JP5376240B2 - ブラスト加工用投射材およびブラスト加工方法 - Google Patents

ブラスト加工用投射材およびブラスト加工方法 Download PDF

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Description

本発明は被処理面に対し投射材を噴射するブラスト加工において、被処理面の面粗度を小さくし、該被加工面を鏡面、或いは光沢面等とする為の投射材に関する。
従来、被処理面の面粗度を小さくして、該被処理面を鏡面、或いは光沢面化等とする研磨加工方法としては、研磨紙や研磨布等による研磨や、バフによる研磨や、ラッピングや、回転する砥粒との接触による研磨等が用いられてきた。しかしながら、いずれの研磨方法においても、該被加工面が鏡面または光沢面等に仕上がるまで相当の加工時間が必要であった。そこで、ブラスト加工を該加工に適用し、加工時間の短縮を図る試みが行われている。
ブラスト加工とは、セラミックスや、金属や、樹脂等の投射材を被加工面に噴射することで該被処理面を加工する方法である。短時間で被加工面を加工できるが、投射材の衝突により該被加工面に梨地状の凹凸が形成されやすく、被加工面の鏡面化、或いは光沢面化等には不向きである。
梨地状の凹凸の形成を抑制し、被加工面の鏡面化、或いは光沢面化を行うために、例えば特許文献1にはゼラチンを核体とし、これに砥材と水を含ませた投射材を使用することが提案されている。しかし、ブラスト加工中に、該投射材中の水分が蒸発した結果、被加工面に梨地状の凹凸を形成することとなるため、投射材に定期的に水分を補給することが必要となる。そのため、ブラスト装置が煩雑となる(例えば特許文献2参照)
また、特許文献3では、ゴムまたは熱可塑性エラストマーに砥材を10〜90質量%混合した投射材を使用することが提案されている。しかし、砥材の含有量が少ない場合は例えば目詰まりにより投射材としての寿命は短く、ブラスト加工装置から頻繁に新品との入れ替えが必要となり効率が悪い。一方、砥材の含有量が多い場合、例えば70質量%以上とした場合は、ゴムまたはエラストマーより砥材が容易に脱落し、新生面が現れることにより前記のような目詰まりが発生せず、投射材としての寿命は長く、連続して良好な研磨能力を有するが、砥材は比較的高価であるため投射材の価格に上昇の要因となる。
特開2001−207160 特開2009−190108 特開2006−159402
本発明は、上述の問題点を解決するためになされた物であり、被加工面に梨地状の凹凸の形成を抑制して、該被加工面を鏡面化、或いは光沢面化等をブラスト加工にて行うに際し、研磨能力を維持するための特別な装置を必要とせず、また長時間の使用においても連続して安定した研磨能力を有し、かつ安価な投射材を提供する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、被加工物を鏡面化、或いは光沢面化をブラスト加工で行う為のブラスト加工用投射材であって、熱可塑性樹脂の粒子の表面に砥材が担持されている研磨粒子からなり、前記研磨粒子同士を結合させた結合体として形成されており、該結合体の内部に空隙を有している、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によると、例えば図1に示すように熱可塑性樹脂粒子11の表面に砥材12が担持されている粒子(研磨粒子10)同士を結合させて結合体とすることで、被加工面を鏡面化、或いは光沢面化するためのブラスト用投射材として好適に用いることができる。なお、研磨粒子表面には、砥材ばかりでなく、製造上必要な物質が混在している場合もある。また、例えば図2に示すように投射材1の内部に空隙Wを有していることで、前記研磨粒子同士の結合力が弱く、投射材全体として適度に脆化する。ブラスト加工により生じた粉塵が研磨粒子間および/または砥材間に入り込むことで研磨能力が低下するが(目詰まり)、前記投射材が被加工物に衝突した際に前記研磨粒子の一部が脱落することにより常に表面に砥材担持されている研磨粒子の新生面が投射材表面に現れ、投射材全体としては研磨力を維持することができる。また、ブラスト加工では、被加工物に衝突した投射材は循環利用されるため、このような使用において長時間にわたり高い研磨力を維持した投射材を得ることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のブラスト加工用投射材において、前記熱可塑性樹脂が軟質ポリ塩化ビニルである、という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明によると、ブラスト加工用投射材の衝突により被加工面に梨地状の凹凸を形成させないためには、適度に軟質である必要がある。ポリ塩化ビニルは、可塑剤の添加量により硬度を調整することができ、かつ安価な材料である。本発明の軟質ポリ塩化ビニルは可塑剤を5質量%以上含有させたものを指し、これは、ブラスト加工時において、被加工面に梨地状の凹凸を形成させない硬度を持つブラスト加工用投射材として好適に用いることができる。また、ブラスト加工用の投射時において、多量の微細粒子(投射材や、ブラスト加工により切削された被加工物の粉塵)がブラスト加工室に飛散するため、粉塵爆発の危険性がある。ポリ塩化ビニルは難燃性物質であることが知られており、これを投射材として用いることで、粉塵爆発の危険性を低減することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のブラスト加工用投射材において、前記投射材の径が0.01〜3mmである、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明によると、前記ブラスト加工用投射材の長さが0.01mmを下回ると被加工面を鏡面化、或いは平滑面化するための切削力を十分に得ることができず、且つブラスト加工装置により被加工物への投射する際の投射量が安定しない。また3mmを上回ると被加工面に梨地状の凹凸が生じることから、ブラスト加工用投射材の衝突による被加工面への梨地状の凹凸の形成を抑制し、被加工面を鏡面化、或いは平滑面化するためのブラスト加工用投射剤の径は0.01〜3mmの範囲が好適である。なお、該投射材は略球形ばかりでなく、長辺および短辺を有する例えば円柱状のような異形状物も含まれる。このような形状の投射材の場合、ここでの径は、長辺の長さを指す。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のブラスト加工用投射材において、前記投射材の内部に、少なくとも一部が連通構造をもつ空隙を有している、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明によると、前述の通り前記投射材の内部に空隙を有することで、該投射材は長時間に渡り高い研磨力を有する。空隙の形状は、それぞれ独立している構造(独立構造)でも、空隙が連続している構造(連通構造)でもいずれにおいても効果があるが、特に少なくとも一部に連通構造を持つことでブラスト加工時において、該投射材が被処理物に衝突した際の研磨粒子の脱落が容易に進行しやすい。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のブラスト加工用投射材において、前記投射材に占める前記空隙の割合が、70体積%以下である、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明によると、前述の通り投射材内部に空隙を有することで、常に投射材表面に研磨粒子の新生面が現れている状態を保つが、空隙の割合が70体積%を越えると、研磨粒子同士の結合が弱くなり過ぎ、投射材が被加工物に衝突した際、投射材の全体もしくは大半が研磨粒子に分解(破砕)されるため、前記投射材に占める前記空隙の割合は70質量%以下である必要がある。また、空隙の割合を70体積%以下の範囲で、被加工物や目標とする面粗度などに合わせ適宜選択することで、効率よく被加工物を鏡面化、或いは平滑面化することができるブラスト加工用投射材をえることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれかのブラスト加工用投射材に、研磨助剤となる液体を含浸させて被加工物に噴射する、という技術的手段を用いる。
請求項に記載の発明によると、例えば、投射材表面に研磨粒子の新生面を出現させるのを促進させる、或いは砥材間または研磨粒子間および砥材間に微粉末が入り込む(目詰まり)のを抑制して高い研磨能力を長時間維持させる為や、研磨による被加工物の焼き付きを防止させる為や、ブラスト加工することにより投射材や被加工物が帯電するのを防ぐ、或いは除電する為、などの目的に応じて前記空隙に研磨助剤を含浸させた投射材を用いてブラスト加工することができる。前記研磨助剤は、使用目的と、投射材および被加工物の材質に応じて、水、無機物、有機物、或いはそれらの混合物の中から適宜選択することができる。ここでの含浸とは、該投射材に単に研磨助剤を含ませるばかりでなく、例えば研磨助剤を内包させたマイクロカプセルを該投射材内部に保持する場合も含まれる。
本発明によれば、研磨紙や研磨布による研磨等の従来技術に比べ、非常に短時間で、被加工物表面に梨地状の凹凸を発生させることなく鏡面化、或いは平結面化することが可能となり、また長時間にわたり高い研磨力を維持できるブラスト加工用投射材を得ることができる。
特に前記熱可塑性樹脂に軟質ポリ塩化ビニルを選択することで、被加工面へブラスト加工を行う際、梨地状の凹凸の形成を抑制し、かつ粉塵爆発性の低いブラスト加工用投射材を、より安価に得ることができる。
また、投射材内部に70体積%以下の空隙を有することで、長時間にわたり高い研磨能力を有するブラスト加工用投射材を得ることができる。
また、前記空隙の内部に、研磨助剤となる液体を含浸させることにより、ブラスト加工時に様々な効果、例えば、高い研磨能力を長時間維持させることや、投射材や被加工物の帯電防止や除電等、の効果を得ることができ、効率の良いブラスト加工が可能となる。
本発明におけるブラスト加工用投射材の模式図である。(A)は投射材の全体図、(B)は研磨粒子の断面図である。 本発明におけるブラスト加工用投射材の断面の模式図である。 本発明における実施形態を説明するためのフロー図である。 本発明における実施形態の研磨粒子への変態の説明図である。(A)は模式図、(B)は研磨粒子の拡大図である。 比較例1で用いたブラスト加工用投射材の模式図である。
本発明の実施形態を、図3および図4を用いて説明する。本実施形態では、熱可塑性樹脂に軟質ポリ塩化ビニルを、砥材にグリーンカーボランダム(SiC)を用いた。
まず、熱可塑性樹脂原料となるポリ塩化ビニル(PVC)の重合物粒子51と、フタル酸エステル系化合物を主成分とした可塑剤と、軟質ポリ塩化ビニルの形成助剤として炭酸カルシウム55と、砥材54と、を質量基準にて所定の割合で室温にて混合して混合物を得た。本発明における軟質ポリ塩化ビニルとは、前述の通り可塑剤の含有量を軟質ポリ塩化ビニル全体の5質量%以上としたものを指す。研磨材の担持量や、後述の結合体内に占める空隙の割合にもよるが、可塑剤の含有量が概ね軟質ポリ塩化ビニル全体に対して50〜70質量%にて特に好適に用いることができる。なお、本実施形態では、これらの混合比(PVC:可塑剤:炭酸カルシウム:砥材)を20:30:20:30とした
前記混合物を、加熱温度200℃にセットした押し出し成形装置20に投入する。押し出し成形装置は加熱手段32を有するシリンダ31およびダイ33(成形目標の形状の通過穴を有する金型)にて構成されている。
前記混合物が押し出し成形機中のシリンダを通過することで加熱される。この際、前記PVC粒子は若干軟化し、該粒子中に前記可塑剤が入り込み軟質ポリ塩化ビニル粒子52を形成する。一方、前記砥材の大半は軟質ポリ塩化ビニル粒子の中心部まで取り込まれず、該軟質ポリ塩化ビニル粒子の外周付近に担持される。また、形成助剤である炭酸カルシウムの大半も該軟質ポリ塩化ビニル粒子の外周に担持される。こうして形成された粒子が研磨粒子50となる。また、該研磨粒子は引き続き加熱されていることで軟化しており、該研磨粒子同士はお互いの接触点にて結合し、結合体を形成する。
これらは、加熱されたまま先端のダイを通過し、装置外へ排出され、大気中にて冷却される。なお、本実施例では直径約1mmの糸状の成形体40を得た。
この成形体を、長さ約1mmに切断することでブラスト加工用投射材を得た。
該ブラスト加工用投射材の内部には、前述の通り70体積%以下の空隙を有していることが好ましい。ブラスト加工における投射材の噴射速度や被加工物の材質や形状にもよるが、30〜60体積%の範囲がより好ましい。また、空隙の形状はとくに限定されないが、少なくとも一部が連通構造であることが好ましい。本実施例では前記投射材の内部に、約35体積%の連通構造をもつ空隙を有していた。
こうして得られた投射材を、空気式ブラスト加工装置に投入した。空気式ブラスト装置は、吸引式(重力式)と加圧式(直圧式)があるが、本実施例では吸引式を例に説明する。
吸引式ブラスト加工装置は、ブラスト加工室、ブラスト加工用ノズル、圧縮空気供給装置、分級装置、集塵装置より構成されている。ブラスト加工室内にセットされたブラスト加工用ノズルに、圧縮空気供給装置により圧縮空気を供給することで、該ノズル内部に負圧(吸引力)が発生する。この負圧の流れに投射材を投入することで、該圧縮空気に投射材が混入され、混合気流となって、該ノズルの噴射口より噴射される。
該ノズルは被加工面より所定の距離を離して、被加工面に対し45°に傾斜してセットされている。該ノズルの噴射口より噴射された投射材は被加工面に高速で衝突し、被加工面の研磨が行われる。同時に、該投射材は被加工面との衝突により一部の研磨粒子が脱落する。
噴射された投射材、被処理面の切削物や該投射材より脱落した研磨粒子等の粉塵、等は分級装置に移送される。そこで、再利用可能な投射材は、投射材ホッパーに移送され、再び該ノズルに投入される。一方、粉塵や再利用できない投射材は集塵機にて捕集される。
被加工面の全体を処理するために、該ノズルもしくは被加工物を移動しながら所定時間投射材の噴射を行った。所定時間噴射した後、投射材の噴射を停止して被加工物をブラスト加工室より取り出し、被加工物をエアブローや水洗等にて洗浄し、鏡面化、もしくは光沢面化の処理が完了する。
(変更例)
熱可塑性樹脂の原料は本実施例に限定されない。被加工物の材質や形状等に応じて、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、等公知の物質より適宜選択することができる。
また、砥材は本実施例に限定されず、被加工物の材質や形状、目標とする加工時間や、被加工面に要求される面粗度等に応じて、一般のブラスト加工で用いる投射材や、一般の研磨方法で用いる研磨剤等、例えば、ホワイトアランダムやガラスやダイヤモンド等をはじめとするセラミックス系や、鉄やステンレス等をはじめとする金属系や、カルシウムの炭酸塩や硫化塩等をはじめとする無機系や、クルミやピーチ等をはじめとする植物系等、などから適宜選択することができる。
また、該投射材の製造方法は本実施例に限定されず、たとえば比較的大きなバルクに成形した後に粉砕して得てもよく、その他公知の方法にて成形を行ってもよい。
また、成形時の加熱温度や原料を押し出す圧力を調整することで、投射材内部の空隙を調整することができ、当然空隙をなくすこともできる。この場合、研磨粒子同士の界面に砥材が存在することとなるので、ブラスト加工時において該砥材を基点に研磨粒子の脱落が進行し、研磨粒子の新生面が現れる。
また、前記混合物中に発泡性中空粒子等を混入することで、該投射材に含まれる空隙の割合や構造を調整することもできる。
また、ブラスト加工は空気式に限定されず、例えば羽根車の回転によって投射材を被加工物に衝突させる遠心式等、公知の方法を選択することができる。
また、該ノズルと被加工面との成す角度は垂直を含む0ないし180°の範囲より任意に設定することができる。
(実施例)
前記実施形態において、ポリ塩化ビニルの重合物粒子にZEST 1300Z(新第一塩ビ(株)製)を、可塑剤にビニサイザー90(花王(株)製)を、形成助剤にNS#400(日東粉化工業(株)製)を、砥材にGC#4000(新東工業(株)製)を使用した。これらを原料とし、前記実施形態の方法にて得られたブラスト投射材を、ブラスト加工装置MY−30(新東工業(株)製)を用いて、φ40mmの被加工面を持ち、硬さがHRC50〜55(JISG0202)のS55C熱処理品に噴射した。なお噴射条件は、噴射圧力は0.3MPa、ノズルと被加工面の距離は100mm、ノズルと被加工面の角度は45度とした。
ブラスト加工は、投入した投射材が被加工物に向けて全量投射された時を1サイクルとした。なお、使用したブラスト加工装置では、投入した投射材はバッチ処理ではなく分級装置を介して循環利用されるため、サイクル数の算出は数1を用いた。
所定サイクルを被加工物と同じ材質の板に噴射した(空打ち)後、被加工物をブラスト加工室に投入し、ブラスト加工を行った(実施例1)。なお、評価毎に新しい被加工物を用意して処理をして評価した。
また、図5に示すように径が0.1〜1mmの分布を持ち、熱可塑性樹脂粒子61中に砥材62を分布させた投射材60を作成し、実施例1と同様のブラスト加工を行った(比較例1)。具体的には、熱可塑性樹脂粒子61を成す樹脂にアクリル樹脂を、砥材62にGC#4000(新東工業(株)製)を使用した。アクリル樹脂と砥材の配合は質量比で7:3とし、これらを加熱して混合することで作成した。
得られた被加工面の評価を、面粗度および光沢度についておこなった。面粗度は表面粗さ計SURFCOM1500SD((株)東京精密製)にて算術平均粗さRa、最大高さRy、十点平均粗さRz(JISB0601−1994)の測定をおこなった。光沢度は目視にて行い、未処理品と比較して光沢が増していた場合は○、未処理品と同等の場合は△、未処理品より光沢がなくなっていた場合は×とした。また、面粗度と光沢度を合わせた評価を総合評価とし、未処理品より良好な場合は○、未処理品と同等の場合は△、未処理品より悪い場合は×とした。
実施例1の結果を表1に、比較例1を表2に示す。0サイクルとは、空打ちを行なっていない投射材による処理である。
実施例1では、空打ちなしの投射材で処理を行った被処理面の面粗度の数値が減少し、被加工面の鏡面化が進行しているのが分かる。また、光沢度も良好となった。また、2200サイクル空打ちを行った投射材を用いてブラスト処理を行った場合も同様の面粗度および光沢度となったことから、本発明による投射材は長時間にわたり繰り返し使用を行っても高い研磨能力を有していることが分かる。なお、空打ちを行わなかった投射材にて加工を行った際の面粗度が、例えば270サイクルの空打ちを行った投射材にて加工を行った場合に比べて若干悪かったのは、投射材製造工程において、砥材同士の間に形成助剤や軟質ポリ塩化ビニルが入り込んだことによる目詰まりや、押し出し成形機のダイによって砥材が軟質塩化ビニル粒子に押し込まれた、或いは研磨材が脱落した、等により、投射材表面に砥材が十分に露出してないことが原因であると考えられ、若干空打ちを行うことで砥材を十分に有する研磨粒子を露出させる工程を行った方が好ましい場合もあることも考えられる。
一方、比較例では空打ちを行わなかった投射材を用いて処理を行った被処理面の面粗度の数値が未処理品に比べ若干減少したものの大差はなく、また光沢度も大差がなかった。650サイクル空打ちを行った投射材にて処理を行うと、面粗度および光沢度が未処理品より悪化した。1130サイクル、1600サイクルについても同様であった。これは、ブラスト加工を行うにつれ、砥材同士の間に被加工物より発生した粉塵が入り込み目詰まりした結果、投射材全体としては該粉塵層により表面が非常に硬質となったため、被加工面に衝突した際に梨地状の凹凸が形成されたことによる結果であると考えられる。
次に、本発明の投射材に含まれる空隙の割合の影響を調べるために、前記実施形態において、原料中に中空粒子発泡剤としてマツモトマイクロフェマー F−100(松本油脂製薬(株)製)を原料(PVC、可塑剤、充填剤、砥材)に含有させ、その他の条件は実施例1と同じ方法にて製造し、空隙率が52体積%(実施例2)および75質量%(比較例2)の投射材を得た。これらの投射材を使用し、硬さHRC62のSK−3材を被処理品とし、実施例1と同様の空打ちおよびブラスト処理を行った。評価は、前記面粗度評価および光沢評価の他、消耗率の算出も行った。消耗率は、所定回数の空打ちの後ブラスト加工装置内の投射材を回収して重量を測定し、ブラスト装置への投入量より算出した。
結果を表3に示す。空隙率52体積%の投射材では、面粗度および光沢度が未処理品に比べ改善された。また、投射材の消耗率は800サイクルの空打ちにて48質量%となった。一方、空隙率75体積%の投射材では、面粗度および光沢度の改善は見られず、また投射材の消耗率は220サイクルでは35質量%に、430サイクルでは55質量%となった。これは、投射材に含まれる空隙が多くなると研磨粒子同士の結合力が弱くなり、投射材が被加工面に衝突した際の衝突エネルギーは投射材の解砕エネルギーとなり、被加工面に対し十分な研磨力を付与することができないことに起因すると考えられる。
本発明によって、研磨紙や研磨布による研磨等の従来技術に比べ、非常に短時間で、被加工物表面に梨地状の凹凸を発生させることなく鏡面化、或いは平滑面化することが可能となった。例えば金型のキャビティー面の鏡面化に適用することができる。金型のキャビティー面は非常に高精度な面を必要としている。また使用するに従って成形材料の焼き付き等が発生する。よって、例えば焼き付き等による成形材料のクリーニングには、従来のショットブラストや表面研磨法などの公知な方法によって行い、その後本発明による鏡面化を行うことができる。もちろん、キャビティー面の残渣の付着力がそれほど強固でなく、本発明の投射材の噴射によって十分に除去が可能であれば、本発明にてクリーニングと鏡面化を同時に行ってもよい。
他の用途として、例えばDLC等の皮膜を施工する際の基材の前処理をはじめ、あらゆる鏡面化、或いは平滑面化の用途に適用することができる。
1 投射材(集合体)
10 研磨粒子
11 熱可塑性樹脂
12 砥材
20 混練装置
30 加圧押出成形装置
40 成形体(研磨粒子の集合体による成形体)
50 研磨粒子
60 投射材(比較例1)
W 空隙

Claims (6)

  1. 被加工物を鏡面化、或いは光沢面化をブラスト加工で行う為のブラスト加工用投射材であって、熱可塑性樹脂の粒子の表面に砥材が担持されている研磨粒子からなり、前記研磨粒子同士を結合させた結合体として形成されており、該結合体の内部に空隙を有していることを特徴とする、ブラスト加工用投射材。
  2. 前記熱可塑性樹脂が軟質ポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項1に記載のブラスト加工用投射材。
  3. 前記投射材の径が0.01〜3mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラスト加工用投射材。
  4. 前記投射材の内部に、少なくとも一部が連通構造をもつ空隙を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のブラスト加工用投射材。
  5. 前記投射材に占める前記空隙の割合が、70体積%以下であることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のブラスト加工用投射材。
  6. 請求項ないし請求項のいずれかに記載のブラスト加工用投射材に、研磨助剤となる液体を含浸させて被加工物に噴射することを特徴とするブラスト加工方法。
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