JP5375031B2 - 把手付合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
に関するものであって、より詳しくは、把手付合成樹脂製容器に軸方向の荷重がかかっても、把手の軸心の真下に位置する周溝の部位に変形や座屈をもたらすことがなく、軽量化を達成し得る把手付合成樹脂製容器に関する。
、油類、調味料などの液状内容物を多く収容するものに、広く使用されている。その理由
は、液状内容物が多いから重くなり、把手が無いと容器を持つのが難しいからである。こ
の把手付合成樹脂製容器は、コストダウン、省資源、環境保全の要請から、軽量化が図ら
れ、その結果として、薄肉となり強度低下を避けるための種々の対策がなされている。従
来の把手付合成樹脂製容器は、図6、7に示すように、上から順次口部50、肩部51、
胴部52及び底部53で容器本体54を形成し、この容器本体54の胴部52を周溝55
にて上部胴部56と下部胴部57とに分け、上部胴部56に設けた凹陥部58に把手59
を形成してなるものである。
形状をなしているから、把手59下の胴部52の強度保持が重要となる。すなわち、把手
付合成樹脂製容器は、輸送などでこれらを空の状態または内容物が充填された状態で積み上げた際、軸方向に荷重が掛かるから、把手59直下の周溝55の部位から、両側周方向に約45度離れた周溝55が一番強く外方に凸変形する力が掛かり、この部分が外方に凸変形すると、把手59直下の周溝55の強度が弱まり、最悪座屈することになる。これに対応するには座屈を生じる部分を肉厚にするのが、最も手っ取り早い。しかし、これでは軽量化が図れない。このため、軽量化を図りつつ、上記の変形や座屈が生じないようにした把手付合成樹脂製容器として、以下のようなものが知られている。
2の把手59下の周面に複数の環状溝部60を設けてなり、これらの環状溝部60の深さ
Mを、把手59の中心部Aと反把手側の中心部Bとに向かうのに従い徐々に浅くしている
(M1<M2)。これにより、空の把手付合成樹脂製容器に軸方向に荷重が掛かっても、
環状溝部60の一番浅い、すなわち、一番強度の弱い中心部A及び中心部Bの周方向にお
ける変形の方向性が、外方に凸となるから座屈の起点となりえず、肉厚にしなくても、座
屈が生じないことになる。
形とのバランスが取れて、全体として変形座屈が防げるが、把手59下の胴部52がめり
込む形での変形、さらに進んでその部分の座屈に対しては、把手59が一体成形であるた
め、凹陥部58及びその周辺部がその形状ゆえ元々強度が強いものと考えられ、特に対応がなされていない。
61の陥没変形の発生を確実に防止できるものの、軸方向に荷重が掛かり、把手59下の
胴部52がめり込む形での変形、座屈、すなわち、把手59下の傾斜壁面61の陥没変形
の発生に対し、その効果は未知数であり、加えて、左右一対の陥没壁板部62を伴う縦梁
壁部63の存在が形状を複雑とし、その分金型構成が複雑となってしまう。
9下の凹リブ64に応力が加わっても、凹凸面66によって分散し且つ補強リブの効果を
生じさせて、変形座屈を起こさないものの、把手59下の胴部52がめり込む形での変形
、座屈に対し、凹リブ64及びそれに隣接する凸リブ65を形成し、さらに凹リブ64に
凹凸面66を設ける必要があり、全体として複雑となる。
このように、上記特許文献に開示された把手付合成樹脂製容器は、変形や座屈に関してそれぞれに問題点を抱えている。
増し、輸送時などで空の状態または内容物が充填された状態で軸方向の荷重が掛かっても、変形や座屈がほとんど生じることがないようにした把手付合成樹脂製容器を提供することにある。
とを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、容器本体の胴部を周溝にて上部胴部と下部胴部とに分け、前記上部胴部に設けた凹陥部に把手を取り付けてなる把手付合成樹脂製容器において、前記把手の左右に位置する部位の前記周溝に、把手の軸心の真下に位置する周溝の部位から周方向に15度ないし75度の領域内であって、その中心が40度ないし50度の領域内にある凹み部を設けたことを特徴とする把手付合成樹脂製容器が提供される。
線に沿う断面図、図3は請求項4に規定した断面形状の凹み部の拡大断面図、図4は凹み部の断面形状のバリエーションを示す断面図、図5は図1の把手付合成樹脂製容器の側面図である。
図面において、把手付合成樹脂製容器1は、上から順次口部2、肩部3、胴部4及び底部5で容器本体6を形成し、この容器本体6の胴部4を周溝7にて上部胴部4aと下部胴部4bとに分け、上部胴部4aに設けた凹陥部8に把手9を形成してなり、この把手9における軸心の真下に位置する周溝7の部位7Aから周方向に15度ないし75度の領域7B内にある周溝7に、容器本体6の内方に凸となる凹み部10を少なくとも1箇所設けたものである。
が、透明性、ガスバリアー性、耐衝撃性、適度な剛性を備えているポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル樹脂が好ましく用いられる。この容器本体6の口部2には蓋が螺着または嵌着され、容器本体6が開閉される。そして、容器本体6の上部胴部4aには既述のとおり凹陥部8があり、この凹陥部8には、別体の把手9が収納且つ取り付けられ、この把手9は胴部4からはみ出さず、その上、把手9に手指を挿入して把手付合成樹脂製容器1全体をつかみ上げることが出来るようになっている。また、下部胴部4bには、補強リング溝11が設けられている。この箇所にはその他に複数の補強パネルが設けられていてもよい。
胴部4aと下部胴部4bとに分けている。そして、この周溝7には、容器本体6の内方に
凸となる凹み部10が2箇所設けられている。この凹み部10は、把手9の軸心の真下に
位置する周溝7の部位7Aから周方向に15度(α)ないし75度(β)の領域7B内に
ある周溝7(α−β)に設けられている。この凹み部の始点は15度ないし35度、凹み部の中心は40度ないし50度、凹み部の終点は55度ないし75度の範囲が好ましい。
それぞれについて、αとβの関係をみれば、どの位置にどのような凹み部が形成されるのかが理解されるであろう。
(a)は凹み部が凹リブ状であり、(b)凹み部の凹リブの底が周溝と同心状である状態を示している。(c)(d)は凹み部が始点から終点の範囲が微妙にずれている状態を示している。また、(e)は凹み部の中心が深い変形例であり、(f)はその反対に凹み部の中心が浅く、凹部の底が凸状である変形例であり、(g)(h)は凹部の最深部が始点又は終点寄りに形成されている例であり、(i)は凹み部がほぼ直線上である例を示している。
〈試験例1〉
把手付合成樹脂製容器は1.8L用であって、その形状は図4に示す従来例と同じであり、図5に示す周溝に図2に示す凹み部を設け、この凹み部は、最大凹み1.5mmで、把手の軸心の真下に位置する周溝の部位から周方向に25度から65度までとした。空の状態の試験用把手付合成樹脂製容器に縦方向の荷重を掛け、縦圧縮強度の測定及び座屈部位の目視観察を行った。なお、試験用の把手付合成樹脂製容器を3個作製し、その全てにつき縦圧縮強度の測定及び座屈部位の目視観察を行った。試験は、空の状態の試験用把手付合成樹脂製容器を、引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製、SV−201NA−H特型)を用いて、50mm/分、23℃にて圧縮し、得られた最大値を縦圧縮強度とした。
試験例1の試験用の把手付合成樹脂製容器から凹み部を除いたものに、試験例1と同様
に縦方向の荷重を掛け、縦圧縮強度の測定及び座屈部位の目視観察を行った。
試験結果を表1に示す。
、比較例1の縦圧縮強度の平均値は227.7Nであり、その差は276.3N−227.
7N=48.6Nとなり、本発明の優位性を明らかに実証することが出来た。
圧状態であっても適用可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能で
あることは理解されるべきである。
2、50 口部
3、51 肩部
4、52 胴部
4a、56 上部胴部
4b、57 下部胴部
5、53 底部
6、54 容器本体
7、55 周溝
7A 部位
7B 領域
7C 45度部位
8、58 凹陥部
9、59 把手
10 凹み部
11 補強リング溝
12 窪み
60 環状溝部
61 傾斜壁面
62 陥没壁板部
63 縦梁壁部
64 凹リブ
65 凸リブ
66 凹凸面
Claims (8)
- 容器本体の胴部を周溝にて上部胴部と下部胴部とに分け、前記上部胴部に設けた凹陥部に把手を取り付けてなる把手付合成樹脂製容器において、前記把手の左右に位置する部位の前記周溝に、把手の軸心の真下に位置する周溝の部位から周方向に15度ないし75度の領域内であって、その中心が40度ないし50度の領域内にある凹み部を設けたことを特徴とする把手付合成樹脂製容器。
- 前記凹み部の始点が、前記把手に対する軸心の真下から周方向に15度ないし35度の領域内であり、終点が55度ないし75度の領域内に設けられている請求項1記載の把手付合成樹脂製容器。
- 前記凹み部は、前記容器本体の内方に、周溝の直径に対して、0.8ないし2.3%の範囲の深さである請求項1または2記載の把手付合成樹脂製容器。
- 前記凹み部の長手方向の断面形状は、その凹み部の中央部付近に行くに従い深くなっている請求項1または2記載の把手付合成樹脂製容器。
- 前記凹み部の始点、中心点および終点を結ぶ曲線の半径が、容器本体周溝の半径よりも
大である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の把手付合成樹脂製容器。 - 前記把手の直下から前記周溝に至る前記上部胴部に、窪みを形成した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の把手付合成樹脂製容器。
- 前記窪みは、前記把手の幅寸法より狭く、且つ前記容器本体の内方に1ないし2mmの範囲の深さである請求項6に記載の把手付合成樹脂製容器。
- 前記窪みの横断面形状は、蒲鉾型である請求項6または7に記載の把手付合成樹脂製容器。
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