〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(携帯端末装置の外観的形状特徴)
まず、図2を参照しながら、本実施の形態における携帯端末装置1の外観形状について説明する。図2(a)は携帯端末装置1を開けた状態を示しており、図2(b)は、閉じた状態を示している。
図2(a)および(b)に示すように、携帯端末装置1は、上側筐体11と、下側筐体12とが、ヒンジ部13によって蝶着された折りたたみ構造になっている。この構造により、携帯端末装置1は、閉じた状態(図2(b))と開いた状態(図2(a))との間で開閉することができる。
なお、本実施の形態では、携帯端末装置1は、いわゆる、筐体を2つ折可能な折りたたみ式携帯電話であるが、これに限られず、本体はスライド式であってもよいし、また、このような変形機構を備えていないものであってもよい。
図2(a)に示すように、携帯端末装置1は、開いた状態では、ヒンジ部13を中心にして、両側に上側筐体11と下側筐体12とが展開したような形状となる。ここで、上側筐体11においてヒンジ部13の逆側の先端にあたる側面を、便宜上、上側筐体上部14と称する。また携帯端末装置1を閉じた状態では、同図の(b)に示すように、厚みのある長方形の形を有する上側筐体11および下側筐体12が、2つ合わさったような形状となる。
また、携帯端末装置1の上側筐体11には、図2の(b)のように、閉じた状態のときに、下側筐体12と接する側に、後述する表示部59の主表示部59aが備えられている。また、逆に下側筐体12については、閉じた状態のときに、上側筐体11と接する側に、後述する操作部58が備えられている。以降、説明の便宜上、携帯端末装置1について上側筐体11の主表示部59aや、下側筐体12の操作部58が備えられている面を携帯端末装置1の前面、これとは逆の面を携帯端末装置1の背面と称する。また、上側筐体11も、これにならって、主表示部59が備えられている方を前面とし、逆を背面とする。また同様に、下側筐体12も操作部58が備えられている方を前面とし、逆を背面とする。
上側筐体11には、同図の(b)に示すように、上側筐体上部14付近に副表示部59bが備えられている。
(携帯端末装置の構成)
次に、携帯端末装置1の機能構成について説明する。図3は、携帯端末装置1の構成の一例を示すブロック図である。図示のように、携帯端末装置1は制御部50、記憶部51、携帯電話用アンテナ部52、携帯電話網通信部53、音声処理部54、音声入力部55、音声出力部56、データ処理部57、操作部58、表示部59、報知部60、近距離無線通信用アンテナ部61、近距離無線通信部62、カレンダクロック63、脈拍センサ部64、紫外線センサ部65、加速度センサ部66、傾きセンサ部67およびGPS処理部68を備える構成である。
制御部50は、携帯端末装置1の各種機能を統括的に制御するものである。制御部50の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、制御部50の詳細については後述する。
記憶部51は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部51の例としては、制御部50が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、バーコード認識や通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データ、撮影画像データ、電子メールデータなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。
携帯電話網通信部53は、音声処理部54またはデータ処理部57から受信したデータを、携帯電話網の基地局への無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号を携帯電話用アンテナ部52を介して外部に送信するものである。また、携帯電話網通信部53は、外部から携帯電話用アンテナ部52を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを音声処理部54またはデータ処理部57に送信するものである。具体的には、携帯電話網通信部53では、チャネルコーデック処理、ベースバンド信号処理、データの変復調処理、RF(Radio Frequency)処理などが行われる。
携帯電話用アンテナ部52は、電波を携帯電話網に送信するとともに携帯電話網から電波を受信するためのものである。具体的には、携帯電話用アンテナ部52は、800MHz帯、1.5GHz帯、1.9GHz帯または2.0GHz帯等の携帯電話機用電波を送受するためのものである。
音声処理部54は、音声入力部55からの音声信号を所定の音声データに変換して携帯電話網通信部53に送信するとともに、携帯電話網通信部53からの音声データを音声信号に変換して音声出力部56に送信する。具体的には、音声処理部54は、A/D変換器、D/A変換器、アンプ、音声コーデック回路などを備える構成である。
音声入力部55は、外部から入力された音波を、電気信号である音声信号に変換して音声処理部54に送信する。具体的には、音声入力部55はマイクロホンを備える構成である。
音声出力部56は、音声処理部54からの音声信号を音波に変換して外部に出力するものである。具体的には、音声出力部56は、レシーバ、スピーカ、音声出力用コネクタなどを備える構成である。一例としては、音声出力部56には、通話を行う場合にはレシーバが利用され、着信の報知やテレビ電話を行う場合にはスピーカが利用される。また、音楽を聴く場合には、周囲の人々に配慮して、音声出力用コネクタにヘッドホンが接続される。
なお、携帯端末装置1が電話機の場合、音声入力部55に入力する利用者の音声が音声出力部56から聞こえることが望ましい。このため、音声処理部54は、音声入力部55からの音声信号を所定の音量レベルに調整した後、音声出力部56に送信することが望ましい。
データ処理部57は、制御部50からのデータを所定形式のデータに符号化して携帯電話網通信部53に送信するとともに、携帯電話網通信部53からのデータを復号化して制御部50に送信するものである。
操作部58は、携帯端末装置1の表面に設けられた操作ボタンなどの入力デバイスに対する利用者の操作を取得し、操作データを作成して制御部50に送信するものである。入力デバイスとしては、ボタンスイッチの他にタッチパネルやモーションセンサなどが挙げられる。
表示部59は、主表示部59aと副表示部59bを含む構成である。制御部50から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表画面に画像を表示するものである。具体的には、主表示部59aは、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。副表示部59bは、主表示部59aよりも小型のLCDであり、主に、携帯端末装置1を閉じた状態のときに種々の表示を行う目的で使用される。
報知部60は、制御部50からの指示に基づき、利用者への報知を行うものである。報知部60が行う報知の例としては、偏心モータなどの振動素子を用いて携帯端末装置1を振動させたり、LED(light emitting diode)などの発光素子を用いて発光させたりすることが挙げられる。なお、報知部60は、音声出力部56または表示部59で代用することもできる。
近距離無線通信用アンテナ部61は、電波を外部に送り出すとともに外部から電波を受け取るためのものである。例えば、近距離無線通信としてブルートゥース(登録商標)を利用する場合、近距離無線通信用アンテナ部61は、2.45GHz帯の電波を送受することになる。
近距離無線通信部62は、制御部50から受信したデータを近距離無線通信に適した形式に変換し、変換した無線信号を、近距離無線通信用アンテナ部61を介して外部に送信するとともに、外部から近距離無線通信用アンテナ部61を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部50に送信するものである。具体的には、近距離無線通信部62では、データの変復調処理、RF処理などが行われる。
カレンダクロック63は、現在の日時を表すものである。本実施形態においては、日時に関する日時情報が、携帯端末装置1の保持状態を特定する際に補助的に使われる。なお、カレンダクロック63は、携帯端末装置1の主電源をオフにしても、専用の電池で稼働し続けるものである。また、カレンダクロック63の日時の設定は、利用者が操作部58を操作することで行ってもよいし、タイムサーバから正確な日時情報を取得して自動的に設定してもよい。
脈拍センサ部64は、人体の脈拍を計測するための脈拍計測センサを複数含むものである。本実施の形態に係る脈拍センサ部64における具体的な脈拍計測センサの実装方法については後述する。
紫外線センサ部65は、紫外線を感知するセンサである。紫外線センサ部65も、脈拍センサ部64と同様に、紫外線計測センサを複数含む構成であり、また、任意の位置に配置が可能である。
加速度センサ部66は、携帯端末装置1の動きを検知するものであり、その動きの加速度を検知するものである。加速度センサ部66には、X軸、Y軸、Z軸の3軸における加速度を検知するセンサなど公知のセンサを用いることができる。
傾きセンサ部67は、携帯端末装置1の上部筐体11を基準とした、水平面に対する傾斜角を検知する傾き検知を行うものである。また、傾きセンサ部67には、物体に働く重力の方向を検知するセンサなど、公知のセンサを用いることができる。
GPS処理部68は、GPS(Global Positioning System)受信機を有しており、当該GPS受信機を用いて、携帯端末装置1の現在の位置を示す位置情報を取得するものである。また、位置情報としては、例えば、経度および緯度などが挙げられる。本実施の形態では、現在位置の取得にGPSを用いる場合について説明するが、GPSに限らず、現在位置の取得を取得できるものであれば任意に利用できるものであり、RFID(Radio Frequency Identification)等を用いた他の位置検出技術を適用することも可能である。
以下では、上記のような特徴を有する携帯端末装置1において、脈拍センサ部64を用いて利用者の脈拍を計測する場合について説明する。
(脈拍センサ部についての詳細)
まず、脈拍センサ部64の詳細について図1および図5を用いて説明する。図1は脈拍センサ部64および制御部50の構成の詳細を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、脈拍センサ部64は、脈拍を計測するためのセンサである、下側筐体側面センサ64a、ヒンジ背面センサ64bおよび下側筐体背面センサ64cの3つの脈拍計測センサよりなる。
ここで、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサには、脈拍を計測する方式として、近赤外線を指先に照射し、その反射光(あるいは透過光)を検知し、フォトインタラプタなどのセンサで脈波成分を検出する計測方式を用いている。
また、図5は、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサが、携帯端末装置1のどの場所に配置されていているかを示した説明図である。図示のとおり、下側筐体側面センサ64aは、ヒンジ部13が上側に来るように下側筐体12を保持し、かつ、手前に操作部58が来るようにした場合において、下側筐体12の左側の側面上に配置されている。
また、図示の通り、ヒンジ背面センサ64bは、ヒンジ部13の表面であって、携帯端末装置1の背面と同じ側の表面に配置されている。
また、同図によると、下側筐体背面センサ64cは、下側筐体12の背面でヒンジ部13付近に配置されている。
上記のように脈拍センサ部64の各脈拍計測センサを配置した理由は以下の通りである。すなわち、下側筐体側面センサ64aの配置は、ちょうど、利用者が左手で携帯端末装置1を保持したとき、利用者の親指が触れる位置である。また、ヒンジ背面センサ64bと下側筐体背面センサ64cは、利用者が左手で携帯端末装置1を保持したとき、人差し指が触れる位置に配置されている。
なお、本実施の形態においては、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサに関して、上記のような配置を採用しているが、これに限られず、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサは、携帯端末装置1と指が接する位置であって、脈拍を測定するのに好適な位置に配置すればよい。また、上記位置は、特に指の先端が触れるような位置であることが好ましい。
また、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサは、指と赤外線フォトインタラプタ等のセンサが接触する位置や角度により異なる値を検出することがある。そのため、本実施の形態に係る携帯端末装置1のように脈拍センサ部64の各脈拍計測センサを複数備える場合、脈拍を計測するために適した脈拍計測センサを選択し、該選択された脈拍計測センサにおいて脈拍を計測することが好ましい。
本実施の形態においては、脈拍センサ部64の3つの脈拍計測センサのうち、後述するセンサ選択部17によって選ばれる1つの脈拍センサ部64の各脈拍計測センサのみが、利用者の脈拍を計測するために用いられる。すなわち、センサ選択部17によって、脈拍を計測するために適した脈拍計測センサが1つ選ばれるため、それ以外の脈拍計測センサは稼動する必要が無いからである。これにより、不必要な電力消費を防ぐことができる。また、選ばれる脈拍計測センサは好適な条件を有する1つ以上の脈拍計測センサにしてもよい。また、上記脈拍計測センサは、任意の位置に配置可能であり、また、配置する個数も自由に設定できる。
(制御部詳細)
制御部50について、以下にその詳細を説明する。図1に示すように、制御部50は、保持状態検出部(保持状態検出手段)15、脈拍算出部16およびセンサ選択部(センサ選択手段)17を備える構成である。
保持状態検出部15は、携帯端末装置1が備える各種センサによって検出された情報を取得するものである。具体的には、保持状態検出部15は、加速度センサ部66および傾きセンサ部67から、携帯端末装置1の動きに関する動き情報や傾きに関する傾き情報などの携帯端末装置1の状態に関する状態情報を受け取る。保持状態検出部15は、受け取った上記状態情報を、センサ選択部17に転送する。
センサ選択部17は、保持状態検出部15の送信した状態情報に基づいて、脈拍センサ部64の脈拍計測センサのうち、いずれの脈拍計測センサを脈拍測定に用いるかを選択する。すなわち、上記状態情報から、携帯端末装置1の向き、移動方向を判断し、携帯端末装置1の動きの影響を受けにくい脈拍計測センサを選択する。センサ選択部17が、脈拍センサ部64の脈拍計測センサを選択するときの手順の詳細については後述する。
また、計測開始時は、脈拍センサ部64の脈拍計測センサのうち、基本とする脈拍計測センサをあらかじめ1つ決定しておいて、この脈拍計測センサを用いて脈拍を測定するようにしてもよい。その後、携帯端末装置1の動きを検出した場合には、携帯端末装置1の動きに対応して、最適な脈拍計測センサを、脈拍を計測するための脈拍計測センサとして選択する。
なお、センサ選択部17が、脈拍計測センサの選択を切り替えるとき、表示部59あるいは報知部60を介して、利用者に脈拍計測センサの選択を切り替える旨を通知してもよい。利用者に選択されている脈拍計測センサが切り替わったことを通知する方法としては、他にも、現在選択されている脈拍計測センサに対応する色の光を、報知部60の備えるLEDを発光させることで通知たり、あるいは、図1には図示していない音声出力部56において、ビープ音やメッセージ等の音声を鳴らしたりすることで利用者に通知する方法等が挙げられる。他にも、表示部59に、現在選択されている脈拍計測センサの携帯端末装置1上の位置を表示させたりしてもよい。また、あらかじめ、脈拍計測センサの位置に対応する「ヒンジ背面センサ」等の識別子を割り当てて置き、当該識別子を表示部59に表示させたりしてもよい。
脈拍算出部16は、センサ選択部17が選択した脈拍センサ部64の脈拍計測センサから、脈波の計測データを受け取り、脈拍を算出する。
脈拍算出部16は、脈拍についての算出結果に基づいて、利用者に測定結果を通知することができる。本実施の形態においては、利用者に、上記測定結果を通知する手段として、表示部59に表示するよう指示することができる。
(加速度センサ部についての詳細)
次に、図4を参照しながら、加速度センサ部66の詳細について説明する。図4は加速度センサ部66の仕組みについて示した説明図である。ここでは、同図に示すとおり、携帯端末装置1が、水平な平面上に、下側筐体12の操作部58を上側にし、下側筐体12の背面を平面上に接する状態で置かれているものとする。
携帯端末装置1が備える加速度センサ部66は、携帯端末装置1の動きについて、加速度および方向を検知できるものだが、その仕組みは、具体的には、3次元空間における加速度および方向をX軸20、Y軸21、Z軸22の3軸の成分に基づいて認識するものである。
本実施の形態においては、携帯端末装置1の上側筐体11および下側筐体12の形状は、ヒンジ部13を含む辺のほうが、ヒンジ部13を含まない辺よりも長い長方形であるものとする。しかしながら、これに限られず、上側筐体11および下側筐体12は自由な形状を採用することができるものとし、上記の長辺、短辺の関係が逆であってもよいし、長方形だけでなく例えば楕円形等の形状であってもよい。
各軸成分を定める方法としては、携帯端末装置1の下側筐体12の短辺方向をX軸20、長辺方向をY軸21にとり、当該X軸20、Y軸21がなす平面に対して垂直方向をZ軸22とする方法を採用している。また、正方向は同図における各軸の矢印が示す方向である。しかしながら、上記に限られず、公知の3次元空間認識の手法を採用することが可能である。
また、3軸と脈拍センサ部64の脈拍計測センサとの関係について説明すると、下側筐体側面センサ64a、下側筐体背面センサ64c、ヒンジ背面センサ64bは、それぞれ、X軸20、Y軸21、Z軸22に対して垂直な、携帯端末装置1の面上に配置されている。
(加速度センサによる動きの検出)
次に、図6および図7を用いて、加速度センサ部66による動きの検出についての一例を説明する。まず、携帯端末装置1に動きが無い場合の一例について説明する。図6は、携帯端末装置1に動きがなかったとき、加速度センサ部66において、携帯端末装置1の状態がどのように認識されるかを示す基本変位グラフである。
図6において、縦軸は、X軸20、Y軸21、Z軸22の各軸方向について検出される加速度の大きさを示しており、単位は、重力加速度をGとすると、1/1000Gである。また、横軸は時間軸を示しており、単位は秒(s)である。すなわち、同図は、3軸における時間的な加速度の変化を示すものである。同図によると、X軸20、Y軸21、Z軸22の3軸とも、時間の経過に対し、加速度の変化がほとんど無いことが判断できる。
加速度センサ部66は、図6に表されるような携帯端末装置1の動きを検出し、保持状態検出部15が加速度センサ部66から、上記動き情報を受け取る。ここで、保持状態検出部15は、同時に、傾きセンサ部67からも、携帯端末装置1の傾きに関する傾き情報を受け取るものとする。
そして、保持状態検出部15は、受け取った、動き情報および傾き情報を含む状態情報をセンサ選択部17に転送する。センサ選択部17において、上記状態情報に基づいて、脈拍を計測するのに適した脈拍計測センサが選択される。
(動きが無い場合)
図6に示すように、加速度の変化が微小な状態の場合、センサ選択部17は、携帯端末装置1には動きが無いと判断する。ここで、携帯端末装置1に動きが無いときに、センサ選択部17において、いずれの脈拍を計測するのに適した脈拍計測センサと判断するかは、任意であるが例えば以下のように決定できる。すなわち、センサ選択部17は、重力方向に位置する脈拍計測センサを選択するようにしてもよい。
脈拍センサ部64の有するいずれの脈拍計測センサが重力方向に位置するかは、上記状態情報に含まれる、傾き情報から判定できる。例えば、ここでは、図4に示すように、携帯端末装置1は、開いた状態で、水平面上に設置されているとする。このとき、Z軸22は、上記水平面に対して垂直方向であるから、重力方向とZ軸22とは対応する方向と判断できる。このため、センサ選択部17は、Z軸22に垂直な面に配置されている、下側筐体背面センサ64cを選択する。
(動きを検出した場合)
次に、図7を参照しながら、携帯端末装置1の動きを検出した場合の一例について説明する。図7は、携帯端末装置1が移動したとき、加速度センサ部66において、携帯端末装置1の状態がどのように認識されるかを示すY軸変位グラフである。縦軸および横軸の単位は図6のものと同様である。
図7は、図6と同様、X軸20、Y軸21、Z軸22の各軸についての加速度の時間的な変化を示すものである。ここで、同図に示すように、Y軸21に関して、大きな変化が見られる。これは、Y軸21の方向への移動があったことを示している。
このとき、Y軸21に垂直な面に配置されている、ヒンジ背面センサ64bは、移動の方向と同じ面に配置されているため、移動時にヒンジ背面センサ64bの接触面における指先のずれや圧力の変化を生じやすい。従って、センサ選択部17は、携帯端末装置1の動きの影響を受けにくい、脈拍計測センサを選択する必要がある。上記のように、携帯端末装置1に動きがあった場合に、どのように脈拍計測センサを選択すればよいかは後述する。
なお、動きの強度や速度が一定量以下の場合には、重力方向に対応する脈拍計測センサを選択してもよい。
ここで、図10を用いて、携帯端末装置1の動きと、脈拍センサ部64の脈拍計測センサとの関係について説明する。図10は、脈拍センサ部64の脈拍計測センサと、携帯端末装置1の動きが測定に与える影響の対応関係を示した影響対応表である。
図示のように、脈拍測定センサの位置が、下側筐体12の側面であるときは、携帯端末装置1がX軸20の方向に動くときに、測定の変化が大きい。上述のとおり、下側筐体側面センサ64aは、X軸20に垂直な面に位置し、このような動きを伴う場合、脈拍センサ部64の脈拍計測センサに接している指の位置が安定せず、結果として正しく計測できなくなるからである。
同様に、脈拍センサ部64の脈拍測定センサの位置が、ヒンジ部13の背面に位置する場合は、携帯端末装置1が、Y軸21の方向に動くときに、ヒンジ背面センサ64bの測定への影響が大きくなる。下側筐体12の背面方向に、携帯端末装置1がZ軸22の方向に移動する場合は、下側筐体背面センサ64cの測定が大きく影響を受ける。
ここで、脈拍測定センサが、上記のような配置になっているのは、携帯端末装置1が、3軸のうち、2軸の変化を伴うような移動をしている場合にも、測定の影響が少ない脈拍計測センサを確保するためである。すなわち、携帯端末装置1が、2軸に対する変化を伴う移動をしているときでも、下側筐体側面センサ64a、ヒンジ背面センサ64b、下側筐体背面センサ64cのいずれかひとつの脈拍計測センサは影響を受けることが無い。
以下では、このような、複合的な動きと脈拍計測センサの関係について図11を用いて説明する。
(複数センサの組み合わせ)
図5で示したような、脈拍計測センサの配置によると、実際には、3つの脈拍計測センサを、同時に指先で押さえることは難しい。そのため、同時に使用される脈拍計測センサは、下側筐体側面センサ64a、ヒンジ背面センサ64b、下側筐体背面センサ64cのうち、2つの脈拍計測センサの組み合わせに限られることが想定される。そして、このうち、実用的には、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとの組み合わせ、および、ヒンジ背面センサ64bと下側筐体背面センサ64cとの組み合わせなで使用される可能性が高いと想定される。
そこで、以下では、使用する脈拍計測センサを、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとの組み合わせに限定した場合において、脈拍を測定する場合について説明する。
図11は、脈拍計測センサを、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとに限定した場合における、携帯端末装置1の動きと、選択される脈拍計測センサの関係を示した組み合わせ対応表である。同図に示すように、処理パターンP1は、使用する脈拍計測センサを、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとに限定した状況で、携帯端末装置1がX軸20の方向に移動した場合の対処を示しており、このとき、センサ選択部17が選択する脈拍計測センサは、ヒンジ背面センサ64bの方である。前述のとおり、下側筐体側面センサ64aを選択したのでは、計測に影響があるからである。
また、処理パターンP2は、Y軸21の方向に、携帯端末装置1が移動した場合を示しているが、このときは、下側筐体側面センサ64aが、脈拍計測センサとして選択される。前述のとおり、ヒンジ背面センサ64bは、X軸20の方向の動きに対し、影響を受けるからである。
処理パターンP3は、Z軸22の方向に、携帯端末装置1が移動した場合を示しているが、この場合は、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとのいずれも、計測に影響を受けることが無いので、センサ選択部17は、上記のうちいずれか任意の一方を選択できる。
さらに、加速度センサ部66が、2軸以上の変化を検出した場合について説明する。処理パターンP4は、携帯端末装置1は、X軸20およびY軸21の方向に対して移動した場合についてである。このとき、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとのいずれも、携帯端末装置1の上記移動によって、計測に影響を受ける。従って、選択できる脈拍計測センサはない。
また、処理パターンP5において、携帯端末装置1は、Y軸21およびZ軸22の方向に対して、移動している。このときは、ヒンジ背面センサ64bが、上記移動による影響を受けないので、センサ選択部17は、ヒンジ背面センサ64bを脈拍計測センサとして選択することになる。
一方、処理パターンP6のように、携帯端末装置1が、X軸20およびZ軸22の方向に対して、移動している場合は、移動の影響を受けないヒンジ背面センサ64bが、センサ選択部17によって選択される。
最後に、処理パターンP7については、3軸の全て、すなわち、X軸20、Y軸21およびZ軸22のすべての方向ついて、加速度に変化があった場合である。このとき、下側筐体側面センサ64aとヒンジ背面センサ64bとのいずれも、携帯端末装置1の移動によって、計測に影響を受ける。そのため、各軸の変位を個別に検出するだけでは、選択できる脈拍計測センサはない。
そこで、各軸の変位成分を合成した合成ベクトルと、脈拍センサ部64の各脈拍計測センサが配置されている面の法線ベクトルを比較し、その中で合成ベクトルと、法線ベクトルのなす角度が、最も大きいと判断された法線ベクトルに対応する面に配置されている脈拍計測センサをセンサ選択部17が選択するようにしてもよい。また、これに限られず、合成ベクトルと、法線ベクトルのなす角度が大きい順のリストを作成し、上位2つに対応する面に配置されている脈拍計測センサをセンサ選択部17が選択するようにしてもよい。
なお、処理パターンP3、処理パターンP4および処理パターンP7においては、いずれの脈拍センサを選択するかは、任意である。このとき選択する脈拍計測センサをあらかじめ決定しておき、センサ選択部17は、この脈拍計測センサを選択するようにしてもよい。
また、加速度センサ部66から各軸方向への移動量を算出し、例えば、X軸20、Y軸21のそれぞれの方向への移動量を比較し、移動量が少ない軸に対応する脈拍計測センサを選択するようにしてもよい。すなわち、X軸20の方向とY軸21の方向とのどちらにも携帯端末装置1が移動している場合に、X軸20の方向の移動量よりも、Y軸21の方向の移動量のほうが小さければ、センサ選択部17は、ヒンジ背面センサ64bを、脈拍計測センサとして選択してもよい。
このように、複数のセンサの中から、脈拍を測定するのに最適な脈拍計測センサを選択するようにしてもかまわない。
(動作フロー)
次に、図9を用いて、携帯端末装置1での、脈拍測定の手順について、説明する。図9は携帯端末装置1における脈拍測定の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、前回の脈拍計測センサ変更時から指定時間が経過したか否かを判定する。センサ選択部17は、状態情報に基づいて、その状態情報に応じた好ましい脈拍計測センサを選択するものであるが、脈拍計測センサ変更は、一定の周期をもって行う。なぜならば、脈拍の計測には、一定の時間が必要であり、その間は同じ脈拍計測センサによって計測をするべきだからである。
そのため、脈拍計測センサ変更時から、指定時間が経過していない場合は(S11においてNO)、指定時間が経過するまで、待機していればよい。
一方、指定時間が経過している場合は(S11においてYES)、携帯端末装置1の動きを判断するサブルーチンを呼び出す。(S12)。サブルーチンについて、詳細については、後述する。ここで、検出された移動方向もしくは重力方向に応じてセンサ選択部17は、下側筐体側面センサ64a、ヒンジ背面センサ64bおよび下側筐体背面センサ64cのうち、脈拍を計測するのに好適な脈拍計測センサを選択する(S13)。ここで、センサ選択部17は、選択した脈拍計測センサが、前回と同一のものであるか否かを判定する(S14)。
ここで、選択した脈拍計測センサが、前回と同一のものでなかった場合(S14においてNO)は、センサ選択部17が、脈拍計測センサを変更し(S15)、脈拍算出部16を介して脈拍計測センサが変更された旨を通知するよう表示部59等に指示し(S16)、処理を継続する(S17へ進む)。一方で、選択した脈拍計測センサが、前回と同一のものであると判定された場合(S14においてYES)は、そのまま、処理は継続する(S17へ進む)。
次に、携帯端末装置1は、脈拍センサ部64において、選択された脈拍計測センサでの脈拍計測を開始する(S17)。ここで、脈拍算出部16が、脈拍の計測状況をリアルタイムに、表示部59等に通知するよう指示する(S18)。また、脈拍計測センサの識別子をさらに通知するように指示してもよい。
次に、脈拍を測定するために必要な測定時間が経過している場合(S19においてYES)は、脈拍算出部16が、1分間の脈拍を算出し、表示部59等に通知するよう指示し(S20)、その後処理は終了する。一方、必要な測定時間が経過していない場合は、携帯端末装置1の動きを判断する処理に戻る。(S19においてNO)。その時点で、脈拍計測センサを変更しなければならない状況も想定されるためである。
なお、上記S15において、脈拍計測センサ変更となった場合には、基本的には、その時点で選択されていた、脈拍計測センサにおける脈拍の計測は破棄される。しかしながら、これに限られず、一定時間以上、脈拍計測センサ変更までに、脈拍を計測できていれば、変更後の脈拍計測センサにおいて、それまでの脈拍計測データを引き継ぎ、脈拍を継続して測定するようにしてもよい。また、短い時間内に脈拍計測センサの変更が頻繁に生じる場合には、それまでの脈拍データを無効とし、再度始めから計測しなおすようにしてもよい。
次に、図8を参照して、「携帯端末装置1の動きを判断する」手順について説明する。
図8は、携帯端末装置1が動きを検知する手順について説明したフローチャートである。
携帯端末装置1が移動していない間は(S1でNO)、上述したように加速度センサ部66において動きが無いことを示す動き情報が検出される。そして、上記加速度センサ部66における動き情報と、傾きセンサ部67において検出された傾き情報とを、保持状態検出部15が受け取り、センサ選択部17に状態情報を転送する。センサ選択部17では、携帯端末装置1に動きが無いことが判明するので、傾きセンサ部67からの傾き情報をもとに、重力の方向を判定する(S3)。その後、処理は終了する。
一方、携帯端末装置1に動きが有ることが検出された場合(S1でYES)は、センサ選択部33において状態情報が判定され、携帯端末装置1が移動した方向を検出する(S2)。その後処理は終了し、呼び出しルーチンに戻る。
〔実施の形態2〕
〔紫外線計測センサの適用例について〕
本発明の他の実施の形態について図3、図12〜図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態においては、携帯端末装置1に、紫外線計測センサを適用する一例について説明する。本実施の形態において、携帯端末装置1に、紫外線計測センサを適用する主な目的は、紫外線計測センサを用いて、利用者の顔面に照射される紫外線を計測するところにある。
本実施の形態における、携帯端末装置1は、前述の図3において示した構成を有するものである。また、携帯端末装置1の外観形状については、前述の図2におけるものと同等のものであり、折りたたみ可能な形状を有している。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図12を用いて、本実施の形態に係る携帯端末装置1の有する紫外線センサ部65について説明する。図12は、紫外線センサ部65の携帯端末装置1上における配置を示す説明図である。
同図に示すとおり、紫外線センサ部65は、同図に示すとおり、紫外線の強度を計測するための紫外線計測センサである上側筐体上部センサ65a、上側筐体背面センサ65bおよび液晶面下部センサ65cを備える構成である。上記3つの紫外線計測センサの配置場所について説明する。
同図によると、上側筐体上部センサ65aは、上側筐体11について、ヒンジ部13と逆の側の側面に配置されている。同図においては、携帯端末装置1の上端部に配置されている。上側筐体背面センサ65bは、上側筐体11の背面に配置されている。同図においては、ちょうど、携帯端末装置1の本体によってさえぎられる位置にある。液晶面下部センサ65cは、上側筐体11の前面の主表示部59aからみて、ヒンジ部13よりの位置に配置されている。同図においては、主表示部59aとヒンジ部13の間であって、やや右側に配置されている。
(制御部詳細)
図16を参照しながら、制御部50の詳細を説明する。図16は、制御部50の要部構成を示している。図示のように、制御部50は、保持状態検出部(保持状態検出手段)30、タスクマネージャ31、紫外線強度算出部32、センサ選択部(センサ選択手段)33、を備える構成である。
保持状態検出部30は、携帯端末装置1が備える各種センサによって検出された情報を取得するものである。本実施の形態においては、保持状態検出部30は、タスクマネージャ31、カレンダクロック53、傾きセンサ部67、およびGPS処理部68から、携帯端末装置1の動き情報や傾き情報、携帯端末装置1の状態情報を受け取る。上記状態情報は、後述するタスクマネージャ31からのタスク情報と、カレンダクロック53からの現在の日時に関する情報である日時情報と、傾きセンサ部67からの携帯端末装置1の傾き情報と、GPS処理部68からの携帯端末装置1の現在の位置を示す位置情報とを含む。保持状態検出部15は、受け取った上記状態情報を、センサ選択部33に転送する。
タスクマネージャ31は、携帯端末装置1において動作するアプリケーション、すなわち、制御部50が実行する、アプリケーションを管理するものである。タスクマネージャ31は、実行中のアプリケーションについてのタスク情報を生成する。上記タスク情報には、具体的には、実行中のアプリケーションを識別する識別情報が含まれる。
紫外線強度算出部32は、紫外線センサ部65の紫外線計測センサから、計測データを受け取り、紫外線の強度を算出するものである。また、紫外線強度算出部32は、紫外線強度の算出結果を、利用者に測定結果を通知することができる。利用者に測定結果を通知する手段として、表示部59に表示するよう指示することができる。
センサ選択部33は、保持状態検出部30の送信した状態情報に基づいて、紫外線センサ部65の有する上記3つの紫外線計測センサのうち、いずれの紫外線計測センサを紫外線測定に用いるかを選択する。センサ選択部33が紫外線センサ部65の紫外線計測センサを選択する手順の詳細については後述する。
また、センサ選択部33は、利用者に選択されている紫外線計測センサが切り替わったことを通知してもよい。利用者に選択されている紫外線計測センサが切り替わったことを通知するとしては、例えば、現在選択されている紫外線計測センサに対応する色の光を、報知部60の備えるLEDで発光させたり、あるいは、図16においては図示していない、音声出力部56において、ビープ音を鳴らしたり、音声を鳴らしたりすることで利用者に通知する方法等が挙げられる。
(紫外線センサ部についての詳細)
ここで、図13を用いて、携帯端末装置1が使用される状況について説明する。前述の通り、携帯端末装置1は折りたたむこともできるし、展開して使用することもできる。同図の(a)は携帯端末装置1の上側筐体11を、水平面に対し、垂直に立てて使用している状態を示している。同図に示すように、携帯端末装置1を展開して使用するときは、例えば、利用者が、携帯端末装置1の電話機能を利用する場合が考えられる。以後、この状態を、保持状態Aと称する。
また、図13の(b)に示すように利用者が、操作部58を操作し、携帯端末装置1上でアプリケーションを実行し、主表示部59aを確認するという状況が考えられる。上記アプリケーションとしては、例えば、電子メールアプリケーションなどが挙げられる。このとき、例えば、利用者が携帯端末装置1を手に持って使用する可能性が高い。この場合、携帯端末装置1は水平面に対して若干傾斜している状態である。以後、この状態を、保持状態Bと称する。
また、図13の(c)に示すように、携帯端末装置1を、折りたたむ場合も考えられる。操作を終えて携帯端末装置1を持ち歩くなどの状況が考えられる。このとき、アプリケーションは起動していない。また、ヒンジ部13が下に向く状態になっている。以後、この状態を、保持状態Cと称する。
次に、センサ選択部33が、携帯端末装置1において起動しているアプリケーション、保持状態および使用日時・場所から、いかにして、紫外線を計測するために好適な、紫外線計測センサを選択するかについて図14を参照しながら説明する。
図14は、携帯端末装置1において起動しているアプリケーション、使用アプリケーションから判断できる保持状態、紫外線計測センサの候補、携帯端末装置1の傾きおよび使用日時・場所と、センサ選択部33によって選択される紫外線計測センサとの関係を示した紫外線計測センサ対応表である。
ここで、携帯端末装置1において起動しているアプリケーションが、「通話アプリケーション」であった場合、使用アプリケーションから判断できる保持状態は、「保持状態A」であると判断できる。そして、このとき、センサ選択部33によって選択される紫外線計測センサの候補は、「上側筐体上部センサ65a、上側筐体背面センサ65b」のうちいずれかである。
携帯端末装置1において通話アプリケーションが起動しているとき、すなわち、利用者が、電話機能によって通話をしているときは、液晶面下部センサ65cは、紫外線を正確に計測することができない可能性が高い。なぜならば、このとき、利用者の顔と、液晶面下部センサ65cは、ほとんど接するくらいに近づいている可能性が高く、正確な計測ができないからである。
そして、さらにセンサ選択部33は、使用日時と、使用場所とに基づいて、選択する紫外線計測センサを決定する。具体的には、センサ選択部33が取得した状態情報に含まれる、日時情報から使用日時および使用場所を取得し、太陽の南中の時間を算出する。すなわち、時間から太陽の高度を求める方法である。そして、例えば、太陽が南中となる時間の前後1時間であれば、センサ選択部33は、上側筐体上部センサ65aを選択する。一方で、太陽が南中となる時間の前後1時間以外の時間帯であれば、センサ選択部33は、上側筐体背面センサ65bを選択する。なお、センサ選択部33が、使用日時および使用場所を用いずに、直接上側筐体上部センサ65aを選択するようにしてもよい。
また、携帯端末装置1において起動しているアプリケーションが、「電子メールアプリケーション」であった場合は、使用アプリケーションから判断できる保持状態は、「保持状態B」であると判断できる。
そして、このとき、センサ選択部33によって選択される紫外線計測センサの候補は、「上側筐体上部センサ65a、液晶面下部センサ65c」のうちいずれかである。すなわち、上側筐体背面センサ65bは、自装置の筐体の影となり、紫外線の計測を正確に行うことができないため、候補から除外される。
そして、さらにセンサ選択部33は、携帯端末装置1の傾き情報から、選択する紫外線計測センサを決定する。具体的には、センサ選択部33が取得した状態情報に含まれる、傾き情報から傾きを判定する。
このとき、携帯端末装置1の傾きが、水平から45度の間であれば、センサ選択部33、上側筐体上部センサ65a、液晶面下部センサ65cのどちらを選択してもかまわない。例えば、紫外線計測センサごとに優先度を割り当てておき、優先度の高いほうの紫外線計測センサを用いるようにすることができる。一方、携帯端末装置1の傾きが、水平から45度以上となる場合は、センサ選択部33は、上側筐体上部センサ65aを選択する。上側筐体11の上部に位置する、上側筐体上部センサ65aの方が、精度よく紫外線を計測することができるからである。
また、携帯端末装置1において起動しているアプリケーションが、「ない」場合は、使用アプリケーションから判断できる保持状態は、「保持状態C」であると判断できる。
そして、このとき、センサ選択部33によって選択される紫外線計測センサの候補は、「上側筐体上部センサ65a、上側筐体背面センサ65b」のうちいずれかである。なぜならば、保持状態Cにおいては、携帯端末装置1は、閉じた状態であるので、液晶面下部センサ65cを使用することができないためである。
そして、さらにセンサ選択部33は、携帯端末装置1の傾き情報から、選択する紫外線計測センサを決定する。センサ選択部33は、具体的には、上側筐体上部センサ65aが配置されている面が上を向いているか否かを判定する。
すなわち、上側筐体上部センサ65aが、配置されている面が上を向いているとき、センサ選択部33は、上側筐体上部センサ65aを選択する。一方、上側筐体上部センサ65aが、配置されている面が上を向いていないときは、上側筐体背面センサ65bを選択する。
(紫外線測定の手順)
次に、図15を用いて、携帯端末装置1での、紫外線測定の手順について説明する。図15は携帯端末装置1における紫外線測定の手順を示すフローチャートである。
まず、保持状態検出部30が、タスクマネージャ31から、携帯端末装置1のタスク情報を取得する(S21)。センサ選択部33は、保持状態検出部30の取得した、上記タスク情報から、前述のように、使用アプリケーションに基づいて、保持状態を決定し、センサ候補を出す(S22)。さらに保持状態検出部30を介して、日時情報と、傾き情報と、GPS情報とを含む状態情報を取得し、前述のように、上記センサ候補の中から選択センサを選択する(S24)。
このようにして、紫外線計測に使用する紫外線計測センサを選択したあと、前回において選択された紫外線計測センサであるか否かを判定する(S25)。判定の結果、選択された紫外線計測センサが、前回において選択されたものと異なる場合は(S25においてNO)、センサ選択部33は、紫外線の計測に用いる紫外線計測センサを変更する(S26)。このとき、表示部59等を介して、紫外線計測センサが変更された旨を利用者に通知する。そして、変更した紫外線計測センサによって、紫外線を計測し(S28)、紫外線強度算出部32が算出した結果を、表示部59等を介して、利用者に通知する(S29)。その後、処理は終了する。
一方、S25において、前回において選択された紫外線計測センサであることが判明した場合(S25においてYES)は、選択センサを変更することなく、そのまま、選択された紫外線計測センサを用いて、計測を継続し(S28)、得られた測定結果を、表示部59等を介して、利用者に通知する(S29)。その後、処理は終了する。
なお、これに限られず、S24において取得する状態情報は、上述のような、日時情報、傾き情報およびGPS情報に限られず、これ以外の状態情報を取得するようにしてもよい。また、日時情報、傾き情報およびGPS情報のすべてではなく、このうちのいくつかの状態情報のみを取得するようにしてもよい。例えば、傾き情報のみを取得するように構成することや、日時情報およびGPS情報のみを取得するように構成することも可能である。
また、日時情報や、傾き情報や、GPS情報を用いず、選択センサを直接選択する構成としてもよい。例えば、上側筐体上部センサ65aの位置は、携帯端末装置1の上側にくる場合が多いと想定されるため、S24において、上側筐体上部センサ65aを直接選択するようにしてもよい。また、S24において、GPS情報等の情報が取得できなかった場合に、上記のように、選択センサとして、上側筐体上部センサ65aを直接選択する構成としてもよい。また、S24において、GPS情報等の情報が取得できなかった場合、一定時間待機して、再取得するように構成してもよい。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、携帯端末装置1の各ブロック、特に保持状態検出部15、保持状態検出部30、センサ選択部17およびセンサ選択部33は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、携帯端末装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯端末装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯端末装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、携帯端末装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。