JP5372714B2 - マスクなし粒子ビーム露光のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子のビームを用いてターゲットの表面上にパターンを形成するための方法に関する。更に詳細には、この方法は次のステップを含む。前記粒子ビームを生成するステップ、同一の形の複数の規則正しく配置された開口を有する開口アレイを備えたパターン画定手段を通して前記粒子ビームを方向付け、したがってビームレットの形状および相対位置を画定する、前記開口を用いて複数の前記ビームレットを生成し、ターゲットと合流しないそれぞれの経路にパターン画定手段のブランキングアレイ手段を用いて選択されたビームレットの方向を修正することを含み、したがって、前記選択されたビームレットの通過を効果的にスイッチオフし、それで、全体として、残留するビームレットがパターン化された粒子ビームを形成するステップ、および、制御可能な偏向手段を備えた光学カラムを用いてこのパターン化された粒子ビームを前記ターゲット表面上へ投影してそのビームレットがスイッチオフされない開口の像から成るビーム像を形成するステップ。各開口は、したがって、ターゲットが、開口の像が形成される像平面内で走査方向に沿って、(または、パターン化されたビームの伝播方向に対して概ね垂直な方向に)、パターン画定手段に対して移動している間に、ターゲット表面上の画像要素に対応する。一連の均一に時間を計った露光ステップ中に前記ビーム像の位置が、前記制御可能な偏向手段を用いて、走査方向に沿って少なくともターゲット移動に対してターゲットとともに移動し、および露光ステップの間にビーム像の位置が、ターゲットに対して変化する。露光ステップは、各々ターゲットの相対的移動がターゲット上の隣接した画像要素の相互距離より大きい前進の一定の距離をカバーする持続時間を有する。
以下に論じられるように、この種類のマスクなし粒子多重ビーム加工装置は本出願人/譲受人の特許文献1=特許文献2内に開示されている。
荷電粒子を用いた平面ターゲットの加工が、1980年代以降研究されてきた。粒子ビームリソグラフィの1つの重要な用途は、半導体技術内にある。そこにおいて、リソグラフィ装置はターゲット、例えばシリコンウエハ上に構造を画定するのに用いられる。(この開示の全体にわたって、用語ターゲットおよび基板は、相互互換的に使われる。)基板ウエハ上に所望のパターンを画定するために、ウエハは放射線感受型フォトレジストの層によって覆われる。その後、所望の構造がリソグラフィ装置を用いてフォトレジスト上へ画像形成され、および、フォトレジストが次いで、前の露光ステップによって画定されるパターンに従う部分的な除去によってパターン化され、そして次に、エッチングのような更なる構築プロセスに対するマスクとして使われる。別の重要な用途においてパターンは、レジストのない直接パターニング、例えばイオンミリングまたは反応性イオンビームエッチング、または、付着によって生成されることができる。
マスクなし多重ビーム装置において、フィーチャー形状が、各画素に与えられる照射線量の総計を通して、ターゲット上のビームレットアレイを用いて画定される。各ビームレットは所望のパターンに従ってスイッチオンまたはオフされ、および、ビームレットはターゲットの上に移動する。以降の露光ステップの間に、所望のレイアウトがターゲット上に作成される。たとえば、レジストベースの方法によって、画素が(所定の)レジスト現像閾値を上回る照射線量を受ける場合、その画素は露光され、さもなければ、画素は露光されない。フィーチャー形状は、したがって、露光される画素と露光されない画素の空間分布によって画定される。
レイアウトデータは通常、ポリゴン構造で生成される。マスクなしパターン書込ツールを用いたレジスト像の露光に対してレイアウトデータが、画素像データに変換される(ラスタライゼーション)。したがって、マスクなしツール用の技術は、データ準備のための特定の方法を必要とする。マスクなしツール概念の1つの特徴は、各画素が、それが露光されるかどうかを問わず、同じ量の時間を必要とする点である。
標準チップサイズで十分に良いフィーチャー分解能を得るのに必要とする画素数は、きわめて大きく、かつ依然として難しい課題である。したがって、完全にラスタライズされた像データの保存は可能でない。その代わりに、レイアウトデータは、実行時間が短い、単純なアルゴリズムを使用するオンラインラスタライゼーションで、処理される。これらのアルゴリズムは、さらに、APS上に起こり得る欠陥、特にいわゆる常時閉および/または常時開故障、の影響を減少させるか、または除去しさえする能力を提供しなければならない。
1997年に、I.L.Berry他が、非特許文献1において、ブランキング開口アレイおよびイオン投影系に基づく書込戦略を発表した。Arai他が、特許文献3において、パターン画定手段の役割を果たすいわゆるブランキング開口アレイ(BAA)を使用した電子ビーム露光系を論じている。BAAは複数の行の開口を具備し、および、開口の像は、その方向が開口行に対して垂直な制御された連続移動で、基板の表面にわたって走査される。行は開口が、走査方向に沿って見て、千鳥状の線を形成するような交錯するように互いに対して整列配置される。したがって、千鳥状の線は、それらが基板に対して移動するにつれて、それらの間に隙間を残さずに基板表面上で連続線を走査し、したがって基板上で露光される総面積をカバーする。
Berryの概念から出発して、E.Platzgummer他が、特許文献4において、互いの上に積み重ねられる複数のプレート、それらの間に開口アレイ手段およびブランキング手段、を備えたパターン画定デバイスを使用する、PML2(「投影マスクなしリソグラフィ」の略)と呼ばれる多重ビーム直接書き込み概念を発表した。これらの別々のプレートは、たとえばケーシング内に、規定された距離で共に取り付けられる。この開口アレイ手段は、前記開口に浸透するビームレットの形を画定する同一の形の複数の開口を有し、この開口は、開口の複数の千鳥状の線から成るパターン画定フィールド内に配置され、開口は、開口の幅の第1の整数倍だけ前記線内に離れて間隔を置かれ、前記整数倍幅の一部分だけ近接線の間でオフセットされる。ブランキング手段は、特にブランキング孔の対応する千鳥状の線を有する、開口アレイ手段の開口に対応する配置で配置される複数のブランキング孔を有する。パターン画定デバイスのアーキテクチャおよび動作に関する特許文献4の教示は、参照によってこの開示の一部としてここに含まれる。
PML2多重ビーム直接書込み概念は、単一ビームライターと比較して書込み速度の書込み速度を大幅に向上させられる。これは、必要電流密度の減少、大きい断面積による空間電荷の重要性の減弱、並列の書込み戦略による画素転送速度の向上、および複数のビームを使用して可能な高度の冗長性、から生じる。
本出願人/譲受人の特許文献5が、少なくとも1枚の開口プレートおよびブランキング手段を備える粒子ビーム加工のためのパターン画定手段を開示する。開口プレート内の開口が、「インターロックグリッド」で配置され、開口は、基本グリッドが共に嵌合される正方形または矩形の群で配置される。これは、走査方向に対して垂直なおよび/またはそれに平行な方向に対して取られる開口の位置が、前記方向に沿っての開口の有効幅の倍数整数によってだけでなく、しかしまた、前記有効幅の整数部分の倍数整数によって、互いにオフセットされることを意味する。この文脈において、「走査方向」はターゲット表面上の荷電粒子ビームによって形成される開口の像が露光プロセス中にターゲット表面上でそれに沿って移動する方向を意味する。
たとえ個々の開口の各像によって形成される個々のスポットの寸法が減少しないとしても、「インターロックグリッド」解法はターゲット表面上のより微細な分解能を可能にする。端数オフセットの特定の値は、1/2掛ける開口の有効幅の整数倍であり、ここでKは正整数である。
さらに、特許文献4および特許文献5は、一線に位置する多重開口によってターゲット上の1つの画素の以降の露光によるグレースケールの生成を記述する。したがって、シフトレジスタ方法がグレースケールパターン、すなわち最小(『黒』)と最大(『白』)照射線量の間で補間される露光レベルを作り出すために効果的に適用されることができる。
最新技術のPML2概念は、基板が連続的に移動する戦略であり、および構造化されたビームの投影像が、一線に位置される開口の以降の露光によって100パーセントのグレー画素を生成する。グレーレベルを実現するために、一線の開口の総量がカラムに再分割され、カラムの数が所望のグレーレベルの数に対応する。本出願人/譲受人による特許文献1=特許文献2内に記載される最近の変形において、いわゆる「速歩モード」書込み戦略が提案され、各画素に対して(機械的)走査方向に沿った1本または2、3本のビームが、グレー画素の組全体を生成するのに用いられる。この変形の利点は、CMOS構造の減少した複雑さおよび改善されたデータ管理である。
粒子光学系は、概ね非理想であり、それは、この系が画像形成欠陥、特に画像歪および不鮮明度変動を有し、それは、加えて、時間、温度および像位置にわたって変動する可能性があることを意味する。これらの画像形成欠陥を明らかにするために、光学ひずみを補正するように設計されている、画像予歪を含む、不鮮明の影響を受けない書込可能性および/または能力を提供することができるラスタライゼーションアルゴリズムが要求される。その上、ビーム偏角は光学系の歪効果も低いように保つために、低いように保たれるべきである。
しかしながら、上述した特許出願に記載の「速歩モード」方法は、APSレイアウトに関する、特にインターロックの程度(すなわちサンプリングにわたる)、冗長性の程度および開口レイアウトに直接影響を与える開口の寸法に関して、いくつかのきわめて特定の要件を有する。これらのパラメータの1つの変更は、一般にブランキングプレートのレイアウトを変更せずには可能でない。
独国特許第10 2008 015 305 A1号 米国特許第2008/0237460 A1号 米国特許第5,369,282号 米国特許第6,768,125号 米国特許第7,276,714号
J.Vac.Sci.Technol.B、15(6)、1997、pp.2382−2386
画像形成戦略を単純化し、かつ更に、実際の不鮮明の影響を受けないグレーレベルデータへのポリゴン構造からの単純なマッピングを可能にするように「速歩モード」書込み戦略を改善することが、本発明の一目的である。
この目的は、冒頭にて説明したような一方法によって果たされ、連続した露光ステップにおけるビーム像の位置が、各々一組の規則的配置グリッドの1つの上の位置に対応する像位置によって与えられ、露光ステップ間のビーム像の位置の各変化によってビーム像が、異なる配置グリッドと関連する像位置へシフトされ、したがって、配置グリッドの組全体を通して循環し、前記位置の変化は加えて、概ね均一の長手部分を備える。これらの配置グリッドは一致して、全く同じに向けられるがしかし、各々が像平面内で異なる配置オフセットを有し、任意の2つの配置グリッド間の配置オフセットは、ターゲット上の隣接した画像要素の相互距離より大きくなく、配置オフセットの少なくとも一部が、走査方向に対して斜めまたは垂直(すなわち、明らかに非平行)である。位置の変化の長手部分は、走査方向に平行であって、かつ走査方向に沿って測定される、ビーム像の幅の一部分である長さを有し、かつパターン画定手段の位置に関する連続した露光ステップ間のビーム像の位置の移動を概ね補正する。
本発明に従うこの解決策は、それをより柔軟にし、かつ常に開いたまたは常に閉じた開口の影響を限定するために、追加的な冗長方式を可能にするように「速歩モード」方法を修正する。本発明は、「速歩モード」方法の概念と対照的に、ターゲット上のビーム像の横方向シフトを可能にすることに基づく。本発明の特定の一態様において、各露光ステップの後、ビーム像が、異なる露光位置へシフトされ、ビーム像が、全体として、前の位置でビーム像と交錯しており、一方、何のビームレットの位置も、前の位置のビーム像内のビームレットの位置と一致しない。この概念は、露光中に進行するターゲットの動きと互換性を持つがしかし同時に、ターゲット上の全部のダイ領域を連続的にカバーするためにちょうど必要な全体的直線部分を除いて像を「揺動させる」ことを可能にする。
さらに、本発明は、開口プレート上の欠陥を補正し、同じく画素補間によって光学エラーを補正する追加的な改良を提供する。
本発明の更なる展開において、垂直冗長を、すなわち、露光ステップ内で、同じ置換グリッドに属する位置間のビーム像の位置を変化させることによって、実現することが可能になる。露光ステップ内の位置の変更は、特に、規則的な時間間隔でなされ、ビームの位置をそれぞれの露光ステップ内の前の位置と異なる位置へシフトする。可能ならば、露光ステップ内の位置の変更は、走査方向に対して垂直になされる。
さらに、本発明はパターン画定手段の簡略開口アレイ配置に適しており、開口の規則的な配置が、走査方向に平行に走る開口の線を備え、および開口の近接線が、走査方向に垂直にとられる開口の幅より大きいオフセットによって、互いにオフセットされる。
本発明の特定の一態様において、各配置グリッドの配置は、ターゲット上へ投影される、パターン画定手段内の開口の規則的な配置と幾何学的に対応し、および各露光ステップ内で開口の像は、前記配置グリッドの1つの一部と位置的に一致する。
本発明の有利なレイアウトにおいて配置グリッドの前記組を通して1つのサイクルにわたって合計される、ビーム像の位置の連続した変化の合計が、走査方向に対して平行である。
好ましくは、前進の距離は、走査方向に沿って取られる、ターゲット上の隣接した開口像の相互距離より大きい。
以下において、本発明は、以下に示す図面を参照して更に詳細に記載され、
縦断面図における従来技術に従う、しかし、本発明に適している、粒子ビーム露光装置の模式的な概要を示す。 例示的なレイアウトの画素マップの一例を示す。 従来技術に従う書込戦略を例示する。 本発明に従って使用される開口の配置を示す。 配置グリッドの一例を示す。 インターロックグリッドを備えた配置グリッドの別の例を例示する。 本発明に従う画素の露光方式を示す。 図7に用いられている配置グリッドのシーケンスの詳細である。 ターゲットの走査運動に対して垂直な方向に沿った開口を含む冗長概念を例示する。 開口オフエラーおよびこのエラーを補正する一方法を例示する。
以下に論じられる本発明の好ましい実施態様は、本譲受人/出願人の特許文献4および特許文献5にて開示したパターン画定(PD)系を備えた、および、大縮小投影系を備えた、PML2−タイプ粒子ビーム露光装置からの発展である。以下では、最初に、−本発明に関連する限り−装置の技術的背景が論じられ、次いで、本発明が詳細に提示される。
認識されるべきは、本発明が、以下の実施態様またはPD−系の特定のレイアウトに限定されず、それは、単に本発明の考えられる用途の1つを表すだけであり、本発明は、同様に投影器ステージを備えた粒子ビームを使用する他のタイプの加工系に適している、ことである。
マスクなし粒子ビーム加工装置
図1は、マスクなし粒子ビーム加工装置PML2の模式的な概要を示し、それは、それ自体で従来技術から公知であるが、本発明を具体化するのに適切である。構成要素は、適切な寸法で示されておらず、特に、粒子ビームlb、pbの横方向の幅は誇張されている。以下では、本発明を開示するために必要であるものの詳細だけが与えられる。より詳細な説明については、読者にSは特許文献4および特許文献5を参照されたい。
−この例では図1内で垂直に下方へ走る、リソグラフィビームlb、pbの方向と一致する−リソグラフィ装置1の主構成要素は、照射系2、PD系3、投影系4、およびウエハステージ14によって保持されて、配置される基板13を備えたターゲットステーション5である。全体の装置は、装置の光軸exに沿ってビームlb、pbの妨げられない伝播を確実にするために、高真空に保持される真空ハウジング(図示せず)内に収容されている。光学系2,4は、参照番号6によって記号的に表される静電または電磁レンズを使用して実現される。
照射系2は、たとえば電子銃7、引出し系8、同じく集光レンズ系9を備える。一般的なブランキングデフレクタ9aが、同様にあってもよい。しかしながら、電子の代わりに、一般に、他の荷電粒子が同様に使われることができる点に注意されなければならない。電子から離れて、これらはたとえば、水素イオンまたはより重いイオン、荷電原子集団または荷電分子であることができる。この開示の文脈において、「より重いイオン」は、O、Nまたは貴ガスNe、Ar、Kr、XeのようなCより重い元素のイオンを指す。
集光レンズ系9を用いて、照射系2から放射される粒子は、リソグラフィビームlbとして働く幅の広い、実質的にテレセントリックの粒子ビームに形成される。リソグラフィビームlbは、次いでリソグラフィビームlbの経路内の特定の位置に保持されるPD系3に照射する。PD系3は、基板13上に投影されるべきビームパターンを画定する、規則的アレイで配置される、複数の孔および/または開口30を有する複数のプレートを備える。
開口および/または孔のいくつかは、それらによってそれを通して透過されるビーム(ビームレット)の部分がターゲットに到達することができるという意味で、入射ビームに対して透明であるように「スイッチオン」されるかまたは「開いて」いる。残りの開口および/または孔は、(たとえそれらがPD系を出て、投影系4の一部の部分を通して進行することができるとしても)対応するビームレットが、ターゲットに到達することができないという意味で、「スイッチオフ」されるかまたは「閉じて」おり、事実上、これらの「スイッチオフされた」開口および/または孔はビームに対して非透明(不透明)である。結果として、リソグラフィビームlbは、PD系3から出てパターン化されたビームpbに構造化される。開口および/または孔上のスイッチオンされたパターン−リソグラフィビームlbに対して透明なPD系3の唯一の部分−が、基板13上に露光されるパターンに従って選択される。ビームレットの「スイッチオンオフ」が通常、PD系3のプレートの1つに供給される適切な種類のブランキング手段によって実現される点に留意する必要があり、「スイッチオフされた」ビームレットは、それらの経路から(きわめて小さい角度だけ)偏向され、それでそれらはターゲットに到達することができず、単にリソグラフィ装置内のどこか、例えば吸収プレート10によって吸収されるだけである。図1内に、パターン化されたビームpbの5本のビームレットだけが実際の多数のビームレットの代表として示される。ビームレットの1本がスイッチオフされて、吸収プレート10で吸収され、一方、残りの4本のビームレットがターゲット13に向けられ、および、そこでそれぞれの開口6の像を形成する。
図1内に図示された態様において、投影系4は、静電または電磁レンズおよび他の偏向手段から成る、複数の連続した粒子−光学投影器ステージから成る。これらのレンズおよび手段は、それらの適用が従来技術から十分に公知であるので、象徴的な形式だけで示す。投影系4は、交差点c1、c2を通しての縮小画像形成を使用する。数百の全体的縮小が生じるように、両方のステージに対する縮小率、例えば200xが選択される(図1は、正確な縮尺率でない)。PDデバイスの小型化の課題を軽減するために、この次数の縮小はリソグラフィ設定に特に適切である。
全体の投影系4において、レンズおよびまたは、色彩および幾何学的収差に対する偏向手段を広範囲に補正するために準備がなされる。全体として横方向に、すなわち光軸exに対して垂直な方向に沿って、像をシフトする手段として、偏向手段11および12が、投影系4内に設けられる。偏向手段は、たとえば、第1の偏向手段11と共に図1に示す交差点の近くに、または、図1内の第2ステージ偏向手段12の場合にそれぞれの投影器の最終レンズの後に配置される多重極電極系として実現させられる。この装置において、多重極電極は、ステージ移動に対して像をシフトするための、および、アライメント系と連携した画像形成系の補正のための、両方の偏向手段として使用される。これらの偏向手段11、12は、これらが粒子ビームを全体として取扱うだけであるので、パターン化されたビームpbの選択されたビームレットをスイッチ「オン」または「オフ」するのに用いられるPD系3のブランキングアレイ手段と混同されるべきでない。
適切に、基板13が入射ビームpbの下で移動する走査ストライプ露光戦略が、活用される。基板13の異なる部分が異なってパターン化されることになっているので、基板がパターン化されたビームの下で移動するときに、「スイッチオンされた」開口の数がすばやく変化することができる点に留意する必要がある。同時に、電流、すなわち吸収プレート10の後でリソグラフィ装置1の光学カラムを横断する粒子、はかなり変化することができる。
1つの典型的な具現において、基板13上のPD系3内の開口のアレイの像の寸法は、80μm平方である。基板13は、パターン化されたビームの下で3mm/sの速度で移動し、それで―おそらく―異なるパターンを有する完全に新しい領域に、30msごとに到達する。従って、パターンはミリ秒足らずで変化し、および、リソグラフィ装置1の光学系は、変化する電流、すなわち光学カラムと交差する変化する数の粒子に対処しなければならない。
グレースケール
PML2概念に従って基板13が連続的に移動し、および、ターゲット上の同じ画像要素(「画素」)が、同じ走査運動中に一連の開口の像によって何度もカバーされる。同時に、PD系内のパターンが、PD系の開口を通して段階的にシフトされる。したがって、ターゲット上のどこかの位置の1つの画像要素を考慮して、それらがその画像要素をカバーするときに、全ての開口がスイッチオンされるならば、これが、最大露光。100%に対応する「白」シェードに結びつく。「白」シェードに加えて、グレースケールに従って、すなわち、最小(『黒』)と最大(『白』)の照射線量の間を補間するであろう露光レベルで、ターゲットにおいて画像要素を露光することが可能である。グレーシェードは、線内の対応する数の開口、例えば30個の開口の中の8個をスイッチオンすることによって実現される。したがって、画像要素の値を制御する信号は、グレースケールコード、例えば、nビットの二進数としてコード化される整数によって表される。異なる数のグレーシェードが、あってもよい。
図2は、10x18=180画素の大きさを備えた像15の単純な一例を示し、ここで露光領域のいくつかの画素16が100%のグレーレベルに露光され、および他の画素17が、完全なグレーレベルの50%だけに露光される。残りの画素は、0%線量に露光される(全く露光されない)。もちろん、本発明の現実的な用途では、標準画像の画素数ははるかに多いであろう。しかしながら、ここで画素数はより良い明瞭さのためにわずか180である。また、より多くのグレーレベルが、使われることができる。
速歩モード
図3は、本発明が導き出される特許文献2内に論じられる、「速歩」戦略の概念を例示する。ターゲット40、たとえば露光されるべきレジストによって覆われるシリコンウエハが、速度vで移動し、一方、複数のビームレット(AからEで示される5本のビームレットだけが明確にするため示される)が、ターゲットと衝突する。各ビームレットは、図3内の最上フレームと最下フレームの間で経過する1画素露光サイクルT1中に、レジストに1画素に対する全部の線量を渡す。図内で交差斜線フィールドは、完全に照明される画素を示し、一方単純斜線フィールドは、現在露光されて、したがって必要線量を合計する画素を示唆する。この方法の説明を単純化するために、図3はグレースケールを考えず、むしろ、図3では、完全な露光(「白」シェードに等しい100%グレースケール)だけが示される。
ターゲットは、PD系(それは、図3の最上部を越えて定位置に残ると仮定する)に対して移動するが、しかし、この書込方法は、複数画素をカバーする距離でのターゲットの移動に対してさえ、その相対的移動にもかかわらずそれぞれの画素露光サイクル中に、各ビームレットがターゲットに突き当たる位置が、画素の位置に係止してとどまる必要がある。結果として、ビームレットは画像形成光学系の偏向系を用いてそれに応じて偏向される。
ターゲット上に露光される画素の幅はwで示され、2つの隣接したビームレットの距離はM’wであり、ここでM’は、1つの線上に平行に書き込むビームレットの数Mより1大きい。係数M+1は、MおよびM’が互いに素(相対的に素)であることを確実にする1つの簡単な選択肢であり、Mに対して互いに素であるその他の数M’が、その代わりに使われることができる。M’およびMのこの種の選択は、M’露光サイクルの進行を通しての近傍の画素の露光を確実にする。図3内に示される単純な例の場合では、M=5およびM’=M+1=6である。(注釈:特許文献2では記号NおよびN’が、MおよびM’としてここで示されるパラメータに対して使われたが、どちらも下で規定される開口オフセットNと、混同されるべきではない。)t=0。0で最初の(一番上の)フレーム内に示される露光サイクルの最初の初期位置から始めて、時間は、ターゲットの連続移動が1画素幅wだけ進行したt=0:1、2ピクセルの幅2w(図示せず)のt=0:2、その他のように連続的に示される。t=0:5(t=0:M)で、移動は5(M)画素幅5wの距離まで進行し、それは、実際の露光の終わりをマークする。その後、ビームレットは、t=T1=1:0で次の画素露光サイクルを始めるために図3の最下のフレームに示すように別の組の画素に向けられる。後者の時間、T1=1:0は、t=0。Mの直後の時間位置であり、換言すればt=0:M+δ=1:0、ここでδは、ビームレットをスイッチするのに使われる短い時間間隔を示す。
図3内のビームレットの傾斜が主として誇張されている点に留意する必要があり、ウエハプロセスの現実的な幾何学形状の本当の描写では、傾斜角は全く小さいであろうし、人間の目に見たところは目立たないであろう。さらに、(たとえば静電多重極の連続した組を用いて)ビームレットの組をそれらの向きに影響を及ぼさずに横にシフトすることもまた可能であり、その場合、傾斜角は全く変化しないであろう。また、偏向の範囲は、z軸の回りに対称であるように適切に選択されることができる。
上記の記述では、全ての画素が100%グレー値に完全に露光されると想定された。現実的な場合では、もちろん、各画素は、露光されるべきパターンによって決定される個々のグレー値に帰される。したがって、グレースケールが含まれるときに、表された露光ステップのいくつかで一部のビームレットがスイッチオフされ、および付着される線量は1つの画素から次までグレースケールに従って異なるであろう。PD系内のすべてのビームレットブランカのオンオフ−スイッチは、各画素露光サイクル中に、プログラムされたパターンに従って制御される。例えば、その対応するビームレットによって照明される1つの画素が最大値の25%の線量を受け取ることになる場合、そのビームレットに対するブランカはその画素をカバーする画素露光サイクルの25%の間、開かれていなければならない。
配置グリッド
前述した速歩モード方法では、ターゲット上のビームレットの前進の方向(図3内のビームレットAからE)は直線であり、かつ(ターゲット上へ投影されるときに実現される)一連の開口と平行である。各線が特許文献4の図2および3で示す千鳥状の線配置のような開口を備える配置で、PD系の開口アレイ上に開口が配置されるときには、これは許容可能である。しかしながら、開口/ビームレットが矩形のグリッドの軸の1つと平行して走る前進の方向を伴う矩形のグリッドに従って整列配置される単純な配置は、その時、開口の線の間のスペースがビームレットによって覆われないので、直線速歩モード方法で機能しないであろう。
速歩モード方法ではビームの偏向があらゆる画素露光に対して同じままで、画素露光中のステージ移動だけ考慮に入れるとはいえ、これは、本発明に従って修正される方法による場合でない。この方法の「インテリジェンス」は、開口プレートのレイアウトによって部分的に決定され、そこでは、M’およびMが以前の節にて図示したように、互いに素である必要がある。速歩モードの修正は、M’(すなわち、下記の方法の(No))が、M(すなわち、下記の方法のM)の整数倍である必要がある。PD系の開口配置の簡素化は、ビーム偏光のより複雑な方式によって補正され、それで、速歩モード露光の「インテリジェンス」はビーム偏向ユニットへ移動される。したがって、一連の画素は、ステージ移動だけでなく、しかしまた、画素間の相対位置も考慮に入れる、一連の異なる偏向設定で露光される。
図4は、開口の簡略配置の一例を例示する。示すのは、ターゲット上へ投影される開口像の配置である。PD系の開口アレイの配置は同じであるが、しかしながら、光学系の縮小率(RR)の逆数で拡大される。主軸XおよびYはそれぞれ、ターゲット移動の前進の方向および垂直な方向と一致する。各開口は、それぞれ方向XおよびYに沿って幅aおよびaを有する。開口は、それぞれNおよびNである線および行内の隣接した開口間のオフセットと共に、それぞれMおよびMの開口を有する線および行に沿って配置される。結果として、各開口にNxNの領域を有する概念上のセルが属し、およびアパーチャ配置は矩形に配置されるMセルを含む。
以下の考察において、矩形のグリッドの特例として正方形のグリッドを想定し、および普遍性のいかなる制約も伴わずに全ての更なる説明に対して、Mを整数とすると共に、a=a=a、N=N=NおよびM=M=Mを設定する。
2つの隣接した露光位置間の距離は、以下にeとして示される。一般に、距離eは画素の幅aと異なることができる。最も単純な場合では、a=eである。別の興味深い場合(特許文献5参照)において、eは、画素幅aの分数a/oであることができ、o>1が整数であり、それはさらに、オーバーサンプリング係数を指す。この場合画素が重なり合い、より高い分解能のパターンが現像されることができる。
開口像が(NMo)画像要素(「画素」;o>1である場合、画素が重なることができると気づかされる)を備えることを計算することができる。同時に、Mビームレットがこの領域を露光するために利用でき、したがって、あらゆるビームレットが連続露光ステップで(No)画素を露光しなければならない。可動基板を使用してこれらの(No)露光ステップは、基板がターゲット上で生成される開口像の幅に対応する距離L=NMaだけ移動する時間L/v中に実行されなければならない。
次に「配置グリッド」を規定する。これのために、最初に、PD系内の開口アレイで画定される規則的なアレイを形成する、ターゲット上のビームレットの位置を考慮する。ビームレット位置のアレイは、ターゲット上のダイ域全体をおおって延在するように全ての側面に拡張される。これは、ビームレットのアレイがビームレットの規則的なアレイに対応するグリッドベクトルだけによって移動することができる条件の下で、到達されることができる画素位置の組に対応する位置の規則的なアレイを与える。「配置グリッド」は、その相対位置がこの種のアレイに対応する一組の全ての画像要素である。上記から(No)配置グリッドがあることは、明白である。パターン化されたビームpbの上下限内にあるターゲット上の任意の領域内で、PD系のビームレットによって同時に所定の配置グリッド内で画像要素を露光することが可能である。
個々の配置グリッド(または同等に、セル内の個々の画素位置)は、1からgmax=(No)までの値をとる添字gによってラベルをつけられることができる。添字gの各値は、1つのそれぞれの配置グリッドに対応し、および添字gを通して計数することによって異なる配置グリッドのシーケンスを通して循環することができる。
図5は、単純な場合N=2およびo=1に対する配置グリッドの一例を例示する。各セルにおいてそれぞれ、配置グリッドG1、G2、G3、G4の1つと関連するgmax=4画素位置がある。
図6は、より複雑な場合、N=2およびo=3を表す。(g=1、...、gmaxおよびi,j=0、...、o−1を伴う)可能な配置グリッドGgijのいくつかだけが示され、および、1つの例示的な画素位置だけが各場合に示され、配置グリッドの総数が36であり、それで完全な描写は理解しがたいであろうので、この簡素化が必要である。
図7は、本発明に従う画素の露光方式を示す。示されるのは、最上部(早い)から底部(後の)まで時間を増加させることによる、一連のフレームである。この図内のパラメータ値は、o=1、N=2であり、また、矩形ビームアレイがM=8およびM=6で想定される。ターゲットは連続的に左へ移動し、一方、図の左側に示されるように、ビーム偏光はシーソーのような関数によって制御される。長さT1の各時間間隔中に、ビーム像はターゲット上の位置に固定してとどまる。したがって、ビーム像が一連の位置P1、P2、P3、P4、P5を通り抜けることを示す。位置P1からP4は、それぞれ配置グリッドG1からG4内の適切な位置に対応し(また、図8を参照)、位置P5はグリッドG1内の新しいサイクルの開始を、しかし追加的な長手方向オフセットLと共に、表す。
すでに言及されたように、配置グリッドの1つのサイクルは時間間隔L/v=NMa/v内に露光される。したがって、各配置グリッドはその時間間隔の1/gmaxをとる。この時間は、ターゲット移動、Lg=v・T1=L/(No)=aM/(No)による長さに対応し、それを「露光長」と呼ぶ。
ビームレットは、ターゲットと共に添字gの所定の値に属する一組の画像要素の露光中にLの距離にわたって移動する。換言すれば、全てのビームレットは時間間隔T1中に基板の表面に関して定位置を維持する。距離Lに沿ってターゲットと共にビームレットを移動した後に、ビームレットは、次の配置グリッドの画像要素の露光を始めるために即座に(きわめて短い時間内に)再配置され、それは、添字値g+1を有するであろう(より正確には、(g+1)モジュロ(No))。図8を参照して、再配置は、X方向に沿って第1の構成要素D(この構成要素は長さLを有するが、しかし反対方向に向けられる)、同じく、示された(図8)配置グリッドG1およびG2の場合に、連続した配置グリッドの位置の間でスイッチする必要がある第2の構成要素D12から成る。主構成要素Dは、距離LだけのPDデバイスに対するビームレットの移動を効果的に補正する。第2の構成要素D12は、セル内の位置の間のオフセットであり、かつ、どのように露光位置が添字gの関数として位置するかに依存して、X−Y−平面内で概ね任意の方向をとることができる。
露光長Lは、一般に、上記の式によって与えられる。好ましくは、パラメータM、Nおよびoの値は、Lが画素の幅aの整数倍であるように選択される。この場合、位置間のオフセットの第2の構成要素D12はそれぞれの配置グリッドG1、G2の相対位置から単純に計算されるか、さもなければ、D1=−LGの小数部を占める追加的な補正が、考慮に入れられなければならない。
配置グリッドG1...G4を通しての全サイクルの後、シーケンスが新たに始まる。上記および図7および8から明白なのは、配置グリッドの全サイクルの完了によって、全体的な偏位がX方向(走査方向)に平行であり、かつ、L=gmaxの累積された長さを有し、一方個々のオフセットの垂直な構成要素は相互に相殺する、ことである。
この方法によって、任意の長さのストライプを書くことが可能であり、配置グリッドを通して反復して循環することによって全ての画素を露光する。これは、1からgmax=(No)まで進む添字gを計数することに等価であり、かつ必要なだけしばしば繰り返す。ストライプの始めに、および、終わりに、この露光方法は連続したカバーを生成することができないので、完全に満たされない長さLのマージンmr(図7)がある。
本発明は、アパーチャのより単純でより一般的な配置でAPS設定を使用することを可能にする。簡略配置によって開口の異なる寸法および/または形状を有する別の開口アレイプレートによって開口アレイプレートを置換することもまた可能であり、一方、PD系の他の構成要素、特に、ブランキングアレイ手段を実現するプレートは、変化しないままである。
垂直冗長
本発明に従う方法は、PDデバイスのブランキングアレイ構成要素上の常時開および常時閉故障の影響を減少させることを可能にする追加的な冗長概念を都合よく可能にする。過去の冗長概念は、冗長情報を軸に沿って書込み方向に分布させることを示唆していた。対照的に、本発明の本態様は冗長情報を書込み方向に対して垂直に分布させる方法を導入する。この方法は、特許文献2にて説明したハードウェアによってきわめて効率的に実現されることができる。
図9は、この冗長概念を例示する。この冗長方式は、走査方向に垂直に配置される数rの開口が冗長情報を具備する概念に基づく。「冗長比率」と称する数rは、任意の整数r>1、たとえばr=2、4、8、…、または別の2進数の羃数2であってもよい。図9では、r=2および残りのパラメータは図7内と同じであり、1つの時間間隔T1=Lg/vだけが、描かれている。
この冗長概念に従って、間隔T1はr部分区間に更に分割される。各間隔T1/r(距離L/rに等しい)の後、ビームレットは、同じ配置グリッドの画素(同じ添字g)を露光するように、しかし、Y方向に沿っての異なる配置で、移動する。したがって、ビームレットは次に同じカラム内の異なる開口によって露光された画素を露光する。Lに対応する完全な間隔の後、ビーム像内のあらゆる画像要素がr個の異なる開口によって露光される。これらのr個の異なる開口は、同じカラム内に全て位置する。
r=1の場合において上記の通りの(図7)この方法を冗長なしで回復する。単一ストライプを書く場合には冗長のこの実現は、ストライプがr−1線の開口だけ減少させられる必要がある場合がある。ストライプがつぎ合わせられる場合、ストライプの重なり合う領域が画定されることができる。
本発明は、すでに特定した他の方向に、ビームの追加的な走査なしで(必要であれば、ターゲットステージの横方向の走行誤差を補正することを除いて)、連続してターゲット上のダイフィールド全体を露光することが可能な方法を提供する。
グレーレベルディザリング
インターロックグリッド(o>1)によって線量分布が均一なままであると共に、「ディザリング」によってグレーレベルの数を増大することが可能である。これの根拠は、任意の名目グリッド上のグレーレベルが等しいということである。これは、二重インターロックグリッドに対して実現されることができる線量レベルの数が、非インターロックグリッドに対して4倍多いことを意味する。
一般的に言って任意のオーバーサンプリングされた露光グリッド(すなわちo>1)は、XおよびY方向に距離a/oだけシフトされるoまでの名目グリッドから成る。それで、一つの線量レベルから次へのステップは、全てのサブグリッドが名目レベルを露光するまで、これらのoグリッドの1つだけの線量レベルが増大されるoサブステップに分割されることができる。
基板でのビーム形状は、機械的不鮮明の畳込みおよび開口プレートの減少アパーチャ形状であることが公知である。aが露光グリッド定数eの自然倍数に設定される場合、換言すれば、o=a/eが整数である場合、基板上に均一な線量分布を得ることが可能である。さもなければ、線量分布は、エイリアシング効果によって、周期性を備えた最小および最大、露光グリッドを有することができる。大きな数のグレーレベルは、より良いフィーチャー配置を可能にする。したがって、画素位置あたりグレーレベルが特定の数に限られている場合、グレーレベルを増大することは適切である。
開口プレートの予歪計算
この光学系は、補正されなければならない像歪を生成する。これらのエラーに対する補正の1つの可能な方法は、ラスタライズされた像データを再計算することである。原則として、一次元で利用できる隣接した画素の数に対応する次数で、特定の位置に対して補間することが可能である。o>2の場合には単純な直線補間が、充分な精度をもたらす。
したがって、この補正法は追加ポイントが次数1以上で補間される、像データのアップサンプリングを含むことができる。アップサンプリング比率は、アップサンプリングされたポイント間の距離が端位置取りに関する精度要件未満であるように選択される。アップサンプリングの後、像は、ターゲット上のグリッドに適合する像点だけを使用して、再びダウンサンプリングされ、投影の後、それは理想的な矩形のかつ均一に間隔を置かれたグリッドから逸脱する。
開口オンオフエラーに対するビットマップの計算
欠陥の1つの重要なカテゴリは、開口がスイッチオンオフされることができず、むしろ常にスイッチオンまたはスイッチオフされた状態にあるということであり、これはそれぞれ、開口オンエラーまたは開口オフエラーと呼ばれている。所定のPD系に対して、この種のエラーを有する開口の位置が割り出されることができ、いわゆる故障マップに結びつく。データ準備中に、これらのエラーを部分的に補正するためにオーバーサンプリングされたグリッド(o>1)を使用することが、その時可能である。もちろん、効率的な補正を可能にするために欠陥のある開口は広く間隔をあけて設置されなければならない、すなわち、それらは互いに影響してはならない。
補正を達成する方法は、隣接した画素によって必要な線量をそれぞれ加える(常時閉故障)差し引く(常時開故障)ことによってDTCポイントを同じ位置に維持することである。隣接した画素が異なる開口で常に書かれなければならないことが必要であり、さもなければ、また、隣接した画素は故障の挙動を有するであろう点に留意する。上記の通りの速歩モードは、この要件を満たす。
この過程が、開口オフエラーと共に図10内に例示される。左側の画像において名目動作が描画され、正方形は露光された画素の中心を示唆し、および点線はDTCを示す。中央の画像において開口上で常時閉の場合が描かれ、DTC(およびしたがってレジスト像)が望まない線端アーチファクトを示すことを示している。右側画像は、常時閉故障の下で画素を露光することによってアーチファクトが強く減少させられるかまたは効果的に抑制されることができることを示す。この方法によってDTC線は、その名目位置に「押し戻される」ことができる。
補正露光ビットマップの計算は、開口プレート欠陥マップの使用によってラスタライゼーションの間か後に実行されることができる。フィーチャー境界から離れて生じる欠陥がオーバーサンプリングされたグリッドによって効果的に補正されるので、補正はフィーチャー端で必要なだけである。
1 リソグラフィ装置
2 照射系
3 PD系
4 投影系
5 ターゲットステーション
6 静電または電磁レンズ 開口
7 電子銃
8 引出し系
9 集光レンズ系
9a ブランキングデフレクタ
10 吸収プレート
11、12 偏向手段
13 基板
14 ウエハステージ
15 像
16、17 画素
30 孔および/または開口
40 ターゲット
lb、pb リソグラフィビーム
ex 光軸
c1、c2 交差点

Claims (8)

  1. 荷電粒子のビームを用いてターゲットの表面上にパターンを形成するための方法であって、前記方法が、
    −前記粒子ビームを生成するステップと、
    −同一の形状の複数の規則正しく配置された開口を有する開口アレイを備えたパターン画定手段を通して前記粒子ビームを方向付け、したがってビームレットの形状および相対位置を画定する前記開口を用いて複数の前記ビームレットを生成し、かつ、前記ターゲットに合流しないそれぞれの経路に向けて前記パターン画定手段のブランキングアレイ手段を用いて選択されたビームレットを修正し、したがって、前記選択されたビームレットの前記通過を効果的にスイッチオフし、残りの前記ビームレットが、全体として、パターン化された粒子ビームを形成するステップと、
    −前記パターン化された粒子ビームを、制御可能な偏向手段を備えた光学カラムを用いて前記ターゲット表面上へ投影してそのビームレットがスイッチオフされない前記開口の像から成るビーム像を形成し、前記ターゲットが、前記開口の像が形成される像平面内で、走査方向に沿って前記パターン画定手段に対して移動している間に、各開口が前記ターゲット表面上の画像要素に対応するステップと、を含み、
    一連の均一に時間を計った露光ステップ中に前記ビーム像の前記位置が、前記制御可能な偏向手段を用いて、少なくとも前記走査方向に沿った前記相対ターゲット移動に対して前記ターゲットとともに移動し、および露光ステップの間に前記ビーム像の前記位置が、前記ターゲットに対して変化され、
    前記露光ステップが、前記ターゲットの前記相対的移動が前記ターゲット上の隣接した画像要素の前記相互距離より大きい前進の均一な距離をカバーする持続期間を有し、
    連続した露光ステップにおいて前記ビーム像が、各々一組の規則的な配置グリッドの1つ上の位置に対応する像位置に位置し、前記配置グリッドが一致しており、かつ全く同じに向けられるが、しかし、各々が前記像平面内で異なる配置オフセットを有し、任意の2つの配置グリッド間の前記配置オフセットが、前記ターゲット上の前記隣接した画像要素の相互距離より大きくなく、前記配置オフセットの少なくともいくつかが、前記走査方向に対して斜めまたは垂直であり、
    露光ステップ間の前記ビーム像の位置の各変化によって前記ビーム像が、異なる配置グリッドと関連する像位置にシフトされ、したがって、前記配置グリッドの組を通して循環し、前記位置の変化が概ね均一な長手部分をさらに備え、
    前記長手部分が前記走査方向と平行であり、かつ前記走査方向に沿って測定される前記ビーム像の幅の一部分である長さを有し、かつ、前記パターン画定手段の前記位置に関して連続した露光ステップ間の前記ビーム像の前記位置の前記移動を概ね補正する、ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、露光ステップ内で、前記ビーム像の前記位置が、同じ置換グリッドに属する位置の間で変化する、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記露光ステップ内の位置の変化が、規則的な時間間隔でなされ、前記ビームの前記位置を、それぞれの露光ステップ内の従前の位置と異なる位置にシフトする、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項2または3に記載の方法であって、前記露光ステップ内の位置の変化が、前記走査方向に対して垂直になされる、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法であって、前記パターン画定手段内の前記開口の前記規則的な配置が、前記走査方向に平行に走る開口の線を備え、および開口の隣接した線が、前記走査方向に対して垂直にとられる前記開口の幅、より大きいオフセットによって互いにオフセットされる、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法であって、各配置グリッドの前記配置が、前記ターゲット上へ投影される前記パターン画定手段内の前記開口の前記規則的な配置と幾何学的に対応し、および各露光ステップ内で前記開口の前記像が、前記配置グリッドの1つの一部と位置的に一致する、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法であって、配置グリッドの前記組を通して1つのサイクルにわたって合計される、前記ビーム像の位置の連続した変化の合計が、前記走査方向に平行である、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法であって、前記前進の距離が、前記走査方向に沿っての前記ターゲット上の隣接した開口像の前記相互距離より大きい、ことを特徴とする方法。
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