JP5380975B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
すなわち請求項1に係る発明は、
第3の粒子を含む表面保護層を有する潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記潜像保持体の表面上に残留したトナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
前記トナーは、トナー粒子、前記第3の粒子よりも硬度の高い第1の粒子、及び前記第3の粒子よりも硬度の低い第2の粒子を含み、前記第1の粒子が、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭化ホウ素、シリカ、又は酸化鉄の粒子から選択され、前記第2の粒子が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、又は酸化マグネシウムの粒子から選択され、前記第3の粒子が、シリカ、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルの粒子から選択され、前記第1の粒子の硬度と前記第2の粒子の硬度との差の絶対値が1.5以上7.5以下であり、前記トナー粒子に対する前記第1の粒子の被覆率Aa(%)と、前記トナー粒子に対する前記第2の粒子の被覆率Bb(%)と、が下記式(1)の関係及び下記式(2)の関係を満たす画像形成装置である。
15≦Bb−Aa≦50 ・・・ 式(1)
40<Bb+Aa<100 ・・・ 式(2)
前記第1の粒子の硬度が5.0以上10.0以下であり、第2の粒子の硬度が1.0以上5.0未満である、請求項1に記載の画像形成装置である
前記表面保護層は、三次元架橋構造を有する樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
画像形成装置に脱着され、
第3の粒子を含む表面保護層を有する潜像保持体と、トナーを含む現像剤により前記潜像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像保持体の表面上に残留した前記トナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
前記トナーは、トナー粒子、前記第3の粒子よりも硬度の高い第1の粒子、及び前記第3の粒子よりも硬度の低い第2の粒子を含み、前記第1の粒子が、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭化ホウ素、シリカ、又は酸化鉄の粒子から選択され、前記第2の粒子が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、又は酸化マグネシウムの粒子から選択され、前記第3の粒子が、シリカ、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルの粒子から選択され、前記第1の粒子の硬度と前記第2の粒子の硬度との差の絶対値が1.5以上7.5以下であり、前記トナー粒子に対する前記第1の粒子の被覆率Aa(%)と、前記トナー粒子に対する前記第2の粒子の被覆率Bb(%)と、が下記式(1)の関係及び下記式(2)の関係を満たすプロセスカートリッジである。
15≦Bb−Aa≦50 ・・・ 式(1)
40<Bb+Aa<100 ・・・ 式(2)
前記第1の粒子の硬度が5.0以上10.0以下であり、前記第2の粒子の硬度が1.0以上5.0未満である、請求項4に記載のプロセスカートリッジである。
前記表面保護層は、三次元架橋構造を有する樹脂を含む、請求項4又は請求項5に記載のプロセスカートリッジである。
請求項1に係る発明によれば、第1の粒子の硬度と第2の粒子の硬度との差の絶対値を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制される。
請求項1に係る発明によれば、被覆率Aa(%)及び被覆率Bb(%)を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制されるとともに、画像形成装置内の汚染が抑制される。
請求項2に係る発明によれば、第1の粒子及び第2の粒子の硬度を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、表面保護層が三次元架橋構造を有しない場合に比較して、より潜像保持体表面の磨耗が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、表面保護層が第3の粒子を含まない場合又は第1の粒子及び第2の粒子の硬度を考慮しない場合に比較して、潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制されるとともに、画像形成装置内の汚染が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、第1の粒子の硬度と第2の粒子の硬度との差の絶対値を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制される。
請求項4に係る発明によれば、被覆率Aa(%)及び被覆率Bb(%)を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制されるとともに、画像形成装置内の汚染が抑制される。
請求項5に係る発明によれば、第1の粒子及び第2の粒子の硬度を考慮しない場合に比較して、より潜像保持体表面におけるトナー等の固着及び磨耗が抑制される。
請求項6に係る発明によれば、表面保護層が三次元架橋構造を有しない場合に比較して、より潜像保持体表面の磨耗が抑制される。
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記潜像保持体の表面上に残留したトナーを除去するためのトナー除去手段と、を備えることを特徴とする。
但し、本実施形態の画像形成装置においては、第1の粒子が、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭化ホウ素、シリカ、又は酸化鉄の粒子から選択されるものであり、第2の粒子が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、又は酸化マグネシウムの粒子から選択されるものであり、第3の粒子が、シリカ、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルの粒子から選択されるものであり、第1の粒子の硬度と第2の粒子の硬度との差の絶対値が1.5以上7.5以下であり、且つ、トナー粒子に対する第1の粒子の被覆率Aa(%)と、トナー粒子に対する第2の粒子の被覆率Bb(%)と、が下記式(1)の関係及び下記式(2)の関係を満たす粒子を適用する。
15≦Bb−Aa≦50 ・・・ 式(1)
40<Bb+Aa<100 ・・・ 式(2)
具体的には、常温常湿環境下(20±1.0℃、50±2.0%RH)で、トナー粒子100質量部に対し測定する粒子0.5±0.02質量部を混合した現像剤を用い、駆動部に接続した電子写真感光体に、硬度70±2°、反発弾性40±2%、厚さ2±0.1mm、自由長10±0.5mmのクリーニングブレードをカウンター方向に接触角23±2°、食い込み量1.0±0.05mmの条件で接触し、電子写真感光体を線速220±10(mm/sec)で回転させながら電子写真感光体上に上記現像剤によりトナー付着量0.35±0.05(mg/cm2)で現像されたトナーをクリーニングする条件で、電子写真感光体を100000回以上回転させるストレス走行試験を実施し、走行後の感光体表面の粗さRzにより評価する。電子写真用感光体は、特許公開2005−234140に開示されている感光体例1のように作製したものを用いる。
また|ΔH|値は、上記の通り、1.5以上8.5以下が望ましく、2以上8以下がより望ましく、2.5以上7.5以下がさらに望ましい。
式(1):10≦Bb−Aa≦50
式(2):40<Bb+Aa<100
そして上記条件で得られたC1Sスペクトルから、トナー表面におけるそれぞれの外添剤(第1の粒子又は第2の粒子)に起因する成分をピーク分離することによってAa及びBbを定量した。ピーク分離は、測定されたC1Sスペクトルを、最小二乗法によるカーブフィッティングを用いて各成分に分離する。分離のベースとなる成分スペクトルには、トナーの作製に用いた結着樹脂及び外添剤を、それぞれ単独に測定して得られたC1Sスペクトルを用いた。
表面保護層に含まれる樹脂の三次元架橋構造は、以下のようにして観測される。表面層特有の元素に関して、Ar雰囲気下、加速電圧400±10V、真空度(3±1)×10−2Paの条件で180秒間イオンエッチングし、その表面をX線光電子分析し、エッチング前後の該特定元素の存在量(Atom%)の差より判断される。その差が小さいほど表面保護層の架橋構造が強固であると判断される。なお、本実施形態において潜像保持体の表面保護層が「三次元架橋構造を含む」とは、上記イオンエッチング前の存在量とイオンエッチング後の存在量との差が10%以内であることをいう。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×106Ω・cm未満)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像化(現像)される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2から第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
以下、本実施形態における画像形成装置を構成するトナーについて詳細に説明する。
トナーは、上記の通り、トナー粒子、並びに外添剤として第1の粒子及び第2の粒子を含み、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。またトナー粒子は、少なくとも結着樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、離型剤等のその他の成分を含んでもよい。以下、トナーに含まれる各成分について説明する。
本実施形態においては、結着樹脂として結晶性樹脂を用いることが外添剤のトナー表面の状態を経時で維持される点で好ましく、必要に応じて非結晶性樹脂を併用することが特に好ましい。
なお、本実施形態において「結晶性樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピーク(吸熱ピークの半値幅が10℃以下であるピーク)を有するものを意味し、「非結晶性樹脂」とは、上記の明確なピークを有さないものを意味する。また、結晶性樹脂、非結晶性樹脂を問わず、結着樹脂の重量平均分子量は10000以上であることが特に好ましく、15000以上50000以下の範囲であることが好ましい。
結晶性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂等が挙げられ、非結晶性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂等が挙げられる。以下、本実施形態で用いられる結着樹脂について、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とに分けて説明する。
トナー粒子に含有される結晶性樹脂の含有量としては、2質量%以上30質量%以下の範囲内が好ましく、3質量%以上15質量%以下の範囲内がより好ましい。結晶性樹脂の含有量が2量%未満では、低温域での定着性(以下、「低温定着性」と称する場合がある)が困難となる場合がある。また、結晶性樹脂の含有量が30質量%を超えるとトナー表面の外添剤の付着状態が変化しやすくなり、本発明の効果が得られなくなる場合がある。
結晶性樹脂の融点が45℃を下回ると、トナーの保存が困難になる場合があり、110℃を超えると低温域での定着(以下、「低温定着性」と称する場合がある)が困難となる場合がある。なお結晶性樹脂の融点は、ASTMD3418−8に準拠した方法で求めたものを意味する。
以下、カルボン酸成分、およびアルコール成分について、さらに詳しく説明する。尚、本明細書において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も意味する。
また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなる場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。なお、ここで「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(カルボン酸成分、アルコール成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性および、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
前記二重結合を持つジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。
より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物の具体例としては、例えば、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ビ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類が挙げられ、短鎖アルキルのビニル系重合性単量体の場合、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の短鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーは、結着樹脂として結晶性樹脂と共に非結晶性樹脂を含んでもよい。
使用される非結晶性樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、トナーを後述する乳化重合凝集法を利用して製造する場合は、重量平均分子量(Mw)の高い非結晶性樹脂(高分子量成分)および重量平均分子量の低い非結晶性樹脂(低分子量成分)とを用いることが好ましい。
高分子量成分のMwを上記範囲に制御することで、乳化重合凝集法により原料成分を凝集させた凝集粒子を加熱して融合する際にトナー粒子中への高分子量成分の包含性が良好になり、結晶性樹脂のトナー粒子表面への露出が防止される。
3価以上の多価カルボン酸の例としては、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸およびこれらの酸無水物、酸塩化物および炭素数1以上3以下の低級アルキルエステルを挙げられる。
次に、結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂や、必要に応じて用いられる結晶性樹脂の架橋処理や、結着樹脂の合成に際して用いられる共重合成分等について説明する。
結着樹脂の合成に際しては、他の成分を共重合させてもよく、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。親水性極性基を有する化合物の具体例としては、結着樹脂がポリエステル樹脂である場合、例えば、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられる。
特に結晶性ポリエステル樹脂においては、例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、trans−アコニット酸等の不飽和の多カルボン酸類を、ポリエステル中に共重合させ、その後樹脂中の多重結合部分同士、または他のビニル系化合物を用いて架橋させる方法を用いてもよい。なお、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
縮重合用の触媒としては、公知のものが使用され、具体例としては、チタンテトラブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ等が挙げられる。
ここで用いる界面活性剤は、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、及び、種々のグラフトポリマー等を挙げられるが、特に制限されるものではない。
一方、樹脂粒子の平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂粒子の平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD2000A)等を用い測定する。
トナー粒子は、離型剤を含有することが好ましく、該離型剤としては、公知のトナー用の離型剤が利用され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などが挙げられる。
これらの離型剤粒子は、トナーの作製に際して、その他の樹脂粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段に添加してもよい。
離型剤の平均分散径が0.3μm未満の場合には離型性が不十分となる場合があり、特にプロセススピ−ドが速い場合にはこの傾向がより顕著になりやすい。また、0.8μmを超える場合には、OHPシート使用時の透明性の低下や、トナー表面への離型剤成分の露出が顕著になる場合がある。
トナー粒子は、必要に応じて着色剤を含有してもよい。
本実施形態に用いられる着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などを1種又は2種以上を併せて使用してもよい。
これらの着色剤粒子は、トナーの作製に際して、その他の樹脂粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段に添加してもよい。
着色剤粒子の体積平均粒径が0.8μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招く場合がある。また、着色剤粒子の平均粒径が0.05μmより小さいと、トナー中での着色性が低下するだけでなく、乳化凝集法の特徴の一つである形状制御性が損なわれ、真球に近い形状のトナーが得られなくなる場合がある。
これに対して、着色剤粒子の体積平均粒径、体積平均粒径0.8μm以上の粗大粒子含有量、及び体積平均粒径0.05μm以下の微小粒子含有量が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。
なお、着色剤粒子の体積平均粒径も、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD2000A)等を用い測定する。なお着色剤の添加量は、トナー粒子全体に対し、1質量%以上20質量%以下の範囲に設定するのが好ましい。
なお着色剤の表面処理に用いるポリマーとしては、例えばアクリロニトリル重合体、メチルメタクリレート重合体等が挙げられる。
トナーを磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させるが、ここで使用する磁性粉としては、例えばフェライトやマグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などが挙げられる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を添加してもよい。
トナーは、トナー粒子の表面に外添される外添剤として、第1の粒子及び第2の粒子を含み、必要に応じてその他の粒子を含んでもよい。またトナーは、第1の粒子及び第2の粒子として、それぞれ2種以上の外添剤を含んでもよい。
潜像保持体の表面保護層に対する、第1の粒子及び第2の粒子の相対硬度(Hh値及びHs値)は上述した通りである。
トナーが第1の粒子又は第2の粒子として2種以上の外添剤を含む場合、|ΔH|値は、Hh値の最も高い第1の粒子の相対硬度とHsの最も低い第2の粒子の相対硬度との差の絶対値であり、Aaは第1の粒子すべての被覆率であり、Bbは第2の粒子すべての被覆率である。
トナーは、モース硬度が異なる二種類以上の外添剤を含有することにより、モース硬度が低い外添剤(第2の粒子)が潜像保持体の表面を保護し、モース硬度が高い外添剤(第1の粒子)が電子写真用感光体表面に付着した放電生成物などを強く研磨することにより、画像欠陥の原因になる表面傷・偏磨耗を抑制しながらクリーニングされる。尚、前記モース硬度は、新モース硬度で1から15までで表わされる値である。
第1の粒子及び第2の粒子の含有比率(第1の粒子:第2の粒子、質量比)は、1:9から5:5が好ましく、2.0:8.0から4.0:6.0がより好ましい。
硬度の高い粒子が多すぎる場合、保護層の編磨耗が起こる場合があり、硬度の低い粒子が多すぎる場合は、硬度の低い粒子が保護層へ付着し、放電生成物付着の核となる場合があり画像欠陥を引き起こす場合がある。硬度の高い粒子の含有量が少なすぎる場合は、研磨・クリーニング効果が低く、硬度の低い粒子の含有量が少なすぎる場合は、初期から感光体磨耗が大きく長期に亘る使用が困難になる場合がある。
トナーの体積平均粒径D50vは3μm以上7μm以下の範囲が好ましい。3μmを下回ると帯電性が不十分となり周囲への飛散が起こって画像かぶりを引き起こす場合があり、7μmを超えると画像の解像度が低下し、高画質を達成することが困難となる場合がある。体積平均粒径D50vは5μm以上6.5μm以下の範囲がより好ましい。
なお、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25以下であることがより好ましく、個数平均粒度分布指標GSDpは1.25以下であることがより好ましい。
測定に際しては、分散剤として界面活性剤、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下の範囲で加える。これを電解液100ml乃至150mlの中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記マルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2μm以上50μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
ここで、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として規定される。
測定試料を分散した懸濁液は越音波分散器で1分乃至3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000乃至1万個/μlとして前記装置によりトナーの平均円形度を測定する。
また、静電荷像現像用トナーの夏場(温度28℃、湿度85%RH)における帯電量と、冬場(温度10℃、湿度30%RH)における帯電量との比率(すなわち、夏場の帯電量/冬場の帯電量)は、0.5以上1.5以下が好ましく、0.7以上1.3以下がより好ましい。この比率が、前記の範囲を外れると、トナーの環境依存性が強くなり、帯電性の安定性に欠け、実用上好ましくない場合がある。
次に、トナーの製造方法について説明する。
トナーは、樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を調整する樹脂粒子分散液調整工程と、樹脂粒子分散液及び着色剤分散液を混合して、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、該凝集粒子を前記樹脂粒子のガラス転移点(又は結晶性樹脂の融点)以上の温度に加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を有する乳化重合凝集法により、好ましく製造される。
また、トナーは、その他の湿式製法で製造してもよく、上記乳化重合凝集法の他に、離型剤、着色剤など必要に応じて用いられる成分を、結晶性樹脂等の結着樹脂を形成する重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合する懸濁重合法、イオン性解離基を有する化合物、結晶性樹脂等の結着樹脂、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法等を用いてもよい。
トナーを乳化重合凝集法により作製する場合、既述したように、凝集粒子形成工程と、融合・合一工程とを少なくとも経て作製されるものであるが、凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子(コア粒子)の表面に樹脂粒子を付着させたコア/シェル構造を有する凝集粒子を形成する付着工程を設けてもよい。
凝集粒子形成工程においては、結晶性樹脂等を分散させた樹脂粒子分散液の他に、着色剤を分散させた着色剤分散液、離型剤を分散させた離型剤分散液などのその他の分散液を必要に応じて混合した原料分散液中にて、凝集粒子を形成する。
具体的には、各種の分散液を混合して得た原料分散液を加熱し、原料分散液中の粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、加熱は、結晶性樹脂の融点を下回る温度域(融点に対して20℃乃至10℃低い温度)で実施する。
前記凝集粒子形成工程に用いられる凝集剤は、原料分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、すなわち無機金属塩の他、2価以上の価数を取りうる金属元素を含む金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上するため特に好ましい。
無機粒子分散液は任意の方法、例えばボールミル、サンドミル、超音波分散機回転せん断型ホモジナイザーなどを用いて作製してもよく、無機粒子の分散平均粒径は100nm以上500nm以下の範囲とすることが好ましい。
なお、低温定着性と、光沢ムラ抑制効果とを高いレベルで両立することがより容易となる観点から、以上に列挙した凝集剤の中でも、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化カルシウムを用いることが好適である。
凝集粒子形成工程を経た後には、必要であれば付着工程を実施してもよい。付着工程では、上記した凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子の表面に、樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する。これにより、コア層とこのコア層を被覆するシェル層(被覆層)とを含む、コア/シェル構造を有するトナーが得られる。
凝集粒子形成工程、又は、凝集粒子形成工程および付着工程を経た後に実施される融合・合一工程は、これらの工程を経て形成された凝集粒子を含む懸濁液のpHを所望の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
なお、pHの調整に於いて、局所的なpHの変化が起こると、局所的な凝集粒子自体の破壊や局所的な過剰凝集を引き起こし、また、形状分布の悪化をも招く場合がある。特にスケールが大きくなる程、酸及び/またはアルカリ量は多くなる。例えば、酸及びアルカリの投入箇所が1箇所である場合、同一時間で処理するならば投入箇所の酸及びアルカリの濃度はスケールが大きくなる程高くなる。よって、局所的なpHの変化が起こらないように、例えば、時間をかけたり投入箇所を複数にしたりするなどして、pHの調整を行うことが望ましい。
重合開始剤は、原料分散液を作製する段階であらかじめこの分散液に混合しておいてもよいし、凝集粒子形成工程で凝集粒子に取り込ませてもよい。さらには、融合・合一工程、或いは、融合・合一工程の後に導入してもよい。凝集粒子形成工程、付着工程、融合・合一工程、又は融合・合一工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、分散液に加えてもよい。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
凝集粒子の融合・合一工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子(トナー粒子)を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。また、乾燥後のトナー粒子(トナー粒子)には、既述した種々の外添剤を必要に応じて添加してもよい。
以下、本実施形態における画像形成装置を構成する現像剤について詳細に説明する。
現像剤はトナーを含むものであり、目的に応じて他の成分を配合してもよい。
具体的には、トナーを単独で用いる一成分系の現像剤、及びキャリアと組み合わせて用いる二成分系の現像剤が挙げられる。二成分の現像剤の場合、現像剤中のトナー濃度は、1質量%以上10質量%以下の範囲とすることが好ましい。
ここでキャリアには特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された芯材が樹脂層で被覆されたキャリア(樹脂被覆キャリア)等の公知のキャリアが使用される。
被覆層を形成する被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー等の単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、又は2種以上併用してもよい。
次に、本実施形態における画像形成装置を構成する潜像保持体(像保持体)について説明する。
像保持体は、少なくとも表面保護層を有するものである。潜像保持体として、具体的には、例えば、導電性支持体上に、感光層及び表面保護層を設けた公知の感光体(電子写真用感光体)が挙げられる。感光体としては、アモルファスシリコン感光体や有機感光体が挙げられるが、そのなかでも有機感光体が望ましい。
また表面保護層としては、例えば、架橋構造を有する樹脂を含むものであることが好ましい。架橋構造を有する樹脂としては例えばフェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン系樹脂が挙げられるが、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が最も好ましい。
この場合、クリーニングブレードと像保持体との接触部において、像保持体表面に残留するトナーが破壊され易くなるためトナー構成材料の像保持体表面への付着や、これに伴う帯電変動が生じやすくなる。しかしながら、本実施形態では、トナーに含まれる第1の粒子及び第2の粒子における、潜像保持体の表面保護層に対する相対硬度が上記関係であることにより、フィルミングの発生が抑制されつつ潜像保持体の表面も保護され、長期に亘って良好な画像が形成される。
処理温度は、42℃以上48℃以下が好ましいが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜が形成される。
有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、有機または無機の半導電性粒子を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用される。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独で又は2種以上混合して用いられる。
下引き層の形成に用いられる材料としては、例えば有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物が挙げられ、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理してもよい。
有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合及び分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものを使用してもよい。
また、下引き層を設けるときに用いる塗布方法としては、例えばブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いられる。
電荷発生層の形成に用いられる電荷発生材料は、例えばビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用されるが、その中でも、特開平5−263007号公報及び、特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報及び、特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報及び、特開平5−43813号公報開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものが使用される。それらの電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、又は高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、例えばp−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
塗布方法としては、例えばブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法が用いられる。さらに電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独又は2種以上混合して用いられる。
保護層の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるため、高強度の保護層を設けることが望ましい。この高強度の保護層としては、バインダー樹脂中に導電性粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性粒子を分散させたもの、シリコーンや、アクリルなどのハードコート剤が使用されるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、架橋構造を有するものが好ましく、さらに電荷輸送性材料を含むものがより好ましい。架橋構造を形成するものとしては種々の材料が用いられるが、特性上フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂からなるものが好ましい。
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、置換又は未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1以上3以下の整数、bは1以上4以下の整数を表わす。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1以上5以下の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは、−O−、−S−、−NH−、又は、−COO−、mは1以上4以下の整数を示す。Xは、−O−、又は、−S−を表し、pは0または1を示す。
一般式(I)で示される化合物のさらに好ましいものとして、特に下記一般式(III)で示されるものを用いたものが挙げられる。
R7乃至R13は、水素、炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、もしくは炭素数1以上4以下のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、ハロゲンから選択される。
mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2)(3−a)Qaで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0以上3以下の整数を示す。
Si(R2)(4−c)Qc ・・・ (IV)
一般式(IV)中、R2は水素、アルキル基、置換又は未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1以上4以下の整数を表わす。
具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パ−フルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等が挙げられる。膜の強度を向上させるためには3および4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、製膜性を向上させるためには2および1官能のアルコキシシランが好ましい。
B−(Si(R2)(3−a)Qa)2 ・・・ (V)
一般式(V)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換又は未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1以上3以下の整数を表わす。
具体的には、一般式(V)で示される化合物として、以下のV−1からV−16に示す材料を好ましいものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタ−ル樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物として、市販の環状シロキサンが挙げられる。具体的には、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げられる。これらの環状シロキサン化合物は単独で用いてもよいが、それらを混合して用いてもよい。
像保持体における最表面層中のシリコーン粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下の範囲がより好ましい。
また、像保持体表面の潤滑、揮発性向上の目的でシリコーンオイル等のオイルを添加してもよい。シリコーンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等が挙げられる。
例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ロ−ム・アンド・ハ−ス社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2SO3H)2 ,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3)2などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
また、フェノール誘導体は、例えばメチロール基を含むものも利用され、例えば、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーとの混合物が挙げられる。
なお、本明細書においては、分子の構造単位の繰り返しが2以上20以下程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
アミン系触媒としては、例えばアンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に、吸湿性を有するトナーを用いた場合、表面層として吸水性・ガスバリア性で劣る前記シロキサン系樹脂の表面層を有する感光体と組み合わせて用いるよりも長期に渡り高画質を安定して得られるという点でより好ましく用いられる。
単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。また、一般式(I)で示される化合物を加えてもよい。塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記と同様のものが用いられる。膜厚は5μm以上50μm以下程度が好ましい。
長寿命な感光体で表面への付着が課題となる酸化劣化物などは、例えばNOXやオゾンガスが感光層内部に浸透し、感光層の一部が化学的に劣化することなどによって生じると考えられる。従って、最表面層のガス透過が起こりにくいほど、すなわち、酸素透過率が低いほど酸化劣化物などは生じにくく、高画質、長寿命に有利である。
次に、本実施形態の画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。
本実施形態のトナーを用いた画像の形成方法としては、公知の電子写真法が利用されるが、具体的には像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着工程とを含むものであることが好ましい。
なお、これらの工程以外にも電子写真法による画像形成方法に利用される公知の工程を組み合わせてもよく、例えば、転写工程を終えた後の像保持体表面に残留するトナーを回収しながらクリーニングするクリーニング工程や、クリーニング工程で回収されたトナーを現像剤用のトナーとして再利用(リサイクル)するトナー再利用工程(トナーリサイクル工程)を含むものであってもよい。
そして、本実施形態の現像剤を、上記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した現像、転写、定着性能が得られる。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
本実施形態のプロセスカートリッジは、潜像保持体と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像保持体の表面上に残留したトナーを除去するためのトナー除去手段と、を備えることを特徴とする。またプロセスカートリッジは、必要に応じて、潜像保持体の表面を帯電する帯電手段等のその他の部材を含んでもよい。トナー、現像剤、及び潜像保持体の詳細については、上記のとおりである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに、記録紙300に画像を形成する画像形成装置を構成するものである。
また現像装置111には、トナーを含む現像剤が収容されている。
なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
但し、本実施例においては、実施例1〜6、8、11、14、及び15が実施例に該当し、実施例7、9、10、12、13、16、及び17が参考例に該当する。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量)
樹脂の分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂粒子(樹脂粒子)、着色剤粒子等の体積平均粒径は、レーザー回折粒度測定器(島津製作所製、SALD2000A)で測定した。
トナー、結晶性ポリエステル樹脂の融点、トナー及び非結晶性樹脂のガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された各極大ピークより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
なお、測定には示差走査熱量計(DSC−60A 自動冷却器付、島津製作所社製)を用いた。
現像剤は、先ずトナー及びキャリアを製造し、そして、それらを用いて製造した。また、トナーを製造する際には、先ず、樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を製造し、それらを用いてトナー粒子を製造した。次に、それを用いてトナーおよび現像剤を製造した。
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン10モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン90モル部と、テレフタル酸10モル部と、フマル酸67モル部と、n−ドデセニルコハク酸3モル部と、トリメリット酸20モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、フマル酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間から20時間共縮重合反応させ、その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、非結晶性ポリエステル樹脂(A1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは70000、ガラス転移温度Tgは63℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、1、9−ノナンジオール44モル部と、ドデカンジカルボン酸56モル部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.05モル部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で2時間攪拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(B1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは30000、融点Tmは74℃であった。
その後、非結晶性樹脂分散液(A1)の作製と同じ条件にて高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)を用い、結晶性樹脂粒子分散液(b1)を得た。
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
・アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム 和光純薬社製):150部
・イオン交換水:4000部
・マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞、Hi−Mic−1090):100部
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR):2部
・イオン交換水:300部
以上の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液(1)(離型剤濃度:20質量%)を調製した。
−トナーA1の作製−
(トナー粒子の作製)
・非結晶性樹脂粒子分散液(a1):300部
・結晶性樹脂粒子分散液(b1):100部
・着色剤分散液(1):50部
・離型剤粒子分散液:60部
・硫酸アルミニウム(和光純薬社製):5部
・界面活性剤水溶液:10部
・0.3M硝酸水溶液:50部
・イオン交換水:500部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで攪拌しながら加熱した。48℃で保持した後、平均粒径が5.2μm程度である凝集粒子が形成されていることが確認した段階で、追加の非結晶性樹脂粒子分散液:100部を添加後、更に30分保持した。
その後、得られたトナー粒子100部に対して、外添剤A(第1の粒子)としてアルミナ(住友化学社、AKP30、Hh:9.5、)0.35部、外添剤B(第2の粒子)として炭酸カルシウム(林化成株式会社、エスカロン#2200、Hs:3.0)1.00部、をヘンシェルミキサーで混合して外添し、トナーA1を得た。
外添剤Aとしてアルミナの代わりにヒドロキシアパタイト(カルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液より作製、Hh:5.5)を用いる以外はトナーA1と同様にしてトナーA2を得た。
−トナーA3の作製−
外添剤Aとしてアルミナの代わりに炭化ホウ素(商品名:デンカボロン、Hh:9.7)を用いる以外はトナーA1と同様にしてトナーA3を得た。
−トナーA4の作製−
外添剤Bとして炭酸カルシウムの代わりに硫酸カルシウム(純正化学、Hs:2.0)を用いる以外はトナーA1と同様にしてトナーA4を得た。
−トナーA5の作製−
外添剤Bとして炭酸カルシウムの代わりに酸化マグネシウム(純正化学製、Hs:4.5)を用いる以外はトナーA1と同様にしてトナーA5を得た。
外添剤Aとしてアルミナの代わりにシリカ(電気化学工業社製、SFP20M、Hh:6.5)、外添剤Bとして炭酸カルシウムの代わりに酸化マグネシウム(純正化学製、Hs:4.5)を用いる以外は、添加量を含めトナーA1と同様にしてトナーA6を得た。
−トナーA7の作製−
外添剤Aとしてアルミナを用い、外添剤Bとして塩化銀(純正化学、Hs:1.3)を用いる以外は、トナーA1と同様にしてトナーA7を得た。
−トナーA8の作製−
外添剤Aとして酸化鉄(ケミライト工業、CM1000、Hs:6.0)、外添剤Bとして酸化マグネシウム(純正化学製、Hs:4.5)を用いる以外は、トナーA1と同様にしてトナーA8を得た。
外添剤Aとしてアルミナを用い、外添剤Bとしてパラフィンワックス含有樹脂粒子(下記方法で作製、Hs:0.8)を添加する以外は、トナーA1と同様にしてトナーA9を得た。
・非結晶性樹脂粒子分散液(a1):500部
・離型剤粒子分散液(1):100部
・硫酸アルミニウム(和光純薬社製):5部
・界面活性剤水溶液:10部
・0.3M硝酸水溶液:50部
・イオン交換水:500部
続いて、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH7.0に到達するまで穏やかに添加した後、攪拌を継続しながら75℃まで加熱し、2時間保持した。その後、室温(25℃)まで冷却し反応生成物をろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してパラフィンワックス含有樹脂粒子を得た。
外添剤Aのアルミナを0.50部、外添剤Bの炭酸カルシウムを0.7部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA10を得た。
−トナーA11の作製−
外添剤Aのアルミナを0.60部に、外添剤Bの炭酸カルシウムを1.90部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA11を得た。
−トナーA12の作製−
外添剤Aのアルミナを0.50部、外添剤Bの炭酸カルシウムを0.55部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA12を得た。
−トナーA13の作製−
外添剤Aのアルミナを0.15部、外添剤Bの炭酸カルシウムを1.65部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA13を得た。
−トナーA14の作製−
外添剤Aのアルミナを0.15部、外添剤Bの炭酸カルシウムを0.60部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA14を得た。
−トナーA15の作製−
外添剤Aのアルミナを0.50部、外添剤Bの炭酸カルシウムを1.50部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA15を得た。
−トナーA16の作製−
外添剤Aのアルミナを0.15部、外添剤Bの炭酸カルシウムを0.40部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA16を得た。
−トナーA17の作製−
外添剤Aのアルミナを0.50部、外添剤Bの炭酸カルシウムを1.60部添加する以外はトナーA1と同様にしてトナーA17を得た。
外添剤Aとしてアルミナの代わりにシリカ(電気化学工業社製、SFP20M、Hh:6.5)を用いる以外はトナーA1と同様にしてトナーA18を得た。
−トナーA19の作製−
外添剤Aを添加しない以外はトナーA1と同様にしてトナーA19を得た。
−トナーA20の作製−
外添剤Bを添加しない以外はトナーA1と同様にしてトナーA20を得た。
まず、トルエン14質量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比90/10)2質量部及びカーボンブラック(商品名:R330、キャボット社製)0.2質量部を10分間スターラーで撹拌させて、分散処理した被覆液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(平均粒径:50μm)100質量部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃で30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。このキャリアは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
得られたトナー36部とキャリア414部を2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して現像剤を調整した。
(感光体−1)
先ず、30mmφの円筒状アルミニウム基材を準備した。このアルミニウム基材をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。このセンタレス研磨処理が施されたアルミニウム基材を洗浄するために、脱脂処理、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理及び純水洗浄をこの順に行った。次に、アルミニウム基材に対して、10wt%硫酸溶液によりその表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、80℃の1wt%酢酸ニッケル溶液に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に、純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、表面に7μmの陽極酸化膜を形成されたアルミニウム基材を得た。
先ず、感光体−1と同様の構成を有する感光体を準備した。
先ず、感光体−1と同様の構成を有する感光体を準備した。
先ず、ホーニング処理を施した外径30mmφの円筒状アルミニウム基材を準備した。次に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)を100質量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)を10質量部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)を3質量部、イソプロパノールを400質量部、及びブタノールを200質量部混合し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液をアルミニウム基材上に浸漬塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し、膜厚0.15μmの下引層を形成した。
感光体4のシリカ粒子(日本触媒社製)の代わりに硫酸カルシウム(純正化学製)を10質量%添加する以外は感光体−4と同様の条件にて感光体−5を得た。
感光体4のシリカ粒子(日本触媒社製)の代わりにアルミナ(住友化学社製、AKP30)を10質量%添加する以外は感光体−4と同様の条件にて感光体−5を得た。
感光体4のシリカ粒子(日本触媒社製)の代わりに酸化マグネシウム(純正化学社製)を10質量%添加する以外は感光体−4と同様の条件にて感光体−5を得た。
(実施例1から17及び比較例1から6)
実施例1から17及び比較例1から6においては、それぞれ上記で得られた感光体及び現像剤を表1に示す組み合わせで、カラープリンター(DocuCentre Color 400CP、富士ゼロックス社製)に装着した画像形成装置を用いて、連続プリント試験を行った。具体的には、まず、高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で画像密度5%の条件で5万枚の画像形成試験を行い、続いて、低温低湿(10℃、15%RH)の環境下にて画像密度5%の条件で5万枚の画像形成試験を行った。各画像形成試験後、感光体の傷、感光体上へのトナー成分の付着の有無、及び画質を目視で観察を行って評価した。更に画像欠陥見られたものについては、感光体内部にドラムヒーターを装着し、35℃で加熱しながら100枚の画像形成試験を行い、画像欠陥の回復度合いを評価した。それぞれの評価基準を以下に示す。
また、用いたトナーの作製に用いた粒子の種類、硬度(Hh及びHs)、及び被覆率(Bb−Aa及びBb+Aa)、並びに用いた感光体の作製に用いた粒子の種類及び硬度(Hp)を表1に示し、得られた評価結果を表2に示す。なお、表2において「B〜C」とは、画像上の影響が確認されたが、から回しにより20秒以内で回復する程度のものであることを意味する。
A:傷無し
B:部分的に傷あり(画質上は問題なし)
C:小さい傷あり(画質上の影響が確認される)
D:大きな傷あり(画質上の欠陥が顕著)
A:付着無し
B:部分的に付着あり(画質上は問題なし)
C:細かい付着あり(画質上の影響が確認される)
D:顕著な付着あり(画質上の欠陥が顕著)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線(静電潜像形成手段)
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
300、P 記録紙(被転写体)
Claims (6)
- 第3の粒子を含む表面保護層を有する潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体上に形成された前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記潜像保持体の表面上に残留したトナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
前記トナーは、トナー粒子、前記第3の粒子よりも硬度の高い第1の粒子、及び前記第3の粒子よりも硬度の低い第2の粒子を含み、前記第1の粒子が、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭化ホウ素、シリカ、又は酸化鉄の粒子から選択され、前記第2の粒子が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、又は酸化マグネシウムの粒子から選択され、前記第3の粒子が、シリカ、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルの粒子から選択され、前記第1の粒子の硬度と前記第2の粒子の硬度との差の絶対値が1.5以上7.5以下であり、前記トナー粒子に対する前記第1の粒子の被覆率Aa(%)と、前記トナー粒子に対する前記第2の粒子の被覆率Bb(%)と、が下記式(1)の関係及び下記式(2)の関係を満たす画像形成装置。
15≦Bb−Aa≦50 ・・・ 式(1)
40<Bb+Aa<100 ・・・ 式(2) - 前記第1の粒子の硬度が5.0以上10.0以下であり、前記第2の粒子の硬度が1.0以上5.0未満である、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記表面保護層は、三次元架橋構造を有する樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置に脱着され、
第3の粒子を含む表面保護層を有する潜像保持体と、トナーを含む現像剤により前記潜像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像保持体の表面上に残留した前記トナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
前記トナーは、トナー粒子、前記第3の粒子よりも硬度の高い第1の粒子、及び前記第3の粒子よりも硬度の低い第2の粒子を含み、前記第1の粒子が、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、炭化ホウ素、シリカ、又は酸化鉄の粒子から選択され、前記第2の粒子が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、又は酸化マグネシウムの粒子から選択され、前記第3の粒子が、シリカ、酸化マグネシウム、又は酸化ニッケルの粒子から選択され、前記第1の粒子の硬度と前記第2の粒子の硬度との差の絶対値が1.5以上7.5以下であり、前記トナー粒子に対する前記第1の粒子の被覆率Aa(%)と、前記トナー粒子に対する前記第2の粒子の被覆率Bb(%)と、が下記式(1)の関係及び下記式(2)の関係を満たすプロセスカートリッジ。
15≦Bb−Aa≦50 ・・・ 式(1)
40<Bb+Aa<100 ・・・ 式(2) - 前記第1の粒子の硬度が5.0以上10.0以下であり、前記第2の粒子の硬度が1.0以上5.0未満である、請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記表面保護層は、三次元架橋構造を有する樹脂を含む、請求項4又は請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
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