JP5380191B2 - インク吐出不良検査方法及びその装置 - Google Patents

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本発明は、例えばインクジェットプリンタに適用され、シェーディングによる誤検出を防止するインク吐出不良検査方法及びその装置に関する。
一般に、インクジェットプリンタとして知られる画像記録装置は、微小なインク滴を吐出する多数のノズルが配置された記録ヘッドを搭載している。これらノズルの吐出口の径は微小である。このため、ノズル面に付着したインクの塊や紙粉等の異物によりノズルが完全に目詰まりされたことによるインクの不吐出が発生したり、ノズルの一部が塞がれることによるインクの吐出の飛行路に曲がりが発生したりする等のインク吐出不良が起こる。この様なインク吐出不良は、記録媒体に記録される画像上に白スジ等として現れる。
インク吐出不良を検出するための技術は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1は、検査を行うための画像記録装置に対してインク吐出不良検査装置を備え、先ず、画像記録装置により記録媒体に検査パターンを記録し、次にインク吐出不良検査装置により記録媒体に記録された検査パターンを光学的に撮像して撮像電子画像データを得、この撮像電子画像データと検査パターンの基準電子画像データとを照合し、構成画素毎に減算処理を行い差分画像データを生成し、この生成された差分画像データに関し、画像記録装置のノズル列に対して垂直な方向に濃度を積算し、この積算により得られた積算値と所定の閾値とを比較し、その大小によりインク吐出不良を判定することを開示する。
特開2008−221625号公報
しかしながら、特許文献1では、インク吐出不良検査装置によって記録媒体に記録された検査パターンを光学的に撮像して電子画像データを得る過程で、シェーディングを発生する場合がある。このシェーディングの発生する原因としては、例えば撮像素子の感度の不均一性や撮像系の周辺減光等が挙げられる。
シェーディングが発生した場合、電子画像データ上におけるシェーディングの発生した部分の画素の濃度は、シェーディングの影響を受けていない実画像の画素の濃度に比べて増減する。
インク吐出の不良を検査する場合、当該インク吐出の不良の判定基準を用いる。このインク吐出不良の判定基準としては、例えば電子画像データ中における検査対象の画素の濃度と基準画像データの画素の濃度との差分、或いは対象画素の濃度と当該対象画素に隣接する画素の濃度との差分を用いる。
このようなインク吐出不良の判定基準を用いてインク吐出の不良を検査する場合、例えば、シェーディングの影響を受けた電子画像データの画素の濃度が実画像の濃度と比べて減少していると、インク吐出不良が発生していないにも拘わらず、インク吐出不良として誤検出することがある。
しかるに、インク吐出不良検査工程において、インク吐出不良を検出すると、当該インク吐出不良として検出された画像記録装置の記録ヘッドに対する再検査を行うことになる。このようなインク吐出不良の誤検出が多発すると、本来やらなくても良い再検査の回数が増え、これに伴って再検査に要する時間的な負荷が増加する。
さらに、本来インク吐出不良が生じていない良品の記録ヘッドをインク吐出不良が発
生している不良品ヘッドと誤認してしまうので、良品の記録ヘッドを不良品ヘッドとして交換してしまう場合もある。このような場合、再検査による時間的負荷に加えて、新しい良品の記録ヘッドへの交換に要するコストの損失が発生する。
そこで本発明は、シェーディングによる誤検出を防止したインク吐出不良検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の主要な局面に係るインクジェットヘッドの濃度ムラ判定方法は、記録ヘッドに設けられているノズル群からインクを吐出し、当該インクをベタに記録する記録エリアから成る検査パターンを記録媒体に記録する記録ステップと、記録媒体に記録された検査パターンを光学的に読み取って検査パターンの画像情報を取得する読取ステップと、検査パターンの画像情報に基づいてノズル群のうち検査対象となるノズルに対応する画像情報中の注目画素の濃度を算出すると共に、注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度を算出する濃度算出ステップと、注目画素の濃度と注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度とに基づいて判定値を算出する判定値算出ステップと、シェーディングが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値と、飛行曲りが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値との間にインク吐出の良又は不良を判定する濃度閾値が設定され、当該濃度閾値と判定値とを比較し、当該比較結果からインク吐出の不良及び飛行曲りの生じている検査対象となるノズルを判定する判定ステップとを有する。
本発明の主要な局面に係るインク吐出不良検査装置は、インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドからインクを吐出することにより記録媒体上に記録されたインクによるベタの記録エリアから成る検査パターンを撮像する撮像部と、撮像部の撮像により取得された検査パターンの画像データを記憶する画像データ記憶部と、画像データ記憶部に記憶されている画像データを濃度データに変換すると共に、画像データ中の各画素毎に濃度データを算出し、検査対象となるノズルに対応する注目画素の濃度と当該注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1画素の濃度とを算出する濃度データ変換部と、注目画素の濃度と注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1画素の濃度とに基づいて判定値を算出し、シェーディングが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値と、飛行曲りが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値との間にインク吐出の良又は不良を判定する濃度閾値が設定され、当該濃度閾値と判定値とを比較し、当該比較結果からインク吐出の不良及び飛行曲りの生じている検査対象となるノズルを判定する比較演算部とを具備する。
本発明によれば、シェーディングによる誤検出を防止できるインク吐出不良検査方法及びその装置を提供できる。
本発明に係る画像記録装置を設けたインク吐出不良検査装置の第1の実施の形態を示す全体構成図。 同装置の制御系のブロック構成図。 ブラック色の記録エリアを形成する全ノズルが正常な場合の画像例と、当該場合の主走査方向位置と各画素列の濃度平均値との関係を示す図。 ブラック色の記録エリアを形成するノズルにインク吐出不良がある場合の画像例と、当該場合の主走査方向位置と各画素列の濃度平均値との関係を示す図。 シェーディングを生じ撮像した画像において特定画素列の濃度が減少した場合の画像例と、当該場合の主走査方向位置と各画素列の濃度平均値との関係を示す図。 シェーディングが発生しかつインク吐出不良なノズルが存在した場合の画像例と、当該場合の記録媒体の位置と各画素濃度値のモデルを示す図。 同装置におけるインク吐出不良検査処理全体の例を示すフローチャート。 テストパターンの一例を示す図。 テストパターンが記録された記録媒体の搬送方向と記録ヘッド及び撮像部との位置関係を示す図。 同装置における検査領域探索の手順を示すフローチャート。 同装置におけるが用いるテストパターンの例を示す図。 同装置におけるインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 同装置における注目画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 同装置における第1の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第2の実施形態に係るインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 同装置における第2の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 テストパターンが記録された記録媒体の搬送方向と記録ヘッド及び撮像部との位置関係を示す図。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第3の実施の形態におけるヘッド濃度平均値の求め方を示す図。 同装置におけるインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第4の実施の形態におけるインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 同装置におけるベタ記録エリア濃度平均値の求め方を示す図。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第5の実施の形態におけるインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第6の実施形態におけるインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 同装置における第1の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 同装置における第1の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 本発明に係るインク吐出不良検査装置の第6の実施形態における変形例のインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。 同装置における第2の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 同装置における第2の隣接画素列の濃度平均値の求め方を示す図。 本発明の第7の実施形態に係るインク吐出不良検査の手順を示すフローチャート。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態ついて図面を参照して説明する。図1は本インク吐出不良検査装置2を画像記録装置としてのラインヘッド型のインクジェットプリンタ(以下、プリンタと省略する)1を設けた全体構成図を示す。なお、本実施形態においては、図1に示す様に、ノズル列の方向を主走査方向(x方向)とし、記録媒体4の搬送方向を副走査方向(y方向)とし、x、y方向と直交する上下方向(鉛直方向)をz方向と定義する。
プリンタ1と本装置(以下、検査装置と称する)2とは、別体に設けられている。プリンタ1と検査装置2とは、プリンタ1の搬送機構6から排出されるテストパターンが記録された記録媒体4aを、検査装置2の搬送機構12に搬入するように連結されている。検査装置2は、プリンタ1に搭載されているインクを吐出する記録ヘッド3のノズル不良を検査する。
プリンタ1は、記録ヘッド3と、記録媒体供給部5と、搬送機構6と、記録媒体カセット7と、プリンタ制御部8とで構成される。
プリンタ1は2系統の記録媒体供給系を備える。一系統の記録媒体供給系として、記録媒体供給部5は、装置外部に取り付けられたトレイ(又は、カセット)を有し、このトレイに複数の記録媒体4が収納される。ピックアップローラ11は、トレイに収納されている記録媒体4を1枚ずつ順次取り出し搬送機構6に供給する。
他系統の記録媒体供給系として、記録媒体カセット7は、装置内部に設けられ、記録媒体供給部5と同様に、複数の記録媒体4を収納する。記録媒体カセット7に収納されている記録媒体4は、図示しないピックアップローラによって1枚ずつ順次取り出して搬送機構6に供給する。
搬送機構6は、例えば、少なくとも2つのプーリ17と、これらプーリ17に張力を掛けた状態で係回される搬送ベルト18とを有する。搬送ベルト18は、記録ヘッド3の下方に配設されている。この搬送ベルト18は、記録ヘッド3における複数のノズルが設けられているノズル面に対して平行に配置される。また、搬送ベルト18には、図示しない多数の小孔が設けられている。この搬送ベルト18を挟んで記録ヘッド3と対峙する位置にはファン19が設けられている。このファン19は、回転することでファン19の上方の空気を吸い込むことによって気圧を負圧にする。この負圧の発生により空気が搬送ベルト18の小孔を通過するので、記録媒体4が搬送ベルト18上に吸着される。2つのプーリ17の少なくとも一方には、図示しないモータ等の駆動源が接続されている。このモータによりプーリ17は回転し、このプーリ17の回転に応動して搬送ベルト18は、各プーリ17の間を従動する。これにより、記録媒体4は、搬送ベルト18上に吸着された状態で搬送され、記録ヘッド3の下方を通過する。
記録ヘッド3は、少なくとも4色、例えばシアン色、ブラック色、マゼンタ色、イエロー色のインクを吐出する4つの記録ヘッド、すなわちシアン色用の記録ヘッド3Cと,ブラック色用の記録ヘッド3Kと,マゼンタ色用の記録ヘッド3Mと,イエロー色用の記録ヘッド3Yとを有する。これら記録ヘッド3C,3K,3M,3Yは、搬送方向の上流側から下流側に向かってシアン色用記録ヘッド3C,ブラック色用記録ヘッド3K,マゼンタ色用記録ヘッド3M,イエロー色用記録ヘッド3Yの順に配設されている。尚、各色の記録ヘッド3C,3K,3M,3Yは、それぞれ記録媒体4の幅以上の長さを有する。
各色の記録ヘッド3C,3K,3M,3Yは、それぞれノズル面を有する。このノズル面は、上記の通り搬送ベルト18の記録媒体4を搬送する面と平行(又は、同じ間隔)かつ対向するように設けられている。これらノズル面には、それぞれインクの微小な液滴を吐出するノズルが複数ライン状に設けられている。これらノズルは、記録媒体4の搬送方向に対し垂直方向に、列状に設けられている。搬送ベルト18により搬送される記録媒体4がノズルの下方を通過する際に、ノズルは微小な液滴のインクを吐出する。この吐出により、記録媒体4に単一色画像又はカラー画像が記録される。
尚、本実施形態では、ライン型の記録ヘッド3C,3K,3M,3Yを例として記載しているが、これに限定されるものではなく、記録媒体4上を主走査方向に反復移動するシリアル型の記録ヘッドであっても良い。また、プリンタ制御部8は、画像記録を含め装置各部を制御する。
検査装置2は、搬送機構12と、記録媒体検知センサ13と、撮像部14と、画像処理及び判断部15と、表示部16と、入力部20とで構成される。搬送機構12は、プリンタ1の搬送機構6と同様の構成を有し、搬送機構12は、例えば、少なくとも2つのプーリと、これらプーリに張力を掛けた状態で係回される搬送ベルトとを有する。この搬送ベルトには、図示しない多数の小孔が設けられている。この搬送ベルトの間にはファンが設けられている。このファンは、回転することでファンの上方の空気を吸い込むことによって気圧を負圧にし、搬送ベルト上に記録媒体4を吸着される。2つのプーリの少なくとも一方には、図示しないモータ等の駆動源が接続され、このモータの駆動によりプーリが回転することにより搬送ベルトは、各プーリの間に移動する。これにより、テストパターンが記録された記録媒体4aは、搬送ベルト上に吸着された状態で搬送される。


記録媒体検知センサ13は、搬送機構12の搬入側に設けられ、テストパターンが記録された記録媒体4aの検査装置2への搬入を検出する。撮像部14は、例えばCCD又はCMOS等の個体撮像素子からなるラインセンサと例えば固定焦点の撮像光学系とを有し、テストパターンが記録された記録媒体4aのテストパターンを撮像する。この記録媒体検知センサ13は、例えば記録媒体4による遮光を検出する赤外線センサ等の非接触センサである。また、記録媒体検知センサ13は、例えば記録媒体4との接触片を有する機械式スイッチ等でも良い。
画像処理及び判断部15は、撮像部14により撮像されたテストパターンの画像信号の処理を実施し、プリンタ1の記録ヘッド3のインク吐出の良又は不良を判定する。
表示部16は、画像処理されたテストパターン画像、画像処理結果及びノズルの良又は不良等を表示する。
入力部20は、キーボードやタッチパネル等により成り、ユーザの指示を受ける。
ここで、画像処理及び判断部15と表示部16と入力部20とは、例えばパーソナルコンピュータにより成り、検査装置本体10とは別体に設けられる。尚、テストパターンが記録された記録媒体4aと記録媒体4とは、同一の媒体(例えば非コート紙)であり、単に説明上で区別するために別々の符号4、4aを用いて区別している。
本インク吐出不良検査では、シェーディング発生の影響を受けて、良好なノズルから吐き出されたインクにより記録された画素の濃度が低く(薄く)撮像されたとしても、当該画素に対応するノズルを不良と誤判定せず良好と判定する。
図2は、検査装置2の制御系のブロック構成図を示す。この制御系は、主として、画像処理及び判断部15と、表示部16と、入力部20と、搬送機構12と、記録媒体検知センサ13と、撮像部14とで構成される。このうち画像処理及び判断部15は、CPU等の処理演算回路で構成される検査装置制御部9と、テストパターン記憶部21と、画像データ記憶部22と、第1の濃度データ変換部23aと、第2の濃度データ変換部23bと、濃度演算部25と、検査対象外領域記憶部26と、比較演算部27と、検査結果記録部39とで構成される。
検査装置制御部9には、プリンタ制御部8と、搬送機構12と、記録媒体検知センサ13と、撮像部14と、表示部16と、入力部20と、テストパターン記憶部21と、検査結果記録部39とが接続されている。この検査装置制御部9は、入力部20からユーザの指示等を受け取り、表示部16に検査条件や検査結果等出力し表示させる他、搬送機構12と、記録媒体検知センサ13と、撮像部14とをそれぞれ動作制御すると共に、これら記録媒体検知センサ13と、撮像部14とからの情報を受け取る。また、検査装置制御部9は、プリンタ制御部8と、テストパターン記憶部21及び検査結果記録部39との間で情報の交換を行う。さらに、検査装置制御部9は、テストパターン記憶部21と、画像データ記憶部22と、第1の濃度データ変換部23aと、第2の濃度データ変換部23bと、濃度演算部25と、検査対象外領域記憶部26と、比較演算部27と、検査結果記録部39とを動作制御する。
テストパターン記憶部21には、予めテストパターンの情報が読み取り時間と関係付けられて記憶されている。このテストパターン記憶部21に記憶されているテストパターンの情報は、検査装置制御部9からの要求に応じて読み出される。
画像データ記憶部22は、撮像部14と、第1の濃度データ変換部23aと、第2の濃度データ変換部23bと接続しており、撮像部14で撮像し得られたテストパターンの画像データを一旦記憶する。
第1の濃度データ変換部23aは、画像データ記憶部22から読み出されたテストパターン画像データを画素ごとに濃度データに変換し、これと共に、例えばシアンC、ブラックK、マゼンタM、イエローYの色毎にベタで記録された記録エリアから当該各色毎の各画素列ごとの濃度データに分割する。そして、第1の濃度データ変換部23aは、各画素列の濃度データを画素列を形成する各ノズルの濃度特性(濃度データ)に置き換える。
第2の濃度データ変換部23bは、画像データ記憶部22から読み出されたテストパターンの画像データを濃度データに変換し、これと共に、テストパターン画像データにおける白地の記録エリアの位置データ及び白地の記録エリアの各画素の濃度データに分割する。そして、第2の濃度データ変換部23bは、各画素の濃度データを記録媒体4上における白地の記録エリアの濃度特性(濃度データ)に置き換える。
検査対象外領域記憶部26は、第2の濃度データ変換部23bにより求められた白地の記録エリアの位置データ及び白地の記録エリアの濃度特性(濃度データ)を例えばブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローY(以下、KCMYと省略する)の色毎のベタ記録エリア外の白地の記録エリアを検査対象外として記憶する。
濃度演算部25は、第1の濃度データ変換部23aにより置き換えられた画素1列の濃度データと、この1列の画素列を基準として隣接する少なくとも1列の画素列の濃度データとにより濃度の平均値を算出する。濃度演算部25は、当該濃度平均値を判定値とする。この濃度演算部25は、当該濃度平均値の算出を全画素列に対して行う。
濃度演算部25は、検査対象外領域記憶部26に記憶されている白地の記録エリアの情報に基づき、各色CKMY毎のベタ記録エリアを抽出し、それらの位置データを算出し、また、位置データから、画像データの傾き、すなわちテストパターンが記録された記録媒体4aの傾きを求める。更に、濃度演算部25は、第1の濃度データ変換部23aから入力されたベタ記録エリアの画素の情報に基づき、検査中の検査対象である注目画素列の設定を行う。更に、注目画素列の濃度及び注目画素列に隣接する画素列の濃度に基づいて判定値を算出し、算出結果を比較演算部27に出力する。
比較演算部27は、濃度演算部25により算出された判定値と予め設定された閾値とを比較し、この比較の結果、濃度データが閾値よりも低い(薄い)場合、濃度平均値を算出するときに基準にした1列の画素列に対応するノズルを異常ノズルと判定し、一方、濃度データが閾値よりも高い(濃い)場合、当該ノズルを正常ノズルと判定する。
検査結果記録部39は、比較演算部27の判定結果を記憶し、かつ検査装置制御部9からの要求に応じ当該判定結果を検査装置制御部9に出力する。すなわち、検査結果記録部39は、テストパターン毎に、比較演算部27により異常ノズルと判定された記録ヘッド3及び主走査方向(x方向)のノズルの位置を記録する。
次に、本インク吐出不良検査の原理について記録ヘッド3Kのインク吐出不良検査を例に採って説明する。
図3は記録ヘッド3Kの全ノズルが正常な場合に記憶される記録エリア28Kの画像例と、当該画像の主走査方向(X方向)における各画素列の濃度平均値とを模式的に示す。同図下部はK色のベタの記録エリア28Kの画像を示し、同図上部はシェーディングが発生していない検査装置2により取得された主走査方向(x方向)位置における各画素列の濃度平均(積算)値を示す。記録エリア28Kの画像の各画素位置と各画素列の濃度平均値とは、主走査方向(x方向)の位置が一致する。なお、画素列は、副走査方向(y方向)に一致する。濃度平均(積算)値は、副走査方向(y方向)の画素列毎に求められる。
K色のインクを吐出する全ノズルが正常であり、シェーディングが生じていないので、各画素列の濃度平均(積算)値は主走査方向(x方向)位置に関わらず一定の値である。
これに対して図4はK色の記録エリア28Kを形成するノズルに吐出不良(不吐出及び飛行曲り)を有する場合における記録エリア28Kの画像例と当該画像の主走査方向(X方向)における各画素列の濃度平均値とを示す。同図には不吐出が生じている画素列35と飛行曲りが生じている画素列36が模式的に表されている。
記録系であるプリンタ1の記録ヘッド3は、記録媒体4に、テストパターンを例えば300dpiの解像度で記録する。撮像系である検査装置2の撮像部14は、テストパターンが記録された記録媒体4aを、例えば解像度301dpi以上で撮像する。このように記録系の解像度より撮像系の解像度が高い場合、インクの滲み等のため、不良ノズルにより記録される記録媒体4上の画素列は、隣接する複数の画素列で濃度が低く(薄く)撮像される。そのため図4では、不吐出が生じている画素列35及び飛行曲りが生じている画素列36に加え、該画素列36に隣接する画素列36a、36bも、濃度が低く(薄く)現れる。
図5はK色の記録エリア28Kを形成する全ノズルが正常であるのに対し、シェーディングが発生した場合の各画素列の濃度平均値を示す。シェーディングが発生した部分に対応する画素列の濃度が減少している。
シェーディングは、撮像系の撮像素子の不均一性等により発生するため、シェーディングを生じている画素列34である1列のみ濃度値が低く撮像される。そのため図5では、シェーディングが生じている画素列34である1列のみ濃度が低く(薄く)現れる。
図6はシェーディングが発生しかつインク吐出不良なノズルが存在した場合の画像例と各画素濃度値のモデルの一例を示す。同図上部は、シェーディングを生じ、かつ吐出不良ノズルが存在する場合のテストパターン28が記録された記録媒体4aを撮像した画像のK色の記録エリア28Kの一部分を示す。同図下部は各画素濃度値の例を上部のK色の記録エリア28Kの位置と対応させて示す。画素列の濃度値34bは、シェーディングが生じている部分に対応する。画素列の濃度値35bは、インク不吐出が生じている部分に対応する。画素列の濃度値36bは、飛行曲りが生じている画素列部分に対応する。
シェーディングが生じている画素列の濃度値34bと飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bとはほぼ同等の値を示し、かつ正常画素列の濃度値に比べ低い(薄い)。また、インク不吐出が生じている画素列の濃度値35bは、シェーディングが生じている画素列の濃度値34b並びに飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bよりも低い。
この様な各画素値を示す場合、検査対象となるノズルに対応する画像情報中の注目画素列37である1列のみの濃度平均値I0を用いてインク吐出の正常又は異常を判定することを考えると、インク不吐出が生じている画素列の濃度値35bは、他の画素列の濃度値に比し著しく低い。これにより、インク不吐出が生じている画素列35を検出してインク吐出の良又は不良を判定するための濃度閾値の設定は容易である。
これに対して飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bとシェーディングが生じている画素列の濃度値34bとは拮抗しているため、両者を見分けて飛行曲りが生じている画素列36のみを検出するための濃度閾値の設定は困難である。このため、飛行曲りが生じている画素列36を形成するノズルと、シェーディングが生じている画素列34を形成するノズルとを、共に不良と判定する恐れがある。この様にプリンタ1の記録ヘッド3等の記録系ではなく、検査装置2における撮像系のシェーディングによる不具合のために、良好なノズルを「不良」と誤判定することは避けたい。
そこで不吐出が生じている画素列35及び飛行曲りが生じている画素列36に隣接する画素列の濃度値は、インクの滲み等のため正常な画素列の濃度値に比べて低い(薄い)値を示すのに対し、シェーディングが生じている画素列34に隣接する画素列の濃度値は、正常な画素列と同じ濃度値を示す点に着目し、本実施形態の検査装置2は、注目画素列37の濃度値のみならず、それに隣接する画素列の濃度値も参照し、インク吐出の良又は不良の判定を行う。
つまり、図6に示すように注目画素列37とこの注目画素列37に隣接する画素列の濃度平均値Iとの関係は、次の通りになる。「シェーディングが生じている画素列34とそれに隣接する画素列の濃度平均値」が最も大きく、次に、「飛行曲りが生じている画素列36とそれに隣接する画素列の濃度平均値」、次に、「不吐出が生じている画素列35とそれに隣接する画素列の濃度平均値」となる。
従って、「シェーディングが生じている画素列34とそれに隣接する画素列の濃度平均値」と「飛行曲りが生じている画素列36とそれに隣接する画素列の濃度平均値」との間にインク吐出の良又は不良を判定する濃度閾値を設定することで、シェーディングが発生している画素列34と、不吐出が生じている画素列35及び飛行曲りが生じている画素列36とを判別することができる。これにより、良好なノズルを「不良」と誤判定することを避ける。
次に、上記インク吐出不良検査の原理に従った本検査装置2によるインク吐出不良検査全体の動作手順について図7に示す本インク吐出不良検査処理全体の例を示すフローチャートを参照して説明する。
入力部20は、ステップS1において、ユーザのインク吐出不良検査実行の指示を受け、画像処理及び判断部15内の検査装置制御部9に、当該ユーザの指示を出力する。
次に、検査装置制御部9は、ステップS2において、入力部20から入力されたユーザの指示に基づき、テストパターン記憶部21に記憶されている複数のテストパターンの中から1つ又は1組のテストパターンを選択し、テストパターン記憶部21に当該テストパターンの情報の出力を要求する。尚、テストパターンの情報は、当該テストパターンの読み取りに要する時間の情報を含む。テストパターン記憶部21に記憶されているテストパターンの情報は、検査装置制御部9からの要求に応じてプリンタ制御部8に出力する。
次に、プリンタ制御部8は、ステップS3において、検査装置制御部9から入力された前記テストパターンの情報に基づき、当該テストパターンを記録媒体4に記録するようプリンタ1を制御する。即ち、プリンタ制御部8は、記録媒体供給部5又は記録媒体カセット7から記録媒体4を取り出し、この記録媒体4を搬送機構6に供給するための指令を発する。このとき、記録媒体4は、斜行して搬送されない様に向きを補正される。搬送機構6は、ファン19の作用により発生する負圧により記録媒体4を搬送ベルト18上に吸着し、その状態で記録ヘッド3のノズル面の下方を通過するように記録媒体4を搬送する。
記録ヘッド3は、プリンタ制御部8の制御の下、記録媒体4がノズル面の下方を通過する際に、各ノズルより各色のインクを吐出し、記録媒体4に画像を記録する。本実施形態では、記録ヘッド3のシアン色用記録ヘッド3Cと、ブラック色用記録ヘッド3Kと、マゼンタ色用記録ヘッド3Mと、イエロー色用記録ヘッド3Yとは、それぞれ全ノズルから一様にKCMY色の各インクを吐出し、これらCKMY色毎のベタ記録エリアから成るテストパターン28を記録する。
図8はテストパターン28の一例を示す。テストパターン28にはブラック色の記録エリア28Kと、シアン色の記録エリア28Cと、マゼンタ色の記録エリア28Mと、イエロー色の記録エリア28Yとが含まれる。これら色毎のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yは、記録ヘッド3の主走査方向(x方向)全ノズル列の長さに相当する幅となる。これら色毎のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yは、記録媒体4の搬送方向即ち副走査方向(y方向)に沿って先端側から後端側へ、K色、C色、M色、Y色の順に並ぶ。尚、このベタ記録エリアのKCMY色の順は任意で良い。
次に、検査装置制御部9は、ステップS4において、プリンタ1の搬送機構6から検査装置2の搬送機構12へテストパターンが記録された記録媒体4aを搬送するよう指令する。尚、当該テストパターンが記録された記録媒体4aの搬送において、プリンタ1の搬送機構6の搬送速度と、検査装置2の搬送機構12の搬送速度とは同じ速度であることが望ましい。
図9はテストパターンが記録された記録媒体4aの搬送方向とプリンタ1及び検査装置2との位置関係の概略を示す。テストパターンが記録された記録媒体4aが検査装置2に搬入されると、検査装置2内の記録媒体検知センサ13は、テストパターンが記録された記録媒体4aの先端を検知し、検査装置制御部9に、検知した旨の信号を出力する。
次に、検査装置制御部9は、ステップS5において、記録媒体検知センサ13からの信号に基づき、撮像部14に読み取り開始を指令する。撮像部14は、検査装置制御部9からの指令に基づき、テストパターンが記録された記録媒体4aの撮像を開始する。撮像部14は、図9に示すように搬送方向即ち副走査方向(y方向)に沿って、記録媒体4aの先端側から後端側へ向かってKCMY色毎のベタ記録エリア、例えばブラック色の記録エリア28K、シアン色の記録エリア28C、マゼンタ色の記録エリア28M、イエロー色の記録エリア28Yを順に撮像する。なお、撮像部14は、テストパターンの先端から終端まで全て読み取るまで撮像を行う。ただし、検査対象エリアが一部である場合は、撮像範囲を限定できる。撮像部14の画像読み取り時間は、搬送速度も考慮されており、テストパターンと関連付けられてテストパターン記憶部21に記憶されている。また、テストパターン及び読み取り時間は、検査を実施する都度設定される。撮像部14の撮像により得られた画像データ(テストパターン画像)は、検査装置制御部9の指令により画像データ記憶部22に記憶される。
次に、画像処理及び判断部15は、ステップS6において、画像データ記憶部22に記憶されたテストパターン画像における色毎のベタ記録エリア、例えばブラック色の記録エリア28K、シアン色の記録エリア28C、マゼンタ色の記録エリア28M、イエロー色の記録エリア28Yの画像上での位置を抽出する。尚、当該検査領域探索の詳細な手順については、後述する。
次に、画像処理及び判断部15は、ステップS7において、インク吐出不良検査を実施する。尚、当該インク吐出不良検査の詳細な手順についても後述する。
次に、検査装置制御部9は、ステップS8において、検査結果記録部39に対して検査日時分秒と、インク吐出不良と判断されたノズルが吐出するインクの色と、ノズルの位置の情報を含む検査結果とを出力する。検査結果記録部39は、検査装置制御部9から入力された当該検査結果を記録する。
次に、検査装置制御部9は、ステップS9において、検査結果記録部39に記憶している検査結果の出力を要求する。検査結果記録部39は、検査装置制御部9からの要求に応じ当該検査結果を検査装置制御部9に出力する。検査装置制御部9は、検査結果記録部39から入力された当該検査結果の情報を、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である表示部16に出力する。表示部16は、検査装置制御部9から入力された当該検査結果等を表示する。
次に、上記検査領域探索の詳細な手順について、図10に示す検査領域探索の詳細な手順のフローチャートを参照して説明する。
第2の濃度データ変換部23bは、ステップS10において、画像データ記憶部22に記憶されたテストパターン画像データを読出し、このテストパターン画像データを画素毎に濃度データに変換し、これと共に、例えばKCMYの色毎にベタで記録された記録エリアから当該各色毎の各画素列ごとの濃度データに分割し、各画素列の濃度データを画素列を形成する各ノズルの濃度特性(濃度データ)に置き換える。図11にテストパターンの一例を示す。
次に、第2の濃度データ変換部23bは、ステップS11において、テストパターンが記録された記録媒体4aの副走査方向(y方向)における中央、かつ主走査方向(x方向)の両端から中央に向かって、すなわち図11に示す記録媒体4の左端から右(+)側に、右端から左(−)側に)、予め設定していた所定の画素数の濃度データを用い、テストパターン画像データの白地エリア(検査対象範囲外)28Wの濃度の平均値を求める。尚、以下、改めて記述が無い場合、図11に示す主走査方向(x方向)位置の矢印が示す方向を、+方向とし、反対方向を−方向と定義する。
次に、第2の濃度データ変換部23bは、ステップS12において、取得した白地エリア28Wの濃度平均値を中心値とし、予め設定された値を用いて白地の濃度値範囲を決定する。次に、第2の濃度データ変換部23bは、白地の濃度値範囲に濃度値が含まれる画素を、白地の記録エリア28Wとし、該当する画素の位置データを求める。更に、第2の濃度データ変換部23bは、検査対象外領域記憶部26に、白地の記録エリア28Wの位置データ及び白地の記録エリア28Wの濃度平均値を出力する。
この検査対象外領域記憶部26は、第2の濃度データ変換部23bにより求められた白地の記録エリア28Wの位置データ及び白地の記録エリア28Wの濃度平均値を記憶する。
次に、濃度演算部25は、ステップS13において、検査対象外領域記憶部26から白地の記録エリア28Wの位置データ及び白地の記録エリア28Wの濃度平均値を読み取り、これら白地の記録エリア28Wの位置データ及び白地の記録エリア28Wの濃度平均値に基づいて各KCMY色毎のベタ記録エリア、すなわちブラック色の記録エリア28K、シアン色の記録エリア28C、マゼンタ色の記録エリア28M、イエロー色の記録エリア28Yを抽出する。
次に、濃度演算部25は、ステップS14において、KCMY色毎のベタ記録エリア、すなわちブラック色の記録エリア28K、シアン色の記録エリア28C、マゼンタ色の記録エリア28M、イエロー色の記録エリア28Yの位置データを算出する。
テストパターンが記録された記録媒体4aが搬送中に傾き、撮像により得られるテストパターン画像が傾く場合がある。このような場合、濃度演算部25は、ステップS15において、前記各KCMY色毎のベタ記録エリアの位置データから、テストパターン画像の傾きを求める。このテストパターン画像の傾きは、特定ノズルに対応する画素列の決定に用いる。
次に、上記インク吐出不良検査(ステップS7)の詳細な手順について図12に示すインク吐出不良検査のフローチャートに従って説明する。
ここで、主走査方向(x方向)に直交する画素の並びを列と呼び、ベタ記録エリアの左端画素列をX0、ベタ記録エリアの左端画素列からj番目の画素列をXjと定義する。また、インク吐出不良検査処理中の注目画素列をXiと表す。
濃度演算部25は、ステップA1において、上記ステップS14で求めたKCMY色毎のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの画素の位置データを用いて、画像上の主走査方向(x方向)における検査対象領域の開始位置XN(N≧1)を注目画素列37に設定する。ここで、「N」は「1」以上の任意の値を予め設定する。
次に、第1の濃度データ変換部23aは、ステップA2において、画像データ記憶部22に記憶されたテストパターン画像を読出し、画素ごとの濃度データに変換する。更に第1の濃度データ変換部23aは、各色毎の記録エリア28K、28C、28M、28Y内の各1画素列ごとの濃度データに分割する。この第1の濃度データ変換部23aは、この求めた各1画素列ごとの濃度データを濃度演算部25に送る。
この濃度演算部25は、ステップA3において、第1の濃度データ変換部23aからの各1画素列ごとの濃度データに基づき注目画素列(Xi)37の濃度平均値I0を算出する。図13は注目画素列37の濃度平均値の求め方を示す。
この濃度演算部25は、各1画素列ごとの濃度データ基づいて注目画素列に隣接する少なくとも1列である予め設定されたN列分の画素列、即ち、画素列Xi-1乃至Xi-N及びXi+1乃至Xi+N(N≧1)(以下、「第1の隣接画素列」と称する)38の濃度平均値I1を算出する。図14は第1の隣接画素列38の求め方を示す。本実施形態では、例としてN=1とする。即ち注目画素列Xiに隣接する左右1列の画素列を第1の隣接画素列38とする。
次に、濃度演算部25は、ステップA4において、注目画素列37の濃度平均値I0および第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。濃度演算部25は、算出した平均値Iを、比較演算部27に出力する。
次に、比較演算部27は、ステップA5において、濃度演算部25からの濃度平均値Iと予め設定した閾値D1以下とを比較し、濃度平均値Iが閾値D1以下であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度平均値Iが予め設定した閾値D1以下であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定し、ステップA7に移る。
一方、濃度平均値Iが予め設定した閾値D1以下でない場合、比較演算部27は、ステップA7に移る。また、比較演算部27は、当該判定結果を検査結果記録部39に出力する。この検査結果記録部39は、比較演算部27からの検査結果を記録する。この検査結果の記録動作は、上記図7に示すステップS8に該当する。
次に、濃度演算部25は、ステップA7において、iを「1」増加させて注目画素列Xiの位置を再設定する。
次に、濃度演算部25は、ステップA8において、iが検査対象のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの右端画素列の位置の値−Nよりも大きいか否か、すなわち、注目画素列Xi+Nの位置が検査対象の領域であるベタ記録エリア28K、28C、28M、28Y内か否かを判定する。
この判定の結果、iが検査対象のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの右端画素列の位置の値−Nよりも大きければ、濃度演算部25は、処理を終了する。一方、iが検査対象のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの右端画素列の位置の値−Nよりも大きくなければ、濃度演算部25は、ステップA2に移る。
尚、本実施形態及び後述の各実施形態において、改めて記述が無い場合は、各画素列の濃度平均値は濃度積算値又はそれを列数で補正した値を用いても良い。
このように上記第1の実施形態によれば、注目画素列37の濃度値のみならず、注目画素列37に隣接する画素列の濃度値も参照してインク吐出の良又は不良の判定を行うので、インク不吐出が生じている画素列35を検出してインク吐出の良又は不良を判定することができることは言うまでもなく、飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bとシェーディングが生じている画素列の濃度値34bとが拮抗していても、飛行曲りが生じている画素列36に隣接する画素列の濃度値がインクの滲み等のため正常な画素列の濃度値に比べて低い(薄い)値を示すのに対し、シェーディングが生じている画素列34に隣接する画素列の濃度値が正常な画素列と同じ濃度値を示すことを利用して判定することにより、検査装置2における撮像系のシェーディングによる不具合のために良好なノズルを不良と誤判定することなく、良好と判定できる。これにより、シェーディングが発生している画素列を無視、ここでは正常と判定することができ、誤検出を減らすことができ、本来検出したかった記録系の不具合である飛行曲がり、不吐出のみを高い精度で検出することができ、検査速度、検査時間の短縮を図ることが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明する。検査を行う環境下の照明度が変化すると、撮像により得られるテストパターン画像データの濃度値が変化する。この濃度値の変化は、同色の各ベタ記録エリア28K、28C、28M、28Y内ではそれぞれ一様である。各画素の濃度値が変化するのに伴ってシェーディングを生じている画素列の濃度値34bと、不吐出が生じている画素列の濃度値35bと、飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bとも変化する。例えば、環境下の照明度が低下すると、シェーディングを生じている画素列の濃度値34bと、不吐出が生じている画素列の濃度値35bと、飛行曲りが生じている画素列の濃度値36bとも減少する。
このため、当該濃度値の変化量に合わせてインク吐出の良又は不良の判定に用いる閾値Dを逐次再設定する必要がある。
そこで本実施形態では、この再設定を省くため、第1の隣接画素列38のさらに画像端部側に隣接する少なくとも1列の画素列の濃度平均値I2と濃度平均値Iとの差分値Id2を求め、この差分値Id2を閾値D2との比較に用いてインク吐出の良又は不良を判定する。なお、本実施形態では、差分値Id2を閾値D2と比較してインク吐出の良又は不良を判定しているが、これに限らず、割合Id2=I2/Iを用いることもできる。これ以降の実施の形態においても、改めて記述が無い限り、インク吐出の良又は不良を判定するときに割合Id2=I2/Iを用いてもよい。
図15は本実施形態に係るインク吐出不良検査の手順のフローチャートを示す。なお、上記図12に示すステップと同一ステップの説明は省略する。
本実施の形態では、上記図12に示すステップA4の後にステップB1及びステップB2を新規に追加し、ステップA5をステップB3に変更している。また、ステップA1において、iの初期値は、画像上の検査対象領域の左端部画素列位置+N+Mに変更している。
ステップA8における右端の判定は、iが画像上の検査対象領域の右端部画素列位置−N−Mよりも大きいか否かに変更している。
次に、動作を説明すると、上記第1の実施形態と同様に、濃度演算部25は、ステップA1において、初期値iを画像上の検査対象領域の左端部画素列位置+N+Mに設定する。
次に、濃度演算部25は、ステップA2乃至A4において、注目画素列37の濃度平均値I0および第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップB1において、第1の隣接画素列(Xi-1乃至Xi-N及びXi+1乃至Xi+N(N≧1))38に隣接する画素列、Xi-N-1乃至Xi-N-M及びXi+N+1乃至Xi+N+M(M≧1)(以下、「第2の隣接画素列」と称する)40の濃度平均値I2を算出する。ここで、「M」は予め「1」以上の任意の値を設定している。図16はN=1、M=3と設定した場合の第1の隣接画素列38及び第2の隣接画素列40の例を示す。すなわち、第2の隣接画素列40は、注目画素列37の両側にそれぞれ3つの画素列からなる。
次に、濃度演算部25は、ステップB2において、濃度平均値Iと第2の隣接画素列40の濃度平均値I2の差分値Id2を算出し、この差分値Id2を判定値とする。
次に、比較演算部27は、ステップB3において、ステップB2で算出した濃度差分値Id2が予め設定した閾値D2以上であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度差分値Id2が予め設定した閾値D2以上であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。
一方、濃度差分値Id2が予め設定した閾値D2以上でなければ、濃度演算部25は、ステップA7に移る。これらステップA2乃至A7を第2の隣接画素列40が検査対象領域内にある間繰り返す。
このように上記第2の実施形態によれば、注目画素列37の濃度平均値I0および第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出し、第1の隣接画素列38に隣接する例えば3つの画素列の第2の隣接画素列40の濃度平均値I2を算出し、濃度平均値Iと第2の隣接画素列40の濃度平均値I2との濃度差分値Id2を算出し、この濃度差分値Id2を判定値として閾値D2以上であるか否かを判定する。これにより、検査装置2を使用している環境下の照明度が変化したとしても、テストパターン画像の各画素の濃度値は、同色のベタ記録エリア内では一様に変化する。しかるに、例えば3つの画素列の第2の隣接画素列40の濃度平均値I2は、検査装置2を使用している環境下の照明度の影響を受けないものとなる。
従って、濃度差分値Id2をインク吐出の正常又は異常を判定する閾値D2との比較に用いれば、検査環境下の照明度が変化しても、この変化の都度に閾値を再設定する必要がない。この効果により、本実施の形態のインク吐出不良検査は、上記第1の実施形態と比べて、検査精度の向上及び閾値再設定に要する工数を削減できる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここでは、上記第1の実施形態との相違点について説明する。上記第2の実施形態では、第2の隣接画素列(Xi-N-1乃至Xi-N-M及びXi+N+1乃至Xi+N+M(M≧1))40の濃度平均値I2を算出する平均化処理を、全ての注目画素列37ごとに行うので、上記第1の実施の形態に比べ濃度平均値I2を求める計算量が増加し、演算処理の負荷が大きくなり、検査時間も長くなる。
ところで、シアン色用記録ヘッド3Cと、ブラック色用記録ヘッド3Kと、マゼンタ色用記録ヘッド3Mと、イエロー色用記録ヘッド3Yとは、実際にはそれぞれ図17に示すように複数のヘッドで構成されている。例えばシアン色用記録ヘッド3Cは、4つのヘッド、すなわち第1記録ヘッド3Ca、第2記録ヘッド3Cb、第3記録ヘッド3Cc、第4記録ヘッド3Cdを有し、これら第1乃至第4記録ヘッド3Ca〜3Cdは、長尺の長手方向がそれぞれ主走査方向(x方向)に配列されている。このうち第1と第3記録ヘッド3Ca、3Ccは、同一の副走査方向(y方向)の位置に配置されている。第2と第4記録ヘッド3Cb、3Cdは、第1と第3記録ヘッド3Ca、3Ccと異なる同一の副走査方向(y方向)の位置に配置されている。第1乃至第4記録ヘッド3Ca〜3Cdは、所謂千鳥状に配置されている。ブラック色用記録ヘッド3K、マゼンタ色用記録ヘッド3M及びイエロー色用記録ヘッド3Yも、シアン色用記録ヘッド3Cと同様に、4つのヘッドを有し、これらヘッドが所謂千鳥状に配置されている。
本実施の形態は、シアン色用記録ヘッド3Cと、ブラック色用記録ヘッド3Kと、マゼンタ色用記録ヘッド3Mと、イエロー色用記録ヘッド3Yとがそれぞれ複数のヘッドで構成される場合、前述のように全ての注目画素列37ごとに平均化処理を行って濃度平均値I2を算出する代替に、各ヘッド、例えば第1乃至第4ヘッド3Ca、3Cb、3Cc、3Cdに対応する各画素の濃度平均値を用いて、平均化処理の回数を1ヘッド当たり、すなわち第1乃至第4記録ヘッド3Ca〜3Cd当たり1回に削減する。
すなわち、本実施の形態は、注目画素列(Xi)37に対応するノズルを含む1ヘッド、例えば第1乃至第4記録ヘッド3Ca、3Cb、3Cc又は3Cdの全てのノズルにより形成される画素(以下、注目ヘッド画素列と称する)41の濃度平均値(注目ヘッド濃度平均値)I3を1ヘッド当たり1回求め、1ヘッド毎に注目ヘッド濃度平均値I3と濃度平均値Iとの差分値Id3を、インク吐出の正常又は異常の判定のための閾値D3とする。
図18は注目画素列37及び注目ヘッド画素列41の例を示す。本実施の形態は、上記の通り判定に用いる注目ヘッド画素列41の濃度平均値I3の算出を1ヘッド当たり1回に削減する。
図19はインク吐出不良検査の手順のフローチャートを示す。本実施の形態では、上記図12に示すステップA4の後に、ステップC1及びステップC2を新規に追加し、ステップA5をステップC3に変更する。
次に、動作を説明すると、上記第1の実施の形態と同様に、濃度演算部25は、ステップA1において、初期値iを画像上の検査対象領域の左端部画素列位置+Nに設定し、次の各ステップA2乃至A4において、注目画素列37の濃度平均値I0および第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップC1において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルを含む記録ヘッド、例えばシアン色用記録ヘッド3Cであれば、第1記録ヘッド3Caの全てのノズルにより形成される注目ヘッド画素列41の濃度平均値(ヘッド濃度平均値)I3を算出する。このヘッド濃度平均値I3の算出は、注目画素列(Xi)37が最初に注目ヘッド画素列41に達した時、即ち注目画素列37が注目ヘッド画素列41の中でjが最小となる画素列Xjに達した時に1回実施する。
次に、濃度演算部25は、ステップC2において、濃度平均値Iとヘッド濃度平均値I3の差分値Id3を算出する。
次に、比較演算部27は、ステップC3において、ステップC2で算出した濃度差分値Id3が予め設定した閾値D3以上であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度差分値Id3が予め設定した閾値D3以上であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。一方、濃度差分値Id3が予め設定した閾値D3以上でなければ、濃度演算部25は、ステップA7に移る。
濃度演算部25は、上記ステップA2乃至A7を第1の隣接画素列38が1つの第1記録ヘッド3Caに対応する検査対象領域内にある間繰り返す。
以下同様に、濃度演算部25は、ステップC1において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルを含む記録ヘッド、例えばシアン色用記録ヘッド3Cの第2、第3、又は第4記録ヘッド3Cb、3Cc又は3Cdの全てのノズルにより形成される注目ヘッド画素列41の濃度平均値(ヘッド濃度平均値)I3を算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップC2において、濃度平均値Iとヘッド濃度平均値I3の差分値Id3を算出する。
次に、比較演算部27は、ステップC3において、ステップC2で算出した濃度差分値Id3が予め設定した閾値D3以上であるか否かを判定する。
このように上記第3の実施の形態によれば、判定に用いるヘッド濃度平均値I3の算出を1ヘッド当たり1回に削減するので、上記第2の実施形態に比べて、特に記録ヘッドが長尺な場合、即ち検査する画素列が長い場合に検査時間を短縮し負荷を軽減できる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。ここでは、上記第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施の形態と第1実施形態の相違点は、図20に示すインク吐出不良検査の手順のフローチャートに示すように、ステップA4の後に、ステップD1、D2を新規に追加し、さらにステップA5をステップD3に変更している。
しかるに、本実施形態は、前述のヘッド濃度平均値I3の代替に、各KCMY色のベタ記録エリア、すなわちK色の記録エリア28K、C色の記録エリア28C、M色の記録エリア28M、Y色の記録エリア28Yに対応する各画素列(以下、注目ベタ記録エリア画素列と称する)42の濃度平均値(ベタ記録エリア濃度平均値)I4を1色当たり1回求め、濃度平均値I4と濃度平均値Iとの差分値Id4を判定値とする。
又、上記第3の実施形態は、ヘッド濃度平均値I3を算出する平均化処理を各ヘッド、例えばシアン色用記録ヘッド3Cであれば、第1乃至第4記録ヘッド3Ca〜3Cd毎に行う。そのため、ヘッドの数の増加に伴い演算処理の負荷が大きくなり、検査時間も長くなる。上記第3の実施形態は、判定に用いるヘッド濃度平均値I3を全てのヘッドについて算出するのに対し、本実施の形態では判定に用いるベタ記録エリア濃度平均値I4の算出を1色当たり1回に削減する。すなわち、上記第3の実施形態における第1乃至第4記録ヘッド3Ca、3Cb、3Cc又は3Cdを、シアン色用記録ヘッド3Cに対応させることに相当する。
次に、動作を説明すると、上記第1の実施形態と同様に、濃度演算部25は、ステップA1において、初期値iを画像上の検査対象領域の左端部画素列位置+Nに設定し、次に、各ステップA2乃至A4において、注目画素列37の濃度平均値I0および第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。
次に濃度演算部25は、ステップD1において、注目ベタ記録エリア画素列42の濃度平均値(ベタ記録エリア濃度平均値)I4を算出する。図21は注目画素列37及び注目ベタ記録エリア画素列42の例を示す。このベタ記録エリア濃度平均値I4の算出は、注目画素列(Xi)37が最初に注目ベタ記録エリア画素列42に達したとき、すなわち注目画素列37が注目ベタ記録エリア画素列42のうちjが最小となる画素列Xjに達した時に1回実施する。
次に濃度演算部25は、ステップD2において、濃度平均値Iとベタ記録エリア濃度平均値I4の差分値Id4を算出する。
次に、比較演算部27は、ステップD3において、ステップD2で算出した濃度差分値Id4が予め設定した閾値D4以上であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度差分値Id4が予め設定した閾値D4以上であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。一方、濃度差分値Id4が予め設定した閾値D4以上でない場合は、ステップA7に移る。これらステップA2乃至A7を第1の隣接画素列38が検査対象領域内にある間繰り返す。
このように上記第4の実施形態によれば、上記第3の実施形態よりも判定に用いるベタ記録エリア濃度平均値I4の算出を1色当たり1回に削減するので、上記第3の実施形態に比べて、特に1色当たりの記録ヘッドを複数の記録ヘッドで構成している場合に検査時間を短縮できる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
上記第1乃至4の実施の形態は、注目画素列(Xi)37を形成するノズルのインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)の判定に用いる閾値を全ての色に対して同じ値にしている。
これに対して本実施の形態は、インクの色毎にそれぞれ閾値を設定し、これら閾値を注目画素列(Xi)37を形成するノズルのインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)の判定に用いる。
本実施の形態と第1実施形態との相違点を説明すると、図22に示すインク吐出不良検査の手順のフローチャートに示すように、ステップA1の前にステップE1及びE2を追加すると共に、ステップA4の後にステップE3及びE4を新規に追加し、ステップA5をステップE5に変更する。
これらステップの追加及び変更により上記第2乃至4の実施形態における閾値Dの値をKCMY色毎に各閾値DFlag,Colorとしてそれぞれ設定すると共に、これらKCMY色毎の各閾値DFlag,Colorを用いて異常ノズルを判定する。
次に、動作を説明すると、濃度演算部25は、ステップE1において、上記図10に示すステップS14において算出した各色ベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データを取得する。
次に、濃度演算部25は、ステップE2において、上記ステップE1において取得した各色のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データに基づいて検査対象領域の色を取得し、変数colorに色を特定する値を設定する。変数colorは、例えばK色の記録エリア28K、C色の記録エリア28C、M色の記録エリア28M、Y色の記録エリア28Yの何れかを表す。濃度演算部25は、上記ステップE1において取得した各KCMY色のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データを参照することで注目画素Xiの位置から対応する色を特定して変数colorを設定する。
次に、濃度演算部25は、上記第1の実施形態と同様に、ステップA1乃至A4において、注目画素列37の濃度平均値I0及び第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップE3において、上記第2、3又は4の実施形態を表すフラグ(Flag)に応じた濃度平均値IFlagを算出する。ここで、Flagは「2」「3」又は「4」であり、当該Flagが「2」のときは上記第2の実施の形態でのステップB1(図15)により濃度平均値IFlagを算出し、Flagが「3」のときは上記第3の実施の形態でのステップC1(図19)により濃度平均値IFlagを算出し、Flagが「4」のときは上記第4の実施の形態でのステップD1(図20)により濃度平均値IFlagを算出する。なお、Flagは「2」「3」又は「4」は、予め設定されているものとする。 次に、濃度演算部25は、ステップE4において、濃度平均値Iと濃度平均値IFlagの差分値Id5を算出する。
次に、比較演算部27は、ステップE5において、上記ステップE4で算出した濃度差分値Id5が予め色毎に設定した閾値DFlag,Color以上であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度差分値Id5が予め設定した閾値DFlag,Color以上であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。一方、濃度差分値Id5が予め色毎に設定した閾値DFlag,Color以上でなければ、濃度演算部25は、ステップA7に移る。
濃度演算部25は、ステップA8において、上記同様に、iが検査対象のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの右端画素列の位置の値−Nよりも大きいか否か、すなわち、注目画素列Xi+Nの位置が検査対象の領域であるベタ記録エリア28K、28C、28M、28Y内か否かを判定し、Flagが「2」のとき第2の隣接画素列38が検査対象領域内にある間、又Flagが「3」又は「4」のとき第1の隣接画素列38が検査対象領域内にある間、上記ステップA2乃至A7を繰り返す。
このように上記第5の実施の形態によれば、インクの色毎にそれぞれ閾値DFlag,Colorを設定し、これら閾値DFlag,Colorを注目画素列(Xi)37を形成するノズルのインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)の判定に用いる、ここでは上記第2乃至4の実施の形態における閾値DFlagを色毎に設定した閾値DFlag,Colorとし判定を行うので、上記第2乃至4の実施の形態に比べて、検査精度を向上させられる。
次に、上記第5の実施の形態の変形例について説明する。本変形例は、上記第1の実施の形態における閾値D1を色毎に設定した閾値D1,Colorとし判定を行うもので、上記ステップE3及びE4を削除し、ステップE5の判定式を濃度平均値Iが予め色毎に設定した閾値D1,Color以下であるか否かとする。
次に、動作を説明すると、濃度演算部25は、ステップE1において、上記図10に示すステップS14において算出した各色ベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの位置データを取得する。
次に、濃度演算部25は、ステップE2において、上記ステップE1において取得した各色のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データに基づいて検査対象領域の色を取得し、変数colorに色を特定する値を設定する。変数colorは、例えばK色の記録エリア28K、C色の記録エリア28C、M色の記録エリア28M、Y色の記録エリア28Yの何れかを表す。濃度演算部25は、上記ステップE1において取得した各KCMY色のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データを参照することで注目画素Xiの位置から対応する色を特定して変数colorを設定する。
次に、上記第1の実施形態と同様に、濃度演算部25は、ステップA1乃至A4において、注目画素列37の濃度平均値I0及び第1の隣接画素列38の濃度平均値I1の平均値Iを算出する。
次に、比較演算部27は、ステップE5において、ステップA4で算出した濃度平均値I1が予め色毎に設定した閾値D1,Color以下であるか否かを判定する。この判定の結果、濃度平均値I1が予め色毎に設定した閾値D1,Color以下であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。一方、濃度平均値I1が予め色毎に設定した閾値D1,Color以下でなければ、濃度演算部25は、ステップA7に移る。
濃度演算部25は、第1の隣接画素列38が検査対象領域内にある間上記ステップA2乃至A7を繰り返す。
このように本変形例によれば、上記第1の実施の形態における閾値D1を色毎に設定した閾値D1,Colorとし判定を行うので、上記第1の実施の形態においてもインクの色毎にノズルのインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)の判定を行うことによって上記第1の実施の形態に比べて、検査精度を向上させられる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。ここでは、第2の実施形態との相違点に限定して説明する。
上記第1乃至5の実施の形態では、検査対象領域の両端は、注目画素列(Xi)37から除かれている。これに対して本実施の形態では、注目画素列(Xi)37を検査対象領域の両端を含む全てとする。
本実施の形態と第2実施形態の相違点は、図23に示すインク吐出不良検査の手順のフローチャートに示すように、ステップA1の前にステップF1を新規に追加し、上記第5の実施形態におけるステップE1及びE2を追加し、さらにステップA3をステップF2乃至F5に変更し、ステップB1をステップF6乃至F9に変更し、ステップB3をステップF10に変更する。
また、ステップA1において、iの初期値は、画像上の検査対象領域における例えば左端部の画素列位置に変更している。ステップA8における例えば右端の判定は、iが画像上の検査対象領域における右端部の画素列位置よりも大きいか否かに変更している。これらステップの追加及び変更により注目画素列(Xi)37を検査対象領域の両端を含む全てとする。これにより、上記第1乃至第5の実施形態において各記録ヘッド3C、3K、3M、3Yから記録されたそれぞれベタ記録エリア28K、28C、28M、28Y内の両端画素も検査する。
次に、動作を説明すると、濃度演算部25は、ステップF1において、上記図10に示すステップS12で算出された白地の記録エリア28Wの位置データ、すなわち、検査対象外領域記憶部26に記憶されている記録媒体4aの白地の記録エリア28Wの位置データを取得する。
次に、濃度演算部25は、ステップE1において、上記図10に示すステップS14において算出された各色ベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの位置データを取得する。
次に、濃度演算部25は、ステップE2において、上記ステップE1において取得した各色のベタ記録エリア28K、28C、28M、28Yの各位置データに基づいて検査対象領域の色を取得し、変数colorに色を特定する値を設定する。
次に、濃度演算部25は、ステップA1において初期値iを画像上の検査対象領域の左端部画素列位置に設定する。
次に、濃度演算部25は、ステップA2において、注目画素列37の濃度平均値I0を算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップF2において、上記ステップF1で取得した白地の記録エリア28Wの位置データを用いて、第1の隣接画素列(Xi-1乃至Xi-N及びXi+1乃至Xi+N:N≧1)38の一部に白地の記録エリア28Wが含まれているか否かを判定する。ここで、第1の隣接画素列(Xi-1乃至Xi-N及びXi+1乃至Xi+N)38のうち図面上左側の(Xi-1乃至Xi-N)を左側の第1の隣接画素列38Lとし、図面上右側の(Xi+N乃至Xi+N)を右側の第1の隣接画素列38Rとする。
上記判定の結果、左側の第1の隣接画素列(Xi-1乃至Xi-N)38Lに白地の記録エリア28Wが含まれている場合は、フラグ(以下、第2のFlagと称する)をleft(第2のFlag=left)に設定する。
右側の第1の隣接画素列(Xi+N乃至Xi+N)38Rに白地の記録エリア28Wが含まれている場合は、第2のFlagをright(第2のFlag=right)に設定する。
第1の隣接画素列(Xi-1乃至Xi-N及びXi+1乃至Xi+N)38に白地の記録エリア28Wが含まれていない場合は、第2のFlagをnull(第2のFlag=null)に設定する。
次に、第2のFlag=leftの場合、濃度演算部25は、ステップF3において、図24に示すように、右側の第1の隣接画素列(画素列Xi+1乃至Xi+N)38Rの濃度平均値I1,第2のFlagを算出する。
第2のFlag=nullの場合、濃度演算部25は、ステップF4において、第1の隣接画素列(画素列Xi-N乃至Xi-N及びXi+N乃至Xi+N)38の濃度平均値I1,第2のFlagを算出する。
第2のFlag=rightの場合、濃度演算部25は、ステップF5において、図25に示すように、左側の第1の隣接画素列(画素列Xi-N乃至Xi-N)38Lの濃度平均値I1,第2のFlagを算出する。尚、I1,第2のFlagは、図15で説明する第2の実施形態におけるI1に相当する。
次に、濃度演算部25は、ステップA4において、上記第2の実施形態と同様に、注目画素列37の濃度平均値I0と、上記ステップF3、F4又はF5で求めた濃度平均値I1,第2のFlagとの平均値Iを算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップF6において、ステップF2において設定された第2のFlagを判定する。この判定の結果、第2のFlag=leftであれば、濃度演算部25は、ステップF7において、図26に示すように右側の第2の隣接画素列40R(画素列Xi+N+1乃至Xi+N+M)の濃度平均値I2,edge2を算出する。
第2のFlag=nullであれば、濃度演算部25は、ステップF8において、第2の隣接画素列40(画素列Xi-N-1乃至Xi-N-M及びXi+N+1乃至Xi+N+M)の濃度平均値I2,edge2を算出する。
第2のFlag=rightであれば、濃度演算部25は、ステップF9において、図27に示すように左側の第2の隣接画素列40L(画素列Xi+N+1乃至Xi+N+M)の濃度平均値I2,edge2を算出する。尚、I2,第2のFlagは、上記図15で説明する第2の実施形態におけるI2に相当する。
次に、濃度演算部25は、ステップB2において、第2の実施形態と同様に、ステップA4で算出した濃度平均値Iと、上記ステップF7、F8又はF9で求めた濃度平均値I2, 第2のFlagとの差分値Id6を算出する。
次に、比較演算部27は、ステップF10において、上記第5の実施形態と同様に、ステップB2で算出した差分値Id6が予め色毎に設定した閾値D2,Color以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、差分値Id6が予め色(KCMY)毎に設定した閾値D2,Color以上であれば、比較演算部27は、ステップA6において、注目画素列(Xi)37を形成するノズルをインク吐出不良(不吐出あるいは飛行曲り)と判定する。一方、差分値Id6が予め色毎に設定した閾値D2,Color以上でなければ、濃度演算部25は、ステップA7に移る。
濃度演算部25は、上記ステップA2乃至A7を、注目画素列(Xi)37が検査対象領域内にある間繰り返す。
このように上記第6の実施の形態によれば、注目画素列(Xi)37を検査対象領域の両端を含む全てとするので、各記録ヘッド3C、3K、3M、3Yから記録されたそれぞれベタ記録エリア28K、28C、28M、28Y内の両端画素を検査することができ、上記第1乃至第5の実施の形態に比べて検査精度を向上できる。
次に、上記第6の実施の形態の変形例について説明する。なお、図23と同一部分には同一のステップを用い、その詳しい説明は省略する。本変形例と上記第6の実施の形態との相違点は、図28のインク吐出不良検査の手順のフローチャートに示すように、上記図23に示すステップF6乃至F10を上記第5の実施の形態におけるステップE3乃至E5(図22)に変更した点である。
すなわち、濃度演算部25は、ステップE3において、上記第2、3又は4の実施形態を表すフラグ(Flag)に応じた濃度平均値IFlagを算出する。
次に、濃度演算部25は、ステップE4において、濃度平均値Iと濃度平均値IFlagの差分値Id5を算出する。次に、比較演算部27は、ステップE5において、上記ステップE4で算出した濃度差分値Id5が予め色(CKMY)毎に設定した閾値DFlag,Color(CKMY)以上であるか否かを判定する。
以上の変更により、上記第3又は4の実施形態と同様に、判定に用いるヘッド濃度平均値I3の算出を1ヘッド当たり1回に削減したり、ベタ記録エリア濃度平均値I4の算出を1色当たり1回に削減したりできる上に、各記録ヘッドにより記録された各色のベタ記録エリアの両端画素も検査できる。ベタ記録エリアの両端画素も検査するので、上記第3又は4の実施形態と比較して検査精度を向上できる。
尚、勿論、上記第6の実施形態における閾値D2,Colorも、上記変形例の閾値DFlag,Colorも、色毎に異ならず、いずれの色の判定にも同じ閾値DFlagを用いても良い。
また、本実施形態では、右側又は左側の第1又は第2の隣接画素列に白地の記録エリア28Wが含まれている場合、当該右側又は左側の第1又は第2の隣接画素列を除いて値I1,第2のFlag又は値I2, 第2のFlagを算出しているが、白地の記録エリア28Wに含まれている画素列のみを除いてそれらを算出しても良い。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。ここでは、上記第1の実施形態との相違点に限定して説明する。
図29はインク吐出不良検査の手順の例を示すフローチャートを示す。本実施の形態では、上記図12を参照して説明する第1の実施形態のステップA2の後手順にステップG1を新規に追加している。
濃度演算部25は、ステップA2において、注目画素列37の濃度平均値I0を算出した直後のステップG1において、濃度平均値I0が予め設定した閾値D7以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、濃度平均値I0が予め設定した閾値D7以下でなければ、濃度演算部25は、注目画素列(Xi)37を形成するノズルを、異常とせず、ステップA7に移る。一方、濃度平均値I0が予め設定した閾値D7以下である場合は、濃度演算部25は、注目画素列(Xi)37を形成するノズルが異常ノズルである可能性があるとして、次のステップに移り、以後第1の実施形態と同様に処理を実施する。尚、ステップG1より後手順は、第2乃至第6の実施の形態と同様であっても良い。
この追加により、上記第1乃至第6の実施形態において注目画素列(Xi)37の濃度平均値が算出された時点で異常ノズルであるか否かの第1段階の判定を行い(ステップG1)、当該判定で異常ではないと判定された場合には、以降の処理を省略し、第1乃至第6実施形態に比し検査時間を短縮する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…プリンタ、2…検査装置、3…記録ヘッド、3C…記録ヘッド(シアン色)、3K…記録ヘッド(ブラック色)、3M…記録ヘッド(マゼンタ色)、3Y…記録ヘッド(イエロー色)、4…記録媒体、4a…テストパターンが記録された記録媒体、5…記録媒体供給部、6…搬送機構、7…記録媒体カセット、8…プリンタ制御部、9…検査装置制御部、10…検査装置本体、11…ピックアップローラ、12…搬送機構、13…記録媒体検知センサ、14…撮像部、15…画像処理及び判断部、16…表示部、17…プーリ、18…搬送ベルト、19…ファン、20…入力部、21…テストパターン記憶部、22…画像データ記憶部、23a…第1の濃度データ変換部、23b…第2の濃度データ変換部、25…濃度演算部、26…検査対象外領域記憶部、27…比較演算部、28…テストパターン、28K…ブラック色の記録エリア、28C…シアン色の記録エリア、28M…マゼンタ色の記録エリア、28Y…イエロー色の記録エリア、28W…白地の記録エリア、34…シェーディングが生じている画素列、34b…シェーディングが生じている画素列の濃度値、35…不吐出が生じている画素列、35b…不吐出が生じている画素列の濃度値、36…飛行曲りが生じている画素列、36b…飛行曲りが生じている画素列の濃度値、37…注目画素列、38…第1の隣接画素列、38L…左側の第1の隣接画素列、38R…右側の第1の隣接画素列、39…検査結果記録部、40…第2の隣接画素列、40L…左側の第2の隣接画素列、40R…右側の第2の隣接画素列、41…注目ヘッド画素列、42…注目ベタ記録エリア画素列。

Claims (4)

  1. 記録ヘッドに設けられているノズル群からインクを吐出し、当該インクをベタに記録する記録エリアから成る検査パターンを記録媒体に記録する記録ステップと、
    前記記録媒体に記録された前記検査パターンを光学的に読み取って前記検査パターンの画像情報を取得する読取ステップと、
    前記検査パターンの前記画像情報に基づいて前記ノズル群のうち検査対象となるノズルに対応する前記画像情報中の注目画素の濃度を算出すると共に、前記注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度を算出する濃度算出ステップと、
    前記注目画素の濃度と前記注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度とに基づいて判定値を算出する判定値算出ステップと、
    シェーディングが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値と、飛行曲りが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値との間にインク吐出の良又は不良を判定する濃度閾値が設定され、当該濃度閾値と前記判定値とを比較し、当該比較結果から前記インク吐出の不良及び前記飛行曲りの生じている前記検査対象となるノズルを判定する判定ステップと、
    を有することを特徴とするインク吐出不良検査方法。
  2. 前記判定値算出ステップは、前記注目画素濃度と前記注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度との平均値を前記判定値として算出することを特徴とする請求項1に記載のインク吐出不良検査方法。
  3. 前記判定値算出ステップは、前記注目画素濃度と前記注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1つの画素の濃度との積算値を前記判定値として算出することを特徴とする請求項1に記載のインク吐出不良検査方法。
  4. インクを吐出する複数のノズルを有するインクジェットヘッドからインクを吐出することにより記録媒体上に記録された前記インクによるベタの記録エリアから成る検査パターンを撮像する撮像部と、
    前記撮像部の撮像により取得された前記検査パターンの画像データを記憶する画像データ記憶部と、
    前記画像データ記憶部に記憶されている前記画像データを濃度データに変換すると共に、前記画像データ中の各画素毎に濃度データを算出し、検査対象となる前記ノズルに対応する注目画素の濃度と当該注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1画素の濃度とを算出する濃度データ変換部と、
    前記注目画素の濃度と前記注目画素に隣接する画素を含む少なくとも1画素の濃度とに基づいて判定値を算出し、シェーディングが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値と、飛行曲りが生じている画素と当該画素に隣接する画素との濃度平均値との間にインク吐出の良又は不良を判定する濃度閾値が設定され、当該濃度閾値と前記判定値とを比較し、当該比較結果から前記インク吐出の不良及び前記飛行曲りの生じている前記検査対象となるノズルを判定する比較演算部と、
    を具備することを特徴とするインク吐出不良検査装置。
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