以下に、この発明に係る被介護者情報分析支援装置の好適な実施の一形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の被介護者情報分析支援装置は、被介護者の、少なくとも睡眠、食事及び排泄に関する生活リズムを含む生活リズムの実績時刻と、前記生活リズムに対応する数値情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された、前記生活リズムの実績時刻と前記生活リズムに対応する数値情報に基づいて、前記被介護者に関する日毎の統計データを所定期間分生成し、前記記憶部に記憶された生活リズムの前記生活リズムの実績時刻と、前記生活リズムに対応する数値情報と、前記統計データとに基づいて、所望の出力装置に出力される統計処理結果画像を生成する制御部と、を備え、前記統計処理結果画像は、仮想的な第1の軸と、前記第1の軸に直交する仮想的な第2の軸を有し、前記第1の軸上には、1日の生活リズムを時系列的に表示する時系列表示領域と、前記1日分の前記生活リズムに対応する数値情報に基づく統計処理結果を表示する統計処理結果表示領域とが一連に配置された、日毎の表示領域が配置され、前記第2の軸方向に、前記日毎の表示領域が連続して隣り合い、所定日数分の統計処理結果表示領域が構成され、前記時系列表示領域は、前記第1の軸方向に時系列的に配置された、前記記憶部に記憶された睡眠、食事及び排泄に関する生活リズムの実績時刻を表す記号と、前記記憶部に記憶された睡眠に関する生活リズムに基づいて睡眠と判定される領域に表示される帯グラフとを有し、前記統計処理結果表示領域は、睡眠関連情報表示領域と、排泄関連情報表示領域と、食事関連情報表示領域とを有し、前記統計データは被介護者の総睡眠時間を含み、前記睡眠関連情報表示領域は、前記総睡眠時間を表示し、前記排泄関連情報表示領域は、前記被介護者の排泄の量と回数とを表す排泄グラフを表示し、前記食事関連情報表示領域は、前記被介護者の食事の量と回数とを表す食事グラフを表示する、という構成を具備するものである。
本実施形態の被介護者情報分析支援装置の内部構成を示すブロック図が図1に示されている。同図に示されるように、被介護者情報分析支援装置は、所謂パソコン100を主体として構成されている。パソコン100は、周知のように、制御部101と、表示部102と、記憶部103と、入力操作部104と、外部インターフェース(I/F)部105とを含んで構成される。
制御部101は、パソコン100の各部の動作を統括制御すると共に、記憶部103に格納された24時間シート作成プログラム、24時間シート作成支援プログラム又は統計処理プログラム等を実行することにより、24時間シートの作成機能、マスタ情報の管理・作成の機能、又は被介護者情報の統計情報作成機能等をソフトウェア的に実現するものである。
表示部102は、表示コントローラや表示デバイス(液晶デバイス等)にて構成され、この表示部102の表示デバイス上には、後述するように、制御部101で生成された各種の画像(後述する各種の操作用画面、24時間シート画面、聞き取りシート画面、統計グラフの表示画面等々)が適宜に映し出される。
記憶部103には、半導体ROMやRAM、さらには、HDD等の記憶装置が含まれている。記憶部103のデータ領域には、後に説明する被介護者情報の統計処理と統計マスタデータの登録処理とを少なくとも含むプログラムと、各種のマスタデータが格納されるデータベースと、後に説明するケース記録モードにて記録された被介護者情報が格納されるデータベース等が記憶される。
外部インターフェース部105は、所謂USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)端子等である。これらの端子に通信ケーブルを接続することによって、記憶部103に格納されたデータベースのみならず、外部の端末装置やサーバ装置等の記憶装置に格納されているデータベース等を参照することもできる。また、例えば、通信ケーブル等を介して、外部のプリンタ等に生成された画像データを送信し、印刷することもできる。
次に、図1の記憶部103のメモリマップの詳細が図2に示されている。同図に示されるように、記憶部103には、プログラム格納部201とデータ格納部202とが含まれている。また、プログラム格納部201には、24時間シート作成プログラムPG1と24時間シート作成支援プログラムPG2とが格納され、データ格納部202には、聞き取り項目データベースDB1と各被介護者毎の24時間シートデータDT1〜DTnとが格納されている。なお、図示しないが、プログラム格納部201には、その他、ケース記録支援プログラム及びその関連プログラム、統計処理プログラム及びその関連プログラムが格納されている。
[ソフトウェア]
次に、本発明に係る被介護者情報分析支援装置のソフトウェア構成を、図3〜図16を参照して詳細に説明する。
[全体のフロー]
コンピュータプログラムを介して実行される処理全体を示すゼネラルフローチャートが図3に示されている。同図に示されるように、処理の全体は、聞き取り処理(ステップ101)、24Hシート作成表示処理(24Hシート一覧表示含)(ステップ200)、ケース記録処理(ステップ300)、統計処理(ステップ400)及びその他のモード処理(ステップ500)から構成される。それらの処理(ステップ100〜500)は、聞き取りモード判定処理(ステップ10)、24Hシート作成表示モード判定処理(ステップ20)、ケース記録モード判定処理(ステップ30)、統計モード判定処理(ステップ40)及びその他のモード判定処理(ステップ50)を介して、ユーザ操作に応じて択一的に実行される。
[聞き取りモード]
聞き取り処理の詳細フローチャートが図4に示されている。同図において処理が開始されると、まず、利用者ID指定処理(ステップ101)が実行され、個別ケアの1単位(例えば、10名、20名など)のそれぞれに割り当てられた利用者IDの1つが指定される。
続いて、マスタ読込処理(ステップ102)を実行して、記憶部103から必要なマスタ情報を読み出した後、初期画面編集表示処理(ステップ103)を実行することによって、表示部102のスクリーン上に、日課ボタン群2と聞き取りシート1とを含む初期画面を表示する。後述するように、このとき、複数の「日課」ボタンのうちで、利用者毎に実行順序の異なる一部の日課ボタンについてはノンアクティブ表示とされ、また最初に選択される分類項目としては「本人の状況」ボタンが選択される。
しかる後、ユーザ操作を待機する状態となる(ステップ104→105NO→103→104)。この状態において、ユーザによる分類項目選択操作があると(ステップ105YES)、以後、分類項目決定処理(ステップ106)及び聞き取り項目別登録処理(ステップ107)が、当該1利用者に関する聞き取りが終了するまで繰り返し実行される(ステップ106→107→108NO→106)。
この状態において、当該利用者に関する聞き取り終了のためのユーザ操作が行われ(ステップ108YES)、さらに、次の利用者への利用者IDの更新操作が行われると(ステップ109YES)、次の利用者へと利用者IDを更新した後(ステップ110)、以上の処理(ステップ102〜110)が繰り返し実行され、その間に、全利用者に関する聞き取りが終了した旨のユーザ操作が行われると(ステップ111YES)、処理は終了する。
次に、分類項目決定処理の詳細フローチャートが図5に示されている。同図において処理が開始されると、まず、分類項目変更操作の有無が判定される(ステップ1061)。ここで、変更操作なしの場合(ステップ1601NO)、初期設定の分類項目(すなわち、「本人の状況」への決定が行われる。これに対して、変更操作ありの場合には(ステップ1601YES)、変更後の分類項目への決定処理(ステップ1063)が実行され、分類項目の内容は、「本人の状況」を除く、17個の分類項目の中から、そのときアクティブ状態にある分類項目ボタンの何れかに決定される。
このとき、決定された分類項目ボタンが、「ベッドから起きる」ボタンであると(ステップ1064YES)、「順序選択ボタン」の操作を待って(ステップ1065YES)、「日課順序選択」ウィンドウ表示処理(ステップ1066)、日課順序の選択・登録処理(ステップ1067)、及び一連の日課ボタンを選択順序でアクティブ表示する処理(ステップ1068)が順に実行され、それまでノンアクティブ状態であった「日課」ボタンについても、選択された順序に並べ替えられた上で、アクティブ表示状態に設定される。これに対して、変更後の日課が、「ベッドから起きる」でなければ(ステップ1064NO)、そのような順序選択及びアクティブ表示処理を行うことなく、処理を終了する。
次に、聞き取り項目別登録処理の詳細フローチャートが図6に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、決定済「分類項目」の読込処理が実行される(ステップ1071)。その後、決定済の「分類項目」に対応して、聞き取りシート画面編集表示処理(ステップ1072)が実行される。この聞き取りシート画面編集表示処理では、画面左側には各「聞き取り項目」が、右側には各「聞き取り内容記載欄」がそれぞれ同行で対応するようにして、聞き取りシートが表示される。
その後、ユーザ操作がある度に(ステップ1073YES)、聞き取り内容と聞き取り項目とを関連付けて記憶部に登録する処理が、所定の終了操作があるまで(ステップ1075NO)、繰り返し実行される(ステップ1074)。その結果、個々の利用者(被介護者)について、個別ケアに必要な情報を、簡易かつ確実に収集することができる。
[24Hシート作成表示モード]
次に、24Hシート作成表示処理の詳細フローチャートが図7に示されている。同図において処理が開始されると、まず、「日課」を1つ指定した後(ステップ201)、その日課の中で、さらに、「聞き取り項目」を1つ指定し(ステップ202)、「日課」と「聞き取り項目」とで特定される「聞き取り内容データ」を読み出す(ステップ203)。その後、読み出された「聞き取り内容データ」について、回答形式分析処理(ステップ204)及び連携先分析処理(ステップ205)を実行する。
次いで、回答形式が「文章形式」であれば、その文章を転記情報としてそのまま記憶する一方(ステップ208)、回答形式が「選択形式」であれば、「聞き取り内容データ」に相当する選択番号を文章に変換した後(ステップ207)、こうして得られた文章を転記情報として記憶する(ステップ208)。
しかる後、こうして得られた転記情報は、転記情報振り分け処理(ステップ209)を介して、24Hシート上の該当する記載欄へと振り分けられた後、当該指定された「日課」内の「聞き取り項目」が全て終了するまで(ステップ210NO)、「聞き取り項目」を次の1つに指定しては(ステップ212)、以上の処理(ステップ203〜209)が繰り返し実行され、「聞き取り項目」が最終となるのを待って(ステップ210YES)、「日課」を次の1つに指定しては(ステップ213)、新たな「日課」に関して、以上の処理(ステップ202〜209)が繰り返し実行される。その間に、最終の「日課」まで、転記情報の振り分け処理が完了したならば(ステップ211YES)、処理は終了する。
転記情報振り分け処理の詳細フローチャートが図8に示されている。同図において処理が開始されると、まず、連携先判定処理(ステップ2091)が実行される。ここで、連携先は、「日課」(ステップ2091a)、「意向・好み」(ステップ2091b)、または「その他」(ステップ2091c)の何れかに判定される。
ここで、「日課」と判定された場合(ステップ2091a)、当該転記情報は24Hシート上の「日課」欄へと転記される。また、「意向・好み」と判定された場合には(ステップ2091b)、当該転記情報は24Hシート上の「意向・好み」欄へと転記される。
これに対して、連携先が「その他」と判定されると(ステップ2091c)、さらに、予め設定されたバージョン情報の内容が判定される(ステップ2094)。ここで、バージョン情報が「スタンダード版」と判定されると、転記先はなしと決定され(ステップ2096)、処理はそのまま終了する。したがって、必要な転記は、ワープロ入力で行う他はない。これに対して、バージョン情報が「アップグレード版」と判定されると(ステップ2094)、さらにその内容が、「自分で出来ること」欄または「サポートが必要なこと」欄のいずれであるかの判定が行われる。ここで、判定結果が「自分で出来ること」であれば、当該転記情報は24Hシート上の「自分で出来ること」欄へと転記されるのに対し、「サポートが必要なこと」と判定された場合には、当該転記情報は24Hシート上の「サポートが必要なこと」欄へと転記される(ステップ2098)。このように、「アップグレード版」においては、介護従事者では振り分け判断が難しい「自分で出来ること」欄や「サポートが必要なこと」欄への転記についても、これを自動的に行わせることができる。
次に、連携先登録処理の詳細フローチャートが図9に示されている。この連携先登録処理は、ユーザ側で、所定のマスタアクセス許可操作を行うことによって、割り込みで実行される。すなわち、処理が開始されると、まず、画面上には聞き取りシートが表示された後(ステップ501)、ユーザの操作を待機しつつ(ステップ502)、「聞き取り内容」に関する所定の指定操作の有無を監視する状態となる(ステップ503NO)。
この状態において、「聞き取り内容」指定操作ありと判定されると(ステップ503YES)、当該「聞き取り内容」指定を記憶した後(ステップ504)、ユーザ操作を待機しつつ(ステップ505)、さらに、「連携先」指定操作の有無を監視する状態となる(ステップ506NO)。
この状態において、何らかの「連携先」指定があれば(ステップ506YES)、当該「連携先」指定を記憶した後(ステップ507)、以上を前提として、指定された「聞き取り内容」に関し、指定された「連携先」を登録する(ステップ508)。その後、所定の登録操作終了処理がユーザにより行われるまでの間(ステップ509NO)、以上の処理(ステップ501〜508)が繰り返し実行される。
[ケース記録モード]
次に、ケース記録処理の詳細フローチャートが図10に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、利用者ID指定処理(ステップ301)、マスタ読込処理(ステップ302)、及び利用者「日課」読込処理(ステップ303)を実行した後、それら読み込まれたデータに基づいて、ケース記録シートの初期画面編集表示処理(ステップ304)を実行する。この初期画面編集表示処理(ステップ304)の実行により、表示装置のスクリーン上の左側領域には24Hシートが表示され、右側領域には日々の暮らしの記録が表示され、しかも左右で同一の日課同士が同じ行同士で対応するようにして表示が行われる。
その後、ユーザ操作を待機する状態となる(ステップ305→306NO→304)。この状態において、ユーザ操作があれば(ステップ306YES)、「日々の暮らし記録」領域への書込み処理(ステップ307)及びケース記録シート画面編集処理(ステップ308)が順に実行されて、処理は終了する。
次に、「日々の暮らし記録」領域・書込み処理の詳細フローチャートが図11に示されている。同図において処理が開始されると、まず、ケース記録シートの画面編集表示処理(ステップ3071)を実行した後、ユーザの操作を待機する状態となる(ステップ3072→3073NO→3071)。
この状態において、ユーザが何らかの記録操作を行うと(ステップ3073YES)、こうして入力された入力データは、「日々の暮らし記録」領域内のカーソルで指定される位置へと書き込まれる(ステップ3074)。その後、所定の終了操作があるまで(ステップ3075NO)、以上の処理(ステップ3071〜3074)が繰り返し実行される。
次に、ケース記録シート画面編集処理の詳細フローチャートが図12に示されている。同図において処理が開始されると、まず、所定の操作待機処理の後(ステップ3081)、「日々の暮らしの記録」領域内の最初の1記録を指定する(ステップ3082)。その後、「日々の暮らしの記録」領域内の指定された1記録から実績時刻(t)を読み込む(ステップ3083)。その後、同行左側にある「24Hシート」領域内から予定時間帯の開始時刻(tn)、次の予定時間帯の開始時刻(tn+1)を読み込む(ステップ3084)。しかる後、実績時刻(t)が、開始時刻(tn)と次開始時刻(tn+1)との間に収まっているかどうかの判定を行う(ステップ3085)。ここで、実績時刻(t)が開始時刻(tn)と次開始時刻(tn+1)との間にあれば(ステップ3085YES)、当該1記録をその位置に固定する(ステップ3086)。これに対して、実績時刻(t)が開始時刻(tn)と次開始時刻(tn+1)との間からはみ出していれば(ステップ3085NO)、当該1記録を該当時間帯へ移動する処理を実行した後(ステップ3087)、元の位置を固有色の空白とする(ステップ3089a)。
以後、次の1記録を指定しては(ステップ3089)、以上の処理(ステップ3083,3084,3085,3086,3087)を繰り返しつつ、最終記録への到達と共に(ステップ3088YES)、処理は終了する。
編集処理前と編集処理後とでケース記録シートがどのように変化するかを示す説明図が図13及び図14に示されている。
いま仮に、編集処理前の状態においては、24Hシート領域上の一連の予定記録1a〜4aと日々の暮らし記録領域上の一連の記録1b〜4bとが同じ行同士で左右対照的に配置されているものと想定する。この状態において、日々の暮らし記録領域上に存在する2番目の記録2bの実績時間tは、その左側に位置する24Hシート領域上の対応する予定記録2aの開始時間t1と次開始時間t2の間から外れている(t>t2)ものと想定する。
この状態において、編集処理が実行されると、図14に示されるように、日々の暮らし記録領域上の2番目の記録2bは、該当する時間帯へと移動し、元の位置は固有色の空白とされる。ここで固有色とは、何も記載されていない場合の空白と何らかの記録が移動した結果生じた空白とを区別するためのものである。例えば、何も記載しない空白が白色でわれば、何らかの記載が移動した結果生じた空白はグレートーンとするなどである。もちろん、ここで言う固有色とは、何も記載していない当初からの空白と移動した後残された空白とを区別することができる限り、色彩のみならず、ハッチングや、梨地処理など公知の特徴表示処理を任意に採用することができる。
[統計モード]
次に、統計処理の詳細フローチャートが図15に示されている。同図において、処理が開始されると、まず、初期画面の表示処理(ステップ401)が行われた後、後述する、統計対象となる集計期間や利用者IDなどの入力処理が行われる(ステップ402)。
続いて、所定の操作待機処理(ステップ403)を行いながら、データ集計を開始するための集計ボタンの押下を待機する(ステップ404NO)。集計ボタンが押下されると(ステップ404YES)、統計対象情報の読み出し処理(ステップ405)が、統計対象情報入力処理(ステップ402)にて特定された統計対象情報をすべて読み出すまで行われる(ステップ406NO)。統計対象情報の読み出しが完了すると(ステップ406YES)、統計処理に関する統計マスタ情報の読み出しが行われる(ステップ407)。
続いて、読み出された統計対象情報と統計マスタ情報とに基づいて、統計対象情報演算処理が行われる(ステップ408)。ここで、統計マスタ情報とは統計処理を行う上でのデータの処理方法等に関する設定情報であり、具体的には後述するように、睡眠時間の算出方法の定義等に関するものを含む。従って、この演算処理によれば、例えば、特定された利用者IDを有する被介護者の就寝時間と起床時間のデータより、統計マスタによって設定された方法に従って、当該被介護者の1日の総睡眠時間等が算出されることとなる。
続いて、グラフマスタ読出処理が行われた後(ステップ409)、グラフの表示処理が行われる(ステップ410)。なお、グラフマスタは例えば、ステップ410にて表示されるグラフの色や、記号の種類等を設定するグラフに関する設定情報である。また、統計データに基づくグラフの描画処理は当業者に知られる既知の手法のいずれであってもよい。
統計対象情報入力処理(ステップ402)の詳細フローチャートが図16に示されている。統計対象情報入力処理は主に集計期間の設定処理(図16(a))と利用者IDの設定処理(図16(b))とから構成される。
まず、図16(a)を参照して、集計期間の設定処理について説明する。処理の開始後、「集計期間選択プルダウン」ボタンの押下があるまでは、操作待機状態となる(ステップ4021、ステップ4022NO)。「集計期間選択プルダウン」ボタンの押下があった場合(ステップ4022YES)、集計期間の「プルダウン表示」を行い、操作者の入力があった場合には当該選択された期間を集計期間として記憶する(ステップ4023)。ここで、プルダウン表示される集計期間としては、例えば、1週間、2週間、月間、60日間、90日間、1年若しくは任意の期間など、種々の期間を指定可能である。また、統計対象が被介護者情報であって、施設入居後の記録のみ存在する場合には、例えば、当該施設への在籍期間といった指定も可能である。
その後、再び操作待機状態に戻る(ステップ4024、ステップ4025NO)。「集計期間設定」ボタンが押下されたことを検知した場合(ステップ4025YES)、集計期間設定の補助となるカレンダーウィンドウが表示される。当該カレンダーウィンドウにおいて、特定の日付が入力された場合、当該日付からステップ4023にて設定した集計期間分までの期間が統計処理の対象期間として設定される(ステップ4026)。なお、入力補助用のカレンダー表示等を経ずに、集計期間を直接入力可能に構成してもよい。
次に、図16(b)を参照して、利用者IDの設定処理について説明する。まず、処理の開始後、個別ケアの1単位であるユニットを設定する「ユニット選択用のプルダウン」ボタンの押下があるまでは、操作待機状態となる(ステップ4027、4028NO)。「ユニット選択用のプルダウン」ボタンの押下があった場合(ステップ4028YES)、各ユニットの「プルダウン表示」を行い、選択されたユニットを統計対象ユニットとして記憶する(ステップ4029)。
その後、再び操作待機状態に戻る(ステップ4030、ステップ4031NO)。「利用者選択用のプルダウン」ボタンの押下があった場合(ステップ4031YES)、各利用者の「プルダウン表示」を行い、選択された利用者を統計対象者として記憶する(ステップ4032)。なお、ユニットの設定を経ずに、個別の利用者ID等を直接入力可能に構成してもよい。
[動作]
次に、以上のハードウェア構成及びソフトウェア構成を有する被介護者情報分析支援装置の動作を図17以下の図面を参照しながら詳細に説明する。プログラムの起動直後の初期画面が図17に示されている。同図に示されるように、この初期画面の上部には、横一列に複数のメニューボタンが配列されており、それらのメニューボタンの中に、本発明に係る「24Hシート」ボタン(図では、アクティブ状態として示す)が設けられている。
この「24Hシート」ボタンを操作すると、1つ下の階層に位置する複数の機能選択ボタンが画面左上に横1列に表示される。それらのボタンとしては、「聞き取りシート」ボタン、「24Hシート」ボタン、「24Hシート一覧表」ボタン、「ケース記録」ボタン、「ケース履歴」ボタン、「日報」ボタン、「オプション個人記録」ボタン、「排泄データ測定表」ボタンおよび「統計」ボタン等を含む。なお、図では、「ケース履歴」ボタン、「日報」ボタン、「オプション個人記録」ボタン、「排泄データ測定表」ボタンについては、図示を省略している。
[聞き取りモード]
「聞き取りシート」ボタンが操作された状態が図18及び図19に示されている。それらの図に示されるように、この状態においては、画面の大部分を占める聞き取りシート1と、この聞き取りシートの上部に沿って横2列に配置された分類項目選択ボタン群2が配置される。この例にあっては、分類項目選択ボタンとしては、「本人の状況」ボタン、「起床」ボタン、「カーテン・電気」ボタン、「ベッドから起きる」ボタン、「着替え(朝)」ボタン、「整容(朝)」ボタン、「食事(朝)」ボタン、「朝食後の行動」ボタン、「10時のおやつ」ボタン、「食事(昼)」ボタン、「昼寝」ボタン、「3時のおやつ」ボタン、「食事(夕)」ボタン、「整容(夕)」ボタン、「着替え(夕)」ボタン、「ベッドに入る」ボタン、「眠る・夜中」ボタンとされている。また、それらのボタンの左端には、「全て」と記された全項目を一連に表示させるための操作ボタンが設けられている(図4、ステップ101〜105参照)。
そして、これらのボタンの1つを押すと、そのボタンに対応する「聞き取り項目」及び「聞き取り内容」が左右に対応する形で聞き取りシート1上に表示される(図4、ステップ106,107参照)。
なお、以上説明した18個の分類項目選択ボタンは、初期状態において、アクティブ表示状態のものとノンアクティブ表示状態のものとがある。この例にあっては、図19に示されるように、「排泄」、「着替え(朝)」、「整容(朝)」、及び「食事(朝)」からなる4個のボタンのみがノンアクティブ状態であって、その他の14個のボタン(「本人の状況」、「起床」、「カーテン・電気」、「ベッドから起きる」、「10時のおやつ」、「食事(昼)」、「昼寝」、「入浴」、「3時のおやつ」、「食事(夕)」、「整容(夕)」、「着替え(夕)」、「ベッドに入る」、及び「眠る・夜中」ボタンについてはアクティブ状態とされている(図4、ステップ103参照)。
そして、分類項目選択ボタンのうちで、アクティブ状態にある14個のボタンについて、それを個別に操作した場合、図18に示されるように、画面上の聞き取りシート1上には、1若しくは2以上の「聞き取り項目」とそれに対応する聞き取り内容表示欄とが左右に対応付けられて表示される。これに対し、ノンアクティブ状態にあるボタンについては仮にそれを操作したとしても、聞き取りシートを表示させることができない。
一方、「全て」ボタンを操作した場合、図19に示されるように、聞き取りシート1上には、そのときアクティブ状態にある分類項目選択ボタンのそれぞれに対応する聞き取り項目が一連に表示され、それら各聞き取り項目の右側には聞き取り内容記載欄が表示される。
さらに、特徴的な事項であるが、この例にあっては、アクティブ状態にある「ベッドから起きる」ボタンを操作した場合、図18に示されるように、聞き取り項目表示欄の最下段には、聞き取り項目として「ベッドから起きたら、その次に何をしますか?(整容・洗濯・着替え・リビングに出る)」が表示され、その右側には「順序選択ボタン」が表示される(図5、ステップ1064,1065参照)。
そして、この順序選択ボタンが操作されると、図20及び図21に示されるように、「日課順序選択」表示ウィンドウが表示され(図5、ステップ1066参照)、このウィンドウ内には、順序と分類項目とを対応付けた対照表が表示される。この例では、分類項目としては、「排泄」、「着替え(朝)」、「整容(朝)」、及び「食事(朝)」が一連に表示され、その左側には順序表示欄が設けられる。この順序表示欄は当初空欄とされており、それぞれに算用数字をワープロ機能を利用して書き込むことによって、それら一連の分類項目の実行順序を任意に設定できるようになっている(図5、ステップ1067)。同ウィンドウにおいて、順序数字を記述した後、「確定」ボタンを操作すると、以後、順序を入れることによって選択された分類項目については、該当するボタンがアクティブ表示状態となる(図5、ステップ1068)。
この状態において、「全て」ボタンが操作されると、聞き取りシート上には、当初からアクティブ状態にある操作ボタンの他に、先ほどの選択操作によって選択されたボタンがアクティブ状態として追加される。また、聞き取りシート1上には、各分類項目ボタンに対応する聞き取り項目と聞き取り内容とが左右に対応付けられた状態にて、上下方向に一連に表示される(図19参照)。そして、オペレータは所定のスクロール操作を行うことにより、完成した又は作成中の聞き取りシート1の内容を目視確認することが可能となるのである。
このように、この実施形態によれば、24時間シート4の作成にあたって、聞き取りシート1のガイド機能(聞き取り項目表示)を利用することで、該当する聞き取り項目毎に対応する内容を被介護者から聞き取って、ワープロ機能を利用して記述、又は「はい/いいえ」で回答するだけで、初心者でも容易に被介護者から日課の聞き取り記述を行うことができ、この種の24時間シート4の作成操作を簡便なものとすることができる(図6、ステップ1071〜1075)。後に詳細に説明するように、こうして入力された「聞き取り内容」については、24時間シート4上の該当する記載欄に自動的に転記されることとなる(図7、ステップ201〜211参照)。
しかも、この実施形態においては、18個の分類項目選択ボタンの中で、被介護者のそれぞれに応じて必ずしも順序が一定とならない4個の選択ボタン(「排泄」、「着替え(朝)」、「整容(朝)」、及び「食事(朝)」ボタン)については、初期状態では、ノンアクティブ状態としてあるため(図19参照)、それらの項目については、各被介護者の生活スタイルに応じた任意の順番に並べ替えることができる(図5、ステップ1064,1065,1066,1067,1068参照)。
加えて、個々の分類項目選択ボタンの他に、「全て」ボタンを設け、聞き取りシート上において、個々の分類項目選択ボタンを個別に表示したり、あるいはその時点で全てアクティブとされた全ての項目選択ボタンに対応する聞き取り項目を一連に表示したりすることを選択的に可能としたため、ひとたび入力が完結した後にあっては、「全て」ボタンを操作することによって、一連の聞き取り項目を順に且つ容易に入力することができる一方(図19参照)、個々の分類項目について個別に設定する場合には、他の項目ボタンに関する表示を行わないことによって、無関係な項目に関する誤入力を防止できるといった作用効果を奏することもできる(図18参照)。
[24Hシート作成表示モード]
こうして聞き取りシートを用いて登録された内容事項は、図22及び図23に示されるように、「新規」ボタンを操作することによって、24時間シート4上に自動的に転記される(図7、ステップ201〜211参照)。具体的には、24時間シート上に設けられた、「日課」欄及び「意向・好み」欄に自動的に転記されることとなる。なお、「自分で出来ること」欄及び「サポートが必要なこと」については、別途ワープロ入力操作によって該当する文章を自由に記述することができるようになっている(図8、ステップ2094、2096参照)。
ここで、この実施形態で採用された24時間シートについて付言すると、図22及び図23に示されるように、24時間シートは、「時間」欄、「日課」欄、「意向・好み」欄、「自分で出来ること」欄、「サポートが必要なこと」欄、及び「医療情報」欄を有している。
そして、「時間」欄は、上下方向へ時間軸を表示するものであって、24時間軸上において、ユーザにより設定された時刻を数値表示する。また、「日課」欄は、各時間軸に対応させて、当該被介護者の実施する日課に相当する文字列が自動的に記述される。それらの文字列としては、この例にあっては、「起床」、「カーテン・電気」、「ベッドから起きる」、「整容(朝)」等々を挙げることができる。「意向・好み」欄には、先ほど説明した聞き取りシート上で設定された項目が自動的に転記される。なお、「自分で出来ること」欄、「サポートが必要なこと」欄、及び「医療情報」欄については、別途ワープロで入力された文字列を表示させることができる(スタンダード版の場合)。
図22及び図23の例では表示されていないが、「医療情報」欄に並べて、「留意点など」欄を別途設けることができる。このように「留意点など」欄及び「医療情報」欄の選択については、別途設けられたマスタテーブル上のデータ操作によってこれを自動的に出現させたり消去させたりすることができるようになっている。
さらに、図22及び図23に示されるように、画面の左上には「留意点」ボタンがあるが、この「留意点」ボタンについては、これを操作することによって、図24に示されるように、所定の入力ウィンドウ5を表示させ、この表示させたウィンドウ5内に留意点となるべき文字列を記述することによって、図28に示されるように、「サポートが必要なこと」欄の該当する箇所に、当該留意点に対応する文字列9を特徴的(例えば、特徴的な着色、ハイライト表示等々)に表示させることができる(図28参照)。
[24Hシート一覧表示モード]
次に、24時間シート一覧表6について説明する。この実施形態においては、先に説明したように、「聞き取りシート」をガイドとして、誰でも容易に、「24時間シート」上に該当する項目を記述することができる。その後、「24Hシート一覧表」ボタン(例えば、図15参照)を操作することによって、24時間シート上で作成された、日課項目を、利用者毎に一覧表示させることができる。
こうして作成された一覧表6の一例が図25に示されている。同図に示されるように、この24時間シート一覧表6においては、左右方向1列に利用者名を一連に表示すると共に、各利用者欄毎に上下方向に、当該利用者の日課を一連に表示させることができる。
従って、この24時間シート一覧表によれば、この種の個別ケアに含まれる1単位分(例えば10人又は20人)のそれぞれの日課を、一目瞭然に介護者に対して知らしめることができる。
なお、この例にあっては、各利用者に関し、一連の日課のみを表示させるようにしているが、各利用者の「意向・好み」、「自分で出来ること」、「サポートが必要なこと」を知りたい場合には、各利用者名毎にその下に設けられた「詳細」ボタンを操作することによって、図26に符号7で示されるように、それぞれの必要項目を個別に確認することもできる。従って、この実施形態によれば、多数の利用者に関する日課並びに必要事項を時間単位で確認することができる。
なお、この例にあっては、図27に示されるように、現在時刻に対応する水平方向1列のカーソル8が、時間軸方向に順次移動することによって、現時刻における各利用者の日課を一目瞭然に確認することができるという利点もある。しかも、この24時間シート一覧表6において、各時間軸の刻み幅については、別途設けられたマスタテーブル上の設定によって15分単位、30分単位、60分単位のごとく自由に決定することができるから、各事業所毎に、最適な時間幅を設定することによって、各事業所に合った管理を実現することができる。
以上説明したように、この実施形態によれば、この種の24時間シート4を作成するについて、これを所定の聞き取りシート1に基づいて誰でも容易に行うことができ、しかも作成された24時間シートに基づき、24時間シート一覧表6を表示させることで、個々の利用者における日課を時間単位で正確に確認することができる。
[アップグレード版]
次に、改良された実施形態(以下、「アップグレード版」と称する)について説明する。このアップグレード版においては、聞き取りシート1自体のユーザサイドにおける作成自由度を向上させると共に、聞き取りシート1から24Hシート4へのユーザサイドにおける連係自由度を増すことにより、使い易さをより一層向上させたものである。
すなわち、図29に示されるように、聞き取りシートの画面上において、画面右上に位置する「他」ボタンが押下されると、マスタアクセスが許可され、図9に示されるように、連携先登録処理が実行される。すると、図30に示されるように、マスタ設定用ウィンドウ12が開かれる。このウィンドウ12の上部には、横一列に、「聞き取りシート質問方式切替」ボタン、「聞き取り項目(本人の状況)」ボタン、「聞き取り項目(日課)」ボタン、「24Hシート日課」ボタンが配列されている。それらのボタンの中で、「聞き取り項目(日課)」ボタンが押下されると、図31に示されるように、別のマスタ設定用ウィンドウ13が開かれ、質問内容の作成、回答形式の設定、回答自体の作成(文章形式の場合には、聞き取りシート画面で登録。選択形式の場合には、各選択肢毎の回答文章の登録)、及び提携先日課又は提携先項目の設定が可能となる。さらに、図32に示されるように、別のウィンドウ14を開くことにより、ケース記録画面上の日課に対するデータ項目の連動を設定することも可能となる。
このように、アップグレード版においては、聞き取りシート上においてマスタ設定用ウィンドウを開くことにより、回答内容(文章形式又は選択式)と「自分で出来ること」欄や「サポートが必要なこと」欄との連携も可能としたので、図33に示されるように、聞き取りシート上に書き込まれた回答内容のうちで、「自分で出来ること」や「サポートが必要なこと」については、スタンダード版のように、ワープロ機能を利用してその都度手入力せずとも、該当する記載欄に自動的に転記されるから、24Hシート作成における使い勝手が良好なものとなる。
[ケース記録モード]
次に、図34を参照して、ケース記録シートについて説明する。同図に示されるように、ケース記録シート10は、左側に位置する「24Hシート」領域16と右側に位置する「日々の暮らしの記録」領域17とから構成される。「24Hシート」領域16には、左から順に、「時間」欄、「生活リズム」欄、「サポートの必要なこと」欄が配置されている。同様にして、左から順に、「日々の暮らしの記録」領域にも、「時間」欄、「生活リズム」欄、「データ」欄、「その時の様子」欄、「記録者」欄、及び「日報」欄が配置されている。
「24Hシート」領域16の「時間」欄、「生活リズム」欄、「サポートの必要なこと」欄のそれぞれには、該当する内容が24Hシートから自動的に転記されている。すなわち、「24Hシート」領域の「時間」欄、「生活リズム」欄、「サポートの必要なこと」欄のそれぞれは、図22及び図23の「時間」欄、「日課」欄および「サポートの必要なこと」欄の記載にそれぞれ対応している。なお、「生活リズム」欄の内容は、上述の「日課」欄の内容と同一の内容であり、24Hシートの他の表現形式である。また、同図においては、1番目の記録は「05:40 食事(朝)」、2番目の記録は「10:00 10時のおやつ」、3番目の記録は「12:10 食事(昼)」、4番目の記録は「13:00 昼寝」、第5番目の記録「14:00 排泄」とされている。そして、それら第1番目の記録、第2番目の記録、第3番目の記録、第4番目の記録、第5番目の記録・・・のそれぞれと水平方向に一列に並ぶようにして、各記録に対応した「日々の暮らしの記録」領域17が設けられている。
すなわち、この例にあっては、「24Hシート」領域16内の第1、第2、第3、第4、第5・・・の記録のすぐ右隣には、それらの記録にそれぞれ対応した「日々の暮らしの記録」領域17が設けられている。先に説明したように、この「日々の暮らしの記録」領域は、「時間」欄、「生活リズム」欄、「データ」欄、「そのときの様子」欄、「記録者」欄、「日報」欄に分かれている。
そして、介護施設の係員は、この「日々の暮らしの記録」領域17内に、該当する「生活リズム」の実施された実績時間、そのときの体温、血圧、食事量又は排泄量などのデータ、その他の様子、記録者名、日報に記録するかどうかのチェックなどを、上から下へ順次行うことによって、24Hシート上の各予定生活リズムの実施記録を容易に行うことができる。
例えば、図34において、「日々の暮らしの記録」領域17の第1番目の「食事(朝)」の記録にあっては、「データ」欄内の主食・副食・飲み物・汁の欄に対して、それぞれの摂取量が記入される。同図の例にあっては、分数や数値を用いて、飲食物の摂取量が記入されている。この記入の形式に関しては、後述するケース記録のマスタ設定画面等により変更することが可能である。また、「その時の様子」欄には、介護者等によって、被介護者の様子、すなわち、同図の例にあっては、「おいしそうに食べていました」といったコメントが記入される。さらに、「記録者」欄にあっては、介護者等の記入者の氏名又はIDが記入され、日報欄には日報への記録の要否等が記入される。
また、図34において、「日々の暮らしの記録」領域17の第5番目の「排泄」の記録にあっては、「データ」欄内の便量および尿量の欄、便性状および尿性状の欄に対して、数値と記号を用いて、それぞれ、便および尿の排泄量、便および尿の性状が記入される。また、「その時の様子」欄には、介護者等によって、便又は尿の性状に関するコメントや、そのときの被介護者の様子等が記入され、同図の例にあっては、「量・質ともに問題ありませんでした。」とのコメントが記入されている。さらに、「記録者」欄にあっては、介護者等の記入者の氏名又はIDが記入され、日報欄には日報への記録の要否等が記入される。
なお、図34において、図示は省略するが、「日々の暮らしの記録」領域17の「データ」欄に体温(℃)や最高又は最低血圧(mmHg)等の記入欄を設け、例えば、「ベッドから起きる」といった生活リズムに合わせて、対応する記入欄にそれらの数値を記入させるように構成してもよい。このように構成すれば、所定の生活リズムの際の被介護者の体温や血圧等を記録することが可能となる。
ここで、図35を参照して、ケース記録に用いるマスタ情報を設定するマスタ設定画面について説明する。まず、図34の「他」ボタン15を押下することにより、図35(A)に示すマスタ設定ウィンドウが起動する。その後、同ウィンドウ内の「マスタ」ボタン151と「設定」ボタン152のうち、「マスタ」ボタン151を押下することにより、図35(B)に示すマスタ設定ウィンドウが起動する。図35においては、「食事摂取量」、「水分」、「便性状」、「尿性状」・・・といった複数の項目タブが、画面上部に水平一列に配置されており、それぞれの項目タブを選択することにより、当該項目に関連するマスタ設定が可能となるよう構成されている。なお、同図においては、「食事摂取量」タブがアクティブ状態となっている。
図35(B)は、「食事摂取量マスタ」の設定画面である。同図において、「摂取名称」欄153は、図34の「日々の暮らしの記録」領域17の「データ」欄への記入方法を表し、「割合」欄154は、そのときの食事等の摂取量又は摂取割合等を表す。すなわち、図35(B)のマスタ設定画面により、ケース記録欄への記入方法と、実際の食物等の摂取量又は割合との対応関係等を設定することができる。これにより介護者等は任意の記入方法にてケース記録を行うことができる。
すなわち、このケース記録シートにあっては、24Hシート上において予定された生活リズムのそれぞれのすぐ右隣に、日々の暮らしの記録欄が1対1に対応するように配置されているため、該当する生活リズムの実施記録を確実に残すことができる。また、「日報」欄に、チェックマークを付けることによって、その記録内容を、日報上に自動的に反映させることができる。すなわち、図36に示されるように、日報シートの右半分の領域には、ケース記録上で項目(日報)にチェックを押下した当日のユニット内全利用者のそのときの様子を表示させることができる。
このようにして、ケース記録が完了したならば、図34において、「保存」ボタンを操作する。すると、図10に示されるように、ケース記録シート画面の編集処理が実行される(ステップ308)。
先に説明したように、ケース記録シート画面編集処理の詳細を示すフローチャートが図12に、ケース記録シート(編集処理前)が図13に、ケース記録シート(編集処理後)が図14にそれぞれ示されている。
いま仮に、図13に示されるように、編集処理前のケース記録シート上には、24Hシート領域にあっては、時間順に4個の記録1a,2a,3a,4aが存在し、日々の暮らしの記録領域には、同様にして4個の実績記録1b,2b,3b,4bが存在するものと想定する。そして、1aと1b、2aと2b、3aと3b、4aと4bとは、互いに左右に隣り合うようにして配置されている。
この状態において、日々の暮らし記録領域内における2番目の実績記録2bに含まれる実績時間tが、24Hシート領域内において左隣に位置する予定記録2aの時間範囲t1〜t2から外れていた(t>t2)ものと想定する。
この状態において、編集処理が実行されると、実績記録2bは該当する時間帯へと移動され(ステップ3087)、実績記録2bがそれまで存在した位置には固有色の空白が残される。より詳細に説明するならば、いま仮に、実績時間tが、時間t2とt3との間に存在すると、左右一対の記録4aと4bとは、左右の位置関係を維持したまま下方へシフトされ、左右一対の記録(3a,3b)と左右一対の記録(4a,4b)との間には隙間が作られる。そして、日々の暮らし記録領域内の隙間は実績記録2bによって埋められ、他方、24Hシート領域内の隙間には固有色の空白が残される。ここで、固有色とは、当初から何も記載されていない空白との区別をなすものである。加えて、日々の暮らし記録領域内の空白の固有色と、24Hシート領域内の空白の固有色とは異なる色とされている。そのため、ケース記録シートの全体を見ても、空白の色が異なることから、それまで何らかの記録が存在していたものが移動した結果生じた空白であることを容易に認識することができる。
このように以上説明したケース記録シートによれば、予定通りに実施された記録に関しては、左右で対をなすことからこれを簡単に認識することができる一方、予定と実績とが時間的に食い違う場合には、何れかの側が空白となることによって、予定と実績との相違を一目瞭然に把握することができる。
なお、図33に示されるように、24Hシート上において、「日課」欄と「意向・好み」欄との間には、「種別」欄が設けられる。この「種別」欄には、各1記録行毎に、◎印、※印、△印からなる3種類の記号が選択的に付されるようになっている。ここで、◎印は、厚労省ケアプラン計画書の必須項目(必ず実行しなくてはならずかつ報告の義務がある)を意味し、※印はその利用者特有の事項(特別のサポートが必要なこと、あるいは暴れることから2名以上の介護者が必要である等)、△印は不定期に行う必要がある事項(週に一回程度の散歩、曜日によって視聴するテレビ等)を意味している。そして、各日課のそれぞれ毎に、それらの記号を付すことにより、24Hシートを利用して介護に当たる介護係員は、これらの記号を注意することによって、仕事の慣れによるミスや、準備不足による失敗などを未然に防止することが可能となる。
[統計モード]
次に、図37乃至52を参照して、統計モードについて説明する。図37はプログラム起動直後の初期画面を表し、図17と同様に機能選択ボタンを複数有する。同図においては、図17にて記載を省略した「ケース履歴」ボタン、「日報」ボタン、「オプション個人記録」ボタン及び「排泄データ測定表」ボタンについても図示されている。図37においては、画面上部に一列に配置された機能選択ボタンのうち、「統計」ボタン18がアクティブとされており、当該「統計」ボタン18がアクティブ状態となることに伴って、「生活記録」ボタン19が表示される。そして、「生活記録」ボタン19が選択されることにより、「生活記録」ウィンドウ20が起動する。この「生活記録」ウィンドウ20が、統計モードの初期画面(ステップ401)に相当する。
図38は、「生活記録」ウィンドウ20の初期画面を示す。「生活記録」ウィンドウ20は、主にデータの統計対象の設定処理を行う際に用いられるボタン等が配置される「統計対象設定」領域21と、統計処理の結果の表示を行う「統計処理結果表示」領域22とから構成される。
図38および図39を参照して、統計情報の集計期間を設定するための処理(図16(a))について説明する。まず、操作者は、「統計対象設定」領域21内の「集計期間プルダウン」ボタン23を選択することにより、集計期間に関するプルダウンメニューを呼び出す(ステップ4022)。当該プルダウンメニューは例えば、1週間、2週間、月間、60日間、90日間又は1年等の期間を含む。なお、本実施例ではプルダウンメニューとしているが、数値入力等により、任意の期間を設定可能としてもよい。その後、操作者は当該プルダウンメニューから一の期間を選択することにより、集計期間を設定することができる(ステップ4023)。
さらに、操作者は、前記プルダウンメニューにて一の期間を指定後、「集計期間設定」ボタン24を押下する(ステップ4025)。この「集計期間設定」ボタン24の押下により、新たに、図39に示す集計期間の設定を補助するカレンダー画面242が表示される。当該カレンダー画面242においては和暦又は西暦を用いた選択により年が指定可能となっており、また、月選択ボタン243により、月が設定可能となっている。なお、カレンダー領域241における祝日の表示の有無についても、祝日表示選択ボタン244により設定可能となっている。
前記プルダウンメニューにて設定された集計期間が1週間である場合の例が図39(A)に示されている。このとき、カレンダー領域241の平成24年11月29日に相当する領域245を選択することにより、当該日から1週間の期間となる平成24年12月の5日までの期間が連続してハイライト表示される。この状態にて、確定ボタン246を選択することにより、統計情報の集計期間として、平成24年11月29日から平成24年12月5日までの期間が設定されることとなる(ステップ4025)。前記プルダウンメニューにて設定された集計期間が2週間である場合(図39(B))も同様に、カレンダー領域241の平成24年11月22日に相当する領域245を選択することにより、当該日から2週間の期間となる平成24年12月の5日までの期間が連続してハイライト表示される。この状態にて、確定ボタン246を選択することにより、統計情報の集計期間として、平成24年11月22日から平成24年12月5日までの期間が設定されることとなる(ステップ4025)。一方、前記プルダウンメニューにて設定された集計期間が1月間である場合には、図39(C)に示される画面が表示される。当該画面において、12月に相当する領域248を選択することにより、平成24年12月が統計情報の集計期間として設定されることとなる(ステップ4025)。このように、本実施例においては、統計期間の入力を、入力の補助となるカレンダー画面を介して行うので、操作者はミスを少なく、容易に統計期間を設定することができる。
次に、図38を参照して、利用者IDの設定処理について説明する(図16(b))。まず、操作者は、個別ケアの単位であるユニットを選択する「ユニット選択用のプルダウン」ボタン25を選択(ステップ4028)することにより、ユニット群を表示し、当該ユニット群の中から、一のユニットを選択する(ステップ4029)。その後、操作者は、「利用者選択用のプルダウン」ボタン26を選択(ステップ4031)することにより、先に選択したユニットに属する利用者リストを表示し、当該リスト中から、一の利用者又は利用者IDを選択する(ステップ4032)。このように、本実施例においては、統計対象となる利用者の階層的な選択が可能なように構成されているので、短時間で効率的な利用者選択を行うことができる。
次に、図40を参照して、統計の方法等を設定するためのマスタの設定方法について説明する。まず、同図の「他」ボタン27を選択すると、「その他の機能」ウィンドウ28が起動する。「その他の機能」ウィンドウ28は、「マスタ」ボタン29と「設定」ボタン30とを有する。「設定」ボタン30を介して、後述する統計データのグラフ表示に関する各種の設定、例えばグラフの色や、表示記号の種類等を設定することができる。一方、「マスタ」ボタン29を選択することにより、後述する各種の統計マスタを設定することができる。
「マスタ」ボタン29選択後の各種統計マスタの設定画面の例が図41及び42に示されている。図41は、睡眠判定の設定に関する画面を示す。睡眠判定設定は、生活リズム名称欄291と、睡眠判定区分292を有しており、各生活リズム名称と各睡眠判定区分はそれぞれ同一の行上に隣接して配置されている。睡眠判定区分292の各行は選択されることによりプルダウンメニューを表示し、当該プルダウンメニューにより、「設定なし」、「起床」、「昼寝」又は「就寝」など各種の睡眠に関する行為を設定することができる。このような構成により、操作者は、いずれの生活リズムを睡眠に関する行為と対応させるかを任意に設定することができる。例えば、同図においては、「ベッドに入る」という生活リズムと「眠る・夜中」という生活リズムはいずれも、「就寝」の睡眠判定区分となるよう設定されている。そのため、ケース記録時にたとえ入力の揺れ等があった場合であっても、そのような揺れに左右されることなく、一定の睡眠判定を行うことが可能となる。
図42は、昼寝の睡眠時間の算出方法の設定に関する画面を示す。昼寝の睡眠時間の算出方法設定画面は、個別ケアの単位を表すユニットを示す「部屋グループ名称」欄293と、「昼寝の睡眠時間の算出方法」欄294とを含み、各欄の各行は同一行上で隣り合っている。「部屋グループ名称」欄293の各行は選択可能となっており、選択することによりプルダウンメニューを表示し、当該メニューから所望のユニットを選択することができる。これにより、ユニット毎に、後述の昼寝の睡眠時間の算出方法について設定することができる。一方、「昼寝の睡眠時間の算出方法」欄294の各行はそれぞれ、ラジオボタンの形式により、「次の生活リズムまで」と「起床の生活リズム」までの2つから選択可能に構成されている。ここで、当該2つの選択肢はいずれも昼寝の睡眠の終了判定について定めるものであり、「次の生活リズムまで」とは、すなわち、就寝の後、次の生活リズム、例えば「食事(夜)」が記入された場合、当該「食事(夜)」までを昼寝時間として算出することを意味し、一方、「起床の生活リズムまで」とは、すなわち、就寝の後、「起床」の生活リズムが到来するまでを昼寝時間として算出することを意味する。このような構成によれば、操作者は、昼寝時間の定義を任意に設定することができる。
次に、統計データのグラフ表示について、図38、図43乃至51を用いて説明する。上記の統計対象情報入力処理(ステップ402)および統計マスタの設定処理の後、図38の「集計」ボタン28を選択(ステップ404)することにより、統計対象情報の読出処理(ステップ405)が開始する。統計対象情報の読出処理においては、少なくとも、統計対象として設定された利用者の、先に設定した集計期間分の対象データが読み出される(ステップ405およびステップ406NO)。
統計対象となる情報の読出処理の終了(ステップ406YES)の後、先に設定した統計マスタの読み込み処理が行われる(ステップ407)。その後、統計対象情報の演算処理(ステップ408)が行われる。
統計対象情報の演算処理(ステップ408)により、後に表示される種々の統計データが算出される。例えば、先に述べたケース記録モードにて記録された、睡眠に関する各「生活リズム」とその時刻に関するデータから、先に設定した睡眠に関連するマスタ情報に沿って、統計対象者の1日の総睡眠時間等が演算される。また、ケース記録時に記録された食事の量(主食・副食・飲み物・汁)に関するデータから、食事等の一日の平均摂取量等が算出される。また、ケース記録時に記録された排泄の量(便量及び尿量)に関するデータから、排便と排尿について一日の総排泄量がそれぞれ算出される。
上記演算の後、グラフの色等について設定するグラフマスタの読出処理を行い(ステップ409)、統計グラフの表示処理を行う(ステップ410)。
統計データのグラフ表示の表示例を図43及び図44に示す。統計データのグラフ表示結果は、統計処理結果表示領域22内に表示される。統計処理結果表示領域22は、スクロールバー30を用いて、スクロール可能なように構成される。図43は、スクロールバーが上方にあるときの表示例であり、図44は、スクロールバー30が下方にあるときの表示例である。この例にあっては、スクロールバー30が上方にあるときは、統計対象者の24時間の生活の様子を表す24時間の時系列表示領域29が主に表示され、一方、スクロールバー30が下方にあるときは、食事量、排泄量、睡眠時間及びバイタル情報等を表示する統計情報表示領域34が主に表示される。
時系列表示領域29と統計情報表示領域34とは、24時間の時系列を表す時間軸とスクロールバー30のスクロール方向と平行に、直列に配置されており、また、各時系列表示領域と各統計情報表示領域は、上記時間軸と直行する方向に日付毎に並列的に配置されている。このような構成によれば、操作者は、スクロールバー30の操作に応じて、統計対象者の一日(24時間)の生活リズムの記録を追うことができるとともに、当該スクロールの延長上にて、当該日付の生活リズムに伴うデータを把握することができるため、直観的に統計対象者の一日の様子を把握することができる。さらに、各時系列表示領域29と各統計情報表示領域34が日付毎に隣り合って表示されることから、各日付同士の対比を容易にすることができ、これにより、統計対象者である被介護者等の経時的な変化の様子を的確に把握することができる。
図43を参照しつつ、時系列表示領域29について説明する。時系列表示領域29には、ケース記録モードにて記録された各種の実績値に基づいて、グラフ表示が行われる。すなわち、同図の表示例にあっては、画面左に24時間の時間軸が画面縦方向に表示され、当該時間軸に沿って、統計対象者の睡眠時間に相当する時間帯が、日付毎に帯グラフ31にて表示される。また、起床、就寝、排泄、食事などを表す記号32が上記時間軸上に日付毎にそれぞれ区別可能な記号(ひし形、四角、星など)でプロットされる。後述するように、所定の条件の下、同一の記号同士は各日付間で線分にて結ばれる。なお、記号32の凡例33は時系列表示領域29の周辺に配置される。
このような構成によれば、睡眠時間が帯グラフで表示され、食事や排泄に関する各種生活行為は時系列上に記号にて表示されるので、被介護者の本能的・根源的欲求である「食べて(食事)・出して(排泄)・寝る(睡眠)」ということに関わる情報を、一目で把握することができ、これにより、被介護者の暮らしの全体像を容易に把握することができる。また、各時系列表示領域は、日付毎に互いに並列的に表示されるので、起床や就寝時間の推移や、食事や排泄の時刻の変化など、被介護者の暮らしぶりの変化を瞬時に把握することができる。
なお、上記では、「食べて(食事)・出して(排泄)・寝る(睡眠)」ということに関わる情報が人間の本能的・根源的欲求に関するものであると説明した。これは、心理学の分野においてアブラハム・マズローが提唱した所謂「マズローの欲求階層説」からも説明される。すなわち、人間は生命維持に関わる「食事・睡眠・排泄」に関する欲求を有しており、それらはマズローの提唱した複数の階層を有する欲求階層のうち最下層(すなわち、最も本能的・根源的な欲求)に位置するとされる。本件の発明者らは、当該本能的・根源的欲求が、被介護者にとっても当然に本能的・根源的な欲求であることに着目し、本発明を成したものであり、被介護者の本能的・根源的な欲求が満たされているか否か(例えば、それらの欲求が自分のペースで満たせているか否か等)を客観的に把握することは、被介護者に対して提供する介護を考える上で、重要な情報である。
図44を参照しつつ、統計情報表示領域34について説明する。統計情報表示領域34には、ケース記録モードにて記録された各種の実績値と、当該実績値から算出(ステップ408)された値に基づいて、グラフ表示が行われる。すなわち、同図の表示例にあっては、統計情報表示領域34は、臥床時間表示領域341、バイタル情報表示領域342、排泄情報表示領域343および食事情報表示領域344が、時系列表示領域29の延長上に一連に配置されることにより構成される。詳細には、臥床時間表示領域341には、統計対象情報演算処理(ステップ408)にて算出された1日の総睡眠時間が日付毎に表示される。また、排泄情報表示領域343には、排便量と排尿量に分けて、日付毎に各排泄量が回毎に積上げグラフ表示され、かつ統計対象情報演算処理(ステップ408)にて算出された総排泄量が当該積上げグラフの直上に表示される。さらに、食事情報表示領域344には、主食、副食、汁物に分けて、日付毎に各摂取量が積上げグラフ表示され、かつ、主食、副食、汁物毎に統計対象情報演算処理(ステップ408)にて算出された平均摂取量が当該積上げグラフの直上に表示される。加えて、バイタル情報表示領域342には、日付毎および取得回毎に体温、最高血圧、最低血圧が表示される。
このような構成によれば、統計情報表示領域34が、臥床時間表示領域341、排泄情報表示領域343および食事情報表示領域344を含むので、被介護者の本能的・根源的欲求である「食べて(食事)・出して(排泄)・寝る(睡眠)」ということに関わる情報を、一目で把握することができ、これにより、被介護者の暮らしの全体像を容易に把握することができる。また、時系列表示領域29には睡眠時間が帯グラフ表示され、一方、統計情報表示領域34は、積上げグラフ表示された排泄量および食事量を含むので、操作者は、統計対象者である被介護者の本能的・根源的欲求である「食べて(食事)・出して(排泄)・寝る(睡眠)」ということに関わる情報を、グラフィック表示により、日付毎に定量的に把握することができる。
また、各排泄量や食事量は、日付毎に並列的に表示されるので、その変化を視覚的に把握することができ、これにより生活ぶりの変化を容易に看取することができる。例えば、統計情報表示領域34に接した操作者は、排泄量が日を追う毎に段々と減っているので便秘気味であるとか、食事量が減っているので被介護者の消化能力や体力が落ちているのではないか、といった統計対象者である被介護者の状態や傾向、又は生活ぶりの変化を分析等することができる。
さらに、統計情報表示領域34は、バイタル表示領域342も日毎に有しているので、臥床時間表示領域341、排泄情報表示領域343および食事情報表示領域344の表示と併せて、統計対象者である被介護者の体調を日毎に総合的に分析することができる。
次に、図45及び図46を参照しつつ、時系列表示領域29上にプロットされる記号32同士を線分にて結ぶ方法について説明する。図45に示される通り、所定の条件を満たす記号32間は、日付をまたいで線分35にて結ばれ、一方、所定の条件を満たさない記号(例えば記号36)については線分にて結ばれない。この記号間を結ぶ方法について、図46を参照しつつ詳細に説明する。
図46に、記号間の結び方について説明するフローチャートが示されている。なお、本フローチャートはグラフ表示処理(ステップ410)の一部として行われる。そのため、本フローチャートに係る処理の開始前には、既に、ケース記録モード等にて記録された各生活リズムに対する実績時刻等を含む統計対象情報等については読出されている(ステップ406YES)。
図46では、(t)日目の(n)番目の生活リズムに相当する記号(以下、実績(t,n)とする)と、(t+1)日目の(m)番目の生活リズムに相当する記号(以下、実績(t+1,m))とを結ぶ方法について説明する。まず、実績(t,n)に着目して説明する。処理の開始の後、まず、実績(t,n)が「24Hシートにて予定されていたか否か」を判別する(ステップ601)。ここで、「24Hシートにて予定されていたか否か」とは、すなわち、図34に示したケース記録シートへの入力の際、画面左側に位置する「24Hシート」領域16に、対応する生活リズムが存在していた場合を意味する。「24Hシートにて予定されていなかった」生活リズムである場合(ステップ601NO)、当該実績(t,n)についての処理を終了し、線分にて結ぶ処理は行わず、次の時刻に係る記録((n+1)番目の記録)の処理を行う(ステップ605NO)。
実績(t,n)が「24Hシートにて予定されていた」場合(ステップ601YES)、(t+1)日目の記録中に、実績(t,n)に係る生活リズムと同一の生活リズムに係る実績(t+1,m)が存在するか否かを確認する。当該実績(t+1,m)が存在しない場合(ステップ602NO)、当該実績(t,n)についての処理を終了し、線分にて結ぶ処理は行わず、次の時刻に係る記録((n+1)番目の記録)の処理を行う(ステップ605NO)。なお、当該実績が存在しない場合とは、例えば、被介護者が予定されていた朝食を摂らなかった場合等である。
実績(t,n)に係る生活リズムと同一の生活リズムに係る実績(t+1,m)が(t+1)日目の記録中に存在していた場合(ステップ602YES)、当該実績(t+1,m)が「24Hシートにて予定されていたか否か」が判別される(ステップ603)。なお、判別の条件は上述の通りである。実績(t+1,m)が24Hシートにて予定されていなかった場合、実績(t,n)についての処理を終了し、線分にて結ぶ処理は行わず、次の時刻に係る記録((n+1)番目の記録)の処理を行う(ステップ605NO)。
実績(t+1,m)が24Hシートに予定されていた場合(ステップ603YES)、実績(t,n)と実績(t+1,m)とを線分にて結ぶ処理がなされる(ステップ604)。その後、以上の処理が(t)日目に属する(n+1)番目の実績、(n+2)番目の実績・・・とインクリメントして行われ、(t)日目に属するすべての記録を処理するまで行われる(605NO)。なお、図46において図示は省略したが、(t)日目のすべての記録を処理した後(605YES)、さらに(t)を(t+1)日目、(t+2)日目・・・と所定の統計期間分インクリメントすることで、所定の統計期間の記号間を線分にて結ぶことができる。
このような記号間の結び方によれば、24Hシートにて予定されていた生活リズムに対応する実績に関する記号32同士については線分で結ばれ、一方、その他の実績については線分で結ばれないので、統計対象者である被介護者に合わせて作成された24Hシート上の予定が、予定された生活リズム毎に、実績としてどの程度連続して守られているか、又、予定された生活リズムに関する実績時刻がどのように推移しているかを一目で分析することができる。
次に、図47及び図48を参照しつつ、食事量と排泄量の表示に関して詳細に説明する。図48は、図47に示される統計表示領域34のうち、排泄量表示部3431及び食事量表示部3441を拡大した図である。
排泄量表示部3431の拡大図が図48(a)に示される。先に述べた通り、排泄量表示部3431は、便量表示部3432と尿量表示部3433とから構成される。また、便量及び尿量は、それぞれ回数毎に積上げグラフ3434として表示され、便量の総量3435と尿量の総量3436は、それぞれ積上げ表示されたグラフの直上に数値表示される。ここで、積上げられるブロックの高さが排泄の量に相当し、積上げられる個数が排泄の回数を表す。なお、各数値は積上げグラフの直上以外の他の近傍に表示されてもよいし、又は他の表示欄を設けて表示してもよい。
このように、統計対象となる被介護者の排泄に関する情報が、積上げられるブロックの高さと回数とで表現されるので、操作者は、各グラフの高さとその刻み幅から、一目で、被介護者の排泄状況を分析することができる。また、グラフ近傍に総排泄量が表示されるので、操作者は、グラフから目を逸らすことなく、客観的な排泄量についても合わせて、把握することができる。
食事量表示部3441の拡大図が図48(b)に示される。先に述べた通り、食事量表示部3411は、主食表示部3442、副食表示部3443及び汁物表示部3444とから構成される。また、主食表示部3442、副食表示部3443及び汁物表示部3444は、それぞれ回数毎に積上げグラフ3445として表示され、主食の平均摂取量3446、副食の平均摂取量3447及び汁物の平均摂取量3448は数値として、それぞれのグラフの直上に表示される。ここで、主食等の摂取量の定義は上述したマスタ設定により任意に設定可能であり、例えば摂取量を摂取した主食等の体積割合等としてもよい。また、平均摂取量とは、一日の主食等の総摂取量を、摂取した回数で割った数値である。なお、各数値は積上げグラフの直上以外の他の近傍に表示されてもよいし、又は他の表示欄を設けて表示してもよい。
このように、統計対象となる被介護者の食事に関する情報が、積上げられるブロックの高さと回数とで表現されるので、操作者は、グラフの高さとその刻みから、一目で、被介護者が、どの回の食事でどの程度摂取したかについて、分析することができる。また、グラフ近傍に主食等のそれぞれの平均摂取量が表示されるので、操作者は、グラフから目を逸らすことなく、総量だけではなく、統計対象たる被介護者が一日平均で、どの程度食事を摂取したかを確認することができる。
次に、図49乃至図51を参照して、上記実施例とは異なる集計期間を選択した場合の統計グラフの表示例について説明する(ステップ402)。
図49は、先に述べた統計情報の集計期間の設定にて、集計期間を月間とした場合のグラフの表示例である。同図においては、図43と同様に、画面の水平方向に向かって日付(平成24年12月1日乃至平成24年12月31日)が並べられ、各日付の垂直方向には時系列表示領域が設けられている。統計処理結果表示領域22には、画面の水平方向に向かって操作可能なスクロールバー37が設けられ、当該スクロールバー37を操作することにより、すべての日付に対応する統計データを視認できるように構成されている。一方、同図においては、図43と同様、時系列表示領域が設けられるものの、統計情報表示領域は非表示となっている。
このような構成によれば、月単位の統計情報の推移を分析できるとともに、統計情報表示領域を非表示とすることとしたので、画面が無用に煩雑となることを防止することができる。
図50は、先に述べた統計情報の集計期間の設定にて、集計期間を60日間とした場合のグラフの表示例である。同図においては、図43と同様に、画面の水平方向に向かって日付(平成24年11月12日乃至平成25年1月10日)が並べられ、各日付の垂直方向には時系列表示領域が設けられている。統計処理結果表示領域22には、画面の水平方向に向かって操作可能なスクロールバー37が設けられ、当該スクロールバー37を操作することにより、すべての日付に対応する統計データを視認できるように構成されている。一方、同図においては、図43と同様、時系列表示領域が設けられるものの、統計情報表示領域は非表示となっている。
このような構成によれば、60日単位の統計情報の推移を分析できるとともに、統計情報表示領域を非表示とすることとしたので、画面が無用に煩雑となることを防止することができる。
図51は、先に述べた統計情報の集計期間の設定にて、集計期間を90日間とした場合のグラフの表示例である。同図においては、図43と同様に、画面の水平方向に向かって日付(平成24年10月13日乃至平成25年1月10日)が並べられ、各日付の垂直方向には時系列表示領域が設けられている。統計処理結果表示領域22には、画面の水平方向に向かって操作可能なスクロールバー37が設けられ、当該スクロールバー37を操作することにより、すべての日付に対応する統計データが視認できるように構成されている。一方、同図においては、図43と同様、時系列表示領域が設けられるものの、統計情報表示領域は非表示となっている。
このような構成によれば、90日単位の統計情報の推移を分析できるとともに、統計情報表示領域を非表示とすることとしたので、画面が無用に煩雑となることを防止することができる。
以上述べたように、操作者は、統計情報の集計期間を変更することで、短期・中期・長期的な統計対象者たる被介護者の暮らしぶりを分析することができる。また、当該期間に応じて統計表示領域の表示の有無が変更されるので、画面全体が無用に煩雑となることを防止することができる。
次に、図52を参照して、「統計」モードと「ケース記録」モードとの連携について説明する。既に述べたように、生活記録ウィンドウ20の統計処理結果表示領域22内の下方には「日付」ボタン38が画面水平方向に一列に配置されている。ここで、操作者によって「日付」ボタン38が選択されると、新たに図51手前側の「ケース記録」ウィンドウが起動し、当該日付のケース記録を閲覧し、修正し、又は新たに入力を行うことができる。
このような構成によれば、統計処理結果の表示を確認した後、操作者が気になった部分についてのみ、ケース記録を確認等することができる。