JP5382898B2 - 乾皮症治療剤 - Google Patents

乾皮症治療剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5382898B2
JP5382898B2 JP2005029171A JP2005029171A JP5382898B2 JP 5382898 B2 JP5382898 B2 JP 5382898B2 JP 2005029171 A JP2005029171 A JP 2005029171A JP 2005029171 A JP2005029171 A JP 2005029171A JP 5382898 B2 JP5382898 B2 JP 5382898B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
skin
xeroderma
drug
pgd
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005029171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005247842A (ja
Inventor
巌 新井
伸子 二木
由紀 橋本
昌謙 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2005029171A priority Critical patent/JP5382898B2/ja
Publication of JP2005247842A publication Critical patent/JP2005247842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5382898B2 publication Critical patent/JP5382898B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、乾皮症治療剤に関し、さらに詳しくは角質水分量減少、角質間脂質低下などによる皮膚傷害の解消に効果がある薬剤に関する。
近年、加齢などにより、皮膚角質間脂質の減少、角質水分量低下により惹起される乾燥肌、乾皮症などの慢性皮膚疾患の患者数が増加している。これらの疾患は原因不明の強い痒み感を伴い、そのために行う掻痒行動(引っ掻き行動)により悪化するものと考えられている。したがって、これら慢性疾患の解消には角質水分量を保持し、掻痒感を解消することが非常に重要である。
従来、これらの慢性皮膚炎に対しては、外用ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤および保湿剤などの薬剤が使用されている。しかし、ステロイド剤は強い副作用からその使用が制限されており、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、保湿剤などでは、十分満足のいく治療効果が得られていなかった。また、それらの薬剤は、一時的に症状が改善されても再発する事があり治療効果が不十分なものであった。
従来、皮膚の乾燥については、その原因が不明なことから十分な評価ができていなかったのが現状である。
したがって、乾皮症が関与する皮膚からの水分蒸散量もしくは皮膚角質水分量を指標にして薬物を評価し、皮膚からの水分蒸散量を効果的に低減させることができる薬物を見出せば、乾皮症の発症を抑制することができる薬物が得られると考えられる。
従来、プロスタグランジン類が痒み惹起成分であるという報告は多数なされている。一方、プロスタグランジン類を有効成分とする止痒剤としては、プロスタグランジン受容体アゴニストが、アトピー性皮膚炎による痒みに対する外用止痒剤として有用であることが報告されている(特許文献1)。
本願発明の化合物の一部は眼圧降下剤などとして開示されている化合物である(特許文献2〜4)。しかしそれらが乾皮症に有効であるという報告はなされていない。
一般的にプロスタグランジン受容体に作用する成分は、一つの受容体だけでなく複数の受容体に作用することが多い。したがって目的とする薬効を発現する受容体に対する作用だけでなく、他の受容体に対しても作用することから、目的外の生理反応が副作用や作用低減という形で発現するリスクがある。プロスタグランジンD2がDP受容体だけでなくTP受容体に対しても作動物質であることは報告されている(非特許文献1、2)。
WO03/070252 WO95/018101 WO99/061419 WO01/019790 The Journal of Pharmacology And Experimental Therapeutics (2003),305,347-352 Br. J. Pharmacol.(1989),96,688-692
TP受容体作動物質には強力な血管収縮作用、血小板凝集を引き起こす可能性がある。このため、DP受容体以外にもTP受容体等にも作動物質として作用するPGD2においては薬剤としての有用性が制限される。
本発明は、主に加齢により皮膚角質間脂質及び角質水分量が低下することによる原因不明の皮膚過敏、掻痒感及び皮膚乾皮症の発症を予防または治療することができる、高い安全性と有効性を併せ持った薬剤の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、プロスタグランジンD受容体選択的作動薬が皮膚乾燥を効果的に抑制でき、角質水分量低下などの症状の治療または予防に有効であることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は
1.DP受容体選択的アゴニストを有効成分とする乾皮症治療剤。
2.DP受容体選択的アゴニストであるプロスタグランジン類を有効成分とする乾皮症治療剤。
3.式
Figure 0005382898
[式中R1
-(CH2)4-S-CH2-CO2H
で示される基、
-(CH2)4-S-CH2-CO2CH3
で示される基、
-(CH2)4-C≡C-CO2H
で示される基、
-CH2-S-(CH2)2-S-CH2-CO2H
で示される基または
-CH2-S-(CH2)4-CO2H
で示される基のいずれかの基を示す。]
で示される化合物を有効成分とする乾皮症治療剤。
4.式
Figure 0005382898
で示される化合物を有効成分とする乾皮症治療剤。
5.乾皮症が、老人性乾皮症である1〜4のいずれかに記載の乾皮症治療剤。
である。
本発明者らは、本発明の作用機序を検討したところ、皮膚炎を自然発症するNC/Ngaマウスは、皮膚組織中のプロスタグランジンのうち、PGE2、PGF2α、PGI2量については加齢に伴う変化がないにも拘わらず、PGD2量のみが加齢により低下することを見出した。この結果より皮膚炎を自然発症するNC/Ngaマウスでは加齢により低下した生体内PGD2量が痒み及び皮膚乾燥の引き金になっている可能性を示唆した。即ち、内因性のPGD2量が生理的に皮膚バリアー機能の保持に作用しており、外因性のPGD2安定誘導体を補給することにより、乾皮症の発症を予防または治療するものと考えられる。
本願発明で効果がある乾皮症には老人性乾皮症、皮脂欠乏性湿疹などがあげられるが、本発明は老人性乾皮症に対して特に有効である。
本発明において、DP受容体選択的アゴニストとは、プロスタグランジン受容体のうち、DP受容体に対して強い作動薬として作用し、TP受容体に対する作用が弱い物質である。具体的には、ヒト血小板ADP凝集抑制作用がIC50値で10nM未満、ヒトTP拮抗作用がIC50値で10μM以上の物質を示す物質である。
その様な作用を持つDP受容体選択的アゴニストである化合物としては、具体的には、式1
Figure 0005382898
[式中R1
-(CH2)4-S-CH2-CO2H、
-(CH2)4-S-CH2-CO2CH3
-(CH2)4-C≡C-CO2H、
-CH2-S-(CH2)2-S-CH2-CO2H、または
-CH2-S-(CH2)4-CO2H
で示されるいずれかの基を示す。]
で示される化合物が好ましく、その中でも特に式
Figure 0005382898
で示される化合物(以下「化合物1」という)が好ましい。
本願発明の好ましい化合物である、式1の化合物はWO95/18101号公報、WO99/61419号公報およびWO01/19790号公報に記載された化合物であり、それらの公報に開示された方法で製造することができる。
本発明の乾皮症治療剤は外用剤として患部に塗布して使用することができる。したがって、患部に速やかに投与できるだけでなく、代謝による無効化や副作用などが発生しにくいという特徴を有している。
本発明の乾皮症治療剤の投与量は、年齢、性別、体重等により異なるが、有効成分濃度が0.1〜0.0001%程度の製剤を患部に適量塗布することにより投与する。
本発明の乾皮症治療剤は、有効成分のほか必要な基剤、ゲル化剤、溶解剤、溶解補助剤、pH調節剤、他の薬効成分などを配合し、一般的な方法で、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、エアゾール剤、貼付剤などの外用剤にすることができる。
本発明により、乾皮症を予防または改善することができた。また、本発明により、乾皮症により発生する皮膚炎を予防または改善することが可能になった。
以下実施例および試験例により、本発明をさらに詳細に説明する。
化合物1を0.01g秤量しグリセリン20gに溶解後、白色ワセリン80gに均一に混合し100gの軟膏剤を得た。
化合物1 0.01g
白色ワセリン 80g
グリセリン 20g
下記の成分を秤量し均一に混合した後、精製水とエタノールの下記容量を加え1000mlの液剤を得た。
化合物1 0.1g
エタノール 200mL
精製水 800mL
下記の成分をそれぞれ混合し均一に乳化し、更に香料を適量加えクリーム剤
500gを得た。
化合物1 0.05g
マレイン酸カルビノキサミン 5g
エラグ酸ナトリウム 5g
ヒヤルロン酸ナトリウム 3g
メチルパラベン 2g
精製水 218.5g
流動パラフィン(#70) 50g
スクワラン 100g
セトステアリルアルコール 60g
蜜蝋 20g
モノステアリン酸グリセリン 15g
ソルビタンモノラウレート 20g
プロピルパラベン 1g
以下の各成分を組成とするエアゾール剤を調製した。
化合物1 0.01(W/V%)
アジピン酸ジイソプロピル 3
モノラウリン酸ポリエチレングリコール 8
エタノール 10
イソプロパノール 10
マクロゴール400 5
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
ジイソプロパノールアミン 0.2
精製水 25
液化石油ガス 全100
参考例1:マウス皮膚組織中のPGs量の変化
NC/Nga系雄性マウス(5、10、15、20週齢)を試験に用いた。内因性のプロスタグランジン(PG)を正確に測定するため、インドメタシン(10mg/kg)を静脈内注射して新たな内因性のPG産生を抑制し、5分後に鋏を用いて背部皮膚を採取した。皮膚片をチューブに移しPBS(100μM インドメタシンを含む)1mLを添加した後、ポリトロンホモジェナイザーを用いて組織を粉砕した。アセトンを4mL添加して5分間静置した後、3000rpmで10分間遠心した。上清を回収後、溶媒を蒸発させてELISA bufferに再溶解し、ELISA kit(Cayman chemical、R&D systems)にて各PGs量(PGD2、PGE2、PGF、6ketoPGF)を測定し、皮膚1mg中の各PGs量を求めた。
結果を図1に示した。
図1から明らかなようにNC/Ngaマウスは加齢により皮膚中のPGD2量が低下することがわかった。
試験例1
以下の方法で本願発明有効成分である化合物1と対照例としてPGD2を用いて、各種プロスタグランジン受容体結合選択性を求めた。
1.ヒト血小板凝集抑制作用
ヒト血小板ADP凝集抑制作用
試験は購入した多血小板血漿(PRP)(6×108 platelets/mL)を用い、血小板凝集の測定はBornの方法(Nature,第194巻,第927頁,1962年)に準じて行なった。PRP 100μLに、エタノールに溶解した1nM〜3μMの被検薬物溶液5μLを加え、37℃、1000rpm攪拌下、1分間インキュベートした。これに5μLの凝集惹起剤[ADP(3μM)]を添加して血小板凝集を惹起し、血小板凝集計(アグリゴメーター)により最大凝集率(血小板の凝集を惹起してから5分以内の光透過度の最大変化)を求めた。被検薬物の凝集抑制率を、被検薬物溶液のかわりにエタノールを用いた場合の最大凝集率に対する被検薬物の最大凝集率から算出し、その用量反応曲線からIC50値を求めた。その結果、化合物1のIC50値は4.27nM、PGD2のIC50値は11nMであった。
2.モルモット血小板凝集抑制作用
モルモット血小板ADP凝集抑制作用
採血およびplatelet rich plasma(PRP)とplatelet poor plasma(PPP)の調製
9〜10週齢ハートレー系雄性モルモットをペントバルビタール(30mg/kg、腹腔内投与)により麻酔し、腹大動脈より3.8%クエン酸ナトリウム2.0mL含有注射筒に血液を20mL採血した。血液は直ちに20℃、900rpm、10分間遠心分離し上清であるPRPを回収した。さらに20℃、3000rpm、10分間遠心分離し上清であるPPPを回収した。
血小板凝集能の測定には、血小板凝集能測定装置(PAM−8C)を使用した。PRP 274μLにエタノールに溶解した0.287〜95.7nMの被験物質1μLを添加し、37℃、1000rpmの攪拌下に3分間インキュベートした。インキュベート後、25μLのADP(3μM)にて血小板凝集を惹起し、5分間の最大凝集率を測定した。
その結果、化合物1のIC50値は6.2±2.3nM、PGD2のIC50値は54.3±23.0nMであった。
3.ヒトTP拮抗作用
文献(J.Pharmacol.Exp.Ther.、第245巻、第786−792頁、1988年)に記載された方法に準拠して、ヒト洗浄血小板への[3H]SQ29548結合に対する被検薬の拮抗作用を検討した。
その結果、化合物1は10μMで28%、1μMで7%の結合阻害率を示した。一方、陽性対照薬として用いたトロンボキサンアゴニストであるU44069のIC50値は2.4μMであった。
参考例2
上記1で示された本願発明有効成分及びPGD2の血小板凝集抑制作用がプロスタグランジンD受容体アゴニスト作用であることを確認するために、化合物1及びPGD2の血小板凝集抑制作用がプロスタグランジンD受容体選択的アンタゴニストによって拮抗されるかを試験した。
被験薬物:
プロスタグランジンD受容体選択的アンタゴニストとして、((+/-)-3-ベンジル-5-(6-カルボキシヘキシル)-1-(2-シクロヘキシル-2-ヒドロキシエチルアミノ)-ヒダントイン) (以下「BW A868C」という)(シグマアルドリッチジャパン株)を用いた。
BW A868Cは、エタノールで希釈して、終濃度が0.03μmol/L、0.1μmol/L、0.3μmol/L、1μmol/L、3μmol/L及び10μmol/Lとなるようにした。
化合物1及びPGD2は、エタノールで希釈して、287 nmol/L及び300 nmol/Lに調整して用いた。
陰性対照としてエタノールを用いた。
血小板の調製:
ヒト健常男子の肘静脈から採血し、3.13%クエン酸ナトリウムを入れたチューブに血液を採取した。これを20℃にて1,000rpmにて10分間遠心分離することで上澄(PRP、多血小板血漿)を分取し、残さをさらに20℃にて、3,000rpmにて10分間遠心分離することで上澄(PPP、乏血小板血漿)を得た。PRPの血小板数を任意にPPPで希釈して30×104 血小板/μLに調整して用いた。
血小板凝集能の測定
血小板凝集能は,血小板凝集能測定装置(PAM-8C:エム・シー・メディカル株式会社)を使用し,Bornの方法(Nature,第194巻,第927ページ,1962年)にて測定した。PRP 273 μL(BW A868C群の場合は各濃度のBW A868Cを1μL添加)を1,000 rpmの攪拌下37 ℃で3分間プレインキュベートした。プレインキュベート後,エタノールまたは試験物質を1μL(化合物1:最終濃度 95.7 nmol/L、PGD2:最終濃度 1000 nmol/L)添加し、1,000 rpmの攪拌下37℃で3分間インキュベートした。インキュベート後、25 μLのADP(最終濃度3 μmol/L)にて血小板凝集を惹起し、5分間の最大凝集率を測定した。
その結果を図2に示した。
化合物1及びPGD2は、それぞれの対照群(エタノール)に対して有意な血小板凝集抑制作用を示した。
化合物1による血小板凝集抑制作用は、BW A868Cの添加濃度の増加に伴って拮抗され、0.1 μmol/L以上により有意に拮抗された。PGD2による血小板凝集抑制作用も、BW A868Cの添加濃度の増加に伴って拮抗され、0.3 μmol/L以上により有意に拮抗された。
以上の結果より、本願発明有効成分はプロスタグランジンD受容体選択的アゴニスト作用を有することが明らかとなった。
試験例2
マウス皮膚バリアー機能に対する作用(治療試験)
6週齢のBALB/c系雄性マウス、8匹の吻側背部の4cm2(2cm×2cm)を電気バリカンで剃毛し、アセトン:ジエチルエーテル=1:1混液を浸した脱脂綿(2cm×2cm)で60秒間被覆した。上記皮膚バリアー機能破壊(バリアー破壊)処理を1日1回、連続して3日間行った。3日目のバリアー破壊処理完了翌日から1日1回、2日間、溶媒(エタノール,100μL)または溶媒に溶解した薬剤(化合物1,PGD2,PGF及びPGE1,全て0.01%,100μL)をバリアー破壊部位に塗布した。2回目の溶媒及び薬剤塗布翌日に同部位の経表皮水分蒸散量をTewameter(商品名)により測定し、薬剤の作用を評価した。結果を図3に示した。
図から明らかなように、正常群と比較し、バリアー破壊した対照群は有意に経表皮水分蒸散量が増加した。バリアー破壊した対照群と比較し、化合物1塗布群は、有意に経表皮水分蒸散量が減少した。一方、PGD2,PGF及びPGE1塗布群は、対照群との間に有意差は認められなかった。
以上の結果より、化合物1は、破壊された皮膚バリアーの治癒促進作用を示すことがわかった。
試験例3
マウス皮膚バリアー機能に対する作用(予防試験)
6週齢のBALB/c系雄性マウス、6匹の吻側背部の4cm2(2cm×2cm)を電気バリカンで剃毛し、皮膚炎を発症したNC/Ngaマウスと同居飼育した。同居飼育開始翌日から1日1回7日間、溶媒(エタノール、100μL)または溶媒に溶解した薬剤(化合物1、PGD2、PGF及びPGE1、全て0.01%、100μL)を上記剃毛部位に塗布した。
7回目の溶媒または薬剤塗布翌日に同部位の経表皮水分蒸散量をTewameter(商品名)により測定し、薬剤の作用を評価した。結果を図4に示した。
図から明らかなように、正常群と比較し、対照群は有意に経表皮水分蒸散量が増加していることが認められた。対照群と比較し、化合物1、PGD2及びPGE1塗布群は、有意な経表皮水分蒸散量の減少が認められた。一方、PGF塗布群は対照群との間に有意な差は認められなかった。
以上の結果は化合物1の皮膚バリアー傷害予防作用を示すものであり、化合物1は乾皮症などの皮膚バリアー傷害に対し、予防作用を示すことがわかった。
試験例4
加齢マウス皮膚バリアー機能に対する作用(治療試験)
50週齢のBALB/c系雄性マウス、8匹の吻側背部の4cm2(2cm×2cm)を電気バリカンで剃毛した。翌日から1日1回3日間、溶媒(エタノール,200μL)または溶媒に溶解した薬剤(化合物1及びPGD2,全て0.0001%,200μL)を上記剃毛部位に塗布した。
3回目の溶媒または薬剤塗布翌日に同部位の経表皮水分蒸散量をTewameter(商品名)により測定し、薬剤の作用を評価した。結果を図5に示した。
図から明らかなように、対照群と比較し、化合物1塗布群は、有意な経表皮水分蒸散量の減少が認められた。一方、PGD2塗布群は対照群との間に有意な差は認められなかった。
以上の結果は化合物1の皮膚バリアー修復促進作用を示すものであり、化合物1は老人性乾皮症などの皮膚バリアー傷害に対し、治療作用を示すことがわかった。
参考例3
加齢による皮膚障害
6,12,24及び50週齢のBALB/c系雄性マウスの経表皮水分蒸散量(皮膚バリアー機能の指標)を試験例4と同様の方法で測定した。結果を図6に示した。
図から明らかなように、加齢に伴い、皮膚バリアーの指標である経表皮水分蒸散量(TEWL)が増加を示し、皮膚機能が加齢とともに破壊されることを確認した。
本願発明により、安全性が高く優れた効果を示す乾皮症治療または予防剤の提供が可能になったので、医薬品などに利用可能である。
各種プロスタグランジン類のマウス皮膚中の残存量を測定した結果であり、各縦軸に残存量、各横軸にマウス週齢を示した。 ADP惹起ヒト血小板凝集に対する化合物1及びPGD2の抑制作用とBW A868Cによるその拮抗作用を示す。各値は,6例の平均値±標準誤差を示す。###: 対照群の値に対してp<0.001で有意差ありを示す(対応のあるt検定)。**、***:溶媒群の値に対してp<0.01、p<0.001で有意差ありを示す(二元配置Dunnett型検定)。 各薬物を塗布したマウス経表皮水分蒸散量を示した図であり、縦軸に経表皮水分蒸散量、横軸に薬物種類を示した。 各薬物を塗布したマウス経表皮水分蒸散量を示した図であり、縦軸に経表皮水分蒸散量、横軸に薬物種類を示した。 各薬物を塗布したマウス経表皮水分蒸散量を示した図であり、縦軸に経表皮水分蒸散量、横軸に薬物種類を示した。 各薬物を塗布したマウス経表皮水分蒸散量を示した図であり、縦軸に経表皮水分蒸散量、横軸に被験マウスの週齢を示した。

Claims (1)


  1. Figure 0005382898
    で示される化合物を有効成分とする老人性乾皮症治療剤。
JP2005029171A 2004-02-06 2005-02-04 乾皮症治療剤 Expired - Fee Related JP5382898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005029171A JP5382898B2 (ja) 2004-02-06 2005-02-04 乾皮症治療剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004031286 2004-02-06
JP2004031286 2004-02-06
JP2005029171A JP5382898B2 (ja) 2004-02-06 2005-02-04 乾皮症治療剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005247842A JP2005247842A (ja) 2005-09-15
JP5382898B2 true JP5382898B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=35028668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005029171A Expired - Fee Related JP5382898B2 (ja) 2004-02-06 2005-02-04 乾皮症治療剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5382898B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7888392B2 (en) 2005-02-14 2011-02-15 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd. Ointment
JPWO2008018592A1 (ja) * 2006-08-11 2010-01-07 大正製薬株式会社 プロスタグランジン誘導体含有外用剤
EP2172202A4 (en) * 2007-06-29 2010-06-30 Taisho Pharmaceutical Co Ltd AQUEOUS LIQUID AGENT CONTAINING A PROSTAGLANDINE DERIVATIVE

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3579448B2 (ja) * 1993-12-29 2004-10-20 大正製薬株式会社 プロスタグランジン誘導体、その塩およびその使用
EP1082961B1 (en) * 1998-05-25 2006-01-25 Taisho Pharmaceutical Co., Ltd Sleep inducing agent comprising prostaglandin derivatives
ATE455098T1 (de) * 1999-09-10 2010-01-15 Taisho Pharmaceutical Co Ltd Prostaglandin-derivate
EP1477170A4 (en) * 2002-02-22 2007-09-05 Taisho Pharmaceutical Co Ltd ANTIPRURIGINOUS AGENTS

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005247842A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3638289B2 (ja) ヒスタミンレセプターアンタゴニストの組み合わせを用いる上気道アレルギー性応答の処置
US7737182B2 (en) Pharmaceuticals for xerosis
JP4152186B2 (ja) 減少された神経ステロイド活性に関連する疾患の治療でのgabaエンハンサー
PT1079804E (pt) Composições farmacêuticas que compreendem um tensioactivo anfotérico, um álcool cetílico polipropoxilado e uma droga polar
EA016082B1 (ru) Применение r-сальбутамола для местного лечения накожных форм красной волчанки
TWI794222B (zh) 組成物在製備治療睡眠障礙的藥劑的用途
JP2019023195A (ja) L−4−クロロキヌレニンの剤形及び治療的使用
JP2003212773A (ja) セチリジン及びロラタジンの局所医薬組成物
JP2003176240A (ja) ニコチン性アセチルコリン受容体作用薬により関節の潤滑を高める方法
MX2015002922A (es) Composicion para tratar la psoriasis.
WO2014168228A1 (ja) 局所用組成物
JP5604792B2 (ja) 外用医薬組成物
JP5382898B2 (ja) 乾皮症治療剤
JP2008069109A (ja) 外用医薬組成物
US11878008B2 (en) Composition for preventing or treating atopic dermatitis
RU2496476C1 (ru) Средство наружной терапии для больных атопическим дерматитом
WO2003070252A1 (fr) Agents antiprurigineux
JP2022160648A (ja) フェノルドパムの安定な局所用組成物
JPWO2018230733A1 (ja) 皮膚外用剤
JP4786192B2 (ja) 掻痒治療剤
JP5985475B2 (ja) 新規医薬組成物
EP2424549B1 (en) Compositions and methods for treating or preventing urolithiasis and conditions associated therewith
JP5460766B2 (ja) 外用医薬組成物
JP7025129B2 (ja) 筋痙攣治療剤
JPH08165244A (ja) 皮膚疾患治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080129

RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20090605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees