JP5381037B2 - インクジェット記録用インク及びこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物 - Google Patents

インクジェット記録用インク及びこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用インクとこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物に関する。
近年、インクジェット記録方式の産業用途としての需要が高まり、高速印字や紙などの様々な記録媒体への対応が要望されている。また、環境面や安全性の面から水系インクへの要望が高くなっている。しかし、水系インクは乾燥までに時間を要し、紙との相溶性も良好なため、紙への浸透性が高く、特に未コーティングの比較的非平滑な紙の場合、色材が紙中に浸透することで、形成された色材の色濃度が低くなってしまうという、溶剤インクでは見られなかった問題が生じている。
特に高速印字化が進むにつれ、記録媒体に付着したインクの乾燥速度を速くするため、インクに浸透剤を添加し、溶媒の水を記録媒体に浸透させて乾燥を速くする手段がとられる。しかし、浸透剤を含有させると、水だけでなく色材の記録媒体への浸透性が向上してしまい、画像濃度が低下してしまうという問題が発生する。
画像濃度を上げるために、インクに含まれる色材の量を増やすとコストが高くなるし、溶媒中の色材濃度が高くなることにより、色材の凝集や析出が発生し、インク液の安定性が悪くなる等の問題がある。また、画像及び皮膜の表面が荒れることにより、見た目が悪くなる等の問題もある。
インクジェット記録用インクの定着性や画像濃度の向上を目指す技術としては、特許文献1〜2に、樹脂微粒子を含有するインクジェットインクが提案されており、樹脂としてカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体を用いることが記載されている。しかし、この共重合体は低Tgであるため、成膜性はよいものの、浸透剤を含有させると樹脂も記録媒体に浸透し、画像濃度が不十分(低い)である。特に、非コーティングの比較的非平滑な紙(非平滑紙)の場合に、その問題が顕著となる。なお、これらの文献には、共重合可能なモノマーとして、アクリル酸、メチルアクリレート、ブタジエンも例示されているが、本発明で用いるカルボキシ変性MBRに関する記載はなく、上記共重合体を実施例としていることからも明らかなように、カルボキシ変性MBRの優位性には気付いていない。
また、特許文献3〜4には、インクジェットインクに用いる樹脂の一つとしてメチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(未変性MBR)が記載されているが、やはり浸透剤を含有させたインクにおいては画像濃度が不十分である。
更に、特許文献5には、マーキングペン等のインクに消しゴム消去性を付与するため、カルボキシル化メチルメタクリレート−ブタジエンゴムラテックスを添加することが記載されている。しかし、インクジェット記録用インクとは用途が全く異なるため、インクに要求される物性も異なり、本発明の参考にはならない。
特開2007−76228号公報 特開2007−62311号公報 特許第3915451号公報 特開平9−59550号公報 特開平9−95640号公報
本発明は、高浸透性でありながら高画像濃度が実現できるインクジェット記録用インクとこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜)の発明によって解決される。
1) 少なくとも水、浸透剤、色材、及びカルボキシ変性メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体樹脂を含有し、該共重合体樹脂のブタジエンとメチルメタクリレートの比率が、重量比で60/40〜30/70であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
2) 前記共重合体樹脂のゲル含有率が70〜95%であることを特徴とする1)記載のインクジェット記録用インク。
) 更にウレタン樹脂を含有することを特徴とする1)又は2)記載のインクジェット記録用インク。
) 1)〜)の何れかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
)記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
) 1)〜)の何れかに記載のインクジェット記録用インクを用いて、インクジェット記録方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
) 1)〜)の何れかに記載のインクジェット記録用インクを用いて印字されたことを特徴とする画像形成物。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明のインクでは、カルボキシ変性メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体樹脂(以下、カルボキシ変性MBRという)を用いる。これにより、非平滑紙においても画像濃度が向上する。カルボキシル基がない未変性のMBRでは画像濃度の向上効果は小さい(比較例1参照)。
上記カルボキシ変性MBRを含有させると、非平滑紙でも高画像濃度が得られる理由は不明であるが、次のように推測される。
すなわち、カルボキシ変性MBRがカルボキシル基を有することにより、インクが紙等の記録媒体上に着弾した際に、紙に含まれる炭酸カルシウム等に由来するカルシウムイオンの影響を受けて樹脂の凝集が起こり、樹脂が紙上に留まることにより、色材の紙への浸透性を阻害するため、画像濃度が向上すると推測している。
ブタジエン(B)とメチルメタクリレート(MMA)の比率も重要であり、B/MMAは重量比で60/40〜30/70とする。ブタジエン比率が30以上の場合に画像濃度向上効果が大きくなる。また、ブタジエン比率が60を超えると接着力が高くなり、ヘッドへの固着物が多くなる傾向にあることから、60%以下とする。
更に、カルボキシ変性MBRの中でも、ゲル含有率が70〜95%のものを用いることが好ましい。これにより、画像濃度が更に向上する。
ここでゲル含有率とは、トルエンに溶融しない樹脂成分の重量比率のことであり、具体的には、下記の方法で測定し算出する。
<ゲル含有率の測定方法>
カルボキシ変性MBRをガラス板上に塗布した後、室温で乾燥してラテックスフィルムを作製する。次いで、ラテックスフィルム約1.0gを正確に秤量し、400ccのトルエンに入れて48時間浸漬放置した後、あらかじめ精秤した300メッシュの金網で濾過し、十分乾燥した後、金網に残った残留物を精秤する。次いで、該残留物の重量を次式に代入してゲル含有率を算出する。
ゲル含有率(%)=(金網残留物の重量)/(フィルムの重量)×100
ゲル含有率が70%以上であると、インクに保湿剤や浸透剤として含まれるアルコール系溶剤へのカルボキシ変性MBRの溶解性が低くなるため、溶剤と一緒に紙の中に浸透しにくくなり、画像濃度向上効果が大きくなる。もっともゲル含有率が高すぎると、カルボキシ変性MBRの結着力が強すぎるために、インクジェットヘッドに固着しやすくなると考えられることから、95%以下であることが好ましい。
ゲル含有率については、重合温度、重合連鎖移動剤の種類、分子量調整剤の量、重合開始剤の種類、反応停止時の転化率等により、ある程度コントロール可能であるが、最終的には前述の方法でモル含有量を測定し、所望のゲル含有量の樹脂を選択して使用することになる。
上記カルボキシ変性MBRは、例えば、撹拌装置がついたオートクレーブ等の機密容器を用い、容器内を窒素置換した後、溶媒の水、メタクリル酸等のカルボキシル基を有する不飽和酸モノマー、メチルメタクリレート、ブタジエン、及び必要に応じて他の重合可能なモノマーを入れ、ターシャリードデシルメルカプタン等の重合連鎖移動剤、過硫酸カリウム等の重合開始剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の乳化剤を加えて攪拌しながら、60〜80℃程度に加熱して重合させ、次いで、水酸化ナトリウム等の塩基で中和あるいはpH調整することにより得ることができる。ただし、これに限られるわけではなく、従来公知のどのような方法を用いてもよい。乳化重合法以外の方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法などが挙げられる。
カルボシル基を有する不飽和酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、それらの無水物、マレイン酸メチル、イタコン酸メチルなどのジカルボン酸のモノエステル(半エステル)などが挙げられる。中でも、エチレン系不飽和ジカルボン酸及び(メタ)アクリル酸を含んでいることが望ましい。
カルボシル基を有する不飽和酸モノマーの割合は、全モノマーに対し、1〜7重量%、好ましくは、2〜4重量%の範囲とする。1重量%よりも少ないと、画像濃度向上効果が小さい。7重量%を超えると、水に対する親和性が高くなり、紙への浸透性が高くなり、画像濃度向上効果が下がる傾向にある。
その他の重合可能なモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミド化合物、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジンなどのエチレン系不飽和アミン化合物などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記重合可能なモノマーの含有量は、全モノマーに対し20重量%以下とすることが好ましい。
上記カルボキシ変性MBRの重合の際には、必要に応じて連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物、α−メチルスチレンダイマー、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノール系化合物、アリルアルコールなどのアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの連鎖移動剤の使用量については何ら制限はなく、上記カルボキシ変性MBRに求められる性能に応じて適宜調整することができるが、好ましくはモノマー混合物100重量部に対して10重量部以下とする。
カルボキシ変性MBRの市販品としては、日本エイアンドエル社のMR−170、MR−171、MR−172、MR−173、MR−174等が挙げられ、その中でゲル含有量が前記範囲に入るものを選定し使用することもできる。
上記カルボキシ変性MBRの粒径は、平均粒子径D50が500nm以下が好ましい。500nmを超えると、インクジェットノズルに詰まりやすくなる傾向にある。
また、上記カルボキシ変性MBRのTgは、常温で成膜することができるように25℃以下が好ましく、各季節の温度変化を考えた場合、10℃以下が更に好ましい。
上記カルボキシ変性MBRの添加量は、インクの材料構成によっても異なるが、インク全量に対し0.05〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。0.05重量%以上であれば、画像濃度効果が向上する傾向にある。また、30重量%以下であると、インク粘度が高くなることがなく、インクの吐出性が良好である。
上記カルボキシ変性MBRの添加の仕方については、インク作成の最終段階で直接添加してもよいし、色材分散液作成の際に添加し、メディア分散や超音波分散装置等の一般的な分散装置で分散した後、この色材分散液を使用してインクを作成してもよい。
また、本発明のインクでは、上記カルボキシ変性MBRと共に、ウレタン樹脂を併用することが好ましい。これにより、連続印字によってインクが乾燥した場合でも、インク乾燥物がインクジェットヘッドに固着することがないため、連続印字に伴って印字画像が劣化することがない。
ウレタン樹脂の添加量は、インク全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%である。0.1重量%以上であれば連続印字での画像劣化防止効果が向上する。しかし、10重量%を超えると、インク粘度が高くなり、印字画像が劣化しやすくなる。
本発明に用いる浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物、グリコールエーテル化合物が挙げられる。また、アセチレン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の各種界面活性剤を用いることもできる。
炭素数8〜11のポリオール化合物の例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
グリコールエーテル化合物の例としては、多価アルコールアルキルエーテル化合物、多価アルコールアリールエーテル化合物等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は、10重量%以下が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
本発明のインクの色材は、特に限定されず、種々の無機色材、有機色材を使用できる。しかし、インクジェット記録用インクの場合は、光による退色や水系インクの面から顔料が望ましい。
好ましい顔料としては、黒色顔料ではカーボンブラックが挙げられ、具体例として、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、カーボンブラック表面を酸化処理やアルカリ処理したものや、各種の界面活性剤や樹脂で被覆したりグラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも使用可能である。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
イエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
上記顔料の分散液中、或いは顔料インク中における濃度はそれぞれ0.1〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%が特に好ましい。
更に本発明のインクの色材としては、分散剤等の界面活性剤や樹脂で被覆したりグラフト処理やカプセル化処理したものを使用することが好ましい。
前記分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を、必要に応じて使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他のイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系等が挙げられる。
色材としてカーボンブラックを選んだ場合には、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物が最も好ましい。特に顔料固形分が20重量%以上の高固形分の場合には、他の分散剤と比較してその効果は顕著である。
またカーボンブラックとしては、BET表面積が100〜400m/gで、一次粒子径が10〜30nmのものが、特に印字画像の濃度が高く安定しており好ましい。
分散剤の添加量は顔料の種類により適宜選択する必要があるが、顔料1重量部に対し、0.005〜5重量部が好ましい。
顔料がカーボンブラックの場合には、分散剤の添加量が顔料1重量部に対し0.01〜2重量部でも実用上問題のない均一な分散が得られるが、好ましくは顔料1重量部に対し0.02〜0.5重量部である。0.01〜2重量部であれば、顔料の分散性が向上すると共に分散液やインクの経時安定性が向上する傾向にある。特に0.02〜0.5重量部では、分散液及びインク液の経時安定性が最も向上する。
分散媒としては水を含有することが望ましいが、必要に応じて各種有機溶剤と併用してもよい。
また、本発明に用いる顔料分散液には、公知の各種添加剤を配合することができる。
例えば、水溶性有機媒体であるメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、ノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明に用いるカーボンブラック分散液は、前記カーボンブラック、分散剤、水、必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー、超音波分散機等の公知の分散機で分散することによって得られる。
このとき、分散剤の使用量を前述のように顔料1重量部に対し0.1〜2重量部の割合にすると共に、湿式分散処理を採用するのが好適である。なお、ここで言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水、必要に応じて水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散する処理のことである。
上記のようにして得られた顔料分散液を用いて、顔料系インクジェット記録用インクを作成することができる。
顔料系インクジェット記録用インクは、公知の方法、例えば顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
インクに於けるカーボンブラックの濃度はインク全量に対して1〜20重量%が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、20重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなく、ノズルの目詰まりが発生し易くなる。
また、インクには前記顔料分散液への添加剤で述べた材料と同様の材料を必要に応じて配合することが出来る。
例えば、水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%である。
このようにして得られた本発明に係る顔料系インクジェット記録用インクは、容器中に収容しインクカートリッジとして好適に用いることが出来る。また、本発明に係る顔料系インクジェット記録用インクを用いて、紙のような画像支持体に吐出し記録(印字)を行うインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。
印字手段としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
本発明によれば、高浸透性でありながら高画像濃度が実現できるインクジェット記録用インクとこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、及び画像形成物を提供できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本発明の範囲に含まれる。なお、例中の「部」及び「%」は何れも重量基準である。
実施例1
以下の手順で顔料分散液を調製し、この分散液を用いてインクを作成した。
(1)<カルボキシ変性MBRの作成>
第一段階として、10リットルのオートクレーブに、下記の材料を仕込み、十分に撹拌しながら65℃に昇温して1時間反応させた。

・水 100部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.5部
・過硫酸カリウム 0.5部
・t−ドデシルメルカプタン 1.1部
・メタクリル酸 0.2部
・ブタジエン 5.9部
・メタクリル酸メチル 3.9部

次いで、第二段階として、下記の材料を5時間かけて連続添加しながら重合を行ない、更にその後、4時間熟成を行なった。得られた反応生成物を苛性ソ−ダ水溶液でpH8に調整した後、水蒸気蒸留により未反応モノマー等を除去し、更に樹脂固形分が50%になるように蒸留水で希釈して、表1の実施例1に記載のカルボキシ変性MBRを得た。

・メタクリル酸 1.8部
・ブタジエン 52.9部
・メタクリル酸メチル 35.3部

(2)<顔料分散液の作成>
下記の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製:KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて、周速10m/s、液温10℃で5分間分散し、次いで、遠心分離機(久保田商事社製:Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、平均粒子径約120nm、標準偏差51.2nmのカーボンブラック顔料分散液1を得た。

・カーボンブラック NIPEX150−IQ 20部
(degussa社製:ガスブラック)
・ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液) 30部
・蒸留水 50部

(3)<インクの作成>
下記の材料を30分間攪拌して実施例1のインクを作成した。

・顔料分散液1(顔料濃度20%) 40.0部
・グリセリン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分濃度40%) 2.5部
(DuPont社製、 Zonyl FS−300)
・自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度30%) 10.0部
(三井化学ポリウレタン社製、W−5025:体積平均粒子径=8.2nm)
・表1の実施例1に記載のカルボキシ変性MBR(樹脂固形分50%) 6.0部
・蒸留水 17.0部
実施例2
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から0.8部に変えて、表1の実施例2に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクを作成した。
実施例3
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から0.3部に変えて、表1の実施例3に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクを作成した。
実施例4
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から2.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から6.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から26.5部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から61.7部に変えて、表1の実施例4に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクを作成した。
実施例5
実施例2の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から2.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から6.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から26.5部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から61.7部に変えて、表1の実施例5に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例2と同様にして実施例5のインクを作成した。
実施例6
実施例3の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から2.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から6.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から26.5部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から61.7部に変えて、表1の実施例6に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例3と同様にして実施例6のインクを作成した。
実施例7
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から4.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から4.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から44.1部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から44.1部に変えて、表1の実施例7に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクを作成した。
実施例8
実施例2の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から4.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から4.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から44.1部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から44.1部に変えて、表1の実施例8に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例2と同様にして実施例8のインクを作成した。
実施例9
実施例3の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から4.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から4.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から44.1部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から44.1部に変えて、表1の実施例9に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例3と同様にして実施例9のインクを作成した。
参考例10
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から6.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から2.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から61.7部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から26.5部に変えて、表1の参考例10に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、参考例10のインクを作成した。
参考例11
実施例3の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から6.9部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から2.9部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から61.7部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から26.5部に変えて、表1の参考例11に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例3と同様にして、参考例11のインクを作成した。
参考例12
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から2.0部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から7.8部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から17.6部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から70.6部に変えて、表1の参考例12に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、参考例12のインクを作成した。
参考例13
実施例3の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるブタジエンの配合量を5.9部から2.0部に、メタクリル酸メチルの配合量を3.9部から7.8部に変えると共に、第二段階におけるブタジエンの配合量を52.9部から17.6部に、メタクリル酸メチルの配合量を35.3部から70.6部に変えて、表1の参考例13に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例3と同様にして、参考例13のインクを作成した。
実施例14
実施例9の<インクの作成>における自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンを添加せず、蒸留水の配合量を17.0部から27.0部に変えて、表1の実施例14に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例9と同様にして、実施例14のインクを作成した。
実施例15
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から1.5部に変えて、表1の実施例15に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、実施例15のインクを作成した。
実施例16
実施例1の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から0.3部に変え、65℃の昇温を55℃に変えるとともに、第一段階における4時間熟成を8時間熟成に変えて、表1の実施例16に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例1と同様にして、実施例16のインクを作成した。
実施例17
実施例4の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から1.5部に変えて、表1の実施例17に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例4と同様にして、実施例17のインクを作成した。
実施例18
実施例4の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるt−ドデシルメルカプタンの配合量を1.1部から0.3部に変え、65℃の昇温を55℃に変えるとともに、第一段階における4時間熟成を8時間熟成に変えて、表1の実施例18に記載のカルボキシ変性MBRを得た点以外は、実施例4と同様にして、実施例18のインクを作成した。
実施例19
実施例2におけるカーボンブラックを、ピグメントレッド122(大日本インキ社製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)に変え、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液)を、ポリオキシエチレン(n=40)−β−ナフチルエーテル(10%水溶液)に変えた点以外は、実施例2と同様にして、実施例19のインクを作成した。
比較例1
実施例7の<カルボキシ変性MBRの作成>の第一段階におけるメタクリル酸及び第二段階におけるメタクリル酸を添加しなかった点以外は、実施例7と同様にして、表1の比較例1に記載の未変性MBRを得、これを用いて比較例1のインクを作成した。
比較例2
実施例1の<インク作成>におけるカルボキシ変性MBR(50%)を、日本エイアンドエル社製SBR SR108(50%)に変えた点以外は、実施例1と同様にして比較例2のインクを作成した。該SBRはゲル含有率95%である。
比較例3
比較例2におけるカーボンブラックを、ピグメントレッド122(大日本インキ社製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)に変え、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液)を、ポリオキシエチレン(n=40)−β−ナフチルエーテル(10%水溶液)に変えた点以外は、比較例2と同様にして、比較例19のインクを作成した。
上記実施例及び比較例の各インクについて下記の評価を行なった。結果を表1に示す。
〔画像濃度〕
各インクをリコー社製ジェルジェットプリンタGX−3000のインクカセットに充填し、平滑紙としてリコー社製マイペーパー、非平滑紙としてゼロックス社製のPPC用紙4024に1枚印字し、印字画像をXrite濃度計で測定した。数値が大きい方が良好である。
〔画像劣化〕
連続印字を行う代わりに、各インクが導入されたインクジェットヘッドを乾燥条件下に放置することで、連続印字時と同様にインクを乾燥させ、連続印字に伴う画像劣化の程度を評価した。すなわち、各インクをリコー社製ジェルジェットプリンタGX−3000のインクカセットに充填し、40℃環境下で1時間放置した後、プリンタの吐出状態が初期状態に戻るまでのクリーニング動作回数によって、次のようなランク付けをした。クリーニング動作回数が多いほど、ヘッドにインクが固着しており、連続印字に伴って画像が劣化することになる。
◎:1回の動作により回復
○:2〜3回の動作により回復
×:回復しないか又は回復に4回以上の動作が必要
下記表1のゲル含有率は前述した方法で測定し算出したものである。
表1に示したように、カルボキシ変性MBRを含む本実施例1〜9、14〜18のインクは、未変性MBRを含むインク(比較例1)やカルボキシ変性SBRを含むインク(比較例2)に比べて、平滑紙に対しても非平滑紙に対しても、画像濃度が高くなった。
なお、本実施例1〜9、14〜18のインクは、カルボキシ変性SBRを含むインク(比較例2)とは異なり、連続印字を行っても画像劣化が生じなかった。
また、カルボキシ変性MBRのゲル含有率が70〜95%であるインクは、その範囲を外れたインク(実施例15〜18)に比べて、画像濃度がより高く、画像劣化もより少なかった。
更に、カルボキシ変性MBRのB/MMA比率が、60/40〜30/70のインクは、その範囲を外れたインク(参考例12〜13)に比べ、画像濃度がより高く、画像劣化もより少なかった。
更に、ウレタン樹脂を含むインクは、ウレタン樹脂を含まないインク(実施例14)に比べて、画像劣化がより少なかった。
更に、カーボンブラックに代えてカラー顔料(ピグメントレッド122)を用いた場合においても、カルボキシ変性SBRを用いた比較例3に比べて、カルボキシ変性MBRを用いた実施例19の方が、平滑紙に対しても非平滑紙に対しても画像濃度が高くなった。
Figure 0005381037

Claims (7)

  1. 少なくとも水、浸透剤、色材、及びカルボキシ変性メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体樹脂を含有し、該共重合体樹脂のブタジエンとメチルメタクリレートの比率が、重量比で60/40〜30/70であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記共重合体樹脂のゲル含有率が70〜95%であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用インク。
  3. 更にウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用インク。
  4. 請求項1〜の何れかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  5. 請求項記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1〜の何れかに記載のインクジェット記録用インクを用いて、インクジェット記録方式で印字することを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1〜の何れかに記載のインクジェット記録用インクを用いて印字されたことを特徴とする画像形成物。
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