JP5381364B2 - 二次電池用負極の製造方法及び電極構造 - Google Patents

二次電池用負極の製造方法及び電極構造 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池用負極の製造方法及び電極構造に関し、詳しくは、二次電池の充放電によるサイクル特性を向上させる技術に関する。
従来、リチウム二次電池の負極材料として黒鉛等の炭素系材料が広く用いられており、また、同じく負極材料におけるリチウム吸蔵材として珪素等が用いられている。これらの物質を含有する負極材料は、二次電池が充放電サイクルを繰り返すと、リチウムの吸蔵・放出に伴って大きな体積変化を生じる。このため、充放電サイクルが進むと、負極材料の体積変化により発生する応力に耐え切れずに、負極材料におけるリチウム吸蔵材などの活物質の割れや剥離が発生するという問題があった。
上記課題を解決するため、炭素粒子の表面をリチウム吸蔵材である珪素粒子で被覆した上で、さらに導電性高分子で被覆してリチウム二次電池の負極を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記従来技術について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。図4(a)は従来技術における初期状態を、図4(b)は同じく従来技術における充放電サイクル進行後の状態を示す。
従来技術によれば、初期状態において図4(a)に示す如く、黒鉛である炭素粒子及びリチウム吸蔵材である珪素粒子を導電性高分子で被覆することにより、充放電サイクルの進行によって炭素粒子が膨張しても、炭素粒子と珪素粒子の密着性を保持し、前記炭素粒子の体積変化による影響を抑制するように構成している。
しかし、前記従来技術においては、炭素粒子の体積変化による影響を抑えることができる一方で、珪素粒子の体積が大きくなって割れた場合は、珪素粒子が導電性高分子と共に炭素粒子から剥離することとなる。即ち、図4(b)に示す如く、炭素粒子と珪素粒子及び導電性高分子との結合が損なわれることによって、活物質の割れや剥離が発生するのである。つまり、前記珪素粒子の体積変化のために活物質自身や活物質間での導電パスを損なうことによって、二次電池のサイクル特性が低下するという問題があったのである。
特開2002−255529号公報
そこで本発明は、リチウム吸蔵材である珪素粒子の体積が大きくなって割れた場合であっても、炭素粒子と珪素粒子及び導電性高分子の結合を失うことがないため活物質自身や活物質間での導電パスを損なわず、二次電池のサイクル特性の低下を抑制することのできる、二次電池用負極の製造方法及び電極構造を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、炭素粒子とリチウム吸蔵材とを含む負極活物質を集電体に塗布する塗工工程と、前記塗工工程の後、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆して、それぞれの前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を前記導電性高分子で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子と、それぞれの前記リチウム吸蔵材と、前記集電体とを、前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を包囲する前記導電性高分子により相互に結合させる、結合工程と、を備え、前記結合工程において、前記負極活物質及び前記集電体に光照射しながら、電解重合法を用いて前記導電性高分子を合成することにより、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆するものである。
請求項2においては、炭素粒子とリチウム吸蔵材とを含む負極活物質を集電体に塗布した後、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆して、それぞれの前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を前記導電性高分子で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子と、それぞれの前記リチウム吸蔵材と、前記集電体とを、前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を包囲する前記導電性高分子により相互に結合させ、前記負極活物質及び前記集電体に光照射しながら、電解重合法を用いて前記導電性高分子を合成することにより、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、二次電池用負極において充放電サイクルが進行し、リチウム吸蔵材である珪素粒子の体積が大きくなって割れた場合であっても、炭素粒子と珪素粒子及び導電性高分子の結合を失うことがないため活物質自身や活物質間での導電パスを損なわず、二次電池のサイクル特性の低下を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る二次電池用負極の概要を示した図。 本発明の第一実施形態に係る二次電池用負極における実験結果について示した図。 本発明の第二実施形態に係る二次電池用負極の概要を示した図。 従来技術に係る二次電池用負極の概要を示した図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態に係る二次電池用負極の製造方法及び電極構造について、図1を用いて説明する。図1(a)は第一実施形態に係る二次電池用負極における初期状態を、図1(b)は同じく第一実施形態に係る二次電池用負極における充放電サイクル進行後の状態を示す。
本実施形態に係る二次電池用負極の製造方法においては、黒鉛である炭素粒子13とリチウム吸蔵材である珪素粒子15aとを含む負極活物質を導電性高分子21で被覆し、それぞれの前記炭素粒子13を前記導電性高分子21で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子13を、前記炭素粒子13を包囲する前記導電性高分子21により相互に結合させる、結合工程を備える。
換言すれば、本実施形態に係る二次電池用負極の電極構造は、黒鉛である炭素粒子13とリチウム吸蔵材である珪素粒子15aとを含む負極活物質を導電性高分子21で被覆し、それぞれの前記炭素粒子13を前記導電性高分子21で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子13を、前記炭素粒子13を包囲する前記導電性高分子21により相互に結合させているのである。
詳しくは、炭素粒子13と珪素粒子15aとを含む負極活物質を集電体11に塗布し(塗工工程)、その後、前記結合工程において該負極活物質を導電性高分子21で被覆するのである。前記結合工程においては、電解重合法を用いて前記導電性高分子21を合成している。
前記電解重合法による前記導電性高分子21の合成は、前記導電性高分子21を構成するモノマーを溶かした溶液に参照極、対極、作用極を浸した3極式で行い、前記モノマーを溶かした溶液濃度は0.01M(mol/l)から0.1Mに設定にする。また、電位は0V〜1.2VvsAg/AgClの範囲を10mV/sで電位走査する。電位走査は0V→1.2V→0Vの方向に進むものとする。珪素粒子の粒径は100nm〜10μm程度、炭素粒子の粒径は10μm程度を用いて珪素−炭素複合材を形成するものとする。
上記のように構成することにより、図1(a)に示す如く、それぞれの前記炭素粒子13を前記導電性高分子21で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子13の間に前記導電性高分子21を進入させることにより、それぞれの前記炭素粒子13を相互に結合させる構成としている。換言すれば、前記電解重合法で前記導電性高分子21を合成することにより、導電性高分子21の一端を何れかの炭素粒子13に結合させ、他端を他の炭素粒子13に結合させているのである。
これにより、充放電サイクルの進行によって珪素粒子15aの体積が大きくなり、珪素粒子15bのように割れた場合であっても、図1(b)に示す如く、炭素粒子13同士の結合が損なわれないため、活物質自身や活物質間での導電パスが損なわれない。即ち、本実施形態に係る二次電池用負極の製造方法及び電極構造によって、二次電池のサイクル特性の低下を抑制することができるのである。
[第一評価実験]
次に、本実施形態による二次電池用負極の製造方法及び電極構造に関して本願出願人が行った、電気化学特性の第一の評価実験について説明する。本実験においては、第一実施例、第一比較例、第二比較例の三例について、二次電池用負極の作製条件を変更して実験を行った。以下、各例の条件の相違について説明する。
初めに、第一実施例について説明する。第一実施例は、本発明に係る二次電池用負極の製造方法で製造した負極、即ち本発明に係る二次電池用負極の電極構造を用いて行ったものである。本例では、珪素及び黒鉛(炭素)を含む負極活物質を用いて電極を作製した後に、該電極を導電性高分子で被覆する構成としている。
まず、電極の作製においては、珪素:黒鉛:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の重量パーセント比が42.5:42.5:15になるように、N−メチルピロリドン(NMP)の中で混合し、厚さ10μmの銅箔上に塗布した。そして、電極密度が1.2mg/cm2になるようにプレスした後、直径16mmの円形に打ち抜いて電極とした。
次に、導電性高分子の被覆に際しては、導電性高分子のモノマーとなる0.01Mのピロールを、支持電解質を0.1Mの過塩素酸リチウム(LiClO4)としてアセトニトリル(CH3CN)に溶かして調製した溶液に前記電極を浸し、三極式セルで電解重合を行った。この場合、作用極に負極活物質、参照極にAg/AgCl、対極にPtを用い、10mV/sで0Vから1.0Vの範囲で電解重合した。
次に、第一比較例について説明する。第一比較例は、従来技術に係る二次電池用負極の製造方法で製造した負極を用いて行ったものである。本例では、珪素及び黒鉛(炭素)を導電性高分子で被覆した後に、電極を作製する構成としている。
まず、ポリピロールの5重量パーセント濃度のN−メチルピロリドン溶液に、重量パーセント比が50:50となるように配合した珪素及び黒鉛を浸して攪拌し、その後120℃で乾燥させることにより、珪素及び黒鉛に導電性高分子を被覆した。
次に、電極の作製においては、前記珪素及び黒鉛の複合材とポリフッ化ビニリデン(PVDF)との重量パーセント比が85:15になるようにN−メチルピロリドン(NMP)の中で混合し、厚さ10μmの銅箔上に塗布した。そして、電極密度が1.2mg/cm2になるようにプレスした後、直径16mmの円形に打ち抜いて電極とした。
次に、第二比較例について説明する。第二比較例は、第一実施例と同じ条件で珪素及び黒鉛(炭素)で電極を作製し、その後に該電極を導電性高分子で被覆しない構成としている。
本例に係る電極の作製においては、第一実施例と同様に、珪素:黒鉛:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の重量パーセント比が42.5:42.5:15になるように、N−メチルピロリドン(NMP)の中で混合し、厚さ10μmの銅箔上に塗布した。そして、電極密度が1.2mg/cm2になるようにプレスした後、直径16mmの円形に打ち抜いて電極とした。
そして、上記の如く作製した前記三例の電極を用いて電池を作製した。具体的には、それぞれの電極を作用極とし、対極をリチウムとし、1Mの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含む、エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)の体積比を3:7とした混合溶媒を電解液とし、ポリエチレン(PE)製のセパレータを用いて2032型のコインセル電池を作製したのである。
上記の如く各例で作製した電池に対し、電気化学特性の評価実験を行った。具体的には、1時間に満充放電できる電流値を1Cとしたときに、0.2Cで0.01Vまで負極にリチウムを挿入し、その後1.2Vまで負極からリチウムを脱離させる操作を50サイクル行った。そして、各例で作製した電池について、各サイクル後のリチウム脱離容量の、1サイクル後のリチウム脱離容量に対する比率(容量維持率)を算出し、比較を行ったのである。
上記実験の結果について、図2を用いて説明する。
前記第一実施例については、1サイクル後のリチウム脱離容量は2.11mAhであり、10サイクル後のリチウム脱離容量は1.12mAhであった。そして、10サイクル目の容量維持率は53.2パーセントであった。
前記第一比較例については、1サイクル後のリチウム脱離容量は2.03mAhであり、10サイクル後のリチウム脱離容量は0.70mAhであった。そして、10サイクル目の容量維持率は34.6パーセントであった。
前記第二比較例については、1サイクル後のリチウム脱離容量は2.00mAhであり、10サイクル後のリチウム脱離容量は0.65mAhであった。そして、10サイクル目の容量維持率は32.7パーセントであった。
上記の如く、第一実施例については、第一比較例、第二比較例に対して、10サイクル目の容量維持率を高く維持することができたのである。即ち、本発明に係る二次電池用負極の電極構造を用いて行った第一実施例においては、他の比較例と比較して、二次電池のサイクル特性の低下を抑制できることが確かめられたのである。
なお、図2に示す如く、第一実施例については10サイクル目だけに限らず、他のサイクル数においても常に第一比較例、第二比較例に対して優位な容量維持率を得ることができた。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る二次電池用負極の製造方法及び電極構造について、図3を用いて説明する。図3(a)は第二実施形態に係る二次電池用負極における初期状態を、図3(b)は同じく第二実施形態に係る二次電池用負極における充放電サイクル進行後の状態を示す。
本実施形態に係る二次電池用負極の製造方法においては、黒鉛である炭素粒子113とリチウム吸蔵材である珪素粒子115aとを含む負極活物質を集電体111に塗布する塗工工程と、前記塗工工程の後、前記負極活物質及び前記集電体111を導電性高分子121で被覆して、それぞれの前記炭素粒子113及びそれぞれの前記珪素粒子115aを前記導電性高分子121で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子113と、それぞれの前記珪素粒子115aと、前記集電体111とを、前記炭素粒子113及びそれぞれの前記珪素粒子115aを包囲する前記導電性高分子121により相互に結合させる、結合工程と、を備える。
換言すれば、本実施形態に係る二次電池用負極の電極構造は、黒鉛である炭素粒子113とリチウム吸蔵材である珪素粒子115aとを含む負極活物質を集電体111に塗布した後、前記負極活物質及び前記集電体111を導電性高分子121で被覆して、それぞれの前記炭素粒子113及びそれぞれの前記珪素粒子115aを前記導電性高分子121で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子113と、それぞれの前記珪素粒子115aと、前記集電体111とを、前記炭素粒子113及びそれぞれの前記珪素粒子115aを包囲する前記導電性高分子121により相互に結合させているのである。
詳しくは、前記結合工程において、前記負極活物質及び前記集電体111に光照射しながら、電解重合法を用いて前記導電性高分子121を合成することにより、前記負極活物質及び前記集電体111を導電性高分子121で被覆するのである。
前記電解重合法による前記導電性高分子121の合成は、前記導電性高分子121を構成するモノマーを溶かした溶液に参照極、対極、作用極を浸した3極式で行う。また、波長が470nm〜660nmの発光ダイオードを光源として使用して、活物質側から光照射する。前記モノマーを溶かした溶液濃度は0.01mol/l(以下、Mとする)から0.1Mに設定にする。さらに、電位は0V〜1.2VvsAg/AgClの範囲を10mV/sで電位走査する。電位走査は0V→1.2V→0Vの方向に進むものとする。珪素粒子の粒径は100nm〜10μm程度、炭素粒子の粒径は10μm程度を用いて珪素−炭素複合材を形成するものとする。
上記のように構成することにより、図3(a)に示す如く、それぞれの前記炭素粒子113及びそれぞれの珪素粒子115aを前記導電性高分子121で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子113、それぞれの珪素粒子115a、及び、集電体111の間に前記導電性高分子121を進入させることにより、それぞれの前記炭素粒子113、それぞれの珪素粒子115a、及び、集電体111を相互に結合させる構成としている。換言すれば、前記電解重合法で前記導電性高分子121を合成することにより、導電性高分子121の一端を前記炭素粒子113、珪素粒子115a、又は、集電体111に結合させ、他端を他の炭素粒子113又は珪素粒子115aに結合させているのである。
これにより、充放電サイクルの進行によって珪素粒子115aの体積が大きくなり、珪素粒子115bのように割れた場合であっても、図3(b)に示す如く、炭素粒子113、珪素粒子115b、集電体111、及び、導電性高分子121の結合が損なわれないため、活物質自身や活物質間での導電パスが損なわれない。即ち、本実施形態に係る二次電池用負極の製造方法及び電極構造によって、二次電池のサイクル特性の低下をさらに抑制することができるのである。
[第二評価実験]
次に、本実施形態による二次電池用負極の製造方法及び電極構造に関して本願出願人が行った、電気化学特性の第二の評価実験について説明する。本実験においては、第二実施例について、二次電池用負極の作製条件を設定して実験を行った。以下、第二実施例の条件について説明する。
第二実施例についても、前記第一実施例と同様に、珪素及び黒鉛を含む負極活物質を用いて電極を作製した後に、該電極を導電性高分子で被覆する構成としている。
まず、電極の作製においては、珪素:黒鉛:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の重量パーセント比が42.5:42.5:15になるように、N−メチルピロリドン(NMP)の中で混合し、厚さ10μmの銅箔上に塗布した。そして、電極密度が1.2mg/cm2になるようにプレスした後、直径16mmの円形に打ち抜いて電極とした。
次に、導電性高分子の被覆に際しては、導電性高分子のモノマーとなる0.03Mのピロールを、支持電解質を0.1Mの過塩素酸リチウム(LiClO4)としてアセトニトリル(CH3CN)に溶かして調製した溶液に前記電極を浸し、三極式セルで電解重合を行った。この場合、活物質側に光照射しながら、作用極に負極活物質、参照極にAg/AgCl、対極にPtを用い、10mV/sで0Vから1.0Vの範囲で電解重合した。前記光照射の光源には波長を626nmとする赤色発光ダイオードを使用した。
上記の如く作製した電極を用いて電池を作製するにあたっては、それぞれ前記電極を作用極とし、対極をリチウムとし、1Mの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含む、エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)の体積比を3:7とした混合溶媒を電解液とし、ポリエチレン(PE)製のセパレータを用いて2032型のコインセル電池を作製したのである。
上記の如く作製した電池に対し、電気化学特性の評価実験を行った。具体的には、1時間に満充放電できる電流値を1Cとしたときに、0.2Cで0.01Vまで負極にリチウムを挿入し、その後1.2Vまで負極からリチウムを脱離させる操作を50サイクル行った。そして、前記電池について、各サイクル後のリチウム脱離容量の、1サイクル後のリチウム脱離容量に対する比率(容量維持率)を算出したのである。
上記第二実施例による実験の結果を以下に述べる。第二実施例では、1サイクル後のリチウム脱離容量は2.06mAhであり、10サイクル後のリチウム脱離容量は1.26mAhであった。そして、10サイクル目の容量維持率は61.1パーセントであった。
上記の如く、第二実施例については、第一実施例よりも、10サイクル目の容量維持率をさらに高く維持することができたのである。即ち、本実施形態に係る二次電池用負極の製造方法で製造した負極、即ち本実施形態に係る二次電池用負極の電極構造を用いて行った第二実施例においては、前記実施形態と比較して、二次電池のサイクル特性の低下をさらに抑制できることが確かめられたのである。
11 集電体
13 炭素粒子
15 珪素粒子(リチウム吸蔵材)
21 導電性高分子

Claims (2)

  1. 炭素粒子とリチウム吸蔵材とを含む負極活物質を集電体に塗布する塗工工程と、
    前記塗工工程の後、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆して、それぞれの前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を前記導電性高分子で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子と、それぞれの前記リチウム吸蔵材と、前記集電体とを、前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を包囲する前記導電性高分子により相互に結合させる、結合工程と、を備え、
    前記結合工程において、前記負極活物質及び前記集電体に光照射しながら、電解重合法を用いて前記導電性高分子を合成することにより、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆する、
    ことを特徴とする、二次電池用負極の製造方法。
  2. 炭素粒子とリチウム吸蔵材とを含む負極活物質を集電体に塗布した後、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆して、それぞれの前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を前記導電性高分子で包囲するとともに、それぞれの前記炭素粒子と、それぞれの前記リチウム吸蔵材と、前記集電体とを、前記炭素粒子及びそれぞれの前記リチウム吸蔵材を包囲する前記導電性高分子により相互に結合させ、
    前記負極活物質及び前記集電体に光照射しながら、電解重合法を用いて前記導電性高分子を合成することにより、前記負極活物質及び前記集電体を導電性高分子で被覆した、
    ことを特徴とする、二次電池用負極の電極構造。
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