以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータを用いて実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す。図1に示すように、ゲーム装置10は家庭用ゲーム機11、表示部30、音声出力部31、光ディスク32、及びメモリカード33を含む。表示部30及び音声出力部31は家庭用ゲーム機11に接続される。例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の表示装置が表示部30として用いられ、例えば、表示装置に備えられたスピーカ又はヘッドホンが音声出力部31として用いられる。
家庭用ゲーム機11はコンピュータシステムであり、バス12、制御部13、主記憶14、画像処理部15、音声処理部16、光ディスクドライブ17、メモリカードスロット18、通信インタフェース(I/F)19、コントローラインタフェース(I/F)20、及びコントローラ21を含む。
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。制御部13、主記憶14、画像処理部15、音声処理部16、光ディスクドライブ17、メモリカードスロット18、通信インタフェース19、及びコントローラインタフェース20は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
制御部13は例えば一又は複数のマイクロプロセッサを含み、例えば光ディスク32から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部の制御処理や各種情報処理を実行する。主記憶14は例えばRAMを含み、光ディスク32又はメモリカード33から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶14は制御部13の作業用としても用いられる。
画像処理部15はVRAMを含み、制御部13から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画し、そのゲーム画面を表示部30に表示する。音声処理部16はサウンドバッファを含み、光ディスク32からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(ゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等)を音声出力部31から出力する。
光ディスクドライブ17は、光ディスク32に記録されたプログラムやデータを読み取る。ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク32を用いることとするが、例えばメモリカード33等の他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
通信インタフェース19は、インターネットなどのデータ通信網に通信接続するためのインタフェースである。メモリカードスロット18はメモリカード33を装着するためのインタフェースである。メモリカード33は不揮発性メモリ(例えばEEPROMなど)を含み、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶する。なお、ゲーム装置10はハードディスク装置(補助記憶装置)を備えるようにしてもよい。光ディスク32又はメモリカード33に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク装置に記憶されるようにしてもよい。
コントローラインタフェース20は一又は複数のコントローラ21を無線接続するためのインタフェースである。なお、コントローラインタフェース20はコントローラ21を有線接続するためのインタフェースとしてもよい。
コントローラ21はゲーム操作を受け付けるための操作部である。コントローラインタフェース20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ21の各操作部材の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部13に供給する。制御部13は操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。
ゲーム装置10で実行されるゲームについて説明する。ゲーム装置10では、例えば、プレイヤが楽曲に合わせてゲーム操作を行う音楽ゲームが実行される。以下では、プレイヤが楽曲に合わせてステップを行うダンスゲームが実行される場合を例として説明する。
図2は、ダンスゲームをプレイするために用いられるコントローラ21の一例を示す図である。図2に示すコントローラ21は、ダンスステージとして相応しい程度の大きさを有するマット型コントローラである。
図2に示すように、このコントローラ21は、表面中央に略円形の中央領域22Cが区画表示されており、その上下左右に、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rがそれぞれ区画表示されている。また、方向ボタン領域22Uの左右には、丸ボタン領域23Aとバツボタン領域23Bとが区画表示されている。さらに、丸ボタン領域23Aの上方にはスタートボタン領域24Aが区画表示されており、バツボタン領域23Bの上方にはセレクトボタン領域24Bが区画表示されている。
方向ボタン領域22U,22D,22L,22R、丸ボタン領域23A、バツボタン領域23B、スタートボタン領域24A、セレクトボタン領域24Bの下部にはセンサが埋め込まれている。プレイヤが各領域に足を載せると、その旨が操作信号として家庭用ゲーム機11に送られる。
なお、コントローラ21は図2に示した例に限られない。例えば、コントローラ21は、プレイヤが手で持って使用する一般的なコントローラ(方向ボタン等を備えたコントローラ)であってもよい。
このダンスゲームでは、予め用意された複数の楽曲のうちのいずれかが選択される。そして、選択された楽曲が再生され、その楽曲が音声出力部31から出力される。また、楽曲ごとに、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rが踏まれるべきタイミング(以下「基準タイミング」と記載する。)が定められており、プレイヤは、楽曲ごとに定められた基準タイミングと一致するタイミングで方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを踏むことを目指す。
図3は、表示部30に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図3では省略されているが、ゲーム画面40には、ゲームを盛り上げるための背景画像として、例えば、ダンスを踊るゲームキャラクタの画像が表示される。
ゲーム画面40内の左側領域は、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを踏むべきタイミングをプレイヤに案内するための案内領域41になっている。案内領域41内の上側領域には、基準マーク42L,42D,42U,42Rが横一列に表示されている。また、基準マーク42L,42D,42U,42Rの下側には、タイミング案内マーク43が表示されている。タイミング案内マーク43は、時間経過に伴って下から上に向かって徐々に移動して、基準マーク42L,42D,42U,42Rに徐々に接近する。
基準マーク42Lは方向ボタン領域22Lに対応する。方向ボタン領域22Lが踏まれるべきタイミング(基準タイミング)にてタイミング案内マーク43は基準マーク42Lに重なる。また、基準マーク42Dは方向ボタン領域22Dに対応する。方向ボタン領域22Dが踏まれるべきタイミング(基準タイミング)にてタイミング案内マーク43は基準マーク42Dに重なる。
同様に、基準マーク42Uは方向ボタン領域22Uに対応する。方向ボタン領域22Uが踏まれるべきタイミング(基準タイミング)にてタイミング案内マーク43は基準マーク42Uに重なる。また、基準マーク42Rは方向ボタン領域22Rに対応する。方向ボタン領域22Rが踏まれるべきタイミング(基準タイミング)にてタイミング案内マーク43は基準マーク42Rに重なる。
ゲーム装置10では、プレイヤは基準マーク42L,42D,42U,42Rに徐々に接近するタイミング案内マーク43を頼りに、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを踏むべきタイミングを把握できるようになっている。
プレイヤは、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rに対応する基準タイミングにて方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを足で踏むことによって、高評価を得ることができる。なお、基準タイミングと完全に一致するタイミングでプレイヤが方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを踏まなければ肯定的評価を得ることができないという訳ではなく、その一致度に応じて評価が与えられるようになっている。
例えば、一致度に基づいて、「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、「GOOD」、「ALMOST」、及び「BOO」のうちのいずれかの評価がゲーム画面40に表示されるようになっている。なお、「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、「GOOD」、「ALMOST」、「BOO」の順に評価が高くなっている。
また、案内領域41内の中央付近にはコンボ数44が表示されている。コンボ数44は、比較的高い評価(例えば「MARVELOUS」、「PERFECT」、又は「GREAT」)を連続して得た回数である。
さらに、案内領域41内の上側領域にはゲージ45が表示されている。ゲージ45の長さは評価に基づいて変化する。例えば、評価が「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、又は「GOOD」であった場合にゲージ45は伸張し、評価が「ALMOST」又は「BOO」であった場合にゲージ45は収縮する。楽曲の再生中にゲージ45の長さが所定長(例えば零)になってしまうとゲームオーバーになる。一方、楽曲の再生が終了するまでにゲージ45の長さが所定長(例えば零)にならなければ、そのステージ(楽曲)がクリアされたことになる。この場合、プレイヤは次のステージ(楽曲)に進むことができる。
以下、ゲーム装置10において、表示部30が画像を表示する場合に生じる遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響を軽減することを、プレイヤに特段の作業を要求することなく実現するための技術について説明する。
ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図4は、ゲーム装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、ゲーム装置10は、基準タイミングデータ記憶部50、補正データ記憶部51、基準タイミング案内部52、ゲーム操作評価部53、及び補正データ生成部55を含む。基準タイミングデータ記憶部50は例えば光ディスク32によって実現され、補正データ記憶部51は例えばメモリカード33によって実現される。その他の機能ブロックは、例えば制御部13が光ディスク32に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
基準タイミングデータ記憶部50は、プレイヤがゲーム操作を行うべきタイミング(基準タイミング)を示す基準タイミングデータを記憶する。本実施形態の場合、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rを踏む行為(ステップ)が「ゲーム操作」に相当し、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rが踏まれるべきタイミングが「基準タイミング」に相当する。
例えば、基準タイミングデータ記憶部50には複数の楽曲データが記憶される。図5は、一の楽曲に対応する楽曲データの一例を示す図である。図5に示すように、楽曲データは、オリジナル楽曲データ、基準タイミングデータ、及び背景画像データを含んでいる。オリジナル楽曲データは、例えば一般のポピュラー音楽等を所定のデータ形式で保存したものである。背景画像データは、ゲーム画面40の背景として表示される画像を表すものである。
基準タイミングデータは、楽曲を再生した際にプレイヤがステップすべきタイミングを定義したものである。この基準タイミングデータは楽曲のテンポ(リズム)を考慮して作成される。図6は基準タイミングデータの一例を示す。なお、t軸は時間軸であり、楽曲の再生が開始されてからの時間経過を示している。
例えば、基準タイミングデータは、1/256小節の単位で、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rが踏まれるべきタイミングを示す。なお、図6では、説明を簡略化するために、1小節を8分割し、1/8小節の単位で、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rが踏まれるべきタイミングが示されている。
図6に示すように、各瞬間において方向ボタン領域22L,22D,22U,22Rが踏まれるべきか否かは4ビットのデータによって表される。図6において、「L」のビットは方向ボタン領域22Lに対応する。「0」は方向ボタン領域22Lを踏むべきでないことを示しており、「1」は方向ボタン領域22Lを踏むべきことを示している。同様に、「D」、「U」、「R」のビットは、それぞれ、方向ボタン領域22D,22U,22Rに対応する。
基準タイミング案内部52は基準タイミングデータに基づいて、プレイヤに基準タイミングを案内する。基準タイミング案内部52は、プレイヤに基準タイミングを案内するための案内画像を表示部30に表示する。例えば、基準タイミング案内部52は、案内画像を目標位置まで基準タイミングデータに基づいて移動させることよって、プレイヤに基準タイミングを案内する。本実施形態の場合、タイミング案内マーク43が「案内画像」に相当する。
図7は基準タイミング案内部52の機能について説明するための図であり、基準タイミングデータとタイミング案内マーク43の表示位置との関係を示す図である。
楽曲が再生されている間、現在以降の所定期間(以下「案内対象期間」と記載する。)の基準タイミングデータが読み出される。そして、その基準タイミングデータに基づいて、案内対象期間内の基準タイミングを案内するためのタイミング案内マーク43がゲーム画面40に表示される。なお、案内対象期間としては、例えば図7に示すように、1小節に対応する期間が設定される。
タイミング案内マーク43の表示位置は、タイミング案内マーク43と基準マーク42L,42D,42U,42Rとの間の距離が、基準タイミングが到来するまでの時間に対応する距離になるように調整される。すなわち、基準タイミングが到来するまでの時間が短くなるにつれて、タイミング案内マーク43から基準マーク42L,42D,42U,42Rまでの距離が短くなる。
ゲーム操作評価部53は、基準タイミングデータが示す基準タイミングと、プレイヤが実際にゲーム操作を行ったタイミング(以下「操作タイミング」と記載する。)と、に基づいて、そのゲーム操作を評価する。例えば、基準タイミングと操作タイミングとのずれ時間が小さいほど、ゲーム操作の評価は高くなる。
本実施形態の場合、例えば、方向ボタン領域22Uを踏むべきタイミング(基準タイミング)と、プレイヤが実際に方向ボタン領域22Uを踏んだタイミング(操作タイミング)とのずれ時間に基づいて、「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、「GOOD」、「ALMOST」、又は「BOO」のいずれかが評価として決定される。図8は、ずれ時間(T)と評価との関係の一例を示す図である。なお例えば、ずれ時間(T)は、操作タイミングが基準タイミングよりも早い場合に負の値になり、操作タイミングが基準タイミングよりも遅れた場合に正の値になる。方向ボタン領域22D,22L,22Rについても、方向ボタン領域22Uと同様にして評価が行われる。
補正データ生成部55は、ゲーム操作の評価を補正するための補正データを、ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて生成する。補正データは補正データ記憶部51に記憶される。なお、補正データはゲームが終了した後も補正データ記憶部51(メモリカード33)に保持され続ける。
図9は補正データの一例を示す。図9に示す補正データは、ゲーム装置10で行われた最近N回のゲーム操作に関して、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間(Th)を記録したデータとなっている。図8におけるずれ時間(T)と同様に、操作タイミングが基準タイミングよりも早い場合にずれ時間(Th)は負の値になり、操作タイミングが基準タイミングよりも遅れた場合にずれ時間(Th)は正の値になる。
ところで、上記図9に示した補正データは、プレイヤのゲーム操作の傾向を示すデータであるということができる。例えば、補正データに記録されたずれ時間(Th)の平均値が負の値である場合、プレイヤはゲーム操作を基準タイミングよりも早く行う傾向があることになる。一方、ずれ時間(Th)の平均値が正の値である場合、プレイヤはゲーム操作を基準タイミングよりも遅れて行う傾向があることになる。なお、表示部30が画像を表示する場合に遅延が生じると、タイミング案内マーク43が基準マーク42L,42D,42U,42Rに到達するタイミングが基準タイミングよりも遅れることになるため、プレイヤがゲーム操作を基準タイミングよりも遅れて行い易くなる。このため、ずれ時間(Th)の平均値が正の値である場合には表示部30の遅延の影響を受けている可能性がある。
図9に示す補正データの代わりに、ずれ時間(Th)の統計量データが記憶されるようにしてもよい。例えば、ずれ時間(Th)の平均値と標本数との組合せが記憶されるようにしてもよい。
本実施形態の場合、ゲーム操作評価部53は補正部54を含んでいる。補正部54は、補正データ記憶部51に記憶される補正データに基づいて、ゲーム操作の評価を補正する。ここでは、ゲーム操作の評価を補正する方法の例として三つの例を説明する。
一つ目の例について説明する。この例では、補正部54は、基準タイミングと操作タイミングとのずれ時間(T)を補正データに基づいて補正することによって、ゲーム操作の評価を補正する。
具体的には、まず補正部54は、基準タイミングと操作タイミングとのずれ時間(T)を取得する。その後、補正部54は補正データに基づいて補正時間(ΔT)を取得する。例えば、補正部54は補正データに記録されているずれ時間(Th)の統計値(例えば平均値)を補正時間(ΔT)として算出する。そして、補正部54はずれ時間(T)から補正時間(ΔT)を引くことによって、補正されたずれ時間(Tc)を取得する。
この場合、ゲーム操作評価部53は、補正されたずれ時間(Tc)に基づいて、ゲーム操作の評価を決定する。例えば、「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、「GOOD」、「ALMOST」又は「BOO」のいずれかが評価として決定される。
二つ目の例について説明する。この例では、補正部54は、基準タイミングを補正データに基づいて補正し、補正された基準タイミングと、操作タイミングと、の間のずれ時間に基づいて、ゲーム操作を評価する。このようにして、ゲーム操作の評価が補正されるようにしてもよい。
図10は、この場合の補正部54の機能について説明するための図である。図10において、「A」は基準タイミングデータに定義された基準タイミングを示し、「B」はプレイヤが実際にゲーム操作を行ったタイミング(操作タイミング)を示している。
この場合、補正部54は補正データに基づいて補正時間(ΔT)を取得する。一つ目の例と同様、例えば、補正部54は補正データに記録されているずれ時間(Th)の統計値(例えば平均値)を補正時間(ΔT)として算出する。そして、補正時間(ΔT)が正の値である場合、補正部54は、図10に示すように、基準タイミング(A)から補正時間(ΔT)の絶対値だけ遅らせたタイミングを、補正された基準タイミング(Ac)として取得する。一方、補正時間(ΔT)が負の値である場合、補正部54は、基準タイミング(A)から補正時間(ΔT)の絶対値だけ早めたタイミングを、補正された基準タイミング(Ac)として取得する。
さらに、補正部54は、補正された基準タイミング(Ac)と、操作タイミング(B)と、の間のずれ時間(Tc)を取得する。そして、ゲーム操作評価部53は、このようにして得られたずれ時間(Tc)に基づいて、ゲーム操作の評価を決定する。
三つ目の例について説明する。この例では、補正部54は、操作タイミングを補正データに基づいて補正し、基準タイミングと、補正された操作タイミングと、の間のずれ時間に基づいて、ゲーム操作を評価する。このようにして、ゲーム操作の評価を補正するようにしてもよい。
図11は、この場合の補正部54の機能について説明するための図である。図10と同様に、「A」は基準タイミングデータに定義された基準タイミングを示し、「B」はプレイヤが実際にゲーム操作を行ったタイミング(操作タイミング)を示している。
この場合も、補正部54は補正データに基づいて補正時間(ΔT)を取得する。例えば、補正部54は補正データに記録されているずれ時間(Th)の統計値(例えば平均値)を補正時間(ΔT)として算出する。そして、補正時間(ΔT)が正の値である場合、補正部54は、図11に示すように、操作タイミング(B)から補正時間(ΔT)の絶対値だけ早めたタイミングを、補正された操作タイミング(Bc)として取得する。一方、補正時間(ΔT)が負の値である場合、補正部54は、操作タイミング(B)から補正時間(ΔT)の絶対値だけ遅らせたタイミングを、補正された操作タイミング(Bc)として取得する。
さらに、補正部54は、基準タイミング(A)と、補正された操作タイミング(Bc)と、の間のずれ時間(Tc)を取得する。そして、ゲーム操作評価部53は、このようにして得られたずれ時間(Tc)に基づいて、ゲーム操作の評価結果を決定する。
ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図12はゲーム装置10で実行される処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。制御部13は光ディスク32に記憶されるプログラムに従って、図12に示す処理を実行する。制御部13が図12に示す処理を実行することによって、基準タイミング案内部52、ゲーム操作評価部53、及び補正データ生成部55が実現される。
図12に示すように、まず制御部13は変数iを1に初期化する(S101)。変数iは何曲目の楽曲が再生されているかを示す役割を果たす。また、制御部13は、予め用意された複数の楽曲のうちのいずれかをi番目の楽曲として選択する(S102)。楽曲の選択は予め決められた順序に従って行われるようにしてもよいし、ランダムに行われるようにしてもよい。あるいは、楽曲の選択はプレイヤの選択操作に従って行われるようにしてもよい。また、同じ楽曲が繰り返し選択されるようにしてもよい。
その後、制御部13は、ステップS102で選択された楽曲の再生を開始する(S103)。そして、制御部13(ゲーム操作評価部53)はゲーム操作(ステップ)を評価する(S104)。図13及び図14はゲーム操作を評価するための処理の一例を示すフロー図である。図13及び図14に示す処理は、方向ボタン領域22U,22D,22L,22Rの各々について実行される。なお、ここでは、方向ボタン領域22Uを踏む操作を評価する場合を例に説明する。
図13に示すように、まず制御部13は現時点が判定期間内であるか否かを判定する(S201)。図15は、判定期間について説明するための図である。図15においてt軸は時間軸を示す。「A」は、方向ボタン領域22Uが踏まれるべきタイミング、すなわち方向ボタン領域22Uに対応する基準タイミングを示し、「B1」及び「B2」は、方向ボタン領域22Uが踏まれたタイミング、すなわち操作タイミングを示す。
本実施の形態では基準タイミングごとに判定期間が設定される。図15において、「L」は判定期間を示している。判定期間(L)は基準タイミング(A)を中心とする一定期間である。判定期間(L)では、この期間内の最初の操作タイミングが評価対象として取り扱われる。
例えば図15に示す例では、判定期間(L)において、二つの操作タイミング(B1,B2)が存在しているが、この場合、1回目の操作タイミング(B1)が基準タイミング(A)との比較対象とされる。2回目以降の操作タイミング(B2)は基準タイミング(A)との比較対象から除かれる。このようにする理由は、基準タイミング(A)付近でプレイヤが方向ボタン領域22Uを何度も繰り返し踏んだような場合であっても、評価が適切に行われるようにするためである。
ステップS201において現時点が判定期間内でないと判定された場合、制御部13は本処理を終了し、図12のステップS105の処理を実行する。一方、ステップS201において現時点が判定期間内であると判定された場合、制御部13は操作済みフラグが「0」であるか否かを判定する(S202)。操作済みフラグは、現在の判定期間において、方向ボタン領域22Uが踏まれた否かを示す情報である。操作状態フラグは0又は1の値をとる。「0」は、方向ボタン領域22Uが踏まれていないことを示し、「1」は、方向ボタン領域22Uが踏まれたことを示す。
操作済みフラグが「0」でない場合、制御部13は、図13及び図14のステップS203〜S213の処理を実行せずに、後述のステップS214の処理を実行する。一方、操作済みフラグが「0」である場合、制御部13は方向ボタン領域22Uが踏まれたか否かを判定する(S203)。この判定はコントローラ21から供給される操作信号に基づいて行われる。
方向ボタン領域22Uが踏まれていないと判定された場合、制御部13は、図13及び図14のステップS204〜S213の処理を実行せずに、後述のステップS214の処理を実行する。一方、方向ボタン領域22Uが踏まれたと判定された場合、制御部13は操作済みフラグを「1」に更新する(S204)。
さらに、制御部13は、基準タイミングと操作タイミング(現時点)とのずれ時間(T)を取得する(S205)。このずれ時間(T)は、操作タイミングが基準タイミングよりも早い場合には負の値になり、かつ、操作タイミングが基準タイミングよりも遅れている場合には正の値になる。
制御部13は補正データに基づいて補正時間(ΔT)を取得する(S206)。例えば、補正データに記録されている過去のずれ時間(Th)の平均値が補正時間(ΔT)として取得される。そして、制御部13(補正部54)は、ステップS205で取得されたずれ時間(T)から、ステップS206で取得された補正時間(ΔT)を引くことによって、補正されたずれ時間(Tc)を取得する(S207)。その後、制御部13は、補正されたずれ時間(Tc)に基づいて評価を決定する(S208)。例えば、図8に示すデータに基づいて評価が決定される。
ステップS208において評価が決定された後、制御部13は、ステップS208で決定された評価が「MARVELOUS」、「PERFECT」、又は「GREAT」のいずれかであるか否かを判定する(S209)。評価が「MARVELOUS」、「PERFECT」、又は「GREAT」のいずれかである場合、制御部13は、主記憶14に記憶されるコンボ数44に1を加算する(S210)。一方、評価が「MARVELOUS」、「PERFECT」、及び「GREAT」のいずれでもない場合、制御部13はコンボ数44を0に更新する(S211)。
ステップS210又はS211の処理が実行された後、図14に示すように、制御部13(補正データ生成部55)は、ステップS205で取得されたずれ時間(T)の絶対値が基準値よりも小さいか否かを判定する(S212)。ステップS212の処理を実行する目的は、後述のように、ずれ時間(T)が大きすぎる場合、すなわち、プレイヤが明らかにゲーム操作を失敗したと考えられる場合にずれ時間(T)を補正データの生成の基礎として用いないようにするためである。このため、ずれ時間(T)が大きすぎるか否か(言い換えれば、プレイヤが明らかにゲーム操作を失敗したか否か)を判定するための基準となるずれ時間が、ステップS212における基準値として設定される。具体的には、例えば図8における「T3」が基準値として設定される。
ずれ時間(T)の絶対値が基準値よりも小さい場合、制御部13(補正データ生成部55)はずれ時間(T)に基づいて補正データを更新する(S213)。すなわち、ステップS205で取得されたずれ時間(T)が補正データに追加登録される。なお、すでにN個のずれ時間が補正データに記録されている場合には、最も古いものが削除された後、ステップS205で取得されたずれ時間(T)が記録される。
一方、ずれ時間(T)の絶対値が基準値以上である場合、制御部13は、ステップS213の処理を実行せずに、ステップS214の処理を実行する。このように、本実施形態では、ずれ時間(T)が大きすぎる場合、すなわち、プレイヤが明らかにゲーム操作を失敗したと考えられる場合には、そのずれ時間(T)が補正データの生成の基礎として用いられないようになっている。
その後、制御部13は判定期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S214)。判定期間の終了タイミングが到来していない場合、制御部13は本処理を終了し、図12のステップS105の処理を実行する。一方、判定期間の終了タイミングが到来した場合、制御部13は操作済みフラグが「0」であるか否かを判定する(S215)。操作済みフラグが「0」である場合とは、判定期間内に方向ボタン領域22Uが踏まれなかった場合である。この場合、制御部13は、評価を最も低いものに決定する(S216)。なお、この場合、コンボ数44が0に更新される。そして、制御部13は本処理を終了し、図12のステップS105の処理を実行する。
一方、操作済みフラグが「0」でない場合、制御部13は操作済みフラグを「0」に更新する(S217)。そして、制御部13は本処理を終了し、図12のステップS105の処理を実行する。
ゲーム操作(ステップ)を評価するための処理(図13及び図14)が実行された後、図12に示すように、制御部13(基準タイミング案内部52)はゲーム画面40を更新する(S105)。このステップS105では、基準タイミングデータに基づいて、新たなタイミング案内マーク43が表示されたり、すでに表示されているタイミング案内マーク43の表示位置が更新されたりする。
また、ステップS208で評価が決定された場合、ゲージ45の長さがその評価に基づいて更新される。評価が「MARVELOUS」、「PERFECT」、「GREAT」、又は「GOOD」である場合、ゲージ45は伸張され、評価が「ALMOST」又は「BOO」である場合、ゲージ45は収縮される。
その後、制御部13はゲージ45の長さが零になったか否かを判定する(S106)。ゲージ45の長さが零になっていない場合、制御部13は楽曲の再生が終了したか否かを判定する(S107)。楽曲の再生が終了していない場合、ステップS104の処理が再実行される。一方、楽曲の再生が終了した場合、制御部13はゲーム成績画面を表示し(S108)、変数iに1を加算し(S109)、ステップS102の処理を再実行する。
なお、ステップS106において、ゲージ45の長さが零になったと判定された場合、制御部13はゲームオーバー画面を表示し(S110)、本処理を終了する。
以上に説明したゲーム装置10によれば、ゲーム操作(ステップ)の評価が、ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて補正される。ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間には、プレイヤのゲーム操作の技量に起因するずれ時間に加えて、表示部30の遅延に起因するずれ時間が反映されている。このため、ゲーム操作(ステップ)の評価が、ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて補正されることによって、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が軽減されるようになる。
なお、表示部30の遅延は、表示部30の機種や、家庭用ゲーム機11と表示部30との接続状況によって異なる。この点、ゲーム装置10によれば、ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて補正がおこなわれるため、機種や接続状況に応じて異なる表示部30の遅延にも対応することができる。
また、ゲーム装置10では特段の作業がプレイヤに要求されることがない。
上述のように、ゲーム装置10では、プレイヤのゲーム操作(ステップ)の評価が、ゲーム装置10で過去に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて補正される。このため、ゲーム装置10によれば、プレイヤのゲーム操作の傾向(例えば基準タイミングよりも遅れてゲーム操作を行う傾向があるのか等)を考慮して、ゲーム操作の評価が補正されるようになる。例えば、基準タイミングよりも遅れてゲーム操作を行う傾向があるプレイヤがゲームを繰り返しプレイすると、その傾向を踏まえてゲーム操作の評価が補正されるようになる。その結果、基準タイミングよりも遅れてゲーム操作を行う傾向が改善されないプレイヤであっても、高い評価を得ることができるようになる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、楽曲の特徴や難易度等を考慮して決定する点で第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様のハードウェア構成を有する(図1,2参照)。また第2実施形態では、第1実施形態と同様に、例えばダンスゲームが実行される(図3参照)。
さらに、第2実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様の機能ブロックを含む(図4参照)。ただし、第2実施形態における補正データ生成部55は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、楽曲の特徴や難易度等を考慮して決定する点で第1実施形態と異なる。以下、補正データ生成部55の機能について説明する。
第2実施形態における補正データ生成部55は、楽曲が所定条件を満足するか否かを判定する。そして、補正データ生成部55は、所定条件を満足する楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いる。言い換えれば、補正データ生成部55は、所定条件を満足しない楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いない。
(1)「所定条件」は、例えば、楽曲が所定の楽曲であるか否かの条件である。例えば、難易度が低い楽曲、テンポ(リズム)が遅い楽曲、テンポをとりやすい楽曲、又はプレイヤが得意な楽曲が「所定の楽曲」として予め選択される。なお、プレイヤが得意な楽曲は、例えば、プレイヤの楽曲ごとのゲーム成績に基づいて特定される。
この場合、例えば、「所定の楽曲」として選択された楽曲を特定するための情報が記憶部(例えば光ディスク32又はメモリカード33)に記憶される。補正データ生成部55は、この情報に基づいて、楽曲が所定の楽曲であるか否かを判定する。
例えば、楽曲の難易度が低い場合、プレイヤは基準タイミングと一致するタイミングでゲーム操作を行い易くなる。その結果、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤの技量に起因して生じる可能性が低くなり、操作タイミングと基準タイミングとのずれが生じている場合には、表示部30の遅延に起因している可能性が高くなる。
この点、上記のようにすれば、難易度が低い楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎とされるようになり、その結果、主に、表示部30の遅延に起因するずれ時間に基づいて補正データが生成されるようになる。そして、このような補正データに基づいてゲーム操作の評価の補正が行われることによって、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が効果的に軽減されるようになる。
(2)また、「所定条件」は、例えば、楽曲の再生回数(選択回数)又は再生頻度(選択頻度)に関する条件であってもよい。より具体的には、例えば、楽曲の再生回数が基準値よりも多いか否かの条件、又は楽曲の再生頻度が基準値よりも高いか否かの条件が「所定条件」として設定されるようにしてもよい。この場合、各楽曲の再生回数又は再生頻度に関する情報が記憶部(例えばメモリカード33)記憶される。補正データ生成部55は、この情報に基づいて、楽曲が「所定条件」を満足するか否かを判定する。
例えば、楽曲の再生回数が多い場合、プレイヤは、その楽曲に合わせてゲーム操作を行うことを多く経験していることになる。このような場合、プレイヤは基準タイミングと一致するタイミングでゲーム操作を行える可能性が高い。その結果、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤの技量に起因して生じる可能性が低くなり、操作タイミングと基準タイミングとのずれが生じている場合には、表示部30の遅延に起因している可能性が高くなる。
この点、上記のようにすれば、再生回数が多い楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎とされるようになり、その結果、主に、表示部30の遅延に起因するずれ時間に基づいて補正データが生成されるようになる。そして、このような補正データに基づいてゲーム操作の評価の補正が行われることによって、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が効果的に軽減されるようになる。
(3)また例えば、「所定条件」は、楽曲が再生順序(選択順序)に関する条件であってもよい。言い換えれば、「所定条件」は、楽曲が何番目に再生(選択)されたかの条件であってもよい。具体的には、例えば、楽曲が3番目以降に再生された楽曲であるか否かの条件が「所定条件」として設定されるようにしてもよい。例えば図13及び図14に示す処理が実行される場合、楽曲が3番目以降に選択された楽曲であるか否かは、変数iの値が3以上であるか否かを判定することによって判定することができる。
プレイヤはゲームを繰り返しプレイするうちに、ゲームに慣れてきてゲーム操作を失敗し難くなる。このため、例えば、3曲目の楽曲の場合には、1曲目の楽曲の場合に比べて、プレイヤがゲーム操作を失敗し難くなる。その結果、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤの技量に起因して生じる可能性が低くなり、操作タイミングと基準タイミングとのずれが生じている場合には、表示部30の遅延に起因している可能性が高くなる。
この点、上記のようにすれば、例えば3曲目の楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎とされるようになり、その結果、主に、表示部30の遅延に起因するずれ時間に基づいて補正データが生成されるようになる。そして、このような補正データに基づいてゲーム操作の評価の補正が行われることによって、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が効果的に軽減されるようになる。
(4)また例えば、「所定条件」は、楽曲と、その楽曲の直前に再生されていた楽曲と、の組み合わせに関する条件であってもよい。例えば、それら二つの楽曲の組み合わせが所定の組み合わせであるか否かの条件が「所定条件」として設定されるようにしてもよい。この場合、例えば、テンポの差が比較的小さいような楽曲の組み合わせが「所定の組み合わせ」に相当する。
この場合、楽曲の所定の組み合わせを示す情報が記憶部(例えば光ディスク32)に記憶される。補正データ生成部55は、第1の楽曲と、第1の楽曲の直前に再生されていた第2の楽曲と、の組み合わせが所定の組み合わせであるか否かを、この情報に基づいて判定する。そして、第1の楽曲と第2の楽曲との組み合わせが所定の組み合わせである場合、補正データ生成部55は、第1の楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いる。
なお、補正データ生成部55は、第1の楽曲と第2の楽曲とのテンポに関する情報を記憶部(例えば光ディスク32)から読み出し、第1の楽曲と第2の楽曲とのテンポの差が基準よりも小さいか否かを判定するようにしてもよい。また、第1の楽曲と第2の楽曲とのテンポの差が基準よりも小さい場合に、補正データ生成部55は、第1の楽曲と第2の楽曲との組み合わせが所定の組み合わせであると判断して、第1の楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとの間のずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いるようにしてもよい。
第1の楽曲と、第1の楽曲の直前に再生されていた第2の楽曲とのテンポの差が比較的大きい場合、第1の楽曲の再生中に、プレイヤは第2の楽曲とのテンポの差に戸惑ってゲーム操作を失敗し易くなる。その結果、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤのゲーム操作の失敗に起因して生じる可能性が高くなる。この点、上記のようにすれば、第1の楽曲と、第1の楽曲の直前に再生されていた第2の楽曲とのテンポの差が大きい場合には、第1の楽曲の再生中に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎として用いられないようになる。
第2実施形態において実行される処理について説明する。第2実施形態では、図14に示す処理の代わりに、図16に示す処理が実行される。図16に示す処理は、ステップS212の処理が実行される前にステップS301の処理が実行される点で、図14に示す処理と異なっている。なお、図16のステップS212〜S217の処理は図14のステップS212〜S217の処理と同様である。
図16に示す処理では、図13のステップS210又はS211でコンボ数44が更新された後、制御部13が、再生中の楽曲が所定条件を満足するか否かを判定する(S301)。そして、再生中の楽曲が所定条件を満足する場合、制御部13はステップS212の処理を実行する。一方、再生中の楽曲が所定条件を満足しない場合、制御部13はステップS212,S213の処理を実行せずに、ステップS214の処理を実行する。
[第3実施形態]
第3実施形態は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、ゲーム操作の特徴や難易度等を考慮して決定する点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下、第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様のハードウェア構成を有する(図1,2参照)。また第3実施形態では、第1実施形態と同様に、例えばダンスゲームが実行される(図3参照)。
さらに、第3実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様の機能ブロックを含む(図4参照)。ただし、第3実施形態における補正データ生成部55は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、ゲーム操作の特徴や難易度等を考慮して決定する点で第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下、補正データ生成部55の機能について説明する。
第3実施形態における補正データ生成部55は、ゲーム操作が所定条件を満足するか否かを判定する。そして、補正データ生成部55は、所定条件を満足するゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いる。なお、補正データ生成部55は、所定条件を満足しないゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いない。
(1)例えば、「所定条件」は、ゲーム操作が所定のゲーム操作であるか否かの条件である。例えば、難易度が低いゲーム操作が「所定のゲーム操作」として予め選択される。なお、「難易度の低いゲーム操作」とは、例えば、技量の低いプレイヤであっても、基準タイミングと一致するタイミングで行い易いようなゲーム操作である。例えば、直前のゲーム操作との間の時間間隔が広いゲーム操作は、プレイヤが余裕を持って行うことができるため、「難易度の低いゲーム操作」であるということができる。
一方、例えば、複数のゲーム操作の基準タイミングが一致している場合、プレイヤは一時に複数のゲーム操作を行わなければならないため、このような複数のゲーム操作は「難易度の低いゲーム操作」には相当しない。また例えば、一般的にプレイヤは裏打ち(バックビート)のタイミング(例えば、4分の4拍子の第2拍目や第4拍目)をとり難いため、基準タイミングが裏打ちのタイミングに設定されているようなゲーム操作は、「難易度の低いゲーム操作」には相当しない。
また例えば、プレイヤが得意なゲーム操作が「所定のゲーム操作」として予め選択される。「プレイヤが得意なゲーム操作」は、例えばプレイヤの過去のゲーム成績に基づいて特定される。
この態様では、例えば、「所定のゲーム操作」として選択されたゲーム操作を特定するための情報が記憶部(例えば光ディスク32又はメモリカード33)に記憶される。補正データ生成部55は、この情報に基づいて、ゲーム操作が所定のゲーム操作であるか否かを判定する。
例えば、ゲーム操作の難易度が低い場合、プレイヤは基準タイミングと一致するタイミングでゲーム操作を行い易くなる。その結果、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤのゲーム操作の失敗に起因して生じる可能性が低くなり、操作タイミングと基準タイミングとのずれが生じている場合には、表示部30の遅延に起因している可能性が高くなる。
この点、上記のようにすれば、難易度が低いゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎とされるようになり、その結果、主に、表示部30の遅延に起因するずれ時間に基づいて補正データが生成されるようになる。そして、このような補正データに基づいてゲーム操作の評価の補正が行われることによって、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が効果的に軽減されるようになる。
(2)また例えば、「所定条件」は、ゲーム操作の基準タイミング(すなわち、そのゲーム操作を行うべきタイミング)が楽曲が再生されている間の所定期間内であるか否かの条件であってもよい。言い換えれば、「所定条件」は、ゲーム操作が楽曲が再生されている間の所定期間内に行われたか否かの条件であってもよい。なお、「所定期間」とは、例えば、楽曲の所定部分(例えば中盤部分)が再生されている期間である。この場合、補正データ生成部55は、基準タイミングデータに基づいて、ゲーム操作が所定条件を満足するか否かを判定するようにすればよい。
例えば、楽曲の序盤部分においてプレイヤはゲームに慣れていないことによってゲーム操作を失敗し易い。また、楽曲の終盤部分においてプレイヤは疲れによってゲーム操作を失敗し易い。このため、楽曲の序盤部分や終盤部分では、操作タイミングと基準タイミングとのずれがプレイヤのゲーム操作の失敗に起因して生じる可能性が高くなる。この点、上記のようにすれば、楽曲の序盤部分又は終盤部分に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎として用いられないようになる。
第3実施形態で実行される処理について説明する。第3実施形態では、図14に示す処理の代わりに、図17に示す処理が実行される。図17に示す処理は、ステップS212の処理が実行される前にステップS401の処理が実行される点で、図14に示す処理と異なっている。なお、図17のステップS212〜S217の処理は図14のステップS212〜S217の処理と同様である。
図17に示す処理では、図13のステップS210又はS211でコンボ数44が更新された後、制御部13が、現在の判定期間においてプレイヤが行うべきゲーム操作(ステップ)が所定条件を満足するか否かを判定する(S401)。そして、ゲーム操作が所定条件を満足する場合、制御部13はステップS212の処理を実行する。一方、ゲーム操作が所定条件を満足しない場合、制御部13はステップS212,S213の処理を実行せずに、ステップS214の処理を実行する。
[第4実施形態]
第4実施形態は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、所定の評価が連続して下されているか否かを考慮して決定する点で第1実施形態〜第3実施形態と異なる。以下、第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様のハードウェア構成を有する(図1,2参照)。また第4実施形態では、第1実施形態と同様に、例えばダンスゲームが実行される(図3参照)。
さらに、第4実施形態に係るゲーム装置10は第1実施形態と同様の機能ブロックを含む(図4参照)。ただし、第4実施形態における補正データ生成部55は、操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を補正データの生成の基礎として用いるか否かを、所定の評価が連続して下されているか否かを考慮して決定する点で第1実施形態〜第3実施形態と異なる。以下、補正データ生成部55の機能について説明する。
第4実施形態における補正データ生成部55は、所定の評価が連続して下されているか否かを判定する。なお、「所定の評価」とは、例えば比較的高い評価であり、より具体的には、「MARVELOUS」、「PERFECT」、又は「GREAT」である。また、「所定の評価が連続して下されている場合」とはコンボ数44が2以上である場合に相当する。
補正データ生成部55は、所定の評価が連続して下されている場合に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いる。言い換えれば、補正データ生成部55は、所定の評価が連続して下されていない場合に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間を、補正データの生成の基礎として用いない。
所定の評価が連続して下されている場合(すなわち、コンボ数44が2以上である場合)とは、プレイヤが楽曲のリズムにのっている場合(言い換えれば、プレイヤが一定のリズムでゲーム操作を行っている場合)である。このような場合における操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間は、プレイヤの技量に起因しているものは少なく、表示部30の遅延に起因しているものが多い。
この点、上記のようにすれば、所定の評価が連続して下されている場合に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間が、補正データの生成の基礎とされるようになり、その結果、主に、表示部30の遅延に起因するずれ時間に基づいて補正データが生成されるようになる。そして、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、表示部30の遅延がゲーム操作の評価に及ぼす影響が効果的に軽減されるようになる。
第4実施形態で実行される処理について説明する。第4実施形態では、図14に示す処理の代わりに、図18に示す処理が実行される。図18に示す処理は、ステップS212の処理の代わりにステップS501の処理が実行される点で、図14に示す処理と異なっている。なお、図18のステップS213〜S217の処理は図14のステップS213〜S217の処理と同様である。
図18に示す処理では、図13のステップS210又はS211でコンボ数44が更新された後、制御部13が、コンボ数44が2以上であるか否かを判定する(S501)。すなわち、制御部13は所定の評価(例えば、「MARVELOUS」、「PERFECT」、又は「GREAT」)が連続して下されているか否かを判定する。そして、コンボ数44は2以上である場合、制御部13はステップS213の処理を実行する。一方、コンボ数44は2以上でない場合、制御部13はステップS213の処理を実行せずに、ステップS214の処理を実行する。
[他の実施形態]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
(1)例えば、ゲーム操作の評価の補正に用いられる補正データを楽曲のテンポに基づいて変えるようにしてもよい。
この場合、補正データ記憶部51は、楽曲のテンポに関するテンポ条件に対応づけて、補正データを記憶する。また、補正データ生成部55は、テンポ条件に対応づけて記憶される補正データを、該テンポ条件を満足する楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて生成する。そして、補正部54は、再生中の楽曲が満足するテンポ条件に対応づけて記憶される補正データに基づいて、ゲーム操作の評価を補正する。こうすれば、楽曲のテンポを考慮して、ゲーム操作の評価の補正を行うことができるようになる。
(2)また例えば、ゲーム操作の評価の補正に用いられる補正データを楽曲に基づいて変えるようにしてもよい。
この場合、補正データ記憶部51は、楽曲に対応づけて補正データを記憶する。補正データ生成部55は、楽曲に対応づけて記憶される補正データを、該楽曲が再生されている間に行われたゲーム操作の操作タイミングと基準タイミングとのずれ時間に基づいて生成する。そして、補正部54は、再生中の楽曲に対応づけて記憶される補正データに基づいて、ゲーム操作の評価を補正する。こうすれば、ゲーム操作の評価の補正を楽曲を考慮して行うことができるようになる。
(3)また例えば、ゲーム操作の評価の補正機能を有効にするか否かをプレイヤが選択できるようにしてもよい。
(4)また例えば、基準タイミング案内部52は、プレイヤに基準タイミングを案内するための案内画像を補正データに基づいて表示するようにしてもよい。
例えば、基準タイミングデータに基づいて案内画像が目標位置まで移動することによって、プレイヤに基準タイミングが案内されるようになっている場合、基準タイミング案内部52は、案内画像が目標位置に到達するタイミングを補正データに基づいて補正するようにしてもよい。
例えば図4に示すゲーム画面40の場合、基準タイミング案内部52は、タイミング案内マーク43が基準マーク42L,42D,42U,42Rに到達するタイミングを、補正データに基づいて補正するようにしてもよい。例えば、補正時間(ΔT)が正の値である場合、タイミング案内マーク43が基準マーク42L,42D,42U,42Rに到達するタイミングを補正時間(ΔT)の絶対値だけ早めるようにしてもよい。
なお、例えば、案内画像の表示開始タイミングが基準タイミングデータに基づいて設定されることによって、基準タイミングがプレイヤに案内されるような場合、基準タイミング案内部52は案内画像の表示開始タイミングを補正データに基づいて補正するようにしてもよい。
また、例えば、案内画像の表示態様等が基準タイミングデータに基づいて変化することによって、基準タイミングがプレイヤに案内されるような場合、基準タイミング案内部52は案内画像の変化タイミングを補正データに基づいて補正するようにしてもよい。
(5)また、本発明は、ダンスゲーム以外の音楽ゲームにも適用することができる。本発明は、プレイヤが楽曲に合わせてゲーム操作を行うゲームに適用することができる。