JP5376909B2 - 半田付け装置 - Google Patents
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Description
それ故、この発明の課題は、半田付け対象物の大きさや数が限定されることもなく、低コストで良好な半田付け性を確保することのできる半田付け装置及び半田付け方法を提供することにある。
上面に開口を有する半田槽と、
前記半田槽に対して水平方向に相対移動することにより、表面張力によって前記開口より盛り上がった溶融半田を掻き寄せるスクレーパと
を備えることを特徴とする。
更にこの発明では、前記半田槽内の液面を検知する透過型センサを備える。液面を一定に管理することができ、半田付け後の製品の品質を一定に保つことができるからである。この場合も開口端面を傾斜させておくことにより、開口端面の相対的に低い位置では満杯時に溶融半田が端面より盛り上がるので、盛り上がりの一方の側に透過型センサの発光素子、他方の側に受光素子を配置することができ、精度良く液面を検知することができる。
−実施形態1−
この発明の第一の実施形態を図面とともに説明する。図1は実施形態に係る半田付け方法に用いられる装置を各工程毎に示す鉛直方向断面図、図2(a)は同装置の斜視図、図2(b)は同装置におけるスクレーパの軌跡を示す鉛直方向断面図である。
半田付け装置1は、コア及び軸方向に突出した複数の端子Tを有するコイルCにおける端子Tと端子Tに巻き付けられた絶縁電線Wの端部とを半田付けするのに適したもので、半田槽2と、半田槽2の上方に水平方向に移動可能に配置されたスクレーパ3とを備える。
図3は第二の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は同装置におけるスクレーパの軌跡を示す鉛直方向断面図である。
この実施形態では半田付け装置11に実施形態1と異なるスクレーパ13が用いられる。半田槽は実施形態1と同形同質であるので、同じ符号で示すことにより説明に代える。
図4は第三の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は同装置におけるスクレーパの軌跡を示す鉛直方向断面図である。
この実施形態でも半田付け装置21に実施形態1と異なるスクレーパ23が用いられる。半田槽は実施形態1と同形同質であるので、同じ符号で示すことにより説明に代える。
図5は第四の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は鉛直方向断面図である。スクレーパの図示は省略されている。
この実施形態の半田付け装置は、コアの四隅にそれぞれ軸方向に突出した4本の端子とそれらの対角中心に一つの突起を有するコイルにおける当該端子と絶縁電線とを半田付けするためのものである。半田槽32は、上面が開口し横断面視で環状の半田収容部32aとそれに包囲された軸中心線上の凹部32bとを有し、半田収容部32aの周囲にシーズヒータ34が巻かれている。この装置によれば半田収容部32aと凹部32bとが壁で隔てられているので、突起を半田に濡らすことなく4本の端子を同時に溶融半田に浸けることができる。
図6は第五の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は鉛直方向断面図である。スクレーパの図示は省略されている。
この実施形態の半田付け装置は、軸方向に突出し一列に並んだ4本の端子を有するコイルにおける当該端子と絶縁電線とを半田付けするためのものである。半田槽42は、上面が4本の端子を包囲可能な程度の大きさに開口した直方体形状をなし、底部にヒータ44が埋められている。この装置によれば4本の端子を同時に溶融半田に浸けることができる。
図7は第六の実施形態に係る半田付け装置を示す斜視図である。この実施形態ではスクレーパの水平位置は固定されていて、半田槽が水平移動する。
半田付け装置51は、上面に開口を有する有底円筒状の半田槽52と、半田槽52の外周面に螺旋状に巻き付けられたシーズヒータ54と、半田槽52を水平方向に案内するレール55と、スクレーパ53とを備える。
図8は第七の実施形態に係る半田付け装置を示す斜視図である。この実施形態でもスクレーパの水平位置は固定されていて、半田槽が水平移動する。
半田付け装置61は、実施形態6と同じ半田槽52及びシーズヒータ54を備える。但し、半田槽52及びシーズヒータ54の組み合わせは実施形態6と異なり一つの半田付け装置61に二組備えられている。
図9は第八の実施形態に係る半田付け装置を示す斜視図、図10は同じく鉛直方向断面図である。この実施形態では以上の実施形態が半田槽の開口から半田が供給されているのと異なり、半田が槽の底から供給される。
半田付け装置71は、半田槽72、半田槽72に対して水平移動可能なスクレーパ73、透過型ビームセンサ76及びガスコントローラ77を備える。
尚、ビームセンサ76に代えて熱電対センサ、近接センサ、導電棒センサ等を用いても良い。また、気体導入に代えて半田貯留部72b内でピストンを押し下げることにより、半田貯留部72bから半田付け部72aに溶融半田を送っても良い。
図11は第九の実施形態に係る半田付け装置を示す斜視図である。この実施形態はビームセンサに代えてCCDカメラ86が備えられている。そして、カメラ86で満杯時の半田液面を予め撮像しておき、その映像信号を画像処理して基準値として制御部に記憶させておく。半田付け作業中に撮像したデータが基準値から一定以上に離れたとき、気体が半田貯留部72bに供給されて再び半田付け部72aが満杯にされる。
図12は第十の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は鉛直方向断面図である。この実施形態では半田付け装置81の半田槽82が実施形態5におけると同じくほぼ直方体形状をなし、スクレーパ83は半田槽82の長寸方向の一方の端部から他方の端部に水平に移動するように設定されている。また、スクレーパ83の幅は半田槽82の短寸方向の幅よりも大きい。
但し、スクレーパ83の移動先側における半田槽82の壁82bの高さBは移動元側における壁82aの高さAよりも大きく、残る二つの壁は開口端面が両端の壁と連続するように移動元側から移動先側に向かうほど次第に高くなっている。このため、開口端面が水平面に対して壁82aから壁82bに向かって上昇するように僅かに傾斜している。そして、発光素子86a及び受光素子86bからなるビームセンサ86は、その光路が壁82aから僅かに壁82b寄りで壁82aよりも高く壁82bよりも低くなるように設置されている。
図13は第十一の実施形態に係る半田付け装置を示し、(a)は同装置の斜視図、(b)は鉛直方向断面図である。この実施形態ではスクレーパ93の幅が半田槽82の短寸方向の幅よりも僅かに小さい点でのみ実施形態10と異なる。
この実施形態の半田付け装置91で半田付けするときは、スクレーパ93が半田槽82内に僅かに挿入された状態で水平方向に移動する。従って、移動中にスクレーパ93の下端が半田槽82の開口端面を擦ることがない。両端の壁82a、82bに挟まれる側壁の上面が半田に濡れることもなく、溶融半田の流出が一層抑制される。
尚、移動先側の壁を移動元側の壁よりも高くするために、図14に示すように半田槽82全体を傾けても良い。
図15は第十二の実施形態に係る半田付け装置を示す鉛直方向断面図である。この実施形態では半田槽92が、実施形態10における半田槽82と同じ輪郭を有する。また、一方の壁92bが対向する他方の壁92aよりも高く、スクレーパ93が半田槽82内に僅かに挿入された状態で壁92aの内側から壁92bに向かって水平方向に移動する点で実施形態11と同様である。
但し、壁92bの内面は上方に向かうほどに壁92aから次第に遠ざかるように傾斜している。そして、スクレーパ93は、壁92bに向かって水平方向に移動した後、その下端が壁92bの内面に衝突する手前の位置で停止し、復路に向かう。スクレーパ93で溶融半田とともに掻き寄せられた浮遊樹脂は壁92bの内面上方に滞留する。半田付けを繰り返すにつれて、壁92bの内面に滞留する浮遊物の量が増し、先行する浮遊物が後続の浮遊物に押されて斜面を上昇し、壁92bの上端を乗り越えて順次槽外に排出される。浮遊物が斜面を上昇する間に、溶融半田は自重で斜面を流れ落ちる。このため、半田の浪費は抑制される。
2、32、42、52、72、82、92 半田槽
3、13、23、53、63、73、83、93 スクレーパ
Claims (5)
- 上面に開口を有する半田槽と、
前記半田槽に対して水平方向に相対移動することにより、表面張力によって前記開口より盛り上がった溶融半田を掻き寄せるスクレーパと、
前記半田槽内の液面を検知する透過型センサとを備え、
前記半田槽の内面が半田に対して非濡れ性の材料からなり、前記開口端面が水平面に対して僅かに傾斜しており、前記スクレーパが前記開口端面の相対的に低い位置から高い位置に向かって移動することを特徴とする半田付け装置。 - 前記スクレーパは、前記半田槽に対して相対移動するとともに移動方向に直交する水平な回転軸を有する本体と、上端が前記回転軸に固定され、下端が前記開口よりも低い位置にあって自由にされている掻き板とを有する請求項1に記載の半田付け装置。
- 前記スクレーパは、前記半田槽に対して相対移動するとともに端部に断熱部が設けられた本体と、前記断熱部を介して本体に取り付けられヒータを内蔵するか又はそれ自身への通電によって加熱可能な掻き板とを有する請求項1に記載の半田付け装置。
- 前記スクレーパが、前記半田槽内に僅かに挿入された状態で前記の移動を行う請求項1に記載の半田付け装置。
- 前記開口端面の最低位置及び最高位置を通って半田槽を鉛直方向に切断して得られる断面を眺めたとき、前記半田槽の内面のうち前記最高位置に連なる部分が上方に向かうほど前記最低位置に連なる部分から次第に遠ざかるように傾斜している請求項4に記載の半田付け装置。
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