以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る泡塗布装置を含む本発明に係る画像形成装置の第1実施形態について図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成図である。
この画像形成装置は、被記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送ベルト102と、用紙100を収容する給紙トレイ103と、記録ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で被塗布部材である用紙100に泡を塗布する泡塗布装置200とを備えている。
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成ともできる。
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラ121とテンションローラ122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102に対する用紙100の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。
給紙トレイ103に収容された用紙100は、ピックアップローラ131により、用紙を1枚ずつ分離して下流に搬送する給紙ローラ132aと分離ローラ132bとで構成される給紙部132に送り出される。
給紙部132で一枚に分離された用紙100は、搬送経路133を経由して中間搬送ローラ対134に搬送され、中間搬送ローラ対134により搬送経路135を経由して、中間搬送ローラ対136を経て、泡塗布装置200の塗布ローラ210と塗布ローラ212に圧接している加圧ローラ211との間を搬送され、このとき泡210が塗布されて、搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
そして、泡塗布装置200で塗布された泡210は速乾して、用紙100は搬送ベルト102の周回移動によって搬送され、ヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後排紙トレイ104に排出される。
一方、泡塗布装置200は、泡状態にすることが可能な液体又はゲル若しくは液体及びゲル(以下、これらを「処理液」又は「セット剤」と総称する。)201を収容した容器202と、この容器202から処理液201を圧送するポンプ203と、処理液201から泡210を生成して被記録媒体(用紙100)に塗布する泡生成手段、塗布手段を含む泡生成塗布部205とを備えている。
泡生成塗布部205は、ポンプ203で供給路204を介して供給された処理液201を入れるパン(容器)211と、パン211中の処理液201に一部が浸された回転部材である泡生成ローラ212と、泡生成ローラ212に接触する対向部材である泡搬送ローラ213と、泡生成ローラ212と泡搬送ローラ213との接触部214で発生して泡搬送ローラ213表面に担持されて搬送される泡210が転移される1又は複数の搬送ローラ215と、泡210を担持して回転し、被記録媒体(用紙100)に塗布する泡塗布ローラ216と加圧ローラ217とを備えている。ここでは、泡生成ローラ212と泡搬送ローラ213で泡生成手段を構成し、泡塗布ローラ216で塗布手段を構成している。
そして、泡塗布装置200では、泡生成ローラ212が表面に多数の凹あるいは孔を有することで凹凸面(粗面)として形成されており、処理液201が毛細管現象にて泡生成ローラ212の表層で運ばれ、処理液201が泡生成ローラ212と泡搬送ローラ213の接触部214を通過する際、泡生成ローラ212表面にある多数の凹あるいは孔から空気が供給されることによって、泡210を生成し、泡塗布ローラ216に供給されることで、泡塗布ローラ216によって被記録媒体(用紙100)に泡210を塗布する。
ここで、泡状態になり得る処理液201は、用紙100の表面に塗布することで用紙100の表面を改質する改質材である。例えば、処理液201は、予め用紙100(前述したように材質としての紙に限定されない。)にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙100に浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)である。
この処理液201は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
また、泡210としては、前述したように、液体又はゲルがその中に空気などの気体を含んで丸くなったものであり、気体を包む液体の表面張力により形作られ、ある時間立体的形状を保持できるものであって、かさ密度0.05g/cm3以下であり、泡径の分布範囲が10μm〜1mm、平均泡径が100μm以下であることが好ましく、また、泡は単体では丸く形成されるが、複数結合すると表面張力により個々の泡の形状は多面体形状をとるものである。
ここで、「泡」は液体ではなく半固体となり、流動性等において固体に近い物性を示すものである。つまり、泡210は処理液201から生成されるものであるが、生成された「泡」自体は「液体」や「ゲル」ではない。
そして、このように、用紙100の表面に処理液201から生成した泡210を塗布することによって、泡210には空気を大量に含むことで微量液塗布が可能となって、塗布の均一化を図れ、速乾性が向上し、滲み、裏写り、濃度ムラ等のない良質な画像を出力することができる。
つまり、処理液を泡にして塗布することで、液体やミスト状の処理液と比べて、次のような利点(効果)がある。
(1)泡は空気を大量に含む為、微量塗布が可能である。
(2)泡は固体に近いため、塗布してから削りとる等で塗布膜厚を容易に調整することができ、又、塗布手段から紙への塗布時に塗布手段からの剥離性が良いため、均一塗布が可能である。
(3)泡は紙の繊維に水分が浸透しにくいため、紙にシワやカールが発生しにくい。
このような泡塗布の長所は、処理液の種類に依存せず、同様な効果が得られる。なお、処理液は紙粉を抑える効果を持つことが好ましく、また、用紙の地肌色を変える効果があっても良い。
さらに、このように被記録媒体の処理剤として「泡」のものを用いることは、液体の処理剤に比べて特に高速での記録、処理時に格別の効果を有する。例えば、連帳機のように、連続紙に高速で印刷を行う場合、処理剤の塗布も記録動作に追いつくためにローラ等を高速に回転させて塗布を行う必要がある。
このような記録が毎分100m程度を超えるスピードになると、ローラの高速回転により発生する遠心力もきわめて大きくなり、液体の処理剤では、処理剤がローラ表面から引き離され飛散してしまい、被記録媒体に塗布される量が著しく低下してしまうという不具合がある。液体の処理剤を使用してこのような不具合を解決するためには、液体の粘度を上げてローラ表面から飛散しにくくすることも考えられるが、このような高粘度液体は薄膜で塗布することが困難になり、しかも給液、排液動作の負荷が大きくなって搬送用のポンプの大型化や装置の複雑化を招くことになる。
これに対して、処理液から生成した「泡」は、搬送時は通常の低粘度液体であり、搬送負荷が少ない上に、ローラ上では発泡させた状態で半固体の性質を示すため、ローラの高速回転にも追随して飛散することがない。また、被記録媒体への薄膜塗布に有利であることは前述のとおりである。さらに、塗布後の残泡はヒータの加熱等で消泡することで容易に低粘度液体として再回収でき、液体の処理剤塗布の高速塗布における問題点をすべて解決することができるのである。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第1実施形態について図2を参照して説明する。なお、図2は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)211内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である剛体で形成された泡生成ローラ212Aと、泡生成ローラ212Aに接触する対向部材である泡搬送ローラ213とを備えている。ここで、泡生成ローラ212Aの表面は多数の凹あるいは孔などが形成された凹凸面(粗面)となっている。また、泡生成ローラ212Aと泡搬送ローラ213は逆方向(接触部214で同じ方向)に回転する。なお、各ローラ部材の回転方向は矢示方向である(以下同様である。)。また「ローラ部材」は中空ローラ部材を含む意味である。
このように構成したので、泡生成ローラ212Aと泡搬送ローラ213がそれぞれ逆方向に回転すると、泡生成ローラ212の表面に付着して担持される処理液2が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ212Aと泡搬送ローラ213との接触部(ニップ部)214まで移送され、移送された処理液201は接触部214で泡生成ローラ212Aの表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透して、接触部214出口で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ213上に付着し搬送される。
このように、回転部材と回転部材に接触する対向部材とを有して、回転部材と対向部材との接触部にて処理液を泡化して泡を生成する泡生成手段を備えることで、泡を生成する構成が簡略化する。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第2実施形態について図3を参照して説明する。なお、図3は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)211内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材(例えば多孔質部材)で形成された泡生成ローラ212Bと、泡生成ローラ212Bに接触する対向部材である泡搬送ローラ213とを備えている。泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213は逆方向(接触部214で同じ方向)に回転する。
このように構成したので、泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213がそれぞれ逆方向に回転すると、泡生成ローラ212Bの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213との接触部(ニップ部)214まで移送され、移送された処理液201は接触部214入口で泡生成ローラ212B表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透する。このとき、泡生成ローラ212Bが弾性圧縮変形することで内部の空気と処理液201の一部を接触部214入口側に放出する。接触部214出口側で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ213上に付着し搬送され、泡化しなかった処理液201の一部は泡生成ローラ212Bが弾性膨張変形することで内部に収納されパン211に戻される。
これにより、第1実施形態よりもさらに効率的に処理液と空気を混合できて大量の泡を少ない回転数、回転速度で効率よく生成することができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第3実施形態について図4を参照して説明する。なお、図4は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)211内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材で形成された泡生成ローラ212Bと、泡生成ローラ212Bに接触する対向部材である泡搬送ローラ213とを備えている。泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213は同方向(接触部214で逆方向)に回転する。
このように構成したので、泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213がそれぞれ同方向に回転すると、泡生成ローラ212Bの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ212Bと泡搬送ローラ213との接触部(ニップ部)214まで移送され、移送された処理液201は接触部214入口で、泡生成ローラ212Bが弾性圧縮変形することで内部から放出された空気により泡210となる。そして、接触部214入口に溜まった泡210は泡生成ローラ212Bと接触部214で逆方向に回転する泡搬送ローラ213に付着し搬送される。
これにより、第2実施形態よりもさらに効率的に大量の泡を生成することが可能となる。すなわち、接触部214で同一方向に回転する場合、接触部下流側に発生する泡を利用するしかないが、このような構成では接触部214で一度泡が派生した後で再度弾性部材が膨張し、発生した泡を吸収してしまうため、どうしても泡の発生量は目減りしてしまう。これに対して本実施例の構成では接触部の上流側から泡を取り出すため、弾性部材にはくみ上げられた処理液が豊富に含まれており、弾性部材に泡が吸い取られることがほとんどなく、生成した泡をそのまま有効に利用することができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第4実施形態について図5を参照して説明する。なお、図5は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)211内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材で形成された泡生成ローラ212Bと、泡生成ローラ212Bに接触する対向部材である泡生成補助ローラ218と、泡生成ローラ212Bと泡生成補助ローラ218との接触部214で生成される泡210を溜める隔壁部材219と、泡210を搬送する泡搬送ローラ225とを備えている。泡生成ローラ212Bと泡生成補助ローラ218は逆方向(接触部214で同方向)に回転する。
このように構成したので、泡生成ローラ212Bと泡生成補助ローラ218がそれぞれ逆方向に回転すると、泡生成ローラ212Bの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ212Bと泡生成補助ローラ218との接触部(ニップ部)214まで移送され、移送された処理液201は接触部214入口で、泡生成ローラ212Bが弾性圧縮変形することで内部から放出された空気により泡210となる。接触部214の入り口に溜まった泡210は堆積しながら隔壁219に沿って泡搬送ローラ225に達して、泡搬送ローラ225に付着して搬送される。
これにより、第3実施形態の効果に加えて、第3実施形態で生じる2つのローラが接触部214において逆回転することによるローラの磨耗、破損を抑制し、かつ処理液がローラ表面に行き渡るまでの高負荷状態を低減して、低駆動負荷で信頼性の高い泡生成装置を得ることができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第5実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図、図7は同じく異なる状態を示す説明図である。
この泡生成部は、前記第3実施形態において、対向部材である泡搬送ローラ213を軸間調整アーム220によって回転部材である泡生成ローラ212Bに対して矢示A、B方向に揺動可能に配設し、泡搬送ローラ213と泡生成ローラ212Bとの間の軸間距離を変更することで、泡搬送ローラ213と泡生成ローラ212Bの接触量(ニップ量、食い込み量)を調整できるようにしている。
そこで、例えば画像形成装置に適用した場合には、図8に示すように、印刷モードが高画質モードか否かを判別し、高画質モードであれば、図7に示すように軸間調整アーム220を泡生成ローラ212B側に近づく方向(矢示B方向)に移動して泡搬送ローラ213と泡生成ローラ212Bとの間の軸間距離を狭くする(小さくする)。これにより、泡搬送ローラ213の泡生成ローラ212Bへの食い込み量が増加(ニップ量大)することで、泡生成ローラ212B内部から放出される空気量も増加し、生成される泡210の量も増加する(泡発生量多い)。
そして、印刷終了後、図6に示すように軸間調整アーム220を逆方向(泡生成ローラ212Bから離れる方向:矢示A方向)に移動して泡搬送ローラ213と泡生成ローラ212Bとの間の軸間距離を広くする(大きくする)。これにより、泡搬送ローラ213の泡生成ローラ212Bへの食い込み量が減少(ニップ量小)することで、泡生成ローラ212B内部から放出される空気量が減少し、生成される泡210の量も減少する(泡発生量少ない)。
これにより、泡生成量の調整を容易に行うことができる。
なお、この第5実施形態の構成は第1、第2、第4実施形態にも適用できる。第4実施形態に適用する場合には泡生成補助ローラ8を移動させることになる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第6実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、前記第2実施形態において、回転部材である泡生成ローラ212Bを対向部材である泡搬送ローラ213に対して矢示C、D方向に移動可能に配設して、泡生成ローラ212Bを泡搬送ローラ213に対して接離可能としている。
このように構成したので、泡生成を行うときには、泡生成ローラ212Bを上昇させて(矢示C方向に移動させて)泡搬送ローラ213に接触させることで接触部214が形成され、前述したように接触部214による泡210の生成を行うことができる。また、泡生成を停止するときには、泡生成ローラ212Bを下降させて(矢示D方向に移動させて)泡搬送ローラ213から離間させることで接触部214が形成されなくなり、泡210が生成されなくなる(停止する)。この場合、泡生成ローラ212Bを従動ローラとすれば、泡生成ローラ212Bを離間させることで泡生成ローラ212Bの回転も停止する。
これにより、簡単な構成で泡の生成、泡の生成停止を制御することができる。
なお、対向部材である泡搬送ローラ213を回転部材である泡生成ローラ212Bに対して離間することで接触部214が形成されないように構成することもできる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第7実施形態について図10を参照して説明する。なお、図10は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、前記第4実施形態において、対向部材である泡生成補助ローラ218を回転部材である泡生成ローラ212Bに対して矢示E、F方向に移動可能に配設して、泡生成補助ローラ218を泡生成ローラ212Bに対して接離可能としている。
このように構成することで、泡生成を行うときには、泡生成補助ローラ218を実線図示の位置から矢示E方向に破線図示の位置に移動させて泡生成ローラ212Bに接触させることで接触部214が形成され、前述したように接触部214による泡210の生成を行うことができる。また、泡生成を停止するときには、泡生成補助ローラ218を破線図示の位置から矢示F方向に実線図示の位置に移動させて泡生成ローラ212Bから離間させることで接触部214が形成されなくなり、泡210が生成されなくなる(停止する)。この場合、泡生成補助ローラ218を従動ローラとすれば、泡生成補助ローラ218を離間させることで泡生成補助ローラ218の回転も停止する。
これにより、簡単な構成で泡の生成、泡の生成停止を制御することができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第8実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)211内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液2を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材で形成された泡生成ローラ212Bと、泡生成ローラ212Bに接触する対向部材である加圧部材221と、泡生成ローラ212Bと加圧部材218との接触部214で生成される泡210を搬送する泡搬送ローラ225とを備えている。
このように構成したので、泡生成ローラ212Bが矢示方向に回転すると、泡生成ローラ212Bの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ212Bと加圧部材221との接触部214まで移送され、移送された処理液201は接触部214入口で、泡生成ローラ212Bが弾性圧縮変形することで内部から放出された空気により泡210となる。接触部214の入り口に溜まった泡210は堆積しながら加圧部材221から矢示方向に回転する泡搬送ローラ225に達して、泡搬送ローラ225に付着して搬送される。
このように対向部材は回転しない部材であっても回転部材との間(接触部)で泡を生成することができる。これにより回転軸等の複雑な構成を新たに設けることなく、泡生成と泡搬送を同時に実施することができる。また、泡生成ローラ212Bへの押圧量で泡の生成量を、泡搬送ローラ225とのギャップで搬送される泡の塗布膜厚をそれぞれ別個に管理することができるという優れた利点もある。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第9実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、前記第8実施形態において、対向部材である加圧部材221を矢示G、H方向に移動可能に配設して、加圧部材221を泡生成ローラ212Bに対して接離可能に配置している。
このように構成したので、泡生成を行うときには、加圧部材221を実線図示の位置から矢示G方向に破線図示の位置に移動させて泡生成ローラ212Bに接触させることで接触部214が形成され、前述したように接触部214による泡210の生成を行うことができる。また、泡生成を停止するときには、加圧部材221を破線図示の位置から矢示H方向に実施図示の位置に移動させて泡生成ローラ212Bから離間させることで接触部214が形成されなくなり、泡210が生成されなくなる(停止する)。
これにより、簡単な構成で泡の生成、泡の生成停止を制御することができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第10実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、前記第8実施形態において、対向部材である加圧部材221を矢示I、J方向に移動可能に配設して、泡生成ローラ212Bに対する加圧部材221の食い込み量を変更可能としている。
このように構成したので、加圧部材221を矢示I方向に実線図示の位置に移動して、泡生成ローラ212Bに対する食い込み量(ニップ量)を増加(ニップ量大)することで、泡生成ローラ212B内部から放出される空気量も増加し、生成される泡210の量も増加する(泡発生量増大)。また、加圧部材221を矢示J方向に破線図示の位置に移動して、泡生成ローラ212Bに対する食い込み量(ニップ量)を減少(ニップ量小)することで、泡生成ローラ212B内部から放出される空気量も減少し、生成される泡210の量も減少する(泡発生量減少)。
これにより、泡生成量の調整を容易に行うことができ、かつ矢示方向に動かすことで、第8実施形態で述べたように、泡搬送ローラへの泡の塗布膜厚は変えずに泡生成量のみを制御することもできる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第11実施形態について図14を参照して説明する。なお、図14は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の説明図である。
この泡生成部は、前記第3実施形態において、回転部材である泡生成ローラ212Bの回転速度に対する対向部材である泡搬送ローラ213の相対的な回転速度を調整可能としたものである。
例えば、泡搬送ローラ213の回転速度V1を泡生成ローラ212Bの回転速度V0に対して相対的に速くする(V1>V0)ことによって、接触部214の入口部分で発生する泡210の量は変化しないが、単位時間当たりに泡搬送ローラ213で搬送される泡210の量が多くなって、泡搬送ローラ213表面に付着する泡210の膜厚を薄くすることができる。なお、図14では泡搬送ローラ213上の泡210を間引いて表記することで膜厚が薄いことを表しており、間引かれて搬送されるという意味ではない。
これにより、搬送する泡の膜厚調整を容易に行うことができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置を含む本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15は同画像形成装置の全体構成図である。
この画像形成装置の泡塗布装置200は、泡状態にすることが可能な処理液201を収容した容器202と、この容器202から処理液201を圧送するポンプ203と、処理液201から泡210を生成して被記録媒体(用紙100)に塗布する泡生成手段、塗布手段を含む泡生成塗布部205とを備えている。
泡生成塗布部205は、ポンプ203で供給路204を介して供給された処理液201を入れるパン(容器)311と、パン311中の処理液201に一部が浸された回転部材である泡生成ローラ312と、泡生成ローラ312に接触する対向部材である泡搬送ローラ313と、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313との接触部314で発生して泡搬送ローラ313表面に担持されて搬送される泡210が供給され、この泡210を担持して回転し、被記録媒体(用紙100)に塗布する泡塗布ローラ316と加圧ローラ317と、泡搬送ローラ313上で泡210が幅方向(ローラ軸方向)に延展する(延展とは延びて展開することの意味)ことを規制する泡延展防止ガイド331と、塗布ローラ316上の残存泡を清掃する清掃部材332とを備えている。ここでは、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313で泡生成手段を構成し、泡塗布ローラ316で塗布手段を構成している。
そして、泡塗布装置200では、泡生成ローラ312が表面に多数の凹あるいは孔を有することで凹凸面として形成されており、処理液201が毛細管現象にて泡生成ローラ312の表層で運ばれ、処理液201が泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313の接触部314を通過する際、泡生成ローラ312表面にある多数の凹あるいは孔から空気が供給されることによって、泡210を生成し、泡塗布ローラ316に供給されることで、泡塗布ローラ316によって被記録媒体(用紙100)に泡210を塗布する。
ここで、この泡塗布装置200において、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313との軸間距離を変化させることで泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313の軸方向における接触幅を変更可能として、軸方向(被記録媒体の幅方向)における泡210の生成範囲(領域)を調整できるようにしている。
また、泡延展防止ガイド331は泡搬送ローラ313の軸方向に移動可能に配設され、図示しない移動手段によって被記録媒体100のサイズに応じて移動される。
なお、その他の構成は前記第1実施形態の画像形成装置と同様である
このように構成することで、被記録媒体100の幅方向(搬送方向と直交する方向)のサイズに応じて、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313の軸方向における接触幅を変更することで、泡210を生成する接触部314の幅が変化して、被記録媒体100のサイズに応じた領域で泡210を生成することができる。これにより、泡塗布ローラ316に被記録媒体100の幅サイズを越える領域に泡210が塗布されて、被記録媒体100に塗布されないで残る余剰泡の発生を低減することができる。
この場合、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313の軸方向における接触幅を変更しても泡210の生成領域を高精度に制限することは難しいので、本実施形態のように、泡延展防止ガイド331を設けることで、泡搬送ローラ313の被記録媒体100の幅を越える領域に泡210が担持されることをできる限り規制することによって、より確実に余剰泡の発生を防止することができる。
次に、この第2実施形態の画像形成装置に適用する本発明に係る泡塗布装置の第12実施形態について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図(図15の状態を正面とする。以下同様。)、図17は図16の側面説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)311内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面部分が弾性部材で形成された泡生成ローラ312Aと、泡生成ローラ312Aに接触する対向部材である泡搬送ローラ313とを備えている。泡生成ローラ312Aと泡搬送ローラ313は逆方向(接触部314で同じ方向)に回転する。
ここで、泡生成ローラ312Aは、図17に示すように、ローラ軸方向(回転部材軸方向)に沿う断面の形状で太鼓状に形成されている。そして、泡生成ローラ312は白抜き矢印方向(上下方向)に移動可能に配設されて、泡搬送ローラ313と泡生成ローラ312Aとの軸間距離を変更できるようにしている。
また、泡搬送ローラ313の周面に対向して泡延転防止ガイド331が配設され、泡延転防止ガイド331は図17に示す矢示方向(ローラ軸方向)に図示しない移動手段によって移動可能に配設されている。
このように構成したので、パン311内部の処理液201に一部が浸された太鼓状泡生成ローラ312Aが矢示方向に回転することで、処理液201が太鼓状泡生成ローラ312Aと泡搬送ローラ313の接触部314まで運ばれ、運ばれた処理液201は接触部314入口で太鼓状泡生成ローラ312A表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透する。この太鼓状泡生成ローラ312Aが弾性圧縮変形することで内部の空気と処理液201の一部を接触部314入口側に放出する。そして、接触部314出口側で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ313上に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、太鼓状泡生成ローラ312Aと泡搬送ローラ313との接触部314が形成されているローラ軸方向の領域(これを「接触幅領域333」又は「接触幅範囲333」という。)であるので、太鼓状泡生成ローラ312Aを図17の白抜き矢印方向に上昇又は下降させて太鼓状泡生成ローラ312Aの泡搬送ローラ313に対する加圧力を変化させることで、泡210が生成される接触幅領域333を変化させることができる。
また、泡搬送ローラ313上に付着し搬送される泡210は泡延転防止ガイド331内側の泡搬送ローラ313と太鼓状泡生成ローラ312Aとの接触幅領域333のみとなる。
そこで、用紙サイズ(用紙の幅方向サイズ)に対応して太鼓状泡生成ローラ312Aの泡搬送ローラ313に対する加圧力を変化させることで、接触幅領域333を用紙サイズに応じて変化させることができ、用紙100に塗布されない余剰泡の発生を低減することができる。また、泡延転防止ガイド331のローラ軸方向位置も用紙サイズに対応して変更することで、より確実に余剰泡の発生を低減できる。
なお、泡延転防止ガイド331の位置変更は、用紙サイズが小から大に変更されるときには接触幅領域333を変更する前に行い、用紙サイズが大から小に変更されるときには接触幅領域333の変更の後に行うことで、泡延転防止ガイド331の軸方向外側領域における余剰泡の付着をより確実に防止できる。
このように、回転部材と対向部材との回転部材軸方向における接触幅を変更可能である構成とすることで、泡を生成する構成が簡略化するとともに、泡生成の幅を被記録媒体に合わせることができて余剰泡の発生を低減できる。
そして、回転部材は回転部材軸方向で径の異なる部分を有し、回転部材と対向部材との距離を変化させることで回転部材軸方向における接触幅が変化する構成とすることで、簡単な構成で接触幅を変化させることができ、例えば、回転部材は回転部材軸方向に沿う断面の形状で太鼓状に形成されていることで、回転部材軸方向における径の異なる部分を容易に形成できる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第13実施形態について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図、図19は図18の側面説明図である。
この泡生成部では、回転部材である泡生成ローラ312Bは、図19に示すように、ローラ軸方向に沿う断面の形状で階段状に形成されている。つまり、泡生成ローラ312Bはローラ軸方向中央部が最も径が大きく、端部に向かって順次2段階の径が小さくなるように形成されている。そして、この泡生成ローラ312Bは白抜き矢印方向(上下方向)に移動可能に配設されて、泡搬送ローラ313と泡生成ローラ312Bとの軸間距離を変更できるようにしている。なお、その他の構成は前記第12実施形態と同様である。
このように構成したので、パン311内部の処理液201に一部が浸された階段状泡生成ローラ312Bが矢示方向に回転することで、処理液201が階段状泡生成ローラ312Bと泡搬送ローラ313の接触部314まで運ばれ、運ばれた処理液201は接触部314入口で階段状泡生成ローラ312B表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透する。この階段状泡生成ローラ312Bが弾性圧縮変形することで内部の空気と処理液201の一部を接触部314入口側に放出する。そして、接触部314出口側で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ313上に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、階段状泡生成ローラ312Bと泡搬送ローラ313との接触部314が形成されているローラ軸方向の領域(接触幅領域333)であるので、階段状泡生成ローラ312Bを図19の白抜き矢印方向に上昇又は下降させて階段状泡生成ローラ312Bの泡搬送ローラ313に対する加圧力を変化させることで、接触幅領域333を変化させることができる。
これにより、前記第12実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第14実施形態について図20及び図21を参照して説明する。なお、図20は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図、図21は図20の側面説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)311内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材で形成された泡生成ローラ312Cと、泡生成ローラ312Cに接触する対向部材である泡生成補助ローラ318と、泡生成ローラ312Cと泡生成補助ローラ318との接触部314で生成される泡210を溜める隔壁部材319と、泡210を搬送する泡搬送ローラ325とを備えている。泡生成ローラ312Cと泡生成補助ローラ318は逆方向(接触部314で同方向)に回転する。
ここで、泡生成補助ローラ318は、用紙サイズに応じて分割されたローラ318a〜318eで構成され、中央のローラ318aを挟んで両側にそれぞれローラ318b、318cが、ローラ318b、318cの外側にそれぞれローラ318d、318eが配置されている。そして、これらのローラ318a〜318eは、それぞれ別個に(又はローラ318b及び318cは同時、ローラ318d、318eは同時でもよい。)に、泡生成ローラ312Cに対して白抜き矢印方向に移動可能に配置されることで、泡生成ローラ312Cに対して接触及び離間可能に配置されている。
このように構成したので、泡生成ローラ312Cと泡生成補助ローラ318がそれぞれ逆方向に回転すると、泡生成ローラ312Cの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ312Cと泡生成補助ローラ318との接触部(ニップ部)314まで移送され、移送された処理液201は接触部314入口で、泡生成ローラ312Cが弾性圧縮変形することで内部から放出された空気により泡210となる。接触部314の入り口に溜まった泡210は堆積しながら隔壁319に沿って泡搬送ローラ325に達して、泡生成ローラ325に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、泡生成ローラ312Cと泡生成補助ローラ318との接触部214が形成されているローラ軸方向の領域(接触幅領域333)であるので、泡生成補助ローラ318を構成する分割されたローラ318a〜318eを選択的に白抜き矢印方向に移動させて、泡生成ローラ312Cと接触する318a〜318eを異ならせる(接触する個数を変える)ことで、接触幅領域333を変化させることができる。
これにより、前記第12実施形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、用紙のサイズが変わっても用紙の幅方向の位置によって泡の生成量に差が生じることがなく、より均一な塗布が可能となる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第15実施形態について図22及び図23を参照して説明する。なお、図22は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図、図23は図22の側面説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)311内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面が弾性部材で形成された泡生成ローラ312Cと、泡生成ローラ312Cに接触する対向部材321と、泡生成ローラ312Cと対向部材321との接触部314で生成される泡210を搬送する泡搬送ローラ325とを備えている。
ここで、対向部材321は、用紙サイズに応じて分割された分割対向部材321a〜321eで構成され、中央の対向部材321aを挟んで両側にそれぞれ分割対向部材321b、321cが、分割対向部材321b、321cの外側にそれぞれ分割対向部材321d、321eが配置されている。そして、これらの分割対向部材321a〜321eは、それぞれ別個に(又は分割対向部材321b及び321cは同時、分割対向部材321d、321eは同時でもよい。)に、泡生成ローラ312Cに対して白抜き矢印方向に移動可能に配置されることで、泡生成ローラ312Cに対して接触及び離間可能に配置されている。
このように構成したので、泡生成ローラ312Cが矢示方向に回転すると、泡生成ローラ312Cの表面に付着して担持される処理液201が汲み上げられ、処理液201は泡生成ローラ312Cと対向部材321との接触部(ニップ部)314まで移送され、移送された処理液201は、接触部314入口で、泡生成ローラ312Cが弾性圧縮変形することで内部から放出された空気により泡210となる。接触部314の入口に溜まった泡210は、対向部材321に沿って泡搬送ローラ325に達して、対向部材321と泡搬送ローラ325の隙間を通り、泡搬送ローラ325に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、泡生成ローラ312Cと対向部材321との接触部314が形成されているローラ軸方向の領域(接触幅領域333)であるので、対向部材321を構成する分割された分割対向部材321a〜321eを選択的に白抜き矢印方向に移動させて、泡生成ローラ312Cと接触する分割対向部材321a〜321eを異ならせる(接触する個数を変える)ことで、接触幅領域333を変化させることができる。
これにより、前記第14実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第16実施形態について図24及び図25を参照して説明する。なお、図24は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図、図25は図24の側面説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)311内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面部分が弾性部材で形成された泡生成ローラ312Cと、泡生成ローラ312Cに接触する対向部材である泡搬送ローラ313とを備えている。泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313は逆方向(接触部314で同じ方向)に回転する。
そして、泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313との間に進退可能(白抜き矢印方向に移動可能)に配設された隔壁部材322を有している。
このように構成したので、パン311内部の処理液201に一部が浸された泡生成ローラ312Cが矢示方向に回転することで、処理液201が泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313の接触部314まで運ばれ、運ばれた処理液201は接触部314入口で泡生成ローラ312C表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透する。この泡生成ローラ312Cが弾性圧縮変形することで内部の空気と処理液201の一部を接触部314入口側に放出する。そして、接触部314出口側で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ313上に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、泡生成ローラ312Cと対向部材である泡搬送ローラ313との接触部314が形成されているローラ軸方向の領域(接触幅領域333)であるので、泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313との間に隔壁部材322を挿入されている範囲では泡210が生成されないので、隔壁部材322を挿入するローラ軸方向の範囲を変えることで、接触幅領域333を変化させることができる。
これにより、前記第12実施形態と同様な作用効果を得ることができ、かつ接触幅領域を無段階に調整可能であり、接触幅領域の泡生成ローラ312Cのつぶし量もほぼ均一とすることができる。すなわち、第12実施形態、第13実施形態においては、泡生成ローラのつぶし量が部分的に異なり泡生成量に差違ができ、一方、第14実施形態、第15実施形態においては、泡生成補助ローラ318間や対向部材321間の境目でどうしても泡が生成されない領域(つぶし量ゼロ領域)が生じて泡の生成量がばらついてしまうが、本実施例ではこのような課題を解決することができ均一な泡生成が可能となる。
次に、本発明に係る泡塗布装置の第17実施形態について図26及び図27を参照して説明する。なお、図26は同実施形態の泡生成部(泡生成手段)の正面説明図、図27は図25の側面説明図である。
この泡生成部は、パン(容器)311内に収容される泡状態になり得る処理液201に一部が浸され、処理液201を担持して回転する回転部材である少なくとも表面部分が弾性部材で形成された泡生成ローラ312Cと、泡生成ローラ312Cに接触する対向部材である泡搬送ローラ313とを備えている。泡生成ローラ312Aと泡搬送ローラ313は逆方向(接触部314で同じ方向)に回転する。
そして、泡生成ローラ312Aと泡搬送ローラ313との間に進退可能(白抜き矢印方向に移動可能)に配設されたパイプ状(中空状)隔壁部材323を有している。
このように構成したので、パン311内部の処理液201に一部が浸された泡生成ローラ312Cが矢示方向に回転することで、処理液201が泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313の接触部314まで運ばれ、運ばれた処理液201は接触部314入口で泡生成ローラ312C表面の多数の凹あるいは孔に空気と共に浸透する。この泡生成ローラ312Cが弾性圧縮変形することで内部の空気と処理液201の一部を接触部314入口側に放出する。そして、接触部314出口側で空気と混合された処理液201は泡210となって泡搬送ローラ313上に付着して搬送される。
このとき、泡210が生成されるローラ軸方向の領域は、泡生成ローラ312Cと対向部材である泡搬送ローラ313との接触部314が形成されているローラ軸方向の領域(接触幅領域333)であるので、泡生成ローラ312Cと泡搬送ローラ313との間に隔壁部材323を挿入されている範囲では泡210が生成されないので、隔壁部材323を挿入するローラ軸方向の範囲を変えることで、接触幅領域333を変化させることができる。
これにより、前記第16実施形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、隔壁部材323が泡生成ローラ312Cと一緒に連れ回りで回転するために、隔壁部材323と泡生成ローラ312C及び泡搬送ローラ313との摩擦を低減し、かつ処理液がローラ表面に行き渡るまでの高負荷状態を低減して、低駆動負荷でローラの寿命を延ばし装置の信頼性を向上することができる。
次に、上記第12ないし第17実施形態における延展防止ガイド331及び接触幅領域333の変更制御について図28のフロー図を参照して説明する。
まず、用紙サイズが前回の印刷と異なるか否かを判別し、用紙サイズが前回の印刷と異なるときには、前回の印刷の用紙サイズより小さいか否かを判別する。
そして、前回の印刷の用紙サイズより小さいときには、清掃部材332を泡塗布ローラ316に接触させ、泡塗布ローラ332と泡搬送ローラ313とを所定時間回転させることにより、ローラ表面を清掃する。このとき、泡搬送ローラ313が泡生成ローラ312と接触している実施形態の構成にあっては、泡生成ローラ312と泡搬送ローラ313とを離間させておくことが好ましい。清掃後、清掃部材332を泡塗布ローラ316から離間させる。
その後、また前回の印刷の用紙サイズより小さくないとき(大きいとき)、延展防止ガイド331を用紙サイズに対応した位置に移動させ、泡生成ローラ312の接触幅領域333を用紙サイズに対応させるように、泡生成ローラ312や対向部材を移動させる。
なお、上記実施形態おいては、回転部材の表面が凹凸あるいは孔などが形成された凹凸面(粗面)である例で説明しているが、対向部材側の表面を凹凸あるいは孔などが形成された凹凸面(粗面)とする構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、泡状態にすることが可能な液体から泡を生成して塗布する例で説明しているが、本発明を、泡状態にすることが可能なゲルから泡を生成して被塗布部材に塗布する泡塗布装置、この装置を備える画像形成装置にも適用することができる。
また、本発明に係る泡塗布装置は、例えば電子写真方式の画像形成装置にも適用することができる。例えば、紙等の媒体上のトナー等の樹脂を含有する微粒子を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を泡化(以下「定着泡」という)して塗布することにより、塗布後に素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残油感が発生しない定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置にも適用できる。
そこで、電子写真方式の画像形成装置に適用した場合の例について図29及び図30を参照して説明する。なお、図29及び図30はローラ塗布手段においてローラ塗布面と未定着樹脂微粒子が接する部分の拡大説明図であり、図29は塗布ローラと記録媒体との接触面での加圧が相対的に高い場合、図30は同加圧が相対的に低い場合である。また、塗布ローラ1011の回転方向及び被塗布部材としての記録媒体1010の移動方向はいずれも図中の矢印方向とする。
まず、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が高い場合、図29(a)に示す例では、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012は気泡1013の単層構造となっていることから、気泡自身が表面張力により塗布ローラ1011の塗布面に付着しやすく、記録媒体1010上の樹脂微粒子(未定着トナー)1015の層へ定着泡1012が不均一にしか塗布されず、樹脂微粒子1015が気泡1013に吸着して塗布ローラ1011の塗布面にオフセットしてしまう。
一方、図29(b)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012が複数層の気泡層構造である場合、凹凸を有する未定着トナー1015の面への気泡の埋め込みが可能となり、定着泡1012は気泡1013の層間で分離しやすくなり、トナー層に均一に塗布可能となり、トナーオフセットを極めて生じにくくすることができる。
したがって、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が高い場合、塗布ローラ1011に未定着トナー1015がオフセットしないようにするためには、予め生成する気泡の平均的な大きさを測定しておき、気泡層が複数層となるように、塗布ローラ1011上の定着泡層の膜厚を気泡層の複数層分の厚みになるように制御すれば、塗布ローラ1011上には必ず複数層の気泡層からなる定着泡層が形成され、トナーオフセットの防止が可能となる。
また、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が低い場合、図30(a)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012は気泡1013の単層構造となっているため、凹凸を有する未定着トナー1015の面への気泡が付着しやすくなり、塗布ローラ1011の面から気泡層が剥離し、定着泡1012は未定着トナー1015に塗布される。
一方、図30(b)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012が複数層の気泡層構造である場合、気泡1013どうしの結合が強いため、気泡1013は塗布ローラ1011側に残りやすく、逆に未定着トナー1015が気泡1013に付着して、結果として塗布ローラ1011の面に未定着トナー1015がオフセットする。
したがって、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が低い場合、予め気泡の平均的な大きさを測定しておき、塗布ローラ面で単層の気泡層構造の定着泡となるように定着泡層厚みを制御すれば、塗布ローラ上には単層の気泡層構造の定着泡膜が形成され、高加圧力条件でトナーオフセットを防止できる。また、塗布ローラ1011に未定着トナー1015がオフセットしないようにするためには、塗布ローラ1011上の気泡層が厚すぎると塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触部に気泡層の流動が生じ、トナー粒子がその流れに沿って移動してしまし、画像が流れる不具合が発生するので、流動性が生じない範囲に定着泡層の膜厚を制御することが好ましい。
このように、定着泡に含有される気泡の大きさ、加圧力に応じて、定着泡層の膜厚を制御することで、塗布ローラのような接触塗布手段へのトナーオフセットや画像流れを防止し、極めて微小の塗布による定着を可能とすることができる。
すなわち、樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を用い、接触塗布手段にて媒体上の当該樹脂微粒子に定着液を塗布することで当該樹脂微粒子を媒体に定着する方法であり、当該定着液を該媒体上の当該樹脂微粒子表面に付与するときに、当該微粒子に定着液が接する塗布で、当該定着液が気泡を含有した泡状形態とし、更に当該定着泡層の膜厚を加圧力に応じて制御することにより、塗布ローラのような接触塗布手段へのトナーオフセットや画像流れを防止し、極めて微小の塗布による定着を可能とすることができる。また、樹脂微粒子として、電子写真技術に用いるトナー微粒子に対する効果が高く、この樹脂微粒子の層厚に応じて定着泡層の膜厚を制御することでオフセットや画像流れを防止できる。