JP2015086237A - インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、ビスホスホン酸基及びビニルナフタレンの構造単位を有する共重合体をインクジェット記録用インクの組成分として用いることにより、インクジェット記録用インクが紙面上で凝集し、紙表面上に顔料が留まることで、高い画像濃度を得ることができ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散が安定となるインクジェット記録用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク(以下、単に「インク」と称することもある。)、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置により少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて画像を形成する方式であり、パーソナルおよび産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
インクジェット記録装置には、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性がいまだ劣っている。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙を使用した場合でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。高速印字化のために記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。
画像濃度の向上については、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1には、液体ビフィクル、着色剤、及び特定のカルシウム指数値を有する少なくとも1つの官能基を有するポリマーを含有するインクジェットインク組成物が提案されている(特許文献1(特許5001291号公報)参照)。この提案では、前記ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が示されており、着色剤が紙と接触した際に、ポリマーのジホスホン酸基と紙中のCa塩とで不安定にさせ、印刷画像濃度を向上させることができるとされている。
前記ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が例示されているが、本発明の式(4)で表されるモノマーの例示はなく、式(4)で表されるモノマーと式(5)で表されるモノマー、または式(4)で表されるモノマーと式(6)で表されるモノマーを使用した共重合体の例示はなく、顔料の分散安定性向上に対する効果は記載されていない。
また、特許文献2(特開2011−122072号公報)には、水溶性の多価金属塩を含有してなる紙への記録に用いられるインクが開示されている。このとき、このインクは、(a)顔料と、(b)界面活性能を持たず、分子量が150以上10,000以下であり、かつ、その分子構造中におけるリン酸を基本骨格とする官能基とホスホン酸を基本骨格とする官能基由来のリンの含有率((P量/分子量)×100)が1.4以上であるリン酸を基本骨格とする官能基及びホスホン酸を基本骨格とする官能基から選択される官能基を有する化合物を少なくとも1種含有してなり、(b)化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として1.5質量%以上10.0質量%以下であることを特徴としている。
特許文献2には、共重合体用のモノマーとして、本発明における式(5)、式(6)で表されるモノマーが例示されているが、本発明における式(4)で表されるモノマーを使用した共重合体の例示はなく、水溶性の多価金属塩の含有率が低い普通紙における画像濃度向上効果及び顔料分散安定性向上に対する効果は記載されていない。
前記特許文献1では、ポリマーを顔料分散体の分散剤、及び添加剤として使用するのではなく、前記ポリマーを着色剤に被覆させており、前記ポリマーの官能基は、ジホスホン酸基と水酸基が隣接しているため、ジホスホン酸基と水酸基の水素結合が生じやすいためか、インクの分散安定性が低いという課題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ビスホスホン酸基及び特定の構造単位を有する共重合体をインクジェット記録用インクの組成分として用いることにより、インクジェット記録用インクが紙面上で凝集し、紙表面上に顔料が留まることで、高い画像濃度を得ることができ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散が安定となることを見出し本発明に至った。
すなわち、上記課題は、少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インクにより解決される。
Figure 2015086237
(式(1)中のR1は、水素またはメチル基を表す。Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。)
Figure 2015086237
Figure 2015086237
本発明によれば、高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することができる。
本発明のインク収容容器の一例を説明するための概略平面図である。 図1に示す本発明のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図である。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図である。 図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図である。
本発明のインクジェット記録用インクは、少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を含有し、前記ホスホン酸基を含む共重合体が下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを少なくとも有することに特徴がある。
Figure 2015086237
(式(1)中のR1は、水素またはメチル基を表す。Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。)
Figure 2015086237
Figure 2015086237
リン酸基やホスホン酸基は、親水性を示すが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンといった多価金属イオンと反応し、疎水化する特徴を持つ。そのため、リン酸基やホスホン酸基を含む共重合体を顔料分散剤として用いたインクジェット記録用インクは、水溶性の多価金属塩を含む記録媒体に使用すると、顔料に吸着した顔料分散剤が記録媒体から溶出してくる多価金属イオンと反応して疎水化することで、顔料の凝集が起こる。その結果、顔料の紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができ、さらに画像が紙面の裏側から透けて見える裏抜けを低減することができる。
しかし、水溶性の多価金属塩をほとんど含まないPPC普通紙においては、記録媒体から溶出してくる多価金属イオンの量が少なく、顔料の凝集による画像濃度向上の効果は不十分であった。
上記の問題を解決する方法として、親水性の官能基としてビスホスホン酸基を含む共重合体を使用する方法や顔料分散剤の疎水性構造単位の割合を増やし、分散剤と顔料の吸着を強める方法が考えられる。しかし、共重合体にビスホスホン酸基を導入するとホスホン酸基同士の相互作用が強くなる為か、顔料分散性の低下や、顔料分散体と水溶性溶剤の混合時に増粘が生じてしまうことが判明した。また、疎水性構造単位の比率を増やすと、顔料分散体及びインクにおける顔料の分散安定性が低下し、増粘することが判明した。
本発明では、式(1)で表される構成単位の他に式(2)及び/又は式(3)で表される構成単位を組み合わせることで下記の効果が得られ、水溶性多価金属塩の含有率の低いまたは難溶性の金属塩しか含まれない普通紙においても高い画像濃度を得ることが可能になった。そして、さらに、顔料分散体及びインクにおける顔料の分散安定性を確保することができた。
式(1)、式(2)及び式(3)で表される各構成単位の効果について、以下に詳細に説明する。
(1)式(1)で表される構成単位の導入により、共重合体の金属イオンに対する反応性が高くなり、共重合体が含まれるインクが紙に着弾した際に、顔料が凝集しやすくなった。その結果、非常に高い画像濃度が得られた。
(2)式(2)及び/又は式(3)で表される構成単位の導入により、共重合体の顔料への吸着力が向上し、分散剤として用いた時の顔料の分散性安定性が向上した。さらに、共重合体が金属イオンと反応した際に、顔料が凝集し易くなり、その結果、画像濃度が向上した。
本発明のインクジェット記録用インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録するインク吐出手段を有するインクジェット記録装置とし、インク吐出手段を介して刺激を印加して記録ヘッドからインクを吐出させて記録媒体に画像を記録すれば、高い濃度の画像形成が実現できる。また、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容してインク収容容器とすれば、インクジェット記録装置に配備されるインク収容容器装填部への着脱が容易で、かつ長期間安定したインク供給が可能となる。本発明のインク記録物は、高画質で、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
<ホスホン酸基を含む共重合体>
本発明のホスホン酸基を含む共重合体(以下ポリマーとも称す)は、下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを含み、更に必要に応じてその他の構造単位を含んでなる。
Figure 2015086237
[式(1)中、R1は、水素、及びメチル基のいずれかを表す。Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。]
Figure 2015086237
Figure 2015086237
前記式(1)中のMのアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、などが挙げられる。
前記Mの有機アンモニウムとしては、例えば、モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン、などが挙げられる。
特に画像濃度と保存安定性の両方の面からナトリウムまたはカリウムが望ましい。
前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であり、残りはアルカリ金属又は有機アンモニウムであることが好ましい。
共重合体中のMの総数に対する水素の割合(%)は、以下で定義される中和率(%)を用い、100%−中和率(%)で求めることができる。
尚、前記中和処理して得られたポリマーにおけるホスホン酸基の中和率は、本発明においては、下記の方法により求めた値を中和率と定義し、実際に、共重合体中のプロトンが、金属イオンや有機アミンイオンで置換されている割合とは異なる。
式(4)で表される化合物をモノマー1とすると、
中和率X(%)=(添加した塩基のモル数×塩基の陽イオンの価数)
÷(ポリマーに含有するモノマー1のモル数×4)×100
添加した塩基のモル数=塩基の添加量Yg÷塩基の分子量
ポリマーに含有するモノマー1のモル数
=モノマー1の仕込み量Zg÷モノマー1の分子量
従って、中和率X%を得るために必要な塩基の量は
塩基の添加量Yg=中和率X(%)×(モノマー1の仕込み量Zg×4)
×塩基の分子量÷(塩基の陽イオン価数×100×モノマー1の分子量)
となる。
前記ポリマーの式(1)で表される構造単位としては、下記式(7)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2015086237
[Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。]
前記ポリマーは、前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位以外にも、更に、重合性モノマー由来の構造単位を含むこともできる。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、などが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセ等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性の親水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記式(1)で表される構造単位の質量比率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリマー全量に対して、5質量%〜80質量%が好しく、10質量%〜60質量%がより好ましく、30質量%〜50質量%が更に好ましい。前記質量比率が、前記より好ましい範囲内であると、インクジェット記録用インクに用いた場合、高い画像濃度が得られ、分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
また、前記ポリマーにおける前記式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位の質量比率は、式(1)比率を設定した後の残りの比率の中で設定すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。特に前記ポリマー全量に対して、20質量%〜95質量%が好ましく、40質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜70質量%が更に好ましい。前記質量比率が、前記好ましい範囲内であると、インクジェット記録用インクに用いた場合、高い画像濃度が得られ、分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーは、以下に説明する本発明のポリマーの製造方法により製造することができる。また、前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーは、特に制限はなく、各種分野に幅広く用いることができるが、インクジェット記録用インクにおける顔料分散剤、顔料濃度向上剤、顔料用結着樹脂、粘度調整剤などとして好適に用いることができる。
<ホスホン酸基を含む共重合体の製造方法>
前記ホスホン酸基を含む共重合体は、下記式(4)で表されるモノマーと、下記式(5)及び/又は下記式(6)で表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成することができる。
Figure 2015086237
(式(4)中のR2は、水素またはメチル基を表す。)
Figure 2015086237
Figure 2015086237
本発明で用いられる前記ホスホン酸基を含む共重合体の製造方法は、少なくとも式(4)で表されるモノマーと、式(5)及び/又は式(6)で表されるモノマーとを重合させた後、得られたポリマーをアルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなることが好ましい。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーは、式(4)で表されるモノマーと、式(5)又は式(6)で表されるモノマーとを重合させた後、又は下記式(4)で表されるモノマーと、式(5)及び/又は式(6)で表されるモノマーと、前記重合性モノマーとを共重合させた後、アルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理することで合成することができる。
また式(4)で示されるモノマーを予め、アルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理し、次に式(5)及び/又は式(6)で表されるモノマーと共重合させても合成可能である。
前記式(4)で表されるモノマーとしては、例えば、R2がメチル基である下記構造式(8)で表される1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、R2が水素である下記式(9)で表される1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、が挙げられる。これらの化合物は、例えば、特開昭58−222095号公報に記載の方法で合成することができる。
Figure 2015086237
Figure 2015086237
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの合成方法としては、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましく、有機溶剤中で重合させる溶液重合法が更に好ましい。
前記溶液重合法でラジカル重合を行う際の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;イソプロパノール、エタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、などが挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、アルコール系溶剤が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などが挙げられる。これらの中でも、分子量の制御がしやすく、分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総質量に対して、1質量%〜10質量%が好ましい。
前記ポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量添加してもよい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
重合温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。重合時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3時間〜48時間が好ましい。
得られたポリマーをアルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理する。
前記中和処理は、アルカリ金属塩基又は有機アミン塩基にてポリマーのホスホン酸基の一部又は全てを中和することで行うことができる。
なお、前記アルカリ金属塩基又は有機アミン塩基の中和処理は、インクの製造工程において顔料とポリマーとを混合した状態で行うことも可能である。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーは、より具体的には、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコ内に、溶媒、前記式(4)で表されるモノマーと、式(5)及び/又は式(6)で表されるモノマー、及び必要に応じて重合性モノマーを、重合開始剤存在下窒素ガス還流下、50℃〜150℃の温度で反応させた後、アルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理することで合成することができる。
前記共重合体の固形分10質量%水溶液または固形分10質量%水分散液の粘度は、1.5〜30.0mPa・sの範囲であることが好ましい。1.5mPa・s以上であると、紙から溶出してくる金属イオンと顔料分散剤の反応性がより向上し、画像濃度向上の効果が顕著となる。30.0mPa・s以下であると顔料の分散安定性がより向上し、顔料分散体の保存安定性もより向上する。尚、前記粘度は、後述するように、25℃で測定した値である。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの重量平均分子量は、重合温度や重合開始剤量及び反応時のモノマー濃度である程度制御が可能である。
前記重合温度に関しては、高温にて短時間で重合すると低分子量のポリマーが得られやすく、低温度にて長時間かけて重合すれば高分子量のポリマーが得られやすい傾向にある。
(インクジェット記録用インク)
本発明のインクジェット記録用インクは、水、水溶性有機溶剤、顔料、及び本発明の前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、固形分として0.5質量%〜10.0質量%であることが好ましく、1.0質量%〜5.0質量%であることがより好ましい。0.5質量%の添加から画像濃度向上の効果が明確に表れ、10.0質量%以下にすることでインクをヘッドから吐出する際に適した粘度の範囲に抑えることが可能である。
また、本発明のインクジェット記録用インクは、少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン酸基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを少なくとも混合してなることが好ましい。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーを顔料の分散剤として使用すれば、更に、普通紙における画像濃度や、水溶性有機溶剤の含有量が多いインクでの保存安定性の一層の向上が認められる。前記顔料分散剤として使用する場合には、前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位以外にも、親水性の重合性モノマー由来の構造単位を含むことができる。前記親水性の重合性モノマーとしては、上述したものを用いることができる。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料の水分散液における顔料と共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることが好ましく、100/15〜100/50がより好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高い画像濃度が得られ、さらに、水溶性溶剤が20質量%以上を越えるようなインクでの保存安定性に一層の向上が見られる。また、上記効果を損なわない範囲で、後に記載する分散剤を共重合体と併用してもよい。
(水)
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水の含有量は、インク総量に対して20〜60質量%が好ましい。
(水溶性溶剤)
本発明で使用される水溶性溶剤は、インク組成物において、保湿効果の付与による吐出安定化の向上に必要である。含有量は、インク総量に対して10〜50質量%が好ましい。前記含有量が10質量%以上であると、インクが水分蒸発しにくくなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でインクの水分蒸発が抑制され、インク詰まり等が起きにくくなる。前記含有量が50質量%以下であると顔料や樹脂等の固形分を多く含んでいてもインク粘度が低く抑えられ高い画像濃度を得ることができる。
本発明で用いられる水溶性溶剤としては、以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、トリメチールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。
これらの水溶性溶剤は、単独または2種類以上混合して使用することができる。
上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコールおよび/またはグリセリンを含むことが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。特にグリセリンを含むことが好ましい。
(顔料)
本発明で用いられる顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%以上、20.0質量%以下が好ましい。顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。
ここで、前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
これらの顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、および有機顔料のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15nm〜40nm、BET法による比表面積が、50m2/g〜300m2/g、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックとして市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。
前記カラー用のものでイエローインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
前記カラー用のものでマゼンタインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
前記カラー用のものでシアンインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
更に本発明で使用される顔料は、分散剤等の界面活性剤や樹脂で被覆したグラフト処理やカプセル化処理した物を使用することも可能であるが、本発明のホスホン酸基を含む共重合体を分散剤に使用した方がより好ましい。
また効果を損なわない範囲で上述した顔料を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用インクの組成分に用いられるその他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、分散剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
(分散剤)
前記分散剤としては、本発明のホスホン酸基を含む共重合体が好ましいが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤も挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクタン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等が例示される。
(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが8.5未満および11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータHM−30R(TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物等が、前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子およびフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
ここで、前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散顔料を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して顔料の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(キレート試薬)
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
(インクジェット用インク製造方法)
本実施形態のインクジェット用インクは、水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
ホスホン酸基を含む共重合体を顔料の分散剤として用いる場合は、少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを水に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
本発明のインクジェット用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット用インクの表面張力としては、25℃で、40mN/m以下が好ましい。前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明のインクジェット記録用インクを収容するインク収容部を備えるものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク収容部を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインク収容容器の一態様について、図1および図2を参照して説明する。図1は本発明のインク収容容器の一例を説明するための概略平面図である。図2は図1のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図である。
インク収容容器200は、図1に示すように、インク注入口242からインク収容部241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク収容部241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製の収容容器ケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録用インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録する。本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
前記インクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット記録用インクに、刺激を印加し、該インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット記録用インクに、刺激を印加し、該インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。なお、前記刺激発生手段としては、例えば、過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により前記インクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4および図5(図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収容容器装填部104に装填された本発明のインク収容容器200から前記インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインク収容容器200中のインクを使い切ったときには、インク収容容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収容容器200は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収容容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(記録物及び記録物の製造方法)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明の記録物である。すなわち、本発明の記録物は、本発明のインクジェット記録用インクを用いて記録媒体(記録メディア)に情報または画像が記録されている。本発明の記録物は、インクジェット記録用インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程により製造することができる。
前記記録メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙および印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、普通紙および印刷用塗工紙は、画像濃度が低くなり、乾燥性も悪く一般にインクジェット用には使用する上で好ましくなかった。本発明のインクにより、普通紙および印刷用塗工紙においても、画像濃度、乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明の記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
本発明のインクは、紙から溶出してくるCaイオン量が、1.0×10-5〜5.0×10-4[g/g]の紙に対して使用するのが好ましい。該Caイオン量が1.0×10-5[g/g]以上であると、顔料分散剤との反応凝集による画像濃度向上の効果が向上する。また該Caイオン量が5.0×10-4[g/g]以下であることで、紙へのインクの浸透が阻害されないのでインクの乾燥性が向上し、耐擦過性及び耐マーカー性も向上する。
例えば、MyPaper(株式会社リコー製普通紙)のCaイオン量は4.3×10-4[g/g]である。
上記紙から溶出してくるCaイオン量は、次の方法により算出したものである。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方の紙片に裁断する。裁断した紙片16gを25℃の高純水200g中に40時間浸漬する。紙片を浸漬した後の高純水(浸漬液)を0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去した後、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の重量である200gを掛け、更に浸漬させた紙の重量である16gで除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。
また、本発明は下記の(1)のインクジェット記録用インクに係るものであるが、次の(2)〜(13)をも実施の形態として含む。
(1)少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
Figure 2015086237
(式(1)中のR1は、水素またはメチル基を表す。Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。)
Figure 2015086237
Figure 2015086237
(2)少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が、下記式(4)で表されるモノマーと、下記式(5)及び/又は下記式(6)で表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成されたものであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
Figure 2015086237
(式(4)中のR2は、水素またはメチル基を表す。)
Figure 2015086237
Figure 2015086237
(3)前記ホスホン酸基を含む共重合体における前記式(1)の構造単位の含有率又は前記式(4)で表されるモノマーの含有率が10質量%〜60質量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用インク。
(4)前記ホスホン酸基を含む共重合体の固形分10質量%の水溶液または水分散液の粘度が1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(5)少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン酸基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを少なくとも混合してなることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(6)前記顔料の水分散液における顔料とホスホン酸基を含む共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることを特徴とする前記(5)に記載のインクジェット記録用インク。
(7)前記共重合体を構成する式(1)のMが水素またはカリウムまたはナトリウムであることを特徴とする前記(1)、(3)乃至(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(8)前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であることを特徴とする前記(1)、(3)乃至(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(9)前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(10)インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインク収容容器。
(11)インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
(12)インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有する記録物の製造方法であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物の製造方法。
(13)インクを用いて記録媒体に情報または画像が記録されている記録物であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(共重合体の粘度の測定)
合成された共重合体の10質量%水溶液または10質量%水分散液の粘度測定は回転粘度計(粘度計RE80L・コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用いて25℃で行った。具体的な操作を以下に示す。共重合体の10質量%水溶液または10質量%水分散液を1.1mL採取し粘度計のサンプルカップに入れた。サンプルカップを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分後の値を読み取った。粘度測定時の回転数については、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。
<共重合体化合物の合成>
(合成例1)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.3mPa・sであった。
(合成例2)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、Rがメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(6)で表される化合物、(2−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.1mPa・sであった。
(合成例3)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(9)で表される化合物(1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2が水素である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体3を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は2.9mPa・sであった。
(合成例4)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体4を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.1mPa・sであった。
(合成例5)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン、95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体5を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.6mPa・sであった。
(合成例6)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体6を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.7mPa・sであった。
(合成例7)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体7を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.0mPa・sであった。
(合成例8)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体8を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.8mPa・sであった。
(合成例9)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体9を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.8mPa・sであった。
(合成例10)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体10を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は31.5mPa・sであった。
(合成例11)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体11を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.1mPa・sであった。
(合成例12)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体12を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.0mPa・sであった。
(合成例13)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体13を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は35.2mPa・sであった。
(合成例14)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体14を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.9mPa・sであった。
(合成例15)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体15を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は28.9mPa・sであった。
(合成例16)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体16を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.1mPa・sであった。
(合成例17)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体17を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は33.0mPa・sであった。
(合成例18)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化ナトリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体18を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.2mPa・sであった。
(合成例19)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化リチウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体19を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.1mPa・sであった。
(合成例20)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、DMEA(ジメチルエタノールアミン)を加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体20を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.0mPa・sであった。
(合成例21)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、70%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体21を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.1mPa・sであった。
(合成例22)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、50%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体22を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.5mPa・sであった。
(合成例23)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)100.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体23を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.0mPa・sであった。
(合成例24)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、MAA(メタクリル酸)50.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)50.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、カルボン酸基が100%中和された共重合体24を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は15.0mPa・sであった。
(合成例25)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール)500.0質量部と、ホスマーM(2−メタクイロキシエチルアシッドホスホエート、ユニケミカル社)18.0質量部、St(スチレン)30.0質量部、MMA(メタクリル酸メチル)20.0質量部、BMA(メタクリル酸ブチル)18.0質量部、MAA(メタクリル酸)10.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度110℃に昇温した。次いで、窒素気流下、4時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、メタノール中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体25を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は11.5mPa・sであった。
以上のようにして合成した共重合体1〜25の特性を表1に示す。
Figure 2015086237
<顔料分散体の調製例1〜36>
各料分散体の調製を以下により行った。
(顔料分散体調製例1):ブラック顔料分散体1
下記処方(1)の混合物をプレミックスし、混合スラリー(a)を作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック株式会社製、DMR型)で0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度が16質量%となる顔料分散体(顔料の水分散液)を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m2/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160質量部
・共重合体1(合成例1) ・・・ 40質量部
・蒸留水 ・・・800質量部
(顔料分散体調製例2):ブラック顔料分散体2
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を共重合体2(合成例2)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例3):ブラック顔料分散体3
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から10質量部に、蒸留水を800質量部から830質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例4):ブラック顔料分散体4
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から20質量部に、蒸留水を800質量部から820質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例5):ブラック顔料分散体5
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から160質量部に、蒸留水を800質量部から680質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例6):ブラック顔料分散体6
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から200質量部に、蒸留水を800質量部から640質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例7):ブラック顔料分散体7
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)をPOE(m=40)β−ナフチルエーテル(竹本油脂株式会社)10%水溶液に、その質量部を40質量部から400質量部に、蒸留水を800質量部から440質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例8):シアン顔料分散体1
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる青色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例9):マゼンタ顔料分散体1
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる赤紫色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例10):イエロー顔料分散体1
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黄色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例11)〜(顔料分散体調製例33):ブラック顔料分散体8〜30
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を共重合体3(合成例3)〜共重合体25(合成例25)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体11〜33を得た。
(顔料分散体調製例34):シアン顔料分散体2
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる青色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例35):マゼンタ顔料分散体2
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる赤紫色の顔料分散体を得た。
(顔料分散体調製例36):イエロー顔料分散体2
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黄色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1〜36で得られた顔料分散体の組成を表2にまとめて示す。
Figure 2015086237
[実施例1〜32、比較例1〜6]
<インクジェット記録用インクの作製>
下記表に実施例1〜32、比較例1〜6のインク組成物の構成をそれぞれ示す。なお、表中の数値は質量%を示す。
<インクジェット用インクの製造方法>
(実施例1)
下記処方の材料を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、記録用インクを作製した。
・顔料分散体調製例1の顔料分散液1(顔料濃度16%) 50.0質量部
・グリセリン 10.0質量部
・1,3−ブタンジオール 20.0質量部
・純水 20.0質量部
(実施例2〜32、比較例1〜6)
実施例2〜32、比較例1〜6のインクについても、上記と同様にして、下記処方表に従って、インクを作製した。
Figure 2015086237
<各顔料分散体及び各インクの保存安定性評価>
顔料分散体調製例1〜36及び実施例1〜32、比較例1〜6の各顔料分散体及び各記録インクの粘度の測定には、東機産業(株)製の粘度計RE80Lを使用し、25℃における粘度を測定した。粘度測定時の回転数については、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性の指標として、顔料分散体及びインク作製後の初期の粘度を測定し、下記の基準をもとに評価した。
また、保存性については初期の粘度を測定した後、各顔料分散体及び該インクをポリエチレン容器に入れ、密封し、70℃で1週間保存した後の粘度を測定し、初期の粘度からの変化率によって下記の基準をもとに評価した。
〔顔料分散体評価基準〕
・初期粘度
A:初期粘度の値が3mPa・s未満
B:初期粘度の値が3mPa・s以上10mPa・s未満
C:初期粘度の値が10mPa・s以上
・保存性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%以上50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が50%以上
〔インク評価基準〕
・初期粘度
A:初期粘度の値が10mPa・s未満
B:初期粘度の値が10mPa・s以上20mPa・s未満
C:初期粘度の値が20mPa・s以上
・保存性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%以上50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が50%以上
<各インクセットの印字評価>
実施例1〜32、比較例1〜6の各記録インクについて印字評価を実施した。
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して行った。
結果を表に示す。
<画像濃度&裏抜け>
各インクを用いて、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に印字した後、X−Rite938(X−Rite社製)により前記記号部を測色し画像濃度を評価した。印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−はやい」モードとした。各色の画像濃度は下記の基準で評価した。評価に際しては、1つのチャートにつき1色あたり4カ所の測定箇所をそれぞれ1回ずつ測定し、4カ所の平均値を各色の測定結果とした。なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
また、X−Rite938を用いて、紙の裏面測から前記記号部の画像濃度及び紙の非印刷部を測色し、裏面測から測色した前記記号部の画像濃度から紙の非印刷部の画像濃度を差し引くことで得られたOD値を裏抜け濃度として、前記と同様の基準で評価した。
〔画像濃度(OD値)評価基準〕
A:OD値 ブラック1.30以上
イエロー0.80以上
マゼンタ0.95以上
シアン 1.05以上
B:OD値 ブラック1.20以上1.30未満
イエロー0.75以上0.80未満
マゼンタ0.85以上0.95未満
シアン0.95以上1.05未満
C:OD値 ブラック1.10以上1.20未満
イエロー0.70以上0.75未満
マゼンタ0.75以上0.85未満
シアン 0.85以上0.95未満
D:OD値 ブラック1.10未満
イエロー0.70未満
マゼンタ0.75未満
シアン 0.85未満
〔裏抜け濃度評価基準〕
A:OD値 ブラック0.10未満
イエロー0.08未満
マゼンタ0.09未満
シアン 0.10未満
B:OD値 ブラック0.10以上0.20未満
イエロー0.08以上0.16未満
マゼンタ0.09以上0.18未満
シアン0.10以上0.20未満
C:OD値 ブラック0.20以上0.50未満
イエロー0.16以上0.40未満
マゼンタ0.18以上0.40未満
シアン 0.20以上0.50未満
D:OD値 ブラック0.50以上
イエロー0.40以上
マゼンタ0.40以上
シアン 0.50以上
Figure 2015086237
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インク収容容器装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インク収容容器
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 ケース(外装)
特許5001291公報 特開2011−122072号公報

Claims (13)

  1. 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 2015086237
    (式(1)中のR1は、水素またはメチル基を表す。Mは、水素、アルカリ金属、または有機アンモニウムを表す。)
    Figure 2015086237
    Figure 2015086237
  2. 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が、下記式(4)で表されるモノマーと、下記式(5)及び/又は下記式(6)で表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成されたものであることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 2015086237
    (式(4)中のR2は、水素またはメチル基を表す。)
    Figure 2015086237
    Figure 2015086237
  3. 前記ホスホン酸基を含む共重合体における前記式(1)の構造単位の含有率又は前記式(4)で表されるモノマーの含有率が10質量%〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記ホスホン酸基を含む共重合体の固形分10質量%の水溶液または水分散液の粘度が1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン酸基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを少なくとも混合してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記顔料の水分散液における顔料とホスホン酸基を含む共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記共重合体を構成する式(1)のMが水素またはカリウムまたはナトリウムであることを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であることを特徴とする請求項1、3乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  9. 前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  10. インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインク収容容器。
  11. インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有する記録物の製造方法であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物の製造方法。
  13. インクを用いて記録媒体に情報または画像が記録されている記録物であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物。
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