンサ保持プレート370は、板状バネ部材00を介して固定体210に変位可能に支持された状態となる。その際、フレーム270にセンサ用フレキシブル基板410の基板本体部411および補助基板450の端部を重ねておき、この状態で、ネジ279を止める。その結果、図10(c)に示すように、センサ用フレキシブル基板410の基板本体部411、および補助基板450の端部451は、ネジ279によってフレーム270に固定される。
次に、図10(b)に示すように、モジュールカバー390の内側に被写体側とは反対側から撮影ユニット1を挿入した後、センサ保持プレート370の切り欠き371cおよび矩形枠371の入角部分に、ゴムなどからなる弾性部材106を入れる。その結果、撮影ユニット1の突起103、104と光軸方向で重なる位置に弾性部材106が配置される。その際、撮影ユニット1の被写体側とは反対側の端面には、サブ基板440の基板本体部441を接合しておく。また、メイン基板430の基板本体部431については、固定板480によって、フレーム270の枠状部271にネジ491により固定しておく。その結果、メイン基板430の引き回し部432、433の先端部とサブ基板440の引き回し部442、443の先端部とが重なるので、メイン基板430の引き回し部432、433の先端部とサブ基板440の引き回し部442、443の先端部とを接合する。
しかる後に、図10(a)に示すように、下側カバー380を重ね、下側カバー380の座板部385、386の穴からセンサ保持プレート370の穴371aにネジ51を止めると、撮影ユニット1は、モジュールカバー390と下側カバー380との間に挟持された状態となる。しかる後に、固定カバー390を接着などの方法で取り付ける。
このようにして光学ユニット100を組み立てると、可動モジュール300は板状バネ部材600を介して固定体210に変位可能に支持された状態となる。また、撮影ユニット1は、被写体側では、図8に示すモジュールカバー390の端板部395に凹部102が嵌って直接当接する一方、被写体側とは反対側では、撮影ユニット1の突起103、104と下側カバー380の座板部385、386とが弾性部材106を介して当接する。従って、各部材に寸法的な誤差などがあっても、かかる誤差は、弾性部材106の圧縮により吸収される。
なお、可動モジュール300を組み立てる前の段階で、メイン基板430の引き回し部432、433の先端部とサブ基板440の帯状接続部442、443の先端部とを接合して駆動用フレキシブル基板420としておき、この状態で、サブ基板440の基板本体部441を撮影ユニット1の被写体の側とは反対側の端面に接合しておいてもよい。
以上説明したように光学ユニット100を組み立てると、図10(a)に示すように、駆動用フレキシブル基板420の引き回し部432、433(メイン基板430の引き回し部432、433)は、撮像ユニット1の側方にあって、撮像ユニット1に対して光軸方向で重なっていない。また、駆動用フレキシブル基板420の固定体210への固定部分F1は、固定板480の固定位置であるが、かかる固定部分F1から駆動用フレキシブル基板420の面外方向への折り曲げ部分422までの直線距離は、駆動用フレキシブル基板420の固定体210への固定部分F1から可動モジュール300中心位置Mまでの直線距離よりも長い。本形態において、可動モジュール300は平面矩形形状であるため、可動モジュール300の中心位置Mは、可動モジュール300の対角同士を結ぶ直線の交点として求められる。
また、センサ用フレキシブル基板410の引き回し部412、413も、駆動用フレキシブル基板420の引き回し部432、433と同様、撮像ユニット1の側方にあって、撮像ユニット1に対して光軸方向で重なっていない。また、センサ用フレキシブル基板410の固定体210への固定部分F2は、ネジ279の取り付け位置であるが、かかる固定部分F2から面外方向への折り曲げ部分415までの直線距離は、センサ用フレキシブル基板410の固定体210への固定部分F2から可動モジュール300中心位置Mまでの直線距離よりも長い。
また、駆動用フレキシブル基板420の引き回し部432、433は、センサ用フレキシブル基板410の引き回し部412、413よりも光軸方向の外側に位置しているが、後述するように、引き回し部432、433は、光軸方向において、可動モジュール駆動機構500により駆動された際に可動モジュール300が位置する範囲内に配置されている。
(可動モジュール駆動機構500の構成および手振れ補正動作)
本形態では、光学ユニット100を組み立てると、図3(a)、(b)に示すように、可動モジュール300のX側マグネット581は、コイル保持体260のX側コイル571に対向し、X側コイル571に鎖交する磁界を発生させる。X側磁気駆動機構501が構成される。また、可動モジュール300のY側マグネット582は、コイル保持体260のY側コイル572に対向し、Y側コイル572に鎖交する磁界を発生させる。Y側磁気駆動機構502が構成される。
従って、X側磁気駆動機構501では、ジャイロスコープ180の監視結果において可動モジュール300が手振れによりY軸周りに揺動したことを検出すると、かかる振れを相殺するようにX側コイル571が通電制御され、矢印Y1で示すように可動モジュール300をY軸周りに揺動させる。また、Y側磁気駆動機構502では、ジャイロスコープ180の監視結果において可動モジュール300が手振れによりX軸周りに揺動したことを検出すると、かかる振れを相殺するようにY側コイル572が通電制御され、矢印X1で示すように可動モジュール300をX軸周りに揺動させる。それ故、可動モジュール300での揺れを補正することができる。
その際、可動モジュール300が位置する光軸方向の範囲は、図3(b)の矢印LLで示すことができ、かかる範囲内に駆動用フレキシブル基板420の引き回し部432、433、およびセンサ用フレキシブル基板410の引き回し部412、413が配置されている。
(可動モジュール300に対するストッパ)
本形態の光学ユニット100において、固定体210の固定カバー230では、光軸方向の両端部に開口部231a、238bが形成されており、かかる開口部231a、238bは、モジュールカバー390に対して光軸方向の重なる領域で開口している。このため、本形態の光学ユニット100では、可動モジュール300が外力によって光軸方向に変位した際、あるいは可動モジュール300を揺動させた際、可動モジュール300の可動範囲を規定するストッパが設けられていない。
但し、本形態の光学機器1000では、光学ユニット100に対しては被写体側でシャーシ1110が対向し、光学ユニット100に対しては被写体側とは反対側でシャーシ1120が対向している。このため、図2(b)に示すように、可動モジュール300が被写体側(―Z軸方向の側)に変位すると、可動モジュール300はシャーシ1110に当接し、それ以上の変位が阻止される。それ故、本形態では、シャーシ1110が可動モジュール300に対するストッパとして機能する。その際、可動モジュール300においてシャーシ1110と当接するのはモジュールカバー390であるため、撮像ユニット1には直接衝撃が加わらない。しかも、可動モジュール300の被写体側端部の4つの角部分においては、モジュールカバー390に端板部395を設け、撮影ユニット1には端板部395が嵌る凹部102を設けてある。このため、被写体側において、可動モジュール300の角部分がシャーシ1110に当接する場合でも、シャーシ1110と当接するのはモジュールカバー390であるため、撮像ユニット1には直接衝撃が加わらない。
また、図2(c)に示すように、可動モジュール300が被写体側とは反対側(+Z軸方向の側)に変位すると、可動モジュール300はシャーシ1120に当接し、それ以上の変位が阻止される。それ故、本形態では、シャーシ1120が可動モジュール300に対するストッパとして機能する。その際、可動モジュール300においてシャーシ1110と当接するのは下側カバー380であるため、撮像ユニット1には直接衝撃が加わらない。なお、図2には、可動モジュール300が傾かない姿勢で光軸方向に変位した様子を示してあるが、手振れ補正によって、可動モジュール300が傾いた姿勢で光軸方向に変位した場合も略同様である。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学ユニット100において、固定体210は、光軸方向の一方端および他方端の各々に、可動モジュール30の光軸方向の最も端に位置する最端部300a、300bに対して光軸方向で重なる領域全体を含む領域で開口する開口部231a、238bを備えており、固定体210において、可動モジュール300の最端部300a、300bに対して光軸方向で重なる位置にストッパを備えていない。このため、光学ユニット100における光軸方向の寸法(厚さ寸法)を小さくすることができる。
かかる構成を採用した場合でも、光学ユニット100を備えた光学機器1000の機器本体1100においては、図2を参照して説明したように、シャーシ1110、1120が、可動モジュール300の端部が開口部231a、238bから突出した際に最端部300a、300bが当接するストッパとして機能する。このため、光学ユニット100自身にストッパを設けなくても、可動モジュール300の光軸方向への可動範囲を規定することができる。それ故、光学ユニット100を薄型化した場合でも、光学ユニット100の信頼性を高めることができる。
また、機器本体1100は、光学ユニット100を収納する有底の光学ユニット収納凹部1121を備えているため、光学ユニット100を光学ユニット収納凹部1121に収納するだけで、光学ユニット100の機器本体1100への位置決めを行なうことができる。また、シャーシ1120の光学ユニット収納凹部1121は有底であるため、光学ユニット収納凹部1121の底部を、光学ユニット100に対するストッパとして利用することができる。
また、可動モジュール300は、光学素子を保持する撮影ユニット1(光学素子ユニット)と、撮影ユニット1を内側に保持する可動モジュール側カバー体360とを備え、可動モジュール側カバー体360において被写体側に位置するモジュールカバー390は、撮影ユニット1に対して光軸方向で部分的に重なる端板部395を備えている。また、撮影ユニット1は、端板部395が重なる部分には光軸方向に凹んだ凹部102が形成されている。このため、モジュールカバー390に端板部395を設けた場合でも、凹部102の深さ分だけは、可動モジュール300を薄型化することができ、光学ユニット100を薄型化するのに有利である。また、撮影ユニット1は、光軸方向からみたときに矩形形状を備え、端板部395および凹部102は、撮影ユニット1の4つの角部に光軸方向で重なる各々の位置に形成されている。このため、撮影ユニット1の4つの角部分に形成した凹部102に端板部395を嵌めることができ、撮影ユニット1とモジュールカバー390(可動モジュール側カバー体360)との位置合わせを行なうことができる。さらに、可動モジュール300が傾いてシャーシ1110に当接した場合でも、シャーシ1110と当接するのは端板部395であり、撮影ユニット1はシャーシ1110に直接、当接することがない。それ故、撮影ユニット1の破損を防止することができる。
また、可動モジュール側カバー体360において、モジュールカバー390と撮影ユニット1とは直接当接し、下側カバー380は弾性部材106を介して当接している。このため、各部材に寸法的な誤差などがあっても、かかる誤差は、弾性部材106の圧縮により吸収されるので、撮影ユニット1は、モジュールカバー390と下側カバー380との間に確実に挟持される。その際、センサ保持プレート370も確実に連結されるので、ジャイロスコープ180は、可動モジュール300の振れを確実に検出する。
また、本形態では、撮影ユニット1の周りを囲むようにセンサ保持プレート370を配置し、かかるセンサ保持プレート370によって、撮影ユニット1に対して光軸方向で重ならない位置でジャイロスコープ180を保持する。このため、ジャイロスコープ180と撮影ユニット1とは光軸方向で重なっていないので、可動モジュール300の光軸方向の寸法(厚さ寸法)を小さくすることができる。
また、可動モジュール300についてはモジュールカバー390および下側カバー380の双方と連結しているので、センサ保持プレート370の剛性が大きい。しかも、図9に示すように、ジャイロスコープ180の中心位置Sは、センサ保持プレート370とモジュールカバー390との連結個所で囲まれた領域内に配置されているため、センサ保持プレート370において、ジャイロスコープ180の中心が位置する部分の剛性が大きい。従って、センサ保持プレート370においてジャイロスコープ180の中心が位置する部分が振動しにくいので、可動モジュール300および光学ユニット100を薄型化した場合でも、ジャイロスコープ180に余計な振動が発生しにくく、ジャイロスコープ180は可動モジュール300の振れを確実に補正することができる。
また、図10に示すように、駆動用フレキシブル基板420の引き回し部432、433、およびセンサ用フレキシブル基板410の引き回し部412、413はいずれも、撮影ユニット1の側方で延在し、撮影ユニット1に光軸方向で重ならない領域に配置されている。また、引き回し部432、433、およびセンサ用フレキシブル基板410の引き回し部412、413は、可動モジュール駆動機構500によって可動モジュール300が変位した際に可動モジュール300が位置する範囲内(図3(b)の矢印LLで示す範囲内)に配置されている。このため、光学ユニット100の薄型化を図ることができる。
また、駆動用フレキシブル基板420の固定体210との固定部分F1(固定板480)から駆動用フレキシブル基板420の面外方向への折り曲げ部分422までの直線距離は、駆動用フレキシブル基板420の固定体210への固定部分F1から可動モジュール300中心位置Mまでの直線距離よりも長い。また、センサ用フレキシブル基板410の固定体210への固定部分F2(ネジ279の取り付け位置)から面外方向への折り曲げ部分415までの直線距離は、センサ用フレキシブル基板410の固定体210への固定部分F2から可動モジュール300中心位置Mまでの直線距離よりも長い。それ故、可動モジュール駆動機構500が可動モジュール300を揺動させる際、駆動用フレキシブル基板420およびセンサ用フレキシブル基板410は可動モジュール300に大きな抗力を発生させない。それ故、可動モジュール駆動機構500は、比較的小さな駆動力で可動モジュール300を駆動でき、手振れを応答よく補正することができる。
さらに、X側磁気駆動機構501およびY側磁気駆動機構502を各々、可動モジュール300をX軸方向の両側で挟む2箇所、および可動モジュール300をY軸方向の両側で挟む2箇所の計4個所に設け、可動モジュール300の周りを有効利用しているので、駆動能力が高い。また、可動モジュール300をX軸周りおよびY軸周りに揺動させることができるので、それらを合成すれば、XY面全体に対して可動モジュール300を変位させることができる。それ故、光学ユニット100で想定される全ての振れを確実に補正することができる。
[他の実施の形態]
図11は、本発明を適用した光学ユニットで用いられる別の下側カバーの説明図である。上記実施の形態では、図8に示すように、撮影ユニット1を収納する可動モジュール側カバー体360において、被写体側のモジュールカバー390に端板部395を設けたが、図11に示すように、下側カバー380において、撮影ユニット1の角部分に光軸方向で重なる位置に端板部388を設けてもよい。すなわち、図11に示す下側カバー380は、コの字形状の枠部387を備え、かかる枠部387の角部分および端部に三角形の端板部388が形成されている。この場合、撮影ユニット1において、被写体側とは反対側の端部において、端板部395と光軸方向に重なる位置に凹部108を設けることになる。かかる構成の場合、下側カバー380の端板部388が、可動モジュール300の被写体側とは反対側の端部における最端部300bとなる。この場合も、撮影ユニット1の突起103、104と端板部388との間には弾性部材106を配置することが好ましい。なお、可動モジュール側カバー体360に端板部を設け、撮像ユニット1に凹部を設けた構成は、被写体側とは反対側の端部のみに採用してもよい。
上記実施の形態では、図2を参照して説明したように、被写体側、および被写体側とは反対側の双方において、機器本体1100に可動モジュール300に対するストッパ(シャーシ1110、1120)を設けたが、被写体側、および被写体側とは反対側の一方のみにおいて、機器本体1100に可動モジュール300に対するストッパを設け、他方側では、固定カバー230の上板部231をストッパとして利用した構成を採用してもよい。
上記実施の形態では、被写体側、および被写体側とは反対側の双方において、撮像ユニット1以外の部材によって最端部300a、300bを構成したが、被写体側、および被写体側とは反対側の一方あるいは双方において、撮像ユニット1自身によって最端部300a、300bを構成してもよい。
上記実施の形態では、撮像ユニット1と下側カバー380との間に弾性部材106を配置したが、モジュールカバー390と撮像ユニット1との間に弾性部材106を設け、下側カバー380と撮像ユニット1については直接、当接する構成を採用してもよい。また、上記実施の形態では、ジャイロスコープ180の中心位置Sが、センサ保持プレート370とモジュールカバー390との連結個所で囲まれた領域内に配置した構造を採用したが、ジャイロスコープ180の中心位置Sが、センサ保持プレート370と下側カバー380との連結個所で囲まれた領域内に配置した構造を採用してもよい。
上記実施の形態では、撮影ユニット1に対してX側磁気駆動機構501およびY側磁気駆動機構502を設けたが、ユーザーが使用する際、振れが発生しやすい方向の振れのみを補正するように、X側磁気駆動機構501およびY側磁気駆動機構502の一方のみを設けた場合に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、カメラ付き携帯電話機に用いる光学ユニット100に本発明を適用した例を説明したが、薄型のデジタルカメラなどに用いる光学ユニット100に本発明を適用した例を説明してもよい。また、上記形態では、撮影ユニット1にレンズ10や撮像素子155に加えて、レンズ121を含む移動体3を光軸L方向に磁気駆動するレンズ駆動機構5が支持体2上に支持されている例を説明したが、撮影ユニット1にレンズ駆動機構5が搭載されていない固定焦点タイプの光学ユニットに本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、可動モジュールとして、レンズおよび撮像素子を備えている可動モジュールを説明したが、本発明は可動モジュールとして少なくともレンズを備えている光学ユニットに適用することができ、このような光学ユニットには、例えば、レーザポインタや、携帯用や車載用の投射表示装置などがある。
また、可動モジュール駆動機構としては、磁気駆動機構に代えて、形状記憶合金などを利用した駆動機構を用いてもよい。