JP5212081B2 - 画像形成装置、泡塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置及び泡塗布装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
このような液体吐出方式の画像形成装置においては、色材を含むインクを液滴化して画像形成を行うために、液滴で形成されるドットがひげ状に乱れるフェザリング、異なる色のインク滴が隣接して用紙に打たれた場合に、各色が相互に混ざり合って色境界が不鮮明になるカラーブリード等の不具合が生じることがあり、更に印字後の紙上の液滴が乾くまでに時間がかかるという問題がある。
そこで、従来から特許文献1に記載されているように印字前又は印字後に加熱手段を用いて滲み防止、印字後のインク乾燥を促進することが行われる。
特開平8−323977号公報
また、特許文献2に記載されているようにインクと反応して滲み防止を促す前処理液を塗布ローラで塗布したり、特許文献3に記載されているように前処理液を液体吐出ヘッドからミスト状に吐出させて塗布したりすることが行われる。
特開2002−137378号公報 特開2005−138502号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のように加熱装置を備えるのでは、装置の電力消費が大きくなるという課題がある。また、特許文献2、3に記載のように塗布ローラや液体吐出ヘッドで前処理液を塗布するのでは、塗布ムラが発生するとともに、液体を用紙上に過剰に付与するためにインクと反応後の用紙の速乾性に問題があり、特に用紙がカールしたり、撓んだりし易くなることから、ジャム等が起こりやすいという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、液体又はゲル、若しくはその両方を泡状にしたものを、均一に塗布できるようにするとともに、泡の生成から塗布手段までの供給時間の短縮化を図ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記被記録媒体又は被記録媒体に塗布するための中間部材に対して液体及びゲルの少なくともいずれかを泡状にした泡を塗布する泡塗布手段と、を備え、
前記泡塗布手段は、
前記泡を生成する泡生成手段と、
前記泡を前記被記録媒体又は中間部材に塗布する塗布手段と、
前記泡生成手段で生成された前記泡を開口から前記塗布手段に対して供給する泡供給口部と、を有し、
前記塗布手段による塗布方向に直交する方向の幅において、前記泡生成手段の泡生成領域の幅は前記泡供給口部の泡供給領域の幅以上である
構成とした。
本発明に係る泡塗布装置は、
被塗布部材に液体及びゲルの少なくともいずれかを泡状にした泡を塗布する泡塗布装置において、
前記泡を生成する泡生成手段と、
前記泡を前記被記録媒体又は中間部材に塗布する塗布手段と、
前記泡生成手段で生成された前記泡を開口から前記塗布手段に対して供給する泡供給口部と、を有し、
前記塗布手段による塗布方向に直交する方向の幅において、前記泡生成手段の泡生成領域の幅は前記泡供給口部の泡供給領域の幅以上である
構成とした。
なお、本発明における「泡」とは、液体又はゲル、若しくはその両方がその中に空気などの気体を含んで丸くなったものであり、気体を包む液体の表面張力により形作られ、ある時間立体的形状を保持できるものをいう。このような形状保持性を有する泡としては、かさ密度0.05g/cm以下であり、泡径の分布範囲が10μm〜1mm、平均泡径が100μm以下であることが好ましい。また、泡は単体では丸く形成されるが、複数結合すると表面張力により個々の泡の形状は多面体形状をとる。
また、「ゲル」とは、分散媒に分散しているコロイド溶液や高分子化合物が相互作用の為に独立した運動性を失い、粒子が互いにつながりあい、網状又は蜂の巣の様な構造をとるようになり、固化した半固体物質を意味する。
本発明によれば、液体又はゲル、若しくはその両方を泡状にしたものを、均一に塗布できるようにするとともに、泡の生成から塗布手段までの供給時間の短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る泡塗布装置を含む本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成図である。
この画像形成装置は、被記録媒体である用紙100に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッドユニット101と、用紙100を搬送する搬送ベルト102と、用紙100を収容する給紙トレイ103と、画像が形成された用紙100が排紙される排紙トレイ104と、記録ヘッドユニット101よりも用紙搬送方向上流側で被塗布部材である用紙100に泡を塗布する本発明に係る泡塗布装置(被塗布部材に泡を塗布する装置)200とを備えている。
記録ヘッドユニット101は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドから構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を記録ヘッド101y、101m、101c、101kを備えている。なお、シリアル型画像形成装置として記録ヘッドをキャリッジに搭載する構成ともできる。
搬送ベルト102は、無端状ベルトであり、搬送ローラ121とテンションローラ122との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト102に対する用紙100の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。
給紙トレイ103に収容された用紙100はピックアップローラ131で1枚ずつ分離されて搬送ローラ132によって給紙されて搬送ローラ対133、134によって搬送路135を介して搬送され、泡塗布装置200によって泡塗布が行われた後、搬送ベルト102上に送り込まれて保持される。
そして、搬送ベルト102で搬送されながらヘッドユニット101から各色の液滴が吐出されて、泡が塗布された用紙100上に画像が形成され、その後用紙100は排紙トレイ104に排出される。
一方、泡塗布装置200は、泡状態にすることが可能な液体又はゲル若しくは液体及びゲル(以下、これらを「処理液」又は「セット剤」と総称する。)201を収容した容器202と、この容器202から処理液201を圧送するポンプ203と、ポンプ203で供給路204を介して供給された処理液201から泡210を生成する泡生成手段としての泡生成部205と、泡生成部205で生成された泡210を開口(供給口)207から泡塗布部208に対して供給する供給口部207と、供給された泡210を被記録媒体(用紙100)に塗布する泡塗布部208とを備えている。
泡塗布部208は、泡供給口部206の供給口207から供給された泡210を周面に担持する塗布手段としての塗布ローラ232と、塗布ローラ232周面に担持された泡210を攪拌する攪拌ローラ233と、塗布ローラ233の周面に担持された泡210が塗布されるときの厚み(塗布膜厚)を規制する厚み規制部材234と、塗布ローラ231に対向配置されて被記録媒体(又は被塗布部材)100の搬送を補助する搬送補助ローラ235と、塗布ローラ232の周面に残った泡210をクリーニングするクリーニング部材236とを備えている。なお、塗布ローラ232、攪拌ローラ233及び搬送補助ローラ235の回転方向は矢印方向である。
ここで、泡状態になり得る処理液201は、用紙100の表面に塗布することで用紙100の表面を改質する改質材である。例えば、処理液201は、予め用紙100(前述したように材質としての紙に限定されない。)にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙100に浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤(セット剤)である。
この処理液201は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
また、泡210としては、気泡含有量が、かさ密度として概ね0.01g/cm〜0.1g/cm程度の範囲内であるものが好ましい。
ここで、「泡」は液体ではなく半固体となり、流動性等において固体に近い物性を示すものである。つまり、泡210は処理液201から生成されるものであるが、生成された「泡」自体は「液体」や「ゲル」ではない。
そして、このように、用紙100の表面に処理液201から生成した泡210を塗布することによって、泡210には空気を大量に含むことで微量液塗布が可能となって、塗布の均一化を図れ、速乾性が向上し、滲み、裏写り、濃度ムラ等のない良質な画像を出力することができる。
つまり、処理液を泡にして塗布することで、液体やミスト状の処理液と比べて、次のような利点(効果)がある。
(1)泡は空気を大量に含む為、微量塗布が可能である。
(2)泡は固体に近いため、塗布してから削りとる等で塗布膜厚を容易に調整することができ、又、塗布手段から紙への塗布時に塗布手段からの剥離性が良いため、均一塗布が可能である。
(3)泡は紙の繊維に水分が浸透しにくいため、紙にシワやカールが発生しにくい。
このような泡塗布の長所は、処理液の種類に依存せず、同様な効果が得られる。なお、処理液は紙粉を抑える効果を持つことが好ましく、また、用紙の地肌色を変える効果があっても良い。
さらに、このように被記録媒体の処理剤として「泡」のものを用いることは、液体の処理剤に比べて特に高速での記録、処理時に格別の効果を有する。例えば、連帳機のように、連続紙に高速で印刷を行う場合、処理剤の塗布も記録動作に追いつくためにローラ等を高速に回転させて塗布を行う必要がある。
このような記録が毎分100m程度を超えるスピードになると、ローラの高速回転により発生する遠心力もきわめて大きくなり、液体の処理剤では、処理剤がローラ表面から引き離され飛散してしまい、被記録媒体に塗布される量が著しく低下してしまうという不具合がある。液体の処理剤を使用してこのような不具合を解決するためには、液体の粘度を上げてローラ表面から飛散しにくくすることも考えられるが、このような高粘度液体は薄膜で塗布することが困難になり、しかも給液、排液動作の負荷が大きくなって搬送用のポンプの大型化や装置の複雑化を招くことになる。
これに対して、処理液から生成した「泡」は、搬送時は通常の低粘度液体であり、搬送負荷が少ない上に、ローラ上では発泡させた状態で半固体の性質を示すため、ローラの高速回転にも追随して飛散することがない。また、被記録媒体への薄膜塗布に有利であることは前述のとおりである。さらに、塗布後の残泡はヒータの加熱等で消泡することで容易に低粘度液体として再回収でき、液体の処理剤塗布の高速塗布における問題点をすべて解決することができるのである。
ところで、被記録媒体又は被記録媒体に塗布するための中間部材などの被塗布部材に対し、幅方向へ泡を均一量塗布するためには、泡塗布装置の塗布手段上で塗布前に該方向へ十分に延展させる必要がある。しかしながら、泡は固体に近い(半固体状である)ことから、容易には延展しないため、塗布手段上へ延展した状態で供給されることが好ましい。また、泡生成部の泡の生成から塗布手段への供給に時間がかかると、印字指示がなされてから印字動作に入れるまでの時間(特にファーストプリントの立ち上がり時間)が長くなり、タイムラグが大きくなることになる。
そこで、本発明では、泡生成部における泡生成領域の幅(被記録媒体又は被塗布部材の幅方向に沿う方向の長さ)が、泡供給口部の泡供給領域の幅以上である構成とすることで、必要な幅で泡を送って供給できるようにして、泡生成部の泡の生成から塗布手段への供給までの時間の短縮化を図っている。
先ず、本発明の第1実施形態について図2ないし図5を参照して説明する。なお、図2は同実施形態の泡生成部の断面説明図、図3は図2の矢視A方向から視た模式的説明図、図4は泡生成部の平面説明図、図5は同じく一部破断斜視説明図である。
泡生成部205は、処理液201を収容する泡生成容器220と、容器220内に配設した板状の多孔質部材221とを備え、多孔質部材221の上側空間222内に前述したように処理液201が供給され、また、多孔質部材221の下側空間223内に、高圧空気供給部224から高圧空気供給路225を介して高圧空気226が送り込まれる(供給される)ことで、上側空間223内に泡210が生成される。
そして、泡生成容器220内で高圧空気226が送り込まれることによって泡210が連続的に生成されるとき、泡210は自身の堆積力(堆積力とは、体積が増大する力であり、堆積力が働く方向は垂直方向に限ったものではない。)と高圧空気226の流れによって泡供給口部206に移動して供給口207から泡塗布部208に供給される(供給口207から泡210を供給する領域を「泡供給領域」という。)。
ここで、泡生成部205の泡210は多孔質部材221がある領域で発生する(上側空間222の領域で発生する。泡210が発生する領域を「泡生成領域」という。)。そして、図3に示すように、泡生成領域の幅W1(被記録媒体幅方向の長さ)は、泡供給口部206の泡供給領域の幅W2以上(この例では同じ)としている。
これにより、泡生成部205で泡210の塗布が必要な領域分の幅で泡210が生成されてそのまま供給口部206の供給口207から泡塗布部208に供給されるので、泡210を被記録媒体の幅方向に延展する手段が不要になり、泡210を搬送する経路の短縮を短縮でき、泡生成から泡供給までの時間を短縮できる。また、泡210自体が形状保持のための圧を有しているために、泡生成を停止しても、搬送経路が長くなると、搬送経路内の泡210自身の圧によって直ちに移動を停止しないで供給口部207から溢れ出すおそれがあるが、搬送経路を短くできることで、溢れ出しを低減できる。
また、この例では、図4に示すように、泡生成部205の泡生成領域から泡供給部206の泡供給領域までの経路に、泡供給領域の幅W2よりも狭い幅の部分(絞り部)が存在しない構成としている。
このように泡生成部205から泡供給部206までの間に絞り部がないことで、圧力溜りがなくなり、泡供給のオン(供給)/オフ(停止)の応答性が高くなる。つまり、上述したように泡210自体が圧を有している上に、絞り部があるとより圧が高められて、泡供給のオン/オフの応答性が低くなるが、絞り部がないことでこの応答性の低下を低減できる。
このように、泡を生成する泡生成手段と、泡生成手段で生成された泡を開口から塗布手段に対して供給する泡供給口部とを有し、泡生成手段の泡生成領域の幅は泡供給口部の泡供給領域の幅以上である構成とすることで、液体又はゲル、若しくはその両方を泡状にしたものを、均一に塗布できるようにするとともに、泡の生成から塗布手段までの供給時間の短縮化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同実施形態の泡生成部の図3と同様な説明図、図7は同じく一部破断斜視説明図である。
この実施形態では、泡生成領域の幅W1(被記録媒体幅方向の長さ)は、泡供給口部206の泡供給領域の幅W2よりも広く(W1>W2)としている。
これにより、泡供給口部206の供給口207両端(幅方向両端)での泡供給の遅れが防止される。つまり、泡生成部205から泡210が泡供給口207側に移動するときに、幅方向両端部の壁面に沿う部分では中央部分よりも壁面との接触による抵抗が相対的に大きいので、幅方向両端部の供給遅れが生じるが、泡生成領域の幅を泡供給領域の幅よりも大きくすることで、このような供給遅れを低減できる。
次に、本発明の第3実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態の泡生成部の断面説明図である。
この実施形態の泡生成部205は、筒状の多孔質部材221を使用し、多孔質部材221内に高圧空気225を送り込むことで泡210を生成する。筒状の多孔質部材221の外周面全体で空気が処理液201に混入されるので、効率よく泡210を発生させる(生成する)ことができる。
次に、本発明の第4実施形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態の泡生成部の断面説明図である。
この実施形態の泡生成部205は、泡生成容器220の泡210を発生する多孔質部材221から泡供給口207に向かう経路内に、泡210が通過することで泡210をせん断する1又は複数(この例では3つ)のメッシュ部材228を配置し、泡210の微細化、均一化を図っている。
また、このメッシュ部材228を配置する部分220aは、泡の移動方向と直交する方向の開口断面積を多孔質部材221の上側空間222の同方向の面積よりも狭くして、流速を高め、よりせん断効率を上げている。なお、メッシュ部材228を配置する部分220aは、被記録媒体幅方向に沿う方向と直交する方向の幅Cが泡210が発生する多孔質部材221の同方向の幅Bよりも狭くすることで、開口断面積を狭くしている。
なお、上記実施形態では泡塗布装置が画像形成前の用紙に対して泡を塗布する構成で説明しているが、記録ヘッドユニットの下流側に泡塗布装置を配置し、画像形成が行われた用紙上に泡を塗布する構成とすることもできる。また、上記実施形態では、泡状態にすることが可能な液体から泡を生成して塗布する例で説明しているが、本発明を、泡状態にすることが可能なゲルから泡を生成して被塗布部材に塗布する装置、この装置を備える画像形成装置にも適用することができる。
また、本発明に係る泡塗布装置は、例えば電子写真方式の画像形成装置にも適用することができる。例えば、紙等の媒体上のトナー等の樹脂を含有する微粒子を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を泡化(以下「定着泡」という)して塗布することにより、塗布後に素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残油感が発生しない定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置にも適用できる。
そこで、電子写真方式の画像形成装置に適用した場合の例について図10及び図11を参照して説明する。なお、図10及び図11はローラ塗布手段においてローラ塗布面と未定着樹脂微粒子が接する部分の拡大説明図であり、図10は塗布ローラと記録媒体との接触面での加圧が相対的に高い場合、図11は同加圧が相対的に低い場合である。また、塗布ローラ1011の回転方向及び被塗布部材としての記録媒体1010の移動方向はいずれも図中の矢印方向とする。
まず、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が高い場合、図10(a)に示す例では、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012は気泡1013の単層構造となっていることから、気泡自身が表面張力により塗布ローラ1011の塗布面に付着しやすく、記録媒体1010上の樹脂微粒子(未定着トナー)1015の層へ定着泡1012が不均一にしか塗布されず、樹脂微粒子1015が気泡1013に吸着して塗布ローラ1011の塗布面にオフセットしてしまう。
一方、図10(b)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012が複数層の気泡層構造である場合、凹凸を有する未定着トナー1015の面への気泡の埋め込みが可能となり、定着泡1012は気泡1013の層間で分離しやすくなり、トナー層に均一に塗布可能となり、トナーオフセットを極めて生じにくくすることができる。
したがって、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が高い場合、塗布ローラ1011に未定着トナー1015がオフセットしないようにするためには、予め生成する気泡の平均的な大きさを測定しておき、気泡層が複数層となるように、塗布ローラ1011上の定着泡層の膜厚を気泡層の複数層分の厚みになるように制御すれば、塗布ローラ1011上には必ず複数層の気泡層からなる定着泡層が形成され、トナーオフセットの防止が可能となる。
また、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が低い場合、図11(a)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012は気泡1013の単層構造となっているため、凹凸を有する未定着トナー1015の面への気泡が付着しやすくなり、塗布ローラ1011の面から気泡層が剥離し、定着泡1012は未定着トナー1015に塗布される。
一方、図11(b)に示すように、塗布ローラ1011の塗布面で定着泡1012が複数層の気泡層構造である場合、気泡1013どうしの結合が強いため、気泡1013は塗布ローラ1011側に残りやすく、逆に未定着トナー1015が気泡1013に付着して、結果として塗布ローラ1011の面に未定着トナー1015がオフセットする。
したがって、塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触面での加圧が低い場合、予め気泡の平均的な大きさを測定しておき、塗布ローラ面で単層の気泡層構造の定着泡となるように定着泡層厚みを制御すれば、塗布ローラ上には単層の気泡層構造の定着泡膜が形成され、高加圧力条件でトナーオフセットを防止できる。また、塗布ローラ1011に未定着トナー1015がオフセットしないようにするためには、塗布ローラ1011上の気泡層が厚すぎると塗布ローラ1011と記録媒体1010との接触部に気泡層の流動が生じ、トナー粒子がその流れに沿って移動してしまし、画像が流れる不具合が発生するので、流動性が生じない範囲に定着泡層の膜厚を制御することが好ましい。
このように、定着泡に含有される気泡の大きさ、加圧力に応じて、定着泡層の膜厚を制御することで、塗布ローラのような接触塗布手段へのトナーオフセットや画像流れを防止し、極めて微小の塗布による定着を可能とすることができる。
すなわち、樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を用い、接触塗布手段にて媒体上の当該樹脂微粒子に定着液を塗布することで当該樹脂微粒子を媒体に定着する方法であり、当該定着液を該媒体上の当該樹脂微粒子表面に付与するときに、当該微粒子に定着液が接する塗布で、当該定着液が気泡を含有した泡状形態とし、更に当該定着泡層の膜厚を加圧力に応じて制御することにより、塗布ローラのような接触塗布手段へのトナーオフセットや画像流れを防止し、極めて微小の塗布による定着を可能とすることができる。また、樹脂微粒子として、電子写真技術に用いるトナー微粒子に対する効果が高く、この樹脂微粒子の層厚に応じて定着泡層の膜厚を制御することでオフセットや画像流れを防止できる。
本発明に係る泡塗布装置を備える画像形成装置の一実施形態の全体構成図である。 本発明の第1実施形態の泡生成部の断面説明図である。 図2の矢視A方向から視た模式的説明図である。 同泡生成部の平面説明図である。 同じく一部破断斜視説明図である。 本発明の第2実施形態の泡生成部の断面説明図である。 同じく一部破断斜視説明図である。 本発明の第3実施形態の泡生成部の断面説明図である。 本発明の第4実施形態の泡生成部の断面説明図である。 電子写真方式の画像形成装置に適用した場合の塗布ローラと記録媒体との接触面での加圧が相対的に高い状態でのローラ塗布面と未定着樹脂微粒子が接する部分の拡大説明図である。 同じく塗布ローラと記録媒体との接触面での加圧が相対的に低い状態でのローラ塗布面と未定着樹脂微粒子が接する部分の拡大説明図である。
符号の説明
100…被記録媒体(用紙)
101…記録ヘッドユニット
102…搬送ベルト
103…給紙トレイ
200…泡塗布装置
201…処理液(泡状態になる液体又はゲル若しくは液体及びゲル)
205…泡生成部
206…泡供給口部
207…泡供給口
208…泡塗布部
210…泡
221…多孔質部材
232…塗布ローラ

Claims (6)

  1. 被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記被記録媒体又は被記録媒体に塗布するための中間部材に対して液体及びゲルの少なくともいずれかを泡状にした泡を塗布する泡塗布手段と、を備え、
    前記泡塗布手段は、
    前記泡を生成する泡生成手段と、
    前記泡を前記被記録媒体又は中間部材に塗布する塗布手段と、
    前記泡生成手段で生成された前記泡を開口から前記塗布手段に対して供給する泡供給口部と、を有し、
    前記塗布手段による塗布方向に直交する方向の幅において、前記泡生成手段の泡生成領域の幅は前記泡供給口部の泡供給領域の幅以上である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記泡生成手段から前記泡供給口部までの経路は前記泡供給領域よりも幅の狭い部分がないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記泡生成手段は、
    前記液体及びゲルの少なくともいずれかを収容する泡生成容器と、
    前記泡生成容器内に配設された板状の多孔質部材とを備え、
    前記多孔質部材の上面側に前記液体及びゲルの少なくともいずれかを収容し、前記多孔質部材の下面側から気体が供給されることで前記泡を生成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記泡生成手段は、
    前記液体及びゲルの少なくともいずれかを収容する泡生成容器と、
    前記泡生成容器内に配設された筒状の多孔質部材とを備え、
    前記多孔質部材の外面側に前記液体及びゲルの少なくともいずれかを収容し、前記多孔質部材の内面側から気体が供給されることで前記泡を生成する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記泡生成手段には前記泡を剪断するメッシュ部材を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  6. 被塗布部材に液体及びゲルの少なくともいずれかを泡状にした泡を塗布する泡塗布装置において、
    前記泡を生成する泡生成手段と、
    前記泡を前記被記録媒体又は中間部材に塗布する塗布手段と、
    前記泡生成手段で生成された前記泡を開口から前記塗布手段に対して供給する泡供給口部と、を有し、
    前記塗布手段による塗布方向に直交する方向の幅において、前記泡生成手段の泡生成領域の幅は前記泡供給口部の泡供給領域の幅以上である
    ことを特徴とする泡塗布装置。
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