JP5377436B2 - 粉体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体処理装置に関するもので、詳しくは、固体粒子の表面に他の微小固体粒子を埋設若しくは固着して、または固体粒子の表面に他の微小固体粒子を膜状に固定化して、固体粒子を表面改質する装置、および金属や樹脂、無機物等の不定形粒子を球形化処理する装置に関するものである。
従来、固体粒子の固着防止、変色・変質防止、分散性の向上、流動性の改善、触媒効果の向上、消化・吸収の制御、磁性特性の向上、耐候性の向上等を目的として、粉体の各種表面改質が行われてきた。
この中で、核となる固体粒子(以下、「母粒子」という)の表面にこの固体粒子よりも小さな他の固体粒子(以下、「子粒子」という)を埋設または固着して、固体粒子の表面を改質した機能性複合粉体材料を得る方法(以下、「固定化処理方法」ということもある)、母粒子の表面に子粒子を膜状に固定化して固体粒子の表面を改質した機能性複合粉体材料を得る方法(同、「成膜化処理方法」)、更には金属や樹脂、無機物等の不定形の固体粒子を球形化処理する方法(同、「球形化処理方法」)として、例えば、特許文献1〜3に開示された高速気流中衝撃法が存在する。
この特許文献1〜3に開示された高速気流中衝撃法は、ケーシング内にハンマー形またはブレード形の衝撃ピンを周設した回転盤を配置すると共に、該衝撃ピンの最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の空間を置いて衝突リングを配置し、上記衝撃ピンの回転によって発生した気流を、上記衝突リングの内壁の一部に開口する循環口から循環回路を介してケーシングを構成する前カバーの中心部の開口部から衝撃室に誘導・循環させ(自己循環流れ)、該気流と共に処理粉体を繰り返し上記衝撃室と循環回路とを通過させ、衝撃ピンによる機械的打撃および衝突リングへの衝突による衝撃式打撃作用により、短時間(数十秒〜数分間)で均一な粉体処理を行なうものである。
特公平3−2009号 特公平3−76177号 特公平4−3250号
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された高速気流中衝撃法を実施する装置においては、次の課題があった。
(a)上記特許文献に開示された装置では、循環回路を介して循環する処理粉体は回転盤の中心に戻され、常に衝撃ピンと衝突リングとによる強力な打撃作用を受ける構造になっているため、例えば固定化処理の場合、母粒子が数十μmと大きくセラミックスのような無機物質の場合には、回転盤の外周速度が速いと母粒子が粉砕されてしまい、逆に遅いと子粒子が母粒子の表面に固定化され難いため、固定化処理の効率が悪いものであった。また、球形化処理の場合は、球形化されながら時間と共に粉砕が進み、処理粉体の平均粒径が小さくなるという課題があった。
(b)また、上記特許文献に開示された装置では、ケーシングを構成する前カバーの中心付近に循環回路が連結されているため、回転盤の回転軸を前カバーと反対の側の一方で支持するいわゆる片持ちタイプの装置にする必要がある。そのため、回転盤に周設された衝撃ピンの軸方向の幅を長くすることは機械的強度の観点から限界があり、処理量を多くするためには、装置全体を相似形的に大きくするしかなく、装置の大型化を招き、効果的ではなかった。
本発明は、上述したような背景技術が有する課題に鑑み、各種の粉体処理を効率よく行うことができると共に、処理量を効果的に向上させることができる粉体処理装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の(1)〜(10)に記載した粉体処理装置とした。
(1)膨出部を有する略円筒形状のケーシングと、該略円筒形状のケーシング内にその軸芯に沿って配置された駆動軸と、該駆動軸に固定支持された衝撃ブレードを周設した回転体と、該回転体の衝撃ブレードの最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の空間を置いてケーシング内に配設された衝突リングとを備え、上記略円筒形状のケーシングの膨出部に、処理すべき粉体の循環回路を形成したことを特徴とする、粉体処理装置。
(2)上記膨出部が、略円筒形状のケーシングの母線に沿って、かつ軸芯方向の全幅に渡って形成されていることを特徴とする、上記(1)に記載の粉体処理装置。
(3)上記膨出部に、中子が設置されていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の粉体処理装置。
(4)上記膨出部が、略円筒形状のケーシングを貫通した開口を円周方向に2箇所、かつ軸方向に複数組形成し、円周方向の2箇所ずつを各々パイプで連結することにより形成されていることを特徴とする、上記(1)に記載の粉体処理装置。
(5)上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粉体処理装置。
(6)上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粉体処理装置。
(7)上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粉体処理装置。
(8)上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粉体処理装置。
(9)上記駆動軸が、略円筒形状のケーシングの両側端において各々支持されていることを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の粉体処理装置。
(10)上記衝突リングの内周面に、その軸方向に沿って断面弧状の溝が形成されていることを特徴とする、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の粉体処理装置。
上記した本発明に係る粉体処理装置によれば、各種の粉体処理を効率よく行うことができると共に、処理量を効果的に向上させることができる。
本発明に係る粉体処理装置の一実施の形態を、その付帯設備の一部と共に示した側面図である。 図1に示した粉体処理装置の側面図である。 図1に示した粉体処理装置の平面図である。 図3のI−I線に沿う部分の断面図である。 図3のII−II線に沿う部分の断面図である。 図1に示した粉体処理装置に使用されている回転体を示した斜視図である。 図6に示した回転体の側面図である。 図7の III−III 線に沿う部分の断面図である。 種々の循環回路の構造を示した概念的な側面図である。 試験例において用いた球形化処理前の黒鉛を写した走査型電子顕微鏡写真である。 試験例1の処理物である黒鉛を写した走査型電子顕微鏡写真である。 試験例2の処理物である黒鉛を写した走査型電子顕微鏡写真である。 試験例3の処理物である黒鉛を写した走査型電子顕微鏡写真である。 試験例4の処理物である黒鉛を写した走査型電子顕微鏡写真である。
以下、上記した本発明に係る粉体処理装置を、図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図示した本発明に係る粉体処理装置1は、ベースボックス50上に配置されている。ベースボックス50は、鋼材により矩形の箱体に形成され、内部にモーター51が配設され、下端にキャスター52が取り付けられている。また、ベースボックス50上には、後記する粉体処理装置1の駆動軸10の両軸受11による支持部に供給されたシールガスの排出路に連接されたバグコレクター53、冷却水を供給する冷却水ユニット54等が設置されている。
粉体処理装置1は、膨出部Aを有する略円筒形状のケーシング2を備えている。この略円筒形状のケーシング2は、図1〜図5に示した装置においては、両端面が閉じた半円筒(円筒を直径に沿って二分割した)形状の下部ケーシング2aと、両端面が閉じた半楕円筒(楕円筒を短径に沿って二分割した)形状の上部ケーシング2bとから構成され、全体として、側面視した場合(図2に示した方向から視た場合)に、膨出部Aを上方に有する卵形状の筒体に形成されている。下部ケーシング2aと上部ケーシング2bの一側部には、各々ヒンジパイプ3が固定され、該ヒンジパイプ3が、上記ベースボックス50上に配置されたベース台55に固定された1組のブラケット4,4間に差し渡されたヒンジシャフト5に緩嵌されることによって、ヒンジ部6が形成され、該ヒンジ部6を支点として、両ケーシング2a,2bは開閉自在に構成されている。また、両ケーシング2a,2bの固定は、各々の開口面を合わせて、2組のヒンジボルト7とクランプレバー8とによって行われている。
上記略円筒形状のケーシング2内には、その軸芯に沿って駆動軸10が配置されている。この駆動軸10の両端部は、図4に示したように、ケーシング2を貫通して外部まで延設され、上記ベース台55に固定された軸受11,11によって各々支持されている。また、駆動軸10の一端部にはプーリ12が配設され、該プーリ12は、図1に示したように、上記ベースボックス50内に配設されたモーター51のプーリ56にベルト13を介して連繋されている。
上記駆動軸10には、回転体20が外嵌されている。該回転体20は、図6〜図8に示したように、内周面にキー溝21が形成された円筒状部材22と、該円筒状部材22の両端に各々固定された中心に開口部23を有する円板状部材24と、該円板状部材24の向かい合う両面の外周部において、所定の間隔を置いて放射状に周設された複数枚の断面長方形の衝撃ブレード25(具体的には、図示した実施の形態においては、45度の間隔を置いて放射状に周設された8枚の断面長方形の衝撃ブレード25)と、両円板状部材24間のほぼ中間の位置において、各衝撃ブレード25に固定された補強リング26と、両円板状部材24の衝撃ブレード25が設けられていない面に設けられた、断面形状が衝撃ブレード25と略同じで、かつ衝撃ブレード25と略同位置に放射状に周設された裏羽根27とから構成されている。そして、この回転体20は、キー28によって駆動軸10に固定されている。
下部ケーシング2aの内部には、図4および図5に示したように、上記回転体20の衝撃ブレード25の最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の空間を置いて衝突リング30aが配設されている。また、上部ケーシング2bの膨出部Aの内部には、両端面が閉じた断面略三日月形状の中子40が軸方向に配置され、ボルト(図示せず)によって上部ケーシング2bの両側板に固定されている。中子40の下方の面は断面円弧状で、上記下部ケーシング2aに配設された衝突リング30aと同様に、回転体20の衝撃ブレード25の最外周軌道面に対向し、かつそれに対して一定の空間を置いて衝突リング30bが形成されている。一方、中子40の上方の面は、上部ケーシング2bの膨出部Aの内面に沿い、かつそれと一定の間隔を有して配置されることにより、該中子40の上方の面と膨出部Aの内面との間に循環回路Bが形成されている。この循環回路Bは、図5或いは図9(a)に示したように、回転体20の回転によって発生した気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものとなる。
上記回転体20の衝撃ブレード25の最外周軌道面と衝突リング30a,30bとの間隙は、装置の大きさによっても異なるが、一般的には0.5〜20mmである。衝突リング30a,30bの内周面は、各種形状の凹凸型または円周平面型のものからなっている。特に凹凸型の場合は、衝突リング30a,30bの内周面に、その軸方向(回転体20の回転方向と垂直方向)に一定の幅と深さの溝が切られており、該幅は1〜30mm、該深さは0.1〜3mmである。その断面形状は半円等の曲面を有することが好ましい。この様な形状にすることにより、溝の部分で渦流が発生するので、回転体20(衝撃ブレード25)の回転によって発生する気流に同伴して移動する処理粉体が、該渦流によって相互に衝突し、また衝撃ブレード25にも衝突して、各種の処理を効果的に受けることができる。
上部ケーシング2bの膨出部Aに形成される循環回路Bは、図9に示したように、上部ケーシング2bの膨出部Aの形状、また該膨出部A内に配置する中子40の形状によって、種々の気流の流れを形成するものとなる。すなわち、図9(a)に示したものは、上記したように、回転体20の回転によって発生した気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものとなる。図9(b)に示したものは、回転体20の回転によって発生した気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものとなる。図9(c)に示したものは、回転体20の回転によって発生した気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものとなる。さらに、図9(d)に示したものは、回転体20の回転によって発生した気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものとなる。これらの何れの気流の流れを形成するものでも、下部ケーシング2aと回転体20の形状は変わらず、変わるのは循環回路Bが形成される膨出部Aを有する上部ケーシング2bだけであるので、粉体の処理目的等に合わせて、上部ケーシング2bを取り替えて循環回路Bの構造を変更すれば良い。
上部ケーシング2bの膨出部Aに形成される循環回路Bの一部には、原料投入口41が開設されている。そして、蓋付き原料ホッパー、該蓋付き原料ホッパーと上記原料投入口41とを連結する原料供給管、該原料供給管の途中に設けられた開閉弁(いずれも図示せず)が設けられ、原料粉体の供給機構が構成されている。また、下部ケーシング2aを貫通して製品排出口42が設けられている。この製品排出口42には、製品排出シュート43、上記製品排出口42に密接に嵌合する開閉弁44、その弁軸45、該弁軸45を介して開閉弁44を操作するアクチュエーター46が設けられている。また、製品排出時に衝撃室内に空気を導入する吸気口47がケーシング2の適所に設けられている。この吸気口47の先には開閉弁(図示せず)が設けられている。
下部ケーシング2aおよび上部ケーシング2bはジャケット構造(二重構造)に構成され、そこに冷却水を流し、衝撃室内および循環回路の雰囲気温度を一定に制御することが成されている。この場合の冷却水の流れは、上記ベースボックス50上に設けた冷却水ユニット54から、例えば図5に示したように、下部ジャケット冷却水入口54a、下部ジャケット構造内54b、下部ジャケット冷却水出口54c、上部ジャケット冷却水入口54d、上部ジャケット構造内54e、上部ジャケット冷却水出口54f、そして冷却水ユニット54とすることができる。
また、中子40の内部にも冷却水を流し、衝撃室内および循環回路の雰囲気温度を一定に制御することが成されている。この場合の冷却水の流れは、同じく冷却水ユニット54から、例えば図4に示したように、中子冷却水入口54g、中子内部54h、中子冷却水出口54i、そして冷却水ユニット54とすることができる。
また、駆動軸10の軸受11による支持部をラビリンス構造とし、シールガスを供給する構成とすることができる。この場合のシールガスの流れは、例えば図4に示したように、シールガス供給口53aから一定流量のシールガスを供給し、ラビリンス構造部53b、シールガス排出口53c、そしてシールガス排出路53dを介して系外に排出するものとすることができる。この構造により、衝撃室内の処理粉体の軸受11の支持部(特にオイルシール部)への侵入と、該支持部のオイルの衝撃室内への侵入を防止することができる。なお、シールガス排出路53dはバグコレクター53に連接されている。
上記のように構成された本発明に係る粉体処理装置1は、次の要領で運転される。
先ず、原料投入口41に接続された原料供給管の途中に設けられた開閉弁、製品排出口42の開閉弁44、および吸気口47の開閉弁が閉じた状態にあることを確認し、不定形固体粒子を球形化する場合は、予め計量した所定量の原料粉体を原料ホッパーに投入しておく。一方、母粒子の表面に子粒子を固定化する場合は、この母粒子と子粒子とから構成される粉体粒子群(混合粉体)、または予め母粒子の表面に子粒子を付着させた粉体粒子群(オーダードミクスチャー)を、上記原料ホッパーに投入しておく。
続いて、モーター51によって駆動軸10を回動させ、例えば外周速度90m/secで回転体20を回転させる。
この際、回転体20の衝撃ブレード25の回転に伴って、該衝撃ブレード25の最外周軌道面と衝突リング30a,30bとの間(衝撃室)で回転体20の回転方向に気流の急激な流れが生じる。このとき、図5に示したように、循環回路Bへの入口は衝突リング30aに接線方向に開口し、循環回路Bからの出口も衝突リング30aに接線方向に開口しているので、上記気流の流れの大半は、入口から循環回路Bを経て出口からまた衝撃室に戻る循環流れが形成される。
次に、原料供給管の途中に設けられた開閉弁を開け、原料粉体を原料ホッパーから原料投入口41を介して衝撃室に入れる。そして、原料ホッパーに原料粉体が残っていないことを確認し、開閉弁を閉じる。
衝撃室に投入された原料粉体は、該衝撃室内において高速回転する回転体20の多数の衝撃ブレード25によって瞬間的に機械的打撃作用を受け、さらに周辺の衝突リング30a,30bに衝突し、また前記気流の流れに同伴して衝突リング30a,30bの面上を回転方向に移動しながら摩擦作用も受ける。そして原料粉体は気流の流れと共に、循環回路Bを通ってまた衝撃室に戻り、上記と同様の作用を受ける。この間、原料粉体は、回転体20の回転方向にも軸方向にも均一に分散される。
この様に、同じ作用を繰り返し受けることにより、原料粉体は短時間(数十秒〜数分間)で均一な処理が行われ、不定形固体粒子の形状は球形、少なくとも丸みを持った形状に改善され、固定化処理の場合は、母粒子の表面に子粒子が強固に固定化され、また、子粒子が低融点物質の場合は、衝撃室内で上記の衝撃式打撃作用を受けた子粒子は、母粒子の表面に強固に固定化されながら、またはされた後、上記の作用を受けた瞬時のみ子粒子が溶融して、母粒子の表面に膜状に固定化される。
所定の時間が経過した後、製品排出口42の開閉弁44を開くと共に、吸気口47の開閉弁も開くと、球形化等の処理がなされた粉体は、それ自身に作用している遠心力と、吸気口47から流入して衝撃室を通って製品排出口42から排出される気流の流れとによって、極めて短時間で衝撃室から排出され、製品排出シュート43を通って、これに連接されているサイクロンやバグコレクター等の粉体捕集器で気流と分離、捕集される。
ここで、先に説明した図9(a)〜(d)に示したように、衝撃室から気流を循環回路Bに抜く方向としては、法線方向と接線方向とがあり、また、気流を循環回路Bから衝撃室に戻す方向としても、法線方向と接線方向とがある。
気流を循環回路Bから衝撃室に戻す場合、循環回路Bと衝突リング30aとの接続部における戻り気流と回転体20の速度差は、法線方向で戻した場合の方が接線方向で戻した場合より大きいため、気流の循環流れに同伴して衝撃室に戻ってきた原料粉体が衝撃ブレード25から受ける衝撃作用の大きさも、法線方向で戻した場合の方が接線方向で戻した場合より大きいものとなる。従って、原料粉体に衝撃力を中心に作用させたい場合は、気流を法線方向から戻すことが好ましく、逆に摩擦力を中心に作用させたい場合は、接線方向から戻すことが好ましい。
一方、気流を衝撃室から循環回路Bに抜く場合、法線方向に抜くよりも接線方向に抜く方が気流は流れ易い。すなわち循環回路Bに多くの気流とそれに同伴する原料粉体が流れることになる。その結果、循環回路Bに原料粉体が多く流れれば、衝撃ブレード25から衝撃作用を受ける原料粉体の割合は多くなり、逆に少なくなれば、衝突リング30b面上を回転方向に移動するので摩擦作用を受ける割合が多くなる。
上記のことから、図9に示した種々の気流の流れを形成する循環回路Bにおいて、原料粉体が受ける衝撃力と摩擦力との関係をまとめると、衝撃力は、図9(a)の循環回路、図9(b)の循環回路、図9(c)の循環回路、そして図9(d)の循環回路の順で大きなものとなり、摩擦力は、逆に、図9(d)の循環回路、図9(c)の循環回路、図9(b)の循環回路、そして図9(a)の循環回路の順で大きなものとなる。
すなわち、
衝撃力 : 図9(a)<図9(b)<図9(c)<図9(d)
摩擦力 : 図9(d)<図9(c)<図9(b)<図9(a)
となる。
そこで、処理物の物性や処理の目的に応じて、循環回路の構造を適宜選択すれば、粉体処理を効率よく行うことができる。
以上、説明した本発明に係る粉体処理装置1によれば、上部ケーシング2bの膨出部Aに循環回路Bを形成するものであるため、形成される循環回路Bは、回転体20の周縁から気流を抜き、回転体20の周縁に気流を戻すものとなり、処理粉体に過度の衝撃を与えることがなく、また上記したように処理物の物性や処理の目的に応じて、循環回路の構造を適宜選択することもできるため、各種の粉体処理を効率よく行うことができるものとなる。さらに、回転体20の駆動軸10は両持ち支持されているので、回転体20を軸方向に長いものとすることができ、処理量を効果的に向上させることができる。
なお、循環回路Bを、上部ケーシング2bの膨出部Aと中子40との間隙によって形成した実施の形態について説明したが、上部ケーシング2bも下部ケーシング2aと同様に両端面が閉じた半円筒形状とし、全体として側面視円形に形成し、上部ケーシング2bを貫通した開口を円周方向に2箇所、かつ軸方向に複数組形成し、円周方向の2箇所ずつを各々パイプで連結して膨出部とし、該パイプで形成した膨出部を循環回路としても良い。また、本発明は、他の構成においても何ら上記の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形および変更が可能であることは当然である。
試験例
図10の走査型電子顕微鏡写真に示した黒鉛を、種々の粉体処理装置を用いて球形化処理を行った。
−試験例1−
図1〜図5、及び図9(a)に示した本発明に係る粉体処理装置1を用い、上記黒鉛の球形化処理を行った。その処理物の走査型電子顕微鏡写真を図11に示す。
なお、試験条件は下記の通りであった。
・回転体の直径:230mm、有効幅:320mm
・回転速度:8000min-1 (96.3m/sec)
・処 理 量:640g
・処理時間:10min
−試験例2−
上記試験例1で用いた装置を改良し、図9(b)に示した循環回路が形成される装置とし、該装置を用いて上記黒鉛の球形化処理を行った。その処理物の走査型電子顕微鏡写真を図12に示す。
なお、試験条件は上記試験例1と同様とした。
−試験例3−
上記試験例1で用いた装置を改良し、図9(d)に示した循環回路が形成される装置とし、該装置を用いて上記黒鉛の球形化処理を行った。その処理物の走査型電子顕微鏡写真を図13に示す。
なお、試験条件は上記試験例1と同様とした。
−試験例4−
背景技術として挙げた特許文献3に記載された装置(株式会社奈良機械製作所製:NHS−1)を用い、上記黒鉛の球形化処理を行った。その処理物の走査型電子顕微鏡写真を図14に示す。
なお、試験条件は下記の通りであった。
・回転体の直径:230mm、有効幅:55mm
・回転速度:8000min-1 (96.3m/sec)
・処 理 量:80g
・処理時間:10min
1 粉体処理装置
2 ケーシング
2a 下部ケーシング
2b 上部ケーシング
3 ヒンジパイプ
4 ブラケット
5 ヒンジシャフト
6 ヒンジ部
7 ヒンジボルト
8 クランプレバー
10 駆動軸
11 軸受
12 プーリ
13 ベルト
20 回転体
21 キー溝
22 円筒状部材
23 開口部
24 円板状部材
25 衝撃ブレード
26 補強リング
27 裏羽根
28 キー
30a,30b 衝突リング
40 中子
41 原料投入口
42 製品排出口
43 製品排出シュート
44 開閉弁
45 弁軸
46 アクチュエーター
47 吸気口
50 ベースボックス
51 モーター
52 キャスター
53 バグコレクター
53a シールガス供給口
53b ラビリンス構造部
53c シールガス排出口
53d シールガス排出路
54 冷却水ユニット
54a 下部ジャケット冷却水入口
54b 下部ジャケット構造内
54c 下部ジャケット冷却水出口
54d 上部ジャケット冷却水入口
54e 上部ジャケット構造内
54f 上部ジャケット冷却水出口
54g 中子冷却水入口
54h 中子内部
54i 中子冷却水出口
55 ベース台
56 プーリ
A 膨出部
B 循環回路

Claims (10)

  1. 膨出部を有する略円筒形状のケーシングと、該略円筒形状のケーシング内にその軸芯に沿って配置された駆動軸と、該駆動軸に固定支持された衝撃ブレードを周設した回転体と、該回転体の衝撃ブレードの最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の空間を置いてケーシング内に配設された衝突リングとを備え、上記略円筒形状のケーシングの膨出部に、処理すべき粉体の循環回路を形成したことを特徴とする、粉体処理装置。
  2. 上記膨出部が、略円筒形状のケーシングの母線に沿って、かつ軸芯方向の全幅に渡って形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の粉体処理装置。
  3. 上記膨出部に、中子が設置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の粉体処理装置。
  4. 上記膨出部が、略円筒形状のケーシングを貫通した開口を円周方向に2箇所、かつ軸方向に複数組形成し、円周方向の2箇所ずつを各々パイプで連結することにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の粉体処理装置。
  5. 上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体処理装置。
  6. 上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして接線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体処理装置。
  7. 上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から法線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体処理装置。
  8. 上記膨出部に形成される循環回路が、上記回転体の回転によって発生する気流を衝撃室から接線方向に抜き、そして法線方向から衝撃室に戻すものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体処理装置。
  9. 上記駆動軸が、略円筒形状のケーシングの両側端において各々支持されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の粉体処理装置。
  10. 上記衝突リングの内周面に、その軸方向に沿って断面弧状の溝が形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の粉体処理装置。
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