以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<<空気清浄機1の全体構成>>
図1は、本発明に係る実施形態の空気清浄機1を示す斜視図であり、図2(a)は、実施形態の空気清浄機1の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。また、図3は、実施形態の空気清浄機1の分解斜視図である。
図1,図3に示すように、実施形態の空気清浄機1は、その周囲を筐体である主部筐体ケース2と前部筐体ケース3とで覆われており、前部筐体ケース3の前面には、前面パネル4が、前部筐体ケース3の被係止部(図示せず)に前面パネル4の係止部(図示せず)が弾性変形され、取り付けられている。
このように、前面パネル4は、前部筐体ケース3に簡単に取り付けられるので、空気清浄機1のフィルタユニット5(図2(b)参照)のメンテナンス等に際しては、前面パネル4が、容易に取り外し,取り付けができることになる。
図1に示す空気清浄機1は、図2(b)に示すように、前面パネル4と前部筐体ケース3との間のクリアランスcを通して室内の空気を吸入するためのファンモータ7(図3参照)と、ファンモータ7によって吸入される室内の空気の集塵や脱臭を行うためのフィルタユニット5と、室内の空気を加湿するための水が貯留される水タンク13と、フィルタユニット5を通して清浄にされた空気を水タンク13内から汲み上げられた水により加湿する気化フィルタユニット15と、フィルタユニット5を通して清浄にされた空気の水分を吸い取る除湿用のデシカントロータ9と、デシカントロータ9で吸収した水分を気化する空気を加熱するためのヒータ33(図3参照)と、デシカントロータ9から吸収し気化された水分を含む空気からその水分を凝縮するための凝縮器11(図3参照)と、ファンモータ7の遠心ファン7aの周りを囲うとともに上部の排出口2oに向かって遠心ファン7a外周との間隙が拡がって形成され清浄にされた空気を排出するための渦巻状のファンケーシング8(図3参照)とを備えている。
図1,図2(b)に示すように、空気清浄機1の筐体である前部筐体ケース3と前面パネル4との間には、クリアランスcが上下左右に形成され、このクリアランスcを通して、図2(b)の矢印α11のように、室内の汚れた空気が空気清浄機1内に吸入され、フィルタユニット5を通ってろ過され清浄にされた空気が、渦巻状のファンケーシング8(図3,図2(a)参照)に案内され、図1に示すように、主部筐体ケース2の上部に開口された排出口2oを通って、室内に排出される。
ここで、図1,図3に示すように、主部筐体ケース2の上部には、主部筐体ケース2の排出口2oの開閉を担う蓋開閉蓋であるフラップ2t(ルーバー)が、主部筐体ケース2の上部に回転自在に軸支されており、空気清浄機1の運転時には、図1に示すように、フラップ2tが開制御されることで主部筐体ケース2の排出口2oが開口され、空気清浄機1によって清浄にされた空気が、排出される。フラップ2tは、0度(水平)から90度(垂直)の範囲で回動可能である。フラップ2tは、0度(水平)から85度(略垂直)の範囲で回動可能であってもよい。フラップ2tが0度のときは風向は前方向となり、フラップ2tが90度または85度のときは風向は上方向となる。
また、主部筐体ケース2の上部の排出口2o部は分割されて、外側に露出したねじにより固定されて一体化されている。このねじを外して排出口2o部を取り外すことにより、排出口2oの開閉を担う蓋開閉蓋であるフラップ2tと、フラップ開閉用モータ61,駆動リンク62,従動リンク63を保持するフレーム(図示せず)からなるユニットとして、容易に取り外し、取り付けができる。この構造により、モータとリンク部品を別ユニット化できるので組み立て作業が容易にできる。また、フラップ2tの動作故障時においても、排出口2o部のみを取り外せばユニットの点検や交換ができる。
<フラップ2tの開閉機構>
図4(a)は、フラップ2tの開閉機構を示す図2(b)のI部拡大概念図であり、図4(b)は、図4(a)に示すフラップ2tが45度開いた状態を示す図であり、図4(c)は、図4(a)に示すフラップ2tが全開した状態を示す図である。
図4(a)に示すように、空気清浄機1の構造部材1kには、ステッピングモータ等のフラップ開閉用モータ61が固定されており、フラップ開閉用モータ61の駆動軸(図示せず)には駆動リンク62の一端部62aが固定されている。
そして、駆動リンク62の他端部62bに固定されたフラップ駆動軸62b1には、フラップ2tが回転自在に支持されている。
また、空気清浄機1の構造部材1kには、従動リンク63の一方端63aが回転自在に支持され、従動リンク63の他方端63bに固定されたフラップ従動軸63b1にはフラップ2tが回転自在に支持されている。
この構成により、図4(a)に示すように、フラップ開閉用モータ61が矢印α31方向に回転することにより、駆動リンク62が矢印α31方向に回動し、これに伴って、従動リンク63が回動し、図4(c)に示すように、フラップ2tが全開状態となる。
一方、図4(c)に示すフラップ2tの全開状態から、フラップ2tを閉じる場合には、フラップ開閉用モータ61を矢印α32方向に回転することにより、駆動リンク62が矢印α32方向に回動し、これに伴って、従動リンク63が回動し、図4(a)に示すように、フラップ2tが閉塞する。
図4(b)は、参考に、図4(a)に示すフラップ2tが閉じた状態から45度開いた場合を示している。
例えば、空気清浄機1で空気清浄モードが選択された場合には、図4(c)に示すように、フラップ2tが全開状態(例えば、開角90度)となる。また、衣類乾燥モードが選択された場合には、フラップ2tは、図4(b)に示す開角45度と開角90度間の回転往復動作を反復して行い、空気清浄機1の排出口2oから排出される空気を上下方向に送風し、衣類の上下に風をあて衣類の乾燥を促進する。つまり、衣類乾燥モードが選択された場合には、水平よりも開いた所定の角度と全開との間の回転往復動作を反復して行う。衣類乾燥モードが選択された場合には、フラップ2tは、開角10度と開角90度間の回転往復動作を反復して行ってもよい。
例えば、空気清浄機1で強脱臭モードが選択された場合には、図4(c)に示すように、フラップ2tが全開状態となり排出口2oの通風抵抗を減少させ大風量運転を可能とし、上方に送風することにより、室内空気の循環を促して空気清浄機の対辺空気を導いて室内空間全体の脱臭処理を促進する。つまり、強脱臭モードのフラップ2tの開角は、空気清浄モードのフラップ2tの開角と同一である。
また、加湿機能が働く加湿モード若しくは肌保湿モードが選択された場合には、フラップ2tは、図4(b)に示す開角45度の状態となり、空気清浄機1の排出口2oから排出される空気を前斜め方向に送風し、加湿された清浄空気のユーザがいる室内中央部への供給を促進する。
また、除湿機能が働く除湿モードが選択された場合には、フラップ2tは、図4(b)に示す開角45度の状態となり、空気清浄機1の排出口2oから排出される空気の前斜め方向に送風し、除湿された清浄空気をユーザがいる室内中央部への供給を促進する。
また、加湿機能と除湿機能が働く結露セーブモードが選択された場合には、フラップ2tは、図4(b)に示す開角45度の状態となり、空気清浄機1の排出口2oから排出される空気を前斜め方向に送風し、加湿若しくは除湿された清浄空気のユーザがいる室内中央部への供給を促進する。つまり、除湿モードおよび結露セーブモードのフラップ2tの開角は、加湿モードおよび肌保湿モードのフラップ2tの開角と同一である。そして、空気清浄モードおよび強脱臭モードのフラップ2tの開角は、加湿モードおよび肌保湿モードおよび除湿モードおよび結露セーブモードのフラップ2tの開角よりも大きく、よって、風向も垂直上方向に近い。
また、ダイレクト選択ではなく、各モードをLEDで表示する連続切り替えのスポット清風モードが選択された場合には、フラップ2tは、床面と平行な水平の状態(図示せず)となり、排出口2oの通風抵抗が増加して風量が制限されるが運転空気清浄機1の排出口2oから排出される空気を前方向に送風する、入浴後やアイロンがけ時などに扇風機がわりに清浄空気で使用ができる。
また、ダイレクト選択ではなく、各モードをLEDで表示する連続切り替えの室内循環モードが選択された場合には、フラップ2tは、床面と平行な水平の状態(図示せず)と開角90度間の回転往復動作を反復して行い、空気清浄機1の排出口2oから排出される空気を前面から上方向に送風する、室内空気を広範囲で循環させ、冷暖房時の温度むらを低減する使用が清浄空気で行える。
また、空気清浄機1が運転中に開いたフラップ2tは、運転停止するときはフラップ2tを閉じた状態に戻して運転停止する。これにより、排出口2oから空気清浄機1内部に異物や塵埃が入り込むのを防ぐことができる。
ここで、フラップ2tの開閉機構を構成する部材は、互いに回転運動して駆動されるので、該部材が互いに往復運動する場合に比べ、動きがスムーズで動作信頼性が高い。よって、フラップ2tの開閉機構のメンテナンスの頻度を抑制できる。なお、フラップ開閉用モータ61の回転制御は、次の制御装置Eにより行われる。
<空気清浄機1の制御装置E>
図5は、空気清浄機1の制御装置Eを示すブロック図である。
空気清浄機1(図1参照)の運転を制御する制御装置Eは、前部筐体ケース3の前上部の操作パネル60から露出した各種の操作ボタン50に近接して、前部筐体ケース3の前側上部内に備わっている。なお、表示装置(図示せず)は、制御装置Eの近くに設けられる。操作パネル60は、空気清浄機1の上面(上側表面)に設けられる。
図5に示すように、制御装置Eは、マイクロコンピュータE1(以下、マイコンE1と称す),各種モータ,ヒータ33等の駆動回路等の各種回路,リレー等から構成され、マイコンE1のROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより、空気清浄機1が統括的に制御される。なお、制御プログラムは、メンテナンスされるに際して、書込み回路E9a,書込みコネクタE9bを用いて、制御プログラムの更新がなされる。
ユーザが、空気清浄機1の操作パネル60に配置された所望の操作ボタン50を押下することにより、操作信号が制御装置Eに入力され、該操作信号に応じて制御装置Eによって空気清浄機1の運転が制御される。
また、空気清浄機1はリモート操作可能なリモコン(図示せず)を有しており、ユーザはリモコンを操作することで、リモコンにより無線でリモコン受光部IC(E2)を介して制御装置Eと信号の授受を行い、空気清浄機1を遠隔操作できる構成である。
なお、ヒータ33を使用しないモード(空気清浄モード,強脱臭モード,加湿モード,肌保湿モード)は、制御装置Eにおいてリモコンによる操作を可能としているのに対し、意図しない作動を制限するため、ヒータ33を使用するモード(除湿モード,結露セーブモード,衣類乾燥モード)は、制御装置Eにおいてリモコンによる操作を不可能としている。また、リモコンには、印字やシールによって、ヒータ33を使用するモードはリモコンによる操作を不可能とする旨の表示をすることで、誤使用や故障状態との誤認防止を図っている。
また、ヒータ33を使用しないモードは、電源オン・オフボタン51を押下に応じて稼動するのに対して、ヒータ33を使用するモードは、電源オン・オフボタン51を押下し、一時停止または停止後に移行するように、制御装置Eにおいて構成され、作動の制限を図っている。
或いは、ヒータ33を使用するモードは、制御装置Eにおいて、ヒータ33を使用しないモードより、操作ボタン50の押下時間を長く設定し、作動の制限を図っている。例えば、ヒータ33を使用するモードを選択する操作ボタン50は押下時間を0.5秒とすると、ヒータ33を使用するモードを選択する操作ボタン50は押下時間を1秒以上操作により選択されるようにして、押下操作により即時に動作するヒータ33を使用しないモードを選択する操作ボタン50として作動の制限を行うことができる。また、印字やシールによって、ヒータ33を使用するモードを選択する操作ボタン50の近傍に押下時間が1秒以上操作により選択される旨と、本体のみでの操作が可能は旨を表記することで、作動の制限と誤使用や故障状態との誤認防止を図ることができる。
これにより、意図せぬヒータ33の作動を未然に防ぐことができる。
ここで、空気清浄機1は、制御装置Eによる制御に使用するための室内の空気の湿度を検出する湿度センサE3,室内の空気の臭いを検出する臭いセンサE4,室内の空気中のほこり等の量を検知するダストセンサE5等が備わっている。
<フィルタユニット5>
図2(b),図3に示すフィルタユニット5は、前部筐体ケース3側のクリアランスcから吸入される空気が当る最も手前に配置されている。
フィルタユニット5は、空気清浄機1の最手前側(図2(b)の紙面左側)に、クリアランスcから吸入される空気から綿ゴミ,大きなゴミ等を除去するプレフィルタ5a(図3参照)が配設されており、フィルタユニット5の中央に、該吸入される空気からチリやホコリ,花粉等の微粒子などを除去する集塵フィルタ5b(図3参照)が配設されており、フィルタユニット5の奥側(図2(b)の紙面右側)に、活性炭等の吸入される空気から臭いのもとを除去する脱臭フィルタ5c(図3参照)が配設されている。
<ファンモータ7>
図2(b),図3に示すファンモータ7は、空気清浄機1の空気の吸入,排出を行うものであり、主部筐体ケース2の内部に設けられるファンケーシング8内に配置されている。
ファンモータ7は、空気清浄機1の手前の上下左右のクリアランスc(図1,図2(b)参照)から空気を空気清浄機1内に吸入するための遠心ファン7aと、該遠心ファン7aを回転駆動するための電動機7bとを有している。
図2(b),図3に示すように、ターボファン7aに吸い込み流を導く吸い込み板10は、ファンケーシング8と共にターボファン7aを囲んで形成されている。
<水タンク13>
図2(b),図3に示す水タンク13は、空気清浄機1で、フィルタユニット5でろ過され清浄にされた空気を加湿する加湿モードを行うための水を収容する部材である。
図6は、実施形態の水タンク13を斜め上方から見た斜視図である。
図6に示すように、水タンク13は、給水される水が貯留される水タンク箱体13aと、水タンク箱体13aの上方を覆う水タンク蓋13bとを備えている。
水タンク13の水タンク箱体13aは、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いて、底面板,前後左右側面板を有する箱形状に成型され、前側面板の外部には、空気清浄機1内から水タンク13を外に引き出すための把っ手部13a1が形成されるとともに、水タンク箱体13a内の水の水位を目視するための覗き窓13a2が形成されている。
水タンク13の水タンク蓋13bは、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いて、図6に示すように、外周域から中央部にいくに従い次第に下方になる形状に形成されるとともに、中央部には凝縮器11において凝縮され凝縮器11の凝縮水排出孔11c1(図17参照)から滴下する水を、水タンク箱体13a内に入れるために集水孔13b1が形成されている。また、水タンク蓋13bは、水タンク箱体13a内の水が不足または無くなった際にユーザが吸水するための給水孔13b2が穿設されている。
さらに、水タンク蓋13bには、水タンク13内の水を、後記のポンプpにより、気化フィルタユニット15に吸い上げるための吸い上げ孔13b31を有する給水突起13b3と、気化フィルタユニット15からオーバーフローした水を水タンク13内に戻すための戻し孔13b41を有する環流突起13b4とを有して形成されている。
なお、水タンク蓋13bの給水突起13b3の吸い上げ孔13b31は、水タンク箱体13a内の下部の水を吸い上げられるように、水タンク箱体13a内の下部まで連続するように、水タンク蓋13bに成形されている。
<気化フィルタユニット15>
図7(a)は、気化フィルタユニット15を示す斜視図であり、図7(b)は、気化フィルタユニット15における空気に湿気を付与するための気化フィルタ6を示す斜視図である。
図7(a)に示すように、気化フィルタユニット15は、空気清浄機1内で清浄にされた空気に湿気を付与するための気化フィルタ6と、気化フィルタ6を保持する気化フィルタケース17と、気化フィルタ6および気化フィルタケース17が保持されるとともに気化フィルタ6に染み込ませる水が収容される給水トレイ18とを有している。
また、気化フィルタユニット15は、水タンク13からポンプpにより汲み上げられた水を、給水トレイ18に給水するための給水孔19aが形成されるトレイ給水突起19と、給水トレイ18内の水が所定の水位を超えた場合にオーバーフローさせた水を、水タンク13に戻すための排水孔20aを有するトレイ還流突起20が形成されている。
なお、トレイ給水突起19の給水孔19aは、給水トレイ18の上方に続いており、水タンク13からポンプpにより汲み上げられ給水孔19aを通流する水は、上方から給水トレイ18内に滴下され、給水される。
図7(a)に示す給水トレイ18は、気化フィルタ6に吸水させる水を貯留するための部材であり、合成樹脂を用いて、底面板18aと底面板18aの外周部から上方に延在する側面板18bが形成された上方が開口した凹型形状に形成されるとともに、内部に気化フィルタ6を保持する気化フィルタケース17を支持するリブ(図示せず)が形成されている。
また、給水トレイ18には、ポンプpを用いて、水タンク13から給水された水が所定の水位を超えた場合にオーバーフローさせるためのオーバーフロー孔(図示せず)が形成されている。給水トレイ18のオーバーフロー孔は、気化フィルタユニット15のトレイ還流突起20の排水孔20aに接続されており、給水トレイ18のオーバーフロー孔からオーバーフローした水は、トレイ還流突起20の排水孔20aを介して、水タンク13に戻される構成である。
これにより、給水トレイ18内の水位を検知するための水位センサが不要になるとともに、給水トレイ18内の水量の厳密な制御が不要になっている。
図7(b)に示す気化フィルタ6は、吸水性を有する材料で形成され、給水トレイ18内の水を毛細管現象により、吸水するための細孔を多数有している。
図7(a)に示す気化フィルタユニット15は、気化フィルタ6の下部が水タンク13からポンプpを用いて給水される給水トレイ18内の水に浸り、毛細管現象により気化フィルタ6内に吸水される。
このようにして、水分を帯びた気化フィルタ6を、フィルタユニット5((図2(b),図3参照)でろ過され清浄にされた空気を、前方(図2(b)に示す気化フィルタ6の左側)から後方(図2(b)に示す気化フィルタ6の右側)に通流させることにより、該空気に水分を付与し加湿し、空気清浄機1の加湿モードが遂行される。
ここで、ポンプpの稼働は、図5に示す湿度センサE3で検知される湿度,ファンモータ7による空気清浄機1の風量,時間等をパラメータとして、制御装置Eにより加湿用ポンプモータp1が駆動制御されることで、制御されている(図5参照)。
例えば、空気清浄機1の稼働開始時、または肌保湿ボタン56(図1参照)を押下した肌保湿などのモードで加湿重視のときは、ファンモータ7による風量を上げるので、制御装置Eにより加湿用ポンプモータp1を駆動制御しポンプpを稼働し、給水トレイ18に水を供給し、加湿を促進する。例えば、風量が、風量の少ないほうから、弱,標準(中),強,ターボの4段階であるとすると、加湿重視のときは、ターボを除いて最も風量の多い強風量とする。
或いは、湿度センサE3で検知される湿度が低ければ、加湿の必要があるので、制御装置Eにより加湿用ポンプモータp1を駆動制御しポンプpを稼働し、給水トレイ18に水を供給する。
或いは、ユーザが風量切替えボタン52a(図1参照)を押下し高い風量を選択した場合、そのままでは室内が乾燥するので、制御装置Eにより加湿用ポンプモータp1を駆動制御しポンプpを稼働し、給水トレイ18に水を供給し、気化フィルタ6を用いて加湿を行う。
或いは、空気清浄機1を最初に稼働する場合、気化フィルタ6全体に水が染み込むのに5秒前後かかるとすると、「ポンプpを10秒稼働し、給水トレイ18に水を供給する。その後、ポンプpを5秒停止し、気化フィルタ6に給水トレイ18に供給された水が染み込ませる。続いて、ポンプpを5秒稼働し、給水トレイ18に水を供給する。その後、ポンプpを5秒停止し、気化フィルタ6に給水トレイ18に供給された水を染み込ませる。……」のようなポンプpの駆動パターンの制御を制御装置Eにより行えば、ポンプpが無駄に稼働せず休止する時間ができるので、運転時間が短くなる。
そのため、空気清浄機1の寿命を延ばすことが可能である。また、消費電力量の低減効果もある。
また、ポンプpは加湿を行うときだけ運転して給水トレイ18に給水するので、他の運転モードのときは気化フィルタ6が乾いた状態になる。これにより、水道水に含まれるカルキ成分などが気化フィルタ6に付着するのを少なくして加湿能力が低下するのを抑制でき、気化フィルタ6の寿命をのばすことができる。
<ポンプ継ぎ手ユニット21>
図8は、図2(a)に示す空気清浄機1におけるB−B線断面より下方の水タンク13が配置される個所とポンプ継ぎ手ユニット21とを示す斜視概要図であり、図9は、ポンプ継ぎ手ユニット21の構造を示すポンプ継ぎ手ユニット21単体の斜視図である。
図9に示すように、ポンプ継ぎ手ユニット21は、水タンク13内の水を気化フィルタユニット15の給水トレイ18に給水するためポンプpを備えるとともに、水タンク13内の水を吸い上げるための吸い上げ孔部21aと、該吸い上げ孔部21aと内部の流路(図示せず)をもってポンプpを介して接続され気化フィルタユニット15の給水トレイ18に給水するための給水孔部21bと、気化フィルタユニット15の給水トレイ18をオーバーフローした水が流入するトレイ水戻し孔部21cと、トレイ水戻し孔部21cと内部の流路(図示せず)をもって接続され給水トレイ18をオーバーフローした水を水タンク13に戻すためのタンク戻し孔部21dとが形成されている。
ポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21aおよびタンク戻し孔部21dには、図6に示す水タンク13における吸い上げ孔13b31を有する給水突起13b3および戻し孔13b41を有する環流突起13b4がそれぞれ嵌入される。
また、ポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21bおよびトレイ水戻し孔21cには、図7(a)に示す気化フィルタユニット15における給水孔19aを有するトレイ給水突起19および排水孔20aを有するトレイ還流突起20がそれぞれ嵌入される。
なお、ポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21aおよびタンク戻し孔部21dは、それぞれ水タンク13を取り付ける際に水タンク13の給水突起13b3および環流突起13b4を案内する円錐面21a1,21d1が形成されるとともに、水タンク13が外された場合にポンプ継ぎ手ユニット21内の流路に残る水が漏れないように、内部から外方に向かって付勢される流路蓋21a2,21d2が取り付けられている。
同様に、ポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21bおよびトレイ水戻し孔部21cは、それぞれ気化フィルタユニット15を取り付ける際に気化フィルタユニット15のトレイ給水突起19およびトレイ還流突起20を案内する円錐面21b1,21c1が形成されるとともに、気化フィルタユニット15が外された場合にポンプ継ぎ手ユニット21内の流路に残る水が漏れないように、内部から外方に向かって付勢される流路蓋21b2,21c2がそれぞれ取り付けられている。
この構成により、水タンク13(図2(b),図3参照)内の水が、図9に示すポンプ継ぎ手ユニット21のポンプpが稼働することにより、ポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21a(図9参照)を介して汲み上げられ、ポンプ継ぎ手ユニット21内の流路を通ってポンプpを介して給水孔部21b(図9参照)から、気化フィルタユニット15の給水トレイ18(図2(b),図3参照)に給水が行われる。
一方、給水トレイ18(図2(b),図3参照)からオーバーフローした水は、トレイ水戻し孔部21c(図9参照)に流入し、ポンプ継ぎ手ユニット21(図9参照)内の流路を通ってタンク戻し孔部21dから、水タンク13(図3,図6参照)に戻される。
給水トレイ18(図3,図7(a)参照)に水を供給するポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21bを、ポンプ継ぎ手ユニット21(図9参照)のトレイ水戻し孔部21cより、上方に配置することにより、給水トレイ18には、水が上方から供給され、給水トレイ18からオーバーフローして排水される水は、下方から排水されるので、給水トレイ18内の水が循環し、死に水、すなわち、給水トレイ18内に滞留する水が発生せず、清潔な状態を維持することができる。
<水タンク13,気化フィルタユニット15の空気清浄機1からの取り外し,取り付け>
図10(a)は、空気清浄機1内に水タンク13および気化フィルタユニット15を収納した場合を示す斜視図であり、図10(b)は、空気清浄機1から取り外した水タンク13および気化フィルタユニット15をそれぞれ空気清浄機1に取り付ける場合の空気清浄機1内のポンプ継ぎ手ユニット21との関係を示す斜視図である。
図10(a)に示すように、水タンク13への給水時、空気清浄機1内の水タンク13は、ユーザが水タンク13の把っ手部13a1をもって引き出すことで、白抜き矢印β11のように、水タンク13を空気清浄機1外に取出すことができる。
ここで、空気清浄機1には水タンク13を空気清浄機1外に取出したことを検知する水タンクセンサE6(図5参照)が備えられており、水タンク13を空気清浄機1外に取出した場合に、制御装置Eは空気清浄機1の電源をオフし、空気清浄機1の作動の制限を図っている。
気化フィルタユニット15の掃除時には、図10(a)に示すように、空気清浄機1のフィルタ取り出し蓋1tを開放して、白抜き矢印β12のように、空気清浄機1内の気化フィルタユニット15を空気清浄機1外に取出すことができる(図10(b)参照)。
ここで、空気清浄機1には水タンク13と同様に、気化フィルタユニット15を空気清浄機1外に取出したことを検知するセンサ(図示せず)が備えられている。このセンサを利用して、気化フィルタユニット15を空気清浄機1外に取出した場合に空気清浄機1の電源をオフし、空気清浄機1の作動の制限を図ってもよい。
一方、取り外した水タンク13を空気清浄機1に取り付ける場合、図10(b)に示すように、水タンク13を、白抜き矢印β21のように、空気清浄機1のタンク取り付け口1mに挿入し、水タンク13の給水突起13b3および環流突起13b4を、それぞれ空気清浄機1内のポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21aおよびタンク戻し孔部21dに嵌入することで、水タンク13を空気清浄機1に取り付ける。
なお、水タンク13の給水突起13b3および環流突起13b4は、それぞれ空気清浄機1内のポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21aの円錐面21a1(図9参照)およびタンク戻し孔部21dの円錐面21d1(図9参照)によって案内され円滑にポンプ継ぎ手ユニット21の吸い上げ孔部21aおよびタンク戻し孔部21dに嵌入することができる。
一方、取り外した気化フィルタユニット15を空気清浄機1に取り付ける場合、図10(b)に示すように、気化フィルタユニット15を、白抜き矢印β22のように、空気清浄機1のフィルタ口1nに挿入し、気化フィルタユニット15のトレイ給水突起19およびトレイ還流突起20を、それぞれ空気清浄機1内のポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21bおよびトレイ水戻し孔部21cに嵌入することで、気化フィルタユニット15を空気清浄機1内に取り付け、図10(a)に示すように、フィルタ取り出し蓋1tを閉塞し、気化フィルタユニット15の空気清浄機1への取り付けを終了する。
なお、気化フィルタユニット15のトレイ給水突起19およびトレイ還流突起20は、それぞれ空気清浄機1内のポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21bの円錐面21b1およびトレイ水戻し孔部21cの円錐面21c1によって案内され円滑にポンプ継ぎ手ユニット21の給水孔部21b1およびトレイ水戻し孔部21cに嵌入することができる。
本構成により、水タンク13に給水する場合、水タンク13のみを、気化フィルタ6を有する気化フィルタユニット15から独立して取り出せるので、水タンク13への給水が容易であり、取扱性に優れる。
また、図10(a)に示すように、空気清浄機1内の水タンク13と気化フィルタユニット15とが独立した構成なので、空気清浄機1内の水タンク13と気化フィルタユニット15との間にスペースが形成され、このスペースに強度部材を設けることができ、強度が高い空気清浄機1の支持構造が得られる。
<<除湿ユニットの構造>>
空気清浄機1において、図2(b)の白抜き矢印α11のようにフィルタユニット5を通ってろ過され清浄にされた空気を加湿する除湿モードを行うための除湿ユニットについて説明する。
図11は、後方(図2(b)の紙面右側)から見たデシカントロータ9,ヒータ33等の除湿ユニットを示す図2(b)のD−D線断面図である。図12は、デシカントロータ9,ヒータ33を覆うヒータケース34,ファンケーシング31等を取り外した状態を示す斜視図である。
図13は、除湿ユニットを構成する凝縮器11近傍を示す図2(b)のE−E線断面図であり、図14は、除湿ユニットを構成する凝縮器11近傍を示すF−F線断面図である。
除湿ユニットは、図11の矢印β11のように回転されフィルタユニット5を通って(図2(b)の白抜き矢印α11参照)清浄にされた空気の水分を吸湿するデシカントロータ9と、デシカントロータ9に温風を送る送風源でありファンケーシング31(図11,図12参照)に覆われる除湿ファン(図示せず)と、ヒータケース34に覆われ該除湿ファンから送られる空気に熱を付与し温風にするヒータ33と、ヒータ33により加熱された熱風によりデシカントロータ9から気化された水分を含む空気を冷却し該空気中の水分を凝縮する凝縮器11(図13参照)と、デシカントロータ9の回転を検知する光反射型センサ40(図5,図14,図16(b)参照)とを備えている。
ここで、図13に示す凝縮器11においては、ヒータ33により加熱された熱風によりデシカントロータ9から気化された水分を含む空気が、多数の後記の格子部11b1内を上から下に通流されることで冷却され、該空気中の水が凝縮される。
図2(b)に示すように、空気清浄機1は、除湿ユニットにおける空気の水分を吸収するデシカントロータ9を上方に配置するとともに気化フィルタユニット15をデシカントロータ9より下方に配置している。また、空気清浄機1は、デシカントロータ9が吸湿した水分を気化した空気を凝縮する流路をもつ凝縮部の格子部11b1を有する凝縮器11で、デシカントロータ9および気化フィルタユニット15の前方を覆って配置している。
これにより、デシカントロータ9と気化フィルタユニット15とが上下に配置され、凝縮器11で、デシカントロータ9および気化フィルタユニット15の前方を覆って配置するので、空気清浄機1の薄型化が可能である。
また、凝縮部を有する凝縮器11の上下方向の寸法を大きくできるので、凝縮器11の凝縮性能を向上できる。
さらに、凝縮器11でデシカントロータ9および気化フィルタユニット15の前方を覆っているので、吸入された空気が排出されるまでの通風抵抗を同じようにできるので、動作モードに係わらず同じ風量にすることができ、運転モードによって遠心ファン7aの回転速度を変える必要がないので、発生する動作音が変わってしまうということもない。より好ましくは、デシカントロータ9と気化フィルタ6のセル(穴)の大きさを調整して通風抵抗を合わせて空気の流れを同じようにすると良い。
<ファンケーシング31,ヒータ33,ヒータケース34等の構成>
図11,図12に示すファンケーシング31内には、内部にデシカントロータ9に吸湿された水分を気化する風を供給するために除湿ファンモータE7(図5参照)で駆動される除湿ファン(図示せず)が配設されており、該ファンケーシング31に隣接してヒータアッセンブリ33Sが配置されている。
ここで、ヒータ33とヒータ33が内部に設けられたヒータケース34とを有する組み立て体をヒータアッセンブリ33Sと称す。
図15(a)は、ヒータ33とヒータ33が内部に設けられたヒータケース34とを有するヒータアッセンブリ33Sを示す斜視図であり、図15(b)は、ヒータアッセンブリ33Sをヒータ33側から見た図である。
ここで、図12に示すファンケーシング31とヒータアッセンブリ33S(図15参照)との接続部30Sには、ファンケーシング31に送風口(図示せず)が開口されるとともに、該ファンケーシング31の送風口(図示せず)に対向してヒータケース34に受風口(図示せず)が開口されており、ファンケーシング31内の除湿ファン(図示せず)によって送風される空気がヒータ33を有するヒータアッセンブリ33S内に送られる構成である。
<ファンケーシング31>
図11,図12に示すファンケーシング31は、例えば、ポリスチレンを用いて射出成形により、除湿ファン(図示せず)を覆うとともに、凝縮器11で水分が凝縮された後の空気が送られる凝縮された後の空気受風口(図示せず)とヒータケース34に接続される送風口(図示せず)とを有し、かつ凝縮器11で水分が凝縮された後の空気を除湿ファンによりヒータアッセンブリ33Sへ送る送風路を具える形状に形成されている。
<ヒータアッセンブリ33S>
図11,図12に示すヒータアッセンブリ33Sのヒータケース34は、図15に示すように、ニクロム線のヒータ33が取り付けられる第1ヒータケース34aと、平板状の第2ヒータケース34bとが別体に製造され、互いを合わせて構成されている。
ヒータ33は、第1ヒータと第2ヒータとを有し、所定の発熱量を得ている。なお、ヒータ33は、単数または複数で構成してもよく、その数は限定されない。
図15に示す第1ヒータケース34aは、例えば、アルミメッキ鋼板を用いて、絞り加工により成形され、受風口(図示せず)が開口される受風部34a1とヒータ33が取り付けられるとともにヒータ33に電流を流すための結線kが導出されるヒータ収容部34a2とを有する形状に成形されている。
図15(b)に示す第2ヒータケース34bは、例えば、ステンレス鋼板を用いて、ほぼ平板状に形成され、ヒータ33で加熱された空気を送るための送風孔34b1が開口されている。
図11,図12に示すように、ヒータアッセンブリ33Sは、ファンケーシング31の送風口(図示せず)に対向させるとともにファンケーシング31に隣接して、第2ヒータケース3の34bの送風孔34b1を、フィルタユニット5を通って清浄にされた空気の水分を吸湿するデシカントロータ9に対向して取り付けられる。
これにより、凝縮器11で水分が凝縮された後の空気が、凝縮器11の送風口11a2(図16(b),図17参照)と凝縮空気受風口とを介してファンケーシング31に送られ、送られたファンケーシング31内の空気が、除湿ファン(図示せず)により、ファンケーシング31の送風口およびヒータケース34の受風口を介して、ヒータアッセンブリ33Sのヒータケース34内に送風される。そして、ヒータ33により加熱された空気が、図15(b)に示す第2ヒータケース34の送風孔34b1から、清浄にされた空気の水分を吸湿したデシカントロータ9に吹き付けられ、デシカントロータ9に吸湿された水分を気化する。
この構成によれば、デシカントロータ9に対向するヒータ33を有するヒータケース34において、図12,図15に示すように、ヒータ33に近接するとともにデシカントロータ9の吸湿面に対向する第1ヒータケース34aの受風部34a1(図12参照)が金属で形成されるため、樹脂製のファンケーシング31とヒータ33とが離隔され、樹脂製のファンケーシング31がヒータ33の熱により、溶融することが抑制される。
また、ファンケーシング31とヒータ33とは受風部34a1を介して接続し、直接対向しないようにしている。すなわち、ファンケーシング31の送風口とヒータケース34の送風孔34b1が対向しないように所定の角度をもたせて接続している。
これにより、ヒータ33の輻射熱がファンケーシング31に当たることがなく、ヒータ33の異常時においても、変形や溶融などのリスクを軽減することができる。
さらに、第1ヒータケース34aの受風部34a1は金属であるため、熱伝導率が高く、ファンケーシング31から送られ第1ヒータケース34aの受風部34a1を通流する空気の温度がヒータ33の熱により高くなり、もって飽和絶対湿度が高くなり、第1ヒータケース34aの受風部34a1内への露付きが抑制される。
<<デシカントロータ9の回転検出>>
図16(a),(b)は、図12に示すデシカントロータ9,ヒータケース34,ファンケーシング31,デシカントロータ支持部材36等のアッセンブリを分解した斜視図であり、このうち図16(a)は、デシカントロータ9を示す斜視図であり、図16(b)は、デシカントロータ支持部材36,ロータ駆動歯車37を示す斜視図である。
また、図16(c)は、図16(a)に示すデシカントロータ9の背面からの斜視図である。
<デシカントロータ9>
図16(a)に示すデシカントロータ9は、通流される空気の水分を吸湿するデシカント9aと、デシカント9aの外周部に配置されデシカントロータ9を回転させるための樹脂性の外周歯車9bと、デシカント9aの一面に配置されデシカント9aを保持するデシカント保持部材9c(図16(c)参照)とを有している。
図16(c)に示すように、デシカント保持部材9cは、例えば、0.4mm厚のステンレス鋼板をプレス加工等により、中央部9c1と、中央部9c1から放射状に形成される放射支持部9c2と、放射支持部9c2を支持する形状の第1円部9c3,放射支持部9c2を支持する形状であるとともに外周歯車9bにネジn1止めされる第2円部9c4を有する格子状に形成されている。
<デシカントロータ支持部材36>
図16(b)に示すように、デシカントロータ支持部材36は、例えば、ポリスチレン等を用いて樹脂成形される樹脂成形品であり、デシカントロータ9の回転軸(図示せず)が挿通される軸孔36a1が形成される中央部36aと、中央部36aから放射状に形成される4本の放射部36bと、放射部36bが接続されるとともにロータ駆動歯車37を収容する歯車収容部36c1が形成される外周部36cとを有する形状に形成されている。
ここで、ロータ駆動歯車37が、図5に示すデシカント駆動モータ37mによって駆動されることで外周歯車9bが回転し、デシカントロータ9が回転駆動される。なお、デシカント駆動モータ37mは、回転センサ37m1を有しており、回転センサ37m1で検出したデシカント駆動モータ37mの回転検出信号がマイコンE1に入力され、デシカント駆動モータ37mの回転制御がなされている。
図16(b)に示すデシカントロータ支持部材36は、放射部36bが形成されることにより、図3,図2(b)のF−F線断面図の図14に示すように、放射部36b間の空間を通って、フィルタユニット5を通って清浄にされた空気がデシカントロータ9に当たるように構成されている。
図16(b)に示すデシカントロータ支持部材36の放射部36bは、一部がリブ状放射部36b1に形成されており、リブ状放射部36b1のリブ36b11のデッドスペースに、光反射型センサ40が配置されている。
この光反射型センサ40は、デシカントロータ9が回転することにより、金属製のデシカント保持部材9cの放射支持部9c2(図16(c)参照)に光を当ててその反射光を検出することにより、デシカントロータ9の回転を検出することができる。
この光反射型センサ40をデシカントロータ支持部材36のリブ状放射部36b1に取り付けることにより、光反射型センサ40を取り付ける取り付け部品が不要で、簡素な構成となる。そのため、低コスト化が可能である。
加えて、図16(b)に示すように、光反射型センサ40は、デシカントロータ支持部材36のリブ状放射部36b1のデッドスペースに配置されるため、空気清浄機1の小型化に寄与する。
<凝縮器11>
図17(a)は、図2(b)のE−E線断面図の図13に示す凝縮器11の正面図であり、図17(b)は、図17(a)に示す凝縮器11の背面図である。図18は、図17(a)に示す凝縮器11の分解図である。
図17に示す凝縮器11は、ヒータケース34内のヒータ33により加熱された温風が、フィルタユニット5を通って清浄にされた空気の水分を吸湿したデシカントロータ9を挿通し、デシカントロータ9の水分を気化し該気化した水分を含んだ温風が流入する温風流入口11a1(図17(b)参照)と、凝縮器11の格子状の格子部11b1内の流路を上から下に凝縮下部材11cまで通流し冷却され凝縮した水が排出される凝縮水排出孔11c1と、凝縮下部材11cを通り凝縮後の空気が凝縮下部材11cから戻し流路11b2を通った後に再び、ファンケーシング31(図11,図12参照)内に送るための送風口11a2(図17(b)参照)とが形成されている。
ここで、凝縮器11の凝縮水排出孔11c1から排出される凝縮水は、水タンク13の集水孔13b1(図6参照)または水タンク13の水タンク蓋13bに滴下され、水タンク13の集水孔13b1を通じて水タンク13内に貯留される。
凝縮器11は、図18に示すように、凝縮上部材11aと、凝縮上部材11aに連結される4つの同一形状の凝縮中部材11bと、凝縮中部材11bと連結される凝縮下部材11cと、側部の凝縮保持部材11d,11e(図17参照)とで構成されている。
図17,図18に示す凝縮上部材11aは、例えば、ポリプロピレンを用いて射出成形により成形される樹脂成形品である。
凝縮上部材11aは、デシカントロータ9の水分を気化し該気化した水分を含んだ温風が通流する凝縮前室11a3と凝縮後の空気が通流する凝縮後室11a4とに画成されている。
そして、凝縮上部材11aは、デシカントロータ9の水分を気化し該気化した水分を含んだ温風が流入する温風流入口11a1(図17(b)参照)が凝縮前室11a3に開口され、また、凝縮後の空気がファンケーシング31(図11,図12参照)に向けて排出される送風口11a2(図17(b)参照)が凝縮後室11a4に開口されている。
また、凝縮上部材11aは、前面の下部および背面の下部に、凝縮中部材11bの係止部の係止爪11b3(図18参照)が係止する被係止孔11a51を有する複数の被係止部11a5が形成されている。
図17,図18に示す凝縮中部材11bは、例えば、ポリプロピレンを用いて射出成形により成形される樹脂成形品である。
凝縮中部材11bは、内部に上下に貫通し、水分を含んだ温風が通流するための流路を有する格子状の多数の格子部11b1と、凝縮後の空気が通流する戻し流路11b2(図17参照)とに画成されている。
そして、凝縮中部材11bは、図18に示すように、前面および背面のそれぞれの上部に、凝縮器11の組み立てに際して隣接する凝縮上部材11aまたは他の凝縮中部材11bの被係止部11b4の被係止孔11b41に係止するための係止爪11b3が形成され、また、前面および背面のそれぞれの下部に、隣接する他の凝縮中部材11bまたは凝縮下部材11cの係止爪11c2が係止されるための被係止孔11b41を有する複数の被係止部11b4が形成されている。
図17,図18に示す凝縮下部材11cは、例えば、ポリプロピレンを用いて射出成形により成形される樹脂成形品である。
凝縮下部材11cは、図18に示すように、上方が開口した中空状に形成されるとともに、その底壁板は中央にいくに従い下方に傾斜して形成され、最下部に凝縮した水が排出される凝縮水排出孔11c1が開口されている。
凝縮下部材11cは、前面および背面のそれぞれの上部に、凝縮中部材11bの被係止部11b4の係止孔11b41に係止するための係止部の係止爪11c2が形成されている。
図17,図18に示す凝縮保持部材11d,11eは、それぞれ薄板の鋼板を用いて製造される横断面コ字状の長尺部品であり、凝縮上部材11a,複数の凝縮中部材11b、および凝縮下部材11cを弾性力をもって内部に鋏み固定するように構成されている。
凝縮器11の組み立ては、以下の通りである。
図18に示すように、まず、凝縮中部材11bは、上側の係止爪11b3が上側に配置される他の凝縮中部材11bの被係止部11b4の係止孔11b41に弾性変形して係止されるとともに、下側の被係止部11b4の係止孔11b41が下側に配置される他の凝縮中部材11bの係止爪11b3に弾性変形して係止されることにより、4つの凝縮中部材11bが連結される。
そして、最上部の凝縮中部材11bの係止爪11b3を、凝縮上部材11aの被係止部11a5の被係止孔11a51に弾性変形させ係止し、凝縮上部材11aを最上部の凝縮中部材11bに連結する。
続いて、最下部の凝縮中部材11bの被係止部11b4の被係止孔11b41に、凝縮下部材11cの係止爪11c2を弾性変形させ係止し、凝縮下部材11cを最下部の凝縮中部材11bに連結する。
最後に、凝縮上部材11a,4つの凝縮中部材11b、および凝縮下部材11cの連結体の側部を、図17に示すように、左右から横断面コ字状部材の凝縮保持部材11d,11eを弾性変形させ中に挟み、凝縮器11の組み立てが完了する。
上述したように、凝縮中部材11bを同一形状に射出成形により成形し、複数の凝縮中部材11bを弾着させ連結し凝縮器11を組み立てることにより、凝縮器11を製造するための金型にかかるコストを低減できる。
また、空気が通流し凝縮させるための流路が形成される格子部11b1を有する凝縮中部材11bが射出成形により成形されるので、流路が形成される格子部11b1の肉厚が均一に形成できる。
そのため、水分を含んだ空気を凝縮する能力が安定し、凝縮性能が良好となる。
また、凝縮器11を複数の凝縮中部材11bを連結した構成にしているので、格子部11b1を短くでき、凝縮中部材11bの結合部では各格子部11b1に分かれた流れが合流する部分となっているので、この合流部によって各格子部11b1間の流れを均一化することができて熱交換効率を向上させることができる。
なお、凝縮器11における係止部の位置と被係止部の位置とを反対の位置に設けてもよいのは勿論である。
<<空気清浄機1の操作>>
図1に示す空気清浄機1における操作パネル60の操作ボタン10の押下による操作制御は、したように、制御装置E(図5参照)によって行われるものである。
空気清浄機1の上部前面の操作パネル60の電源オン・オフボタン51を押下することにより、空気清浄機1の電源をオンする。
図1に示す操作パネル60のチャイルド・ロックボタン52を押下することで、子供が操作ボタン53〜59を押下しても、操作できなくできる。
図1に示す操作パネル60の風量切替えボタン52aを押下すると、ファンモータ7の回転数を上げて空気清浄機1の風量を増加したり、ファンモータ7の回転数を下げて風量を減少できる。
操作パネル60の標準ボタン53(標準空清ボタン)を押下すると、空気清浄モードが選択され、ファンモータ7が稼働され、空気をクリアランスc(図1,図2(b)参照)を介して図2(b)の白抜き矢印α11のように、吸い込み,フィルタユニット5を通し清浄にし、清浄にされた空気が、ファンケーシング8で案内され、フラップ2tが開放された排出口2o(図1,図2(b)参照)から排出される。
図1に示す操作パネル60の強脱臭ボタン54を押下すると、空気清浄モードの強脱臭モードが選択され、臭いセンサE4で検知される臭いの感度を空気清浄モード(標準ボタン53の押下に応じた運転モード)よりも敏感にするとともに、ダストセンサE5で検知されるダストの感度を空気清浄モードよりも鈍感にし、空気の臭いに敏感に空気清浄モードを稼働させることができる。
図1に示す操作パネル60の加湿ボタン55を押下すると、空気清浄モードに加湿機能が付加され(加湿モード)、ポンプ継ぎ手ユニット21のポンプpが稼働状態になり、気化フィルタユニット15の給水トレイ18(図7(a)参照)に給水し、気化フィルタ6に給水トレイ18の水を含ませ、フィルタユニット5を通って清浄にした空気を気化フィルタ6を通流させ、加湿してフラップ2tが開放された排出口2o(図1,図2(b)参照)から排出できる。
図1に示す操作パネル60の肌保湿ボタン56を押下すると、空気清浄モードに加湿機能が付加された場合の湿度センサE3で検知される空気の湿度に敏感に加湿を行うことができる。例えば、加湿ボタン55の押下で通常、湿度50%以下の場合に空気清浄モードに加湿機能が働くが、肌保湿ボタン56の押下で湿度60%以下の場合に空気清浄モードに加湿機能を働かせる。つまり、肌保湿モードでは、加湿モードに対して2割程度設定湿度を上げる。よって、肌保湿モードでは、加湿モードに比較して、室内を高い湿度(例えば、60%)に保持できる。
図1に示す操作パネル60の除湿ボタン57を押下すると、空気清浄モードに除湿機能が付加された除湿モードが選択される。
除湿モードは、除湿ユニットのデシカントロータ9が図11の矢印β11のように稼働するとともに、ファンケーシング31(図11,図12参照)内の除湿ファン(図示せず)が稼働し、ヒータケース34(図11,図12参照))に覆われるヒータ33に通電され、図2(b)の白抜き矢印α11のように、フィルタユニット5を通って清浄にした空気をデシカントロータ9で水分を吸い取り除湿を行い、フラップ2tが開放された排出口2o(図1,図2(b)参照)から排出できる。
図1に示す操作パネル60の結露セーブボタン58を押下すると、空気清浄モードの加湿機能が付加された状態から、所定の湿度、例えば、湿度センサE3で検知される空気の湿度が50%に上がった場合、空気清浄モードまたは空気清浄モードに除湿機能が付加された除湿モードに運転を切り替え、室内の露付きを抑制できる。
図1に示す操作パネル60の衣類乾燥ボタン59を押下すると、除湿モードにおいて、図2(b)に示すファンモータ7の回転速度を上昇し、フラップ2tが開放された排出口2o(図1,図2(b)参照)からの風量を上昇させるとともに、フラップ2tを小さい角度から大きな角度に往復回転動作させ、フラップ2tの挙動により、つまり風向を変えながら、干された衣類全体に風を送り、衣類の乾燥を行うことができる。例えば、風量は、ターボを除いて最も風量の多い強風量とする。
さらに、臭いセンサE4やダストセンサE5を備えているので、衣類乾燥中及び運転後の臭気の変化あるいは塵埃濃度の変化を検出することにより、風量及び風向を変化させることで室内の臭いや塵埃を除去することができる。
空気清浄機1の運転を停止する場合には、電源オン・オフボタン51を押下して、空気清浄機1の電源をオフする。
なお、したように、ヒータ33を使用するモードは、一度、電源オン・オフボタン51を押下し電源をオフし一時停止または停止した後でないと移行しない構成であるか、或いは、ヒータ33を使用するモードは他のヒータ33を使用しないモードより操作ボタン50の押下時間を、発振子E8(図5参照)から取得される時間を用いて長く設定し、容易にヒータ33を使用するモードに移行しないように制限し、信頼性を高めている。
図1に示すように、空気清浄機1の操作パネル60上に操作ボタン50を除湿モードのグループ,加湿モードのグループ等、大まかなモードの種類のグループ別に配置すると共に異なる色に配色し、各モードをダイレクトに選択できるように操作ボタン50を配置している。例えば、標準ボタン53,強脱臭ボタン54,加湿ボタン55,肌保湿ボタン56を加湿モードのグループとして近接して配置し、ボタン自体を緑に着色し、除湿ボタン57,結露セーブボタン58,衣類乾燥ボタン59を除湿モードのグループとして近接して配置し、ボタン自体をオレンジに着色する。
そのため、ユーザは、空気清浄機1の各モードを選び易いという効果がある。また、各モードをダイレクトに選択できるので、各モードに適切な風量やフラップによる風向が、予め設定済であるので多くの場合ユーザは、各モードの選択のみですむ効果がある。また、各モードをダイレクトに選択できるので、モード選択ボタンを連続して押下してモード切り替えを行う方式と比較して、各モードボタンや風量ボタンの操作回数が少なくなるので、ボタン部部品の長寿命化が図れる効果がある。また、各モードをダイレクトに選択でき、除湿モードのグループつまり、ヒータ33を使用するモードを選択するグループの操作ボタン50の色を、ヒータ33を使用しないモードの色とを異なる色とすることで意図せぬヒータの作動などの誤操作を防止できる効果がある。また、各モードをダイレクトに選択できるので、ユーザが意図したモードと空気清浄機の運転モードが異なり、意図せぬヒータの作動などの誤操作を防止できる効果がある。
<<効果>>
上記構成によれば、取扱性が良好であるとともに、強度が高く低コストであるとともに信頼性が高い空気清浄機1を得られる。