JP5372294B2 - 中継衛星および衛星通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、狭帯域信号から超広帯域信号までの様々な信号を中継する中継衛星と、この中継衛星を用いた衛星通信システムに関する。
従来、複数のビームから複数のビームにデータを中継するデジタルチャネライザ搭載の中継衛星では、AD変換器(A/D),DA変換器(D/A),デジタル信号処理部の各サンプリング速度を上げることで、各ビームからの広帯域な信号のデータ中継が可能である。このような、デジタルチャネライザ搭載の中継衛星に関する技術が、下記特許文献1において開示されている。
特表2006−516867号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、広帯域信号を処理する場合には、例えば1.4Gspsの高速サンプリングが必要であり、A/D,D/Aのサンプリング速度や、{分波部,合波部,スイッチ部}で構成されるデジタル信号処理部の処理速度の高速化に伴い、衛星の消費電力が増大する、という問題があった。
また、耐放射線に優れた宇宙用デバイスは、一般に地上で使われている民生用デバイスと比較してサンプリング速度、処理速度が低いため、中継衛星の更なる広帯域化を実現することは、宇宙用デバイスの性能限界上、実現できない、という問題があった。
更に、上記従来の技術によれば、一式の{A/D,D/A,デジタル分波/合波}で、1つの広帯域信号を処理するため、仮に{A/D,D/A,デジタル分波/合波}のいずれかが故障する、あるいは予期せぬ干渉波入力等により入力信号が飽和すると、通信が不能となる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来よりも広帯域な信号を中継することが可能で、かつ故障や干渉に強い中継衛星、及び衛星通信システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる中継衛星は、複数の受信アンテナと、複数の受信処理手段と、複数の送信処理手段と、複数の送信アンテナと、前記複数の受信アンテナそれぞれで受信した信号を前記受信処理手段の1つまたは2つ以上に出力する第1のスイッチ手段と、前記複数の受信処理手段それぞれが受信処理を行って得られたデジタル受信信号を前記送信処理手段の1つまたは2つ以上に出力する第2のスイッチ手段と、前記複数の送信処理手段それぞれが送信処理を行って得られたアナログ信号を前記送信アンテナの1つに出力する第3のスイッチ手段と、を備え、前記第1のスイッチ手段は、前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の受信信号が入力された場合、当該広帯域受信信号を複数の受信処理手段に出力し、前記受信処理手段は、自身で処理可能な帯域よりも広帯域の信号が入力された場合、当該入力信号の一部の帯域を対象として受信処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、宇宙用デバイスの性能限界を超える広帯域信号を中継できるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる中継衛星の構成を示す図である。 図2は、中継衛星において受信側の処理を行う構成要素の内部構成例を示す図である。 図3は、中継衛星において送信側の処理を行う構成要素の内部構成例を示す図である。 図4は、受信局の構成例を示す図である。 図5は、受信局が備えている合成部の構成例を示す図である。 図6は、信号中継動作例の概要を示す図である。 図7は、信号中継動作(受信側)の一例を示す図である。 図8は、受信ポート#nの分波部と受信ポート#n+1の分波部が処理する信号のスペクトラムの関係を示す図である。 図9は、受信ポート#2で受信する信号の一例を示す図である。 図10は、信号中継動作(送信側)の一例を示す図である。 図11は、中継衛星から受信局へ送信する広帯域信号の一例を示す図である。 図12は、信号中継動作における遅延処理例を示す図である。 図13は、相互相関特性の一例を示す図である。 図14は、受信局で合成後の信号ベクトルの一例を示す図である。 図15は、実施の形態2の中継衛星が処理する信号のフレームフォーマットを示す図である。 図16は、実施の形態2の中継衛星により中継された信号を受信する受信局の構成例を示す図である。 図17は、実施の形態4のデジタルスイッチマトリックス部の構成例を示す図である。 図18は、デジタルスイッチマトリックス部が備えている位相補償部の処理の一例を示す図である。 図19は、異なる2つの受信ポートに入力された受信信号の同一成分の関係の一例を示す図である。 図20は、異なる2つの受信ポートに入力された受信信号の同一成分の関係の一例を示す図である。 図21は、デジタルスイッチマトリックス部が備えている経路遅延差検出部の動作例を示す図である。 図22は、実施の形態4のデジタルスイッチマトリックス部の構成例を示す図である。 図23は、中継衛星から受信局へ送信する広帯域信号の一例を示す図である。 図24は、異なる2つの送信ポートから出力され、同一送信アンテナから送信される信号の関係の一例を示す図である。 図25は、相互相関特性の一例を示す図である。 図26は、図13に示した相互相関特性の詳細を示す図である。 図27は、実施の形態6の中継衛星において受信側の処理を行う受信部の内部構成例を示す図である。 図28は、実施の形態6の中継衛星において送信側の処理を行う送信部の内部構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかる中継衛星および衛星通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態では、広帯域信号を、低いサンプリング速度、処理速度のデバイスを用いて中継することが可能な中継衛星、および衛星通信システムについて説明する。
なお、本実施の形態では、中継衛星が、2つのビームエリアからの上り信号計4つ({A,B,C,D})を2つのビームエリアに中継する場合について説明するが、ビーム数が3以上の場合や、中継する信号が5つ以上の場合にも適用可能である。
図1は、本発明にかかる中継衛星の構成例を示す図であり、中継衛星は、信号を受信する受信部、信号を送信する送信部、受信部で受信した信号を送信部に受け渡す接続部、受信部に接続された複数の受信アンテナ、送信部に接続された複数の送信アンテナを備えており、受信アンテナを介して受信した信号に対して後述する信号処理を実施し、送信アンテナから送信することにより信号を中継する。
図2は、図1に示した中継衛星において受信側の処理を行う構成要素、具体的には、受信部および接続部の内部構成例を示す図である。なお、説明の都合上、中継対象とする信号の送信元装置(送信局)、についても記載している。
図2に示したように、中継衛星200は、受信側の処理を行う構成要素として、広帯域ビームエリア100,狭帯域ビームエリア102からの信号を受信する受信アンテナ21−1,21−2,…21−Nと、受信アナログスイッチマトリックス部22と、バンドパスフィルタ23−1,23−2,23−3,…,23−Nと、ミキサ24−1,24−2,24−3,…,24−Nと、受信ローカル生成部25と、原振26と、ローパスフィルタ(LPF)27−1,27−2,27−3,…,27−Nと、AD変換器(A/D)28−1,28−2,28−3,…,28−Nと、遅延回路29−1,29−2,29−3,…,29−Nと、分波部30−1,30−2,30−3,…,30−Nと、デジタルスイッチマトリックス部31と、を備える。受信アナログスイッチマトリックス部〜分波部が、図1に示した受信部を構成する。デジタルスイッチマトリックス部が図1に示した接続部を構成する。
また、図2において、広帯域ビームエリア100には広帯域送信局101が存在し、狭帯域ビームエリア102には狭帯域送信局103,104,105が存在している。
図3は、図1に示した中継衛星において送信側の処理を行う構成要素、具体的には、送信部の内部構成例を示す図である。なお、説明の都合上、中継対象とする信号の送信先装置(受信局)、についても記載している。
図3に示したように、中継衛星200は、送信側の処理を行う構成要素として、合波部32−1,32−2,32−3,…,32−Nと、遅延回路33−1,33−2,33−3,…,33−Nと、DA変換器(D/A)34−1,34−2,34−3,…,34−Nと、ローパスフィルタ(LPF)35−1,35−2,35−3,…,35−Nと、ミキサ36−1,36−2,36−3,…,36−Nと、送信ローカル生成部37と、バンドパスフィルタ(BPF)38−1,38−2,38−3,…,38−Nと、送信アナログスイッチマトリックス部39と、ビームエリア400,402へ信号(中継信号)を送信する送信アンテナ40−1,40−2,…,40−Nと、を備える。また、図3において、ビームエリア400には受信局401が存在し、ビームエリア402には受信局403が存在している。
図4は、本実施の形態における受信局401の構成例を示す図であり、この受信局401はスペクトラム拡散用受信局である。すなわち、本実施の形態では、スペクトラム拡散用受信局に対して信号を中継する中継衛星について説明する。
図4に示したように、本実施の形態の受信局401は、アンテナ500と、アンプ501と、バンドパスフィルタ(BPF)502と、ミキサ503と、受信ローカル生成部504と、ローパスフィルタ(LPF)505と、AD変換器(A/D)506と、分波部507と、広帯域信号用復調器510と、狭帯域信号用復調器508,509とを備える。また、広帯域信号用復調器510は、相互相関器511と、ベクトル位相検出部512と、合成部513と、検波部514とを備える。
図5は、受信局401が備えている合成部513の構成例を示す図である。図示したように、合成部513は、遅延量と相互相関データを処理する遅延器600,601と、遅延器600,601によって処理が実施されたデータに移相を持たせるための移送器610,611と、加算器620と、ラッチ630とを備える。
続いて具体的に本実施の形態の中継衛星による信号中継処理について説明する。図6は、本実施の形態の中継衛星による信号中継動作の一例を示す図である。
本実施の形態では、中継衛星200が、以下の信号A,B,C,Dを、図6に示す周波数配置にて同時中継する場合について説明を行う。
<1>広帯域ビームエリア100内の広帯域送信局101からの広帯域信号Aを、ビームエリア400内の受信局401へ送信
<2>狭帯域ビームエリア102内の狭帯域送信局103からの狭帯域信号Bを、ビームエリア402内の受信局403へ送信
<3>狭帯域ビームエリア102内の狭帯域送信局104からの狭帯域信号Cを、ビームエリア400内の受信局401へ送信
<4>狭帯域ビームエリア102内の狭帯域送信局105からの狭帯域信号Dを、ビームエリア400内の受信局401へ送信
ここで、中継衛星200内の一式の{AD変換器,分波部,合波部,DA変換器}で処理可能な信号帯域幅の上限を1とし、これに対して、広帯域信号Aの帯域幅は1.5、狭帯域信号B,C,Dの各帯域幅は0.25である場合を想定すると、従来技術では、広帯域信号Aをデジタル分波、合波、スイッチングすることが出来ない。これに対して、本実施の形態では、詳細については後述するが、このような広帯域信号Aも含めて、通信の品質劣化を防止しつつ各信号{A,B,C,D}を中継する。
以降、図2,図7を用いて中継衛星200の受信処理を説明する。
広帯域信号Aは、図2に示すように、受信アンテナ21−1で受信され、受信アナログスイッチマトリックス部22に入力される。また狭帯域信号B,C,Dは、受信アンテナ21−2で受信され、同様に受信アナログスイッチマトリックス部22に入力される。
受信アナログスイッチマトリックス部22は、地上の制御局110からのコマンド信号によって制御される。コマンド信号は別回線で、制御局110から中継衛星200に送信される。
本例では、受信アナログスイッチマトリックス部22は、制御局110からのコマンド信号に従い、受信アンテナ21−1からの広帯域信号Aについては、後段の受信ポート#0に対応するバンドパスフィルタ(BPF)23−1と、後段の受信ポート#1に対応するバンドパスフィルタ(BPF)23−2に同時に入力させる。
BPF23−1に入力された広帯域信号Aは、後段のミキサ24−1およびローパスフィルタ(LPF)27−1を経由して、無線周波数帯から中間周波数帯、あるいはベースバンド帯に周波数変換される。この際、BPF23−1とLPF27−1によるアナログフィルタ(通過帯域幅1.0)により、広帯域信号Aは、図7(a)に示すように、その中心周波数から低い方の帯域半分近くが削られ、その帯域幅は1.5から0.75+αまで削減される。
同様に、BPF23−2に入力された広帯域信号Aは、後段のミキサ24−2およびローパスフィルタ(LPF)27−2を経由して、無線周波数帯から中間周波数帯、あるいはベースバンド帯に周波数変換される。この際、BPF23−2とLPF27−2によるアナログフィルタ(通過帯域幅1.0)により、広帯域信号Aは、図7(d)に示すように、その中心周波数から高い方の帯域半分近くが削られ、その帯域幅は1.5から0.75+αまで削減される。
このアナログフィルタ処理により、後段のAD変換器28−1,28−2に入力される信号帯域幅が1以下(=0.75+α)となるので、デジタルデバイス(AD変換器,DA変換器,デジタル回路)の処理速度の上限以下での動作が実現できる。なお、ここでは、広帯域信号Aを帯域幅の半分ずつ処理する場合の例としたが、半分でなくてもよく、後段のAD変換器28−1,28−2に入力される信号帯域幅が1以下(処理速度の上限以下)であれば、どのような比(例えば、0.9+α:0.6+α)でも構わない。
この比の関係は、受信ローカル生成部25からミキサ24−1に入力されるローカル信号の周波数と、受信ローカル生成部25からミキサ24−2に入力されるローカル信号の周波数を、地上の制御局110からのコマンド信号によって制御することで実現する。受信ローカル生成部25から生成される各ローカル信号は、原振26を基準に生成されるため、各ローカル信号の周波数関係は安定しており、周波数偏移は生じない。
また、これらの受信ローカル信号(受信ローカル生成部25が各ミキサへ出力する受信ローカル信号)の周波数間隔は1とする。即ち、受信ローカル信号の周波数間隔を、各{AD変換器,分波部,合波部,DA変換器}で処理可能な信号帯域幅の上限値1と同じ値とすることで、中継衛星200は、図2に示す受信ポート#0〜#N−1の構成で、最大帯域幅Nの広帯域信号の中継処理を実現する。
次に、AD変換器28−1でサンプリングされた図7(a)の信号は、遅延回路29−1でτR0[秒]の時間遅延が与えられた後、帯域外の信号も含め、分波部30−1で4つの信号に分解される。AD変換器28−1に入力される信号が中間周波数(IF)信号の場合、AD変換器28−1はIF信号をサンプリングする。AD変換器28−1に入力される信号がベースバンド信号の場合、AD変換器28−1は同相(I),直交(Q)の2式でベースバンド信号をサンプリングする。
なお、本実施の形態においては、説明の都合上、分波の数を4つとしているが、分波の数はこれに限らず、2以上の整数であれば、どのような値でも構わない。また、遅延回路29−1,29−2,29−3,…,29−Nの各遅延量τR0,τR1,τR2,…,τR(n−1)は、地上の制御局110からのコマンド信号によって制御される。これらの各遅延量の設定に関しては、後述する。
分波部30−1で使用される4つのフィルタ(分波フィルタ)の各特性を図7(b)の点線で示す。本処理により、分波部30−1は、図7(a)の帯域幅0.75+αの信号中、αを削除し、図7(b)に示す帯域幅0.75の信号(ア)を、図7(c)に示すように3つの帯域幅0.25の信号(1),(2),(3)に分解する。なお、分波部30−1は、図7(c)に示すように、帯域外の信号も含めて分波する。
同様に、AD変換器28−2でサンプリングされた図7(d)の信号(帯域幅0.75+α)は、遅延回路29−2でτR1[秒]の時間遅延が与えられた後、分波部30−2にて、図7(e)の点線で示した特性の4つの分波フィルタにより、帯域外の信号も含め、図7(f)に示すように4つの信号に分解される。すなわち、分波部30−2は、図7(d)の帯域幅0.75+αの信号中、αを削除し、図7(e)に示す帯域幅0.75分の信号(イ)を、図7(f)に示すように、3つの帯域幅0.25の信号(4),(5),(6)に分解する。
図8を用いて、各ポートに対応している分波部の周波数対振幅特性の関係を示す。図8(a)中、実線で示した4つの周波数対振幅特性は、受信ポート#nに対応する分波部が備えている4つのフィルタの特性、点線で示した4つの周波数対振幅特性は、受信ポート#n+1に対応する分波部が備えている4つのフィルタの特性である。
図8(a)に示したように、各分波部で使用されるフィルタの特性は、受信ポート#nと受信ポート#n+1の間も含めて、隣接するフィルタ間で特性がオーバーラップする設計とし、かつ各フィルタの特性が交差する振幅は0.5、また各フィルタの周波数対振幅特性の総和が1となるものとする。
更に、図8(a)記載の各フィルタの周波数対位相特性に不連続がなく、直線となる設計とすれば、例えば入力信号Aが一旦、信号(1),(2),(3),(4),(5),(6)の6つに分解されても(図7(c),(f)参照)、後段の合波部32−1〜32−Nによる合波処理により、信号(ア),信号(イ)が復元され(図8(b))、更に送信アナログスイッチマトリックス部39における信号合成処理により、元の信号Aが復元される(図8(c))。
ここで、図8(a)記載の各フィルタの周波数対位相特性を、受信ポート内(受信ポート#n,受信ポート#n+1)で直線とする設計は、分波部30−1〜30−Nがデジタル回路で構成されるため可能である。一方、各フィルタの周波数対位相特性を、受信ポート#nと受信ポート#n+1の間も含めて直線とすることは、各受信ポートでアナログフィルタの特性が異なること、各受信ローカル信号の位相雑音特性を有するため難しい。この対策に関しては後述する。
次に、狭帯域ビームエリア102からの上り信号である狭帯域信号{B,C,D}に関する中継衛星200の処理について説明する。本例では、受信アナログスイッチマトリックス部22は、制御局110からのコマンド信号に従い、受信アンテナ21−2からの信号{B,C,D}を、受信ポート#2に対応するバンドパスフィルタ(BPF)23−3に入力する。
BPF23−3に入力された狭帯域信号{B,C,D}は、ミキサ24−3およびローパスフィルタ(LPF)27−3を経由して、無線周波数帯から中間周波数帯、あるいはベースバンド帯に周波数変換される。この際、BPF23−3とLPF27−3によるアナログフィルタは、信号{B,C,D}を抽出し、隣接周波数帯に不要波が存在する場合は、不要波を除去する(図9(a),図9(b)参照)。
AD変換器28−3でサンプリングされた図9(b)の信号{B,C,D}は、遅延回路29−3でτR2[秒]の時間遅延が与えられた後、分波部30−3にて、図9(c)の点線で示す4つのフィルタ特性により、帯域外の信号も含め、図9(d)に示すように4つの信号に分解される。このようにして分波部30−3は、図9(c)に示す信号{B,C,D}を3つ狭帯域信号B,C,Dに分解(分波)する。
次に図3および図10を用いて、中継衛星200が信号を送信する際の動作例について説明する。
デジタルスイッチマトリックス部31は、前段の各分波部から出力された信号を入力とし、入力された各信号を後段の合波部32−1〜32−Nへ振り分ける。本実施の形態では、分波部30−1から出力された信号(1),(2),(3)、分波部30−2から出力された信号(4),(5),(6)、分波部30−3から出力された信号B,C,Dを入力とし、図10(a)に示すスイッチ処理を行う。
図示した例では、具体的には、信号(1)は端子#00、すなわち送信ポート#0に対応するm個の端子の中の第0端子に、信号(2)は端子#01(送信ポート#0に対応する第1端子)に、信号(3)は端子#02(送信ポート#0に対応する第2端子)に、信号(4)は端子#03(送信ポート#0に対応する第3端子)に、信号(5)は端子#10(送信ポート#1に対応する第0端子)に、信号(6)は端子#11(送信ポート#1に対応する第1端子)に、信号Bは端子#20(送信ポート#2に対応する第0端子)に、信号Cは端子#12(送信ポート#1に対応する第2端子)に、信号Dは端子#13(送信ポート#1に対応する第3端子)に、それぞれ接続される。これらのスイッチ接続は、地上の制御局110からのコマンド信号によって制御される。なお、この例では、上記のmが4の場合、すなわち、1つの送信ポートに4つの端子(第0端子〜第3端子)が対応付けられているものとしているが、mは4でなくてもよい。
各合波部(合波部32−1〜32−N)は、それぞれ4つの入力信号を、0.25の周波数間隔に並べて合成する。また各合波部は、合波後の信号の周波数対位相特性が、前記分波部30−1〜30−Nと同様、直線となる回路設計とする。
図示した例では、合波部32−1は、デジタルスイッチマトリックス部31から入力された信号(1),(2),(3),(4)を合波して、図10(b)に示す信号(ウ)を生成する。合波部32−2は、信号(5),(6),C,Dを合波して、図10(c)に示す周波数配置の信号{(エ),C,D}を生成する。合波部32−3は、信号Bと空きチャネル3つ分を合波する処理により、図10(d)に示す周波数配置の信号Bを生成する。
次に合波後の信号(ウ)は、遅延回路33−1、DA変換器34−1、LPF35−1、ミキサ36−1およびBPF38−1を経由して、無線周波数帯に変換される。同様に、合波後の信号{(エ),C,D}は、遅延回路33−2、DA変換器34−2、LPF35−2、ミキサ36−2およびBPF38−2を経由して、無線周波数帯に変換され、合波後の信号Bは、遅延回路33−3、DA変換器34−3、LPF35−3、ミキサ36−3およびBPF38−3を経由して、無線周波数帯に変換される。
なお、本実施の形態では説明の都合上、合波の数が4つの場合の例について示しているが、合波の数はこれに限らず、2以上の整数であれば、どのような値でも構わない。また遅延回路33−1,33−2,33−3,…,33−Nの各遅延量τT0,τT1,τT2,…,τT(n−1)は、地上の制御局110からのコマンド信号によって制御される。これらの各遅延量の設定に関しては、後述する。
各送信信号の無線周波数帯への変換は、送信ローカル生成部37が生成する各送信ローカル信号を、各ミキサ36−1,36−2,36−3,…,36−Nで乗算することで実現される。送信ローカル生成部37で生成される各送信ローカル信号は、上述した受信ローカル生成部25で生成される各受信ローカル信号と同様、原振26を基準に生成される。そのため、各送信ローカル信号の周波数関係は安定しており、周波数偏移は生じない。また、これらの送信ローカル信号の周波数間隔も、受信ローカル信号の周波数間隔と同様に1とする。
送信アナログスイッチマトリックス部39は、地上の制御局110からのコマンド信号によって接続を制御される。図示した例では、送信ポート#0(BPF38−1)からの信号(ウ)と、送信ポート#1(BPF38−2)からの信号{(エ),C,D}を同時に、送信アンテナ40−1に出力する。送信アンテナ40−1から出力される信号スペクトラムは、図10(e)に示すように信号(ウ)と信号(エ)が一部オーバーラップする形となる。ここで、各送信ローカル信号の周波数間隔が1、また図7に示す各分波フィルタの特性により、信号(ウ)と信号(エ)を合わせた合成信号A’は図10(g)に示すように、元の広帯域送信局101からの信号Aと同様の信号スペクトラム形状となって、ビームエリア400内の受信局401へ送信される。
また、送信アナログスイッチマトリックス部39は、送信ポート#2(BPF38−3)から出力される無線周波数帯に変換された信号B(図10(f))を、送信アンテナ40−2に出力し、信号Bをビームエリア402内の受信局403に送信する。
地上の受信局401は信号{A’,C,D}を受信後、それぞれを復調する。また、地上の受信局403は信号Bを受信後、復調する。
なお、受信局401は、総帯域幅2の広帯域信号{A’,C,D}を受信することになるが、一般に、地上で使用される民生品のデジタルデバイスの動作速度は、宇宙用デジタルデバイスの動作速度より数倍高いため、受信局401はデジタルデバイスの性能上限の問題はなく、信号{A’,C,D}を復調することができる。
ここで合成信号A’の周波数対位相特性は、図11に示す“↓”2箇所{(R),(T)}において不連続が発生する。図11に示す“↓”(R)は、前記した通り、受信側のポート#n、ポート#n+1(具体的には受信ポート#0と受信ポート#1)間で生じる不連続位置を、図11に示す“↓”(T)は、同様に送信側のポート#n、ポート#n+1(具体的には送信ポート#0と送信ポート#1)間で生じる不連続位置を示している。
このように、合成信号A’の帯域内で位相不連続が発生する場合でも、本実施の形態では、中継衛星200における遅延回路29−1〜29−N、33−1〜33−Nの各遅延制御と、受信局401における相関処理により、通信品質の劣化無く、元の信号Aを受信する場合と同等な受信感度特性を実現する。
一例として、信号Aがスペクトラム拡散信号である場合の受信局401の処理を、図4〜図14を用いて説明する。
図4に示した構成の受信局401において、アンテナ500は信号{A’,C,D}を受信し、アンプ501は、信号{A’,C,D}のレベルを増幅する。増幅された信号{A’,C,D}は、バンドパスフィルタ(BPF)502、ミキサ503、ローパスフィルタ(LPF)505を経由して、無線周波数帯から中間周波数、あるいはベースバンドに変換された後、AD変換器506に入力される。民生品であるAD変換器506は、総帯域幅2の信号{A’,C,D}をサンプリングしてデジタル信号に変換し、民生品のデジタルデバイスで構成される分波部507は、AD変換器506から出力された総帯域幅2の信号{A’,C,D}から信号A’,C,Dの各信号を分波する。
狭帯域信号用復調器508は、分波部507で分波された信号Cを、狭帯域信号用復調器509は、分波部507で分波された信号Dを復調する。信号C,Dは、上述の各信号処理過程から明らかなように、信号A’のような信号帯域内の位相不連続は発生しないため、狭帯域信号用復調器508,509では、一般的な復調方法で、データ復調を実現する。
一方、広帯域信号用復調器510は、中継衛星200による遅延制御に合わせて、データ復調を相関処理に則った復調を行う。この遅延制御は、各ポート間で生じる位相不確定性の影響を軽減するためであり、各ポートのパス毎に時間遅延差を与えることで、各パスの逆拡散後の相互相関ベクトルが、受信時に打消し合って通信品質が劣化しないよう、時間方向に分離させるために行う。時間方向に分離した各相関ベクトルは、広帯域信号用復調器510でベクトル角を揃えて合成されるため、通信品質の劣化は生じない。以降、本復調処理の詳細を説明する。
はじめに制御局110は、中継衛星200における遅延回路29−1,29−2,33−1,33−2の各遅延量(τR0,τR1,τT0,τT1)を、例えば図12に示す設定とする。制御局110は、中継衛星200の全ての制御や、中継する各信号の種別、周波数配置等、本衛星システムを管理しているため、必要に応じて、中継衛星200に対して設定した各遅延値や、信号A’の位相不連続位置(R),(T)等、信号A’を復調する際に役立つ情報を、受信局401にも通知する。
図12(a)は、中継衛星200の受信側における信号Aに対する遅延処理例を、図12(b)は、中継衛星200の送信側における信号Aに対する遅延処理例を示しており、それぞれ縦軸が信号Aの周波数、横軸が時間を示している。また、図12に示す通り、各遅延時間は、拡散コード長L[μ秒]に対して、小さな値で設定する。
中継衛星200の受信側では、各分波部によって分解された信号A(={(1),(2),(3),(4),(5),(6)})中、信号(1),(2),(3)は遅延回路29−1で時間遅延τR0(本例では0[秒])が与えられ、信号(4),(5),(6)は遅延回路29−2で時間遅延τR1が与えられる(図12(a))。
更に、中継衛星200の送信側において、信号(1),(2),(3),(4)は遅延回路33−1で時間遅延τT0が与えられ、信号(5),(6)は遅延回路33−2で時間遅延τT1が与えられる。このような遅延制御によって、中継衛星200は、最終的に信号Aに対して図12(b)に示す遅延を与える。
上記遅延設定を実施後、受信局401の広帯域信号用復調器510は、相互相関部511で逆拡散処理を開始する。相互相関部511は、既知である逆拡散コードを用いて、信号A’との相互相関を、拡散用チップレートの数倍以上のサンプリング周期で求める(スライディング相関を行う)。
図13(a),(b)に相互相関特性の一例を示す。(a)は相互相関ベクトル特性を、(b)は相互相関電力特性を示している。信号{(1),(2),(3),(4),(5),(6)}のいずれか1つを受信した場合の相互相関電力を1とした場合、図13に示す通り、時間(τR0+τT0)後に、信号{(1),(2),(3)}による相互相関ベクトル(電力量:3)、時間(τR0+τT1)後に、信号(4)による相互相関ベクトル(電力量:1)、時間(τR1+τT1)後に、信号{(5),(6)}による相互相関ベクトル(電力量:2)が得られる。
ベクトル位相検出部512は、相互相関部511で得られた相互相関データ系列(図13(a))から、図13(a)に示す相互相関ベクトルの数、各ベクトルの到来時刻、及び各ベクトル位相角を検出し、合成部513に通知する。なお、ベクトル位相検出部512は、ベクトルの到来時刻やベクトル位相角検出の際に、制御局110から収集した各遅延量(τR0,τR1,τT0,τT1)や、信号A’の位相不連続位置情報から、検出すべきベクトルの数(本例では3つ)、ベクトル長の比の期待値(本例では3:1:2)、各ベクトルの時間差(本例では、τT1−τT0,τR1−τR0+τT1−τT0)の各情報を用いても良い。この場合、これらの情報を用いずに検出する場合と比較して、より正確なベクトルの数、ベクトルの到来時刻、及びベクトル位相角を検出することが出来る。
合成部513は、ベクトル位相検出部512で検出したベクトルの数、ベクトルの到来時刻、及びベクトル位相角の各情報を用いて、相互相関部511から出力される相互相関データ系列の各相関ベクトルをベクトル合成して出力する。
合成部513の動作例について、図5を用いて説明する。相互相関データ系列は、遅延器600,601,加算器620に入力される。遅延器600は、最初に到来した1番目のパスのベクトルを、3番目のパスの到来時刻に合わせる時間遅延制御を行う。具体的には、ベクトル位相検出部512が検出したベクトルの時間差情報をもとに、ベクトル位相検出部512が1番目のパスの遅延量(τR1−τR0+τT1−τT0)を、遅延器600に与える。同様に、遅延器601は、2番目のパスのベクトルを、3番目のパスの到来時刻に合わせる時間遅延制御を行う。具体的には、ベクトル位相検出部512が検出したベクトルの時間差情報をもとに、ベクトル位相検出部512が2番目のパスの遅延量(τR1−τR0)を、遅延器601に与える。
このように3分岐した相互相関データ系列の各遅延制御処理により、図13に示す3つの相関ベクトルの位置を、3番目のパスのベクトル位置に全て揃えることが出来る。但し、各相関ベクトル位相角は揃っていないため、更に以下の処理により、ベクトル位相角も揃える。
移相器610は、最初に到来した1番目のパスのベクトル位相角を、3番目のパスのベクトル位相角に合わせる。具体的には、ベクトル位相検出部512が検出したベクトル位相角情報をもとに、ベクトル位相検出部512が1番目のパスの移相量を、移相器610に与える。同様に、移相器611は、2番目のパスのベクトル位相角を、3番目のパスのベクトル位相角に合わせる。具体的には、ベクトル位相検出部512が2番目のパスの移相量を、移相器611に与える。
このようなベクトル移相制御を行うことで、3分岐した相互相関データ系列のベクトル位相角を、3番目のパスのベクトル位置に全て揃えることが出来る。
加算器620は、上述の時間遅延制御と移相制御が施された3つの相互相関データ系列を加算し、ラッチ630は、ベクトル位相検出部512で検出したベクトルの到来時刻を元に、加算後の相互相関データ系列から、ベクトル合成後の相関ピーク値を抽出する。
以上の処理により、合成部513から出力される合成後の信号ベクトルは、図14に示すように揃うため、信号レベルの減少なく、電力量6の信号を得ることが出来る。
後段の検波部514は、合成部513から拡散コード周期(L[μ秒])で出力される上記合成後の信号ベクトルを入力として、同期検波、あるいは遅延検波を行い、データを復調する。
以上のような中継衛星200での遅延制御と、受信局401での各信号処理とにより、広帯域信号を中継衛星200で中継する際に、周波数対位相特性に不連続が生じても、各パスの逆拡散後の相互相関ベクトルが、受信時に打消し合って通信品質が劣化しないよう、時間方向に分離させることが出来るため、相互相関ベクトル合成時において、良好な通信品質を実現できる。
このように、本実施の形態において、中継衛星は、送信局からの信号を受信するための処理ブロック(図2に示した一式の{BPF,ミキサ,LPF,A/D,遅延回路,分波部}である受信処理手段)と信号を受信局へ送信するための処理ブロック(図3に示した一式の{合波部,遅延回路,D/A,LPF,ミキサ,BPF}である送信処理手段)をそれぞれ複数備え、自衛星を構成しているデバイスの性能限界を超えた広帯域信号が送信されてきた場合、N個(N≧2)の受信処理ブロックを使用し、N個の受信処理ブロックでは、それぞれ異なる周波数成分を対象として、入力された広帯域信号の受信処理を並列に行い、N個の受信処理ブロックを使用して受信した各信号を、複数の送信処理ブロックを使用して受信局へ送信することとした。このとき、各信号成分を受信局側で通信品質を劣化させることなく合成できるように、各処理ブロック(受信処理ブロック,送信処理ブロック)では、処理ブロックごとに異なる遅延量で遅延を与えることとした。これにより、図6に示したように、宇宙用デバイスの性能限界(帯域幅1)を超える広帯域信号を含めた信号を中継でき、柔軟な中継動作を実現できる。
また、受信処理ブロックと送信処理ブロックの間で信号を中継するデジタルスイッチマトリックス部は、送信先(中継先)の受信局が同じ複数の信号(前段の各受信ブロックで分波された信号)を、その信号種別によらず(広帯域信号か非広帯域信号かによらず)、合計帯域が後段の各送信処理ブロックで処理可能な帯域以下に収まるように考慮して振り分けるので、効率的な帯域利用を実現できる。
また、本実施の形態で示した構成により、仮に受信ポート#0のパスか、受信ポート#1のパスのいずれかが故障、あるいは予期せぬ干渉波入力等により、受信ポート#0または受信ポート#1の入力が飽和し、正常な受信信号処理が実現できない事態に陥っても、もう一方の正常なパスを用いて、通信が遮断されること無く、3dB程度の感度劣化で、広帯域信号を中継することが出来る。例えば、受信ポート#1が故障した場合は、広帯域信号Aの半分(信号(4),(5),(6))が失われるため、図13の各相関ベクトル中、2番目の相関ベクトル(電力1)と3番目の相関ベクトル(電力2)が無くなる。しかしながら、受信ポート#0を経由して得られる1番目の相関ベクトル(電力3)は受信できるため、受信特性としては3dB(半分)の劣化の範囲となり、例えば送信データレートを0.5倍に落とす適応変調制御により、通信を成立させることが可能である。
一方、広帯域信号を一式の{A/D,D/A,デジタル分波/合波}で処理する従来技術では、各構成要素の一部が故障したら、通信不能に陥る。よって本実施の形態の構成(図2,図3参照)を採用することにより、広帯域信号を一式の{A/D,D/A,デジタル分波/合波}で処理する従来技術と比較して、故障や干渉に強い中継衛星、及び衛星通信システムを実現できる。
なお、通信品質の劣化が生じる可能性はあるが、中継衛星200や衛星通信システムの簡単化のため、上記中継衛星200での遅延制御を実施しなくてもよい。即ち、中継衛星200において、遅延回路29−1〜29−N,33−1〜33−Nが無い構成としても良い。この場合、中継衛星200における各パスの遅延差が、1チップ未満となるため、各パスの相互相関ベクトル位相角が打消し合うことで、通信品質の劣化が生じうるが、上記中継衛星200への遅延制御は不要となるため、中継衛星200や衛星通信システムの構成を簡単化できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、信号Aがスペクトラム拡散信号である場合の信号処理例を示したが、信号Aはスペクトラム拡散信号でなく、例えば、スペクトラム拡散を行わない広帯域PSK変調信号としても良い。この場合、広帯域送信局101は、図15に示すように、広帯域PSK変調信号に伝送路等化用のプリアンブルを付加した形で送信する。中継衛星200は実施の形態1と同様の処理で、本広帯域信号Aを中継する。
図16は、実施の形態2における受信局401(広帯域PSK用受信局)の構成例を示す図である。
図16において、受信局401は、アンテナ500と、アンプ501と、バンドパスフィルタ502と、ミキサ503と、受信ローカル生成部504と、ローパスフィルタ505と、AD変換器(A/D)506と、分波部507と、広帯域信号用復調器510aと、狭帯域信号用復調器508および509とを備える。また、広帯域信号用復調器510aは、相互相関部521と、伝送路推定部522と、等化部523と、検波部524とを備える。すなわち、本実施の形態の受信局401は、実施の形態1で説明した受信局401(図4参照)の広帯域信号用復調器510を広帯域信号用復調器510aに置き換えたものであり、これ以外の部分については同一である。よって、本実施の形態では、広帯域信号用復調器510aの動作についてのみ説明する。
広帯域信号用復調器510aにおいて、相互相関部521は、広帯域PSK変調信号に付加した同一のプリアンブル(図15参照)を用いて、受信信号Aと既知プリアンブルとの相互相関処理を行う。次に伝送路推定部522は、相互相関部521による相互相関処理で得られた相互相関データ系列のうち、受信信号Aに含まれるプリアンブルと既知プリアンブルとの相互相関特性を相互相関電力検出によって抽出し、抽出した相互相関特性を伝送路推定値として保存する。
等化部523は、上記伝送路推定値を用いて、受信信号Aの等化処理を行う。例えば、伝送路推定値と受信信号Aを時間領域から周波数領域に変換後、周波数領域に変換された受信信号Aを、周波数領域に変換された伝送路推定値で除算することで、周波数領域での等化処理を行う。この等化処理により、信号A帯域内における周波数対位相特性は、たとえば図11に示した不連続が発生していたとしても、伝送路推定値も同様の不連続特性となるため、両者の除算処理により、位相の不連続を修正することができる。除算後のデータ系列は、等化部523内で、再び周波数領域から時間領域に変換後、検波部524に出力される。
検波部524は、等化部523での等化処理により信号A帯域内の位相不連続が解消されているため、一般的な復調処理で信号A(広帯域PSK変調信号)を復調すればよい。
このように、中継衛星200を備えた衛星通信システムでは、実施の形態1で説明したスペクトラム拡散信号だけでなく、スペクトラム拡散を行わない広帯域PSK変調信号の中継も、良好な通信品質で実現することが出来る。
なお、通信品質の劣化が生じる可能性はあるが、本実施の形態においても、中継衛星200や衛星通信システムの簡単化のため、中継衛星200での遅延制御を実施しなくてもよい。即ち、中継衛星200において、遅延回路29−1〜29−N,33−1〜33−Nが無い構成としても良い。
実施の形態3.
実施の形態1の中継衛星200では、受信アナログスイッチマトリックス部22が、各受信アンテナ21−1〜21−Nからの信号を、各受信ポートに接続制御する例を示したが、以下の(1),(2)とすることで、受信アナログスイッチマトリックス部22を無くした構成とし、中継衛星200の構成を簡易化しても良い。
(1)各受信アンテナ21−1〜21−Nの指向性を、制御局110からのコマンドによって可変とする。
(2)受信アンテナを、受信ポートと同じ数だけ確保し、各受信アンテナと各受信ポートを1対1で直結する。例えば、図2において、受信アンテナ21−nと受信ポート#n−1(n=1,2,…,N)を直結する。
この場合、中継衛星200において、受信アンテナ21−1だけでなく、受信アンテナ21−2も広帯域ビームエリア100に向ける制御とすることで、実施の形態1と同様に、広帯域信号Aを受信ポート#0と受信ポート#1で処理することが出来る。狭帯域ビームエリア102には、受信アンテナ21−3を向けることで、この受信アンテナ21−3で受信した信号B,C,Dを、実施の形態1と同様に、受信ポート#2で処理することが出来る。
同様に、実施の形態1では、送信アナログスイッチマトリックス部39が、各送信ポートからの信号を、送信アンテナ40−1〜40−Nに接続制御する例を示したが、以下の(3),(4)とすることで、送信アナログスイッチマトリックス部39を無くした構成とし、中継衛星200の構成を簡易化しても良い。
(3)各送信アンテナ40−1〜40−Nの指向性を、制御局110からのコマンドによって可変とする。
(4)送信アンテナを、送信ポートと同じ数だけ確保し、各送信アンテナと各送信ポートを1対1で直結する。例えば、図3において、送信アンテナ40−nと送信ポート#n−1(n=1,2,…,N)を直結する。
この場合、中継衛星200において、送信アンテナ40−1だけでなく、送信アンテナ40−2もビームエリア400に向ける制御とすることで、実施の形態1と同様に、送信ポート#0(BPF38−1)と送信ポート#1(BPF38−2)から出力される各信号、即ち広帯域信号{A’,C,D}を地上の受信局401へ送信することが出来る。
ビームエリア402には、送信アンテナ41−3を向けることで、送信ポート#2(BPF38−3)から出力される信号Bを、地上の受信局403に送信することが出来る。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、中継衛星200で生じた位相不連続を、地上の受信局401で補償する構成としていたが、本実施の形態では、中継衛星200自らが、受信側で生じた位相不連続をデジタル信号処理で補償する。詳細については後述するが、位相不連続を中継装置200において補償する本実施の形態によれば、位相不連続点を図11に示す2箇所(RとT)から1箇所(T)に減らすことができる。また、本実施の形態では、中継衛星の受信側で生じていた位相不連続が解消されるため、地上の受信局401の処理量の複雑さが軽減される効果や、アップリンクの周波数利用効率が向上し、既存の送受信局の収容性が高まる効果も得られる。以降、詳細について説明する。
本実施の形態の中継衛星200の送信側の構成は、実施の形態1の図3と同様である。一方、受信側の構成は、実施の形態1の図2の構成から遅延回路29−1,29−2,29−3,…,29−Nを除いた構成となる。すなわち、本実施の形態では図2において、AD変換器28−1,28−2,28−3,…,28−Nの各出力が、分波部30−1,30−2,30−3,…,30−Nに接続される構成となる。また、本実施の形態では、デジタルスイッチマトリックス部31の内部で、実施の形態1では行わない新たな処理を実施する。本処理の詳細は後述する。
一方、本実施の形態における地上の受信局401は、スペクトラム拡散信号を受信する場合、2番目のパスが無くなることから、図5に示す合成部において、遅延器601と移相器611が除かれた構成となる。これ以外、本実施の形態の受信局401と、実施の形態1、あるいは実施の形態2の受信局401で構成上の違いは無い。以降、本実施の形態の衛星通信システムの動作について説明する。なお、実施の形態1と同様に、広帯域送信局101からの信号と、狭帯域送信局103、104および105からの信号とを受信し、受信局401および403へ送信する場合の動作例を説明する。
本実施の形態において、各送信局101,103,104,105の信号が中継衛星200(受信側)の分波部30−1,30−2,30−3,…,30−Nによって分波されるまでの一連の処理は、遅延回路の削除に伴い各信号が遅延されなくなった点を除いて、実施の形態1と同様である。すなわち、受信ポート#0から信号(1),(2),(3)が、受信ポート#1から信号(4),(5),(6)が、受信ポート#2から信号B,C,Dが、本実施の形態のデジタルスイッチマトリックス部31に入力される。
図17に、本実施の形態のデジタルスイッチマトリックス部31の構成例を示す。図17に示したように、本実施の形態のデジタルスイッチマトリックス部31は、位相補償部700およびスイッチ部701を備える。位相補償部700は、遅延調整部702および705と、周波数変換部703および706と、ローパスフィルタ704および707と、複素乗算器708と、リミタ709と、自己相関検出部710と、経路遅延差検出部711と、複素乗算器712、713、714および715とを備える。
ここで、受信部(図2参照)において受信ポート#0からの入力信号を取り扱う分波部30−1から出力される信号(1)は、図17記載の端子#01に入力される。同様に、分波部30−1から出力される信号(2)は端子#02に、信号(3)は端子#03に入力される。
また、受信ポート#1からの入力信号を取り扱う分波部30−2から出力される信号(4)は、図17記載の端子#10に入力される。同様に、分波部30−2から出力される信号(5)は端子#11に、信号(6)は端子#12に入力される。
以降、本実施の形態のデジタルスイッチマトリックス部31の動作について、図17と図18を用いて説明する。図18は、本実施の形態のデジタルスイッチマトリックス部31が備えている位相補償部700の処理の一例を示す図である。
位相補償部700は、受信部の分波部30−1から出力される信号{(1),(2),(3)}と、分波部30−2から出力される信号{(4),(5),(6)}の間の位相不連続を補償する。スイッチ部701は、位相補償部700で補償された信号{(1),(2),(3)}、{(4),(5),(6)}を入力とし、実施の形態1と同様、位相補償対象外の信号{B,C,D}と合わせて、図10に示すスイッチ処理を行う。
次に、位相補償部700の動作について説明する。図18に示す通り、広帯域信号Aは、その半分が受信ポート#0を、もう半分が受信ポート#1を通過するが、一部のオーバーラップする信号成分のみ、両ポートを通過することに着目する。具体的には、図18で示すオーバーラップ領域であり、この共通する信号成分は、図18に示すように分波部30−1から出力される信号(3)の一部(斜線部)と分波部30−2から出力される信号(4)の一部(斜線部)に含まれる。
この信号(3)の一部に含まれるオーバーラップ成分は、信号(3)が図17に示す周波数変換部703でベースバンド(0Hz)に変換された後、ローパスフィルタ704により抽出される。同様に信号(4)の一部に含まれるオーバーラップ成分は、信号(4)が周波数変換部706でベースバンド(0Hz)に変換された後、ローパスフィルタ707により抽出される。なお、信号(3)と信号(4)は、前段の遅延調整部702,705で遅延調整された後に、周波数変換部703,706に入力されるが、遅延調整に関する動作説明は後述する。
図18においては、ローパスフィルタ704で抽出したオーバーラップ成分をS0、ローパスフィルタ707で抽出したオーバーラップ成分をS1で示している。
信号成分{S0,S1}は、受信ポート#0と受信ポート#1の間で位相不連続や経路遅延差が無ければ、時間方向の各サンプル点における信号ベクトルが全て一致する、即ち{S0,S1}は同一波形となる。
一方、位相不連続によりポート間の位相差Δθが発生すると、両信号のベクトル角がΔθずれることになる。図19に、位相差Δθが発生した場合の信号成分{S0,S1}の包絡線,位相を示す。図19は、異なる2つの受信ポート(受信ポート#0,#1)に入力された受信信号の同一成分(ローパスフィルタ704,707で抽出された各オーバーラップ成分)の関係の一例を示す図である。図19において、A0はオーバーラップ成分S0の包絡線信号、θ0はオーバーラップ成分S0の位相信号、A1はオーバーラップ成分S1の包絡線信号、θ1はオーバーラップ成分S1の位相信号である。図19に示す通り、位相差Δθが発生した場合、包絡線信号{A0,A1}は一致するが、位相信号{θ0,θ1}は、例えば図19中の時刻t1,t2等、どの時刻においてもΔθずれた関係となる。
また、受信ポート#0と受信ポート#1の間で温度変動や、経年変化等により、経路遅延差Δτが発生すると、信号{S0,S1}の両者の時間波形もΔτずれてしまう。図20に、経路遅延差がΔτ発生した場合の信号{S0,S1}の包絡線信号{A0,A1}と位相信号{θ0,θ1}を示す。図20に示す通り、経路遅延差Δτが発生した場合、包絡線信号A1が包絡線信号A0に対してΔτ遅れて入力される。
経路遅延差Δτが発生すると、図20から明らかなように、位相信号{θ0,θ1}の位相差は、一定とならず、変動が生じる。例えば図20記載の時刻t1,t2等、位相差は時々刻々変化する。
そこで、本実施の形態の衛星通信システムでは、上記性質を利用し、位相補償部700において、受信ポート#0に入力された信号と受信ポート#1に入力された受信信号の間に存在する位相不連続および経路遅延差を補償する。以下、この補償動作を説明する。
複素乗算器708は、信号S0と、信号S1の複素共役値を複素乗算する。ここで複素乗算器708から出力される複素乗算後の信号(図18に示した相関値Cに相当)のベクトル角δは、位相信号{θ0,θ1}の位相差(δ=θ0−θ1)となる。また、経路遅延差Δτ=0の場合は、ベクトル角δは、受信ポート#0と受信ポート#1間の位相差Δθに相当する。
自己相関検出部710は、複素乗算器708から出力される複素乗算後の信号を、ある期間、全てベクトル合成し、合成後のベクトル長を自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)として出力する。
次に、経路遅延差検出部711の動作について説明する。
自己相関電力Piは、経路遅延差Δτ=0の場合に最大値を示す。一方、Δτ増加に伴い、位相信号{θ0,θ1}の位相差(=ベクトル角δ)が一定とならず乱れていくため、自己相関電力Pは小さくなる。経路遅延差検出部711は、この性質を利用して、経路遅延差Δτを求める。
経路遅延差検出部711は、はじめに、前段の遅延調整部702,705に対して、遅延量を調整する指示信号を出力することで、意図的に各経路間の遅延差を時間Tc単位で与え、これらの各遅延差を与えた場合の自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)情報から、経路遅延差Δτを算出する。
図21に経路遅延差検出部711の動作例を示す。図21に示す通り、実際の経路遅延差Δτに最も遅延差設定が近い“+Tc”設定時に、最も自己相関電力が高くなる(図中のP+1)。また、自己相関電力が2番目に高くなる遅延差設定は“0”であり(図中のP0)、実際の経路遅延差Δτは、0と+Tcの間にピーク値として存在することが判る。
経路遅延差検出部711は、この自己相関電力ピーク値の位置(=Δτ)を、この自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)系列を用いて求める。例えば、経路遅延差検出部711は、自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)系列中の最大値と、その前後の計3つの自己相関電力を用いた2次曲線近似処理により、ピーク値の位置(=Δτ)を求める。図21の例では、経路遅延差検出部711はP0,P+1,P+2の3点を用いた2次曲線近似処理により、ピーク値の位置(=Δτ)を求める。また経路遅延差検出部711は、Δτの算出精度を高めるために、自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)を3点ではなく、5点、7点、…と用いる数を増やした上で、2次曲線近似等の補間処理により、ピーク値の位置(=Δτ)を求めてもよい。
経路遅延差検出部711は、ピーク値の位置(=Δτ)を検出した後、経路遅延差Δτを0に補正する遅延調整信号τ1およびτ2を、前段の遅延調整部702,705に対して出力する。遅延調整部702,705は、例えばポリフェーズ(多相)フィルタで構成され、経路遅延差検出部711からの遅延調整信号{τ1,τ2}に基づいて、入力データに対するきめ細かいサンプリング位相調整を行う。具体的には、遅延調整部702は分波部30−1からの各分波データに対して、共通の遅延τ1を与えてから出力する。同様に、遅延調整部705は分波部30−2からの各分波データに対して、共通の遅延τ2を与えてから出力する。
ピーク値の位置(=Δτ)を検出する前の“検出モード”において、経路遅延差検出部711は、自己相関電力Pi(i=0,±1,±2,…)系列を得るために、経路の遅延差を{…,−2Tc,−Tc,0,+Tc,+2Tc,…}で与える。プラス方向の遅延差{0,+Tc,+2Tc,…}を与える場合、経路遅延差検出部711は遅延調整部705に対する遅延調整信号τ2を{0}固定としながら、遅延調整部702に対して、遅延調整信号τ1を{0,Tc,2Tc,…}で与えていく。同様に、マイナス方向の遅延差{0,−Tc,−2Tc,…}を与える場合、経路遅延差検出部711は遅延調整部702に対する遅延調整信号τ1を{0}固定としながら、遅延調整部705に対して、遅延調整信号τ2を{0,Tc,2Tc,…}で与えていく。
次にピーク値の位置(=Δτ)を検出した後の“補正モード”において、経路遅延差検出部711は、以下の制御を遅延調整部702,705に対して行う。
Δτがプラスの場合、経路遅延差検出部711は、遅延調整部702に対する遅延調整信号τ1を{0}としながら、遅延調整部705に対して、遅延調整信号τ2を{Δτ}で与えることで、プラス方向の経路差を打ち消す。一方Δτがマイナスの場合、経路遅延差検出部711は、遅延調整部705に対する遅延調整信号τ2を{0}としながら、遅延調整部702に対して、遅延調整信号τ1を{Δτ}で与えることで、マイナス方向の経路差を打ち消す。このように、“検出モード”と“補正モード”の2段階の処理フローにより経路遅延差検出部711は、経路差を補正する。
なお、上記のように2つのモードを切り替える運用を行う場合、“検出モード”で一旦、信号中継を停止する必要があるが、信号中継を停止させずに、時々刻々と経路遅延差を補正していく場合は、図22に示す構成に変更することで実現できる。
図22に示したデジタルスイッチマトリックス部31aの位相補償部700aは、図17に示した位相補償部700に対し、経路差を検出するための専用の遅延調整部716,717を追加した構成となっている。遅延調整部716,717はΔτ検出用に用い、遅延調整部702,705は、各分波データの遅延調整用に用いる。
位相補償部700aにおいて、遅延調整部716は、経路遅延差検出部711からの遅延調整信号τ’1に従い、端子#03から入力される信号(3)を遅延させる。同様に、遅延調整部717は、経路遅延差検出部711からの遅延調整信号τ’2に従い、端子#10から入力される信号(4)を遅延させる。
経路遅延差検出部711は、経路の遅延差を{…,−2Tc,−Tc,0,+Tc,+2Tc,…}で与えるための制御を遅延調整部716,717に対して行い、図17に示した位相補償部700の経路遅延差検出部711と同様の方法によりピーク値の位置(=Δτ)を算出する。位置の算出が終了すると、算出したピーク値の位置(=Δτ)情報を基に、経路差を打ち消す遅延制御を、遅延調整部702,705に対して行う。
経路遅延差検出部711は、以降も、定期的に遅延調整部716,717を制御してピーク値の位置(=Δτ)を算出し、算出したΔτ情報を基に、経路差を打ち消す遅延制御を、遅延調整部702,705に対して繰り返し行う。これにより、温度変化、経年変化等によって生じるピーク値の位置(=Δτ)変動に追従した動作を実現出来る。
このように、遅延調整部716,717を追加し、ピーク値の位置(=Δτ)を算出するための遅延調整機能と、経路差を打ち消すための遅延調整機能を分けたことで、信号中継を停止させずに、時々刻々と経路遅延差を補正していくことができる。
なお、図22の構成例では、遅延調整部702,705を位相補償部700aの内部に設けるようにしたが、各ポートの前段に移動しても良い。例えば、受信部(図2参照)内の分波部30−1,30−2の前段に移動しても良い。分波部30−1,30−2の前段で遅延調整を行う場合、ポート毎に分波前の1つの信号に対して遅延調整すれば良いため、分波後の各信号を遅延調整する場合と比較して、回路規模や演算量が小さくなる利点がある。この場合、位相補償部700a部内の遅延調整部716,717を制御して得られるピーク値の位置(=Δτ)は、初期制御時はΔτそのものが、2回目以降の制御では、Δτからの時間変動分αのみ観測されることになる。即ち、時間変動が無ければ、経路遅延差検出部711で得られる2回目以降のピーク値の位置(=Δτ)は、常に0が得られることになる。一方、ピーク値の位置がΔτからΔτ+αに変化した場合、初期制御時でΔτは打ち消されているため、その変化量αのみが、経路遅延差検出部711で検出されることになる。
よって、遅延調整部702,705を前段に移動させた場合、経路遅延差検出部711は、初期制御値Δτと新たに検出した変動分αを基に、(Δτ+α)を打ち消す制御を遅延調整部702,705に対して行う。
以上、経路遅延差を補正する処理について示したが、経路遅延差がそれほど発生しない条件、経路遅延差が生じても、中継する信号の品質劣化に悪影響を与えない条件であれば、上記経路遅延差の補正は割愛してもよい。
次に、位相補償処理について説明する。
上述したとおり、複素乗算器708から出力される信号のベクトル角δは、前記位相信号{θ0,θ1}の位相差となり、経路遅延差Δτ=0の場合は、受信ポート#0と受信ポート#1間の位相差Δθに相当する。よって、位相補償部700は、経路遅延差を補正後、複素乗算器708の出力を用いて、このベクトル位相差を補償する。
はじめに、リミタ709は、複素乗算器708から出力される信号ベクトルの長さを一定値に変換する。即ち、リミタ709は、複素乗算器708から入力される信号ベクトルを、単位円上に振幅制限することで、入力信号に含まれる振幅情報を除去し、位相情報のみ通過させる。
次に複素乗算器712、713、714および715は、リミタ709から出力される複素信号の共役値と、分波部30−1で分波され、遅延調整部702で遅延調整された各信号(経路遅延差が補正された後の各信号)を複素乗算する。本乗算処理によって、分波部30−1で分波された信号{(1),(2),(3)}の各信号ベクトル位相は、−Δθ補正され、分波部30−2で分波された信号{(4),(5),(6)}と、−Δθ補正された信号{(1),(2),(3)}の位相不連続が解消される。
以降の中継衛星200の処理は、実施の形態1と同様であり、信号{A,C,D}を受信局401へ、信号Bを受信局403へ送信する。
位相補償部700における位相補償処理により、図11で示した2箇所の位相不連続点(R),(T)の内、受信時に発生する(R)が無くなり、図23に示すように、送信時の位相不連続点(T)の1箇所になる。
また、本実施の形態では、中継衛星200が備えている受信部の遅延回路29−1,29−2,29−3,…,29−Nが除かれているため、図24に示すように、時間遅延差は、送信時に、送信ポート#0から出力される信号(1)〜(4)と、送信ポート#1から出力される信号(5)〜(6)の間に与えられる。よって、地上の受信局401は、図25に示すように、2波の相関ベクトルを合成すれば良いため、実施の形態1のように3波を合成する場合と比較して、処理量を削減できる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、中継衛星200内の一式の{AD変換器、分波部、合波部、DA変換器}で処理可能な信号帯域幅の上限を1とし、これに対して広帯域信号Aの帯域幅を1.5として説明を行った。ここで、例えば広帯域信号Aの帯域幅を1.0とし、この信号Aが、図7に示す信号{(1),(2),(3),(4)}に分波された場合、実施の形態1の中継衛星(図2参照)では、実施の形態1に記載のとおり、受信時に信号(3)と信号(4)の間で位相不連続が生じるが、本実施の形態の中継衛星200では、位相補償部700,700aが行う補償処理により位相不連続は発生しない。また、送信側(図3に示した送信部)でも信号(5)と(6)が合成されないため、位相不連続は生じない。よって、この場合、特別な信号処理を行わない既存の地上受信局でも、広帯域信号Aを復調することができる。すなわち、送信側で生じる位相不連続点を回避するスイッチング制御を行えば、中継衛星200の受信側、即ちアップリンクの各信号は、ポート#0とポート#1が処理する総帯域幅2.0のどこに配置しても良く、アップリンクの周波数利用効率が向上し、既存の送受信局の収容性が高まる効果も得られる。
このように、本実施の形態では、中継衛星200自らが、中継衛星の受信側で生じた位相不連続をデジタル信号処理で補償するので、地上の受信局401における処理の複雑さが軽減され、処理量を削減できる効果や、既存システムの収容性が高まる効果が得られる。なお、本実施の形態では、ポート#0とポート#1の間の位相補償について説明したが、ポート#1とポート#2、ポート#2とポート#3等、その他各ポート間の位相不連続も、同様に補償する。よって、位相補償部700,700aは、ポート数がN個の場合、最大N−1個必要となるが、位相差や経路差を求める機能、即ち遅延調整部702,705(716,717)、周波数変換部703,706、ローパスフィルタ704,707、複素乗算器708、リミタ709、自己相関検出部710および経路遅延差検出部711は、位相差や経路差の時間変動が緩慢な場合、時分割利用することで、小型化を図っても良い。この場合、各ポート間の位相差や経路差を求める回路は、1つに共有化されるため、位相差や経路差を求めるための回路の規模は1/(N−1)倍に削減される。
実施の形態5.
実施の形態5では、地上の受信局401の処理を変更することで、更に良好な復調性能を実現することを目的としている。
実施の形態1における受信局401の合成部513(図4,図5参照)は、3分岐した相互相関データ系列の各遅延制御処理により、図13に示す3つの相関ベクトルの位置を、3番目のパスのベクトル位置に全て揃える説明をしたが、正確には、各相関ベクトルは図26に示すように、実線のピーク値を示す3つの信号ベクトルだけでなく、前後にも点線で示す複数の相関ベクトルが得られる。よって、合成部513は、各相関ベクトルのピーク値に相当する3点だけでなく、その前後の各相関ベクトルも合わせて合成すれば、更に良好な復調性能を実現することができる。
図示は割愛するが、合成する総ベクトル数をKとした場合、ベクトル位置検出部512は、K個の各ベクトルを検出し、合成部513は、K−1個の遅延器、K−1個の移相器と、遅延、移相後のK個の相互相関データをベクトル合成する加算器、ラッチで構成される。
実施の形態6.
実施の形態6では、デジタルビームフォーミング(DBF:Digital Beam Forming)を組合せた場合の構成例について説明する。
本実施の形態は、DBFによるデジタル信号処理でビームを形成する場合に、広帯域信号中継が、宇宙用デバイスの性能限界上、実現できない、という問題を解決するものである。
図27は、実施の形態6の中継衛星において受信側の処理を行う受信部の内部構成例を示す図である。実施の形態1で説明した受信部(図2参照)と同一の構成要素には同じ符号を付している。本実施の形態の受信部は、遅延回路29と分波部30の間に受信DBF処理部80−1,80−2,…を追加した構成となっている。図27では、ポート3の各構成要素を具体化したことにより符号を追加(バンドパスフィルタ23−4、ミキサ24−4、ローパスフィルタ27−4、A/D28−4、遅延回路29−4)している。
図28は、実施の形態6の中継衛星において送信側の処理を行う送信部の内部構成例を示す図である。実施の形態1で説明した送信部(図3参照)と同一の構成要素には同じ符号を付している。本実施の形態の送信部は、合波部32と遅延回路33の間に送信DBF処理部90−1,90−2,…を追加した構成となっている。図28では、ポート3の各構成要素を具体化したことにより符号を追加(遅延回路33−4、D/A34−4、ローパスフィルタ35−4、ミキサ36−4、バンドパスフィルタ38−4)している。
次に、本実施の形態の中継衛星200による受信動作について図27を用いて説明する。中継衛星200(受信側)は、受信アンテナ21−1および21−2を素子アンテナとして使用し、これら2つの素子アンテナで広帯域ビームエリア100に向けたビームを形成することで、広帯域送信局101からの広帯域信号Aを受信する。受信アナログスイッチマトリックス部22は、受信アンテナ21−1の信号をポート#0とポート#1に接続し、受信アンテナ21−2の信号をポート#2とポート#3に接続する。
ポート#0から入力された信号に対して処理を行うバンドパスフィルタ23−1、ミキサ24−1、ローパスフィルタ27−1、A/D28−1および遅延回路29−1の動作は実施の形態1と同様である。すなわち、受信アンテナ21−1で受信した広帯域信号Aの低域側半分の信号を抽出する。
ポート#2から入力された信号に対して処理を行うバンドパスフィルタ23−3、ミキサ24−3、ローパスフィルタ27−3、A/D28−3および遅延回路29−3は、ポート#0から入力された信号に対して行う処理と同様の処理を実行し、受信アンテナ21−2で受信した広帯域信号Aの低域側半分の信号を抽出する。遅延回路29−3の遅延量は、遅延回路29−1の遅延量と同じτR0に設定する。
また、ポート#1から入力された信号に対して処理を行うバンドパスフィルタ23−2、ミキサ24−2、ローパスフィルタ27−2、A/D28−2および遅延回路29−2は、上記のポート#0から入力された信号に対して処理を行う各構成要素と同様の処理を行い、受信アンテナ21−1で受信した広帯域信号Aの高域側半分の信号を抽出する。
同様に、ポート#3から入力された信号に対して処理を行うバンドパスフィルタ23−4、ミキサ24−4、ローパスフィルタ27−4、A/D28−4および遅延回路29−4は、上記のポート#2から入力された信号に対して処理を行う各構成要素と同様の処理を行い、受信アンテナ21−2で受信した広帯域信号Aの高域側半分の信号を抽出する。遅延回路29−4の遅延量は、遅延回路29−2の遅延量と同じτR1に設定する。
受信DBF処理部80−1は、以下の処理[1],[2],[3]を実行し、広帯域信号Aの低域側成分を生成する。
[1]遅延回路29−1から入力される信号Aの低域側成分に、受信アンテナ21−1用のウエイト値W1を乗算する。
[2]遅延回路29−3から入力される信号Aの低域側成分に、受信アンテナ21−2用のウエイト値W2を乗算する。
[3]処理[1],[2]を実行して得られた各乗算結果を加算する。
同様に、受信DBF処理部80−2は、以下の処理[4],[5],[6]を実施し、広帯域信号Aの高域側成分を生成する。
[4]遅延回路29−2から入力される信号Aの高域側成分に、受信アンテナ21−1用のウエイト値WR1を乗算する。
[5]遅延回路29−4から入力される信号Aの高域側成分に、受信アンテナ21−2用のウエイト値WR2を乗算する。
[6]処理[4],[5]を実行して得られた各乗算結果を加算する。
以降の処理は実施の形態1と同様であり、分波部30−1は広帯域信号Aの低域側成分を分波し、分波部30−2は広帯域信号Aの高域側成分を分波する。
次に、本実施の形態の中継衛星200による送信動作について図28を用いて説明する。中継衛星200(送信側)は、送信アンテナ40−1および40−2を素子アンテナとして使用し、これら2つの素子アンテナでビームエリア400に向けたビームを形成し、受信局401へ広帯域信号Aを送信する。この場合、送信アナログスイッチマトリックス部39は、Port#0とPort#1からの信号を送信アンテナ40−1に接続、Port#2とPort#3からの信号を送信アンテナ40−2に接続する。
合波部32−1および32−2の処理は実施の形態1と同様である。すなわち、合波部32−1は図10に示す信号(1),(2),(3),(4)を合波し、図10に示す信号(ウ)を出力する。また、合波部32−2は図10に示す信号(5),(6)を合波し、図10に示す信号(エ)を出力する。
送信DBF処理部90−1は、以下の処理[7],[8]を実施し、2つの低域成分信号S1−1およびS1−2を生成する。
[7]合波部32−1から入力される信号に、アンテナ素子40−1用のウエイト値WT1を乗算し、低域成分信号S1−1として出力する。
[8]合波部32−1から入力される信号に、アンテナ素子40−2用のウエイト値WT2を乗算し、低域成分信号S1−2として出力する。
同様に、送信DBF処理部90−2は、以下の処理[9],[10]を実施し、2つの高域成分信号S2−1およびS2−2を生成する。
[9]合波部32−2から入力される信号に、アンテナ素子40−1用のウエイト値WT1を乗算し、高域成分信号S2−1として出力する。
[10]合波部32−2から入力される信号に、アンテナ素子40−2用のウエイト値WT2を乗算し、高域成分信号S2−2として出力する。
送信DBF処理部90−1および90−2の後段の各ブロックのうち、遅延回路33−1、D/C34−1、ローパスフィルタ35−1、ミキサ36−1およびバンドパスフィルタ38−1は、送信DBF処理部90−1から出力される低域成分信号S1−1に対して実施の形態1と同様の処理を実行し、送信アンテナ40−1から送信する信号の低域側の成分を生成する。
また、遅延回路33−2、D/C34−2、ローパスフィルタ35−2、ミキサ36−2およびバンドパスフィルタ38−2は、送信DBF処理部90−2から出力される高域成分信号S2−1に対して実施の形態1と同様の処理を実行し、送信アンテナ40−1から送信する信号の高域側の成分を生成する。
同様に、遅延回路33−3、D/C34−3、ローパスフィルタ35−3、ミキサ36−3およびバンドパスフィルタ38−3は、送信DBF処理部90−1から出力される低域成分信号S1−2に対して実施の形態1と同様の処理を実行し、送信アンテナ40−2から送信する信号の低域側の成分を生成する。
また、遅延回路33−4、D/C34−4、ローパスフィルタ35−4、ミキサ36−4およびバンドパスフィルタ38−4は、送信DBF処理部90−2から出力される高域成分信号S2−2に対して実施の形態1と同様の処理を実行し、送信アンテナ40−2から送信する信号の高域側の成分を生成する。
このような送信処理によって、本実施の形態の中継衛星200は、ビームエリア400へのビームを形成するとともに、実施の形態1と同様、遅延差が与えられた広帯域信号A’を受信局401に送信する。
受信局401は、実施の形態1と同様の処理を実行し、受信した広帯域信号A’を復調する。
このように、本実施の形態では、DBFで広帯域信号Aを衛星中継する場合、広帯域信号の低域側を処理する複数ポートと、高域側を処理する複数ポートに分担して中継する構成としたので、DBFを適用する場合でも、サンプリング速度の低い宇宙用デバイスが適用できる。更に、DBF特有の高速なビームパターン切り替えや、アンテナの高利得化を実現することもできる。
なお、本実施の形態では、受信アンテナを2素子、送信アンテナを2素子とした構成例について説明したが、アンテナ素子数は3以上でもよい。この場合、受信アンテナ、あるいは送信アンテナの素子数をN個とした場合、中継衛星200のポート数は2Nで構成されることになる。
また、本実施の形態では、中継衛星200で、受信ビームを1ビーム(広帯域ビームエリア100)、送信ビームを1ビーム(ビームエリア400)として説明したが、受信ビーム数や送信ビーム数は2以上でも良い。この場合、各受信DBF処理部(受信DBF処理部80−1,80−2)は、N個の入力素子データから、M個の受信ビーム信号を生成する。即ち、受信DBF処理部80−1および80−2は、入力されるN個の素子データに、1ビームの形成に用いるN個のウエイト値を乗算後、全て加算した結果を該当ビームの受信信号として出力する処理を、Mビーム分同時に実行する。同様に、各送信DBF処理部(送信DBF処理部90−1,90−2)は、M個の送信ビーム信号から、N個の出力素子データを生成する。即ち、送信DBF処理部90−1および90−2は、各送信ビーム信号をN個複製し、複製後の送信ビーム信号それぞれに対して、N個のウエイト値を乗算する処理を、Mビーム分同時に実行する。更に、送信DBF処理部90−1および90−2は、同一送信アンテナ宛の信号を全て加算することで、N個の出力素子データを生成し、出力する。
また、本実施の形態では、DBF処理と{分波処理,合波処理}を合わせた場合の動作例としたが、DBF処理だけを実施して信号を中継しても良い。この場合、衛星中継時に各信号の周波数再配置を行う機能は失われ、各ビーム間を衛星が接続するだけの動作となるが、分波部30−1および30−2、合波部32−1および32−2が不要となり、また、デジタルスイッチマトリックス部は単にビーム間を接続する簡単な構成となるため、小さい回路規模で実現できる。
以上のように、本発明にかかる中継衛星は、衛星通信システムを構築する場合に有用であり、特に、衛星を構成しているデバイス(宇宙用デバイス)の性能限界を超えた広帯域信号についても中継することが可能な衛星通信システムの中継装置に適している。
21−1,21−2,21−N 受信アンテナ
22 受信アナログスイッチマトリックス部
23−1,23−2,23−3,23−N バンドパスフィルタ(BPF)
24−1,24−2,24−3,24−N ミキサ
25 受信ローカル生成部
26 原振
27−1,27−2,27−3,27−N ローパスフィルタ(LPF)
28−1,28−2,28−3,28−N AD変換器(A/D)
29−1,29−2,29−3,29−N 遅延回路
30−1,30−2,30−3,30−N 分波部
31,31a デジタルスイッチマトリックス部
32−1,32−2,32−3,32−N 合波部
33−1,33−2,33−3,33−N 遅延回路
34−1,34−2,34−3,34−N DA変換器(D/A)
35−1,35−2,35−3,35−N ローパスフィルタ(LPF)
36−1,36−2,36−3,36−N ミキサ
37 送信ローカル生成部
38−1,38−2,38−3,38−N バンドパスフィルタ(BPF)
39 送信アナログスイッチマトリックス部
40−1,40−2,40−N 送信アンテナ
80−1,80−2 受信DBF処理部
90−1,90−2 送信DBF処理部
100 広帯域ビームエリア
101 広帯域送信局
102 狭帯域ビームエリア
103,104,105 狭帯域送信局
110 制御局
200 中継衛星
400,402 ビームエリア
401,403 受信局
500 アンテナ
501 アンプ
502 バンドパスフィルタ(BPF)
503 ミキサ
504 受信ローカル生成部
505 ローパスフィルタ(LPF)
506 AD変換器(A/D)
507 分波部
508,509 狭帯域信号用復調器
510,510a 広帯域信号用復調器
511,521 相互相関部
512 ベクトル位相検出部
513 合成部
514,524 検波部
522 伝送路推定部
523 等化部
600,601 遅延器
610,611 移相器
620 加算器
700,700a 位相補償部
701 スイッチ部
702,705,716,717 遅延調整部
703,706 周波数変換部
704,707 ローパスフィルタ
708,712,713,714,715 複素乗算器
709 リミタ
710 自己相関検出部
711 経路遅延差検出部

Claims (16)

  1. 複数の受信アンテナと、
    複数の受信処理手段と、
    複数の送信処理手段と、
    複数の送信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナそれぞれで受信した信号を前記受信処理手段の1つまたは2つ以上に出力する第1のスイッチ手段と、
    前記複数の受信処理手段それぞれが受信処理を行って得られたデジタル受信信号を前記送信処理手段の1つまたは2つ以上に出力する第2のスイッチ手段と、
    前記複数の送信処理手段それぞれが送信処理を行って得られたアナログ信号を前記送信アンテナの1つに出力する第3のスイッチ手段と、
    を備え、
    前記第1のスイッチ手段は、前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の受信信号が入力された場合、当該広帯域受信信号を複数の受信処理手段に出力し、
    前記受信処理手段は、自身で処理可能な帯域よりも広帯域の信号が入力された場合、当該入力信号の一部の帯域を対象として受信処理を行うことを特徴とする中継衛星。
  2. 前記複数の受信アンテナと前記複数の受信処理手段を1対1で接続し、
    前記受信アンテナを指向性が調整可能なアンテナとするとともに、前記第1のスイッチ手段を省略した構成とし
    前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の信号を2つ以上の受信アンテナで受信することを特徴とする請求項1に記載の中継衛星。
  3. 同一の広帯域受信信号が入力された各受信処理手段は、それぞれ異なる帯域を対象として受信処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の中継衛星。
  4. 同一の広帯域受信信号が入力された各受信処理手段におけるそれぞれの処理対象の信号の帯域を、各処理対象の信号を合成した場合に、当該広帯域受信信号と同一帯域となる帯域としたことを特徴とする請求項3に記載の中継衛星。
  5. 前記受信処理手段は、
    自身で処理可能な帯域よりも広帯域の受信信号が入力された場合に自身が処理すべき帯域を抽出するとともに中間周波数信号またはベースバンド信号に変換する処理対象信号抽出手段と、
    前記処理対象信号抽出手段から出力された信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、
    前記デジタル信号を複数の信号に分波する分波手段と、
    を備え、
    前記第2のスイッチ手段は、前記分波後の信号を、後段の各送信処理手段で処理可能な帯域に応じて分配することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の中継衛星。
  6. 前記第2のスイッチ手段は、分配した各信号の送信処理手段ごとの合計帯域が、対応する送信処理手段で処理可能な帯域以下となるように、前記分波後の信号を分配することを特徴とする請求項5に記載の中継衛星。
  7. 前記受信処理手段は、
    前記AD変換手段から出力されたデジタル信号に対して、他の受信処理手段とは異なる値の遅延を与える第1の遅延付加手段、
    をさらに備え、
    前記分波手段は、前記第1の遅延付加手段により遅延が付加された後の信号を分波し、
    前記送信処理手段は、
    前記第2のスイッチ手段から入力された各信号を合波する合波手段と、
    前記合波後の信号に対して、他の送信処理手段とは異なる値の遅延を与える第2の遅延付加手段と、
    前記第2の遅延付加手段から出力された信号をアナログ信号に変換するDA変換手段と、
    前記DA変換手段から出力された信号を無線周波数帯信号に変換する変換手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の中継衛星。
  8. 前記第2のスイッチ手段は、
    同一成分が含まれているデジタル受信信号の間に存在する位相不連続および経路遅延差を補償する補償処理部と、
    前記補償処理部で位相不連続および経路遅延差が補償された後のデジタル受信信号を前記送信処理手段の1つまたは2つ以上に出力するスイッチ部と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の中継衛星。
  9. 前記補償処理部は、
    2つのデジタル受信信号の双方に含まれている同一成分の一方に対して他方の複素共役値を周波数領域で複素乗算して相関値を算出する複素乗算器と、
    前記相関値に基づいて、前記2つのデジタル受信信号の間に存在する経路遅延差を補償する遅延差補償手段と、
    前記遅延差補償手段により経路遅延差が補償された後のデジタル受信信号の間に存在する位相不連続を補償する位相補償手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8に記載の中継衛星。
  10. ビームフォーミングにより複数の受信ビームを形成する複数の受信アンテナと、
    複数の受信処理手段と、
    複数の送信処理手段と、
    ビームフォーミングにより複数の送信ビームを形成する複数の送信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナそれぞれで受信した信号を前記受信処理手段の1つまたは2つ以上に出力する第1のスイッチ手段と、
    前記複数の受信処理手段それぞれが受信処理を行って得られた複数のデジタル受信信号のうち、同一成分のデジタル受信信号同士を合成する複数の受信信号合成手段と、
    前記複数の受信信号合成手段と1対1で対応し、対応する受信信号合成手段から出力された信号を複数の信号に分波する複数の分波手段と、
    前記分波手段で分波された後の各信号を前記送信アンテナの1つまたは2つ以上に割り当てる第2のスイッチ手段と、
    前記第2のスイッチ手段により同一送信アンテナに割り当てられた各信号を合波する複数の合波手段と、
    前記複数の合波手段から出力された各信号を前記複数の送信処理手段の中の2つ以上に分配する分配手段と、
    前記複数の送信処理手段それぞれが送信処理を行って得られたアナログ信号のうち、同一成分に基づいて生成された各アナログ信号を、同一送信ビームを形成する異なる送信アンテナに出力する第3のスイッチ手段と、
    を備え、
    前記第1のスイッチ手段は、前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の受信信号が入力された場合、当該広帯域受信信号を複数の受信処理手段に出力し、
    前記受信処理手段は、自身で処理可能な帯域よりも広帯域の信号が入力された場合、当該入力信号の一部の帯域を対象として受信処理を行うことを特徴とする中継衛星。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の中継衛星と、
    前記中継衛星で中継された信号を受信する受信局と、
    を備えることを特徴とする衛星通信システム。
  12. 請求項7に記載の中継衛星と、
    前記中継衛星で中継された信号を受信する受信局と、
    を備え、
    前記中継衛星は、スペクトラム拡散信号を中継し、
    前記受信局は、
    前記中継衛星で中継された信号のうち、前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の信号を復調するための構成として、
    受信信号と既知の逆拡散コードの相互相関を求める相互相関算出手段と、
    前記相互相関算出手段による処理で得られた相互相関データ系列に基づいて、当該系列に含まれている相互相関ベクトルの数、各相互相関ベクトルの到来時刻および各相互相関ベクトルの位相角を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の相互相関ベクトルを合成する合成手段と、
    前記合成手段により合成された後の相互相関ベクトルに対して検波処理を行う検波手段と、
    を備えることを特徴とする衛星通信システム。
  13. 前記合成手段は、各相互相関ベクトルに対して、各相互相関ベクトルの到来時刻の差に応じた遅延を与えて前記中継衛星の受信処理手段および送信処理手段で個別に付加された遅延量の差をキャンセルするとともに、各相互相関ベクトルの位相角が揃うように調整し、当該調整後の各相互相関ベクトルを加算することを特徴とする請求項12に記載の衛星通信システム。
  14. 前記合成手段は、受信信号と逆拡散コードの相互相関値のピークを示す相互相関ベクトルおよびピーク前後の所定範囲に含まれる相互相関値を示す相互相関ベクトルを合成することを特徴とする請求項12または13に記載の衛星通信システム。
  15. 各受信処理手段および各送信処理手段に対して、前記第1の遅延付加手段で与える遅延量および前記第2の遅延付加手段で与える遅延量を指示するとともに、当該指示内容、および当該指示内容に従って中継された信号において位相が不連続となる位置の情報を前記受信局に通知する制御局、
    をさらに備え、
    前記検出手段は、前記相互相関データ系列および前記制御局からの通知内容に基づいて、前記相互相関ベクトルの数、前記到来時刻および前記位相角を検出することを特徴とする請求項12、13または14に記載の衛星通信システム。
  16. 前記中継衛星は、スペクトラム拡散が実施されていない変調信号にプリアンブルが付加された信号を中継し、
    前記受信局は、
    前記中継衛星で中継された信号のうち、前記受信処理手段で処理が可能な帯域よりも広帯域の信号を復調するための構成として、
    前記プリアンブルに基づいて伝送路推定を行う伝送路推定手段と、
    前記伝送路推定結果に基づいて受信変調信号を等化する等化手段と、
    前記等化後の信号に対して検波処理を行う検波手段と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の衛星通信システム。
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