JP5380118B2 - 多孔質金属の取付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質金属を被固定部材上に与える方法及び多孔質金属パネル部材に関する。
金属体の中に多数の空孔(セル)部を充填していくと、一連の金属骨格だけが残存する。例えば、特許文献1では、金属骨格だけを残存させた気孔率の高いオープンセル構造を有する多孔質金属及びその製造方法が開示されている。
このようなオープンセル構造を有する多孔質金属は、液体や気体などの流体をその内部を通過させて使用されることが多い。例えば、自動車等のエンジンから排出される排気ガスを通過させてススを除去するフィルタや、工業用水を通過させてゴミを取り除く水処理用フィルタなど各種フィルタに使用され得る。また燃料電池に導入されるガスを改質するための触媒を金属骨格の表面に担持させて、ガスを通過させて改質を行う触媒担持用部材などにも用いられる。
一方、オープンセル構造を有する多孔質金属の表面近傍の形状を主として利用する方法も提案されている。例えば、特許文献2では、高速移動体などの空力音低減にオープンセル構造を有する多孔質金属を用いることが開示されている。鉄道車輌の碍子カバーや集電装置のホーン等の空力音を発生する部位に多孔質金属を取り付けて、空力音を低減している。三次元網目構造を有する多孔質金属の表面近傍の形状により、多孔質金属を取り付けた部位から剥離しようとする気流が細かく分断されて、空力音の発生原因とされる渦の発生を抑制して空力音を低減出来るのである。
ところで、鉄道車輌の碍子カバーや集電装置のホーン等の被固定部材上へ多孔質金属を取り付けるには、ボルトとナットによる方法が最も簡便である。しかしながら、多孔質金属は厚さ方向の座屈に弱く、ボルトをかしめることで座屈して、強固に固定することが難しい。また、ボルトの頭が多孔質金属の上に突出してしまうことは、特許文献2のような空力音低減のための用途において問題となり得る。また、多孔質金属を被固定部材上に接着剤で貼り付けようとしても、多孔質金属の表面に占める金属部分の相対的面積が小さいため、接着面積が小さくなってやはり強固に取り付けることは難しい。
そこで、オープンセル構造を有する多孔質金属に限定されず、一般的に、表面に占める金属部分の相対的面積が小さい多孔質金属において、被固定部材上にエポキシ樹脂のような接着樹脂を肉盛りし、これに多孔質金属を上から押圧して樹脂を多孔質金属の内部に侵入させ、硬化させる方法が考慮される。硬化した樹脂内に多孔質金属の金属部分が埋入されて、もはや樹脂から多孔質金属を脱離することはできなくなり、被固定部材上へ多孔質金属を強固に取り付けられるのである。
特開2008−56979号公報 特開2008−136332号公報
上記したような被固定部材上に接着樹脂を肉盛りして多孔質金属を固定する方法では、被固定部材と多孔質金属とのわずかな表面形状の違いや、樹脂の肉盛り厚さ及び/又はその粘度(硬さ)の局所的なばらつきなどで、多孔質金属を均一に被固定部材上に押圧することが困難となる。故に、被固定部材上に曲がって多孔質金属が取り付けられたり、強固に取り付けが出来なくなってしまう。特に、被固定部材上に取り付けられる多孔質金属の面積が大きくなると、被固定部材への多孔質金属の押圧力が相対的に大きくなって、均一に押圧することはより困難になってしまう。また、このような場合、多孔質金属及び/又は被固定部材が変形してしまうこともあり得る。更に、被固定部材が曲面を有する場合にあっては、曲面に沿って多孔質金属部材を均一に押圧することは非常に困難である。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、多孔質金属を被固定部材上に与える方法及び多孔質金属パネル部材の提供である。
多孔質金属を被固定部材を含む物体上に与える該多孔質金属の取付方法であって、前記被固定部材の表面形状を有するように前記多孔質金属からなるパネル部材を成形して成形パネルを得る成形ステップと、前記成形パネルの片方の主面から第1の樹脂をその内部に侵入させながら塗布して硬化させる第1の塗布工程と、前記第1の樹脂の上にこれと接着性を有する第2の樹脂を塗布する第2の塗布工程と、前記第2の樹脂の上に前記主面と略平行にファイバを配置し前記ファイバの上から前記第2の樹脂を塗布する第3の塗布工程と、前記第3の塗布工程を繰り返して前記第2の樹脂を硬化させて多孔質金属パネル部材を得る工程と、前記被固定部材を取り外て前記多孔質金属パネル部材を取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、大なる面積や曲面を有する多孔質金属を表面に具備する多孔質金属パネル部材を得ることが出来る。つまり、大なる面積を有する平面はもとより、曲面を有する被固定部材にあっても、被固定部材に代わって、得られた多孔質金属パネル部材を取り付ければよいから、結果として、多孔質金属を被固定部材上に強固に取り付けることとなるのである。
上記した方法において、前記第1の樹脂は少なくとも前記第2の樹脂よりも前記多孔質金属と高い接着力を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、多孔質金属と被固定部材とをより強固に取り付けることができるのである。
上記した方法において、前記多孔質金属がオープンセル構造を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、多孔質金属の中でも特に座屈強度の弱いオープンセル構造を有する多孔質金属であったとしても、被固定部材上に強固に取り付けることが出来るのである。
上記した方法において使用される前記多孔質金属パネル部材であって、前記多孔質金属からなる金属層と、前記多孔質金属及び前記第1の樹脂からなる接合層と、前記多孔質金属及び前記第1の樹脂に接着した前記第2の樹脂からなる中間層と、前記第2の樹脂及び前記金属層の主面と略平行に配置された強化ファイバからなるFRP層とからなることを特徴とする。
かかる多孔質金属パネル部材によれば、大なる面積や曲面を有する多孔質金属を必要とする被固定部材にあっても、被固定部材に代わってこれを取り付けることができる。結果として、多孔質金属を被固定部材上に強固に取り付けることとなるのである。ここで、多孔質金属を第1の樹脂から脱離させる方向に力を負荷しても、例えば、第1の樹脂の主面と略平行に延びる金属骨格(金属部分)などにより強固にピン留めされるから、多孔質金属が第1の樹脂から脱離しづらいのである。また第2の樹脂は、第1の樹脂と強固に接着されているので、結果として、多孔質金属が多孔質金属パネル部材から脱離しづらいのである。
上記した多孔質金属パネル部材において、前記中間層及び前記FRP層との間に、前記多孔質金属及び前記第1の樹脂に接着した第2の樹脂からなる中間層を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、多孔質金属部材と第1の樹脂との結合、及び、第1の樹脂と第2の樹脂の結合とにより、多孔質金属が多孔質金属パネル部材から脱離しづらいだけでなく、多孔質金属部材と第2の樹脂の結合とによっても多孔質金属が多孔質金属パネル部材から脱離しづらくなるのである。
上記した多孔質金属パネル部材において、硬化後の前記第1の樹脂は、硬化後の前記第2の樹脂よりも少なくとも伸び率において大であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、多孔質金属内の第1の樹脂は、比較的低い剛性であっても、金属骨格(金属部分)により強固にピン留めされるから、多孔質金属が多孔質金属パネル部材から脱離しづらい。その一方で、接合層における金属からなる多孔質金属と、樹脂からなる第1の樹脂との間の熱膨張率などの機械的及び/又は物理的性質の差を第1の樹脂が吸収し得て、多孔質金属が多孔質金属パネル部材からより脱離しづらくなるのである。
上記した多孔質金属パネル部材において、前記第1の樹脂は、ゲルを経て所定時間後に硬化する樹脂であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、第1の樹脂の多孔質金属への侵入深さを容易に調整できて、接合層の厚さを容易に所定の厚さに設定でき得るとともに、接合層内での多孔質金属と第1の樹脂との間の空隙を減じ得る。また、使用時においても、接合層内での多孔質金属と第1の樹脂との間の空隙を減じ得て、多孔質金属パネル部材の経年劣化を小とし得るのである。
上記した多孔質金属パネル部材において、前記ファイバはガラス繊維、カーボン繊維又はアラミド繊維のいずれかであることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、比較的安価に、剛性の高い強固な多孔質金属パネル部材を得ることができる。
本発明による多孔質金属パネル部材の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の要部の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の要部の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の要部の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の製造方法の工程図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の適用例を示す断面図である。 本発明による多孔質金属パネル部材の適用例を示す要部の断面図である。
本発明の1つの実施例である多孔質金属パネル部材40について、図1乃至図6を参照して詳細を説明する。
図1に示すように、多孔質金属パネル部材40の断面は、多孔質金属1だけからなる金属層10と、多孔質金属1及び第1の樹脂である接合層樹脂2からなる接合層20と、ファイバ3及び第2の樹脂であるFRP用樹脂4からなるFRP層30とを積層させた複層構造を有する。
図2に示すように、1つの例として、多孔質金属1は、金属体の中に多数の空孔(セル)部を充填して一連の金属骨格だけを残存させたオープンセル構造を有する多孔質金属である。互いに連通した泡状の気孔11を画定するように、金属骨格12による三次元網目骨格からなる三次元網目構造が形成されている。多孔質金属1は、その用途にもよるが、少なくとも60%以上の気孔率を有し、特に90%以上の高い気孔率である。また、多孔質金属1の金属は各種金属であり得て、例えば、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、又はこれらの金属等からなる合金、例えばステンレスなどであってもよい。多孔質金属1は、平面及び/又は曲面を組み合わせた所定形状の表面を有する平板にパネル成形されて成形パネル1aとなる。
図3に示すように、接合層20は、多孔質金属1の気孔11内に接合層樹脂2が侵入して硬化した複相構造を有する。接合層樹脂2は、乾燥により硬化する硬化性樹脂や、二液硬化性のエポキシ樹脂、また紫外線硬化性の光硬化樹脂などの各種硬化性樹脂からなる。なお、硬化した接合層樹脂2は、後述する硬化したFRP用樹脂4よりも少なくとも伸び率において大である。これによれば、多孔質金属パネル部材40の使用時において、接合層20内での多孔質金属1と接合層樹脂2との間の空隙の発生を減じ得て、多孔質金属パネル部材40の経年劣化を小さくできる。
更に、接合層樹脂2は、後述するFRP用樹脂4と同一の樹脂であっても良いが、FRP用樹脂4よりも多孔質金属1の金属骨格12の表面に対してより高い接着力を有すると好ましい。つまり、多孔質金属1及び接合層樹脂2の界面において、相互の分子同士の分子間力がより大であって、濡れ性やなじみが良く、密着性の高い状態となり易いと好ましい。また接合層樹脂2の硬化前後の変形量が小であって、多孔質金属1の金属骨格12の表面に対して高い接着力を有するのである。これによれば、多孔質金属パネル部材40の使用時において、接合層20内での多孔質金属1と接合層樹脂2との間の空隙の発生をより減じ得て、多孔質金属パネル部材40の経年劣化を更に小さくできるのである。
また、接合層樹脂2は、その硬化前にあっては適度な粘度を有するゲル状であることが好ましい。後述するように、製造工程での取り扱いが容易であって、且つ、多孔質金属1への侵入深さを容易に調整できて、接合層20の厚さを所定の厚さに設定でき得る。
かかる接合層樹脂2としては、例えば、ビニルエステル樹脂及びスチレンの混合剤と、有機過酸化物からなる硬化剤とを混合した二液混合型の樹脂を硬化させた樹脂が好ましい。
FRP層30は、接合層20及び/又は多孔質金属1による多孔質金属パネル部材40の主面と略平行になるように、不連続な長繊維からなるファイバ3をFRP用樹脂4内に埋入させた複相構造を有する。ファイバ3は、ガラス繊維、カーボン繊維や樹脂繊維などの公知の長繊維を用い得る。また、所定の厚さに加工されたガラスマットの如きを使用してもよい。FRP用樹脂4は、乾燥により硬化する樹脂や、二液硬化性のエポキシ樹脂であって、ファイバ3とのぬれ性などにより選択される。またFRP用樹脂4は、接合層樹脂2と強固に接着する樹脂である。なお、硬化前のFRP用樹脂4の粘度が低いとファイバ3にFRP用樹脂4が含浸し易くなり、好ましい。かかるファイバ3としては、例えば、比較的安価であるガラス繊維からなるガラスマット、またFRP用樹脂4としては、不飽和ポリエステルに有機過酸化物を硬化剤として混合した樹脂が好ましい。
ところで、図4に示すように、接合層20の接合層樹脂2内において、多孔質金属1の金属骨格12は環状に連続した部位を有し得る。これにより接合層樹脂2内には、例えば、接合層20及び/又は多孔質金属1によるパネルの主面と略平行な金属骨格12’を含むのである。かかる金属骨格12’は、多孔質金属パネル部材40から多孔質金属1を脱離させる方向の力Fを作用させても、接合層樹脂2内に強固にピン留めされるから、多孔質金属1が接合層20から脱離しないのである。更に、樹脂同士である接合層樹脂2とFRP用樹脂4とは強固に接着し得るから、結果として、多孔質金属1は、多孔質金属パネル部材40から脱離しづらいのである。
かかる多孔質金属パネル部材40は、大なる面積や曲面を有する多孔質金属1を表面に必要とする被固定部材に代わって取り付けることができる。これにより、結果として、多孔質金属1を被固定部材上に強固に取り付けることとなるのである。
次に、上記した本発明の1つの実施例である多孔質金属パネル部材40の製造方法について、図5に図6を併せて参照しつつ詳細を説明する。
まず、図6(a)に示すように、図では平板で表したが、被固定部材と同一の表面形状を有するように多孔質金属1を成形して成形パネル1aを得る(S1)。成形パネル1aの形状は、機械加工、例えば、曲面をローラで与えても良いし、各種曲げ加工を行っても良い。また、多孔質金属1の製造時にテンプレートとして使用されるウレタン等の発泡体の形状を所定の形状にあらかじめ加工しておき、これによって所定の形状の成形パネル1aを製造してもよい。このようにして得られた成形パネル1aの主面のうち、一方の面Aは多孔質金属パネル部材40の内部に埋め込まれる面、他方の面Bは多孔質金属パネル部材40の表面を形成する面となる(図6(c)参照)。
次に、図6(b)に示すように、成形パネル1aの主面のうち第1の樹脂である接合層樹脂2を与えられる面Aを上に向けて配置し(S2)、この面A側から、硬化後に接合層樹脂2を形成する液状又はゲル状の樹脂を気孔11(図3参照)に侵入させるよう、例えばローラ刷毛やゴムべらなどを使用して塗布する(S3、第1の塗布工程)。
ここで、硬化後に接合層樹脂2を形成する樹脂は、成形パネル1aの気孔11への侵入を容易にするべく粘度を低とするが、一方で、粘度が低すぎると連通する気孔11内を自重で通過して下方へと流動してしまい、接合層20を形成することが困難になる。よって、成形パネル1aの気孔11の平均径などに対応して適度な粘度を有するゲル状の樹脂であることが好ましい。例えば、かかる粘度は気孔11の平均径を小とした場合に低く設定され得る。硬化後に接合層樹脂2を形成する樹脂は、粘土鉱物や金属の微粉末などを加えて粘度を高くした、パテ状の樹脂であっても良い。このようにして粘度を調整しゲル状にすることで、樹脂の成形パネル1aへの侵入深さ、すなわち接合層20の厚さを容易に調節できる。かかる硬化後の接合層樹脂2は、上記したように、成形パネル1aの金属骨格12の表面と高い接着力を得られるような金属プライマと呼ばれるような樹脂であると好ましい。
さらに硬化後に接合層樹脂2を形成する樹脂を塗布した成形パネル1aを所定時間放置して、樹脂を硬化せしめる(S4)。上記したようにこの接合層樹脂2は、温度変化等による成形パネル1aの変形に容易に追従し得るように、伸び率の大なる樹脂であると好ましい。その結果、金属骨格12と接合層樹脂2との界面の接着力の経年劣化等を小とし得て、さらには、成形パネル1aと接合層樹脂2との強固な接合の経年劣化を小とし得るのである。
続いて、図6(c)に示すように、硬化後にFRP用樹脂4となる樹脂を第2の樹脂として、接合層樹脂2の表面から、すなわち、面A’(図6(b)参照)に塗布する(第2の塗布、S5)。硬化した後のFRP用樹脂4は接合層樹脂2に対して接着性を有し、接合層20と強固に接着されて一体となる。
次に、FRP用樹脂4を与えた面A’に密着して、すなわち、成形パネル1aの主面と平行にファイバ3を配置する(S6)。さらに配置したファイバ3の上から硬化してFRP用樹脂4となる樹脂をさらに塗布してこれをファイバ3内に含浸させる(第3の塗布、S7)。この際、脱泡ローラ等を使用して、硬化してFRP用樹脂4となる液状の樹脂を含浸させたファイバ3から気泡を抜くと、硬化後のFRP層30の強度をより高く保つことができて好適である。
必要に応じて、同様の手順(S6→S7)を繰り返すことにより、ファイバ3及びFRP用樹脂4からなる層を積層させることができて、FRP層30を所定の厚さ及び形状に成形できる。
ここで、硬化してFRP用樹脂4となる樹脂は、常温で所定時間放置すると硬化する樹脂であって、例えば不飽和ポリエステルに適量の有機過酸化物を硬化剤として混合し攪拌させた樹脂などである。また、ファイバ3に容易に含浸するよう、この樹脂の粘度は低いと好適である。また、ファイバ3はガラス繊維、カーボン繊維や樹脂繊維などの公知の繊維を用いるが、所定の厚さに加工されているガラスマットの如きを使用するとFRP層30の厚さを一定にし得て、面A’の形状に沿ってFRP層30を形成することができる。
最後に、成形されたFRP層30を所定時間放置して樹脂を硬化せしめてFRP層30を形成し(S8)、オープンセル構造を有する多孔質金属1からなる金属層10を表面に具備したFRPからなる多孔質金属パネル部材40を得る。
上記した製造方法によると、成形パネル1aの気孔11に接合層樹脂2が侵入して硬化しているため、成形パネル1aと接合層樹脂2との機械的な且つ強固な固着を得られる。また、FRP用樹脂4は接合層樹脂2との接着性を有し、硬化後には連続して一体となった樹脂を形成して、金属層10とFRP層30とが強固に固定された多孔質金属パネル部材40を得ることができる。さらに、かかる多孔質金属パネル部材40は、樹脂の塗布、硬化及びファイバの配置の組合せで製造され、大面積であっても、また曲面を有していても、容易に製造できる。よって、多孔質金属をその表面に必要とする被固定部材に代わってこれを取り付けて目的を容易に達成し得る。
本発明の他の実施例である多孔質金属パネル部材について、図7を参照してその詳細を説明する。
図7(a)に示すように、多孔質金属パネル部材41の断面は、多孔質金属1からなる金属層10と、多孔質金属1及び第1の樹脂である接合層樹脂2からなる接合層20と、多孔質金属及び接合層樹脂2に接着した第2の樹脂であるFRP用樹脂4からなる中間層25と、ファイバ3及びFRP用樹脂4からなるFRP層30とを積層させた複層構造を有する。本実施例において、多孔質金属パネル部材41は、図示したような曲面を有する板状体であってもよいが、平面を有する板状体であっても良い。
多孔質金属1は、中間層25のFRP用樹脂4の内部にも包摂されており、中間層25からも脱離しづらい。中間層25は、図7(a)に示すように、全体が多孔質金属1の中に侵入するように構成されても、図7(b)に示すように、一部が多孔質金属1に侵入するように構成されても、また図7(c)に示すように、多孔質金属1の表層近傍のみに侵入するように構成されてもよい。
その他については上記した実施例と同様である。かかる多孔質金属パネル部材41によれば、実施例1と同様に、大なる面積や曲面を有する多孔質金属を必要とする被固定部材に代わってこれを取り付けることができる。
なお、上記した本発明の実施例による多孔質金属パネル部材40及び41は、例えば、空力音低減部材として鉄道車輌に取り付けられる。
図8に示すように、鉄道車輌の車体55の上部に集電装置51が取り付けられている。集電装置51は上部のトロリ線53に集電舟52を接触させて車両の走行中に集電する装置である。集電装置51の周囲を取り囲むように風防カバーがフレーム54の上に取り付けられている。
風防カバーと同様の形状に作成された上記した多孔質金属パネル部材40又は41は、このフレーム54から風防カバーを取り外した上で、風防カバーと同様にリベットやボルト及びナット等によって取り付けられる。
ここで、多孔質金属は厚さ方向の座屈に弱いため、図9に示すように金属層10を取り除くように加工された座ぐり60や金属層10を圧縮形成された圧縮凹部61を用いてフレーム54にリベット64やボルト62及びナット63によって取り付けられ得る。かかる取り付けにより、リベット64やボルト62及びナット63は樹脂からなる接合層20及びFRP層30のみをフレーム54と共に挟んで固定するか、又はこれに圧縮された金属層10を加えて挟んで固定するため、金属層10の座屈を考慮する必要なしに、通常のFRPからなる風防カバーの取り付けと同様に強固に取り付けることが出来るのである。また、ボルト62やリベット64の頭を金属層10の上に突出させずに空力音低減部材50を取り付けることも可能なため、空力音の低減に適している。
このように取り付けられた空力音低減部材50の表面に与えられた金属層10の形状により、空力音低減部材50から剥離しようとする気流を細かく分断して、空力音の発生原因とされる渦の発生を抑制してこれを低減し得るのである。
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、多孔質金属は使用用途によって適宜選択し得て、表面に占める金属部分の相対的面積が小さいとされる多孔質金属においては、本発明の方法は適用され得るだろう。すなわち、当業者であれば、添付した特許請求の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 多孔質金属
1a 成形パネル
2 接合層樹脂
3 ファイバ
4 FRP用樹脂
10 金属層
11 気孔
12 金属骨格
20 接合層
25 中間層
30 FRP層
40、41 多孔質金属パネル部材
50 空力音低減部材
60 座ぐり
61 圧縮凹部

Claims (6)

  1. 多孔質金属を被固定部材を含む物体上に与える該多孔質金属の取付方法であって、
    前記被固定部材の表面形状を有するように前記多孔質金属からなるパネル部材を成形して成形パネルを得る成形ステップと、
    前記成形パネルの片方の主面から第1の樹脂をその内部に侵入させながら塗布して硬化させる第1の塗布工程と、
    前記第1の樹脂の上にこれと接着性を有する第2の樹脂を塗布する第2の塗布工程と、
    前記第2の樹脂の上に前記主面と略平行にファイバを配置し前記ファイバの上から前記第2の樹脂を塗布する第3の塗布工程と、
    前記第3の塗布工程を繰り返して前記第2の樹脂を硬化させて多孔質金属パネル部材を得る工程と、
    前記被固定部材を取り外て前記多孔質金属パネル部材を取り付ける工程と、
    を含むことを特徴とする多孔質金属の取付方法。
  2. 前記第1の樹脂は少なくとも前記第2の樹脂よりも前記多孔質金属と高い接着力を有することを特徴とする請求項1記載の多孔質金属の取付方法。
  3. 前記多孔質金属がオープンセル構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質金属の取付方法
  4. 硬化後の前記第1の樹脂は、硬化後の前記第2の樹脂よりも少なくとも伸び率において大であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の多孔質金属の取付方法
  5. 前記第1の樹脂は、ゲルを経て所定時間後に硬化する樹脂であることを特徴とする請求項乃至のうちの1つに記載の多孔質金属の取付方法
  6. 前記ファイバはガラス繊維、カーボン繊維又はアラミド繊維のいずれかであることを特徴とする請求項乃至のうちの1つに記載の多孔質金属の取付方法
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