JP5369674B2 - デオドラント組成物及び複合粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
[1].(A)酸化亜鉛10〜50質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム30〜70質量%、及び(C)液状油15〜30質量%を含有し、かつ(A)/(C)で表される質量比が50/50〜70/30である複合粒子を含むデオドラント組成物。
[2].複合粒子が、(C)液状油に分散された(A)酸化亜鉛が、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムに分散されてなる複合粒子であることを特徴とする[1]記載のデオドラント組成物。
[3].複合粒子中における(A)酸化亜鉛の含有量が25〜42質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムの含有量が31〜57質量%、(C)液状油の含有量が17〜30質量%である[1]又は[2]記載のデオドラント組成物。
[4].(C)成分が、ミリスチン酸イソプロピル及びイソオクタン酸セチルから選ばれる1種以上である[1]〜[3]のいずれかに記載のデオドラント組成物。
[5].複合粒子が、さらに(D)清涼剤を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のデオドラント組成物。
[6].デオドラントスプレーである[1]〜[5]のいずれかに記載のデオドラント組成物。
[7].(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムを含有する水溶液に、(A)酸化亜鉛を(C)液状油に分散させた分散液を添加し、得られた液を噴霧乾燥することを特徴とする、(A)酸化亜鉛10〜50質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム30〜70質量%、及び(C)液状油15〜30質量%を含有し、かつ(A)/(C)で表される質量比が50/50〜70/30であり、(C)液状油に分散された(A)酸化亜鉛が、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムに分散されてなる複合粒子の製造方法。
本発明のデオドラント組成物は、(A)酸化亜鉛及び(B)水溶性高分子化合物を含有する複合粒子を含むものである。
酸化亜鉛の平均粒径は0.01〜1μmが好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましい。平均粒径が0.01μm未満だと、消臭効果と使用感が低下する場合があり、1μmを超えると、比表面積が小さくなり、消臭効果と使用感が低下する場合がある。
本発明においては、酸化亜鉛と水溶性高分子化合物とを併用することにより、水分との接触により、カプセルが崩壊して酸化亜鉛が放出され、消臭効果が発揮される。このような水溶性高分子化合物としては、例えば、天然又は変性デンプン、アラビアガム、グリコーゲン、キサンタンガム、グアガム、ショ糖、ラクトース、トレハロース、グンチアノース等のオリゴ糖類、デキストリン、植物ゴム、ペクチン、アルギネート等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、酸化亜鉛の分散性を高め、疎水基を有し界面活性能を有する水溶性高分子化合物が好ましく、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムが好ましい。
複合粒子には、酸化亜鉛を均一に水溶性高分子化合物に分散させ、結果として消臭効果が高く、その持続性に優れ、使用感が良好な酸化亜鉛を含むデオドラント組成物とする点から、(C)液状油を配合することが好ましい。なお、液状油とは、常温(15〜25℃)で液状の油をいう。
複合粒子には、消臭効果が高さ及びその持続性の点から、(D)清涼剤を配合することが好ましい。清涼剤としては、l−メントール、l−メンチルグリセリルエーテル、l−メンチルラクテート等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
さらに、複合粒子には、複合粒子の流動性(ハンドリング)及び使用感向上の点から、無水ケイ酸を配合することが好ましい。無水ケイ酸の複合粒子中における含有量は0.1〜1質量%が好ましい。
本発明の複合粒子は、(A)酸化亜鉛及び(B)水溶性高分子化合物を含有するものである。複合粒子は、被保持物が外殻基剤に内包されるタイプや、被保持物が微粒子として外殻基剤全体に分散しているタイプとが挙げられるが、消臭効果、その持続性及び使用感の点から、被保持物が微粒子として外殻基剤全体に分散しているタイプが好ましく、(A)酸化亜鉛が(B)水溶性高分子化合物に分散されてなる複合粒子であることが好ましい。(A)酸化亜鉛は微粒子として分散されることが好ましく、酸化亜鉛の平均粒径は0.01〜1μmが好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましい。(C)液状油、(D)清涼剤、(E)無水ケイ酸等を配合する場合も、被保持物として微粒子が(B)水溶性高分子化合物として分散されていることが好ましい。被保持物が外殻基剤に内包されるタイプであると、押圧や摩擦等の物理的な作用が加えられない限り崩壊せず、さらに一旦崩壊すると内包物の全量が放出されるために、酸化亜鉛を複合粒子内に分散させたとしても放出時に凝集するため、凝集が発生する成分等を徐放させる機構には不向きな点がある。これに対して、被保持物が微粒子として外殻基剤全体に分散しているタイプであれば、水分の接触により部分的に崩壊していき、その部分に分散している被保持物のみが放出されるために、徐放させる機構として優れた構造を有している。なお、(A)酸化亜鉛が(B)水溶性高分子化合物に分散している状態は、例えば、SEM−EDS分析法(測定機器:走査電子顕微鏡(日立 S−2380N)、X線分析装置(HORIBA EMAX−7000)により確認することができる。
複合粒子の製造方法としては特に制限はなく、従来のマイクロカプセル化手法から目的に応じて、適宜選択することができる。例えば、相分離法、オリフィス法、液中硬化法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。これらの中でも、噴霧乾燥法、凍結乾燥法が好ましく、特に、以下の噴霧乾燥法が好ましい。
本発明のデオドラント組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。任意成分としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、シリコーン油やエステル油等の油分、無機粉体、有機粉体、高分子化合物、保湿剤、包接化合物、ビタミン類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、抗炎症剤、冷感付与剤、酸化防止剤、着色剤、香料、制汗剤、殺菌剤、消臭剤、防腐剤、溶剤(エタノール等)、脂肪酸等が挙げられる。なお、配合量は適宜選定される。さらに、複合粒子への配合とは別に、(A)酸化亜鉛、(B)水溶性高分子化合物、(C)液状油、(D)清涼剤、(E)無水ケイ酸等を配合してもよい。
消臭剤としては、マグネシア・シリカ、酸化マグネシウム、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
ミリスチン酸イソプロピルを攪拌しながら、酸化亜鉛全量を添加し分散液を得た。オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加して攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸と前記分散液を添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し、複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。なお、実施例1をSEM−EDS分析法(測定機器:走査電子顕微鏡(日立 S−2380N),X線分析装置(HORIBA EMAX−7000)でみたところ、酸化亜鉛が水溶性高分子化合物に分散されてなる状態が確認された。
ミリスチン酸イソプロピルを攪拌しながら、酸化亜鉛19部を添加し分散液を得た。オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加して攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸と残部酸化亜鉛33部、前記分散液を添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し、複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
無水ケイ酸を配合しない以外は、実施例1と同様の方法で複合粒子を得た。
ミリスチン酸イソプロピルに代えてイソオクタン酸セチルを用いる以外は、実施例1と同様の方法で複合粒子を得た。
ミリスチン酸イソプロピルを攪拌しながら、清涼化剤を添加し溶解した後、酸化亜鉛全量を添加し、分散液を得た。オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加して攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸と前記分散液を添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加し攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸と酸化亜鉛全量を添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加し攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸とミリスチン酸イソプロピルを添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
ミリスチン酸イソプロピルを攪拌しながら、酸化亜鉛全量を添加し分散液を得た。セルロースを4倍量の水に添加して攪拌分散し、90℃に加温した。これに、無水ケイ酸と前記分散液を添加し、パドル式攪拌機を用いて90℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し、複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
オクテニルコハク酸デンプンエステルナトリウムを4倍量の水に添加し攪拌溶解し、65℃に加温した。これに、無水ケイ酸を添加し、パドル式攪拌機を用いて65℃にて分散させ、その分散液を180℃雰囲気中に噴霧乾燥し複合粒子を得た。さらに、得られた複合粒子を所定メッシュのふるいを通過させ、所望の平均粒径の複合粒子を得た。
上記複合粒子7%、クロルヒドロキシアルミニウム24%、無水ケイ酸10%を樹脂製容器に入れ、よく振り混ぜ均一にし粉体混合物とした。別途、下記表4の原液組成において、前記粉体混合物の調製に用いた成分以外の残り成分を均一に混合し、液体混合物を得た。この液体混合物に粉体混合物を均一に混合し、原液を得た。
次に、アルミニウム製の缶に原液を入れ、アルミニウム製バルブでクリンチし、その後、原液/噴射剤(質量比)7/93で混合して充填し、エアゾール型デオドラントスプレー(デオドラント組成物)を得た。得られたエアゾール型デオドラントスプレーについて、下記評価を行った。結果を表1〜3に併記する。
男女被験者20名に対し、各々の片方の腋窩部には何も処理せず、もう片方の腋窩部にデオドラント組成物を80mg塗布した。その後、着用開始から、1時間後、4時間後、8時間後に、各被験者が自身の腋窩部の臭気から下記評価点に基づいて消臭効果を官能評価した。結果を、被験者20人の官能評価平均点に基づいて、下記消臭効果基準に基づき示す。
<評価点>
3点:塗布部側は無塗布部よりも消臭効果が非常に高いと感じる
2点:塗布部側は無塗布部よりも消臭効果がかなり高いと感じる
1点:塗布部側は無塗布部よりも消臭効果がやや高いと感じる
0点:塗布部側は無塗布部と同等
<消臭効果基準>
◎:被験者20人の平均点が2.5点以上
○:被験者20人の平均点が2点以上2.5点未満
△:被験者20人の平均点が1点以上2点未満
×:被験者20人の平均点が1点未満
男女被験者20名に対し、前腕内側部にデオドラント組成物を80mg塗布し、肌についた感触について、下記評価点に基づき官能評価した。結果を、被験者20名の官能評価平均点に基づいて、下記使用感基準に基づき示す。
<評価点>
5点:非常に残存感やざらつきを感じる
4点:残存感やざらつきを感じる
3点:少し残存感やざらつきを感じる
2点:ほとんど残存感やざらつきを感じない
1点:全く残存感やざらつきを感じない
<使用感基準>
◎:被験者20名の平均点が1点以上2点未満
○:被験者20名の平均点が2点以上3点未満
△:被験者20名の平均点が3点以上4点未満
×:被験者20名の平均点が4点以上5点以下
[実施例9]デオドラントスプレー
(原液)
組成 %
マイクロカプセル化消臭剤(実施例7で用いた複合粒子) 7
クロルヒドロキシアルミニウム 25
ミリスチン酸イソプロピル 26
マグネシア・シリカ(*1) 5
ジメチルシリコーン(*2) 5
ポリエーテル変性シリコーン(*3) 3
イソプロピルメチルフェノール(*4) 0.1
イソステアリン酸(*5) 3
POE(20)トリイソステアリン酸グリセリル(*6) 15
無水ケイ酸(*7) 10
香料 0.9
原液合計 100.0
(噴射剤)
液化石油ガス(LPG、0.15MPa/20℃) 噴射剤合計:100.0
原液/噴射剤(質量比)=7/93
*1:ミズパールM−5015(水澤化学工業株式会社)
*2:KF−96 10cs(信越化学工業株式会社)
*3:SH3771M(東レ・ダウコーニング株式会社)
*4:イソプロピルメチルフェノール(大阪化学株式会社)
*5:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業株式会社)
*6:ユニオックスGT−20IS(日油株式会社)
*7:サンスフェアH−122(AGCエスアイテック)
組成 %
マイクロカプセル化消臭剤(実施例8で用いた複合粒子) 2.5
クロルヒドロキシアルミニウム 24.0
ケイ酸マグネシウム 2.0
ステアリルアルコール 8.0
硬化ヒマシ油 5.0
マイクロクリスタリンワックス 2.0
ポリオキシプロピレンブチルエーテル 3.0
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
デカメチルペンタシロキサン(*8) 残部
グリチルレチン酸ステアリル 0.02
タルク(*9) 5.0
香料 0.05
合計 100.0
使用容器:吉野工業所製ポリプロピレン/ポリアセタール容器
*8:SH245 Fluid(東レ・ダウコーニング)
*9:SW−A(浅田製粉)
マイクロカプセル化消臭剤(実施例7で用いた複合粒子) 3.0
セリサイト 15.0
マイカ 10.0
タルク(*10) 残部
微粒子酸化チタン 10.0
メチルシロキサン網状重合体(*11) 12.0
流動パラフィン 2.0
オクチルドデカノール 5.0
メチルポリシロキサン(*12) 2.0
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
グンジョウ 適量
香料 0.1
合計 100.0
*10:SW−A(浅田製粉)
*11:KMP−590(信越化学工業)
*12:KF96A−50cs(信越化学工業)
マイクロカプセル化消臭剤(実施例1で用いた複合粒子) 3.0
酸化チタン 7.0
タルク 15.0
カオリン 10.0
流動パラフィン 残部
セレシン 20.0
オクチルドデカノール 8.0
キャンデリラロウ 5.0
無水ケイ酸(*13) 2.0
メチルポリシロキサン(*14) 10.0
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グンジョウ 適量
香料 0.1
合計 100.0
*13:サンスフェアH−121(AGCエスアイテック)
*14:KF96A−200cs(信越化学工業)
Claims (7)
- (A)酸化亜鉛10〜50質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム30〜70質量%、及び(C)液状油15〜30質量%を含有し、かつ(A)/(C)で表される質量比が50/50〜70/30である複合粒子を含むデオドラント組成物。
- 複合粒子が、(C)液状油に分散された(A)酸化亜鉛が、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムに分散されてなる複合粒子であることを特徴とする請求項1記載のデオドラント組成物。
- 複合粒子中における(A)酸化亜鉛の含有量が25〜42質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムの含有量が31〜57質量%、(C)液状油の含有量が17〜30質量%である請求項1又は2記載のデオドラント組成物。
- (C)成分が、ミリスチン酸イソプロピル及びイソオクタン酸セチルから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のデオドラント組成物。
- 複合粒子が、さらに(D)清涼剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のデオドラント組成物。
- デオドラントスプレーである請求項1〜5のいずれか1項記載のデオドラント組成物。
- (B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムを含有する水溶液に、(A)酸化亜鉛を(C)液状油に分散させた分散液を添加し、得られた液を噴霧乾燥することを特徴とする、(A)酸化亜鉛10〜50質量%、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム30〜70質量%、及び(C)液状油15〜30質量%を含有し、かつ(A)/(C)で表される質量比が50/50〜70/30であり、(C)液状油に分散された(A)酸化亜鉛が、(B)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムに分散されてなる複合粒子の製造方法。
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