JP5381018B2 - 凹凸構造パターンの転写装置 - Google Patents
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Description
しかし、OVD自体を偽造する技術が高度化し、比較的容易に偽造や模造が可能となり、偽造防止効果としての機能が弱体化してきている。そのためよりセキュリティ性の高い表示体が求められ、従来の技術とは、明確に差別化でき偽造・模造が困難である表示体及びこれを用いた情報印刷物が開発されている。
言い換えると、従来のスタンパー作製工程ではデザイン(模様など)の追加ごとに、EB描画装置を用いて凹凸構造パターンを描画し、スタンパー作製しなければならない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における装置の一例を示す説明図である。
プレス装置1は、転写基材3が載置される下プレス部4と、下プレス部4に対向し柱2を介して昇降可能に設けられた上プレス部5とを有しており、スタンパー6は上プレス部5の下面に着脱可能に取着される。
本実施の形態では、本発明の転写装置がこのプレス装置1とスタンパー6とを含んで構成されている。
このスタンパー6は、転写面には回折機能を持つ第1凹凸構造パターン7aがある。第1凹凸構造パターン7aとしては、鋸歯状、正弦波状、矩形状など従来公知のさまざまな形状が採用可能である。
一方、転写面の裏側(非転写側)にも、第2凹凸構造パターン7bが設けられている。
より詳細には、スタンパー6は、上プレス部5に装着される装着面6Aと、装着面6Aと反対に位置し転写基材3に転写する第1凹凸構造パターン7aが形成された転写面6Bとを有している。
そして、装着面6Aが装着される上プレス部5の部分、または、装着面6a、または、上プレス部5と装着面6Aとの間に設けられる中間部材に、第1凹凸構造パターン7aの転写時に第1凹凸構造パターン7aと共に転写基材3に転写される第1凹凸構造パターン7aとは異なる第2凹凸構造パターン7bが設けられている。
このような形状で転写を行うことによって転写される構造は、各パターンの角を緩やかに変化させた形状である。
一例として、第2凹凸構造パターン7bを構成する凸部が図5のように断面が矩形の角柱であるスタンパー6を用いて転写を行った場合の転写基材3の転写表面形状の平面図および断面図を図6(A),(B)に示す。各第2凹凸構造パターンにより転写された転写基材3に平行光を入射させるとそれぞれの成形された第2凹凸構造パターン7bの違いにより反射方向が異なるため、視覚効果に相違を生じさせることが可能である。
すなわち、電子線描画などで第1凹凸構造パターン7aを有する原版を作り、該原版を用いて電鋳によりスタンパー6を作製し、そのスタンパー6の裏側(装着面6A)にエッチングにより、あるいは、金型切削機などを用いて第2凹凸構造パターン7bを成形する。
必ずしもスタンパーの表裏に凹凸構造が無くてもよいため、転写装置のスタンパー装着部に凹凸構造パターンがあるものや、スタンパーを二枚作製し重ねること、またはスタンパーにメッシュのような金属を重ねることでも同じような効果が得られる。
その他、スタンパー装着部とスタンパーの間に球面形状の金属を設けることで球面上の転写物の作製が可能である。
言い換えると、スタンパー6の装着面6Aが装着されるプレス部の部分に第2凹凸構造パターン7bが設けられていてもよい。あるいは、プレス部と前記装着面6Aとの間に設けられる中間部材に、第2凹凸構造パターン7bが設けられていてもよい。
また、中間部材が金属板であり、第2凹凸構造パターン7bが金属板に設けられていてもよい。
角柱の一辺が100μm以上でないと、第2凹凸構造パターン7bによる転写基材3表面の形状変化を視認することが難しい。
転写基材3に転写する第2凹凸構造パターン7bの大きさ以下であれば角柱の一辺の上限値は限定されるものではない。
また、角柱の高さが100μm以上でないと第2凹凸構造パターン7bによる転写基材3表面の形状変化を視認することが困難である。また、角柱の高さが1000μm以上であると第1凹凸構造パターン7aを転写することが困難になることにより、上記のような第2凹凸構造パターン7bのサイズを設定している。
図8は本発明の実施の形態の転写装置によって得られた転写物の一例を示す説明図である。
このスタンパー6は、第1凹凸構造パターン8dと第2凹凸構造パターン8a,b,c及び非凹凸構造パターン8eから成っている。
第1凹凸構造パターン8dは幅2000nm、高さ200nmで作製されており、第2凹凸構造パターン8aは底辺が100μm角で高さ100μmの角柱が配列してある。また第2凹凸構造パターン8cでは、底辺の直径200μmで高さが200μmの円錐が配列してあり、第2凹凸構造パターン8bでは外径20mm、内径10mmで高さが200μmの円筒形状が成形されている。
Claims (9)
- プレス部と、可撓性スタンパーとを有し、
前記可撓性スタンパーは、前記プレス部に装着される装着面と、前記装着面と反対に位置し転写基材に転写する第1凹凸構造パターンが形成された転写面とを有する転写装置であって、
前記装着面が装着される前記プレス部の部分、または、前記装着面、または、前記プレス部と前記装着面との間に設けられる中間部材に、前記第1凹凸構造パターンの転写時に前記第1凹凸構造パターンと共に前記転写基材に転写される前記第1凹凸構造パターンとは異なる第2凹凸構造パターンが設けられ、
前記スタンパーの厚みが40μm乃至250μmである、
ことを特徴とする転写装置。 - 前記第2凹凸構造パターンは、前記装着面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の転写装置。 - 前記中間部材は金属板であり、前記第2凹凸構造パターンは前記金属板に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の転写装置。 - 前記第2凹凸構造パターンが、前記装着面が装着される前記プレス部の部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の転写装置。 - 前記第2凹凸構造パターンは、円錐状、角錐状、楕円錐状、円柱状もしくは円筒状、角柱状、角筒状、半球、半楕円体、おわん型をしている、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の転写装置。 - 前記第2凹凸構造パターンを構成する凸部は断面が矩形の角柱であり、前記角柱の一辺は100μm以上であり、前記角柱の高さは100μm乃至1000μmである、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の転写装置。 - 前記第1凹凸構造パターンは、鋸歯状、正弦波状、矩形状である、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の転写装置。 - 前記第1凹凸構造パターンのピッチが、650nm 乃至2000nmである、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の転写装置。 - 請求項1〜8に何れか1項に記載の転写装置を用いて形成したことを特徴とする転写物。
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