JP2015086237A - インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、ビスホスホン酸基及びビニルナフタレンの構造単位を有する共重合体をインクジェット記録用インクの組成分として用いることにより、インクジェット記録用インクが紙面上で凝集し、紙表面上に顔料が留まることで、高い画像濃度を得ることができ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散が安定となるインクジェット記録用インク。
【選択図】なし
Description
前記ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が例示されているが、本発明の式(4)で表されるモノマーの例示はなく、式(4)で表されるモノマーと式(5)で表されるモノマー、または式(4)で表されるモノマーと式(6)で表されるモノマーを使用した共重合体の例示はなく、顔料の分散安定性向上に対する効果は記載されていない。
特許文献2には、共重合体用のモノマーとして、本発明における式(5)、式(6)で表されるモノマーが例示されているが、本発明における式(4)で表されるモノマーを使用した共重合体の例示はなく、水溶性の多価金属塩の含有率が低い普通紙における画像濃度向上効果及び顔料分散安定性向上に対する効果は記載されていない。
すなわち、本発明は、高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、さらに、顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
しかし、水溶性の多価金属塩をほとんど含まないPPC普通紙においては、記録媒体から溶出してくる多価金属イオンの量が少なく、顔料の凝集による画像濃度向上の効果は不十分であった。
(1)式(1)で表される構成単位の導入により、共重合体の金属イオンに対する反応性が高くなり、共重合体が含まれるインクが紙に着弾した際に、顔料が凝集しやすくなった。その結果、非常に高い画像濃度が得られた。
(2)式(2)及び/又は式(3)で表される構成単位の導入により、共重合体の顔料への吸着力が向上し、分散剤として用いた時の顔料の分散性安定性が向上した。さらに、共重合体が金属イオンと反応した際に、顔料が凝集し易くなり、その結果、画像濃度が向上した。
本発明のホスホン酸基を含む共重合体(以下ポリマーとも称す)は、下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを含み、更に必要に応じてその他の構造単位を含んでなる。
前記Mの有機アンモニウムとしては、例えば、モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン、などが挙げられる。
特に画像濃度と保存安定性の両方の面からナトリウムまたはカリウムが望ましい。
前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であり、残りはアルカリ金属又は有機アンモニウムであることが好ましい。
尚、前記中和処理して得られたポリマーにおけるホスホン酸基の中和率は、本発明においては、下記の方法により求めた値を中和率と定義し、実際に、共重合体中のプロトンが、金属イオンや有機アミンイオンで置換されている割合とは異なる。
式(4)で表される化合物をモノマー1とすると、
中和率X(%)=(添加した塩基のモル数×塩基の陽イオンの価数)
÷(ポリマーに含有するモノマー1のモル数×4)×100
添加した塩基のモル数=塩基の添加量Yg÷塩基の分子量
ポリマーに含有するモノマー1のモル数
=モノマー1の仕込み量Zg÷モノマー1の分子量
従って、中和率X%を得るために必要な塩基の量は
塩基の添加量Yg=中和率X(%)×(モノマー1の仕込み量Zg×4)
×塩基の分子量÷(塩基の陽イオン価数×100×モノマー1の分子量)
となる。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、などが挙げられる。
前記ホスホン酸基を含む共重合体は、下記式(4)で表されるモノマーと、下記式(5)及び/又は下記式(6)で表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成することができる。
また式(4)で示されるモノマーを予め、アルカリ金属塩基及び有機アミン塩基のいずれかで中和処理し、次に式(5)及び/又は式(6)で表されるモノマーと共重合させても合成可能である。
前記溶液重合法でラジカル重合を行う際の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;イソプロパノール、エタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、などが挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、アルコール系溶剤が好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総質量に対して、1質量%〜10質量%が好ましい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
前記中和処理は、アルカリ金属塩基又は有機アミン塩基にてポリマーのホスホン酸基の一部又は全てを中和することで行うことができる。
なお、前記アルカリ金属塩基又は有機アミン塩基の中和処理は、インクの製造工程において顔料とポリマーとを混合した状態で行うことも可能である。
前記重合温度に関しては、高温にて短時間で重合すると低分子量のポリマーが得られやすく、低温度にて長時間かけて重合すれば高分子量のポリマーが得られやすい傾向にある。
本発明のインクジェット記録用インクは、水、水溶性有機溶剤、顔料、及び本発明の前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、固形分として0.5質量%〜10.0質量%であることが好ましく、1.0質量%〜5.0質量%であることがより好ましい。0.5質量%の添加から画像濃度向上の効果が明確に表れ、10.0質量%以下にすることでインクをヘッドから吐出する際に適した粘度の範囲に抑えることが可能である。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーを顔料の分散剤として使用すれば、更に、普通紙における画像濃度や、水溶性有機溶剤の含有量が多いインクでの保存安定性の一層の向上が認められる。前記顔料分散剤として使用する場合には、前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位以外にも、親水性の重合性モノマー由来の構造単位を含むことができる。前記親水性の重合性モノマーとしては、上述したものを用いることができる。
前記式(1)で表される構造単位と、式(2)及び/又は式(3)で表される構造単位とを含むポリマーの含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料の水分散液における顔料と共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることが好ましく、100/15〜100/50がより好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高い画像濃度が得られ、さらに、水溶性溶剤が20質量%以上を越えるようなインクでの保存安定性に一層の向上が見られる。また、上記効果を損なわない範囲で、後に記載する分散剤を共重合体と併用してもよい。
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水の含有量は、インク総量に対して20〜60質量%が好ましい。
本発明で使用される水溶性溶剤は、インク組成物において、保湿効果の付与による吐出安定化の向上に必要である。含有量は、インク総量に対して10〜50質量%が好ましい。前記含有量が10質量%以上であると、インクが水分蒸発しにくくなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でインクの水分蒸発が抑制され、インク詰まり等が起きにくくなる。前記含有量が50質量%以下であると顔料や樹脂等の固形分を多く含んでいてもインク粘度が低く抑えられ高い画像濃度を得ることができる。
これらの水溶性溶剤は、単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明で用いられる顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%以上、20.0質量%以下が好ましい。顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。
ここで、前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15nm〜40nm、BET法による比表面積が、50m2/g〜300m2/g、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
更に本発明で使用される顔料は、分散剤等の界面活性剤や樹脂で被覆したグラフト処理やカプセル化処理した物を使用することも可能であるが、本発明のホスホン酸基を含む共重合体を分散剤に使用した方がより好ましい。
また効果を損なわない範囲で上述した顔料を併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用インクの組成分に用いられるその他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、分散剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記分散剤としては、本発明のホスホン酸基を含む共重合体が好ましいが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤も挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクタン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等が例示される。
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが8.5未満および11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータHM−30R(TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子およびフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
ここで、前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
本実施形態のインクジェット用インクは、水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
ホスホン酸基を含む共重合体を顔料の分散剤として用いる場合は、少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを水に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
本発明のインク収容容器は、本発明のインクジェット記録用インクを収容するインク収容部を備えるものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク収容部を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
インク収容容器200は、図1に示すように、インク注入口242からインク収容部241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク収容部241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製の収容容器ケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録用インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録する。本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
前記インクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット記録用インクに、刺激を印加し、該インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明の記録物である。すなわち、本発明の記録物は、本発明のインクジェット記録用インクを用いて記録媒体(記録メディア)に情報または画像が記録されている。本発明の記録物は、インクジェット記録用インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程により製造することができる。
前記記録メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙および印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、普通紙および印刷用塗工紙は、画像濃度が低くなり、乾燥性も悪く一般にインクジェット用には使用する上で好ましくなかった。本発明のインクにより、普通紙および印刷用塗工紙においても、画像濃度、乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明の記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
例えば、MyPaper(株式会社リコー製普通紙)のCaイオン量は4.3×10-4[g/g]である。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方の紙片に裁断する。裁断した紙片16gを25℃の高純水200g中に40時間浸漬する。紙片を浸漬した後の高純水(浸漬液)を0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去した後、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の重量である200gを掛け、更に浸漬させた紙の重量である16gで除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。
(1)少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクであって、前記ホスホン酸基を含む共重合体が下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される構造単位とを少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
(4)前記ホスホン酸基を含む共重合体の固形分10質量%の水溶液または水分散液の粘度が1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(5)少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン酸基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを少なくとも混合してなることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(6)前記顔料の水分散液における顔料とホスホン酸基を含む共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることを特徴とする前記(5)に記載のインクジェット記録用インク。
(7)前記共重合体を構成する式(1)のMが水素またはカリウムまたはナトリウムであることを特徴とする前記(1)、(3)乃至(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(8)前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であることを特徴とする前記(1)、(3)乃至(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(9)前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(10)インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインク収容容器。
(11)インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
(12)インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有する記録物の製造方法であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物の製造方法。
(13)インクを用いて記録媒体に情報または画像が記録されている記録物であって、前記インクが、前記(1)乃至(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物。
合成された共重合体の10質量%水溶液または10質量%水分散液の粘度測定は回転粘度計(粘度計RE80L・コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用いて25℃で行った。具体的な操作を以下に示す。共重合体の10質量%水溶液または10質量%水分散液を1.1mL採取し粘度計のサンプルカップに入れた。サンプルカップを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分後の値を読み取った。粘度測定時の回転数については、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。
(合成例1)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.3mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(6)で表される化合物、(2−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(9)で表される化合物(1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2が水素である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体3を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は2.9mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体4を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン、95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体5を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.6mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体6を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.7mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体7を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体8を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.8mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、5時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体9を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.8mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体10を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は31.5mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体11を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)55.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)45.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体12を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体13を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は35.2mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体14を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は29.9mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)15.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)85.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、24時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体15を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は28.9mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)5.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)95.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度75℃に昇温した。次いで、窒素気流下、3時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体16を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は1.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)65.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)35.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度50℃に昇温した。次いで、窒素気流下、48時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体17を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は33.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化ナトリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体18を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.2mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化リチウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体19を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、DMEA(ジメチルエタノールアミン)を加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体20を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、70%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体21を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.1mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)40.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)60.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、50%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体22を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.5mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、前記構造式(8)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、前記一般式(4)において、R2がメチル基である化合物)100.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体23を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は4.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、MAA(メタクリル酸)50.0質量部、前記構造式(5)で表される化合物、(1−ビニルナフタレン)50.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、15時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、カルボン酸基が100%中和された共重合体24を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は15.0mPa・sであった。
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール)500.0質量部と、ホスマーM(2−メタクイロキシエチルアシッドホスホエート、ユニケミカル社)18.0質量部、St(スチレン)30.0質量部、MMA(メタクリル酸メチル)20.0質量部、BMA(メタクリル酸ブチル)18.0質量部、MAA(メタクリル酸)10.0質量部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0質量部を仕込み、温度110℃に昇温した。次いで、窒素気流下、4時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、メタノール中に混合物を注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体25を合成した。得られた共重合体の25℃における10質量%水溶液の粘度は11.5mPa・sであった。
各料分散体の調製を以下により行った。
(顔料分散体調製例1):ブラック顔料分散体1
下記処方(1)の混合物をプレミックスし、混合スラリー(a)を作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック株式会社製、DMR型)で0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度が16質量%となる顔料分散体(顔料の水分散液)を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m2/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160質量部
・共重合体1(合成例1) ・・・ 40質量部
・蒸留水 ・・・800質量部
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を共重合体2(合成例2)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から10質量部に、蒸留水を800質量部から830質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から20質量部に、蒸留水を800質量部から820質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から160質量部に、蒸留水を800質量部から680質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を40質量部から200質量部に、蒸留水を800質量部から640質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)をPOE(m=40)β−ナフチルエーテル(竹本油脂株式会社)10%水溶液に、その質量部を40質量部から400質量部に、蒸留水を800質量部から440質量部に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる青色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる赤紫色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黄色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1の共重合体1(合成例1)を共重合体3(合成例3)〜共重合体25(合成例25)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黒色の顔料分散体11〜33を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる青色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる赤紫色の顔料分散体を得た。
顔料分散体調製例1のカーボンブラックをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に、共重合体1(合成例1)を共重合体24(合成例24)に変更した以外は、顔料分散体調製例1と同様にして、顔料濃度が16質量%となる黄色の顔料分散体を得た。
<インクジェット記録用インクの作製>
下記表に実施例1〜32、比較例1〜6のインク組成物の構成をそれぞれ示す。なお、表中の数値は質量%を示す。
(実施例1)
下記処方の材料を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターにて加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、記録用インクを作製した。
・顔料分散体調製例1の顔料分散液1(顔料濃度16%) 50.0質量部
・グリセリン 10.0質量部
・1,3−ブタンジオール 20.0質量部
・純水 20.0質量部
実施例2〜32、比較例1〜6のインクについても、上記と同様にして、下記処方表に従って、インクを作製した。
顔料分散体調製例1〜36及び実施例1〜32、比較例1〜6の各顔料分散体及び各記録インクの粘度の測定には、東機産業(株)製の粘度計RE80Lを使用し、25℃における粘度を測定した。粘度測定時の回転数については、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。顔料分散体及びインクとしての顔料の分散安定性の指標として、顔料分散体及びインク作製後の初期の粘度を測定し、下記の基準をもとに評価した。
また、保存性については初期の粘度を測定した後、各顔料分散体及び該インクをポリエチレン容器に入れ、密封し、70℃で1週間保存した後の粘度を測定し、初期の粘度からの変化率によって下記の基準をもとに評価した。
・初期粘度
A:初期粘度の値が3mPa・s未満
B:初期粘度の値が3mPa・s以上10mPa・s未満
C:初期粘度の値が10mPa・s以上
・保存性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%以上50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が50%以上
・初期粘度
A:初期粘度の値が10mPa・s未満
B:初期粘度の値が10mPa・s以上20mPa・s未満
C:初期粘度の値が20mPa・s以上
・保存性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が5%以上50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が50%以上
実施例1〜32、比較例1〜6の各記録インクについて印字評価を実施した。
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して行った。
結果を表に示す。
各インクを用いて、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に印字した後、X−Rite938(X−Rite社製)により前記記号部を測色し画像濃度を評価した。印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−はやい」モードとした。各色の画像濃度は下記の基準で評価した。評価に際しては、1つのチャートにつき1色あたり4カ所の測定箇所をそれぞれ1回ずつ測定し、4カ所の平均値を各色の測定結果とした。なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
また、X−Rite938を用いて、紙の裏面測から前記記号部の画像濃度及び紙の非印刷部を測色し、裏面測から測色した前記記号部の画像濃度から紙の非印刷部の画像濃度を差し引くことで得られたOD値を裏抜け濃度として、前記と同様の基準で評価した。
A:OD値 ブラック1.30以上
イエロー0.80以上
マゼンタ0.95以上
シアン 1.05以上
B:OD値 ブラック1.20以上1.30未満
イエロー0.75以上0.80未満
マゼンタ0.85以上0.95未満
シアン0.95以上1.05未満
C:OD値 ブラック1.10以上1.20未満
イエロー0.70以上0.75未満
マゼンタ0.75以上0.85未満
シアン 0.85以上0.95未満
D:OD値 ブラック1.10未満
イエロー0.70未満
マゼンタ0.75未満
シアン 0.85未満
A:OD値 ブラック0.10未満
イエロー0.08未満
マゼンタ0.09未満
シアン 0.10未満
B:OD値 ブラック0.10以上0.20未満
イエロー0.08以上0.16未満
マゼンタ0.09以上0.18未満
シアン0.10以上0.20未満
C:OD値 ブラック0.20以上0.50未満
イエロー0.16以上0.40未満
マゼンタ0.18以上0.40未満
シアン 0.20以上0.50未満
D:OD値 ブラック0.50以上
イエロー0.40以上
マゼンタ0.40以上
シアン 0.50以上
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インク収容容器装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インク収容容器
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 ケース(外装)
Claims (13)
- 前記ホスホン酸基を含む共重合体における前記式(1)の構造単位の含有率又は前記式(4)で表されるモノマーの含有率が10質量%〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ホスホン酸基を含む共重合体の固形分10質量%の水溶液または水分散液の粘度が1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 少なくとも顔料、水、及び前記ホスホン酸基を含む共重合体から構成される顔料の水分散液と、水溶性溶剤とを少なくとも混合してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 前記顔料の水分散液における顔料とホスホン酸基を含む共重合体の質量比率が、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記共重合体を構成する式(1)のMが水素またはカリウムまたはナトリウムであることを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 前記共重合体を構成する式(1)のMの総数に対する水素の割合が0%〜40%であることを特徴とする請求項1、3乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- インクを収容するインク収容部を備えたインク収容容器であって、前記インク収容部に収容されたインクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインク収容容器。
- インクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報または画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程を有する記録物の製造方法であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物の製造方法。
- インクを用いて記録媒体に情報または画像が記録されている記録物であって、前記インクが、請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とする記録物。
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