JP2020077062A - 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

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Yoshinori Takagi
芳徳 高木
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かおり 内藤
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Abstract

【課題】患者の治療に対する取り組み姿勢を可視化することが可能な情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供する。【解決手段】ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部を備え、前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、情報処理装置。【選択図】図1

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
近年、医療における治療方式が高度化すると共に、医師による説明や患者の理解に時間がかかってしまう傾向がある。例えば、従来は医者の領域であった注射や吸入を患者自身で行う必要が生じてきており、患者が自身の治療のために知るべき情報は、質と量ともに増加の一途を辿っている。
また、服薬指導の「治療の必要性について患者の納得を得る」活動(「アドヒアランス」と称される)においては医師や薬剤師側としては時間を長くかけてしっかりと説明を行いたい一方で、診療報酬点数の関係からは一人の患者に時間をかけ過ぎると売り上げが下がったりといった問題や、また、他の患者の待ち時間が長くなったりといった問題が生じる。したがって近年では、説明時間の不足や患者の理解不足を補う方法として、患者指導箋を配布したり、薬剤情報票を配布したりしている。
またさらに、医療圏では、アドヒアランスよりも進んだ考えとして、「コンコーダンス」という考えが提唱されている。「コンコーダンス」とは、患者と医療者が同じチームの一員と考える概念で、患者と医療者がパートナーシップに基づき、両者間で情報を共有し、対等の立場で話し合った上で治療を決定していくことを目指すものである。コンコーダンスを実現するためには、患者側が今までよりも医療や自分の身体に関してより情報を持つことが求められ、上述した患者指導箋の配布や、薬剤情報票の配布がその一端を担うが、理解として十分でないことも多い。
また、医師が発行する処方箋や、薬局で発行される薬剤情報票を貼り付けるお薬手帳を電子的なデータで管理するシステムも構築されつつある。このようなシステムを利用することにより、患者側での薬剤管理、医師や薬剤師による薬剤の併用に関する安全のチェック、患者に対する服薬指導等が可能となる。
例えば下記特許文献1では、患者に処方された全ての薬剤情報から、より素早く情報を把握することができる技術が開示されている。具体的には、ある調剤日の薬歴情報との関係に応じた表示形式で、他の調剤日の薬歴情報(同薬情報、併用禁忌情報、併用注意情報等)が表示されるようにすることで、表示を見た医師や薬剤師がより素早く情報を把握することができるようにするものである。
国際公開第2017/057013号
上述したように、コンコーダンスを実現するためには、患者側が今までよりも医療や自分の身体に関してより情報を持つことが求められる。すなわち、近年は、「単に医療提供者による用法を遵守して服用する患者」から、「最適な治療を選択できる賢い患者」への成長が社会的に求められ、「患者の成長」を励行できるシステムの構築が重要となる。
本開示によれば、ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部を備え、前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、情報処理装置を提案する。
本開示によれば、プロセッサが、ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示することを含み、前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御することを含む、情報処理方法を提案する。
本開示によれば、コンピュータを、ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部として機能させ、前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、プログラムを提案する。
本開示の一実施形態による情報処理システムの構成の一例を示す図である。 本実施形態による服用記録画面の一例を示す図である。 本実施形態による服用チェックデータに基づく服用状況の進捗表示画面の一例を示す図である。 本実施形態による服用チェック画面において、初めて服用チェックを行ったタイミングが、設定されている服用開始タイミングと異なる場合に表示されるダイアログの一例を示す図である。 本実施形態による服用期間終了後に達成感を与える表現パターンについて説明する図である。 本実施形態による服用期間内に「あとで服用」、または、未チェックが1つ以上ある場合における服用期間終了後の表示パターンについて説明する図である。 本実施形態による服用期間の延長を設定する画面の一例を示す図である。 本実施形態による服用状況を円グラフで表現するパターンについて説明する図である。 本実施形態による服用記録に基づく患者の取り組み姿勢の可視化処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態による収集した患者の取り組み姿勢を示す情報の可視化の一例を示す図である。 本実施形態による患者の取り組み姿勢の可視化に基づくコミュニケーション特性の判別処理とコミュニケーション特性に応じたアドバイス表示の動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態による2軸モデルで判明するコミュニケーション特性のタイプの一例について説明する図である。 本実施形態による患者努力可視化の一例を示す図である。 本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。 本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。 本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。 本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。 本実施形態の変形例によるグラフの基準線が異なる場合の一例を示す図である。 本実施形態の変形例によるグラフを重ねて表示する場合の一例を示す図である。 本開示に係る情報処理装置のハードウェア構成を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態による情報処理システムの概要
2.構成
2−1.ユーザ端末1の構成
2−2.管理サーバ2の構成
3.ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢の可視化
3−1.服用記録に基づく取り組み姿勢の可視化
(3−1−1.服用記録機能)
(3−1−2.服用状況の進捗表示機能)
(3−1−3.服用期間の再設定機能)
(3−1−4.服用期間終了後の達成感の付与)
(3−1−5.動作処理)
3−2.患者の服用以外の取り組み姿勢の可視化
(3−2−1.収集した取り組み姿勢を示す情報の表示)
(3−2−2.能動的/受動的を意識した患者努力の可視化)
(3−2−3.事実重視/人間関係重視を意識した患者努力の可視化)
(3−2−4.患者の情報処理性向の判別)
(3−2−5.変形例)
4.ハードウェア構成
5.まとめ
<<1.本開示の一実施形態による情報処理システムの概要>>
本開示の一実施形態による情報処理システムでは、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す取り組み情報を収集、記録し、取り組みの達成感や、成長度合いを患者にフィードバックすることで、患者の治療に対する取り組み姿勢を励行し、「最適な治療を選択できる賢い患者」への成長を促すことを可能とする。
「患者の治療に対する取り組み姿勢」とは、例えば、用法を遵守した薬の服用(患者の服用状況に関する情報)が挙げられる。患者自ら行う治療行為には、従来の「飲み薬(錠剤、カプセル、散薬)」や「外用薬(湿布、軟膏、クリーム、目薬)」の服用の他、近年は、「吸入薬」や「自己注射」なども、患者自ら行う治療行為に挙げられる。
また、「患者の治療に対する取り組み姿勢」には、用法を遵守した薬の服用の他、食事療法や運動療法の実践、処方されている薬に関する医療情報の閲覧等、「最適な治療を選択できる賢い患者」になるため患者が行った健康や医療に関する努力が広く含まれる。
(背景)
上述したように、医療圏では、アドヒアランスよりも進んだ考えとして、「コンコーダンス」という考えが提唱されている。特に近年は、糖尿病やリウマチ、花粉症といった、内分泌(代謝)系・免疫系のバランスが崩れたことによる疾患が増加しており、こうした疾患には、本人の環境や生活習慣などが大きく影響しており、病状の改善には、患者が自身の病気や身体の状態を理解して、処方薬と併用して日常生活の中で食事療法や運動療法等を実戦することが重要となる。例えば、「糖尿病患者に対しての運動処方」や「精神疾患患者に対しての睡眠処方」、「肝疾患に対しての食事制限」、「糖質制限」など、薬の投薬以外の方法によっての治療が推奨されることがある。また、病気の治療については、医師による処方箋医薬品の服薬だけでなく、OTC(Over The Counter)と称される一般医薬品も有用である。また、患者が自ら行う治療行為は、従来の飲み薬や外用薬(湿布、軟膏、クリーム、目薬)といった簡単に服用できるものの他、近年は、吸引や自己注射など、医療器具を用いて服用するものが増え、ますます、患者が健康や医療に関して自ら知識や経験を得ていくことが重要となってきている。
また、医療提供者側も、患者の知識や経験の程度、知識の獲得意欲がどの程度あるかを把握しておくことは、患者との良好なコミュニケーションを取る上でも重要となる。
しかしながら、従来の技術では、「患者の成長」を把握、励行するといったシステムは構築されておらず、また、単に服用記録を入力するだけのシステムでは達成感を得難く、患者に成長を感じさせる工夫も行われていなかった。
そこで、本開示では、患者の服用状況に関する情報等、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す取り組み情報を収集、記録し、これに基づいて成長度合いや取り組みの達成感を患者にフィードバックすることで、患者の治療に対する取り組み姿勢を励行し、「最適な治療を選択できる賢い患者」への成長を促すシステムについて提案する。
なお、本明細書において、便宜上、ユーザを「患者」と称しているが、「患者」とは必ずしも医療機関を受診した者(狭義の患者)にとどまらず、「自身の健康について何等か、自身の興味や手を患わせている者」といった広い意味で利用している。
また、「医療提供者」についても、医師、看護師、薬剤師のように「医療機関に勤めており、(保険の対象になるような)医薬品や医療処置の提供者」という狭義の意味にとどまらず、介護士、保健師、関連団体職員に加え、“医薬品、医薬部外品、漢方、食品、睡眠、運動・ヨガ、メンタルケア、家族ないしそれに近しいものとしての愛情、データ蓄積、データ処理、それらを購う補助金提供、それらに関連する知識・情報”などの提供を通じて、「なんらか他者の医療・健康に関しての向上を試みる者」であり、人間に限らず、ロボット、AI(Artificial Intelligence)なども含む。
(システム構成)
図1は、本開示の一実施形態による情報処理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態による情報処理システムは、ユーザ(患者)が利用するユーザ端末1と、管理サーバ2と、を含む。ユーザ端末1は、ネットワーク3を介して管理サーバ2と通信接続し、互いにデータの送受信を行い得る。
ユーザ端末1は、管理サーバ2に接続して処方薬に関する情報等の医療情報を受信し、ユーザ端末1の表示部13に表示する。また、ユーザ端末1は、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢を示す情報を収集し、管理サーバ2に送信する。また、ユーザ端末1は、管理サーバ2により生成された、ユーザの治療に対する取り組み姿勢をフィードバックする画面情報を受信し、表示部13に表示する制御を行う。本実施形態によるユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、PC(パーソナルコンピュータ)、又は、HMD(Head Mounted Display)、スマートウォッチ等のウェアラブル端末により実現され得る。
管理サーバ2は、患者の医療情報を管理し、また、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢を示す情報の収集、記録等を行う。管理サーバ2は、患者の医療情報に基づいて、医師が発行する処方箋や、薬局で発行される薬剤情報票を貼り付けるお薬手帳を電子的なデータでユーザ端末1に提供し得る。これに対しユーザ端末1でユーザにより行われる服用チェックデータは、ユーザの服用状況情報として、治療に対する取り組み姿勢の一つとして取り扱われる。
また、管理サーバ2は、収集したユーザの治療に対する取り組み姿勢をフィードバックする画面を生成し、ユーザ端末1に送信する機能を有する。医療情報には、医療機関(加盟店)から取得した各患者の処方箋情報や服薬情報が含まれる。また、医療情報には、処方箋医薬品に関わるものだけでなく、OTCと称される一般医薬品に関する情報、運動療法に関するもの、睡眠に関するもの、食事の摂取方法(食事療法)に関するもの、また、身体能力測定・生体検査に関するものなども含まれる。
以上、本開示の一実施形態による情報処理システムの概要について説明した。続いて、本実施形態による情報処理システムに含まれるユーザ端末1及び管理サーバ2の具体的な構成について説明する。
<<2.構成>>
<2−1.ユーザ端末1の構成>
本実施形態によるユーザ端末1(情報処理端末)は、図1に示すように、制御部10、通信部11、操作入力部12、表示部13、および記憶部14を有する。
制御部10は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってユーザ端末1内の動作全般を制御する。制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部10は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
また、本実施形態による制御部10は、管理サーバ2から受信した医療情報を表示部13に表示する制御を行う。例えば制御部10は、医師が発行する処方箋や、薬局で発行される薬剤情報票を貼り付けるお薬手帳を電子的なデータで提供し、服用をアラームで通知したり、ユーザが服用チェックを行う画面を提示したりする。また、入力された服用チェックデータは、ユーザの服用情報として管理サーバ2に送信される。
(通信部11)
通信部11は、有線または無線によりネットワーク3と接続し、ネットワーク上の管理サーバ2とデータの送受信を行う。通信部11は、例えば有線/無線LAN(Local Area Network)、またはWi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、携帯通信網(LTE(Long Term Evolution)、3G(第3世代の移動体通信方式))等によりネットワーク3と通信接続する。
(操作入力部12)
操作入力部12は、ユーザによる操作指示を受付け、その操作内容を制御部10に出力する。操作入力部12は、タッチセンサ、圧力センサ、若しくは近接センサであってもよい。あるいは、操作入力部12は、ボタン、スイッチ、およびレバーなど、物理的構成であってもよい。
(表示部13)
表示部13は、医療情報の提示画面等を出力する表示装置である。この表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、又は有機EL((Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置であってもよい。
(記憶部14)
記憶部14は、制御部10の処理に用いられるプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)により実現される。本実施形態による記憶部14は、ユーザの医療情報や、ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を記憶していてもよい。
以上、本実施形態によるユーザ端末1の構成について具体的に説明した。なおユーザ端末1の構成は、図1に示す例に限定されない。例えば、音声入力部や音声出力部をさらに有する構成であってもよい。
<2−2.管理サーバ2の構成>
本実施形態による管理サーバ2(情報処理装置)は、図1に示すように、制御部20、通信部21、および記憶部22を有する。
(制御部20)
制御部20は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って管理サーバ2内の動作全般を制御する。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部20は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
また、本実施形態による制御部20は、情報管理部201、画面生成部202、コミュニケーション特性判別部203、および出力制御部204としても機能する。
情報管理部201は、医師が発行する処方箋や、薬局で発行される薬剤情報票等の医療情報を患者の識別情報に対応付けて記憶部22に記録し、管理する。なお「医療情報」には、上述した通り、処方箋医薬品に関わるものだけでなく、OTCと称される一般医薬品に関する情報、運動療法に関するもの、睡眠に関するもの、食事の摂取方法(食事療法)に関するもの、また、身体能力測定・生体検査に関するものなども含まれる。
また、情報管理部201は、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢を示す情報を収集し、ユーザ(患者)の識別情報に対応付けて記憶部22に記録し、管理する。治療に対する取り組み姿勢を示す情報とは、ユーザがユーザ端末1を用いて記録する服用チェックデータ(服用状況)の他、例えば以下のような情報が含まれる。
・ユーザが行った食事療法や運動療法、生活習慣の改善など服薬以外の治療試行に関する情報
・処方されている薬に関する医療情報の閲覧に関する情報(Webサイトの閲覧、電子お薬手帳の薬剤情報画面の閲覧、処方薬の添付文書の閲覧等)
・薬や病院の切り替えに関する情報(例えば慢性疾患の場合、長期間の治療を要するが、薬や病院を切り替え、より効果的で納得できる治療を模索することは、治療に対する能動的な取り組み姿勢と言える)
・治療や薬剤、病状等に関するアンケートの回答
・SNSの活用(病気や治療に関する情報の共有、閲覧、投稿、リプライ)
以上説明した具体例は一例であって、本開示はこれに限定されず、“治療に対する取り組み姿勢を示す情報”は、「最適な治療を選択できる賢い患者」になるため患者が行った健康や医療に関する努力を広く含む。
画面生成部202は、患者に提示する医療情報の画面を生成する。具体的には、画面生成部202は、医師が発行する処方箋や、薬局で発行される薬剤情報票等の医療情報に基づき、患者が(現在または過去に)服用している薬に関する情報を提示する画面を生成する(電子お薬手帳機能)。また、管理サーバ2が提供する電子お薬手帳機能では、所定の服用タイミングでのアラームの通知設定が可能である。また、画面生成部202は、ユーザが服用チェックを入力できる画面も生成し得る。
また、画面生成部202は、収集されたユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報に基づいて、ユーザの成長度合いを示す画面や、達成感を与える画面等、ユーザの治療に対する取り組み姿勢を励行するフィードバック画面を生成する。
また、画面生成部202は、収集されたユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を、医療提供者向けに提示する画面を生成してもよい。医療提供者が、患者の知識や経験の程度、知識の獲得意欲がどの程度あるかを把握しておくことは、患者との良好なコミュニケーションを取る上でも重要となる。さらに、画面生成部202は、コミュニケーション特性判別部203により判別された患者のコミュニケーション特性に応じて、医療提供者が患者に治療や服薬の説明を行う際に参考となるアドバイスを含む画面も生成し得る。
コミュニケーション特性判別部203は、患者のコミュニケーション特性を判別する。コミュニケーション特性とは、コミュニケーションにおける特徴であって、例えばコミュニケーションに慎重か、コミュニケーションに積極的か等が挙げられ、情報処理性向とも称する。医療現場におけるコミュニケーションにおいて受け手側である患者のコミュニケーション特性に応じて医療情報の提示方法を変更することで、より効果的に患者に医療情報を伝え、また、医療提供者との信頼性を築くことが可能となる。
コミュニケーション特性判別部203は、収集したユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報や、アンケート回答等に基づいて、ユーザのコミュニケーション特性を判別し得る。なおコミュニケーション特性の具体例については、後述する。
出力制御部204は、画面生成部202により生成された画面情報を、通信部21から、患者のユーザ端末1、又は医療提供者の情報処理端末(不図示)に送信し、表示するよう制御する。なお、出力制御部204は、医療情報や、ユーザの取り組み姿勢を励行するフィードバック情報(成長度合い、達成度など)、また、医療提供者へのアドバイス等を、患者のユーザ端末1、又は医療提供者の情報処理端末において、音声により出力するよう制御してもよい。すなわち、出力制御部204は、ユーザに提示する医療情報等の音声情報を送信するよう制御してもよい。また、出力制御部204は、ユーザ端末1や医療提供者の情報処理端末が、非透過式又は透過式HMDにより実現されている場合、VR(Virtual Reality)やAR(Augmented Reality)を利用して、医療情報や、ユーザの取り組み姿勢を励行するフィードバック情報の提示、また、医療提供者向けのアドバイスの通知を行うようにしてもよい。
(通信部21)
通信部21は、有線または無線によりネットワーク3と接続し、ネットワーク3を介してユーザ端末1とデータの送受信を行う。通信部21は、例えば有線/無線LAN(Local Area Network)、またはWi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)等によりネットワーク3と通信接続する。
(記憶部22)
記憶部22は、制御部20の処理に用いられるプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMにより実現される。
例えば本実施形態による記憶部22は、患者毎の医療情報や、治療に対する取り組み姿勢を示す情報、また、コミュニケーション特性判別部203により判別されたコミュニケーション特性の情報等を記憶する。
以上、本実施形態による管理サーバ2の構成について具体的に説明した。なお図1に示す管理サーバ2の構成は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。例えば管理サーバ2の少なくとも一部の構成が外部装置にあってもよいし、制御部20の各機能の少なくとも一部がユーザ端末1、または通信距離が比較的ユーザ端末1に近い情報処理装置(例えば、いわゆるエッジサーバなど)により実現されてもよい。
また、制御部20の各構成および記憶部22を全てユーザ端末1に設け、本実施形態による情報処理システムをユーザ端末1のアプリケーションにより実行するようにしてもよい。
<<3.ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢の可視化>>
続いて、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢の可視化について、具体例を用いて説明する。本実施形態による情報処理システムでは、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢を示す情報を収集し、これを評価し、成長度合いや達成感を提示するフィードバック画面を提示する。これにより、患者の治療に対する取り組み姿勢を励行し、「最適な治療を選択できる賢い患者」への成長を促すことが可能となる。
<3−1.服用記録に基づく取り組み姿勢の可視化>
患者の治療に対する取り組み姿勢の一例として、用法を遵守した薬の服用(患者の服用状況に関する情報)が挙げられる。本実施形態による情報処理システムでは、ユーザが服用している医療情報の提示や、服用のアラーム通知を行うと共に、服用チェックの入力画面を提示し、服用チェック結果に基づいて患者の治療に対する取り組み姿勢を評価することが可能である。
以下に説明する機能は、ユーザ端末1にインストールされているアプリケーションにより実行され得る。また、当該アプリケーションは、管理サーバ2とデータの送受信を行い得る。また、当該アプリケーションによりユーザ端末1で提示される各種画面情報は、適宜管理サーバ2で生成され、受信したものであってもよいし、管理サーバ2から取得した情報に基づいてユーザ端末1で生成されたものであってもよい。
(3−1−1.服用記録機能)
図2は、本実施形態による服用記録画面の一例を示す図である。図2に示す画面30には、設定された服用方法に従って、服用日、服用時刻、および簡単な服薬情報(薬の名称、服用の用量)と、服用チェックボタンが表示されている。かかる画面30は、当該アプリケーションのメニュー画面から遷移して表示されてもよいし、所定の日時に通知されるアラームから遷移して表示されてもよい。図2に示す画面30は、例えば「服用日:2013年9月12日」の「朝食後」の服用について記録するための画面である。
服用の記録は、例えば服用チェックボタンの操作により直感的に行われ得る。図2に示すように、画面30には、服用チェックボタンとして、「服用しない」ボタン301、「服用した」ボタン303、および、「あとで服用」ボタン305が表示されている。ユーザは、服用方法に従って薬を服用した場合は「服用した」ボタン303をタップし、あとで服用する場合は「あとで服用」ボタン305をタップする。また、痛みや腫れ等の特定の症状が生じた場合にのみ服用する用法の場合や、体調が良ければ服用しなくてよい場合等、患者自ら服用について判断する場合も想定される。あえて服用しないと判断した場合、服用忘れ(未チェック)と区別するため、ユーザは、「服用しない」ボタン301をタップし、あえて服用しなかったことを記録する。
このように入力された服用チェックの内容は、管理サーバ2に適宜送信され得る。ユーザは、所定の服用期間の間、かかる服用チェックの入力を継続する。
また、処方された薬の詳細情報を知りたい場合、例えば画面30のアイコン307をタップすると、「お薬情報」画面(不図示)が表示される。「お薬情報」画面では、薬剤名、用法、薬の外形情報(写真)、主成分、製薬会社情報、薬価情報といった情報が提示され得る。また、「お薬情報」画面では、さらに詳細な情報へのリンク(例えば、医薬品に関する公的・専門的な文書である添付文書情報へのリンク、製薬会社等が患者向けに理解し易く記載した薬の説明文書へのリンク、患者団体向けのWebサイトへのリンクボタンなど)も提示され得る。ユーザは、さらに詳細な情報を知りたい場合、かかるリンクから詳細な情報を閲覧すること可能である。また、このようなユーザによる詳細情報へのアクセス履歴は、ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報として、適宜、管理サーバ2に送信される。
また、「お薬情報」画面では、服用方法の設定を行うことが可能である。服用方法の設定では、服用期間(服用開始日と終了日の設定)、服用タイミング(例えば、「毎食後」、「朝・夕」、「毎日の朝食後」など)、および用量(「1回1錠」等)を設定(登録)する。デフォルトでは、医療機関から発行された処方箋情報や薬剤情報に基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。また、設定された服用タイミングに基づいた服用アラーム通知のON/OFFを設定することも可能である。ユーザ端末1は、服用アラーム通知がONに設定された場合、例えば服用タイミングが「毎日の朝食後」であれば、「毎日の朝食後」の時刻(ユーザが任意に設定可能)に、服用通知を行う(例えばポップアップ通知、プッシュ通知等)。かかる服用通知がタップされると、図2に示すような画面30が表示され、服用チェックを簡単に行うことができる。
(3−1−2.服用状況の進捗表示機能)
本システムでは、ユーザにより入力された服用チェックデータに基づいて、ユーザの服用状況の進捗を可視化し、服用状況を直感的に把握させることで、用法を遵守した服用の取り組みを励行することを可能とする(並びに、コンコーダンスの考え方に置いては、用法や用量を専門者や医療者の助言などから、自分にあったものへと工夫していく取り組みへの励行も可能にする)。
図3は、服用チェックデータに基づく服用状況の進捗表示画面の一例を示す図である。図3に示すように、服用状況の進捗は、例えば薬剤毎のバー表示310により提示してもよい。バー表示310は、各服用回の服用チェック状態(服用した、服用しない、あとで服用する、チェック忘れ(未チェック))を示すセルにより構成される。各セルは、例えば、図2に示した服用チェックボタンと同じ色分けで表現されてもよい。また、チェック忘れ(未チェック)は空白としてもよい。
バー表示310は、服用期間における全服用回数分のセルにより構成される。また、バー表示310上のマーク311は、表示している日付の位置を示す。図3に示す例の場合、マーク311は、服用期間全体における、2013年9月12日の位置(服用回に対応するセルの位置)を示す。
このように、服用期間全体を示すバー表示310が、服用チェック状態(服用した、服用しない、あとで服用する、チェック忘れ(未チェック))で色分けしたセルで表現されることで、各色の密度(割合)により、服用チェック状態を直感的に把握することができる。例えば「服用した」の色が多い場合は、用法を遵守した服用を自身が行えていることを自覚することができる。また、「あとで服用」をいつ頃行ったか(忘れていない)、「未チェック」がどの程度発生してしまっているかを確認することができる。また、「未チェック」と区別して記録される「服用しない」の回数がどの程度あったかも直感的に把握することができる。
また、バー表示310では、終了予定の日付と服用タイミングも表示され得る。
また、下記の場合は注意喚起の表示を併せて行うようにしてもよい。
・「後で服用」がある場合:「『後で服用』があります。」
・未チェックがある場合:「未チェックがあります。」
・上記両方がある場合:「未チェック・『後で服用』あります。」
なお、バー表示310は、図2に示す服用チェックの入力画面で毎回表示するようにしてもよい。
(3−1−3.服用期間の再設定機能)
なお、服用開始タイミングが必ずしも1日の最初の回とは限らない、例えば、1日2回の服用(朝食後・夕食後)の場合に、処方された時間によっては、服用初回が「夕食後」になる場合があり、この場合、その日の1回分の服用が翌日に持ち込まれることとなり、以降全て1回分ずれることとなる。
服用期間が処方箋等に従って自動的に設定される場合、処方された時点で既に過ぎてしまった服用タイミング分(例えば当日朝分)が未チェックとなってしまう。
そこで、本実施形態では、服用チェックの初回時が、設定されている服用開始タイミングと異なる場合、ダイアログを表示し、開始時期を再設定する(若しくは、設定されている服用開始タイミングを服用チェックの初回時に自動的に合わせて再設定してもよい)。図4は、服用チェック画面において、初めて服用チェックを行ったタイミングが、設定されている服用開始タイミングと異なる場合に表示されるダイアログの一例を示す図である。ユーザ端末1は、初めて服用チェックを行ったタイミングが、設定されている服用開始タイミングと異なる場合、図4の画面32に示すように、「はじめての服用チェックです。今回のチェックを服用期間の「開始」に設定しますか?併せて服用期間の終了予定日時も変更します」といったダイアログ320を表示する。
「OK」ボタンが選択された場合、ユーザ端末1は、服用期間の開始タイミングを、今回の初めての服用チェック回に設定し、服用期間の終了タイミングも再設定する。若しくは、薬の情報がシステム内(クライアントの場合もあれば、サーバの場合も存在する)に登録された時刻を用いて、再設定してもよい。この時、ユーザによって登録されている服用時間からタイミングを割り出してもよい。
これらの処理は、ユーザ端末1で動作するアプリケーション(具体的には、制御部10)により行われ、処理結果を管理サーバ2に送信して当該患者の服用情報を更新してもよい。
また、服用開始日が予め入力されていない場合も想定される。この場合、初回の服用チェックの際に、「はじめての服用チェックです。今回のチェックを服用期間の「開始」に設定しますか?併せて服用期間の終了予定日時を設定します」といったダイアログを表示し、自動的に服用期間の開始日時と終了日時を設定するようにしてもよい。
(3−1−4.服用期間終了後の達成感の付与)
また、本実施形態では、服用期間を終了した場合、バー表示310上に、終了を通知するメッセージやイラストを表示して達成感を与えることで、ユーザによる用法を遵守した服用(治療に対する取り組み姿勢)を励行することが可能である。終了を通知するメッセージやアイコンは、服用チェック状態(「服用した」「服用しない」「あとで服用」「未チェック」の回数、割合等に応じて選択され得る。
図5は、本実施形態による服用期間終了後に達成感を与える表現パターンについて説明する図である。図5上段のバー表示330に示すように、例えば、全服用期間における各服用回を全て「服用した」で完了した場合、「服用と服用チェック、毎回頑張りましたね!」といった褒め言葉の表示331と、お祝いをイメージするイラスト332を表示する。
また、図5下段のバー表示340に示すように、例えば、服用期間における各服用回が、「服用した」および「服用しない」のいずれかのみで完了した場合、「服用チェック、毎回頑張りましたね!」といった褒め言葉の表示341と、お祝いをイメージするイラスト342を表示する。「服用しない」のチェックは、ユーザが自ら自身の状態を把握して判断した結果であり、治療や薬剤についての十分な理解が出来ているといえる。したがって「服用しない」のチェックは、単なる服用忘れとは異なり、「服用した」のチェックと同等に評価し得るものである。
図5に示す褒め言葉の内容や、イラストはインセンティブの一例であって、本実施形態はこれに限定されない。イラストは複数用意し、ランダムに切り替えてもよい。また、子供向けや大人向け等、ユーザの属性や嗜好、コミュニケーション特性に応じたイラストや褒め言葉、ポイント付与や地位の付与、機能の解除・増加、他サービスの利用許可、SNSへの投稿、利用料金の変更・優遇などにしてもよい。
このように、服用期間における各服用回が、「服用した」または「服用しない」といった服用チェックにより終了した場合は、褒め言葉やお祝いのイラストを表示することで、ユーザに達成感を与え、他の薬剤についても服用チェック完遂の意欲を起こさせることが期待できる。
一方、例えば「あとで服用」、または、未チェックが1つ以上ある場合の服用期間終了後の表示例について、図6を参照して説明する。図6は、服用期間内に「あとで服用」、または、未チェックが1つ以上ある場合における服用期間終了後の表示パターンについて説明する図である。
図6上段のバー表示350に示すように、例えば、服用期間内に、「あとで服用」、または、未チェックが1つ以上ある場合、最後の服用タイミング時(服用チェック入力画面において)、今回が最後の服用であること(期間の終了)を示すメッセージ351のみを表示するようにしてもよい。
またさらに、最後の服用時に「服用した」または「服用しない」のいずれかをチェックした場合は、図6下段のバー表示360に示すように、終了感のあるイラスト362を表示するようにしてもよい。
また、服用忘れがあった場合等、設定された服用終了予定を延長して薬剤を飲み切りたい場合も想定される。この場合、最後の服用タイミング時に、図6に示すように、「今回を最後の服用としない場合、『終了』をタップして延長できます。」といった説明文を表示すると共に、バー表示の『終了』部分をタップできるようにする。ユーザが、バー表示の『終了』部分(「終了」ボタン353、363)をタップした場合、ユーザ端末1は、図7に示すような服用期間の延長を設定する画面370を表示し、延長する服用回数を指定できようにする。
画面370では、参考情報として、未チェック(“「まだ」のまま”)、「あとで服用」、または「服用しない」の回数が1以上のものを表示するようにしてもよい。また、延長回数に応じて、終了予定日を更新する。なお、かかる延長処理は、「服用方法の設定」の「服用終了日」の設定値にも反映され、アラーム通知も連動して更新される。すなわち、アラーム通知がONになっている場合、延長分のアラーム通知も行われ得る。また、延長は、日にちだけではなく、終了する服用回(朝食後、夕食後等)も指定できるようにしてもよい。
以上により、想定した服用期間の終了タイミングと、実際の服用期間の終了タイミングのズレが生じた場合も適宜対応することが可能となる。これにより、患者が途中では飲み忘れた場合でも、服用期間を延長して服薬を達成することが可能となる。このように延長して服薬を達成した場合も、終了感または達成感のあるイラストをバー表示上に表示するようにしてもよい。
なお、以上説明した例では、ユーザの服用状況をバー表示により表現しているが、本実施形態はこれに限定されず、例えば円グラフにより表現してもよい。または、写真やイラストなどを、服用期間における全服用回数に対応するセル数により構成し、「服用した」または「服用しない」のチェックが入った場合には対応するセル分の画像を表示することで、全てに「服用した」または「服用しない」のチェックが入った場合に写真やイラストが完成するようにすることで達成感を与えるようにしてもよい。
図8に、服用状況を円グラフで表現するパターンについて説明する図を示す。図8に示すように、円グラフを、服用期間における全服用回数に対応するセル数により構成し、各服用回の服用チェック状態(服用した、服用しない、あとで服用する、チェック忘れ(未チェック))を所定の色(例えば服用チェックボタンと同じ色分け)で表現する。これにより、各色の密度(割合)により、服用チェック状態を直感的に把握することができる。また、未チェック部分は空欄(虫食い状態)とすることで、服用チェックを毎回忘れずに行えば綺麗な円が完成するといった達成感を与えることができる。
(3−1−5.動作処理)
図9は、本実施形態による服用記録に基づく患者の取り組み姿勢の可視化処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。図9に示すように、まず、ユーザ端末1は、服用情報(服用期間、服用タイミング)の登録を行う(ステップS103)。服用情報の登録は、例えば処方箋情報から自動的に登録してもよいし、ユーザ操作に基づいて登録してもよい。また、服用情報の登録は、管理サーバ2で行って登録情報をユーザ端末1に送信してもよい。
次に、ユーザ端末1は、服用状況の入力画面(服用チェック画面)の表示を行う(ステップS106)。ユーザ端末1は、登録された服用タイミングに基づくアラーム通知がユーザによりタップされた際に、その服用回における服用チェック入力画面(図2参照)を表示するようにしてもよい。服用状況の入力画面は、管理サーバ2により生成されてもよい。
次いで、ユーザ端末1は、入力された服用チェックデータ(「服用した」、「服用しない」、「あとで服用」)を、服用履歴として記録する(ステップS109)。服用チェックデータは、管理サーバ2に送信されてもよい。
次に、ユーザ端末1は、服用履歴に基づいて、服用進捗状況の表示を行う(ステップS112)。服用進捗状況の表示は、服用状況の入力画面(服用チェック画面)に併せて表示してもよいし、メニュー画面から「服用進捗状況」が選択された場合に表示してもよい。服用進捗状況の表示情報は、管理サーバ2により生成されてもよい。
次いで、服用期間が終了するまで、服用状況のチェックと記録が、登録された服用情報に基づく服用回毎に繰り返される(ステップS115/No)。
次に、服用期間が終了すると(ステップS115/Yes)、ユーザ端末1は、服用履歴(服用チェックデータ)の評価結果を表示する(ステップS118)。具体的には、上述したように、服用チェックデータに基づき、服用期間内における「服用した」、「服用しない」、「あとで服用」、未チェック(服用忘れ)の回数や割合に応じて、達成感または終了感を与える言葉やイラストの表示を行う。服用履歴の評価および評価結果の表示情報は、管理サーバ2により生成されてもよい。
以上、本実施形態による動作処理の一例を説明した。なお図9に示す動作処理は一例であって、本開示は図9に示す例に限定されない。例えば、本開示は、図9に示すステップの順序に限定されない。少なくともいずれかのステップが並列に処理されてもよいし、逆の順番で処理されてもよい。また、図9に示す全ての処理が必ずしも実行されてなくともよい。また、図9に示す全ての処理が必ずしも単一の装置で行われなくともよい。
<3−2.患者の服用以外の取り組み姿勢の可視化>
上述した例では、「服用を遵守すること」についての達成感の付与や、状況の可視化について説明したが、本実施形態による「患者の治療に対する取り組み姿勢」は、「服用の遵守」以外の努力も想定される。
特に近年は、処方薬の多様化により服用方法が難しい薬(吸引薬、自己注射など)や、疾病の慢性化による運動療法や食事療法との併用などが生じ、患者には、服用を遵守することの他にも、医療や健康に関して、さらに多くのことを理解、経験することが期待され、また、こうした患者の成長を励行することが重要となる。
以下、服用を遵守すること以外の患者の治療に対する取り組み姿勢の可視化について、複数の具体例を挙げて説明する。
(3−2−1.収集した取り組み姿勢を示す情報の表示)
例えば、本システムにより服用を遵守すること以外の患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各種情報を収集し、種類毎にグラフ化し、称賛することが挙げられる。また、達成感や成長度合いも与えるため、総合的な評価をアイコン・ポイント数、地位(ランク)、利用できる機能の変化、アプリケーション全体の見た目の変化、他者からの見え方の変化等で示すことも考えられる。
グラフ化する情報は、例えば下記のようなデータが挙げられる。
・服薬以外の治療(食事療法、運動療法など)の回数
・同じ診療科内での病院の切替回数
・薬の切替回数
・これまで経験した薬の種類
・服薬情報(薬剤に関する添付文書等)の閲覧状況
・アンケートの回答数
・SNSの活用数
上記データは、例えば、ユーザのスケジュール情報、Webサイトの閲覧履歴、SNS(Social Networking Service)の利用履歴、医療機関から送信される当該ユーザに関する医療情報(処方箋情報、来院情報等)、ユーザが利用しているユーザ端末1やウェアラブルデバイス、監視カメラ等により継続的に取得されるユーザの移動情報、生体情報、行動履歴等から収集し得る。
図10は、収集した患者の取り組み姿勢を示す情報の可視化の一例を示す図である。図10に示す画面400は、例えばユーザ端末1においてスクロール表示される。画面400に示すように、収集した患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各種情報が、一例として、種類毎に棒グラフで表示されている。なお図10に示す例では、服用チェックデータに基づく服用状況も、「服薬記録の実績」として表示している。
また、「最適な治療の模索」として、食事療法や運動療法等の服薬以外の治療回数、病院の切り替え、および薬の切り替えの回数が表示される。また、「知識の成長」として、経験した(服用した)薬の種類、服薬情報の閲覧状況が表示される。また、「コミュニケーションの成長」として、ユーザの病気や治療に関するアンケートへの回答数やSNSの活用数が表示される。
また、数値の列挙のみならず、達成感や成長度合いを与えるために、図10に示すように、ランキングやイラストの画像401を表示するようにしてもよい。イラストは、例えば患者の成長度合いに応じた(成長レベルを示す)画像(例えば卵からヒナが生まれ、ニワトリに成長するまでのアイコン画像等)であってもよい。患者の総合的な成長度合いは、例えば、図10に示す「服薬記録の実績」、「最適な治療の模索」、「知識の成長」、および「コミュニケーションの成長」の各要素の合計点数(数値の合計点数、または所定の重み付けをつけた上での合計点数)に基づいて、段階評価の割り振りを決めてもよい。
また、調剤情報に登録されている薬局の地域等から、ユーザの生活地域を判定し、その地域の中や、その薬局内でのランキングを表示するようにしてもよい。ランキングは、総合評価(合計点数)で決定してもよいし、上記要素ごとのランキングであってもよい。ランキングが上位に入った際には、褒める言葉やイラストを表示するようにしてもよい。
また、このような患者の成長度合いを示す画面は、患者向けに限定されず、(広義の)医療提供者向けに表示されてもよい。特に地域医療については、薬剤師をはじめとした医師、介護者、民生委員、保健師、自治体担当者、互助団体、NPO法人、学校、救急隊など、地域の参加者が患者の医療情報を閲覧し、患者と向き合うことが考えられる。
このように医療提供者向けにも患者の努力(取り組み)の可視化を行うことで、患者とのコミュニケーションが充実し、より効果的な医療を実現することができる。特に近年増加している慢性疾患においては、患者自身による服薬行為が本質的な医療として高い割合を占めるため、医療提供者側も患者の努力を把握することで、より適切な対応を取ることが可能となる。
なお、このような患者努力の可視化は、上述したような情報の列挙に限定されず、さらに表示の配置を工夫することで、「患者努力の志向性を示すことで、患者が好むコミュニケーション形態を浮き彫りにする」ことが可能である。以下、表示配置の工夫について、いくつかのパターンを挙げて説明する。
(3−2−2.能動的/受動的を意識した患者努力の可視化)
一例として、患者努力(患者の治療に対する取り組み姿勢を示す情報)を、能動的−受動的の軸で表示するようにしてもよい。
能動的な患者努力の項目としては、例えば下記が挙げられる。
・服薬以外に自主的に行っている食事療法、運動療法の実施(並びに、そうした食事・運動に関してのデータ。例えば画像や加速度センサ、GPSデータ、位置情報などを含む)
・処方薬以外の薬の服用(患者(や同居人、親族、ヘルパー)が自主的に薬局等で購入・入手した薬・健康に関係のある食品の服用)
・自主的な病院や薬の切り替え
・自主的な検査(血圧、体温、体重、血糖値等の検査)の種類や回数
(ここで「自主的」とは、医者の処方や強制でなく患者が自ら考えて自発的に行っていることを意味する)
・患者の病気や治療・健康づくりに関するSNSでの発言(投稿)数
・患者の病気や治療・健康づくりに関するSNSの(友人・人間関係構築の)申請数
・患者の病気や治療・健康づくりに関するSNSのリプライ数(他者の投稿記事につけるリプライ)
・患者の病気や治療・健康づくりに関するアンケートの回答数(選択肢が用意されていない自由記入の設問に答えた場合をカウントしてもよい)(回答した設問数や文字数に応じてカウントしてもよい)(回答必須項目の多いアンケート(例えば10問以上)を途中で断念した場合にカウントしてもよい)
・患者の病気や治療に関する通知の閲覧数
なお、上記の「患者の病気や治療・健康づくりに関するSNSでの発言」については、機械学習などによる適切なマッピングにより、元となるデータは、より一般的なSNS上での発言や、購買データ、会話データ、メールなどでもよい。
受動的な患者努力の項目としては、例えば下記が挙げられる。
・服薬回数(特に処方された薬を服薬方法に遵守して指定された通りに飲んだ回数)
・処方された薬についての公的・専門的な文書である添付文書等の閲覧種類と量
・これまでに経験している薬の種類
・医療提供者(管理栄養士、保険指導員、運動トレーナー等の広義の医療提供者)による指導に従った食事療法(食事のカロリー制限、糖質・たんぱく質等の摂取制限)、運動療法(指定された運動量(歩く歩数、運動の種類など)の遵守)の実施
・患者の病気や治療に関するSNSの承認数
・患者の病気や治療に関するSNSのリプライ数(患者自身の投稿記事につけるリプライ)
・患者の病気や治療に関するSNSの投稿の閲覧数
・患者の病気や治療に関するアンケートの回答数(選択肢が用意されている設問に答えた場合をカウントしてもよい)(回答した設問数や文字数に応じてカウントしてもよい)(必須項目の多いアンケート(例えば10問以上)に回答した場合にカウントしてもよい)
能動的/受動的の軸は、例えば上下方向(縦軸)であってもよいし、左右方向(横軸)であってもよい。
例えば、患者努力の各表示項目のうち、能動的な行動については上方向にグラフが伸び、受動的な行動については下方向にグラフが伸びるよう表示してもよい。これにより、医療提供者(または患者自身)は、能動的/受動的を軸とした患者努力の方向性を直感的に把握することができる。すなわち、上方向に伸びる項目(能動的な行動)が多ければ、能動的な取り組みができる人、すなわち、「患者として適した治療に辿り着く能力」がある人と言える。一方、下方向に伸びる項目(受動的な行動)が多ければ、受動的な取り組みができる人、すなわち、「患者として、下された治療方針(服薬など)を正確に遂行する能力」がある人と言える。
(3−2−3.事実重視/人間関係重視を意識した患者努力の可視化)
次いで、一例として、患者努力(患者の治療に対する取り組み姿勢を示す情報)を、事実重視(換言すると、客観性重視)−人間関係重視(換言すると、主観性重視)の軸で表示するようにしてもよい。
事実重視(客観性重視)の患者努力の項目としては、例えば下記が挙げられる。
・服薬回数(処方された薬を服薬方法に遵守して指定された通りに飲んだ回数)
・処方された薬についての公的・専門的な文書である添付文書等の閲覧種類と量
・これまでに経験している薬の種類
・医療提供者(管理栄養士、保険指導員、運動トレーナー等の広義の医療提供者)による指導に従った食事療法(食事のカロリー制限、糖質・たんぱく質等の摂取制限)、運動療法(指定された運動量(歩く歩数、運動の種類など)の遵守)の実施
・服薬以外に自主的に行っている食事療法、運動療法の実施
・処方薬以外の薬の服用(患者が自主的に薬局等で購入した薬の服用)
・自主的な病院や薬の切り替え
・自主的な検査(血圧、体温、体重、血糖値等の検査)の種類や回数
人間関係重視(主観性重視)の患者努力の項目としては、例えば下記が挙げられる。
・患者の病気や治療に関するSNSでの発言(投稿)数
・患者の病気や治療に関するSNSの投稿の閲覧数
・患者の病気や治療に関するSNSの申請数
・患者の病気や治療に関するSNSの承認数
・患者の病気や治療に関するSNSのリプライ数(他者の投稿記事につけるリプライ、患者自身の投稿記事につけるリプライ)
・患者の病気や治療に関するアンケートの回答数(または回答した設問数、文字数)
・患者の病気や治療に関する通知の閲覧数
事実重視/人間関係重視の軸は、例えば上下方向(縦軸)であってもよいし、左右方向(横軸)であってもよい。
例えば、患者努力の各表示項目のうち、事実重視の行動については左側にグラフが表示され、人間関係重視の行動については右側にグラフが表示される。これにより、医療提供者(または患者自身)は、事実重視/人間関係重視を軸とした患者努力の方向性を直感的に把握することができる。すなわち、左方向に表示される項目(事実重視の行動)が多ければ、「与えられた治療を客観的に評価できる能力」がある人と言える。一方、右方向に表示される項目(人間関係重視の行動)が多ければ、「患者として、他者と相談できる/相談される能力」がある人と言える。
(3−2−4.患者の情報処理性向の判別)
また、本システムでは、患者努力の可視化により、患者の情報処理性向、すなわち、患者が好むコミュニケーション形態(情報提示の好みであり、情報処理性向のタイプ、コミュニケーション特性とも称する)を判別することが可能である。
患者のコミュニケーション特性に応じて医療情報または健康に関わる情報の提示に関する提示情報を出力することで、医療情報の伝達方法を改善することができる。例えば、患者に治療や服薬の説明を行う医療提供者に対し、患者のコミュニケーション特性に基づいて、治療や服薬の説明方法についてのアドバイスを出力したりする。患者によっては、要点だけを聞きたい/閲覧したいと思う人もいれば、詳しい情報を聞きたい/見たい人もいるため、患者のコミュニケーション特性に合わせた情報伝達方法を実現することで、患者に薬剤や治療の情報を十分に伝え、患者と医療者とのコミュニケーションを向上させることができる。
(コミュニケーション特性について)
コミュニケーション特性は、行動心理学に基づく2軸モデルを用いて判別してもよい。定量的な調査を行う心理学の範囲においては、各種のコミュニケーション方法が提案されている。特に、心理学者ウィリアム・M・マーストン博士によって発表された、「普通の人々の感情」という論文に基づく理論では、人の典型的な行動スタイルが4つに分類されており、かかる4つの分類に基づいた各種のコミュニケーション方法が提案されている。
各種のコミュニケーション方法としては、例えば、「DiSC理論」、「タイプ分け」(登録商標)、「4タイプ」といった各種の技法が提案されている。「DiSC理論」とは、人の行動スタイルを、「D‐Dominance(優越、支配)」、「i‐Influence(影響)」、「S‐Steadiness(堅実)」、「C‐Conscientious(注意深い、慎重)」の4つに分類する理論である。また、「タイプ分け」とは、人の行動スタイルを「人や物事を支配していくコントローラー」、「分析や戦略を立てていくアナライザー」、「人や物事を促進していくプロモーター」、「全体を支持していくサポーター」の4つに分類する理論である。また、「4タイプ」とは、人間を欲求タイプに応じて4つに分類する理論である。
これら各種のコミュニケーション方法のいずれにも共通していることは、人間の欲求方向が外向的か内向的か、及び、欲求の認識が抽象的か具体的かの組み合わせであって、人の行動スタイルを、「司令型(外向的・具体的)」、「注目型(外向的・抽象的)」、「法則型(内向的・具体的)」、「理想型(内向的・抽象的)」の4つに分類していることである(なお、上述した「DiSC理論」等の例の他にも、4種の鳥になぞらえたり、歴史上の4人の偉人になぞらえたりといった、多くの応用パターンが存在する)。
これら行動心理学に基づいて分類するいずれの理論も、大きく2つの軸により判断することが共通している。すなわち、「自分の外部に変化を起こせることを前提とする情報処理性向(外向的)と、そうではない情報処理性向(内向的。環境に対して自身を適応させることを主とする)」及び「人との関係性(人からの評価)を重視する情報処理性向と、(人間関係では変わらない)具体的事実を重視する情報処理性向」の2軸であり、このことに再現性があると考えられる。なお、人ははっきりとこの4タイプに分けられるのではなく、あくまでこれらは地図における東西南北のように、タイプを考える際の「尺度の1つ」であるということには留意が必要である。
ここで、一例として上述した共通する2軸は、上記「能動的−受動的」の軸と、「事実重視−人間関係重視」の軸にそれぞれ対応する。本実施形態では、かかる「能動的−受動的」と「事実重視−人間関係重視」の2軸モデルにより患者努力を可視化し、患者のコミュニケーション特性を判別することが可能である。
(動作処理)
図11は、本実施形態による患者の取り組み姿勢の可視化に基づくコミュニケーション特性の判別処理とコミュニケーション特性に応じたアドバイス表示の動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、管理サーバ2の情報管理部201は、ユーザ(患者)の治療に対する取り組み姿勢を示す情報を収集、記録する(ステップS203)。
次に、画面生成部202は、ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を、2軸モデルで配置する画面を生成する(ステップS206)。
次いで、コミュニケーション特性判別部203は、生成した2軸モデルを分析し、ユーザ(患者)のコミュニケーション特性を判別する(ステップS209)。
そして、画面生成部202は、判別したコミュニケーション特性に応じて、当該ユーザに医療情報を提示する際の医療提供者向けアドバイスを表示する画面を生成する(ステップS212)。生成された画面は、医療提供者用の情報処理端末(不図示)に表示され得る。これにより、医療提供者は、患者のコミュニケーション特性に合わせた情報伝達方法を実現することができ、患者に薬剤や治療の情報を十分に伝え、患者のコミュニケーションが改善される。
(コミュニケーション特性について)
続いて、本実施形態によるコミュニケーション特性の判別の具体例について図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態による2軸モデルで判明するコミュニケーション特性のタイプの一例について説明する図である。
図12の画面500に示すように、例えば「能動的−受動的」を縦軸、「事実重視−人間関係重視」を横軸とした2軸モデルにより患者努力(各表示項目)を可視化した場合、下記4つのタイプを判別することができる。
・type1:能動的&事実重視・・・「DiSC理論」では“D(主導)”に分類、「タイプ分け」では“コントローラー”に相当。「最適な治療に自ら辿り着く能力」と「治療を客観的に評価する能力」を有する。
・type2:能動的&人間関係重視・・・「DiSC理論」では“I(感化)”に分類、「タイプ分け」では“プロモーター”に相当。「最適な治療に自ら辿り着く能力」と「患者として他者に相談する能力」を有する。
・type3:受動的&人間関係重視・・・「DiSC理論」では“S(安定)”に分類、「タイプ分け」では“サポーター”に相当。「患者として下された治療方針を遂行する能力」と「患者として他者に相談する能力」を有する。
・type4:受動的&事実重視・・・「DiSC理論」では“C(慎重)”に分類、「タイプ分け」では“アナライザー”に相当。「患者として下された治療方針を遂行する能力」と「治療を客観的に評価する能力」を有する。
なお、ここでは一例として患者努力の分析からコミュニケーション特性を判別する場合について説明したが、コミュニケーション特性の判別手法はこれに限定されず、例えば、アンケート(診断テスト)の回答に基づいた判別、医療情報の提示画面(電子お薬手帳の画面等)に対する患者の操作挙動に基づいた判別、または、患者の会話の内容に基づいた判別等も可能である。また、各判別手法のうち少なくともいずれかを用いた組み合わせにより、総合的にコミュニケーション特性を判別することも可能である。
(コミュニケーション特性のタイプ別のアドバイス)
上記分析に基づき、医療提供者の患者とのコミュニケーションにおいては、患者のコミュニケーション特性に応じて、例えば下記のような対応が有効となることが分かる。
・type1:客観的な情報を元に「自分で決める」ことに納得感を得ることが多いため、医療提供者側は患者側に対し、端的で客観的なデータを選択肢として示し、患者側が治療方針を決定することをサポートすることを重視していくことで、患者の満足度を上げることが可能になる。
・type2:客観的な情報よりも、患者が自主的に行ったことや、情報を入手してきたことに対して、医療提供者による称賛をベースにした誘導が有効である。また、情報呈示においても、一目で効果が分かるような図や写真を多用することが有効と考えられる。
・type3:医療提供者側からみて有効と思われる治療方法について、既に実践した別の患者による体験談を盛り込んだり、医療提供者と共にチームとなって治療にあたっていく方針を共有したりすることが有効と考えられる。
・type4:従来型の対面による情報提供を行うよりも、医療提供者から見て有効であると思われる治療法と、その治療法と比較すべき治療法について双方の文献情報を呈示し、一旦、その文献を患者本人に読み込んでもらった上で、メールなど文字ベースでの治療方針の合意を得ていく方向が有効と考えられる。
(患者努力の可視化の表示パターン)
次に、上記2軸モデルによる患者努力(治療に対する取り組み姿勢)の可視化の表示パターンと、コミュニケーション特性に応じた、患者への情報伝達時における医療提供者向けのアドバイスの具体例について、図13〜図17を参照して説明する。
図13は、本実施形態による患者努力可視化の一例を示す図である。図13の画面510では、例えば患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各項目の数値が、図12に示す例と同様の「能動的−受動的」の縦軸と「事実重視−人間関係重視」の横軸とから成る2軸モデル上に配置されている。コミュニケーション特性判別部203は、かかる2軸モデルの表示内容から当該患者のコミュニケーション特性を判別する。
具体的には、例えば図13に示す例の場合、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者が、受動的かつ事実重視であると判断し、コミュニケーション特性:type4と判別することができる。この場合、画面生成部202は、図13の画面510に示すように、判別したtype4に対応する所定のアドバイス情報511(例えば、「文書を自分で調査して理解するのが好きなタイプです。詳しい説明書を渡すと効果的です。」など)を表示する画面を生成する。医療提供者は、かかるアドバイスを参照し、より効果的に、患者に対して医療情報を提示することが可能となる。
このような2軸モデルの表示内容を閲覧した医療提供者は、当該患者のコミュニケーション特性のタイプを直感的に把握することができる。すなわち、各表示項目(患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各情報)について、能動的な行動についてはグラフが上方向に伸び、受動的な行動についてはグラフが下方向に伸びるため、2次元モデルの上半分に伸びる表示項目が多ければ「能動的に、最適な医療を探す能力」に長けており、下半分に伸びる表示項目が多ければ「患者として、下された治療方針(服薬など)を正確に遂行する能力」に長けていると、直感的に判断できる。また、事実重視の行動については左半分に表示され、人間関係重視の行動については右半分に表示されるため、2次元モデルの左半分に位置する表示項目が多ければ「治療を客観的に評価する能力」に長けており、右半分に位置する表示項目が多ければ「患者として、他者に相談する能力」に長けていると、直感的に判断できる。また、さらに、画面生成部202は、着目すべき箇所(図13に示す例では、当該患者のコミュニケーション特性の特徴が表れている左下(type4)の領域)にアイコン画像512を表示する画面を生成してもよい。
図14は、本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。図14の画面520においても、図13と同様に、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各項目の数値が、「能動的−受動的」の縦軸と「事実重視−人間関係重視」の横軸とから成る2軸モデル上に配置されている。コミュニケーション特性判別部203は、かかる2軸モデルの表示内容から当該患者のコミュニケーション特性を判別する。ここで、誰しもコミュニケーション特性の4つのタイプの要素を組み合わせた特徴を有するため、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者のコミュニケーション特性を判別する際、2軸モデルの表示内容から、どのタイプの傾向が強いかを判断し、総合評価を提示するようにしてもよい。
具体的には、例えば図14に示す例の場合、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者が、受動的かつ人間関係重視のtype3の傾向が強く、次に、受動的かつ事実重視のtype4の傾向が強いと判別することができる。この場合、画面生成部202は、図14の画面520に示すように、判別したtype3、type4に対応する所定のアドバイス情報521(例えば、「なるべくこれまでの方法から変更せず、変更の際には実績をベースに情報呈示するのがよいでしょう。」など)を表示する画面を生成する。
また、画面生成部202は、図14に示すように、当該患者の各typeの傾向の強さを面積で示す総合評価表示画像522を、2軸モデルの中央に表示する画面を生成してもよい。
図15は、本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。図15の画面530においても、図13と同様に、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各項目の数値が、「能動的−受動的」の縦軸と「事実重視−人間関係重視」の横軸とから成る2軸モデル上に配置されている。コミュニケーション特性判別部203は、かかる2軸モデルの表示内容から当該患者のコミュニケーション特性を判別する。
具体的には、例えば図15に示す例の場合、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者が、能動的かつ人間関係重視のtype2の傾向が強く、次に、能動的かつ事実重視のtype1と受動的かつ人間関係重視のtype3の傾向が強いと判別することができる。この場合、画面生成部202は、図15の画面530に示すように、判別したtype2に主に対応する所定のアドバイス情報531(例えば、「まずは薬局に来たことを褒め、服薬に関しての発言を聞き、感心した後でカラフルな資料で提案すると効果的です。」など)を表示する画面を生成する。
また、画面生成部202は、図15に示すように、当該患者の各typeの傾向の強さを面積で示す総合評価表示画像532を、2軸モデルの中央に表示する画面を生成してもよい。
ここで、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す情報の一つである「アンケート回答」は、上述したように、その内容によって、能動的と判断される場合もあれば、受動的と判断される場合もある。さらには、図15の画面530に示すように、能動的と受動的の両方に判断される(両方のタイプの傾向が見受けられる)場合もある。
能動的と受動的の両方に判断される場合について具体的に説明する。例えば、コミュニケーション特性判別部203は、既にコミュニケーション特性が判別されている他ユーザのアンケート回答状況に応じて、ユーザのアンケート回答という行動(取り組み姿勢)の能動的/受動的の判断を行ってもよい。一例としては、例えば、「type2の人物がアンケートに応じる割合」が1割、「type3の人物がアンケートに応じる割合」が3割であった場合、アンケート回答の数値(回答した設問数や文字数に応じてカウント)に応じた長さのグラフが、type2側(図15に示す例では上方向)とtype3側(図15に示す例では下方向)に1:3に伸びるよう配置する。ここで、グラフを伸ばす割合は、例えばベイズ推計を用いて動的に変動させてもよい。具体的には、ユーザ全体におけるtype2とtype3の割合を事前確率、アンケートの回答有無を事後確率としてベイズ更新を行い、グラフを伸ばす割合を動的に決定する。
また、コミュニケーション特性判別部203は、他の表示項目、例えばSNS投稿における返信率を用いた重み付けを用いて、アンケート回答のグラフを(上下に)伸ばす割合を決定することも可能である。
一例として、SNS投稿における返信率を用いる場合について説明する。コミュニケーション特性判別部203は、既にコミュニケーション特性が判別されている他ユーザ(サンプル)のSNS投稿における返信率の度合いに応じて、アンケート回答のグラフを(上下に)伸ばす割合を算出し得る。
例えば、type2と判別されたサンプル100人によるSNS投稿数が10000件、SNS閲覧数が10000件で、SNS投稿数10000件のうち、新規投稿が9000件、他者への返信が1000件の場合、type2(能動的なタイプ)のSNS投稿における返信率は1割となる。また、type3(受動的なタイプ)と判別されたサンプル100人によるSNS投稿数が2500件、SNS閲覧数は50000件で、SNS投稿数2500件のうち、新規投稿が500件、他者への返信が2000件の場合、type3のSNS投稿における返信率は8割となる。このように、SNSにおける返信率が、type2(能動的)とtype3(受動的)で「1:8」の割合になる場合、コミュニケーション特性判別部203は、アンケート回答をカウントしたグラフも、上下方向に1:8の割合(すなわち能動的−受動的の縦軸において、能動的方向(上方向)に伸びる割合と受動的方向(下方向)に伸びる割合を「1:8」)に決定するようにしてもよい。
図16は、本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。図16の画面540においても、図13と同様に、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各項目の数値が、「能動的−受動的」の縦軸と「事実重視−人間関係重視」の横軸とから成る2軸モデル上に配置されている。コミュニケーション特性判別部203は、かかる2軸モデルの表示内容から当該患者のコミュニケーション特性を判別する。
具体的には、例えば図16に示す例の場合、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者が、能動的かつ事実重視のtype1の傾向が強いと判別することができる。この場合、画面生成部202は、図16の画面540に示すように、判別したtype1に主に対応する所定のアドバイス情報541(例えば、「まずは必要な情報を端的に伝えた後、追加の説明が必要かは、患者さまに一度発言の主導権を渡しましょう。」など)を表示する画面を生成する。
また、画面生成部202は、図16に示すように、当該患者のコミュニケーション特性の各typeのうち、傾向の強いtypeの領域にマークを付与した総合評価表示画像542を、2軸モデルの中央に表示する画面を生成してもよい。
図17は、本実施形態による患者努力可視化の他の例を示す図である。図17の画面550においても、図13と同様に、患者の治療に対する取り組み姿勢を示す各項目の数値が、「能動的−受動的」の縦軸と「事実重視−人間関係重視」の横軸とから成る2軸モデル上に配置されている。コミュニケーション特性判別部203は、かかる2軸モデルの表示内容から当該患者のコミュニケーション特性を判別する。
具体的には、例えば図17に示す例の場合、コミュニケーション特性判別部203は、当該患者が、type1〜type4のいずれの特徴もバランス良く有すると判別することができる。この場合、画面生成部202は、例えば特に特徴的なtypeや表示項目(数値が所定値以上の場合など)に着目したアドバイスを提示する画面を生成してもよい。例えば画面生成部202は、図17の画面550に示すように、着目すべき表示項目に関する所定のアドバイス情報551(例えば、「特徴的なのは添付文書の調査数です。文書を自分で調査して理解するのが好きなタイプです。詳しい説明書を渡すと効果的です。」など)を表示する画面を生成する。
また、画面生成部202は、図17に示すように、着目すべき箇所(図17に示す例では、「添付文書の調査数」のグラフ)を指し示すアイコン画像552を表示する画面を生成してもよい。
(3−2−5.変形例)
なお、グラフの基準線(グラフの開始位置)は必ずしも一致しなくともよい。表示項目の内容によっては、所定値までは「能動的」な行動であり、その所定値を超えると「受動的」な行動であると判別できる場合や、その行動を起こした時点で(カウント1の時点で)、他の能動的または受動的な行動のカウント1よりも能動的または受動的な傾向が強いと判別できる場合があるためである。
図18は、本変形例によるグラフ表示の一例を示す図である。例えば図18の画面560に示すように、表示項目の内容に応じて、グラフの基準線を変更するようにしてもよい。
また、(関連性のある)表示項目を重ねて表示するようにしてもよい。図19は、本変形例によるグラフを重ねて表示する場合の一例を示す図である。例えば図19の画面570に示すように、表示項目の内容に応じて、関連する表示項目のグラフを重ねて表示するようにしてもよい。
<<4.ハードウェア構成>>
最後に、図20を参照して、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図20は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図20に示す情報処理装置800は、例えば、図1に示したユーザ端末1、管理サーバ2、又は医療提供者用の情報処理端末(不図示)を実現し得る。本実施形態に係るユーザ端末1、管理サーバ2、または医療提供者用の情報処理端末による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
図20に示すように、情報処理装置800は、例えば、CPU871と、ROM872と、RAM873と、ホストバス874と、ブリッジ875と、外部バス876と、インターフェース877と、入力装置878と、出力装置879と、ストレージ880と、ドライブ881と、接続ポート882と、通信装置883と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
(CPU871)
CPU871は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM872、RAM873、ストレージ880、又はリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。
具体的には、CPU871は、ユーザ端末1内の制御部10、または、管理サーバ2内の制御部20の動作を実現する。
(ROM872、RAM873)
ROM872は、CPU871に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM873には、例えば、CPU871に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
(ホストバス874、ブリッジ875、外部バス876、インターフェース877)
CPU871、ROM872、RAM873は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス874を介して相互に接続される。一方、ホストバス874は、例えば、ブリッジ875を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス876に接続される。また、外部バス876は、インターフェース877を介して種々の構成要素と接続される。
(入力装置878)
入力装置878には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力装置878としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。また、入力装置878には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
(出力装置879)
出力装置879は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、又は有機EL等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本開示に係る出力装置879は、触覚刺激を出力することが可能な種々の振動デバイスを含む。
(ストレージ880)
ストレージ880は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ880としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。
(ドライブ881)
ドライブ881は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu−ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。
(接続ポート882)
接続ポート882は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器902を接続するためのポートである。
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。
(通信装置883)
通信装置883は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。
<<5.まとめ>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本実施形態により、医療・健康に関わる情報をはじめとした「正確さを期するにはある程度の情報量や時間が必要」なコミュニケーションについて、従来の方法よりも発信者と受信者との情報伝達率が向上し、患者側(および医療者側)の満足度が高まる。
また、これまで、患者については、「疾病や自分の身体について(自覚症状の愁訴以外は)無知であり、調剤された薬を服薬するのみ」としか期待されていなかった中で、「疾病や自分の身体について、また治療方法について賢いこと」が明確に期待されることで、治療に対しての積極性が促されることが見込まれる。
加えて、患者の服薬以外の行動についても情報を蓄積、処理、表示され、医療者及び健康増進に関わる人など他者から賞賛・承認されることにより、さらに治療に対し積極性が促されることが見込まれる。
医療提供者にとってみても、患者側がコミュニケーションに関して慎重なタイプであるか、積極的なタイプであるか等のコミュニケーション特性を把握できる。さらに、患者にとって納得しやすいアプローチを把握することにより、その後のコミュニケーションにおいても良好な関係を築きやすくなる。
また、本実施形態は、医療・健康に関するユーザの取り組み姿勢を可視化して励行する手法と、このような取り組み姿勢の可視化に基づくコミュニケーション特性の判別について提案したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、医療・健康に関する取り組みの他、育児、介護、災害・安全等に関するユーザの取り組み姿勢を可視化して励行する手法や、かかる取り組み姿勢の可視化によりコミュニケーション特性を判別することも可能である。
また、上述したユーザ端末1、管理サーバ2、又は医療提供者向けの情報処理端末に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、ユーザ端末1、管理サーバ2、又は医療提供者向けの情報処理端末の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部を備え、
前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、情報処理装置。
(2)
前記制御部は、
登録された服用期間において、所定の服用タイミングで服用したこと又は意図的に服用しなかったことが前記ユーザにより入力されなかった場合、服用忘れと判断する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、
初回の服用状況の記録タイミングが、登録された服用期間の開始タイミングと異なる場合、当該服用期間の開始時期を再設定する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、
前記服用期間の最終回において、前記服用期間に服用忘れがあった場合、前記服用期間の延長設定画面を表示する、前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、
前記服用期間と、前記服用履歴とに基づいて、前記ユーザの服用進捗状況をグラフ表示する、前記(2)〜(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、
前記服用期間が終了した場合、前記服用履歴として記録された服用回数、意図的に服用しなかった回数、および、服用忘れの回数に基づいた評価結果を、前記グラフ表示と共に表示する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、収集した前記ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を表示する制御を行い、
前記取り組み姿勢を示す情報は、前記服用状況と、前記服用以外の取り組み姿勢に関する情報を含む、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記服用以外の取り組み姿勢に関する情報は、服薬以外の治療の実施に関する情報、薬または病院の切り替え行動に関する情報、薬剤に関する添付文書の調査数、これまでに経験した薬剤の種類、病気または治療に関するアンケートの回答に関する情報、および、病気または治療に関するSNSの活用に関する情報の少なくともいずれかを含む、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、
前記ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を、能動的−受動的の軸と、事実重視−人間関係重視の軸の少なくともいずれかにより形成されたグラフ上に配置した画面を生成する、前記(7)または(8)に記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、
前記グラフの状態から、前記ユーザのコミュニケーション特性を判別する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、
前記ユーザのコミュニケーション特性に応じて、前記ユーザに医療提供者が医療情報を提示する際の医療提供者向けの情報伝達に関するアドバイスを表示する画面を生成する、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
プロセッサが、
ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示することを含み、
前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御することを含む、情報処理方法。
(13)
コンピュータを、
ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部として機能させ、
前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、プログラム。
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 ネットワーク
10 制御部
11 通信部
12 操作入力部
13 表示部
14 記憶部
20 制御部
201 情報管理部
202 画面生成部
203 コミュニケーション特性判別部
204 出力制御部
21 通信部
22 記憶部

Claims (13)

  1. ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部を備え、
    前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
    前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、情報処理装置。
  2. 前記制御部は、
    登録された服用期間において、所定の服用タイミングで服用したこと又は意図的に服用しなかったことが前記ユーザにより入力されなかった場合、服用忘れと判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記制御部は、
    初回の服用状況の記録タイミングが、登録された服用期間の開始タイミングと異なる場合、当該服用期間の開始時期を再設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記制御部は、
    前記服用期間の最終回において、前記服用期間に服用忘れがあった場合、前記服用期間の延長設定画面を表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
  5. 前記制御部は、
    前記服用期間と、前記服用履歴とに基づいて、前記ユーザの服用進捗状況をグラフ表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
  6. 前記制御部は、
    前記服用期間が終了した場合、前記服用履歴として記録された服用回数、意図的に服用しなかった回数、および、服用忘れの回数に基づいた評価結果を、前記グラフ表示と共に表示する、請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記制御部は、収集した前記ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を表示する制御を行い、
    前記取り組み姿勢を示す情報は、前記服用状況と、前記服用以外の取り組み姿勢に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記服用以外の取り組み姿勢に関する情報は、服薬以外の治療の実施に関する情報、薬または病院の切り替え行動に関する情報、薬剤に関する添付文書の調査数、これまでに経験した薬剤の種類、病気または治療に関するアンケートの回答に関する情報、および、病気または治療に関するSNSの活用に関する情報の少なくともいずれかを含む、請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記制御部は、
    前記ユーザの治療に対する取り組み姿勢を示す情報を、能動的−受動的の軸と、事実重視−人間関係重視の軸の少なくともいずれかにより形成されたグラフ上に配置した画面を生成する、請求項7に記載の情報処理装置。
  10. 前記制御部は、
    前記グラフの状態から、前記ユーザのコミュニケーション特性を判別する、請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記制御部は、
    前記ユーザのコミュニケーション特性に応じて、前記ユーザに医療提供者が医療情報を提示する際の医療提供者向けの情報伝達に関するアドバイスを表示する画面を生成する、請求項10に記載の情報処理装置。
  12. プロセッサが、
    ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示することを含み、
    前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
    前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御することを含む、情報処理方法。
  13. コンピュータを、
    ユーザから取得した服用状況に関する情報に基づいて、前記ユーザの服用履歴を表示する制御部として機能させ、
    前記服用状況に関する情報には、服用したこと、および、意図的に服用しなかったことが含まれ、
    前記制御部は、前記服用状況に関する情報と、さらに、前記ユーザの服用忘れと、を含めて、前記服用履歴として表示制御する、プログラム。

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