JP5375747B2 - 生体情報検出システム - Google Patents
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例えば、特許文献1には、光を照射する照射手段と受光手段とからなる検出器をステアリングホイール上に分散して複数配置してなる心拍検出手段を有する車上心拍計が提案されている。この車上心拍計は、出力信号レベルの大きい一部のセンサを検出して、その検出されたセンサの出力に基づいて心拍信号を出力する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体情報検出システムにおいて、さらに、ステアリングホイールに照射される外乱光の強度を測定する外乱光測定手段を備えるものである。そして、選別手段は、外乱光測定手段によって測定される外乱光の強度が所定の閾値以下である場合には、全ての受光手段を選別することを特徴とする。
請求項7に記載の生体情報検出システムでは、車両の現在位置を検出する位置検出手段を備えており、この位置検出手段により検出された現在位置の経時変化に基づいて回転角度を算出することを特徴とする。
また、受光手段を選別するための手段は、請求項8のようなものであってもよい。請求項8に記載の生体情報検出システムは、ステアリングホイールに配置される1つ以上の移動部と、ステアリングホイールと同期して回転しない位置に配置される固定部と、からなる回転位置センサを備えている。この回転位置センサは、移動部が固定部に対して所定の位置関係となった場合に、移動部が所定の信号を出力するものである。そして、受光手段は、いずれかの近接する移動部に対応付けられており、上述した所定の信号を出力する移動部に対応付けられた受光手段を、所定の領域に位置する受光手段として選別することを特徴とする。
なお、請求項11の構成において、受光手段はステアリングホイールに配置されていてもよいし、ステアリングホイール外に配置されていてもよい。
このような生体情報検出システムであれば、精度の高い脈波を検出することができる。なお、脈波以外には、血流、血中成分を検出することが考えられる。
[実施例1]
(1)全体構成
本実施例の生体情報検出システム1、およびその生体情報検出システム1周辺の概略構成を示した側面図を図1に示す。また、生体情報検出システム1の構成を示すブロック図を図2に示す。
圧力センサ37は、加えられた圧力に応じた圧力信号を制御装置25に出力するセンサであって、ステアリングホイール11に対して被験者の手や指による圧力を電気信号に変換して出力する。制御装置25は、圧力センサ37から出力された圧力信号に基づいて手や指が接触している接触領域を検出する。
制御装置25は、CPU25a,ROM25b,RAM25cの他、図示しないI/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、生体情報検出システム1全体を制御する。また、ROM25bには、操舵角センサ15、照度センサ17、圧力センサ37から取得した信号に基づいて、作動する脈波センサ35を決定し、決定された脈波センサ35の検出部33が取得した受光信号に基づいて脈波を検出する脈波センサ決定処理をCPU25aが実行するための処理プログラムが格納されている。なお、脈波センサの作動とは、照射部31により光を照射し、検出部33によって受光信号を出力するという動作を実行することをいう。
(2)生体情報検出システムによる処理
<処理の概要>
車両3に搭載される光学式の脈波センサ35は、太陽光や街灯の明かりなどの外乱光を多く受けることによって、検出精度が低下してしまう可能性がある。車両室内における太陽光の入射状態の一例を図3に示す。斜線で示す領域が、太陽光が直接差し込みにくい領域である。ウインドガラスなどから射し込む太陽光は、車両室内の上方ほど当たりやすく、下方ほど当たりにくい。ステアリングホイール11においても同様に上方に光が当たりやすい。
<制御装置25による処理>
以下に、生体情報検出システム1が備える制御装置25により実行される本発明の特徴的な処理である脈波センサ決定処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。この脈波センサ決定処理は、生体情報検出システム1が起動している間、繰り返し実行される。なお、生体情報検出システム1はこの処理にて取得した脈波に基づいて血圧推定を行うが、その処理の詳細については割愛する。
次に、全ての圧力センサ37から圧力信号を取得する(S6)。そして、所定以上の圧力を受けている圧力センサ37の近辺を被験者が触れている接触領域とし、そこに位置する脈波センサ35を作動する脈波センサ35として決定する(S7)。本実施例ではその圧力センサに近接して配置される脈波センサ35がそれに該当する。
(3)発明の効果
本実施例の生体情報検出システム1では、生体情報(脈波)の検出に用いられる受光信号は、車両室内における所定の領域(水平面Zより下方の領域)に位置する検出部33が捉えた照射光に基づくものである。上述した所定の領域は外乱光が届きにくい位置であるため、外乱光の影響を小さくして、精度の高い生体情報を検出することができる。また、使用する脈波センサ35は、照射部31と検出部33とが近接して配置される反射型の脈波センサであるため、さらに外乱光の影響を受けにくくできる。
(4)本発明との対応関係
以上説明した実施例において、照射部31が本発明の照射手段に相当し、検出部33が受光手段に相当し、圧力センサ37が接触検出手段に相当し、照度センサ17が外乱光測定手段に相当し、操舵角センサ15が角度検出手段に相当し、制御装置25が選別手段、生体情報検出手段に相当する。
[実施例2]
実施例2における生体情報検出システムは、脈波センサの構成が相違する以外は基本的に実施例1と同じ構成である。よって、実施例1との相違点のみを説明し、同一である構成については同じ符号を用いてその説明を割愛する。
(1)全体構成
本実施例のステアリングホイール11の周辺を示す模式的な側面図を図7に示す。本実施例においては、照射部41がステアリングホイール11の下部であって、ステアリングホイール11と同期して回転しない位置に配置されていて、領域45に対して光を照射する。この領域45は、外乱光の影響を受けにくい所定の領域である。また検出部43は圧力センサ47に近接して配置されており、被験者の手を透過した透過光を捉えて受光信号を取得する。
(2)生体情報検出システムによる処理
以下に、本実施例の脈波センサ決定処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。本実施例では、上述したように予め外乱を受けにくい領域にのみ照射光が到達する。即ち、外乱光の強度の影響が常時小さいため、外乱光の強度を調べる必要がなくなる。また、照射部41は光の照射を常時行っている。
その後、受信した受光信号に基づいて脈波を検出し(S26)、本処理を終了する。
(3)効果
本実施例の生体情報検出システム1では、実施例1と同様に、外乱光の影響を小さくして精度の高い脈波を検出することができる。
(4)本発明との対応関係
以上説明した実施例において、照射部41が本発明の照射手段に相当し、検出部43が受光手段に相当し、圧力センサ47が接触検出手段に相当し、制御装置25が選別手段、生体情報検出手段に相当する。
[実施例3]
実施例3における生体情報検出システムは、操舵角センサを用いずに、脈波センサが所定の領域に位置することを検出する構成を有している点以外は基本的に実施例1と同じ構成である。よって、実施例1との相違点のみを説明し、同一である構成については同じ符号を用いてその説明を割愛する。
(1)全体構成
本実施例のステアリングホイール11の周辺を示す模式的な側面図を図9に示す。本実施例においては、実施例1と同様に脈波センサ51と圧力センサ53とが近接して配置されており、さらにそれらに近接して接点スイッチ55が配置されている。また、ステアリングホイール11の下部であって、ステアリングホイール11と同期して回転しない位置に磁石57が配置されている。
(2)生体情報検出システムによる処理
以下に、本実施例の脈波センサ決定処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
S32にて、所定の照度以上であれば、全ての接点スイッチ55からON信号を取得する(S33)。そして、ON信号を出力している接点スイッチ55に近接する脈波センサ51を、所定の領域に位置する脈波センサとして選別する(S34)。その後、S36へ移行する。
(3)効果
本実施例の生体情報検出システム1では、接点スイッチ55がON信号を出力することで、その接点スイッチ55が所定の領域に位置するか否かを判別でき、所定の領域に位置する脈波センサ51の選別が可能となる。
(4)本発明との対応関係
以上説明した実施例において、接点スイッチ55が本発明の移動部に相当し、磁石57が固定部に相当する。即ち、接点スイッチ55と磁石57により本発明の回転位置センサを構成している。
[変形例]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
Claims (12)
- 車両に搭載される生体情報検出システムであって、
ステアリングホイールを握る被験者の手または指に光を照射する照射手段と、
前記ステアリングホイールに配置され、前記照射手段から照射された光が前記手または指から反射した反射光、または、前記光が前記手または指を透過した透過光を捉えて受光信号を取得する1つ以上の受光手段と、
前記車両室内における所定の領域に位置する前記受光手段を選別する選別手段と、
前記選別手段により選別された前記受光手段が取得した前記受光信号に基づいて、生体情報を検出する生体情報検出手段と、を備える
ことを特徴とする生体情報検出システム。 - 前記照射手段は、当該照射手段の照射した光を受光する前記受光手段に近接して前記ステアリングホイールに配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報検出システム。 - 前記照射手段は、前記選別手段により選別されている前記受光手段に対して照射を実行し、前記選別手段により選別されていない前記受光手段に対して照射を実行しない
ことを特徴とする請求項2に記載の生体情報検出システム。 - 前記ステアリングホイールに対して被験者の手または指が接触している接触領域を検出する接触検出手段を備え、
前記生体情報検出手段は、前記選別手段により選別され、かつ、前記接触検出手段により検出された前記接触領域に配置されている前記受光手段が取得した前記受光信号に基づいて生体情報を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。 - 前記ステアリングホイールに照射される外乱光の強度を測定する外乱光測定手段を備え、
前記選別手段は、前記外乱光測定手段によって測定される外乱光の強度が所定の閾値以下である場合には、全ての前記受光手段を選別する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。 - 前記選別手段は、前記ステアリングホイールの回転角度を検出する角度検出手段を備え、前記角度検出手段により検出された回転角度に基づいて、前記所定の領域に位置する前記受光手段を選別する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。 - 前記角度検出手段は、
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段を備え、前記位置検出手段により検出された前記現在位置の経時変化に基づいて前記回転角度を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の生体情報検出システム。 - 前記選別手段は、
前記ステアリングホイールに配置される1つ以上の移動部と、前記ステアリングホイールと同期して回転しない位置に配置される固定部と、からなり、前記移動部が前記固定部に対して所定の位置関係となった場合に、前記移動部が所定の信号を出力する回転位置センサを備え、
前記受光手段は、いずれかの近接する前記移動部に対応付けられており、
前記選別手段は、前記信号を出力する前記移動部に対応付けられた前記受光手段を、前記所定の領域に位置する前記受光手段として選別する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。 - 前記所定の領域とは、所定の水平面よりも下にある領域である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。 - 前記選別手段は、前記ステアリングホイールに配置され、微小空気圧力を測定することで自身の高度を検出する1つ以上の微小圧力センサを備え、
前記受光手段は、いずれかの近接する前記微小圧力センサに対応付けられており、
前記選別手段は、前記微小圧力センサが検出した高度が前記所定の水平面よりも下である当該微小圧力センサに対応する前記受光手段を、前記所定の領域に位置する前記受光手段として選別する
ことを特徴とする請求項9に記載の生体情報検出システム。 - 車両に搭載される生体情報検出システムであって、
ステアリングホイールに配置され、当該ステアリングホイールを握る被験者の手または指に光を照射する1つ以上の照射手段と、
前記照射手段から照射された光が前記手または指から反射した反射光、または、前記光が前記手または指を透過した透過光を捕らえて受光信号を取得する受光手段と、
前記受光手段が取得した前記受光信号に基づいて、生体情報を検出する生体情報検出手段と、
前記車両室内における所定の領域に位置する前記照射手段を選別する選別手段と、を備え、
前記照射手段は、当該照射手段が前記選別手段により選別されている場合に照射を実行し、選別されていない場合には照射を停止する
ことを特徴とする生体情報検出システム。 - 前記生体情報とは、脈波である
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の生体情報検出システム。
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