JP5379411B2 - 燃料電池用レギュレータユニット - Google Patents
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Description
このため、特許文献1の燃料電池用レギュレータユニットでは、燃料ガス導入ポート内に小型のフィルタを設置して全体が大型化しないように図っている。
しかしながら、そのフィルタは、燃料ガス導入ポートに連続する導入流路に内設される小型の簡易型フィルタであるため、浄化機能が限定されている。
アノード系の経路においては、燃料ガス中に含有しているオイル等を除去可能な機能を備えたフィルタが要望されていた。
換言すると、レギュレータは、単一の取付面に一次側ポートと二次側ポートとを併設して、その取付面を遮断弁ボディの被取付面に取り付けることによって、第1連通路からレギュレータの一次側ポートに供給された燃料ガスを調圧(減圧)させた状態で、二次側ポートから第2連通路を介して遮断弁側へ戻し、さらに、フィルタで効果的に燃料ガス中の塵埃等を除去することができる。レギュレータと遮断弁とは、取付面と被取付面とを取り付けて一体化することによって、配管を使用せずに、燃料ガスの往路と復路を接続して流路を形成することができる。このため、燃料電池用レギュレータユニットは、配管及び配管の設置スペースを解消して、ユニット全体をさらに小型化することができると共に、部品点数及び組付工数を削減してコストの低減を図ることができる。
また、フィルタは、レギュレータを経由した燃料ガスの復路である遮断弁側に設けることが可能となり、第2連通路から流入する減圧された燃料ガスを浄化するので、浄化効率をより一層向上させることができる。遮断弁は、その浄化された燃料ガスを下流側へ送り出すことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池用レギュレータユニットを設けた燃料電池システムのブロック図である。
まず、本発明の燃料電池用レギュレータユニットを説明する前に、燃料電池システム1を説明する。
図1に示す燃料電池システム1は、例えば、燃料電池スタック(以下、「燃料電池」という)を電源として、その燃料電池2の電力で走行モータが駆動して走行する車両等に使用される。この燃料電池システム1は、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとの反応によって発電を行う燃料電池2と、燃料ガスが流通する燃料ガス流通路3と、酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通路4と、燃料ガス流通路3と酸化剤ガス流通路4とを連通するバイパス通路5と、を備えている。
図1に示す燃料電池2は、例えば、固体高分子電解質膜を挟んでアノード2aとカソード2bとを対設した燃料電池セルをセパレータによって挟持して複数積層することにより構成されている。そして、燃料電池2は、例えば、カソード2bに供給される酸化剤ガスとしての空気中の酸素と、アノード2aに供給される燃料ガスとしての水素との電気化学反応によって電力を発生させる仕組みになっている。
燃料ガス流通路3は、燃料ガスを燃料ガス供給部31からアノード2aの燃料ガス供給口2cに供給し、アノード2a内の燃料ガスを燃料ガス排出口2dから外部に排出して流通させるための流通路である。燃料ガス流通路3は、燃料ガス導入路3aと、燃料ガス循環路3bと、燃料ガス排出通路3cとから構成されている。
燃料ガス循環路3bは、燃料電池システム1の通常運転時に、燃料電池2の燃料ガス排出口2dから排出された排出燃料ガスをエゼクタ32を介して再び燃料電池2の燃料ガス供給口2cに循環させるための流路である。
燃料ガス排出通路3cは、燃料ガス導入路3aによってアノード2aに供給されて燃料ガス排出口2dから排出された排出燃料ガス及び酸化剤ガス(掃気ガス)を外部に排出させるための流路である。
酸化剤ガス流通路4は、空気等の酸化剤ガスをカソード2bの酸化剤ガス供給口2eに供給し、カソード2b内の酸化剤ガスを酸化剤ガス排出部44から外部に排出して流通させるための流通路である。酸化剤ガス流通路4は、酸化剤ガス導入路4aと、酸化剤ガス排出通路4bとから構成されている。酸化剤ガス流通路4において、カソード加湿部43と放熱部42との間には、後記するバイパス通路5が接続されている。
酸化剤ガス導入路4aは、酸化剤ガス供給部41から放熱部42及びカソード加湿部43を介してカソード2bに酸化剤ガスを送るための流路である。
酸化剤ガス排出通路4bは、酸化剤ガス導入路4aによってカソード2bに供給された酸化剤ガスを外部に排出させるための流路である。
バイパス通路5は、燃料ガス流通路3と酸化剤ガス流通路4とを連通して、酸化剤ガスを燃料ガス流通路3に送るための配管である。バイパス通路5は、一方が放熱部42とカソード加湿部43との間に接続され、他方が圧力制御部6に接続されている。
次に、図1〜図8を参照して燃料電池用レギュレータユニット7を説明する。
図2に示すように、燃料電池用レギュレータユニット7は、ユニット本体71と、レギュレータ8と、遮断弁9と、フィルタ10と、から主に構成されている。燃料電池用レギュレータユニット7は、それらを一体にして単体化したものであって、前記圧力制御部6を構成している。また、燃料電池用レギュレータユニット7は、レギュレータ8と遮断弁9とフィルタ10とを備えたことによって、流体を調圧する機能と、流路を開閉する機能と、燃料ガスを浄化する機能と、を備えている。
図2及び図3に示すように、ユニット本体71は、レギュレータ8と遮断弁9とフィルタ10とを一体化して、1つに連設するための部材である。ユニット本体71は、それぞれ後記するレギュレータボディ81及び遮断弁ボディ91から主に構成されている。ユニット本体71には、後記するパイロットエア流入ポート73及び第2パイロットエア排出ポート75が形成され、それらに接続した各継手部材72が突出した状態に設けられている。
図4及び図5に示すように、レギュレータ8は、圧力制御部6(図1参照)へパイロットエア流入ポート73から供給されるパイロットエアのパイロット圧を調圧すると共に、そのパイロット圧に対応して一次側ポート8aから供給された燃料ガスを調圧して二次側ポート8bから導出する装置である。レギュレータ8は、一次側ポート8a、二次側ポート8b及びレギュレータ駆動空間8c(図6参照)を有するレギュレータボディ81を備えている。
以下、図6を主に参照しながら各図を参照して説明する。
一次側ポート8aは、後記する遮断弁9の第1連通路9dに連通し、レギュレータ8へ燃料ガスが導入される部位である。一次側ポート8aには、燃料ガス供給部31(図1参照)から供給された燃料ガスが、ユニット本体71(遮断弁ボディ91及びレギュレータボディ81)によって連設された遮断弁9を介して導入される。一次側ポート8aは、上流側が遮断弁9の第1連通路9dに接続され、下流側が流路を介してレギュレータ駆動空間8cに連通し、レギュレータ第1ブロック体81aの取付面81dに形成されている。
図7に示すように、二次側ポート8bは、レギュレータ8から調圧された燃料ガスが導出される部位であり、レギュレータ第1ブロック体81aの取付面81dに形成されている。二次側ポート8bは、上流側が後記する流体室8eに連通され、下流側が遮断弁9の第2連通路9eに接続されている。この二次側ポート8bからは、一次側ポート8a(図6参照)から導入された燃料ガスがレギュレータ8で低圧に調圧されてエゼクタ32(図1参照)側に導出されるようになっている。
図6に示すように、レギュレータ駆動空間8cは、レギュレータ第1ブロック体81a内の弁体82bと蓋体83との間に形成された空間である。レギュレータ駆動空間8cには、一次側ポート8aと二次側ポート8b(図7参照)とを連通させる流体通路を開閉する弁機構部82が設けられている。レギュレータ駆動空間8cは、弁体82bが開弁することによって、一次側ポート8aからこのレギュレータ駆動空間8c内に導入された燃料ガスが流体室8e側に流動するようになっている。
背圧室8dは、弁体82bに付与される圧力を軽減させる機能を備え、圧力−流量特性を向上させることができる。つまり、背圧室8dは、調圧された二次側圧力によって弁体82bを弁座82cから離間する方向に付勢する力と、この背圧室8d内に侵入した圧力流体によって弁体82bを弁座82cに圧接させる方向に付勢する力とが相殺されることにより、弁体82bに付与される圧力を軽減させることができる。なお、背圧室8dは、ロッド部材82aに形成された第2連通孔82f及び第1連通孔82eを通って室8fに連通している。
流体室8eは、レギュレータ第1ブロック体81a内の弁体82bと保持部材86との間に形成された空間である。流体室8eは、弁体82bが開弁することによって、レギュレータ駆動空間8c内の燃料ガスが流体室8e側に流入し、この流体室8e内の燃料ガスが二次側ポート8b(図7参照)から遮断弁9の第2連通路9e(図7参照)を介してフィルタ10(図7参照)に流れるようになっている。
室8fは、レギュレータ第1ブロック体81a内の保持部材86と第2ダイヤフラム本体85aとの間に形成された空間である。
大気室8gは、第1ダイヤフラム本体84aと第2ダイヤフラム本体85aとの間のレギュレータ第2ブロック体81bの内壁面によって形成された空間である。大気室8gは、不図示の通路を介して大気に連通している。
パイロット室8hは、レギュレータカバー81cの内壁面と、レギュレータカバー81cの下側開口部を閉塞する第1ダイヤフラム本体84aと、レギュレータカバー81cの上側開口部を閉塞する調整ねじ部材87とによって形成されている。パイロット室8hには、第1ダイヤフラム84の第1上側リテーナ84dを下側に付勢する第2ばね部材SP2が内設されている。このパイロット室8hは、パイロットエア流入ポート73(図8参照)に連通し、パイロットエア流入ポート73からパイロットエアが導入されて、第1パイロットエア排出ポート74及び第2パイロットエア排出ポート75(図8参照)から排出されるようになっている。
図8に示すように、前記したパイロットエア流入ポート73は、パイロットエアをレギュレータ8のパイロット室8hに供給するための供給口であり、レギュレータカバー81cに装着された管体からなる。パイロットエア流入ポート73は、上流側が管体(図示省略)を介してバイパス通路5(図1参照)に接続され、下流側がパイロット通路78に設けたエアフィルタ76及びオリフィス77を介してパイロット室8hに連通している。
前記した第1パイロットエア排出ポート74及び第2パイロットエア排出ポート75は、パイロット室8h内のパイロットエアを排出する排出口であり、レギュレータカバー81cに装着された管体に設けられる。
第1パイロットエア排出ポート74は、レギュレータカバー81cに形成した流路(図示省略)を介してパイロット室8hに連通している。
第2パイロットエア排出ポート75は、レギュレータカバー81cに形成したパイロット通路78及びオリフィス77を介してパイロット室8hに連通すると共に、パイロット通路78を介してパイロットエア流入ポート73に連通している。このため、パイロットエア流入ポート73から流入した大部分のエアは、第2パイロットエア排出ポート75から下流側部材へ流れ、僅かな流量のエアがパイロット室8hに流れ込むようにオリフィス77によって規制される。また、パイロット室8h内から排出されるエアは、大部分が第1パイロットエア排出ポート74から排出され、僅かな流量のエアがオリフィス77及びパイロット通路78を介して第2パイロットエア排出ポート75から下流側部材へ流れるようにオリフィス77によって規制される。
図8に示すように、パイロット通路78は、パイロット室8hと、パイロットエア流入ポート73及び第2パイロットエア排出ポート75とを連通させるための流路である。このパイロット通路78によって、パイロットエア流入ポート73から流入したパイロットエアがパイロット室8h内に送られると共に、第2パイロットエア排出ポート75から下流側部材へ排出されるようになっている。パイロット通路78は、パイロット室8hと第2パイロットエア排出ポート75とを結ぶ流路に対して、パイロットエア流入ポート73に連通する流路が交差して分岐するように形成されている。
エアフィルタ76は、パイロットエア流入ポート73から導入されたパイロットエア中の塵埃等を除去してパイロット室8hへの塵埃等の侵入を防止するフィルタ部材である。エアフィルタ76は、例えば、断面略U字状に形成されて、パイロットエア流入ポート73の下流側端部に装着されている。
オリフィス77は、パイロット通路78を流れるパイロットエアの圧力及び流量を調整するためのものであり、パイロット通路78の内径の一部を小径にして形成されている。つまり、オリフィス77は、パイロットエア流入ポート73から流入したパイロットエアがこのオリフィス77を通過することにより圧力が低下されてパイロット室8hへ送られ、パイロット室8hからパイロットエアがこのオリフィス77を通過することによって圧力が低下されて第2パイロットエア排出ポート75から排出されるようになっている。
ここで、パイロットエア流入ポート73、パイロット室8h(第1パイロットエア排出ポート74)及び第2パイロットエア排出ポート75の各圧力の関係は、以下の式となる。
パイロット室8h(第1パイロットエア排出ポート74)圧<第2パイロットエア排出ポート75圧≦パイロットエア流入ポート73圧
図6に示すように、調整ねじ部材87は、この調整ねじ部材87を回動させることによって第2ばね部材SP2のばね力を調整する部材である。調整ねじ部材87は、レギュレータカバー81cのねじ孔に螺入されることによって、パイロット室8hの上端部に設置されている。
第2ばね部材SP2は、下端部が、第1上側リテーナ84dに押圧し、上端部が、ばね受け部材88を介在して調整ねじ部材87を押圧した状態で、それらの部材間に介在されている。第2ばね部材SP2は、圧縮コイルばねからなる。
前記レギュレータボディ81は、レギュレータ8の本体ケースを形成する部材である。このレギュレータボディ81は、相互に積層されて一体的に連結されたレギュレータ第1ブロック体81aと、レギュレータ第2ブロック体81bと、レギュレータカバー81cとから構成されている。レギュレータボディ81は、一次側ポート8aと二次側ポート8bとが形成された単一の取付面81dを有している。
図6に示すように、弁機構部82は、レギュレータボディ81の軸線方向に沿って延在するロッド部材82aと、このロッド部材82aに外嵌され、半径外方向に向かって突出した鍔状の弁体82bと、この弁体82bが接離する弁座82cと、第1ダイヤフラム84と、この第1ダイヤフラム84より小径の第2ダイヤフラム85と、第1ばね部材SP1と、第2ばね部材SP2と、を備えて構成されている。
フランジ部82dは、ロッド部材82aの中央部の外周に形成された鍔状の厚板部であり、第2ダイヤフラム本体85aを保持する第2保持機構85bの一部を構成している。フランジ部82dは、このフランジ部82dの上側に設置される第2リテーナ85cとで第2ダイヤフラム本体85aを保持している。
第1連通孔82eは、ロッド部材82aにおいて、このロッド部材82aが室8fに配設される部位に穿設されている。
第2連通孔82fは、この第1連通孔82eと背圧室8dとを連通させる孔である。
蓋体83は、レギュレータ第1ブロック体81aの下端部中央に上下方向に向けて穿設して形成された背圧室8dを閉塞するための部材である。この蓋体83の背圧室8d側には、底付円筒形状の弁体ガイド部83aと、ばね受け83bと、が一体形成されている。
弁体ガイド部83aは、レギュレータ駆動空間8c及び流体室8e内の燃料ガスの圧力によって作動する弁体82bの移動をガイドする部材である。弁体ガイド部83aは、レギュレータ駆動空間8cの軸線方向に沿って上側へ所定長だけ突出して形成されている。
ばね受け83bは、弁体82bを弁座82c側に付勢する第1ばね部材SP1の下端を支持する部位であり、弁体ガイド部83aの根元の外周に形成された環状溝からなる。
したがって、レギュレータ8は、弁体82bを弁座82cから離間させる方向に付勢する第2ばね部材SP2のばね力に対して第1ばね部材SP1のばね力が打ち勝っているため、パイロット圧が付与されない平常時において、弁体82bが弁座82cに着座した状態にあるノーマルクローズタイプに設定されている。レギュレータ8は、ノーマルクローズタイプに設定されることにより、不必要な時に燃料ガスが二次側ポート8bから導出することがなく、燃料ガスの浪費を防止して省力化することができる。
第1ダイヤフラム84は、所定以上の圧力を受けた際に、第1ダイヤフラム本体84aが変形して跳ね上がって作動する伸縮可撓性部材である。第1ダイヤフラム84は、ロッド部材82aの他端部に連結された大径の第1ダイヤフラム本体84aと、この第1ダイヤフラム本体84aを保持する第1保持機構84bと、を備えている。
第1下側リテーナ84cは、第1ダイヤフラム本体84aの下面を保持する部材であり、略円板状の部材からなる。この第1下側リテーナ84cは、中央部にロッド部材82aが挿通される孔が穿設されている。
第1下側リテーナ84c及び第1上側リテーナ84dは、第1ダイヤフラム本体84aを挟持した状態で、第2保持機構85bの上側に配設され、ナットN1によってロッド部材82aに固定される。
第2ダイヤフラム85は、所定以上の圧力を受けた際に、第2ダイヤフラム本体85aが変形して跳ね上がって作動する伸縮可撓性部材である。第2ダイヤフラム85は、中央側をロッド部材82aに固定された小径の第2ダイヤフラム本体85aと、この第2ダイヤフラム本体85aの上面を保持する第2保持機構85bと、から構成されている。
フランジ部82dは、第2ダイヤフラム本体85aの下面を保持する略円板状の保持部材からなる。このフランジ部82dは、ロッド部材82aの中央部に鍔状に一体形成されている。フランジ部82dの外周縁部には、下方側に向かって断面L字状に屈曲形成された複数のストッパ部82hが形成されている。
遮断弁9は、レギュレータ8の一次側ポート8aに供給する燃料ガス供給部31(図1参照)からの燃料ガスを供給または停止するための電磁バルブ装置である。遮断弁9は、レギュレータ8の一次側ポート8a及び二次側ポート8b(図7参照)が設けられている取付面81dに、被取付面91cを密閉固定して取り付けられて、一体化される。遮断弁9は、遮断弁ボディ91と、弁体92と、遮断弁用ダイヤフラムバルブ93と、ばね受け部材94と、エンドプレート95と、コイル96と、プランジャ97と、鉄心98と、ハウジング99と、を有している。その他、遮断弁9には、この遮断弁9の弁体92が接離する弁座9aを有する遮断弁ボディ91の遮断弁第1ブロック体91aの下部に、燃料ガス中の不純物を除去するフィルタ10が設置されている。
遮断弁ボディ91は、遮断弁9に導入及び導出される燃料ガスの流路を被取付面91cに有すると共に、弁体92が弁座9aに接離する弁室9hが形成される本体を構成する部材である。遮断弁ボディ91は、レギュレータ8のレギュレータ第1ブロック体81aの取付面81dに、Oリングを介在して連設された遮断弁第1ブロック体91aと、この遮断弁第1ブロック体91aの上面に、Oリングを介在して設置された遮断弁第2ブロック体91bと、を有してなる。遮断弁ボディ91の下面には、第2連通路9eの開口端と、導出流路9fの開口端と、フィルタ10とが設置されている。
遮断弁第2ブロック体91bは、遮断弁第1ブロック体91aに載設されて、弁体92及びプランジャ97の駆動する駆動空間9iが形成されている。
前記被取付面91cには、第1連通路9dと、第2連通路9eと、が形成されている。被取付面91cの左右の外周部寄りには、レギュレータ8を遮断弁9に固定するためのボルトB1(図2参照)が螺着されるボルト穴が形成されている。
燃料ガス導入ポート9bは、燃料ガス供給部31(図1参照)からの燃料ガスが燃料電池用レギュレータユニット7の遮断弁9に供給される供給口であり、遮断弁第1ブロック体91aの下端部に形成されている。
弁室9hは、遮断弁9の弁体92が作動する作動空間である。弁室9h内には、コイル96及び鉄心98による磁力で駆動するソレノイドのプランジャ97によって作動する弁体92と、この弁体92の上下動によって接離する弁座9aと、が設けられている。
燃料ガス導出ポート9gは、第2連通路9eから流入し、フィルタ10によって浄化された燃料ガスをエゼクタ32(図1参照)へ導出する吐出口である。燃料ガス導出ポート9gには、燃料ガス導入路3a(図1参照)が接続されている。
ばね受け部材94は、その弁ばねSP3の上側を支持する部材であり、遮断弁第2ブロック体91bとエンドプレート95とによって挟持されている。このばね受け部材94は、遮断弁第2ブロック体91bの上側に配設されて、その内部にプランジャ97が軸線方向に沿って進退自在に挿入されて、コイル96のボビン(図示省略)とエンドプレート95と共にプランジャ97を移動自在に支持している。
コイル96は、プランジャ97及び鉄心98の周部のボビン(図示省略)に巻回され、そのボビンを介して制御装置に電気的に接続されている。このコイル96と、コイル96に内設された鉄心98と、コイル96内に進退自在に挿入されたプランジャ97とによって、そのプランジャ97を介在して弁体92を作動させるソレノイドを構成している。
ハウジング99は、コイル96を収納するための有底円筒状の部材であり、コイル96や鉄心98等からなるソレノイドの外部を、シール材を介して覆うように装着されている。ハウジング99の外周部には、コイル96に電流を供給するためのコネクタ部9j(図2参照)が設けられている。
図6に示すように、フィルタ10は、燃料ガス導入ポート9bから遮断弁9内に一旦導入されてからレギュレータ8に送られて減圧された燃料ガスが供給されて、燃料ガス中に含有される塵埃等の不純物を除去するための浄化装置である。図7に示すように、フィルタ10は、遮断弁第1ブロック体91aの下面中央部に開口された第2連通路9e及び導出流路9fにそれぞれ連通するように、遮断弁第1ブロック体91aの下面に設置されている。フィルタ10は、フィルタケース11と、フィルタエレメント12と、連結部材13と、支持部材14と、を備えて構成されている。
次に、図1を参照しながら燃料電池システム1の動作について説明する。
図1に示すように、燃料電池2は、燃料ガス供給部31から圧力制御部6、エゼクタ32、アノード加湿部33を介して燃料ガス流通路3から供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給部41から酸化剤ガス流通路4によって供給される酸化剤ガスとの電気化学反応によって電力及び熱を発生する。
まず、制御装置(図示省略)から制御信号に基づいて図6に示す遮断弁9のコイル96に電流が供給されて励磁されることにより鉄心98に吸引力が発生し、プランジャ97が鉄心98側に向かって吸引される。このため、プランジャ97に連結された弁体92が弁座9aから離間して遮断弁9が弁開状態となる。この結果、燃料ガス供給部31(図1参照)内の燃料ガスが、燃料ガス導入ポート9bから導入流路9c、弁室9h及び第1連通路9dを経由してレギュレータ8の一次側ポート8a(図7参照)に供給される。
パイロット室8hに導入されたパイロットエアは、図6に示すように、第1ダイヤフラム本体84aを下方側に向かって押圧するように作用する。この場合、ロッド部材82aを介して連結されている第1ダイヤフラム本体84a、第2ダイヤフラム本体85a及び弁体82bが一体的に下方側に向かって変位し、弁体82bが弁座82cから離間して開弁させる。
このようにして、フィルタ10で浄化された燃料ガスは、導出流路9fから燃料ガス導出ポート9g、燃料ガス導入路3aを通ってエゼクタ32側に向かって導出される。
さらにまた、本実施の形態では、レギュレータ8と遮断弁9とフィルタ10との3つの装置をユニット化したことにより、個々の構成要素の機能・特性を維持しながら小型化することができる。
前記実施形態では、レギュレータ8と、遮断弁9と、フィルタ10とを一体化した燃料電池用レギュレータユニット7を備えた燃料電池システム1が燃料電池自動車に搭載された場合について例示したが、燃料電池システム1の使用態様はこれに限定されず、その他に例えば、家庭用の据え置き型の燃料電池システムであってもよい。
2 燃料電池スタック(燃料電池)
6 圧力制御部
7 燃料電池用レギュレータユニット
8 レギュレータ(二次レギュレータ)
8a 一次側ポート
8b 二次側ポート
9 遮断弁
9a 弁座
9b 燃料ガス導入ポート
9d 第1連通路
9e 第2連通路
9f 導出流路
9g 燃料ガス導出ポート
9h 弁室
10 フィルタ
11 フィルタケース
12 フィルタエレメント
31 燃料ガス供給部
71 ユニット本体
73 パイロットエア流入ポート
74 第1パイロットエア排出ポート
75 第2パイロットエア排出ポート(パイロットエア排出ポート)
81 レギュレータボディ
81c レギュレータカバー
91 遮断弁ボディ
92 弁体
B1 ボルト(締結部材)
Claims (3)
- 燃料電池システムにおける酸化剤ガス供給部から供給される酸化剤ガスであるパイロットエアのパイロット圧を調圧すると共に、前記パイロット圧に対応して一次側ポートから供給された燃料ガスを調圧して二次側ポートから燃料電池側へ導出するレギュレータと、
前記一次側ポートに対して燃料ガス供給部からの前記燃料ガスを供給または停止する遮断弁と、
前記燃料ガス中の不純物を除去するフィルタと、
をユニット化した燃料電池用レギュレータユニットであって、
前記遮断弁は、前記燃料ガス供給部からの前記燃料ガスが供給される燃料ガス導入ポートと、
この燃料ガス導入ポートから導入した前記燃料ガスを前記一次側ポートに供給する第1連通路と、
前記二次側ポートからの前記燃料ガスが供給される第2連通路と、
この第2連通路から流入した前記燃料ガスを前記フィルタを経由して導出する燃料ガス導出ポートと、を有する遮断弁ボディを備え、
前記レギュレータは、前記一次側ポートと前記二次側ポートとが形成された取付面を有するレギュレータボディを備え、
前記取付面には、前記第1連通路と前記第2連通路とが形成された前記遮断弁ボディの被取付面が取り付けられることによって、前記一次側ポートに前記第1連通路が連通されると共に、前記二次側ポートに前記第2連通路が連通されることを特徴とする燃料電池用レギュレータユニット。 - 前記レギュレータは、前記レギュレータボディの上方に設けられたレギュレータカバーを備え、
前記レギュレータカバーには、前記パイロットエアが導入されるパイロットエア流入ポートと、このパイロットエア流入ポートに分岐して連通するパイロットエア排出ポートと、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用レギュレータユニット。 - 前記レギュレータボディの取付面と、前記遮断弁ボディの被取付面とは、締結部材を介して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用レギュレータユニット。
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