JP5374682B2 - ストレス状態の評価方法及びストレス状態の評価試薬キット - Google Patents

ストレス状態の評価方法及びストレス状態の評価試薬キット Download PDF

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本発明は、ストレス状態の評価方法及びストレス状態の評価試薬キットに関し、より詳細には、慢性的な社会的ストレスの負荷状態を客観的に評価する方法に関するものである。
ますます複雑化する現代社会において、日常生活における社会的・精神的ストレスに起因した疾患の罹患率の上昇が大きな社会問題となっている。例えば、主要な精神疾患の1つであるうつ病の罹患率は国民の4〜5%に達するとの報告もあり、罹患後治療しない場合は自殺に至ることもある。我が国の年間自殺者数は1998年以降7年連続で3万人を超えた。さらに日常的に社会的ストレスに晒されると、精神疾患のみならず様々な疾患、例えば肥満症、糖尿病等の生活習慣病の原因となることが示唆されている。したがって、社会的ストレスに起因した様々な疾患を未然に防ぐ手法に関する研究は最重要課題の1つである。その目的を達成する為には、普段の生活の中で我々の身体にどの程度の社会的ストレスが負荷しているのかを知ることが非常に有効であり、問診表などによるストレス診断も行われているが、客観的な評価法とは言い難かった。
このような問題に対して、客観的にストレス負荷を示すバイオマーカーとして期待されているものには、唾液中アミラーゼや血液中コルチゾールなどがあるが、アミラーゼは急性のストレス負荷を強く示唆するマーカーであり、またコルチゾールには日内変動があるなどの欠点もあるため、慢性的なストレス負荷状態を的確に評価できるマーカーではなかった。
一方、本発明者らは、慢性的なストレス負荷状態を再現したマウスモデル系を構築した(下記非特許文献1、2参照)。
Miyashita et al., Social stress increases biopyrrins, oxidative metabolites of bilirubin, in mouse urine (Biochem. Biophys. Res. Commun., 349, 775-780, 2006) Nishio et al., Social Stress Induces Oxidative DNA Damage in Mouse Peripheral Blood Cells (Genes and Environment, Vol. 29, No. 1, pp17-22, 2007)
上記問題に鑑みて、本発明の目的は、日常生活における慢性的な社会的ストレス負荷状態を客観的に評価する方法、及びそのための評価試薬キットを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、及び3−ヒドロキシ酪酸が、日常生活における慢性的な社会的ストレス負荷状態を測るストレスバイオマーカーとして有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定し、測定された濃度予め設定された基準濃度と比較においてその閾値より低い被験者を検出することを特徴とするストレス状態の評価方法。
(2)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定し、測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出することを特徴とするストレス状態の評価方法。
)下記(a)、(b)及び(c)の工程を含むストレス状態の評価方法。
(a)被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定する工程
(b)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定する工程
(c)前記(a)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、且つ、前記(b)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出する工程
)下記(a)、(b)、(c)及び(d)の工程を含むストレス状態の評価方法。
(a)被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)の濃度を測定する工程
(b)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定する工程
(c)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定する工程
(d)前記(a)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、前記(b)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、且つ、前記(c)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出する工程
(5)下記(a)及び(b)の免疫的検出用試薬を含むストレス状態の評価試薬キット。
(a)インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)を定量するための特異抗体を備えた試薬
(b)線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
(6)ELISA用である、上記(5)記載のストレス状態の評価試薬キット。
)下記(a)、(b)及び(c)の免疫的検出用試薬を含むストレス状態の評価試薬キット。
(a)インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
(b)線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)を定量するための特異抗体を備えた試薬
(c)線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
(8)ELISA用である、上記(7)記載のストレス状態の評価試薬キット。
本発明のストレス状態の評価方法によれば、ストレスバイオマーカーとして、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)からなる群から選ばれた少なくとも一種を用いるので、日常生活における慢性的な社会的ストレス負荷状態を客観的に評価することができる。
また、本発明のストレス状態の評価試薬キットによれば、2種以上の組合せのバイオマーカーを測定する際に必要とされる試薬の一式を含むので、試薬の取扱が簡便であり信頼性の高い操作が容易となる。
明細書に記載のストレス状態の評価方法においては、被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1、以下「IGFBP-1」という。)、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1、以下「PAI-1」という。)、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2、以下「PAI-2」という。)、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、及び3−ヒドロキシ酪酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の濃度を測定し、測定された濃度を予め設定された基準濃度と比較し、前記被験者のストレス状態を評価する。
本発明においては、特に、そのストレスバイオマーカーとして、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)からなる群から選ばれた少なくとも一種を用いる。
明細書に記載のストレス状態の評価方法において「被験者」とは、人であってもよく、精神的ストレスを感じることがあると考えられるペット等の動物であってもよい。そして、医療的処置が必要な被験者を検出する目的だけでなく、日頃の健康管理のため、被験者のストレス状態を把握することに利用できる。
明細書に記載のストレス状態の評価方法においては、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、及び3−ヒドロキシ酪酸からなる群から選ばれた少なくとも一種をマーカー(指標)として、被験者のストレス状態を評価するものであることから、被験者から血液を採取し、常法に従って、その血液の全血又はその血液を処理して得られた例えば血漿、血清等を用いて、公知の各種の測定手法にて、上記指標となる物質の血中濃度を測定するようにする。この場合、定期健康診断などの機会に他の血液生化学的データを得るために採取した被験者の血液サンプルを利用することができる。
血液中の濃度を測定する方法に、特に制限はないが、IGFBP-1、PAI-1、又はPAI-2の場合には、好ましくはそれらに対する特異的抗体を用いたELISA法を用いることができる。また、インスリンの場合には、好ましくは抗インスリン抗体を用いた化学発光免疫測定法(CLIA法)を用いることができる。
また、3−ヒドロキシ酪酸の場合には、例えば、酵素サイクリング法に基づく酵素法により、以下のように測定することができる。
すなわち、血液検体中にはケトン体として主にアセト酢酸と3−ヒドロキシ酪酸が存在しているので、まず、アセト酢酸をアセトアセテートデカルボキシラーゼ(AADC) によりアセトンと二酸化炭素に分解する。一方、3−ヒドロキシ酪酸は、β-チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(Thio-NAD+)の存在下3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(3HBDH)を作用させて特異的に酸化し、アセト酢酸とβ-チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型(Thio-NADH)を生成させる。このアセト酢酸はβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型(NADH)の存在下、同じく3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(3HBDH)を作用させて特異的に還元し、3−ヒドロキシ酪酸とβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(NAD+)を生成させる。このように、3−ヒドロキシ酪酸をサイクリングさせることによりThio-NADH の生成量が増加していく。そして、このThio-NADH の生成速度は検体中の3−ヒドロキシ酪酸の濃度に比例するので、Thio-NADH に特徴的な吸収を比色定量することにより3−ヒドロキシ酪酸の濃度を求めることができる。
また、アセト酢酸の場合には、例えば、上述した酵素サイクリング法に基づいた酵素法により、アセト酢酸を分解しないで総ケトン体量を測定し、アセト酢酸を分解して求めた3−ヒドロキシ酪酸量を差し引くことで求めることができる。
また、遊離脂肪酸の場合には、例えば、アシル−CoAシンセターゼ(ACS)−アシル−CoA−オキシダーゼ(ACO)酵素法を原理とする酵素法により、以下のように測定することができる。
すなわち血液検体中の遊離脂肪酸に、コエンザイムA(CoA)、ATP、Mg2+の存在下でアシル−CoAシンセターゼ(ACS)を作用させて、アシル−CoAを生成させる。このアシル−CoAをアシル−CoAオキシダーゼ(ACO)に作用させ酸化し、過酸化水素を発生させる。この過酸化水素にペルオキシダーゼを作用させ、その酸化力に応じて発色する呈色試薬を用いて比色定量する。これにより発生した過酸化水素の量から遊離脂肪酸量を求めることができる。
明細書に記載のストレス状態の評価方法においては、上記測定された濃度を、マーカー(指標)毎にあらかじめ設定した基準濃度と比較する。その基準濃度は任意に設定することができるが、統計的に有意なものを予め定めておくことが好ましい。具体的には、相当数の被験者から予め収集されたデータに基づいて、公知の統計的手法により、被験者からの問診により抑うつ状態を診断したスコアとの対応関係から、被験者がストレスを受けている状態にある確率が一定以上である基準濃度を予め求めておくことができる。統計的に有意な基準濃度を定めるに際しては、後述する実施例で示すように、測定値は性別、年齢、BMI(肥満度)などの因子の影響を受ける場合があるので、性別、年齢、BMI(肥満度)などについて一定幅にグループ化し、そのグループ内から収集されたデータに基づいて、それぞれのグループに適する基準濃度を予め求めておくこともできる。更に、後述する実施例で示すように、マーカー(指標)となるIGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のいずれか2種以上を組み合わせ評価することにより、より精度が高められるので、基準を設定する場合にも、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のいずれかのマーカー(指標)について一定の濃度を有する被験者に限定し、そのグループ内から収集されたデータに基づいて、その他の1種のマーカー(指標)の基準濃度を予め求めておくこともできる。
明細書に記載のストレス状態の評価方法においては、測定された濃度を予め設定された基準濃度と比較し、前記被験者のストレス状態を評価する。ここで「評価」との概念には、予め設定された基準濃度との比較においてその閾値を越える被験者を検出することを含み、更に、被験者のストレス状態をスコアにしたり、段階づけたりすることを含む。また、「予め設定された基準濃度との比較においてその閾値を越える」とは、基準濃度以上となってその閾値を越える場合と、基準値以下となってその閾値を越える場合とを含む。
明細書に記載のストレス状態の評価方法においては、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のいずれか1種を指標に評価してもよいが、後述する実施例で示すように、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のいずれか2種以上を組み合わせ評価することにより、より精度が高められる。
一方、本明細書に記載の発明のもう一つは、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のうちいずれか2種を定量するための試薬を組合わせて含むストレス状態の評価試薬キットである。更にもう一つは、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、遊離脂肪酸、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸のうちいずれか3種を定量するための試薬を組合わせてストレス状態を評価する試薬キットである。
本発明は、特に、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)を定量するための試薬、及び、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)を定量するための試薬を含むストレス状態の評価試薬キットを提供するものである。
各マーカー(指標)となる物質を定量するための試薬としては、IGFBP-1、PAI-1、PAI-2、又はインスリンについては、これらに対する特異抗体であるポリクローナルIgG、モノクローナル抗体、抗血清などが挙げられる。また、アセト酢酸、又は3−ヒドロキシ酪酸については、上述した酵素サイクリング法に基づいた酵素法により測定するための試薬などが挙げられる。具体的には、β-チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(Thio-NAD+)、3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(3HBDH)、アセトアセテートデカルボキシラーゼ(AADC) などである。また、遊離脂肪酸の場合には、上述したアシル−CoAシンセターゼ(ACS)−アシル−CoA−オキシダーゼ(ACO)酵素法を原理とする酵素法により測定するための試薬などが挙げられる。具体的には、コエンザイムA(CoA)、ATP、Mg2+、アシル−CoAシンセターゼ(ACS)、アシル−CoAオキシダーゼ(ACO)、ペルオキシダーゼ、酸化されて発色する呈色試薬などである。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<例1> マウスを用いた社会的ストレス負荷試験
マウスを用いた社会的ストレス負荷試験は、Miyashita et al (Biochem. Biophys. Res. Commun., 349, 775-780, 2006) に従った。試験動物には、4週齢の雄性BALB/cマウス(日本SLC社製、静岡、日本)を使用した。マウスは、5匹ずつ飼育ケージ内で自由飲食にて10日間順化飼育した。飼育室は、湿度50−60%、室温23±1℃に保たれており、8:00から20:00まで点灯した。尚、本実験は、静岡県立大学における動物実験に関する指針に従い実施された。
順化飼育後、社会的ストレス負荷(単独隔離ストレス)を与えた。すなわち、床敷を2gと減らしたケージ内で1匹のマウスを飼育した。尚、対照群は5匹/ケージとした(床敷量は50g)。ストレス負荷期間は、7日間を急性期とし、また30日間を慢性期として設定した。
各ストレス負荷期間後、解剖に供した。解剖時刻は、17:00−19:00に実施し、解剖前6時間は絶食に処した。エーテル麻酔下で開腹後、腹部大静脈より採血し、遠心分離(3000 rpm、10分)により血漿を得た。また、肝臓、脾臓、胸腺、副腎の重量を測定した。更に、体がストレスを感じているときに増大することが知られているコルチコステロン含量を、「Correlate-EIA Corticosterone Enzyme Immunoassay Kit」(商品名、Assay Designs 社製)用いて、既報に従い測定した。
表1は、マウスへの社会的ストレス負荷が体重、臓器重量および血中コルチコステロン含量に及ぼす効果をまとめたものである。急性期および慢性期の何れにおいても、社会的ストレスの負荷により体重が減少、肝臓重量および副腎重量が増加、さらに血漿中コルチコステロン含量が増加した。これらの結果は、マウスに確かに社会的ストレスが負荷されたことを示唆していた。
<例2> 血液生化学指標の測定
上記例1で得られた血漿から、TBA-120FR自動分析装置(株式会社東芝社製)を用いて、下記表2に示す血液生化学指標を測定した。
急性期のストレス負荷時に変動が見られた血液生化学指標の結果を下記表3に、慢性期に変動が見られた血液生化学指標の結果を下記表4に、それぞれ示す。
急性期および慢性期共に、ストレス負荷によりAST、ALT、尿素窒素が上昇、血糖値およびリン脂質が低下した。これらは、ストレス負荷の期間に依存せずに変動する因子と考えられた。また、脂肪酸分解に関与するアセト酢酸は、急性期ストレス負荷時には上昇し、慢性期では逆に低下した。したがって、血中アセト酢酸の上昇を指標にして急性期のストレス負荷の状態にある被験者を検出し得ることが明らかとなった。一方、血中アセト酢酸の減少を指標にして慢性期のストレス負荷の状態にある被験者を検出し得ることが明らかとなった。
<例3> 血漿中plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)濃度の測定
線溶系の阻害因子であるplasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)は、血中での濃度が高まることにより動脈硬化症などの血管関連疾患が惹起されると考えられている。そこで、上記例1で得られたマウス血漿中のPAI-1濃度を測定した。測定は「Murine PAI-1 Activity Assay Kit」(商品名、Molecular Innovations Inc., Novi, MI)を用いて、既報に従い行った。
その結果、図1に示すように、慢性的な社会的ストレスを負荷したマウス(負荷開始から30日)の血漿中のPAI-1濃度が有意に上昇していた。したがって、血中PAI-1の上昇を指標にして慢性期のストレス負荷の状態にある被験者を検出し得ることが明らかとなった。
<例4> 慢性期の社会的ストレス負荷により変動する肝臓中遺伝子の網羅的解析
マウスへの慢性的な社会的ストレス負荷が、肝臓中の遺伝子発現に及ぼす効果を遺伝子マイクロアレイ法を用いて網羅的に解析した。
遺伝子マイクロアレイ解析の試料は、最適な解析を実施する為に極力速やかに安定な状態下で保存する必要がある。そこで、アレイ解析用の肝臓試料は、上記例1と同様の手法により、慢性的な社会的ストレスを負荷したマウス(負荷開始から30日)を未絶食下でエーテル麻酔後、採血前に摘出し、速やかにRNA安定化溶液「RNAlater Soln.」(商品名)(アプライドバイオシステムジャパン株式会社製)中に保存した。
DNAマイクロアレイチップ「Gene Chip R Mouse Genome 430 2.0 Array」 (商品名、Affymetrix社製)を用いてDNAマイクロアレイ解析を行った。具体的には、常法に従い、摘出した肝臓から全RNAを抽出・精製し、cDNAの作製、in vitro転写によるビオチン化cRNAの生成、ハイブリダイゼーション、スキャンニングを行い、Distribution Free Weighted method (DFW)を用いて蛍光強度から遺伝子の発現量を算出した。その後,階層的クラスター解析を実施して群内の遺伝子発現の類似性を確認後、RankProd法による2群間比較によって有意な変動(False discovery rate<0.005)があった遺伝子を抽出した。その結果、慢性的な社会的ストレス負荷により、肝臓中で発現が抑制された遺伝子は218種類あり、また発現が増加した遺伝子群は202種類あった。これらの結果をもとに、更に詳細な機能解析を実施した。具体的には、BiNGOを用いてHypergeometric法によるオントロジー解析を行い、有意な機能分類(False discovery rate<0.05)の解析を行った。
その結果、特に脂質代謝に関連した遺伝子群の発現の変動が顕著であることが明らかとなった。具体的には例えばPPAR-α(peroxisome proliferator activated receptor alpha)、Cyp4a10(cytochrome P450, family 4, subfamily a, polypeptide 10)、EHHADH (enoyl-Coenzyme A, hydratase/3-hydroxyacyl Coenzyme A dehydrogenase)の各遺伝子の発現の減少およびELOVL6(ELOVL family member 6, elongation of long chain fatty acids)、FASN(Fatty acid synthase)の各遺伝子の発現の上昇が観察された。更に、上記PPAR-αの制御下にあると考えられているIGFBP-1の発現量が極めて著しく減少していた。
図2においては、これらの脂質代謝系が変動することにより予想される血液中での変化を説明する。図2に示すように、予想される血液中での変化は、遊離脂肪酸およびケトン体の減少、トリグリセライドの上昇である。このことは、上記例2の血液生化学指標の測定において、遊離脂肪酸およびケトン体(アセト酢酸)の減少が見られたこととも一致していた。
慢性的なストレス負荷状態では脂質代謝系が変動するというモデルを更に検証するために、以下の実験を行った。
すなわち、新たに購入したマウスに、上記例1の方法に従い慢性的な社会的ストレス(単独隔離負荷開始から30日間)を負荷した。対照群およびストレス負荷群はそれぞれ10匹ずつとし、ストレス負荷後、解剖に供し、血漿および肝臓を得た。肝臓中のIGFBP-1の遺伝子発現をリアルタイムPCR法を用いて定量的に測定後、IGFBP-1が低い個体を5匹選択して、更なる解析を実施した。すなわちケトン体(アセト酢酸および3-ヒドロキシ酪酸)および遊離脂肪酸含量を対照群と比較した。その結果を図3に示す。図3に示すように、慢性的なストレス負荷による肝臓中のIGFBP-1遺伝子の発現量低下に伴い、血漿中のケトン体(アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸)および遊離脂肪酸が低下することが判明した。
以上から、慢性的なストレス負荷状態では、脂質代謝系にともなう生体応答機構が働くことが示唆された。
<例5> リアルタイムPCR法を用いた確認
遺伝子マイクロアレイに供したのと同じ肝臓試料からRNAを抽出し、遺伝子マイクロアレイにより発現に変動があった遺伝子群について、常法に従いリアルタイムPCR法を用いて、その発現レベルを確認した。その結果、遺伝子マイクロアレイ解析により、マウスへの慢性的な社会的ストレス負荷により顕著に変動した6つの遺伝子、すなわち発現が低下したIGFBP-1、CYP4A10、PPARa、EHHADH、および発現が上昇したFatty acid synthase、ELOVL6は、何れもリアルタイムPCR測定による定量的解析によりその遺伝子発現のレベルが顕著に変動することを確認できた(図4参照)
マウスへの慢性的な社会的ストレス負荷により顕著に変動した6つの遺伝子がコードするタンパクのうち、IGFBP-1は、肝臓で生成したものが血中へ流出することが報告されている。したがって、血中IGFBP-1の減少を指標にして慢性期のストレス負荷の状態にある被験者を検出し得ることが明らかとなった。
<例6>ヒト横断的試験
上記例1−5のマウスにおける試験結果から得られた知見を、以下のヒト横断的試験により評価した。
ヒト横断的試験は、静岡県立大学研究倫理規定に従い、十分なインフォームドコンセントが得られた場合にのみ実施された。対象者は、静岡県内の2ヶ所の介護施設および1ヶ所の病院に勤務している健常な看護師および介護士の計182名であり、平成19年10−11月に実施した。
試験時の被験者の抑うつ状態を、米国国立精神保健研究所(NIMH)原版準拠の日本版Center for Epidemiologic Studies Depression scale〔CES-D Scale、うつ病(抑うつ状態)/自己評価尺度〕を用いることによりスコア化した(以下、「CES-Dスコア」という。)。また、同様に、28項目からなる日本版General Health Questionnaire (GHQ)における抑うつサブスケール7問を用いることによりスコア化した(以下、「GHQスコア」と言う。)。
採尿採血の前日の夜9時以降は水以外は絶食絶飲にし、明朝8−10時の間に採血および採尿した。通常的な血液生化学的指標については、表5に示す測定項目ついて常法に従い測定した。
また、血漿中IGFBP-1濃度は、「IGFBP-1 (Human) ELISA Kit」 (商品名、Phoenix Pharmaceuticals, Inc., Belmont, CA)を用い、既報に従い測定した。血漿中IGF-1濃度は、「Quantikine Human IGF-1 ELISA Kit」 (商品名、R&D Systems, Minneapolis, MN)を用い、既報に従い測定した。血漿中PAI-1濃度は、「Human PAI-1 activty assay kit」 (商品名、Molecular Innovations Inc., Novi, MI)を用い、既報に従い測定した。血漿中PAI-2濃度は、「IMUBIND PAI-2 ELISA Kit」 (商品名、American Diagnostica Inc., Stamford, CT)を用い、既報に従い測定した。尿中バイオピリン含量は、「Biopyrrin EIA Kit」 (商品名、Dojindo Laboratories, Kumamoto, Japan)を用い、既報に従い測定した。クレアチニン量は、「クレアチニン−テストワコー(Jaffe法)」(商品名、和光純薬工業株式会社、大阪)を用い、既報に従い測定した。
全被験者の各測定データの平均を下記表6に示す。
182名の被験者のうち、男性は16名、女性は166名であった。ALTやγ-GTP、トリグリセライド等には性別による違いが見られたので、より正確な評価をおこなうため、更なる解析には、被験者の大多数を占める女性166名について実施した。
<例7>被験者からの問診により抑うつ状態を診断したスコアとの対応関係の解析
抑うつ度評価法として広く利用されているうつ病(抑うつ状態)/自己評価尺度(CES-D)を基準にして、被験者を、正常対照群(CES-Dスコアが16以下)と、抑うつ状態が疑われる群(CES-Dスコアが17以上)の2群にグループ分けし、各種データの平均値を求めた。その結果を下記表7に示す。
その結果、CES-Dと同じく抑うつ状態を評価するGHQスコアも抑うつ状態の群で有意に上昇していた。また、CES-Dスコアにおいて抑うつが疑われる群では、血液中のPAI-1、ALT、γ-GTP、トリグリセライド、血糖値、インスリン、遊離脂肪酸、ケトン体(総ケトン体、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸)濃度が上昇、そして、IGFBP-1が減少傾向を示した。これらの因子の幾つかは、社会的ストレスを負荷したマウスにおいても変動した因子であった。
<例8>IGFBP-1と肥満度BMIおよび年齢との相関関係の解析
血中IGFBP-1量を低値(1 ng/mL以下)、中値(1-10 ng/mL)、高値(10 ng/mL以上)にグループ分けし、被験者の年齢および肥満度BMIとの関係を調べた。その結果を図5に示す。
図5に示すように、年齢の上昇に伴い、または、肥満度BMIの減少に伴い、血中のIGFBP-1量が増加するという関係が認められた。これらの結果から、IGFBP-1をストレスマーカーとして利用する場合は、被験者の年齢およびBMIを考慮に入れて実施するほうが好ましいと考えられた。一方で、ストレスの負荷により、肥満が誘発された可能性も示唆された。
<例9>年齢およびBMIの影響を極力抑えた解析
上記例8の結果から、ストレス状態のより正確な評価のためには、年齢およびBMIの影響を極力抑えた解析が有効であると考えられた。したがって、図6にそのグループ分けを示すように、全女性被験者の中から正常なBMI値を示す群(25 kg/m2以下)を選択し、更に年齢で3群に分類した。そして各群において血中IGFBP-1量が低値(1 ng/mL以下)および高値(1 ng/mL以上)の群間で各因子を比較評価した。
図7に示すように、40歳未満の血中IGFBP-1量が低値の群(ストレス負荷群)では、対照群に比して、PAI-1、及びインスリン有意に上昇した。また、有意差は見られなかったがLDL、トリグリセライド、PAI-2、遊離脂肪酸、ケトン体(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸)が減少する傾向が見られた。これらの結果は、マウス試験で得られた慢性期のストレス負荷を示す変動と類似していた。
<例10>血中アセト酢酸の値で被験者をグループ分けした後に解析
全女性被験者を、血中アセト酢酸値の一般的な基準値である14-68 μmol/L内の群(正常対照群)と、基準値以下(14 μmol/L以下)の群にグループ分けした(図6)。さらに、各群を抑うつ評価法であるCES-Dスコアが低値(正常対照群:CES-Dスコアが16以下)と高値(抑うつ状態が疑わしい群:CES-Dスコアが17以上)にグループ分けし、各因子についての解析結果を図8に示した。
図8に示すように、アセト酢酸が基準値以下(14 μmol/L以下)の群では、CES-Dスコアが上昇するに伴い(抑うつ状態に伴い)、IGFBP-1およびPAI-2について高い値を示す被験者が少なくなり、各個体間でのバラツキも少なく、低下する傾向が見られた(図8-A)。一方で、アセト酢酸が基準値(14-68 μmol/L)内の群では、ストレスの負荷に伴った明確な差は見られなかった(図8-B)。以上のことから、アセト酢酸が低値を示し、さらに血中のIGFBP-1およびPAI-2が低いグループは、慢性的なストレス状態にある群であることが考えられた。
上記例7−10から、血中のIGFBP-1、PAI-1、PAI-2、インスリン、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、又は遊離脂肪酸の変化を測定することは、健常人における慢性的なストレス負荷を客観的に測定できる手法として十分に利用できると考えられた。
一方、抑うつ試験として広く用いられている問診表試験では、実施時の各被験者の気分により、その時と場所でスコアがばらつくとの欠点を有すると考えられた。
本発明は、ストレス状態の評価方法、又はそのためのストレス状態の評価試薬キットとして、医療的処置が必要な被験者を検出する目的だけでなく、日頃の健康管理のためにストレス状態を把握することに利用できる。
マウスへの慢性期ストレス負荷による血漿中PAI-1含量の変動を示す図表である。 脂質代謝系が変動することにより予想される血液中での変化を説明する図である。 社会的ストレス負荷よる、(A)肝臓中のIGFBP-1遺伝子の発現量、(B)血漿中のアセト酢酸量、(C)血漿中の3−ヒドロキシ酪酸量、(D)血漿中の遊離脂肪酸量の変動を示す図表である。 マイクロアレイ解析において変動を示した遺伝子群についてリアルタイムPCR法で遺伝子発現変動を確認した結果を示す図表である。 血中IGFBP-1濃度と年齢および肥満度BMIとの関係を示す図表である。 被験者の中から年齢とBMIの影響を取り除く為の作業フロー及び血中アセト酢酸により抑うつ状態が伺われる群と正常対照群とにグループ分けするための作業フローを示す図表である。 40歳以下の被験者のIGFBP-1低値/高値群間での生化学的指標の比較を示す図表である。 血中アセト酢酸で2群にグループ分け後、CES-Dスコアにより分類した群間でのIGFBP-1及びPAI-2を比較した結果を示す図表である。

Claims (8)

  1. 被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定し、測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低い被験者を検出することを特徴とするストレス状態の評価方法。
  2. 被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定し、測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出することを特徴とするストレス状態の評価方法。
  3. 下記(a)、(b)及び(c)の工程を含むストレス状態の評価方法。
    (a)被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定する工程
    (b)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定する工程
    (c)前記(a)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、且つ、前記(b)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出する工程
  4. 下記(a)、(b)、(c)及び(d)の工程を含むストレス状態の評価方法。
    (a)被験者から採取した血液中の、インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)の濃度を測定する工程
    (b)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)の濃度を測定する工程
    (c)被験者から採取した血液中の、線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)の濃度を測定する工程
    (d)前記(a)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、前記(b)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より低く、且つ、前記(c)で測定された濃度が予め設定された基準濃度との比較においてその閾値より高い被験者を検出する工程
  5. 下記(a)及び(b)の免疫的検出用試薬を含むストレス状態の評価試薬キット。
    (a)インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)及び/又は線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)を定量するための特異抗体を備えた試薬
    (b)線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
  6. ELISA用である、請求項5記載のストレス状態の評価試薬キット。
  7. 下記(a)、(b)及び(c)の免疫的検出用試薬を含むストレス状態の評価試薬キット。
    (a)インスリン様成長因子結合タンパク質 IGFBP-1 (insulin-like growth factor binding protein-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
    (b)線溶系阻害因子PAI-2(plasminogen activator inhibitor-2)を定量するための特異抗体を備えた試薬
    (c)線溶系阻害因子PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)を定量するための特異抗体を備えた試薬
  8. ELISA用である、請求項7記載のストレス状態の評価試薬キット。
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