JP5377154B2 - 更生タイヤの製造方法及び加硫治具 - Google Patents

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Description

本発明は、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを加硫して更生タイヤを製造する方法であって、特に更生タイヤの製造方法と本製造方法を実施するのに最適な加硫治具に関する。
例えば、トラック,バスなどの車両に使用されるタイヤは、タイヤに作用する荷重が大きいため、路面と接地するトレッドゴムの摩耗が激しく、トレッドゴムの寿命に比べてタイヤの台となる部分はまだ十分に継続使用ができるにもかかわらずタイヤとしての寿命が終わることになってしまう。そこで、トラック,バスなどでは、使用済みのタイヤから摩耗したトレッドゴム部分を切削するなどして取り除いて新品のトレッドゴムを貼り付ける貼り付け面を形成した台タイヤに、新品のトレッドゴムを貼り付けてタイヤとしての機能を回復させて更生タイヤとして再び使用される。
上記のように、台タイヤに貼り付けられるトレッドゴムには、例えば、あらかじめトレッドパターンとともに所定寸法に成型されて加硫された加硫済みのトレッドゴム(プレキュアトレッド)がある。このトレッドゴムを台タイヤに貼り付けて更生される更生タイヤは、例えば、特許文献1に示すように製造される。
図5〜図8に示すように、更生タイヤは、摩耗したタイヤのトレッドゴム部分がバフがけされた台タイヤ2の外周の貼り付け面に接着層としてのクッションゴム3を設けて、このクッションゴム3の上にトレッドゴム4を貼り付け、トレッドゴム4と台タイヤ2の表面をドーナツ状のエンベロープ5と呼ばれるカバーで被い、このエンベロープ5と台タイヤ2の内径部分を密着させるビードリング8を台タイヤ2の内径部分に嵌め込んでタイヤセット10′を形成する。これにより、エンベロープ5の内面とタイヤ1の表面との間に閉じた空間が形成され、この空間内の空気を脱気して、エンベロープ5がトレッドゴム4を押圧して台タイヤ2に密着する。このエンベロープ5が未加硫の接着層を介してトレッドゴムが貼り付けられたタイヤ1を被ったタイヤセット10′を加硫缶11の容器内に投入して上記クッションゴム3を加硫することでトレッドゴム4が台タイヤ2に加硫接着される。
図7に示すように、タイヤ1の表面を被うエンベロープ5には、バルブ9Aとフックリング9Bが備えられ、図8に示す容器本体12の内部に設けられたフック17にエンベロープ5のフックリング9Bを掛けてタイヤセット10′を吊るすとともに、容器本体12の内部に配管されている接続管18とエンベロープ5のバルブ9Aが接続される。
例えば、加硫缶11は、特許文献2や図4に示すように、エンベロープ5で被われたタイヤセット10′を収容する容器本体12と、この容器本体12を密閉する容器蓋13と、容器内部に設けられて容器内部を加熱する熱交換器と接続される加熱手段14と、容器内部に加圧した空気等を供給する加圧手段15によって構成され、この加硫缶11の容器本体12にエンベロープ5で被われたトレッドゴム4付きのタイヤ1からなるタイヤセット10′が設けられて加硫される。
上記構成の加硫方法によれば、バフがけが完了した台タイヤ2の外周の貼り付け面に、台タイヤ2とトレッドゴム4を密着接着させるクッションゴム3を配設したのちに、このクッションゴム3上に、トレッドゴム4を貼り付ける。トレッドゴム4が貼り付けられた台タイヤ2をエンベロープマシン6により拡径されたエンベロープ5内側に収容させて、タイヤ1の表面全体を被ったのちに、両側のタイヤ内径部にビードリング8を嵌め込んでエンベロープ5をタイヤ内径部に密着させて、エンベロープ5の内面と台タイヤ2の表面との空間を密閉する。
エンベロープ5によって被われたタイヤ1を加硫缶11の容器本体12の天井部16に設けられたフック17にエンベロープ5のフックリング9Bを掛けてタイヤ1ごと吊るすとともに、容器本体12内の天井部16から延長する接続管18とエンベロープ5のバルブ9Aを接続して加硫準備を整える。すべてのタイヤ1の設置が終了したのちに圧力調整手段19を作動させて、接続管18とエンベロープ5のバルブ9Aを介して、エンベロープ5が被うタイヤ1の表面の空間から空気を抜き取り、エンベロープ5をトレッドゴム4に密着させて台タイヤ2に対して押圧させる。各タイヤ1から空気の抜き取りが確認されたのちに容器本体12の容器蓋13を閉じて容器内を密閉する。
この密閉された容器内を加熱手段14から熱交換器14Aに加硫媒体を循環させて、加硫容器内の温度を100℃〜130℃程度まで加熱し、この温度を約2時間〜5時間維持するとともに、加圧手段15を駆動させて容器内の圧力を5〜7kg/cm2程度に加圧することで、クッションゴム3が加硫されてトレッドゴム4と台タイヤ2が強固に接着される。
上記方法により製造されるタイヤ1には、次のような利点がある。必要な性能を有する台タイヤ2とトレッドゴム4を組み合わせてタイヤユーザーが所望するタイヤ1を製造することが可能となり、タイヤユーザーにとっては経済的にも環境的にもよい方法である。また、タイヤメーカーにとっては、用途別又はサイズ別に台タイヤ2を用意すればよいので、トレッドゴム4の種類に合わせてタイヤをまるごと在庫する必要がないため、在庫の占有空間が少なくなるので、ユーザー,メーカーにとって効率のよいタイヤ製造方法である。
しかしながら、特許文献1の方法によれば、トレッドゴムを貼り付けた台タイヤを1本づつエンベロープに入れ、さらに容器本体内部に設けられたフック及び接続管に1本づつ設けなければならないため、手間を要し、例えば、エンベロープをタイヤ1本にセットして容器本体内に設けるまでに、作業時間は早くても4分の時間を要する。例えば、容器本体内のフックと接続管の数量が22組しかない場合には、更生タイヤ製造の加硫工程において一度に22本の加硫しかできないという限界があるため、生産効率を向上させることが難しかった。
特開平5−154940号公報 特開2007−203684号公報
本発明は、上記課題を解決するため、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを加硫して更生タイヤを製造する方法において、効率よく更生タイヤを製造する製造方法と本製造方法を実施するのに最適な加硫治具を提供する。
本発明の第1の形態として、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを袋体に収容する工程と、前記タイヤを収容した袋体を加圧室内に投入する工程と、前記加圧室内に加圧気体を供給し、前記加圧室内を加温して加硫する工程とを含む更生タイヤの製造方法であって、前記タイヤを袋体に収容する工程においては、円筒状に成型されて内側に前記タイヤを複数個横積みに積重ねて収容可能なゴム製の袋体を用いて、当該袋体の円筒部内周面に前記タイヤの表面と前記袋体の内面とのゴム同士の擦れあいを防止するライナーを設けた後に当該袋体の内側に前記タイヤを複数個横積みに積重ねて収容する際に、前記複数のタイヤ間にシール材を配置し、複数のタイヤのうち、両端に位置するタイヤの外側側面の一方又は両方に面する袋体の開口部を挟持体で塞いで挟持するようにした。
本発明によれば、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置して接着されたタイヤをタイヤ間にシール材を配置して複数積重ねて袋体に収容した後に、袋体の開口部と複数のタイヤの両端に位置するタイヤの外側側面を挟持体で挟むことで、袋体の一方又は両方の開口部が上記タイヤの外側側面と密着し、さらに、シール材がタイヤ間を密着させることで、1つの袋体で複数のタイヤを加硫できるようになるので、更生タイヤを製造するときの生産効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、袋体のバルブから空気を供給、吸引するときに、袋体とタイヤが密着してタイヤの表面と袋体によって形成される空間の空気が移動できなくなることを防ぎ、空気の流通が良くなる。また、袋体からタイヤを出し入れするときに袋体の内面にライナーがあることで、例えば、ゴムからなる袋体とタイヤのゴム同士がこすれることなくタイヤを袋体から出し入れすることができる。
本発明の第2の形態として、加圧室に設けられ、袋体に収容された複数のタイヤの表面と袋体の内面との間に形成される空間の気圧を制御する圧力調整手段と袋体を内外に貫通するバルブとを接続し、圧力調整手段が、加圧気体の印加により袋体がトレッドゴムを押圧する力が所定値以上となったときに、押圧する力が所定値以下となるように空間の気圧を高くするようにした。
本発明によれば、加圧室に印加される圧力が上昇しても、加圧気体が袋体を介してトレッドゴムを押圧する圧力を圧力調整手段が上記空間の気圧を制御することで加圧気体が袋体を押圧する圧力を打ち消してくれるので、トレッドゴムのブロック部に過大な力がかかることを防止することができる。
本発明の第3の形態として、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを複数個横積みに積重ねた状態で収容可能な円筒状のゴム製の袋体と、前記袋体の円筒部内周面に設けられて前記タイヤの表面と前記袋体の内面とのゴム同士の擦れあいを防止するライナーと、当該袋体を内外に貫通するバルブと、前記袋体の内側に収容された複数のタイヤのうち、両端に位置するタイヤの外側側面の一方又は両方に面する前記袋体の開口部を塞ぐ挟持板と、当該挟持板を互いに連結し、前記タイヤの積重ね方向に延長する本体部とを有する挟持体とを備えた
本発明によれば、未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置した複数のタイヤを袋体に収容し、袋体の一方又は両方の開口部と上記複数のタイヤの外側側面を挟持板で塞ぐことで、袋体の開口部とタイヤの外側側面の一方又は両方が密着し、この袋体とタイヤの表面の空間内にバルブを介して空気を供給、吸引して袋体がトレッドゴムを台タイヤに押圧する力を最適に制御することで、1つの袋体で複数のタイヤにおいてトレッドゴムが未加硫ゴムを介して台タイヤに接着されて更生タイヤを製造できるようになる。
また、本発明によれば、袋体のバルブから空気を供給、吸引するときに、袋体とタイヤが密着してタイヤの表面と袋体によって形成される空間の空気が移動できなくなることを防ぎ、空気の流通が良くなる。また、袋体からタイヤを出し入れするときに袋体の内面にライナーがあることで、例えば、ゴムからなる袋体とタイヤのゴム同士がこすれることなくタイヤを袋体から出し入れすることができる。
本発明の第4の形態として、本体部が挟持板を近接方向に移動して複数のタイヤを締付ける締付手段を備えるようにした。
本発明によれば、締付手段で挟持板を近接するように締め付けることで、挟持板が複数のタイヤのうち両端に位置するタイヤの外側側面と袋体の開口部を密着させるので、袋体と複数のタイヤの表面に密閉空間を形成することができる。
本発明の第5の形態として、挟持板の外径がタイヤの両側の開口部の内径より大きく設定されるようにした。
本発明によれば、挟持板の外径がタイヤの両側の開口部の内径よりも大きく設定されることで、挟持板がタイヤの内径部分に嵌ることなくタイヤ側面と接することができるので、タイヤ側面と袋体の開口部を密着させることができる。
本発明の第6の形態として、袋体が収容された複数のタイヤのうち、互いに隣り合うタイヤの両側面に介挿されるシール材を有するようにした。
本発明によれば、タイヤを袋体に複数積重ねて収容し、互いに隣り合うタイヤの両側面にシール材を介挿することで、シール材がタイヤ同士を密着させるので、複数のタイヤがあたかも1つのタイヤのように取り扱うことができるようになり、1つの袋体で複数のタイヤを同時に加硫することができるようになる。
本発明の第7の形態として、シール材がリング状に成型されるようにした。
本発明によれば、シール材がリング状に形成されることにより、タイヤを例えば複数本横積状態で重ねたときに、シール材が各タイヤ間の内径部分空間を遮断することがないので、加圧室で加圧、加熱させて加硫するときに、加圧された圧力でタイヤのトレッドゴムを表面側からとタイヤの内面側から挟むようにして力が加わるので、タイヤに対してトレッドゴムを密着させることができる。
本発明に係る加硫缶と加硫治具とを用いた加硫接着の概略図。 本発明に係る加硫治具の構成図。 本発明に係る加硫治具の部分拡大図。 本発明に係る加硫治具を用いたときの加硫缶内の配置図。 本発明に係るタイヤの断面図。 従来のエンベローピング工程の概念図。 従来のエンベローピングされたタイヤを示す図。 従来の加硫接着時の加硫缶内のタイヤの配置を示す図。
実施形態
図1は、接着層としての未加硫ゴムからなるクッションゴム3をトレッドゴムとしてのプリキュアトレッド4と台タイヤ2との間に配置されたタイヤ1をエンベローピングして加圧室に設けた一実施形態を示す図である。同図において、11は未加硫のタイヤ1を収容して加硫する加圧室としての加硫缶を示す。
加圧室としての加硫缶11は、一方が開口する底部を有する円筒状の容器本体12と、容器本体12の開口部にヒンジを介して取付けられ、この開口部を開閉する容器蓋13から成り、容器本体12が横向きに工場内などの床面に沿うように設けられる。容器本体12は、開口部を容器蓋13で閉じたときに密閉した空間を形成して圧力容器となるように設計されており、加硫缶11内を加熱する加熱手段14と、容器内を加圧する加圧手段15とを備える。
容器本体12の天井部16には、エンベローピングされたタイヤセット10を吊下げるフック17と、袋体のバルブ33に接続される接続管18が設けられる。フック17と接続管18はセットで用いられ、例えば、容器本体12内の天井部16に22組設けられている。
なお、タイヤセット10とは、後述する本発明の加硫治具により複数のタイヤ1をエンベローピングしてクランプで挟持したものを示す。
各接続管18は、容器本体12を内外に貫通する配管と連通し、容器外部に設けられた圧力調整手段19に接続される。圧力調整手段19は、エンベローピングされた複数のタイヤ1の表面とエンベロープ31の内面との間に形成される空間の気圧を制御し、連通する配管を介して各接続管18に空気を供給,吸引する。
具体的には、エンベローピングされたタイヤセット10を加硫缶11内に投入し、バルブ33にと接続管18とを接続したときに、圧力調整手段19は複数のタイヤ1の表面と袋体としてのエンベロープ31の内面との間に形成される空間の気圧を減圧するように吸引の動作をし、加硫缶11内に加圧手段15から加圧気体で印加して加硫缶11内の圧力が上昇してエンベロープ31がトレッドゴム4を押圧する力が所定値以上になったときに、この押圧する力が所定値以下となるように、上記空間の気圧を高くするように空気を供給する。
これにより、圧力調整手段19がエンベロープ31とタイヤ1の表面との間の空気を吸引するように動作させることでエンベロープ31をトレッドゴム4が台タイヤ2に押し付けられるように作用させてトレッドゴム4を台タイヤ2に密着させ、また、加硫が開始されて加硫缶11内の圧力が上昇したときには、圧力調整手段19がエンベロープ31とタイヤ1の表面との間に空気を供給するように動作させてエンベロープ31がトレッドゴム4を台タイヤ2に押圧し過ぎないように空間の圧力を調整してトレッドゴム4のブロックの変形を防ぐ。
加熱手段14は、例えば、図外の電気的に加熱されるヒーターや、容器外部から加熱媒体を循環させて容器内に設けた熱交換器14Aにより容器本体12内を加熱するように構成される。
また、加圧手段15は、図外のコンプレッサ等により構成され、加硫缶11内に加圧気体としての空気等を送り込んで印加して、容器本体12内の圧力を高める。
すなわち、加熱手段14により、容器内の温度を上昇させて、トレッドゴム4と台タイヤ2の間に配置した未加硫の接着層としてのクッションゴム3を加硫するとともに、加圧手段15により容器内の圧力を上昇させて、タイヤ1の内面側と、袋体を介してタイヤ1の表面側から加圧してトレッドゴム4を台タイヤ2に押圧させることで加硫接着が行われる。
なお、容器本体12及び容器蓋13、圧力調整手段19、加熱手段14、加圧手段15により加圧室としての加硫缶11を構成する。
例えば、容器本体12の寸法は、22本同時に加硫できる一般的な大きさのもので、内径が約2.5mで、長さが約7mである。
この加硫缶11内に、複数のタイヤ1が加硫治具30(図2参照)によって被覆,保持されてなるタイヤセット10が設けられる。
図2は、加硫治具30によって被覆,保持されるタイヤ1と加硫治具30の構成を示す拡大図である。
トレッドゴム4が台タイヤ2に貼り付けられた複数本のタイヤ1、本例では3本のタイヤ1がワンセットとして加硫治具30により被覆,保持される。
この加硫治具30は、可撓性を有する例えばゴムなどからなる底部を有する筒状に形成された袋体としてのエンベロープ31と、エンベロープ31の円筒部内周面に設けられる、例えば布などの多孔体からなるライナー32と、エンベロープ31を内外に貫通するバルブ33を備える。
また、上記エンベロープ31にタイヤ1を投入するときに、タイヤ1の間に介挿されるドーナツ状又はリング状(環状)に成型されたシール材としてのシールリング34と、横積されたタイヤ1の下側に面するタイヤ1の側面を保持する挟持体として環状に形成された挟持板としての支持リング35と、支持リング35の外周面と連続するコ字状に形成された本体部としてのクランプ本体36と、クランプ本体36の上端側に延長するアーム37の先端にネジ切りされたネジ孔38と螺合するオネジ部42aを有し、一端側に挟持板としてのクランプリング39を備え、他端側にフックリング41が形成された締付手段としての締付軸42が本体部としてのクランプ本体36に備えられる。さらに、締付軸42には、締付軸42と十字を成すように回転ハンドル43が設けられる。この回転ハンドル43を操作して締付軸42を回転させることにより、クランプリング39が支持リング35方向に進退する。
すなわち、クランプ本体36と締付手段としての締付軸42により吊下げ部材を構成し、クランプ本体36の支持リング35と締付軸42のクランプリング39とにより挟持板を構成し、これら挟持板と吊下げ部材により挟持体としてのクランプ40を構成する。上記のようにクランプ40を構成することで後述の容器本体12内のフック17に、上記フックリング41を引掛けて吊るしたときに、加硫されるタイヤ1が傾斜することなく容器内に配置される。
なお、挟持体としてのクランプ40は上記構成に限らず、袋体としてのエンベロープ31に複数のタイヤ1を積重ねて投入し、エンベロープ31の開口部31aと一方の端側に位置するタイヤ1の外側側面とを挟持板で塞ぐとともに、他方の端側に位置するタイヤ1の外側側面を挟持板で支持して挟持板同士を近接方向に移動させて複数のタイヤ1を保持できるものであれば良い。
上記袋体としてのエンベロープ31は、例えばゴムなどをバケツのように底部を有する円筒状に成型したもので、開口部31aや円筒部が拡縮自在となっている。この円筒部の内周面には、布などの多孔体からなるライナー32が設けられる。このライナー32により、タイヤ1とエンベロープ31のゴム部分が擦れあうことなくタイヤ1の出し入れが可能となり、また、後述するタイヤ1の加硫時にタイヤ1の表面とエンベロープ31の内面の間に停留する空気を抜くときにエンベロープ31の内面がタイヤ1の表面と密着して空気溜まりが生じることやバルブ33の空気抜き孔がタイヤ1に密着して塞がれて上記空間内の空気が抜けなくなることを防ぎ、加硫時に加硫缶11の内圧を上昇させる加圧気体がエンベロープ31を過剰に押圧してトレッドゴム4の変形を防ぐ目的でタイヤ1の表面とエンベロープ31の内面の間に空気を供給するときに空気を供給し易くするために設けられる。
シールリング34は、タイヤ1を構成するゴムよりも柔らかいゴム等の可撓性を有する素材から成り、袋体としてのエンベロープ31にタイヤ1を横向きに重なるように投入するときに、タイヤ1の側面と側面が密着するように挟み込まれる。シールリング34は、例えば、タイヤ1の側面の中心径の大きさの例えば、O−リング等を用いれば良い。このシールリング34をタイヤ1の側面で挟み込むことで、タイヤ1の内径部分側の空間と表面側の空間S(図3参照)に分けられる。
図2(a),(b)に示すように、挟持板としての支持リング35は、外径D3がタイヤ内径D1よりも大きくなるように環状、かつ、タイヤ1を挟持する側の面が平面状に形成される。
また、挟持板としてのクランプリング39は、外径D2がタイヤ内径D1よりも大きくなるように円盤状、かつ、タイヤ1を挟持する側の面が平面状に形成される。
支持リング35とクランプリング39の外径D2,D3は、少なくとも、タイヤ内径D1よりも大きくエンベロープ31を介してタイヤ1の側面を挟持する大きさであれば良い。
なお、支持リング35とクランプリング39の挟持側の面を平面上としたが、断面弓なり状に形成しても良い。
上記したクランプ40とエンベロープ31とシールリング34により加硫治具30が構成される。
上記構成の加硫治具30によれば、図3に示すように、最下段のタイヤAの側面A2と中段のタイヤBの側面B1がシールリング34を介して密着し、中段のタイヤBの側面B2と最上段のタイヤCの側面C1がシールリング34を介して密着して、支持リング35とクランプリング39とで袋体としてのエンベロープ31を挟持することで、エンベロープ31の底面31Aと最下段のタイヤAの側面A1が密着し、袋体の開口部31aの内面側31Bが最上段のタイヤCの側面C2と密着して、横積3段積層タイヤの外部と連通する内面側空間と、袋体の内面とタイヤ1の表面に囲まれたタイヤ1の表面側の空間Sとを形成する。
以下、上記構成の加硫治具30を用いてクッションゴム3をトレッドゴム4と台タイヤ2との間に配置したタイヤ1を加硫して更生タイヤを製造する方法について説明する。
まず、加硫治具30のエンベロープ31にタイヤ1を投入する手順について説明する。
図外の開口治具などにより拡張保持されたエンベロープ31の開口部31aからトレッドゴム4が貼り付けられた1本目のタイヤAをエンベロープ31の底面31AにタイヤAの側面A1が面するように横向きに収容する。この1本目のタイヤAの上面側側面A2にシールリング34を載せた後、このシールリング34を挟み込むように2本目のタイヤBを1本目のタイヤAの上に重ね置き、この2本目のタイヤBの上面側側面B2にシールリング34を載せた後、このシールリング34を挟み込むように3本目のタイヤCを2本目のタイヤBの上に重ね置く。このとき、エンベロープ31の底面31Aの円形中心と、横向きに積載される各タイヤA〜Cの中心と、タイヤAとタイヤBやタイヤBとタイヤCに挟まれるシーリング34のリング中心がほぼ一致するようにそれぞれ配置する。
次に、エンベロープ31の開口部31aを拡径させていた開口治具を離脱させると、エンベロープ31の開口部31aは、ゴムの弾性により縮径して、ちょうど3本目のタイヤCの側面C2にエンベロープ31の開口部31aの内面側31Bが接触するようになっている。
次に、エンベロープ31に被われた3本のタイヤA〜Cを袋体ごとクランプ40で挟む。クランプ40の一方の支持リング35をエンベロープ31の底面31A側に滑り込ませ、他方のクランプリング39をエンベロープ31の開口部31a側に位置させて、開口部31aの内面側31BとタイヤCの側面C2とを密着させる位置に配置させ、クランプリング39を支持リング35方向に近接方向に移動させて、横積みされた3本のタイヤA〜Cを挟み込む。
これにより、最下段に位置するタイヤAの下側側面A1がエンベロープ31の底面31Aと密着し、上側側面A2と中段に位置するタイヤBの下側側面B1がシールリング34を介して密着し、上側側面B2と最上段に位置するタイヤCの下側側面C1がシールリング34を介して密着し、上側側面C2と開口部31aの内面側31B又は縁部が密着することで、図3に示すように、袋体内面とタイヤの表面によって囲まれた閉空間Sが形成される。
この加硫治具30により被覆,保持されたタイヤA〜Cは容器本体12に投入される。
次に、上記この容器本体12のフック17に、上記クランプ40のフックリング41を掛けて、容器本体12の所定位置にタイヤセット10が配置される。
具体的には、図4に示すように、加硫治具30に保持されたタイヤセット10のフックリング41を容器本体12の最も奥側に位置するフック17に掛け、次のタイヤセット10のフックリング41を一つ手前のフック17に掛けて、左右に振り分けて配置し、奥側から手前側に順次これを繰り返して容器本体12内にタイヤセット10を配置する。本例では、奥行き方向に7セット、左右に2列配置されるので合計14セットを同時に加硫できることになる。つまり、一度に42本のタイヤを加硫接着できることになる。
容器本体12に所定数のタイヤセット10を設けた後、バルブ33と接続管18を介して接続された圧力調整手段19を減圧するように動作させて、エンベロープ31内の空気を抜き、各タイヤセット内の空気が減圧されたことを確認後、容器蓋13を閉じて、加熱手段14により容器内の温度を100℃〜130℃程度まで上昇させて、この温度を約2時間〜5時間維持するとともに、加圧手段15の供給する加圧気体により容器内の圧力を5〜7kg/cm程度に印加し、加硫接着する。
上記加硫時において、加硫缶11に供給される加圧気体によりエンベロープ31を介してトレッドゴム4が過剰に押圧されないように、圧力調整手段19はバルブ33を介してエンベロープ31内の気圧が上昇するように空気を供給する。これにより、トレッドゴム4の変形を防ぐとともに、均一の押圧力でトレッドゴム4を押圧して、クッションゴム3を介して台タイヤ2に接着させることができる。
所定時間経過して上記加硫接着の工程が終了したのち、容器蓋13が開けられてタイヤセット10をすべて容器外に取り出し、さらに、加硫接着された各タイヤ1を加硫治具30から取り出すことでトレッドゴム4が貼り付けられた加硫済みの更生タイヤが製造される。
以上説明したように、本発明によれば、従来の方法ではトレッドゴム4を加硫接着するときに1本づつエンベロープ5と呼ばれる袋体に入れて、容器本体12内に配置して加硫するようにしているため、一度に加硫接着できるタイヤの本数が容器本体12内に設けられたフック17と接続管18の数量によって制限されていたが(現状では上記例のように22本のタイヤしか加硫接着できなかった)、本発明によれば、例えば、42本のタイヤを同時に加硫接着できるようになる。
なお、上記説明においてバルブ33と接続管18とを接続して圧力調整手段19により減圧するとして説明したが必須の手順ではない。
また、トレッドゴム4を台タイヤ2に押圧させるエンベロープ31を袋体として説明したが、袋体は、底部を有さず、両端が開口した筒状又は樽状に形成されるものであっても良い。このようにエンベロープ31を構成しても、支持リング35と挟持リング39によって筒状又は樽状に形成されたエンベロープ31の両方の開口部をそれぞれ両端に位置するタイヤ1の外側側面に圧着させて塞いで加硫缶11に投入することで、上記説明したように、クッションゴム3を加硫してトレッドゴム4を台タイヤ2に接着させて、1つのエンベロープ31で複数の更生タイヤを製造することができる。
1 タイヤ、2 台タイヤ、3 クッションゴム、4 トレッドゴム、
5;31 エンベロープ、8 ビードリング、9A;33 バルブ、
9B フックリング、11 加硫缶、12 容器本体、13 容器蓋、
14 加熱手段、15 加圧手段、17 フック、18 接続管、30 加硫治具、
31 エンベロープ、32 ライナー、34 シールリング、35 支持リング、
36 クランプ本体、37 アーム、38 ネジ孔、39 クランプリング、
41 フックリング、42 締付軸。

Claims (7)

  1. 未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを袋体に収容する工程と、前記タイヤを収容した袋体を加圧室内に投入する工程と、前記加圧室内に加圧気体を供給し、前記加圧室内を加温して加硫する工程とを含む更生タイヤの製造方法であって、
    前記タイヤを袋体に収容する工程においては、円筒状に成型されて内側に前記タイヤを複数個横積みに積重ねて収容可能なゴム製の袋体を用いて、当該袋体の円筒部内周面に前記タイヤの表面と前記袋体の内面とのゴム同士の擦れあいを防止するライナーを設けた後に当該袋体の内側に前記タイヤを複数個横積みに積重ねて収容する際に、前記複数のタイヤ間にシール材を配置し、
    複数のタイヤのうち、両端に位置するタイヤの外側側面の一方又は両方に面する袋体の開口部を挟持体で塞いで挟持することを特徴とする更生タイヤの製造方法。
  2. 前記加圧室に設けられ、前記袋体に収容された複数のタイヤの表面と袋体の内面との間に形成される空間の気圧を制御する圧力調整手段と前記袋体を内外に貫通するバルブとを接続し、
    前記圧力調整手段が、前記加圧気体の印加により前記袋体が前記トレッドゴムを押圧する力が所定値以上となったときに、前記押圧する力が所定値以下となるように前記空間の気圧を高くすることを特徴とする請求項1に記載の更生タイヤの製造方法。
  3. 未加硫ゴムをトレッドゴムと台タイヤとの間に配置したタイヤを複数個横積みに積重ねた状態で収容可能な円筒状のゴム製の袋体と、
    前記袋体の円筒部内周面に設けられて前記タイヤの表面と前記袋体の内面とのゴム同士の擦れあいを防止するライナーと、
    当該袋体を内外に貫通するバルブと
    前記袋体の内側に収容された複数のタイヤのうち、両端に位置するタイヤの外側側面の一方又は両方に面する前記袋体の開口部を塞ぐ挟持板と、
    当該挟持板を互いに連結し、前記タイヤの積重ね方向に延長する本体部とを有する挟持体と
    を備えたことを特徴とする加硫治具。
  4. 前記本体部が前記挟持板を近接方向に移動して前記複数のタイヤを締付ける締付手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の加硫治具。
  5. 前記挟持板の外径が前記タイヤの両側の開口部の内径より大きく設定されることを特徴とする請求項4に記載の加硫治具。
  6. 前記袋体が前記収容された複数のタイヤのうち、互いに隣り合うタイヤの両側面に介挿されるシール材を有することを特徴とする請求項3乃至請求項5いずれかに記載の加硫治具。
  7. 前記シール材がリング状に成型されることを特徴とする請求項6に記載の加硫治具
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